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令和4年第4回倉敷市議会(第3回定例会) 9月12日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月12日(月) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田口 明子 議員
1 葬儀に関する半旗掲揚及び「国葬儀」への対応における諸問題について
2 「岡山県家庭教育応援条例」について今後の対応と課題について
3 子どもの権利が尊重される校則問題について
4 地域循環型経済を実現し、自立したまちづくりについて
◆10番(田口明子君) (拍手)日本共産党倉敷市議会議員団の田口 明子でございます。一問一答にて順次質問いたします。よろしくお願いいたします。
7月8日、安倍 晋三元首相が参議院選の演説中に銃撃を受け、御逝去されました。心から御冥福をお祈り申し上げます。日本共産党は、言論を暴力で封殺することは民主主義を破壊する最も憎むべき行為であり、強い憤りを持って断固糾弾するものです。しかし、そのことと憲法にも反する国葬儀を執り行うことは別の問題であり、事実と道理に基づいて冷静に判断されるべきと考えております。その立場で何点か質問させていただきます。
通告1項目め、故安倍 晋三氏の葬儀に関する半旗掲揚及び国葬儀への対応における問題点についてです。
1つ目に、7月12日に行われました安倍 晋三氏の葬儀に関する半旗掲揚の要請への教育委員会の対応についてお伺いいたします。
葬儀に合わせて、教育企画総務課は、市立全132の学校園に国旗の半旗掲揚について御協力をお願いします、そして倉敷市旗についてはふだん掲揚していない場合は対応不要ですと追記をして、半旗掲揚への協力を求める文書を送付していたことが明らかになりました。
東京新聞の調べによりますと、同様に半旗掲揚を依頼した自治体は、全国でも、東京都、そして山口県、仙台市、福岡市、川崎市、帯広市、大阪府吹田市、兵庫県三田市、そして岡山県倉敷市との報道がなされております。
岡山県教育委員会は、一政治家に関する今回のケースは、対応が必要な事案ではないという判断から、所管する県立学校等におきましても半旗掲揚は求めておりません。にもかかわらず、倉敷市は協力のお願いということを追記してまで学校園に一斉に通知しております。その経緯についてお答えいただけますでしょうか。
○議長(中西公仁君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 田口 明子議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
令和4年7月12日に総務部総務課から本庁舎、支所で半旗掲揚と追悼の記帳所を設置することを知らせる文書が倉敷市教育委員会の教育企画総務課にメールで届きましたので、情報共有の意味合いもあり、各学校園にメールで文書を転送したものでございます。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) メールで来た文書をそのまま転送したということではありますが、半旗掲揚について協力のお願いということを追記されておりますと、受け取った学校現場は配慮が必要だと感じます。わざわざ要請、通知を行ったということは、教育現場に半旗掲揚を求めたものであると言わざるを得ないと思います。
半旗の掲揚は、弔意の表示そのものです。特定の故人に対して弔意を示すかどうかということは、まさに個々人の思想信条によるべきものであり、非常にセンシティブな問題でもあります。
学校とは教育の場であり、学校自体が取った行動というのは、全てにおいて児童、生徒に教育的な効果を与えるものです。
そこで、教育長にお伺いいたします。
教育基本法第14条第2項では、法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないということが定められています。この教育基本法に照らして、今回の教育委員会の対応はどうだったのか、教育長の認識を伺いたいと思います。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 今回の教育委員会の対応についてでございますが、市長部局から通知がありました本庁、各支所で半旗掲揚を行うことと記帳所を設置することなどを各学校園にお知らせしたもので、弔意を強制するものではございません。
なお、文書を転送した際の表現により誤解を招いた点につきましては、様々な御意見があることを真摯に受け止めており、今後適切に対応してまいります。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) よろしくお願いいたします。
