録画中継

令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月9日(木) 本会議 質問
未来クラブ
原田 龍五 議員
1 南海トラフ巨大地震への備えについて
2 教育行政について
3 持続可能な都市経営について
4 米粉精粉機購入について
5 サイクリングロードについて
6 公共工事の工期管理について
◆38番(原田龍五君) (拍手)未来クラブの原田 龍五でございます。
 今議会には、6項目を通告させていただいております。皆様方には、昼食後の非常にきつい時間帯かと思いますが、しばらくお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
 それでは、通告順に質問させていただきます。
 まず1項めとして、南海トラフ巨大地震への備えについてお尋ねいたします。
 南海トラフにおける地震は、歴史に残る地震記録を基に、マグニチュード8から9クラスの地震が今後30年の間に60%から70%の確率で発生すると想定されております。日本書紀に記された飛鳥時代684年の白鳳地震から昭和21年の昭和南海地震まで、11回の地震が起きております。これまでのデータ分析の結果、地震周期は100年から200年とされておりますが、1946年に発生した昭和南海地震は南海トラフの東側の半割れとして、1944年に発生した昭和東南海地震の後発地震であり、安政年間の1854年12月23日、東海地震が東側の半割れとして先発、31時間遅れで西側の半割れとして南海地震が後発地震となったときからの周期は90年であります。直近の南海トラフにおける1946年の昭和南海地震から、今年で77年目となります。巨大地震は、いつ起こるか分かりません。いつ起きても災害を減じる手だては、速やかに講じておかなければなりません。
 今回の質問通告を準備している中、3月4日・5日と2日間にわたり、NHKスペシャル南海トラフ巨大地震が放送されました。多くの市民の皆様も視聴されたのではないかと思います。また、これまで要請があった自主防災組織等への出前講座も、担当課の方々で対応していただいていると伺っておりますが、この際、巨大地震から一人でも多くの市民の命を守り、減災を図る意味で、5点についてお尋ねし、市民の皆さんと認識を共有し、万全の備えをしておきたいと思います。
 まず1点目、南海トラフ巨大地震による本市の被害想定をお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 原田 龍五議員さんの御質問にお答えいたします。
 国の地震調査委員会によりますと、南海トラフ地震は、今後30年以内に70%から80%、40年以内に90%の確率で発生するとされております。
 平成25年に岡山県が公表した南海トラフ巨大地震における被害想定によりますと、本市の被害想定は、最大震度6強、最大津波高3.2メートル、広い範囲での液状化により、最大で死者1,365人、負傷者3,818人、建物被害が全壊4,806棟などとなっております。本市への津波の到達時間は、四国沖の南海トラフでマグニチュード9クラスの巨大地震が発生した場合には、地震発生から2時間27分と予想されています。
 なお、この巨大地震の想定震源域は、駿河湾から日向灘までの非常に広範囲であり、震源域が瀬戸内海に及んだ場合には、20分から30分で岡山県の沿岸に津波が到達する可能性があるとされています。
 津波の高さや到達時間は想定であるため、地震発生後、速やかに避難することが必要です。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 今後起こり得る南海トラフ巨大地震は、長周期地震動と予測されております。長周期地震動とは、約2秒から20秒の長い周期で揺れる地震動のことで、震源が浅く、マグニチュード7以上の巨大地震の場合に大きくなりやすく、周期の短い波に比べて遠くまで伝わるという特徴があり、さらに大規模な平野などの軟らかな地盤が厚く分布する場所で揺れが増幅され、長時間にわたって揺れが続くことも特徴であります。
 2003年に発生した十勝沖地震では、震央から約250キロメートル離れた苫小牧市内で、長周期地震動により揺動した石油タンクの浮き屋根が沈没し、地震から2日後に静電気による火災が起こっています。また、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で、震源から700キロメートル離れた大阪市の高層ビルでは、内装材や防火扉の破壊や、エレベーターの停止による閉じ込め事故が発生しました。このときの大阪市の最大震度は3でありました。
