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令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会) 3月2日(水) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月2日(水) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
井出 妙子 議員
1 防災・減災のための教育について
2 子どもたちのための教育・保育について
3 倉敷市のSDGsの取り組みについて
◆15番(井出妙子君) (拍手)皆様おはようございます。公明党倉敷市議団の井出 妙子でございます。
通告に従いまして、3項を一問一答の方式にて質問させていただきます。それでは、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様も御存じのように、近年、台風の大型化、前線の停滞による集中豪雨が多発し、河川の氾濫、土砂災害に加え、今後、30年以内の南海トラフ地震による大規模災害の発生リスクが高まり、本市にも甚大な被害が及ぶことが懸念されております。そこで、全ての市民の命を守り抜くには、これまで以上に学校、そして市民への防災体制の構築及び実践的な防災教育の推進が大切と考えます。
そこで、1項め、防災・減災のための教育について3点お伺いいたします。
この項1点目、学校園での防災教育について3点質問いたします。
本市では、平成30年7月の西日本豪雨によって被災した経験を踏まえ、子供たちが我が事意識を持ち、災害への実践力を身につけるため、令和2年度から市立小学校3年生・5年生を対象とした防災教育の取組を始めて、もうすぐ2年がたとうとしております。
そこで、まず小学校での防災教育のこれまでと家庭との連携についてお伺いいたします。
総合的学習の授業として防災教育に取り組む中で、子供たちや教員の防災意識はどのように変化してきているのでしょうか。また、この防災教育は、家庭と連携して行っていると聞いておりますが、どのような形で連携しているのか、お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 井出 妙子議員さんの御質問にお答えいたします。
小学校での防災教育につきましては、令和2年度から3年生と5年生を対象といたしまして、自助を中心とした学習を年間3時間行うこととしております。この2年間の取組を通しまして、避難訓練時の行動が素早くなったり、理科や社会科での防災に関する学習の際、児童自ら避難行動や備えについて発言するようになったりするなど、確実に児童の防災意識は向上してきていると考えております。また、教員からも、自身の防災意識も高まっているとの声を聞いております。
家庭との連携につきましては、3年生では、学区の防災安全マップを作成するために、災害時の通学路における危険箇所や避難場所について家族と一緒に点検を行うフィールドワークを行っております。5年生では、災害時に余裕を持って安全に避難するために、避難場所や避難経路、避難のタイミング等、災害時の自分の行動をあらかじめ考えておくマイ・タイムライン作成に当たって家族と話し合ったり、情報を共有したりするなど、家庭学習の課題として連携、協力をお願いしております。
今後も学校から家庭への啓発等を含めまして、様々な形で連携を深めていけるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) コロナ禍にもかかわらず小・中学校の学びの中で、着実に本市が取り組まれてきたことを、私は大変評価しているところでございますが、防災意識の現状と変化ということを確認するためにも、保護者へのアンケート等を実施してはと思っておりますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 保護者へのアンケート調査についてでございますが、家庭との連携を深めることは、防災教育において重要であることから、今後検討してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 教員、子供たちにとっても次年度は、ちょうど防災教育を3年時、5年時と積み上げる時期となっております。この機会を捉まえて、アンケートの実施をぜひ行っていただきたいと思います。
次に、中学校での自ら考える防災教育はどのようになされていくのか、お伺いいたします。
昨年は、2021年度チャレンジプラン団体にも選ばれ、中学生が家庭や地域の力となることを目指して防災教育に取り組んできた本市ではございますが、次年度、中学生が家庭や地域と連携した防災活動を自ら考え取り組むための予算が計上されております。
具体的にはどのようになされていくのか、そのお考えと方向性をお示しください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 中学校での防災教育につきましては、今年度、内閣府が主催する防災教育チャレンジプランを活用しまして、倉敷市立西中学校の2年生を対象に、モデル授業として取組を行っております。
過去の災害について振り返り、自分の命を守るための避難行動について考える自助や、災害時に家庭や地域のために自分たちができる活動を考える共助について学び、真備町でのフィールドワークや非常用保存食を給食として食べるなど、体験型学習も行いました。