教育基本法は、戦前多くの子供たちや教育者が軍国主義教育の中で犠牲になり、その反省の下に教育の政治的中立を堅持しながら、教育行政に国の政治的介入を絶対に許さないようにということで進められてまいりました。そして、日本国憲法の理念と目的を実現するために、児童、生徒の学習権の保障と教育の役割が示されているのが教育基本法です。教育行政に携わる多くの職員の皆さんが、憲法とそして教育基本法の理念をしっかりと理解していただいて、教育行政に当たっていただくこと、このことを強く望むものです。
次に、国葬儀の際の教育委員会の対応について伺いたいと思います。
今回半旗掲揚を要請した葬儀は、あくまでも私的な葬儀であったにもかかわらず、教育委員会が各学校に対して半旗掲揚の要請等を行っていることに鑑みれば、教育委員会が国葬開催の際にも半旗掲揚、そしてその他の弔意表明を要請し、事実上強制することが懸念されます。改めて、教育委員会には半旗掲揚や児童、生徒、教職員等に対して弔意の強制を行わないように求めるものですが、見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 国葬儀につきまして、国、文部科学省、岡山県教育委員会からの通知等があった場合につきましては、内容を確認して適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) どうぞ教育委員会の中でしっかりと議論していただきたいと思います。
それでは、倉敷市としての対応について伺います。
国葬は、戦前の国葬令が現行憲法の施行とともに廃止されています。現時点では、個人の葬儀を国が執り行う法的根拠は存在いたしません。
また、国への功労を理由に特定の個人の葬儀を国が税金で執行すること自体が、法の下の平等を定めた憲法第14条や憲法第19条の内心の自由を侵すものです。また、憲法第20条の信教の自由との関係も含め、国葬と憲法との整合性も払拭することができていません。
西日本豪雨の大災害のときに真備町に入り、復旧、復興に尽力していただいたとのことですが、あれだけの大災害、一国の首相であれば来て当然のことで、復旧、復興に力を尽くすのは政治の責任です。そのことを口実に、市民に対して弔意の強制や同調圧力が高まることとなれば、それは深刻な人権侵害を引き起こすことにもつながります。どんな世論調査を見ても、今国民の多数がこの国葬強行に反対しています。本市として、市の有する施設での半旗掲揚や職員や来庁者等への弔意を呼びかけないように求めたいと思いますが、見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 9月27日に行われる予定の安倍元総理の国葬については、国からの通知等がない現時点では内容がはっきりしておりませんので、詳細な内容が判明次第、適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 葬儀のときには、このたび本庁でも1時に黙祷するというようなことが行われております。あれは、あくまでも私的、個人の葬儀ということでもありますので、今回はこの国葬儀で同じようなことをされないように、私たち日本共産党としても申入れを行っておりますので、ぜひとも御議論いただきたいというふうに思っております。
この国葬儀はあくまでも閣議決定です。閣議決定というのは内閣の下にいる国家公務員を拘束するだけの規範です。それなのに国民を拘束するように転化してしまうというところに恐ろしさがあります。国葬の問題を考えるときに、根本にあるのは憲法と人権です。個人の尊厳に国家権力が関与することは絶対に許されません。真摯な対応を求めておきたいと思います。
次に、2項目めに移ります。
「岡山県家庭教育応援条例」について今後の対応と課題についてお伺いいたします。
岡山県家庭教育応援条例は、議員発議によって2022年3月18日に岡山県議会で採択されました。条例制定に向けたパブリックコメントでは、国家や地方自治体、学校や地域住民が私的領域である家庭に介入して、家庭のありようや家庭教育の責任を条例で定めるべきではない、こういった意見が多数寄せられております。また、市民団体の反対運動も広がり、2万2,343筆を超える反対署名も提出されているところです。しかし、議論も不十分なままに強行的に可決され、テレビやニュースでも大きく報道された条例でもあります。
まず、ここでお伺いしたいと思います。
この家庭教育応援条例についての教育委員会の認識をお答えいただけますでしょうか。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 条例制定の背景につきましては承知いたしておりませんが、社会的に問題が指摘されている団体が岡山県家庭教育応援条例に関わる様々な取組などに乗じて教育現場や家庭に介入することのないよう、慎重に対応していく必要があると認識いたしております。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) おっしゃったように、この条例が社会的にも今問題になっておりまして、この条例が反社会的カルト集団世界平和統一家庭連合、以下統一協会と言いますが、この思想に大きく影響を受けていたということが分かるようになってきました。この家庭教育という言葉を掲げた統一協会が地方政治に深く浸透しているということが分かってきております。