 南海トラフ巨大地震発生時には、瀬戸内海での津波も断続的に12時間に及ぶと言われております。河川からの遡上も、この長周期地震動がどのように影響するか、今後国から公表される資料を基に、被害想定も見直されるものと思います。
 議長の許可を得て本市ホームページ、倉敷市津波ハザードマップより抜粋した資料を用意いたしました。
 南海トラフ巨大地震が発生した場合、市域全体で震度5強以上となり、最大では震度6強となる地域もあることが想定されています。水島コンビナートを含め、人口が集積する地域は、液状化の危険度は極めて高く、震度は6弱と想定されています。震度6弱では、耐震性の低い建物には倒壊や損壊するものが出てくる程度ですが、震度6強では、耐震性の低い建物では倒壊するものが多いと、大きく変わります。
 そこで、2点目のアとして、市内の住宅の耐震化率についてお尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 住宅の耐震化率の算定に当たっては、国土交通省が推計方法を示しており、総務省が5年ごとに実施する住宅・土地統計調査の結果を用いることとされております。
 この調査は、全数調査ではなくサンプリング調査でありますが、直近の調査結果を基に推計した本市における住宅の耐震化率は、令和3年度末で87%となっております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 87%という数字を示されました。一見高そうにも思えるのですが、やっぱり低いかなという感じがいたしました。耐震診断に市から補助金を出していますが、費用がかさむ耐震工事には、なかなか至らない現状があるかと思います。
 次に、2のイとして、上下水道の耐震化がどの程度進んでいるのか、耐震化率についてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 月本環境リサイクル局参与。
◎環境リサイクル局参与(月本浩治君) 本市の上下水道施設においては、南海トラフ巨大地震を想定し、耐震化を進めています。
 令和3年度末における上水道施設につきましては、口径400ミリメートル以上の基幹管路の耐震適合率は41.5%、浄水施設の耐震化率は27.2%、配水池の耐震化率は60.6%で、全国平均と同等の水準となっております。また、下水道施設の耐震化率につきましては、管路施設は91.6%、下水処理場は69.2%となっております。
 今後も、倉敷市水道施設第一期基盤強化計画及び倉敷市下水道総合地震対策事業計画に基づいて、上下水道施設の耐震化を進めるとともに、生活を支える社会インフラの維持管理に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 上水道については、全国平均と同等水準の耐震化率とお答えいただきましたが、口径400ミリ以上の基幹管路は41.5%とお答えいただきました。管径75ミリが破断した現場に居合わせた経験があるのですけれども、1メートル角ぐらいの水路があっという間に満杯になり、その水圧には恐ろしさを感じました。400ミリ以上の管が破断したら、その被害がどのぐらいになるのか想像もつきませんが、今後もペースを落とさぬように、管路の耐震化率向上に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、下水道施設の耐震化率については、管路施設も相当高く、処理場においては処理槽、電気設備等あるので69.2%、やや低いようですが、被災時に迅速な対応ができるよう体制づくりに努めていくというお答えをいただきました。私も平成30年の豪雨災害時の対応を見ておりますので、信頼はしておりますが、南海トラフ巨大地震発生時には、市域全施設への対応となりますので、運営委託業者等との連携をしっかり取っていただくようお願いしておきたいと思います。
 次に、2のウとして、市営住宅において、家具の転倒防止のための金具の取付けの穴開けは許可されているのか、お尋ねいたします。
 何日か前の新聞で、江戸川区だったでしょうか、許可されたという記事を目にしました。命を守るため、家具転倒防止は必要であります。家具固定ぐらいの穴開けは、許可は当たり前と思っておりますが、本市の状況をお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 市営住宅におきましては、従来から南海トラフ巨大地震への備えとして、家具等の転倒防止のために壁の穴開け等の相談があった場合には、各住戸の状況に応じて固定用の金具の設置が可能な場所を入居者にお伝えした上で、原状復旧を条件として認めております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 従来から、当たり前のことが当たり前にできるようにしているということで、ほっといたしました。
