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令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会) 3月4日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月4日(金) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
中西 善之 議員
1 倉敷市のデジタル化について
2 日本遺産の活用について
3 倉敷市公共施設個別計画について
4 女性のいのちと健康を守るために
◆5番(中西善之君) (拍手)皆様おはようございます。公明党倉敷市議団の中西 善之でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、4項目について9点を一問一答の方式にて質問させていただきます。
1項目め、倉敷市のデジタル化について3点お尋ねいたします。
1点目、国の行政手続のオンライン化について伺います。
本市においても、徐々にマイナポータルからマイナンバーカードを用いて、行政手続がオンラインで行えるようになってまいりました。例えば、児童手当を継続して受給するための現況届などが、マイナンバーカードを用いてオンラインで行えるようになっております。
その他の手続として、令和4年度末までにマイナポータルからマイナンバーカードを用いて、オンライン化することを目標としている31の手続のうち、市町村が管轄する27の手続について、現状と目標達成に向けた取組内容について伺います。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 皆様おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、中西 善之議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
国が指定しております行政手続のオンライン化についてでございますけれども、国の自治体DX推進計画には、先ほどお話がございましたように、市町村の27の手続のオンライン化を進めていくということが書いてございます。
それに当たりまして、まず倉敷市の現状でございますけれども、介護保険負担割合証の再交付申請や児童手当の現況届の提出など10の手続につきましては、現在、既に岡山県電子申請システムを利用してオンライン申請ができる状況といたしております。
そして、10の手続に加えまして、そのほかの17の手続につきましても、市といたしましては、オンライン化による市民サービス向上に向けまして、令和4年度末までにマイナポータルからマイナンバーカードを用いて申請できるように、順次、稼働できるように進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 来年度末までに、残りの17の手続についても、オンラインで手続ができるように進めていただいていると理解いたしました。マイナンバーカードも、来年度末までに全市民に取得していただくことを目標にしていますが、なかなか達成が厳しい状況でございます。マイナンバーカードでできることが増えれば、使ってみたい方もおのずと増えてくると思います。そういった意味からも、引き続き着実な取組をよろしくお願いいたします。
続きまして、この項2点目、市役所内のデジタル化に向けた取組について2つお尋ねいたします。
1つ目、先ほど申し上げたマイナンバーカードを用いて行う行政手続のオンライン化を進めるために、国が進める標準化、共通化に向けた取組を行いつつ、連携する内部事務系システムなどの業務プロセスの見直しや、AI、RPA等を活用した業務改革を進めていただいていると思います。
本年度の予算で、業務効率化のため、AIを活用したOCRシステムが計上されておりますが、これは行政手続の全てがオンライン申請に切り替わるわけではなく、従来どおり紙を使った行政手続も並行して行う必要があるため、これを自動化するための取組の一つだと思います。
何をするためのものか、市民の方から見ても分かりにくいところがあると思います。具体的にどのような活用を考えているのか、分かりやすくAIを活用したOCRシステムの取組について説明をお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) 本市では、令和3年度に、AIを用いて紙の申請書等の文字をデータ化することが可能な、AI-OCRシステムの実証実験を行いました。実証実験では、このシステムを用いることで、作業時間の削減が可能であるとの結果が得られております。
AI-OCRは、従来の読み取りシステムよりも精度の高いデータを作成することが可能で、RPAなどと併用することにより、これまで職員が手作業で行っていた大量の申請書の入力作業を、自動化することができます。
令和4年度は、このAI-OCRシステムの導入を予定しており、さらなる業務の効率化を図ってまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 分かりやすい御説明ありがとうございました。私も、文字の読み取りデモを見させていただきましたが、人が見て読める文字であれば、ほぼほぼ認識できておりました。認識率が低いと、修正に手間が余計にかかると思いますが、AIを使うことで認識率を上げて、紙媒体の申請であっても、可能な限り自動でデータ化できるようにする取組だと理解いたしました。