生徒からは、家庭での防災に関する話合いの機会が増えた。災害発生時には、地域の方々に声をかけて一緒に避難したい等の感想があり、防災意識の向上を図ることができたと考えております。
来年度からは、全ての市立中学校の2年生を対象といたしまして、自助、共助の視点を学び、生徒自身が自分の住む地域の特性や災害リスク等を踏まえた上で、家族や地域のためにどのような取組ができるかということを考える授業を、学区の状況を踏まえて、年間3時間以上行う予定といたしております。
この取組を通して、地域への参画意識を高めることで、中学生も将来の地域防災の担い手となる素地をつくってまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 子供たちの柔軟な発想で自主性を育てる防災教育となりますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。
3つ目に、幼稚園等での防災教育についてお伺いいたします。
これまであまり触れられていなかった幼稚園等での防災教育ですが、国の令和4年度予算案の学校安全総合支援事業の中でも、幼、保の段階から小、中、高とシームレスな、いわゆる途切れのない安全教育の展開をとあり、この第3次計画の策定についての答申にも、幼児期からの発達段階に応じた安全教育の取組の充実を図ると明記されております。
現在、多くの園では、月に1度、火災や地震の避難訓練を行ったり、防災の日に合わせて絵本や紙芝居等で防災について学んでいるのが現状かと思われます。
神奈川区では、起震車の疑似体験を親子で行ったり、卵の殻踏みやぼうさいダッククイズなど、年齢に合わせた経験で、楽しく災害や日常の危険に備える活動をしていると聞きました。
本市でも、津波、また土砂崩れなど、幼稚園の立地に合わせた避難訓練の実施や小・中学校との連携を見据えて、年齢に合わせた防災教育のさらなる充実を進めてはどうかと思いますが、現状と当局のお考えをお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 現在、幼稚園では、防災に関する取組といたしまして、主に避難訓練を行っており、定期的な火災や地震の訓練に加えまして、それぞれの園の災害リスクに応じた津波や洪水、土砂災害に対する訓練も行っております。
また、小学校に隣接する幼稚園におきましては、合同で避難訓練を行っている事例もございます。さらに、そういった機会を捉えて防災に関連する紙芝居の読み聞かせをしたり、他の地域で大きな地震や災害が発生したりした際には、その都度、担任が学級で分かりやすく伝える等、防災に対する意識が高められるよう取り組んでおります。
今後につきましても文部科学省の指針に沿って、幼稚園での防災教育の一層の充実を図ってまいります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 子育てするなら倉敷で、災害に強いまち倉敷ならではの子供たちへの防災教育を、どうぞよろしくお願い申し上げます。
この項2点目、市民への防災教育について質問いたします。
防災につきましては、地域の自主防災組織を中心に共助を呼びかけ地道に進めていく活動と、広く市民を巻き込み一人一人が防災に取り組む自助を広める両方が必要と考えております。
今年度の総合防災訓練は、市内の自主防災組織や地域住民約2,800人の方々が参加して避難訓練や避難所開設に取り組み、市内小・中学校の児童、生徒には我が家のチェックリストを配付し、各家庭において日頃の備えを確認していただくなど、防災意識を持てるように工夫したとのことでございました。
私たち公明党倉敷市議団が家族防災会議をと長年提案してきたことの実現として、一歩前進と捉えております。また、令和4年度の総合防災訓練では、福祉施設等と連携した避難訓練を実施するとのこと。これにも大いに期待しております。しかしながら、防災意識が高い人だけでなく、広く一般の人にも防災に興味を持っていただけるようなアプローチが、今後要るのではないかと考えております。
そこで、多くの市民へ波及する取組として、コロナの様子も見ながらとは思いますけれども、たくさんの方に参加していただけるような大型会場での防災に特化したイベントなどを開催していただきたいことを要望しておきます。
この項3点目、外国人の方への防災の取組についてお伺いいたします。
ここ数年は、新型コロナの影響で、外国人労働者が出入国しにくい状況が続いておりますが、令和2年6月統計では、日本には288万5,904人の在留外国人が暮らしており、今や100人当たり2人が日本に住んでいるということになっております。倉敷市でも約6,400人の在留外国人がおられ、ますますこれからも外国人が増えると考えられます。
そこで、本市では、令和2年10月より本庁に外国人相談窓口が開設され、SNSで生活に必要な情報をプッシュ型で配信しているとお聞きいたしました。国では、外国人のための減災のポイントと題した日本語と易しい日本語の2種類のポスターを作成したと聞きました。また、このポスターのQRコードを読み取ると、14の言語に対応したウェブサイトが閲覧できるとのことであります。