 3点目として、災害時用の備蓄品について、種類や数量、備蓄箇所等についてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 災害の備えとして、市民一人一人が自ら命を守るという自助の防災意識を持っていただくことが重要です。
 フェーズフリーの備えとは、日常と災害時の区分けをなくし、日常の延長線上で災害に備えることとされています。各家庭における災害への備えを考える上で、災害時にしか使用しないものではなく、日常で使用しているもので備えをすることは、無理や無駄が少なく防災に取り組めるため、有意義なことと考えております。
 本市では、ふだん食べ慣れているレトルト食品等を備蓄し、食べた分を買い足すローリングストックを推奨しており、総合的な防災冊子であるくらしきの防災や市ホームページにこの方法を掲載するとともに、出前講座で紹介するなど普及を図っているところです。
 また、くらしき防災フェアにおいて、自主防災組織や防災士の方々が運営したワークショップでは、参加者の方へローリングストックについても学習していただきました。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 私が後で述べさせていただこうと思うところを、先に述べていただきました。質問としては、市の今の備蓄の状況、備蓄品ですね、この数量とか種類とか、備蓄箇所をお尋ねしたのですけれども、まあ、よろしい。
 市が備蓄する食料としては、一時的なものでありますから、今お示しはいただいていなかったのですけれども、常温保存ができて、長期間もつものということにならざるを得ないのだろうと思います。
 近年、頻発した様々な災害の避難生活の実態から、避難生活に欠くことができないものとして、温かい食事、清潔なトイレ、ぐっすり休めるベッド等が上げられております。局地的な災害であれば支援が届くまで、水や食料については最低3日分を、家族数に応じた数量をストックしておけばいいだろうということでしたが、30都府県に及ぶ南海トラフ巨大地震の備えとしては、どれほどが必要でしょうか。多くの生産基盤を失い、復興途中で半割れの後発地震が発生する最悪の事態を想定した備えが必要ではないでしょうか。頼りとする外からの支援はないものと想定しておくべきではないでしょうか。各御家庭での備蓄品の備蓄数量について、今軽々に申し上げることはできませんが、日常使いの常温保存の利く食料を買い足ししながら消費し、絶えず一定量を備蓄しておくフェーズフリー、ローリングストックの手法を市民の皆様に推奨したいと思います。ここで、こう言おうと思っていたのですが、市のほうでも啓発を一層よろしくお願いいたします。
 4点目として、通常の火災現場では、消防署が指揮を執り消火活動を行っていますが、南海トラフ巨大地震の大規模災害時には、消防職員、消防団員が救助に出ていたり、倒壊した電柱、家屋に道を塞がれたり、道路そのものも液状化で寸断され、現場に到着できないことも想定されます。
 関東大震災、阪神・淡路大震災の際も、火事により多くの死傷者が出ました。群発する火災の初期消火活動を担えるのは、それぞれの地域コミュニティしかないと思います。大規模災害時には、市民の皆様が自主的に初期消火活動を行えるよう、訓練、指導、啓発すべきではないかと思いますが、消防局のお考えをお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 梶消防局長。
◎消防局長(梶隆幸君) 火災発生時の市民による初期消火活動については、これまでも市総合防災訓練やくらしき防災フェアのほか、地域の消防訓練、防火講話など、機会あるごとに啓発、指導を行っているところです。
 南海トラフ巨大地震等の大規模かつ広域にわたる災害時においては、自助、共助の意識に支えられた地域防災力が必要不可欠であると考えます。そのため、消防車が到着するまでの間に、市民の方々が自主的に初期消火活動を行えるよう、また、自助、共助の意識を高めていただけるよう、今後も積極的に指導、啓発してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) かつては、町内会単位で自衛消防隊であるとか自警団等の組織があり、消防ホースも保有、保管されていましたが、消火栓の改修により保有していた消防ホースは利用できなくなり、廃棄され、組織も解体されたところが多くなっております。