続きまして、2つ目の質問ですが、以前、押印廃止の状況についてお尋ねいたしましたが、この押印廃止となった届出や申請については、オンラインでの手続が可能だと思います。その中で、マイナポータルを使った行政手続は進めていただいていることが確認できました。その他の手続についても、同様にオンライン化への取組を進めていただいていると思います。
押印廃止後の、本市のオンライン手続の現状と今後の進め方についてお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) 本市では、令和2年度に実施した押印見直しの結果、押印を義務づけていた手続のうち89%について、押印を廃止いたしました。
今年度は、押印を廃止した手続を対象として、オンライン化の可否について全庁的に調査を行った結果、約3,300の手続のうち、既にオンライン申請を行っているものが84の手続、オンライン化が可能と見込まれるものは、添付書類の原本等が必要なものなどを除き、約1,600の手続という結果が出ました。
今後の進め方につきましては、実施可能なものから優先的にオンライン化に取り組み、市民の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 進捗状況と進め方について理解いたしました。オンライン化できない手続についても、可能なものはデジタル化に向けた取組を、引き続きよろしくお願いいたします。
続きまして、この項3点目、デジタルインフラの整備についてです。
全ての人と物がIoTでつながり、倉敷市全体がデジタル化、スマート化することが求められております。防災、減災、交通、教育など、市民生活が便利で満足度の高い中核市へと進化していくためにも、市内のどこでも低コストで高速につながる基盤となるデジタルインフラの整備が重要でございます。
岸田総理が掲げているデジタル田園都市国家構想においても、地方からデジタル化を進めていき、地方と都市の差を縮めて、地方の魅力を維持しながら、都市と変わらない利便性や仕事、教育の機会の充実を目指すとされております。
また、時代を先取る基盤整備として、5G、データセンター、公共Wi-Fi、インフラシェアリング等、世界最高水準のデジタルインフラの整備に取り組むとしています。その中でも、5Gについて、地方と都市と隔たりなく情報通信基盤の整備が重要であると言われております。
そこで、本市の5Gの整備状況を見ますと、東京などの指定都市と比較すると、ほとんど進んでいない状況でございます。本市における5Gの整備に向けた働きかけなど、市内のどこでも低コストで高速につながるために、デジタルインフラの整備を進めていただくことについて、この件はまだこれからということでしたので、要望とさせていただきます。
以上、この項3点、倉敷市のデジタル化について質問いたしました。特に来年度は、デジタル化を大きく進める年である一方、早急な結果が求められる年でもあります。デジタル化することで市民の利便性向上はもちろんですが、業務の効率化も求められております。本市の業務効率化については急いでいることもあり、効率が上がる業務もあれば、あまり変わらない業務もあるようです。一方、市民の方も、公明党で1月末から先月末まで支援充実に向けたアンケートを取らせていただいておりましたが、その中でデジタル化に対応できないと不安に思われている方が、非常に多いことが分かりました。まだまだ課題が多い中、デジタル化が進んでまいります。これらの課題についても、解決に向けての取組を行いながら前に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、2項目め、日本遺産の活用についてお伺いします。
この項1点目、日本遺産の取組についてお尋ねいたします。
本市では、平成29年に、一輪の綿花をテーマとしたストーリーが日本遺産として認定され、続いて平成30年には、北前船寄港地及び古代吉備の遺産をテーマとした日本遺産が認定されました。現在3つの日本遺産のストーリーが倉敷市全域に広がっており、大変すばらしいことであると考えております。
この日本遺産について文化庁のホームページでは、日本遺産として認定されたストーリーの魅力発信や日本遺産を通じた地域活性化については、日本遺産に関する、1、人材育成、2、普及啓発、3、調査研究、情報コンテンツ作成、4、活用整備、5、構成文化財の魅力向上に対して、文化芸術振興費や文化資源活用事業費を交付するなど文化庁が積極的に支援しますとあります。また、財政支援に伴う評価制度もあり、令和3年度には、平成27年度に認定された日本遺産の総括評価、継続審査を行い、18件のうち4件を認定地域(条件付)として、3年間の地域活性化計画の着実な実行を強く求めております。
このように日本遺産の認定は、ゴールではなく、日本遺産を通じた地域活性化への取組が最も重要であり、不可欠であると認識しております。
