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令和4年第4回倉敷市議会(第3回定例会) 9月14日(水) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月14日(水) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
新垣 敦子 議員
1 障がい者目線のまちづくりのために
2 障がいのある子どもたちの健やかな成長のために
3 孤独・孤立対策の推進のために
4 新しい資本主義「人への投資」について
◆17番(新垣敦子君) (拍手)皆様こんにちは。最後の質問者となりました公明党倉敷市議団の新垣 敦子でございます。
それでは、通告に従いまして、4項目を一問一答の方式により質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、障がい者目線のまちづくりについて2点お伺いいたします。
障がい者の方から、障がいのある人の目線でまちづくりをしてほしい。そうすれば、小さい子供や高齢者も、居心地のよい町になるとの声をいただいており、こうした視点から質問をさせていただきます。
この項1点目、点字ブロックについてお尋ねいたします。
岡山県が発祥と言われる点字ブロックですが、整備をする際には、視覚障がい者の団体などからのヒアリング等、障がいのある方の意見が反映されるようになっているのでしょうか。まず、倉敷市の市道への点字ブロックの整備と安全の確保について、本市の取組をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、平成18年に策定した倉敷市交通バリアフリー基本構想に基づき、倉敷駅、新倉敷駅、児島駅の周辺において、駅から公共施設、病院等への特定経路を中心に、点字ブロックの整備を進めてまいりました。さらに、障がい者団体や高齢者団体、老人クラブ等で構成される倉敷市バリアフリー市民会議において検討された歩道等のバリアフリー化案に基づき、点字ブロックの整備を進めております。
今後とも視覚障がい者の方々の安全確保に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 障がい者団体の方などの御意見も取り入れていただいているとのことですので、今後も目の不自由な方々の安全確保のため、必要な整備をよろしくお願いいたします。
次に、踏切における安全対策についてお尋ねいたします。
今年4月下旬、奈良県大和郡山市内の踏切で、目の不自由な50歳の女性が列車と接触し、死亡するという事故がありました。女性は踏切内で自分の立ち位置が分からなくなってしまい、事故に遭ったと見られています。
再発防止のために現場を調査した地元の公明党議員によると、踏切の幅は約4メートル、車の抜け道として交通量も多いが、15年ほど前から、踏切手前に注意を促す点字ブロックが設置されていたものの、事故当時は経年劣化などで一部が剥がれたり摩耗したりして、必要な枚数がそろっていない状態になっていたそうです。点字ブロックは、丸い突起が危険を示す警告ブロックと、線が並んだ形状で進行方向を示す誘導ブロックがあり、目が不自由な方は白杖や足の裏の感触から安全を判断されます。
大和郡山市では、県視覚障害者福祉協会の方の声をお聞きし、すぐに点字ブロックをより安全になるよう設置し直す工事が行われましたが、全国でも事故はいつ起こるか分かりません。
この事故後、対策は待ったなしとの公明党の要望を受けて、国土交通省は6月9日、踏切への点字ブロック設置を促すため、道路バリアフリーに関する指針を改定しました。全国の道路・鉄道管理者に通知をしております。
指針では、踏切手前部に点字ブロックを設置し、踏切内では踏切の外にいるとの誤認を避けるため、凹凸のある誘導表示の設置を要請しています。
8月28日付の日本経済新聞では、命を守る点字ブロックが、踏切内で整備が進まない課題、例えば点字ブロックの規格が統一されていないとか、整備主体が誰になるかということで、それらのことについても言及されていましたけれども、あらゆる歩行者の安全を第一に考えて、行政主導で進めるべきだと私は考えております。
交通量も多く、通学時間帯には一方通行の規制をしている踏切もありますが、本市には危険な踏切が多くあり、点字ブロックが整備された踏切は、私の知る限りでは見たことがありません。鉄道高架事業の早期進展を待ち望むものの、目の前の現実的な対策をしっかり検討していただきたいと思います。踏切内の安全対策について、本市のお考えをお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 国におきましては、奈良県での踏切事故を受けて、踏切道での安全対策のため、令和4年6月に道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改定して、現在、具体的な点字ブロックの整備手法等について検討を行っているところというふうに伺っております。