 新たに自主防災組織を立ち上げられた地域においては、市の補助金を活用して可搬ポンプや消防ホースを購入されているところがあると伺っております。なるべく早く、市域全域に配備できるような方策を御検討いただきたいと思います。
 5点目として、南海トラフ巨大地震が発生すると、平成30年の西日本豪雨災害時とは比較にならない、莫大な量の災害廃棄物が排出されると想定されます。
 平成30年の豪雨災害時の経験を踏まえて考えてみますと、大量の災害廃棄物を処理するためには、災害廃棄物の適正な分別や仮集積場所の迅速な開設、そしてこれらのことを市民の皆様へ事前周知しておくことが早期撤去につながるものと思いますが、担当部局では、南海トラフ巨大地震の発生による災害廃棄物処理への備えとしてどのような取組を行っておられるか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市では、平成30年7月豪雨災害の経験を踏まえ、令和2年度に災害廃棄物処理計画の改定をはじめ、仮置場候補地の整備や分別看板の作成を行いました。また、発災直後のごみの適正な分別が住民の皆様の生活環境の保全や早期復旧・復興につながるため、災害時のごみの出し方をまとめたハンドブックを作成し、町内会の総会や地域で行われる防災訓練等で配布するなど、機会を捉えた啓発を行っております。
 今年度、初動対応時の役割や手順などを取りまとめたマニュアルを活用し、民間の廃棄物処理事業者と連携して、仮置場を開設する図上訓練を実施するとともに、ボランティア団体とは、ごみの出し方の情報共有や住民への周知方法に関する意見交換を行いました。
 今後も、住民の皆様に平時から災害時の分別の重要性を啓発するとともに、ごみ処理の初動態勢が迅速に整備できるよう、引き続き関係者との連携を強化し、円滑な災害ごみの処理につなげてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 平成30年の豪雨災害時においては処理費用が、解体工事費等を除いて100億円ほどかかったと記憶しておりますが、分別していなかったために、これほどの高額になったものと思っております。
 市でも、パンフレットも配布されているみたいですけれども、全戸配布にはまだ至っていないと思います。様々な情報媒体、ケーブルテレビも全域網羅されてはおりませんけれども、そういうところで広報するとか、その後、口コミでも伝わっていけばいいと思うのですけれども、やっぱり皆さんが周知しているという状況を早くつくっていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
 お待たせしました。次、2項目め、教育行政についてお尋ねします。
 1点目、ずばりお尋ねします。本市の小・中学校の適正配置計画はいつから着手されますか。
○副議長(北畠克彦君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) これまで倉敷市教育委員会では、大学教授や市議会議員、学校長、保護者の代表で構成されました倉敷市立小中学校適正規模・適正配置検討委員会で議論を重ねてまいりました。
 現在策定中の倉敷市立小中学校の適正規模・適正配置に関する基本方針(案)では、児童、生徒が集団の中で社会性や規範意識を身につけるために、一定規模の児童・生徒集団が確保されることが重要であるとの考えの下、本市における小・中学校の適正な学校規模や通学距離、また、適正化を図るための具体的な方策などに関する方向性について検討を行っております。
 また、今後のスケジュールといたしましては、本議会中に開催の市民文教委員会で、基本方針(案)について報告できるようにすべく準備を進めており、その後、年度末までにパブリックコメントの募集を開始し、その御意見も踏まえて成案として公表していきたいと考えております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、よりよい教育環境を提供することができるよう、このたび策定いたします基本方針の公表後に、学校の適正規模、適正配置の具体的な取組の検討を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 倉敷市立小中学校の適正規模・適正配置に関する基本方針(案)が、やっと今議会中に開催の市民文教委員会で報告予定とお答えいただきました。ここに至るまで相当な時間がかかりました。それを取り戻すために、基本方針公表後に速やかに着手しますとの御答弁がいただけるものと思っておりましたが、まだ何やらかにやら、検討がどうのこうのという御答弁でした。倉敷市は、適正配置計画はやらない、やりたくない、そういうことですか。教育委員会の時計は、一体何時間で1日を刻んでいるのでしょうか。