本市のホームページでも、3つの日本遺産認定という絶好の機会を生かし、国内外への発信を強化し、観光施策との連携により来訪者の増加につなげ、産業振興など地方創生につながる取組をさらに進めていきますとありますが、本市では、日本遺産の認定以降、地域活性化や観光振興を目指して、集客力向上のため地域の魅力発信について、具体的にどのような財政支援を受けて、どのような活動に取り組んできたのか、お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) 本市は、平成29年度に日本遺産一輪の綿花から始まる倉敷物語が認定され、その後3年間にわたり、文化庁から交付された補助金を活用し、綿花が紡ぐ倉敷の歴史と発展した繊維産業を紹介する特設サイト、日本遺産を紹介するスマートフォンアプリ、また、情報発信拠点として市内3か所に日本遺産インフォメーションの整備を行ってまいりました。
また、地域の文化財を総合的に活用するための補助金により、コロナ禍においても創意工夫をしながら市内各地域を巡回し、構成文化財の魅力を発信するリレーシンポジウムなども開催しております。
このほかにも、日本遺産をテーマとしたデザインマンホールや、真備復興のためのサイクリングマップを制作するなど、観光誘客促進をはじめ、地域活性化につながる日本遺産を活用した取組を行っております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 日本遺産を活用した観光誘客促進につながる取組をしっかりと行っていただいていることが、よく分かりました。引き続き、よろしくお願いいたします。
それでは、この項2点目、広報戦略について2つお尋ねいたします。
まず、VRコンテンツの活用についてですが、本市では、日本遺産の情報発信の一つとして特設サイトくらしき日本遺産トリップが運用されており、中でも、市内各地のスポットをバーチャル体験で楽しめる動画はVR、バーチャルリアリティーを活用して、倉敷小町の方が各地を案内するというものですが、見てみると大変分かりやすく、親しみの持てるものであり、各地域の魅力を身近に感じることができる好事例であると高く評価しております。
しかし一方で、ユーチューブの視聴回数がまだまだ少ないと感じております。その一つの要因として、なかなかVR視聴にまでたどり着かない現状があるのではないでしょうか。このような良質なコンテンツを、より多くの方に見ていただくことができれば、大きな効果が期待できると考えます。
そこで、例えば、観光課と連携して倉敷観光WEBのトップページに、倉敷小町がご案内!くらしきの旅などのアイコンを置いて、直接VRに誘導したり、各種観光雑誌や広報くらしきにVRのQRコードを掲載するなど、VRまでの入り口を増やし、認知度を向上していく取組が欠かせないと考えますが、本市の見解をお伺いします。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) くらしき日本遺産トリップは、コロナ禍における新たな誘客促進コンテンツの造成を目的とした、国の補助事業を活用して作成したウェブサイトでございます。本市の日本遺産にちなんだ10の見どころを倉敷小町や学芸員が紹介し、バーチャルな視点で視聴できるなど、有効なプロモーションとして発信しております。
日本遺産の周知につきましては、これまでも広報くらしきや倉敷市ホームページ、市内外のイベントを中心にPRに努めておりますが、今後は、くらしき日本遺産トリップを活用し、御提案いただいた倉敷観光WEBのトップページへのバナー掲載に加え、公式ツイッターやフェイスブックによる発信などを行うことで、日本遺産のさらなるPRに取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 周知に向けた取組をよろしくお願いいたします。
次に、アフターコロナを見据えた観光客誘致についてお伺いします。
コロナ禍の今、実際に倉敷に観光に訪れる方は激減しております。しかし、コロナ禍の今だからこそ、アフターコロナを見据えた観光客誘致の取組が大変重要であると考えます。
その一つとして、日本遺産で作成したVRの活用、また、VRをはじめとした新たな観光プロモーションコンテンツの作成及び充実、インフルエンサーの活用などによる様々な情報発信をしていくことが、広報戦略として大変有効だと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 三宅文化産業局長。
◎文化産業局長(三宅幸夫君) 本市では、VR、バーチャルリアリティーを活用した日本遺産の発信に加え、航空機内での観光プロモーション動画の配信、さらには倉敷観光WEBサイトやインスタグラムなどのSNSにおいて、旬の情報を発信しているところでございます。
また、インフルエンサーの活用については、令和3年2月に高梁川流域の魅力を紹介する観光プロモーション動画を作成し、総フォロワー数100万人を超えるトップインフルエンサーに出演していただきました。SNSでの再生回数は20万回を超えており、現在も出演者の対談ライブ配信などを行っております。