市といたしましても、視覚障がい者の方の線路への誤進入、また踏切の中にいる場合に外にいると誤認してしまうことなどを回避していくということが大切であると考えております。
今後、詳しい国の基準等が示されていくと思っておりますが、それに向けて、市といたしましては、踏切周辺の状況の把握を行っていって、その基準等が示されるのに対応していきたいと思っております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 市長から、まずは現状の調査をしていただけるというふうにおっしゃっていただきました。ぜひ設置についても、できるところから、国の状況が示されてからということになると思いますけれども、御検討をよろしくお願いいたします。
それでは、この項2点目、障がい者スポーツの振興についてお伺いいたします。
昨年3月に策定されました本市のスポーツ基本計画では、障がい者スポーツの推進は、生涯にわたるスポーツ活動の推進の中に位置づけられ、生きがいや自立、社会参加の促進に寄与するとされています。
東京パラリンピックから1年、誘致以降、選手の皆さんの躍進もあり、全国に障がい者スポーツが浸透するきっかけになりました。2年後には、パリパラリンピックが開催されます。本市職員のパラアーチェリーの大江 佑弥選手にも出場の期待が寄せられるなど、今後のパラアスリートの育成も含め、学校などとも連携した障がい者スポーツの推進や普及を図っていく工夫が必要だと考えます。
また、全国で過去最多になった障がい者専用または優先施設は、自治体の財政力がある都市部に集中しており、小規模自治体では維持管理コストの課題が指摘されています。既存施設の改修などで、障がいのある方もない方も使える、共生のための環境整備の工夫も求められるところでございます。
本市として、障がい者スポーツの推進にどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) スポーツは障がいのある人にとっても、生きがいや社会参加の促進につながるものであり、本市のスポーツ基本計画において、障がい者スポーツの推進に取り組むこととしております。
現在、くらしき健康福祉プラザにおいて、障がいのある人の体力の増進や交流の促進を目的に、車椅子バスケットボールや車椅子テニスなどの障がい者スポーツ教室を開催しております。
また、障がいのある人とない人が相互に理解を深めるための取組としまして、誰でも気軽に障がい者スポーツが体験できる教室の開催や、瀬戸内倉敷ツーデーマーチと併せてふれあいウォークを開催しております。
今後も引き続き、障がい者スポーツのさらなる周知や普及、障がいのある人が気軽にスポーツに取り組むことができる環境づくりに努め、障がい者スポーツを推進してまいります。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、続いて2項目め、障がいのある子どもたちの健やかな成長のために特別支援教育の充実を求めて、3点お伺いいたします。
初めに、インクルーシブ教育を目指した本市の特別支援教育の基本的な考え方についてお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) インクルーシブ教育とは、障がいのある子供と障がいのない子供が同じ場で共に学ぶことを可能な限り追求しながら、共生社会の実現に向けて全ての子供たちが共に成長していくことを目指す教育でございます。
倉敷市教育委員会では、この理念の下、一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の充実、教職員の専門性の向上や学校における指導体制の確立を進めております。
また、関係機関との連携を図り、就学前から進学、就労まで切れ目のない支援を行うことで自立と社会参加を目指した特別支援教育を推進してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 伊東市長は、昨年2月の定例会において、インクルーシブ教育について、G7教育大臣会合でのテーマでありました教育を通じた社会的包摂と調和の取れた共生社会の実現のために多様性が尊重され、誰一人排除されることなく、全ての方が社会生活を送っていけるような教育環境を目指すというふうにお答えになっていらっしゃいます。
ただいまの教育長の御答弁でも、その理念に立って、就学前から進学、就労まで切れ目のない支援を行うことで、自立と社会参加を目指すとおっしゃっていただきました。
ところが、保護者が特別支援学級への入級を希望しても入れないことがあるとの御相談が最近増えています。特性のある我が子が通常学級になじめるのか、勉強についていけるのか、お友達と仲よくやっていけるのかといった保護者の心配の声は、近年発達障がいの子供さんが増えているという実感の中で多くなっているように感じます。我が子が特別支援学級に入れないと、これまでの支援が途切れてしまうのではないかという不安があるためではないかとも思います。