 文部科学省からの手引は、平成27年に出ています。人口規模が小さいとはいえ、手引が出されるよりずっと以前に、1町で6つの小学校を一つに、4つの中学校を一つに統合された自治体もあります。本市において、幼稚園の望ましい集団規模について議論が始まった頃から、小・中学校の適正配置計画についても議論があってしかるべきであったとは思われませんか。幼稚園の適正配置計画は遅れながらも、保育需要の高まり等の背景もあり、どうにか進んできております。ところが、小・中学校の適正配置計画が遅々として進まないのは何ゆえでしょうか。進まないのではなく、進めないのですか。
 先週の土曜日、3月4日に開催されましたG7倉敷こどもサミットに出席させていただきました。50数年前の中学生時代を思い起こしながら、中学生たちのはつらつとした意見発表に感心しました。今、私たちにできることとして、G7倉敷こどもサミット宣言書2023がまとめられ、発表、採択の後、宣言書が生徒代表から伊東市長と加藤厚生労働大臣に手渡されました。極めて短い時間で取りまとめられたのは、指導に当たられた先生方の御尽力も大きかったと思います。
 教育長、10年も15年も前の時点で今できること、今やるべきことを放置して、今時点においても今できること、今やるべきことを先送りにしようとすること、中学生に恥ずかしくありませんか。前向きな御答弁なら、どうぞお示しください。期待外れとなるようなら、結構です。いかがですか。
○副議長(北畠克彦君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 今、進行が大変遅いという御意見をいただきましたが、文部科学省がこの方針を出した時点では、過疎地で子供たちが減っていることを想定してつくられたものでございます。ところが、全国的に子供が減っている中で、倉敷市においては一部の学校で児童、生徒が増えているという独特の特徴がある。そういう中で、やはり慎重に考えていく必要がある。ですから、いろいろな学区の実態があるということで、そこを踏まえながら慎重に進めて、ようやくここにたどり着いたというところでございます。
 案が出て正式に発表されましたら、できるだけ学区の実態を捉えて進めていきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 適正配置計画の中には、小規模校もあれば、大規模校の分割も当然あるわけです。それで、大規模校は分割するにも、新校舎を建てなくてはならないなどということで相当なお金もかかります。時間もかかると思いますよ。学区割りをどうするんだとか、いろいろあります。でもね、もう集団規模が保てていないのですよ。そういう学校が何校ありますか。
 次に、ちょっと絡めて言いたいのですけれども、教員数が不足している。例えば、35人学級で36人であれば、18人ずつの2クラスですよ。先生が2人要りますよ。複式学級をしていない10数人のクラスでも、1人先生が要りますよ。全部まとめて70人ぐらいで収まったら、先生は2人ですよ。ところが、まとめない限りは4人要るんですよ。こういう状況も踏まえながら、もう少し本当に子供の育ちをどう考えていくのか。我々の責任ですよ、もっと早く用意等いただかないと。組織は大勢おられるじゃないですか、教育委員会。組織の機動力を発揮してくださいよ。もうこれ以上言いません。
 それでは次に、2点目の中学校の部活動の地域移行についてお尋ねします。
 この件については、人材不足を理由に多くの自治体から声が上がり、国も昨年12月の当初よりトーンダウンしているとの新聞報道を見ましたが、本市においてはどのように取り組んでおられるのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) スポーツ庁及び文化庁は、令和4年夏に取りまとめられました部活動の地域移行に関する検討会議の提言を踏まえ、令和4年12月には、それまでのガイドラインを全面的に改定し、運動部活動と文化部活動を統合した学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインを策定いたしております。