今後も倉敷観光WEBサイトの魅力向上に加え、VRをはじめとした新たなコンテンツの研究を行うとともに、効果的な動画配信を活用するなど、アフターコロナも見据え、様々な手法により本市の魅力を発信してまいります。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 既にトップインフルエンサーに出演していただいて、知りませんでしたが、自治体が作成した動画で20万回再生というと、すごい成果だと思っております。日本遺産のVR動画もしっかりと活用しながら、コロナで行けないからこそ、疑似体験で我慢していただいて、さらに行きたい気持ちを募らせるような、アフターコロナを見据えたコンテンツの充実をよろしくお願いいたします。
続きまして、この項3点目、教育への活用についてお尋ねいたします。
小学校社会科の副読本みんなのまちくらしきには、日本遺産について詳しく記載されております。これは、倉敷市教育大綱に示された基本理念である“From Kurashiki”が誇りとなるひとづくりを進める上で、倉敷市を誇りに思う心の醸成に大変有効な教材となると考えております。
先ほどの日本遺産を紹介するVRは、小学生にとっても分かりやすく、親しみやすい内容であると思います。また、VRを見て、現地体験をすれば、より大きな教育効果が得られると考えます。
倉敷市立小学校では、日本遺産の学習に副読本をどのように活用しているのか、また、倉敷市が作成しているVRの活用や現地体験などの取組についてお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市教育委員会では、市独自に小学校3・4年生の社会科副読本みんなのまちくらしきを作成し、倉敷の発展に尽くした大原 孫三郎や野崎 武左衛門を扱った児島のまちと塩田開発等の地域の特色を題材にした教材を掲載して、郷土倉敷に対する理解と誇り、愛情の育成に努めております。
その中で、日本遺産に関する内容を、地域学習の動機づけとして掲載し、小学校5・6年生に進級した際に、日本遺産に興味を持った児童が総合的な学習の時間で、日本遺産の文化財である玉島地区の町並み保存地区や旧野崎家住宅の現地見学等を通して、理解を深めております。
また、市のホームページからアクセスできるVR、バーチャルリアリティーの利用は効果的であると考えており、今後、副読本にVRにアクセスできるQRコードを掲載していく等、児童が簡単に活用できるよう、市の関係課と連携しながら活用方法を検討してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) GIGAスクールのタブレットの活用も増やしていく必要もあると思いますので、前向きな検討をよろしくお願いいたします。
この項でお尋ねした日本遺産の取組は、観光、商工、教育など様々な分野と連携することで、地方創生、地域活性化の大きな推進力になると考えております。今後、さらに連携、協力した取組をよろしくお願いいたします。
続きまして、3項目め、倉敷市公共施設個別計画についてお尋ねいたします。
平成28年6月に策定された倉敷市公共施設等総合管理計画において、40年後には、市の42%の公共施設が維持できなくなるとされております。
このたび示されました倉敷市公共施設個別計画(素案)には、削減効果は示されておりませんが、この40年後を見据えた取組が重要だと考えております。
具体的な整備面積や複合化の手法等、具体的な検討はこれからになると思いますが、現時点で分かる範囲で結構ですので、御説明をお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) 平成28年に策定しました公共施設等総合管理計画では、平成27年度の投資的経費額である101億円を、今後も同水準で継続すると仮定した場合、財源不足により市全体の公共施設のうち、約42%が維持できなくなる試算結果となりました。現在、この試算結果も参考に、施設総量の適正化を目指し、公共施設の複合化などを計画的に進めているところでございます。
今回、公共施設個別計画の素案では、対象とする171施設のうち老朽化等が進んでいる施設について、複合化や集約化、長寿命化などの方針をお示ししております。各施設の整備内容など具体的な検討はこれからになりますが、施設の複合化や廃止などにより、15以上の施設が削減可能になるとの見通しであり、延べ床面積の縮減につながるものと考えております。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 15以上の施設の削減が可能となる見通しということで、以前にも増して取り組まれている現状が分かりました。施設の維持ができなくなるようなことがないように、さらなる取組をよろしくお願いいたします。
それでは、質問4項目め、女性の命と健康を守るための取組として、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンの積極的勧奨再開に当たっての個別勧奨、また、キャッチアップ接種について2点お尋ねいたします。
子宮頸がんは、年間約1万1,000人が罹患し、約2,800人が亡くなっている、40歳までの女性のがん死亡率第2位のがんです。また、その原因のほとんどがHPV、ヒトパピローマウイルスへの感染であることから、ワクチンによって予防ができるがんとして、WHOが接種を推奨し、世界130か国でワクチンが使用されています。