外国人従業員が多く在籍する企業、組織、団体、また在留外国人を対象にサービスを提供する機会を持つ企業、組織、団体などにポスターの掲示や配付をしたり、防災訓練のときなどを捉まえて、ポスター、URLの周知、また配布など、積極的に取り組んでいくよう国も推奨しております。
例えば、このようなポスターの庁舎内の掲示などを含め、外国人の防災に関して本市はどのように取り組まれるのか、お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 山路総務局参与。
◎総務局参与(山路浩正君) 外国人の方への防災の取組についてですが、本市では、令和2年10月に倉敷・高梁川流域外国人相談窓口を開設し、一般の相談に加え、防災に係る相談についても多言語で対応することとしています。また、令和3年4月からは、フェイスブックを活用し、生活するために必要な情報提供について、易しい日本語、英語、ベトナム語及び中国語の4つの言語で行っており、外国人のための減災のポイントや避難情報の説明についても、平常時から周知を行っております。
加えて、倉敷防災ポータルでは、災害時の緊急情報、気象警報や雨量、川の水位情報などが11の言語に対応しており、多言語による防災情報の提供を行っております。また、大規模災害時には、岡山県災害時多言語支援センターの活用など、様々な手段で啓発や情報提供を行っているところです。
引き続き、外国人への情報発信に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) あわせて、これまでも質問してきましたが、インバウンドの観光客の防災対策もICTなどを活用して取り組み、安心して過ごせる観光地倉敷にしていただけますように要望し、次の質問に入ります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員、この際申し上げます。質問の途中ではありますが、ここで休憩いたします。再開は11時5分からの予定です。
午前10時54分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午前11時 6分 開 議
○議長(中西公仁君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
15番 井出 妙子議員、質問項目2番から質問を再開してください。
◆15番(井出妙子君) それでは、2項めに移ります。
子どもたちのための教育・保育について3点お伺いいたします。
我が党は、子供の幸せや子育ての安心が確保される社会こそ、国民全てに優しい社会であるとの考えに立ち、子育てを社会の中心軸に位置づけ、社会全体で支援するチャイルドファースト社会の構築を目指して取り組んでまいりました。2006年には、党として少子社会トータルプランを策定し、妊娠、出産への支援や教育費の負担軽減、働き方改革など、同プランに基づく政策を着実に具現化してきたところでございます。
2020年実施の実態調査では、今後取り組んでほしい政策は、保育の質の向上が過半数に上りました。本年、新たな子育て応援トータルプランの策定のため、全国3,000人の公明党議員が国会議員を先頭に、現場の声を反映するため子育て応援アンケートを実施したところでございます。一方、本市においても、このたびの予算案では、子育て関連事業費は99億2,700万円に上り、ほかの事業と比べ、手厚い予算編成になっていることを高く評価しております。
そこで、この項1点目、待機児童対策推進と保育士確保について4点お聞きいたします。
新型コロナウイルス感染症が乳幼児に現在広がっている中、懸命に運営してくださり、社会基盤を支えてくださっている保育園や認定こども園などの職員の皆様、現場の苦労は大変なものとお察ししております。心からの感謝と敬意を表します。どうか御自身のお体にも気をつけていただき、引き続き倉敷市の子供たちのために、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、市長提案理由説明にもございましたが、待機児童政策の大きな柱は、子供たちの健やかな成長と日々の笑顔を支える保育士等の人材の確保だと私は思っております。
このたび、国による保育士等への処遇改善事業が実施されますが、保育所等で働く人は、事務員や給食調理員など保育士以外の職員もいらっしゃるので、処遇改善は、保育を支える全体の保育人材の確保につなげられるような柔軟な対応が必要だと思いますが、本市の認識をお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 保育所等は、保育士をはじめとする様々な職種の方により運営されておりますが、最近では、保育士だけでなく調理員等の確保に苦慮する事例も伺っております。
このたび、国が令和4年2月から収入を3%程度引き上げる措置を講じましたが、対象者は常勤、パートなどの勤務形態にかかわらず、また、調理員や事務職員など保育士以外の職種も含まれるため、施設の判断で柔軟な配分を行い、それぞれの職種に対する処遇改善を図ることが可能な制度となっております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) とはいえ、現場では配分に悩むところと思いますので、どうか行政には、相談に乗るなど寄り添う配慮をよろしくお願い申し上げます。
2つ目に、ICT環境整備についてお伺いいたします。