 新たなガイドラインには、地域スポーツ・文化芸術団体等の整備充実、指導者の確保並びに報酬、教師等の兼職兼業、活動場所、生徒から集める会費の適切な設定と保護者等の負担軽減、大会等の在り方の見直しなど、今後の解決すべき課題も明記されております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、倉敷市スポーツ振興協会、中学校体育連盟や文化連盟、中学校長会及びスポーツ振興課、文化振興課など、関係者による部活動の地域移行についての検討準備会を令和5年1月31日に開催し、ガイドラインを踏まえた本市の課題や情報の共有をいたしたところでございます。
 現在、部活動や倉敷市のスポーツ・文化団体の現状を把握するためにアンケートを実施中であり、その結果も踏まえて今後の進め方を検討してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 部活動の地域移行や教員不足という課題解決のためにも、適正配置計画は着実に進めていくことが必要です。改めて申し上げておきます。
 次に、3項め、持続可能な都市経営についてお尋ねいたします。
 我が国の令和4年の出生数は80万人を割り込み、推計より10年以上速いペースで少子化が進んでいますが、本市の今後の人口推計や年少人口、生産年齢人口、老年人口といった年齢による人口構成割合の変化の見通しについてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 本市では、令和3年3月の倉敷市第七次総合計画策定に併せて市独自に行った将来の人口推計として、倉敷みらい創生人口ビジョンを計画の中でお示しさせていただいております。
 この推計では、平成28年をピークに減少局面に転じた本市の将来的な人口について、令和元年の48万2,308人に対し、令和27年には44万2,676人と8.2%減少すると推計しております。また、年齢3区分の人口割合について、令和2年と令和27年の推計値を比べると、ゼロ歳から14歳の年少人口は13.6%から11.5%と2.1ポイント減少、15歳から64歳の生産年齢人口は58.9%から53.4%と5.5ポイント減少、65歳以上の老年人口は27.5%から35%と7.5ポイント増加する見通しとなっております。
 なお、ビジョンでは人口の長期目標として、令和27年人口を推計値の44万2,676人から45万8,852人へと、約1万6,000人上回る人口目標を設定しております。
 昨今の新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、本市においても全国や岡山県と同じく、出生数が減少傾向にございますが、令和元年からの減少率は、全国で6.2%、岡山県4.3%の減少に対して、本市では3.2%の減少と比較的緩やかに推移しているところでもございますので、引き続き倉敷みらい創生戦略に基づく地方創生の取組を積極的に進めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 令和27年度人口推計値の44万2,676人から1万6,000人上回る人口目標設定をされておりますが、達成は極めて難しいのではないでしょうか。
 2点目として、人口減少が進展していく中で、豪雨災害からの復旧、復興に係る経費があったとしても、一般会計の公債費が増え続けている要因と、そのピークはいつ頃と考えておられるのか。また、生産年齢人口が減少すれば、税収増は望めないと思われますので、今後の投資については一層EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングを踏まえて行う必要があると考えますが、本市の御所見をお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 市の公債費につきましては、現在のところ、豪雨災害の復旧、復興、そして全市的な浸水対策、公共施設個別計画に基づく施設の再編や複合化などが公債費の増加の要因となっております。
 市では、こうした取組を推進するに当たりましては、国の補助金はもとより、交付税措置のある有利な市債を積極的に活用していくことで、実質的な市の負担や将来的な施設の維持管理費が、比較的少なくて済むようにという思いで取り組んでいるところでございます。
 今後の見込みはどんな感じかということでございました。
 公債費につきましては、まず、豪雨災害の復旧、復興に係る市債の元金の償還が本格的に令和5年度から始まるわけでございますが、この令和5年度を、現在のところピークと考えておりまして、令和12年度ぐらいまではほぼ横ばいのような状況で推移しまして、その後は減少していくのではないかと思っているところでございます。