残念ながら日本では、積極的勧奨を差し控えた平成25年6月以降、接種率は1%以下へと激減し、ここ数年は、リーフレットによるHPVワクチンに対する正しい情報の提供や個別送付により少しずつ上昇傾向にあったものの、8年余りにわたってHPVワクチンの定期接種は、実質中断状態となっておりました。この間、厚生労働省では専門分科会での議論が重ねられ、HPVワクチンの定期接種について、ようやく本年4月から積極的勧奨を再開することとなっております。
昨年11月議会で、会派の薮田議員が、全対象者への積極的勧奨再開後の情報提供、周知方法、個別通知、また、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて、救済策としての、いわゆるキャッチアップ接種について周知方法等を質問しています。国の方針に基づいて実施する方法を検討するとの御答弁でしたが、昨年12月28日付厚生労働省事務連絡で、専門分科会におけるキャッチアップ接種に関する議論がまとめられ、併せて同日付で実施に向けた接種体制の構築についての通知も発出されました。
この事務連絡では、キャッチアップ接種対象者は、平成9年度から平成17年度生まれの女子で、接種期間は令和4年4月から令和7年3月までの3年間と定められております。
本市の定期接種、キャッチアップ接種の対象者は、それぞれどれぐらいになるのでしょうか。
相当数の方が対象となると推察されますが、定期接種対象者への個別勧奨とともに、キャッチアップ接種の周知と啓発の徹底のための準備が急がれます。新型コロナワクチンの接種や、コロナ感染拡大の第6波への対応など、保健所はじめ市職員を挙げての御奮闘には、心から敬意と感謝を申し上げるものですが、HPVワクチンで若い女性の命と健康を守るために、どうかこちらの感染症にも万全の態勢で臨んでいただきたいと思っております。
あわせて、接種後の症状に対する相談体制や医療機関との連携など、これらにどのように取り組んでいかれるのでしょうか。お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市では、令和3年11月26日付厚生労働省健康局長通知を受けまして、本年4月から子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨を再開することとしており、このワクチンの定期予防接種の対象者、12歳から16歳の女子約1万人に対し、個別に通知を行う予定としております。
また、機会を逃した方への接種、いわゆるキャッチアップ接種につきましては、本年4月以降に実施する方針が国から示されました。今後、具体的な実施方法が示される予定で、令和4年度に対象者約1万7,000人に通知できるよう、準備を進めてまいります。
本市では既に、正しい知識の普及のため、対象者や保護者に向けたリーフレットを個別に送付いたしております。また、今後、対象者や保護者が接種について検討、判断できるよう、医療機関に安全性や有効性などの正しい知識の説明もお願いしてまいります。
接種後に副反応等の症状が出た場合には、接種した医師やかかりつけ医に相談していただくほか、岡山県が設置した相談窓口を案内するなど、相談対応にも取り組んでまいります。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 1万7,000人の方が対象になるということでしたが、対象の方々に安心して接種していただけるよう、万全な準備等をお願いいたします。
また、HPVワクチンの接種対象者は、新型コロナワクチンの接種対象者とも重なると思います。新型コロナワクチンとの接種間隔等、本人や御家族、また医療機関の混乱を招かないよう、丁寧な情報伝達、個別通知を、併せてよろしくお願いいたします。
それでは、この項2点目、最後の質問です。
キャッチアップ接種対象者の中には、既に社会人となって働いている女性もいることが考えられます。勤め先の企業等にも関心を持っていただき、接種のための休暇等が取りやすくなるような周知方法なども検討すべきと考えますが、市の見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 企業への周知としましては、健康応援事業やゲートキーパー養成講座等で、保健所と連携している企業に対しては、リーフレット等を活用し、接種に対する理解と接種勧奨の協力を依頼してまいります。
また、健康管理や安全衛生について情報交換を行ってきた企業の看護師や保健師に加え、商工会議所、商工会を通して、様々な事業所への啓発に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) HPVワクチンは、3回で接種が完了するわけですが、1回目の接種後に、積極的勧奨の差し控えによって長期間接種を中断している方もおられ、厚生労働省の専門分科会では、これらの方への接種間隔の取扱い等、積み残された議論もあるようです。
3月には、各自治体へ通知したいとの方針を伺っております。今後の国の動向を注視していただいて、必要な方に確実な情報が速やかに届くよう、できる準備を進めていただきたいと思います。大変な状況下ですが、懸命に頑張っていただいている職員の皆さんへエールを送らせていただいて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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