8月20日、全国放送されましたTBSの報道特集でも、この条例制定に向けて動いていた自民党政治家と統一協会との関わりが報道されています。統一協会団体の内部文書が紹介され、家庭教育強化のための条例制定に向けた家庭教育国民運動のビジョンが掲げられており、国政や地方政治、政策形成に参画して、各地域に地方議員30名と結びつく、こういうことが目標とされております。議員を通じて地方政治に介入しようと手を伸ばしていたことが分かります。
今年開かれました統一協会の関連団体の平和大使協議会、こういった協議会がたくさんあるのですけれども、関連団体のこの平和大使協議会による地方議員研修セミナーで岡山県議会議員が実例報告としまして、反対運動が大きく渦巻く中、家庭教育応援条例を成立させた、こういったことを登壇して講演を行っています。そして、統一協会系の日刊紙であります世界日報、これは皆さんも耳にされたかと思うのですけれども、この世界日報に大きく県議会議員の写真が載っておりまして、家庭応援条例の狙いというタイトルでインタビュー記事が2022年4月15日に掲載されているところです。
さらに、統一協会の政治団体でもある国際勝共連合、この国際勝共連合は反ジェンダーフリー、反LGBT、反同性婚、反選択的夫婦別姓、これらのことを掲げて憲法第24条の個人の尊厳を厳しく批判しています。行き過ぎた個人主義イデオロギーの押しつけが、これまでの家族制度を弱体化させてきたということまで述べています。こういった思想を受けて、多数を占める自民党によって今岡山県議会は日本で唯一、選択的夫婦別姓制度に反対する意見書を提出しているのです。多様性の社会を否定する、まさに社会の流れに逆行するものだと言わなければなりません。
家庭教育と言えば耳障りのいいように聞こえますが、結果、統一協会の思想が引き継がれ、その息がかかった議員の皆さんによってつくられたというのがこの家庭教育応援条例だったということが分かってきています。
改めて、ここで教育長にお伺いしたいと思います。
先日の末田 正彦議員の一般質問で、統一協会の認識についてということで、教育長は、社会的に問題がある集団と、先ほどもおっしゃいました。総務局長は、今後の後援等は行わないとの趣旨の答弁もされております。こういった背景の中で強行的に進められてきた家庭教育応援条例について、教育委員会の認識を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 条例制定の背景については承知しておりませんが、岡山県家庭教育応援条例に関わる様々なイベントなどの後援申請や支援の要請に際しましては、社会的に問題が指摘されている団体ではないか慎重に審査し、適切に対処してまいります。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、この条例が施行したことで、取り組みたいこととして、今PTAの会合や学級懇談会のような場所に家庭教育サポーターなどが出向いて、子育ての悩みを聞くなどし、施行後3年を超えない期間ごとに検討を加えていくということが言われております。
さらに、今、これはこの3月に持って帰った、学校で配られたパンフレットではありますけれども、このようなパンフレットが全ての学校に配付されております。今岡山県のホームページを見ましても、11月の第3日曜日が家庭教育応援の日というふうに制定されておりまして、自治体の役割も含めてここにいろいろ書いてあります。こういったことが今進められております。
そこで、お伺いいたします。
家庭教育応援条例の名の下で行われる様々な相談活動、そしてイベント、支援に、今後どのように対応するのか、もう一度お答えいただけますでしょうか。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) これまでも各学校園は、外部の方を招いた活動を行う際に、その方が学校園の教育活動にふさわしい方かどうかを十分検討しながら実施しているところでございます。今後につきましても、適切な対応が行われるように校園長会や研修会等で周知してまいります。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) この次に周知について聞こうと思っていたのですけれども、今おっしゃったので質問の中身をもう一回、私のほうで話をさせていただきたいと思います。
今おっしゃいましたように、この家庭教育応援条例の名の下で様々なイベントやあるいは相談活動がこれから開始されていくかと思います。
神奈川県の厚木市では、複数の市立学校で外部講師として統一協会の偽装組織でもある世界平和女性連合の活動家が教壇に立っていたということを、2008年5月5日付のしんぶん赤旗が報道しています。10数年も前からこういったことが学校現場で起こっていたということです。