 また、生産年齢人口の減少など今後の人口減少社会のことも見据えまして、決算剰余金を活用して減債基金など各種基金への積立てなども行っておりまして、倉敷みらい創生戦略、また、行財政改革プラン2020を着実に推進していくとともに、施策の目的や費用、そして想定される効果などをいろいろしっかりと検討しながら、将来に向けて持続可能な財政運営に努めていきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) ここ数年がピークで、後は減少傾向ということで、安心しました。
 負債総額削減については、市長が就任当初から頑張って取り組んでこられた成果だと、本当に大きく評価しております。税収減になっていく状況の中でも、それだけ市民サービスが落ちていくとも限らないので、今後とも健全な財政運営を心がけていただきたいと思います。
 次に、4項め、米粉製粉機購入について、1点目として、購入に至る経緯や、どのような成果を得ることを想定しておられるのかなど、購入の目的についてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 米粉の事業についてでございますけれども、まず「米粉の力」普及・啓発応援事業につきましては、大きなきっかけといたしましては価格高騰など、海外情勢の影響を大きく受ける輸入小麦の代替といたしまして、やはり市内の耕地面積の8割を占める水田から潤沢に供給されますお米を使った米粉の利用を推進し、地産地消の推進と、ひいては食料自給率の向上を図るということを目的として始めたということが、大きなものでございます。
 一方で、米粉の活用に関しましては、国等のこれまでの取組により、一定の需要拡大にはつながっているものの、小麦粉と比較して価格が高い、また、取扱量が少ないということなどもありまして、広く一般に普及しづらい状況にあるとも考えております。このような状況がありますので、まずは米粉の普及に向けまして、令和4年度、米粉新商品の開発支援事業費補助金や米粉商品の即売会、倉敷こめこマーケットの開催、そして小学校や中学校などへの啓発チラシの配付、また、市内の大学等との連携によるレシピの開発など、まずは市内における米粉の認知度の向上と利用拡大に向けた事業を実施しているところであります。この日曜日の3月5日には、第2回目の倉敷こめこマーケットを、高梁川流域フェアに併せて開催したところでございますが、こちらにおきましても第1回目のときと同じように、非常に多くの方に御来場、並んでいただき、商品自体も販売終了時間の1時間前には全て完売しました。1回目よりもかなり多く皆さんに出していただいたわけですけれども、このような状況ということで、非常に米粉への関心が高いということも実感したところであります。
 そのことなども踏まえまして、令和5年度には、市民の皆様に米粉のよさをさらに実感していただけるように、つまりふだん食べておられますお米を気軽に米粉にできて、そして御家庭で日常的に利用していただきやすいようにするということを考えまして、市が米粉製粉機を設置すると、もちろんこれで全部できるわけではございませんが、その大きなきっかけにしていきたいということで、さらなる米粉の認知度の向上、それから利用拡大を行っていきまして、ひいては地産地消の推進、そして食料自給率の向上にもつなげていきたいと、こういう目標を持っております。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) この米粉製粉機の導入については、担当課とちょっとお話をさせていただきました。ところが、何かもう取りつかれたように米粉を作るんだと、米粉を作って市民の皆さんにお試ししていただきたいと言われたのですけれども、やはり米余りの状況で倉敷市では米の生産量は高いです。その地産地消の拡大をしていく。そして、先ほど市長が言われましたように、米粉約80グラムぐらいで米粉パンを作ると、全国で1人が月に3個食べたら、何と食料自給率を1%上げられるのですよね。また、グルテンフリーで米粉のパスタであるとかそういうものに加工すると、同じ量の80グラムを1人が月に3回食べたとしたら、これまた1%上げていくことができる。