どの子供も、個々の発達に応じた教育が受けられるように、就学時の学びの場の決定や就学後の支援について、本市ではどのように取り組んでおられるのか、お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市教育委員会では、小学校への就学に向けまして、子供や保護者との面談、医療機関や幼稚園等からの情報収集を行い、一人一人の丁寧な実態把握に努めております。
その後、倉敷市特別支援教育支援委員会で慎重に審議を行い、特別支援学級への入級や通級による指導を受けること等が決定した全ての子供に適切な学びの場を提供しております。
また、学校生活への不安を抱えている保護者からの相談に対しましては、学校訪問等を行い、指導方法を検討し、一人一人の子供が安心して集団生活を送れるよう学校を支援しております。
さらに、通常の学級におきましては、全ての子供に分かりやすい授業のユニバーサルデザイン化についての研修を行うなど、教職員の専門性の向上に努めております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 今の教育長の御答弁によりますと、もともと支援学級の枠があって、その中に入れる人数が決まっているということではなくて、支援委員会で一人一人の適切な学びの場が決定されていくという過程があって、特別支援学級での学びが必要だと決定された子供は全員入級できるということだと理解してよろしいでしょうか。
その年の入級が決定した児童・生徒数に応じた教員の配置もされるというふうに理解しておきたいと思います。
例えば、その年に入級がふさわしいということで判断された子供が大変多かった場合でも、きちんとそれが対応できるということだと思いますので、しっかりお願いしたいと思います。
そうであるならば、保護者の不安を払拭するための相談等への丁寧な対応がとても大切になると思います。そちらのほうもどうぞよろしくお願いいたします。
次に、この項2点目に、就学後の療育の利用についてお伺いいたします。
放課後等デイサービスと日中一時支援の利用について、倉敷市は他市と違いがあるというふうにお聞きしています。どのように違うのでしょうか。
また、就学前に受けられていた療育、児童発達支援ですが、就学後に放課後等デイサービスに移行して療育が受けにくくなっているということも聞いています。これらの実情とその課題について市の考えをお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 放課後等デイサービスで実施する支援について、他の市では専門的な療育、訓練だけではなく、保護者の就労支援等を目的とした預かりサービスも行っていると認識しておりますが、本市ではサービスの質を確保するため、放課後等デイサービスでは、専門的な療育、訓練を行い、預かりサービスについては、日中一時支援で行うこととしております。
放課後等デイサービスを希望する児童は年々増加しており、またサービスが途切れることに対する保護者の不安などから、継続利用のニーズも高く、新たに利用を希望する児童がサービスを受けにくい状況にあります。
こうした状況を踏まえ、今年度から利用申請のプロセスを変更し、保護者がサービス利用を検討する際に、相談支援専門員が障がいの状況や解決すべき課題、保護者のニーズ等を整理し、放課後等デイサービスや日中一時支援など、必要に応じたサービスが提案できるよう取り組んでおります。
また、継続利用中の児童についても、定期的に支援の進捗状況を共有することで保護者の不安を軽減し、適切な時期にサービスの利用を終了できるよう取り組んでいるところです。
今後も引き続きサービスの適正利用に向けて取り組み、支援が必要な児童が適切な時期に必要な支援を受けられるよう努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 非常にその点は丁寧に説明をしていただいていると思うのですけれども、保護者の方は、なかなか不安が拭えないといったことがございます。しっかりその不安が解消されるように、また適正な利用ができますように、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、この項最後に、特別支援学校と小・中学校との連携についてお尋ねいたします。
障がいのある子供たちに、就学前から進学、就労まで切れ目のない支援を行うことで、自立と社会参加を目指すというインクルーシブ教育の基本理念に基づく共生社会の実現に向けて、特別支援学校と小・中学校との連携は大変重要だというふうに考えております。本市ではどのような連携が行われているのでしょうか。本市の取組についてお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市教育委員会といたしましては、共生社会の実現を目指す上で、特別支援学校と小・中学校が連携した取組は重要であると考えております。