月曜日から土曜日まで朝7時から夜7時の開所は、当番制といえども大変なことと思います。実際、処遇が改善されても休みにくい、また残業があるのでは、保育士の確保にはつながらないと考えております。保育士の仕事は、お便りをつくったり、指導案を作成したり、日々の成長を記録したりと、多くの事務的仕事があります。
こういった業務においては、ICTの活用により業務の効率化を推進し、保育士の業務負担の軽減、働き方の見直しを行い、魅力ある職場づくりの支援をしていくべきと考えておりますが、本市の現状と今後の取組についてお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市では、国の助成制度を活用し、保育に関する計画、記録や保護者との連絡、子供の登降園管理などの業務のICT化を図るシステムの導入費用に対する助成事業を行っておりますが、令和3年度までに54園のICT化を支援し、令和4年度当初予算案においても10園分の助成費を計上しております。
保育業務のICT化により保育士の業務負担軽減が図られることで、保育士の確保に加え、保育士が子供と向き合う時間をより多く確保できるなど、保育の質の向上につながることも期待できるため、引き続き事業を実施してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 今後も、しっかりと進めていただきたいと思っております。
3つ目に、保育士の資質向上についてお聞きいたします。
これまでの国の保育政策は、待機児童問題への対応が主軸であったものの、引き続きこの対策を行いながら、今後の人口減少社会においては、良質な保育を提供し続けることが大きな柱になると、令和3年末の地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会の取りまとめで公表されております。子供たちの日々の成長を支える保育につきましては、専門性の向上が非常に重要なことだと思っております。
今後、本市でも取り組んでいる保育技術の見える化やオンラインの研修や会議など、充実させていくことが大切と考えますが、コロナ禍での本市の取組をお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 保育士の専門性の向上は、保育所等を円滑に運営する上で欠かすことができないものとして、研修機会の確保は大変重要であると考えておりますが、コロナ禍の現在においては、これまでのように外部研修への参加が非常に難しい状況でございます。そのため、日々の保育実践を通じて必要な知識や技術の習得を図るとともに、初任者研修や障がい児研修のように必要となる研修につきましては、状況を見極めつつ、感染症対策を講じた上で実施しております。
また、オンラインによる研修や会議を実施するなど、倉敷市保育協議会などと連携しながら、保育士の資質向上に寄与できるよう研修機会の確保に、引き続き努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 国では、そのほかにも保育の現場でのノンコンタクトタイムの導入なども、今検討されているようでございます。速やかな実施には、場所の確保等、課題が多くあると思いますので、どうか現場の意見をよく聞いていただき、資質向上の取組の積極的な推進を望んでおきます。
4つ目に、保育士の確保についてお聞きいたします。
現在、働かれている方々に対する処遇改善や負担軽減など、離職防止による職場での定着支援は大変重要なものだと考えますが、あわせて、その向上した保育力の伝承、保育士の職業としての魅力を中高校生など学生段階から伝えることも、今後の保育士確保に向けては重要であると考えております。
本市ならではの発想で、高校生の養成校訪問など、このたび計上されておりますが、今後の保育士確保の取組についてお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 待機児童の解消に向けて、保育士を確保するために様々な取組を実施しておりますが、本市には保育士養成校が5校あるという利点を生かすため、令和4年度から、保育士という仕事に興味のある高校生を対象に、保育士養成校への訪問事業を実施する予定としております。
これまでも、倉敷市保育士・保育所支援センターによる高校での出前講座など、保育士の魅力をPRする取組を行ってまいりましたが、実際に高校生が養成校を訪問して保育士を目指す学生の姿や学校での活動を見学することで、市内の高校から市内の養成校へ進み、市内の施設へ就職する流れを創出し、保育士になるなら倉敷でとなるように、引き続き将来の保育士確保の強化に取り組んでまいります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) この保育士確保につきましては、各園が一番苦労されているところでございます。今後も、さらなる保育士確保の取組をお願いいたします。
この項2点目、第6次学校図書館図書整備等5か年計画についてお伺いいたします。
本市は、早くから全校に学校司書を配置し、学校規模に合わせた蔵書整備にも取り組まれてきましたが、本年1月、文部科学省が、公立小・中学校の図書館の整備充実について新たな5か年計画を発表いたしました。そこには、刊行後、時間の経過とともに最新の情報を記載していない古くなった本の買換えや、新聞の複数紙配置が求められております。しかしながら、これらの費用は地方交付税で措置されるため、使い道に制限がなく、各自治体は学校図書館関係以外に充てることもでき、各学校でも、その使い方はまちまちであるやに聞いております。