川崎市でも同様に、複数の学校が統一協会内部の洗脳教育の担当者を保護者向けの講座の講師に招いたという例もあって、教団の内部の人とつながりをつけた教師や保護者の方を統一協会の講演に誘って入信や霊感商法に誘導するということが行われていたそうです。
このように各学校では、学校行事、PTA活動において外部講師を招いて講演会などをする際、どんな講師が選ばれたのかということを教育委員会のほうで把握することが困難です。先ほども話しましたけれども、そういった実態がある以上、学校が行う講師の選定は、本当に慎重に行うことが必要だと考えます。学校園での周知徹底が必要だと考えますが、今後の教育委員会の対応としての見解をお示しいただけたらと思います。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 先ほども申しましたが、校園長会、それから研修会等でやはり団体、校園長に対してしっかり周知してまいりたいと。なかなか各学校へそういった内容を把握する、現在もなかなかできていないのですが、こういったことが起こったことを機に、一層充実させていきたいというふうに考えております。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 校長会等でも周知していただくように、よろしくお願いいたします。
統一協会は、名前を変えて様々な組織団体を隠れみのにしながら入信や霊感商法を行っています。岡山弁護士会によりますと、相談は100件以上寄せられ、その被害総額は1億円を超えています。家庭教育という名の下に統一協会の思想が引き継がれたのならば、それは議会への冒涜でもあり、政治が大きくゆがめられたことになります。ぜひ今後は注意して対応していただきたいということを申し添えておきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 田口 明子議員、この際申し上げます。
質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時55分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 1時 開 議
○副議長(塩津孝明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
10番 田口 明子議員、質問項目3番から再開してください。
◆10番(田口明子君) それでは3項目め、子供の権利が尊重される学校の校則問題について7点質問いたします。
日本共産党は、校則が社会問題となる中で、2021年校則問題プロジェクトを立ち上げ、中高生や保護者、教職員の方々と対話をし、アンケートにも取り組みながらこの間進めてまいりました。
学校校則は教育活動の一環であり、教育は教職員と子供たちの人間としての自由な交流によって進められるものであり、教育には自主性が不可欠と考えます。
そこで、お伺いいたします。
学校の校則に対する教育委員会の認識についてお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 校則の在り方は、特に法令上は規定されておりませんが、社会通念上、合理的と認められる範囲におきまして、教育目標の実現という観点から校長が定めるものとされております。
学校は児童、生徒が集団で活動する場所であることから、児童、生徒や保護者とも内容の理解を図りながら、学校が教育目標を達成するために校則を定め、学校教育の中でルールや社会規範の遵守について適切な指導を行うことは教育的意義があると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、令和3年6月8日、文部科学省初等中等教育局児童生徒課から校則の見直し等に関する取組事例についての通知がされました。それを受けて倉敷市教育委員会はどのような対応をしてこられたのか、また見直しに関する実態はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市教育委員会といたしましては、文部科学省通知及び令和3年7月、岡山県教育庁通知、校則の見直し等に関する取組事例についてを受け、倉敷市立学校に対して、内容の周知と校則に基づく指導の在り方等に関して通知をいたしております。
また、校則の見直しにつきましては、例えば倉敷市立の中学校におきましては新しい制服の導入に向けた取組が進んでおり、それに合わせて服装の決まり等の見直しをしている学校もあると認識いたしております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは次に、生徒手帳に書かれていない校則について伺います。