具体的な事業といたしましては、居住地校交流がございます。この居住地校交流とは、特別支援学校に在籍する児童、生徒が、希望に応じて自分の住んでいる地域の小・中学校で、その学校に在籍する児童、生徒とともに教科学習やスポーツ等の活動を行うことです。
今年度からは、今まで以上に同じ地域の仲間としてのつながりを強められるよう、特別支援学校の児童、生徒の名前を、交流する小・中学校の学級名簿に載せることや、教室に作品を掲示するなどの取組を行っております。
今後も、このような共生社会の実現につながる取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 今年度から新たに居住地校交流の事業も行われるということで、共生社会の実現、また自立、社会参加に向けて一層の連携を図っていただきたいと思います。
それでは、続いて3項目め、孤独・孤立支援対策の推進のために、本市のひきこもり政策についてお伺いいたします。
6月17日から、政府の緊急経済対策に盛り込まれた、地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業に取り組む自治体の公募が実施され、7月29日に、採択された18の自治体が公表されました。
自殺防止のためのSNS相談などのほか、ヤングケアラー、ひきこもりなどの孤独・孤立状態にある人の実態把握の調査に取り組む自治体が最も多く、同日追加公募も行われております。追加公募は8月29日に締切りとなっていますが、倉敷市はこの調査研究事業に手を挙げられたのでしょうか。
ひきこもりやヤングケアラーなど、支援を必要としている人の顔が見えにくい潜在的な課題について、まずは実数把握が必要との考えから、これまでも繰り返し質問させていただきましたが、改めて本市のひきこもり対策について、現在の取組と成果についてもお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 国の地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業につきましては、支援を必要とする方々に、よりスムーズに各種の支援策が届くようにするために、自治体とNPO法人等が連携して支援を進める体制の設立を目指して、孤独・孤立対策に関連した実証実験に取り組んでいくという事業だと承知しております。
市といたしましては、この令和4年度の事業に対しての応募はしておりません。その理由といたしまして、既に本市においては令和元年12月から関係機関で、ひきこもり支援について情報収集や課題解決を共有します市町村のプラットフォームをつくっておりまして、倉敷市生活困窮者自立支援調整会議、ひきこもり対象者に関するものを設置、運営しているところでございます。
倉敷市生活自立相談支援センターが、ひきこもりの相談窓口として、ひきこもり等の社会的孤立に関する相談を受け、その後、支援計画を作成しており、その件数については、令和3年度までで230件ということになっております。
今後も市といたしましては関係機関で連携して、相談内容に応じた支援体制の推進に努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 先進地の東京都江戸川区では、昨年7月から今年2月にかけて大規模なひきこもり実態調査を実施されています。
江戸川区の人口約68万8,000人のうち、実態調査の対象を介護や障がいなどの行政サービスを利用していない15歳以上の区民や、非課税世帯などの計18万503世帯、約24万人として10万3,196人から回答を得ています。調査方法はアンケートを郵送し、本人や家族から直接回答いただくというもので、回答が得られなかった対象者には、訪問調査も実施したというふうにありました。
調査結果によりますと、江戸川区のひきこもりの当事者は、7,919人おられることが判明いたしました。これは実に24世帯に1人という大きな数字です。
また、調査では、ひきこもりの当事者それぞれのニーズも把握できるようにしてあり、当事者の約4割が就労支援を求めていることが分かるなど、調査結果を個々の当事者の状況に応じた支援につなげるため、専門家らによる協議会を設立し、今後具体的な協議が進められていくとのことでございます。
実態調査については、対象や調査方法など、自治体によってもまちまちだというふうに思っておりますけれども、この江戸川区の事例は大変参考になる取組だと思っております。
江戸川区の斉藤区長は、議会で調査の狙いについて質問されて、実態を無視した政策というのは意味がないと思っているので、まず実態を把握するというふうに答えられていました。