必要性や今後の取組について議論を深めることが重要と考えますが、本市の認識と現状についてお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 学校図書館につきましては、倉敷市が作成しております倉敷市子ども読書活動推進計画の中で、学習・情報センターとしての役割を示しており、学校教育において大切な役割を担っていると認識しております。
現在、本市では、学校の実情に応じて新しい図書の購入を行い、令和2年度学校図書館の現状に関する調査では、全ての小・中学校で学校図書館図書標準の達成状況は100%を超えており、計画的な図書の更新を実施しているところでございます。
文部科学省が本年1月に示しました第6次学校図書館図書整備等5か年計画では、児童、生徒が主体的に主権者として必要な資質、能力を身につけることの重要性に鑑み、発達段階に応じた学校図書館への新聞の複数紙配備を図るため、小学校等2紙、中学校等3紙、高等学校等5紙という目標が掲げられております。
倉敷市教育委員会といたしましては、倉敷市内の学校において新聞の複数紙配備が未実施の学校もあることから、今後は適切な整備を推進し、授業において積極的に活用するよう努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 今や、新聞や本がない家も増えつつございます。どうか子供たちの深き学びのためにも、生きた図書館になるような学校での取組もよろしくお願いいたします。
この項3点目、成人年齢18歳引下げに伴う消費者教育について質問いたします。
いよいよ、この4月から成人年齢が18歳に引き下げられることとなり、社会経験の浅い18歳、19歳は、悪質な業者のターゲットとされるのではないかと懸念されているところでございます。
20歳から50歳代の男女を対象にした金融教育に関する調査でも、お金に関する知識に自信がないが81.2%、子供に教えられる自信がないが78%、自分たちの世代でも金融教育を行ってほしかった77.1%、金融知識を身につけたいが78.3%となりました。また、先日、NHKが当事者参加の番組で調査したところ、成人年齢引下げを不安に思うが42.5%。日本教育新聞社の調査では、教える側の高校教員へも漠然とした不安が広がっていることが分かりました。
あわせて、岡山でも2月27日に、若者への消費者教育充実をテーマにオンラインフォーラムが行われ、銀行や企業といった地域の専門家の力を借りることの提案や、同世代がSNSの怖さなどを具体的に伝えている事例報告もあったところでございます。
本市でも、SNS関連の消費者トラブル相談が増加している現状もあり、子供や教員、保護者等への不安を払拭するような丁寧で具体的な消費者教育が必要と考えております。
消費者教育の現状と本市の今後の考え方についてお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 消費者教育につきましては、平成25年6月に閣議決定されました消費者教育に関する基本的な方針を受け、新学習指導要領では、消費者教育に関する内容が拡充されております。
小・中学校においては社会科や家庭科等、高等学校においては家庭科や公民等の時間を中心に、悪徳商法の危険性やクーリングオフ制度などの売買契約の仕組みを理解し、消費者として適切な判断や行動ができるよう学習を行っております。特に高等学校におきましては、平成29年3月消費者庁発行の社会への扉を活用し、出前授業や販売活動を体験しながら、消費活動について学習しております。さらに、来年度から教科公民の中に新設されます公共の領域で、消費者教育におけるさらなる内容の充実を図ってまいります。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) どうか現場に寄り添った対応を、今後もよろしくお願い申し上げます。
それでは、最後の項、倉敷市のSDGsの取り組みについて2点お伺いいたします。
本市は、伊東市長のリーダーシップの下、ここ数年間で急速にSDGsの視点を盛り込んだまちづくりが大きく進みつつあります。
2020年7月にSDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業に選定され、倉敷市第七次総合計画など市の根幹をなす計画にもこのSDGsの視点が盛り込まれ、着実な持続可能なSDGsのまちづくりが現在取り組まれていることと認識しております。
倉敷市SDGs未来都市計画では、自治体SDGsモデル事業の一つとして人材育成を掲げ、様々な活動を行ってきたわけですが、その中の一つ、大学連携講座について、まずはお聞かせください。
倉敷市には、保育、芸術、科学、音楽、もろもろの幅広い多彩な学生を育てる大学が市内に11大学もあります。そこでは生涯学習の一環として、開かれた大学として市民講座が多数行われてきております。SDGs関連の講座についてはしらかべ講座と題し、倉敷芸術科学大学の学生さんとともにデザインした表表紙のA3見開きものを毎月作成。講座は、このコロナ禍でもリモートなどを駆使して開催されているとお聞きいたしました。また、夏休みには子供向けの講座も設け、順番待ちができるほどの人気とも聞いております。