例えば、肌着や下着に関する決まりです。中学校では、カッターシャツやブラウスの下は白の肌着や下着を着用、肌着は白無地にすること、小学校においては、体操服を着たときに透けないようにすること、またプリントがないものなど、細かに規定されています。頭髪に関するものでは、学校がふさわしくないと判断した頭髪はNG、整髪料は禁止、ツーブロックは禁止、女子は2つ結びでゴムの位置は耳の下でないといけないなど、実際には生徒手帳に書かれていない細かな決まりが生徒を縛っています。そのような決まりについては、学校現場では校則として認識しているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 生徒手帳に校則としての服装や頭髪、持ち物等の決まりについて記載している学校もあれば、記載していない学校、また主なものしか載せていない学校もございます。
学校の校則や決まりにつきましては、入学前に保護者に配付、説明する入学の手引や入学後に生徒に配付、説明される学校生活のしおり等に記載されている場合が多いと認識いたしております。
また、校則と決まりについての区別はなく、全て校則として扱っている学校が多いと認識いたしております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは、生徒手帳に記載されていない細かな決まり事が校則というふうに認識されていれば、校則に違反した場合、生徒に対してどのような指導がなされているのか、まずお答えください。
あわせて、髪の毛の色、髪の毛の地毛が茶色系の場合、地毛の証明書が必要だったり、癖毛や髪の色が薄い生徒には入学時に届けを出させるというようなことを求めていないのか、お答えいただきたいと思います。
指導については、生徒自身の人権に配慮した適切な指導が求められると考えますが、教育委員会の見解をお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 学校は、児童、生徒に校則違反があった場合には、本人、保護者に十分な事実確認をした上で、適切な指導を行うことを基本といたしております。その際、人権に十分配慮した指導がなされるように、生徒指導主事が参加いたします生徒指導研修会や校長会等で学校に周知いたしております。
また、生まれつきや病気等で髪の毛の色素が薄い児童、生徒に対しまして、地毛証明書を提出させている学校はないと認識いたしております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 校則の指導については、生徒が感じる校則の矛盾よりも、校則そのものが正しいということが前提となっていることに問題があります。必要性や合理性の乏しい決まりやルールは、生徒にとっても、確認する先生にとっても不幸でしかありません。校則がなぜこうなっているのかという素朴な疑問に、校則だから、あるいは決まり事だから、そういった返答しかできない校則は、今すぐ見直されるべきと申し上げておきたいと思います。
次に、生徒指導提要改訂(案)についてお伺いいたします。
文部科学省の有識者会議は、8月26日、小学校から高等学校までの生徒指導の基本文書に、子どもの権利条約を紹介し、児童、生徒の基本的人権に十分配慮するよう求めております。
学校校則が社会問題となる中、生徒指導提要に子どもの権利条約が明記される予定となっております。このことについて、教育委員会の認識についてお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約は、1989年の国連総会において採択された子供の基本的人権を国際的に保障する条約でございます。学校教育では、児童、生徒の人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育が行われなければならないことから、本条約の理解を深めていくことは、教職員、児童、生徒、保護者、地域等にとって大変重要であると認識いたしております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 子どもの権利条約について学ぶことは大変重要であるという認識だというお答えをいただきました。
この子どもの権利条約について知らない子供たちも多く、条約の内容はほとんど知られておりません。そして、この改訂案の中で、生徒指導の取組上の留意点として、その第1に教職員の子どもの権利条約についての理解が重要だということが強調されております。児童、生徒が子どもの権利条約について学ぶということは、今後の主権者教育を行う上でも必要と考えます。教育委員会の認識についてお答えいただけますでしょうか。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市教育委員会では、子どもの権利条約について、児童、生徒が自ら学び、生活等に生かしていこうとする取組は、主権者としての基盤を育てるために大変重要であると考えております。
児童、生徒は、小学6年の社会科や中学3年の社会科公民的分野の授業におきまして、様々な人権について学ぶ中で子どもの権利条約について学習しております。