 やっぱりこういうことを大きな目標にしていただいて、単に米粉といってもいろんな種類がありますし、農林水産省から米粉の用途別基準とか米粉製品の普及のための表示に関するガイドラインが出されています。米粉の用途別基準として1番、2番、3番とあり、でん粉損傷度が10%未満で、アミロース含有率が20%未満のもの、15%以上25%未満のもの、20%以上。これは菓子・料理用、パン用、麺用。また、強弾力の麺や洋酒に浸すなどの固めのケーキを作る場合には、アミロース含有率25%以上のハードタイプを使うとガイドラインに書いてあります。やはり何でもいい、米粉を作ればいいじゃなくて、その利用目的に合ったでん粉損傷度であるとかアミロース含有率などに応じたものを作っていくべきだろうと思うのです。そうでないと、ただ米粉を作って試してくださいって、だんご汁ばっかり作るわけにいかないと思うのですよね。それでは利用拡大はしていかない。
 米粉については、それぞれの地域で食文化があります。岩手県の山田町などでは、山田煎餅を作ったり、すっとぎなどというような青豆を一緒に練り上げて食するものもあります。この近辺でも、餅の中にサツマイモを入れて一緒について、冷やして切って食べたりとか、自然な甘みがあって素朴なおいしさがあるものですけれども、どういうものに使っていくか。やはりガイドラインに沿ったような形で、それだけの性能を備えた製粉機を備えていく必要があるのではないかと思います。
 時間がちょっと少なくなったのですけれども、担当課と話したときには、単市で管理して運用するのだと言われましたけれども、これでは、なかなか市場へ流通していきません。倉敷市産の米を使ってこれだけの1番、2番、3番と、アミロース含有率によるものを作って、レシピ研究をしている人たちには使っていただく。味を確かめてもらう。できたら、それを市内に流通網を持っておられる、例えば、精米業者さんなどに製造委託するとか、そういう形でやったほうが米の地産地消の拡大、あるいは食料自給率の増加に寄与するものではないかなと思うので、その辺については時間をかけてしっかり練っていただきたいと思います。
 市で管理するとか運用するとかといったら、もう掃除が大変なのですから、それもできないものと思います。そういうことをされるのであれば、これについては反対するしかないなと思います。
 ちょっと時間が少なくなりました。通告しておりましたけれど、サイクリングロードについては、とにかく倉敷市が指定しているサイクリングロードだと言いながらも、のり面肩の清掃がおろそかになって、年2回で2メートルも2メートル50センチメートルもあるような路肩の管理ではいけないと思うので、通告はしておりましたけれども、要望とさせていただきたいと思います。2メートルあるような草を刈るよりは、膝丈ぐらいになったら、柔らかいうちに回数を刈ったほうが労力的にはかからないと思いますので、そういう方向でお願いいたします。
 ちょっと飛ばして申し訳ないのですけれども、最後の6項めは、公共工事の工期管理についてお尋ねします。
 まず1点目として、本市発注の公共工事の中には、進捗が遅れ工期内の完成が難しく、工期が延期される工事が多いように見受けられますが、本年度発注工事のうち、工期の延期を行った件数とその割合についてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 本年度発注した工事のうち、工期の延期を行ったのは107件でございます。令和5年2月末日時点での工事の発注件数の総数は519件で、全発注件数に占める割合は20.6%です。
○副議長(北畠克彦君) 原田 龍五議員。
◆38番(原田龍五君) 見た目より相当多いなという印象です。ちょっと時間が少なくなったので、この続きは次の機会にさせていただきたいと思います。
 ここを言っておかないといけないので、これだけ時間を取らせていただきます。
 今月末をもって退職される市職員の皆様、長年にわたる市政への御貢献に心より感謝申し上げます。21世紀は環境の世紀と言われながらも、CO2削減も思うほど進まないばかりか、ロシアのウクライナ侵攻の戦闘により1億トンものCO2が排出されたと言われております。皆様が在職中に道筋がつけられなかったこのCO2削減とエネルギーをはじめとする資源、そして命を支える食料を大切に消費することについて、今できることを静かに御一考いただき、行動を起こしていただきますようお願い申し上げます。
 21世紀は、今日混迷を極め、混沌たる状況にあります。G7倉敷こどもサミット宣言書2023をまとめた中学生と同年代の子供たちが切り開いていかなければならない未来に明るい希望が見いだせるよう共に力を合わせ、大人の責任を果たしていこうではありませんか。
 退職される市職員の皆様の前途に幸多からんことをお祈りし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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