一方で、学校教育においては、一流の芸術に触れる機会として、劇団四季のミュージカル鑑賞や、地元の美術館、科学センター、自然史博物館、埋蔵文化財センターなど多くの本物に触れる環境が整い、子供たちの知の探求に大変適した郷土であり、先人たちのまちづくりに感謝するところでございます。
そこで、この大学連携講座をさらに発展させて、福岡や東京で取り組まれている子ども大学のように、子供たちが大学教授の講座に触れることで探究心を大きく広げられるよう、子供たちが受講できる機会を充実してはどうかと考えますが、当局の御所見をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) 本市は市内の大学等と連携し、それぞれが持つ専門知識を地域に還元することを目的に、平成22年度から市民向けの大学連携講座を実施しております。
令和3年度は、これまでに23講座を実施し、442人に受講いただいております。そのうち、8講座が主に小・中学生を対象とした体験型防災デイキャンプなどの講座を、5講座が高校生以上を対象とした農作物の品種改良などの講座を実施しております。また、子供たちを対象とした講座では、定員を超えた申込みがあり、抽せんになるなど好評をいただいているところでございます。
市といたしましては、引き続き市内の大学等と連携し、コロナ禍でも多くの子供たちが受講できるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 市内11大学の特色を生かしながら、子供も受講できる大学連携講座の充実をよろしくお願いいたします。
この項最後、さらなるSDGsの市民への普及啓発についてお尋ねいたします。
SDGsパートナーシップ制度も相まって、企業や団体、そして高校生を中心に教育現場でもSDGsの取組の機運は徐々に高まってきていると感じる一方、個人への浸透はまだまだ弱いと感じております。
そこで、個人で平素からSDGsに取り組めるようなきっかけづくりの工夫が必要と考えています。大阪府などでは、私のSDGs宣言に取り組んでみたり、個人で身近にできる取組事例をホームページに掲載したり、また、SDGsのロゴマークを庁舎やチラシに表示するなど、より多くの市民の目に触れる機会をつくっている自治体もあります。
令和4年度予算に、倉敷市・高梁川流域SDGsパートナーと連携して行う啓発イベントを計上しておりますが、SDGsの市民へのさらなる浸透に向けてどのように考えているのか、見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 倉敷市では、令和2年7月にSDGs未来都市に選定されまして、また、以前より高梁川流域圏連携をはじめ持続可能なまちづくりに取り組んできております。そういう観点で、日頃から、窓口でのポスター掲示、チラシ等へSDGsのロゴマークの表示などに加えまして、市のウェブサイトでも啓発動画の配信とかパンフレットを活用した取組事例の紹介、また、セミナー、出前講座の実施など普及啓発に取り組んでいるところでございます。
そして、先ほどもお話しいただきましたように、高梁川流域7市3町でSDGsの推進を行う企業、団体を登録いたします倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー制度には、現在のところ172団体に登録いただいておりまして、この登録団体の中には、セミナーで取組を発表していただくなど、いろいろな連携も生まれてきているところでございまして、だんだん機運も高まりつつあると感じております。
しかし、その機運を市民の皆様により分かりやすくお伝えする観点が必要と考えまして、市民の皆様に気軽に参加していただけるよう、令和4年度当初予算でお願いしております啓発イベントを市内の大型商業施設において開催して、SDGsパートナーの皆さんとも連携しながら参加者への啓発活動を行いまして、取り組んでいただくきっかけになるように努めたいと考えております。
当然、そのときには参加型でありますとか、理解していただくためにいろんなパンフレットなどを持って帰ってもらって、SDGsのことについても御家族で理解を深めていただける機会となるよう、積極的に取り組みたいと思っております。
○議長(中西公仁君) 井出 妙子議員。
◆15番(井出妙子君) 市長より力強い答弁をいただきました。
先日、オンラインでの催しもございましたが、しっかりとウェブサイトの充実であるとか、みらいを、みんなでSDGsという標語やステッカー等の活用もぜひ検討していただき、さらなる普及啓発をどうぞよろしくお願い申し上げます。
私たちは、ともすれば、SDGsが掲げる17の目標の大きさばかりに目を取られて、自分一人が行動しても何にも変わらないのではないかと思いがちですが、SDGs達成に向け、身近なことから継続して未来の変革のために、市民一人一人が、まずは一歩を踏み出すことが大切と感じております。
以上で私の質問を終了いたします。長らくの御清聴、大変にありがとうございました。(拍手)
ご利用について
この議会中継は倉敷市議会の公式記録ではありません。
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