これまで倉敷市教育委員会は、子どもの権利条約に関する人権指導資料を作成して活用を促してまいりました。また、今年度は人権教育課題研究として、子どもの権利条約をベースに、子供自身が権利の主体となり、自他を大切にし、安全に生きる指導の充実を図る実践研究を小・中学校10校で推進いたしております。今後も権利の主体者としての自覚を持った児童、生徒の育成を図るよう、積極的に取り組んでまいります。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 子どもの権利条約の第28条第2項には、校則の在り方を定めた学校の規律という条文があります。ぜひ子どもの権利条約を生徒手帳にも記載すること、そして授業でも取り上げることなどしていただくように提案しておきたいというふうに思います。
この項最後に、学校が子供の尊厳を尊重する場になるように求めたいと思います。
校則の内容については、各学校で子供たちが主体となり、児童、生徒や教職員、保護者の声を踏まえて、よく話し合って決めること、その際には憲法と子どもの権利条約を共通の土台として校則が見直されるよう求めたいと思います。一度決めた校則も、絶えず見直されていくよう教育委員会が推進していくべきと考えますが、見解をお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 児童、生徒が大人の助言も受けながら、校則について主体的に考え、各学校で見直しを進めていくことは、校則に対する理解を深めるとともに、自らルールや決まりを守っていこうとする態度の育成につながると考えております。倉敷市教育委員会といたしましては、今後も校則の在り方について学校への指導、啓発に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 校則は子供たちにとって、とても身近なもので、かつ長年の習慣の力は極めて強いものです。子供たちが自分と他者の尊厳を自覚し、権利の主体として成長できるよう、教育委員会としてもその役割を発揮していただきたいと思います。
それでは4項目め、地域循環型経済を実現し、自立したまちづくりについて伺いたいと思います。
中小企業は、日本経済の根幹であり、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献する存在です。地域の持続的発展が大きな課題となっている中で、地域に根を下ろし、物づくりやサービスでの需要に応え、雇用を生み出している中小企業の役割はますます大きなものとなっています。
しかし、長引く新型コロナ感染の拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、米中対立など、日本経済のグローバル化として引き起こされた経済危機は、地域経済を疲弊させ、住民の日々の生活が脅かされております。こういった不確実な時代だからこそ、国内外における情勢の急激な変化に対応することができる力強い経済基盤を持った地域経済の構築が必要不可欠と考えます。
このたび、令和4年5月に新たな倉敷市商工業活性化ビジョンが策定されました。その目的と経緯についてお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 今回の倉敷市商工業活性化ビジョンでございますけれども、倉敷市第七次総合計画の商工業分野におけるめざすまちの姿を実現するために、産業振興施策を講じる際の基本理念や戦略を示したものでありまして、市民の皆様をはじめ、企業の方々、そして商工団体や金融機関といった支援機関等にも広く共有していくことを目的としております。
特に、平成30年7月豪雨や新型コロナウイルス感染症の拡大といった予測困難な危機でありますとか、現在の脱炭素化、そしてSDGsなど新たな価値観への対応など、様々な急激な環境変化に地域の産業がどのように向き合い、持続可能な地域経済を実現していくべきかという課題に対応していく必要があると考えまして、このたびの策定に至ったところでございます。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、倉敷市の産業構造についてどのように分析されているのか、お答えください。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 本市の産業構造につきましては、国の最新の経済センサス等を基に商工業活性化ビジョンで詳しくお示ししておりますが、事業所数では卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、建設業、生活関連サービス業・娯楽業、製造業の順に多く、構成比も全国とほぼ同様の構成となっております。
従業者数では、製造業が最も多く、卸売業・小売業、医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業、建設業と続きます。このうち製造業と医療・福祉分野では、市全体の従業者数に占める割合が全国と比較しても高い状況にあります。
特徴的な産業として、製造業は水島コンビナートを中心に、鉄鋼業、化学工業、輸送用機械器具製造業や地場産業である繊維工業の産業集積度が他都市と比べて相対的に高く、製造品出荷額等でも西日本1位であることから、稼ぐ力の高い本市の基幹産業であると考えます。
また、高い雇用吸収力を持つ医療・福祉分野においても、全国有数の大規模医療機関が複数立地するなど、産業集積が進んでおり、今後も高齢化で市場拡大が見込まれることから、製造業とともに市の特徴的な産業であるというふうに認識しております。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、地域特性を生かした産業振興策についてお伺いしたいと思います。
地域住民がその地で元気に住み続けられるかどうかは、その地域全体が持続可能な形で発展していく必要があります。そのためにも、地域内再投資力を質的にも、そして量的にも強化していくことが必要と考えます。
倉敷市商工業活性化ビジョンでは、市内各地区の産業特性や、その地区の特色がなかなか見えてきません。倉敷市は各地区ごとそれぞれの文化が発展し、産業構造が異なります。市内各地区の産業等の特色や、そして特性を踏まえ、自立したそれぞれの町を倉敷市全体として形成していくためにも、各地区の産業や特性を調査し、それらを踏まえた産業振興策を講じることを求めますが、見解をお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 地域特性を踏まえた産業振興は、地域の特徴的な自然や文化、人や物を資源として活用することをはじめ、社会資本の整備や土地利用などの都市計画とも密接に関わるなど、まちづくりとして取り組む必要があります。特に、少子・高齢化、人口減少社会において持続可能な町を目指すためには、魅力ある町が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立することが重要です。
市では、そうした観点から、第2期倉敷みらい創生戦略を策定し、同戦略を含む倉敷市第七次総合計画に基づいて、企業立地の促進や地域資源の発掘と活用、地場産業の振興など、町の特徴や人口動態、産業集積など、地域特性を踏まえた産業振興施策を継続して実施しております。
一方、商工業活性化ビジョンは、人口減少や脱炭素、不確実性など様々な課題認識の下、総合計画に基づく施策をより効果的なものとするための戦略として、産業振興に、人への投資、地域内経済循環、企業変革力、イノベーション創出といった新たな視点や考え方を加えるものです。したがいまして、地域調査とその結果に基づく個別施策を本ビジョンで行うことは想定いたしておりません。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 今後、国レベルでの政策の転換も必要となってはきますが、地方自治体が中心となって地域産業の個性に合った独自の産業政策を構築していくことが必要不可欠と考えます。そのためにも、地域ごとの地域内再投資力を意識的に育成していくことを求めておきたいと思います。
最後に、中小企業振興基本条例の制定を求めます。
現代の経済危機、社会的不安定化の中で、地域の持続的発展を実現するためには、地域の経済や社会の担い手である中小企業・業者、農家を重視した政策への転換が重要になってきています。
地域経済を支えている経済主体の圧倒的に多くは、何といっても中小企業・業者であり、地域経済の雇用を支えています。地域のまちづくりにおいて大きな役割を担っている中小企業の重要性を市全体の共通認識とするとともに、雇用と所得を持続的に生み出す中小企業の重要性をうたった中小企業振興基本条例の制定を求めます。市の見解をお答えください。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 中小企業振興基本条例は、事業者はもとより、市、商工団体、金融機関等、そして市民がそれぞれの役割を担いながら、中小企業の振興と持続的な発展に取り組むことを目指すものと認識しております。
市といたしましては、第七次総合計画の市の施策における基本方針や商工業活性化ビジョンの示した基本戦略に基づき、商工団体、金融機関等と連携して、中小企業の支援に取り組んでおります。条例の制定につきましては、引き続き検討してまいりたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) この中小企業振興基本条例は、中小企業の振興の理念を明示して、それに対応した施策の基本方向と地方自治体や中小企業、そして住民、さらには大企業などの役割を明確にして、自治体はその施策の推進に責任を持つという地域づくりのための条例でもあります。決して特定の企業の保護や補助のための条例ではありません。グローバルで不確実な経済状況だからこそ、地域経済が元気で、そして持続可能な経済循環を展開できるよう、中小企業振興基本条例の早急な制定を求めて、今回の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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