また、調査結果を受けて、区長は、行政から最も遠い場所にいる人にこそ支援の手を差し伸べるべきだとして、調査に答えてもらいたい区民がまだ半数おられるので、引き続きアプローチを続けるとおっしゃっていました。
議会事務局に詳しく調べていただいたところ、江戸川区はこの実態調査に令和3年度は約9,800万円、今年度約6,200万円の予算をつけています。区の意気込みを強く感じるところでございます。
日野市、守山市など他自治体でも先進的にひきこもり支援に取り組む事例があります。また、調査方法を工夫することによってヤングケアラーや虐待などの実情も見えてくるのではないかと思います。
先ほど市長からも丁寧な御説明がありましたとおり、倉敷市でも生活自立相談支援センターを窓口として、ひきこもり支援に取り組んできていただいているところでございますけれども、相談、支援につながった230件の人たち以上に、支援を必要としている方はおられると思います。実態が把握できれば、支援の体制も当然見直していくことになると思いますが、どうか倉敷市でもこうした実態調査の方法を研究していただきまして、誰一人取り残さない支援の取組をさらに進めていただきたいと思いますが、本市の見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) ひきこもり状態に至った理由は、当事者やその家族によって様々であり、本人の状況や心情を尊重した関わりが必要であると考えております。
実態調査は、ひきこもりの状態にある方々と初めてつながる貴重な機会となり得るため、画一的な方法ではなく、当事者の状態に応じて、その後の支援を見据えた手法により実施することが望ましいと考えております。
現在、本市が運営している倉敷市生活困窮者自立支援調整会議では、複数の関係機関による多角的な立場で、個々の支援の検討を積み重ねております。
これらの取組で把握したひきこもり状態の実態や傾向、当事者の支援ニーズも踏まえ、支援がより効果的に行えるよう、必要に応じて実態調査を含めた支援の手法を研究してまいります。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 前向きな御答弁というふうに受け取らせていただきます。
先ほどの江戸川区の調査結果でございますけれども、たくさんの回答が得られましたので、その中から40代が最も多く、またほぼ同数とはいえ、女性が多かったというようなことも見えてきております。
倉敷市でも、3年間で蓄積された寄り添う支援の経験を生かした今後のひきこもりへの取組に、さらに期待をいたしたいと思っております。あらゆる手法を研究していただき、実態把握をしていただくことを要望させていただきまして、最後の質問に移ります。
4項目めは、新しい資本主義「人への投資」について2点お伺いいたします。
1点目は、労働者協同組合、協同労働についてお伺いいたします。
協同労働は、働く人全員で出資、経営、労働の全てを担う働き方です。
本年10月1日から施行される労働者協同組合法では、労働者協同組合は、法人格を有することができ、持続可能で活力ある地域社会に資する事業を行うことを目的とするよう定められています。
自治体と連携した地域の活性化や地域ニーズに合わせた事業を行いやすくなるというふうに認識しておりますが、グローバル経済が進み、格差が広がり、さらにコロナ禍で社会が閉塞した中で、一片の課題解決になるのか、この状況を変える期待がされているところです。
広島市では、協同労働をコミュニティの再生ツールと考え、2014年度からモデル事業として先進的に取り組み、居場所づくりや生活支援、里山保全などに28団体、市民約300人が活動しています。市民に協同労働のメリットを理解して活用してもらうことで、持続可能な地域コミュニティの実現を目指しています。
福岡県でも周知啓発のためのセミナーを開催するなど、取組が進んでいる自治体もあるようですが、本市の認識と対応についてお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 令和2年12月に成立し、本年10月から施行される労働者協同組合法では、組合員自らが出資し、経営に携わり、事業に従事する協同労働という新たな枠組みに対して法人格が与えられ、NPO法人などよりも簡易な手続で設立することが可能となります。
同法の施行により、多様な就労機会が創出され、地域が抱える課題や需要に応じた事業の取組が促進されると認識しております。
本市といたしましては、ホームページなどを通じた制度の周知と窓口等での適切な情報提供に努めるとともに、他自治体における事例等も参考にしながら、協同組合とどのような連携ができるか研究してまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 今まで行政ではなかなか手の届かなかった分野で、これまでもNPOやソーシャルビジネス等の方々が担ってこようということでやっていただいたのですけれども、なかなか根づかなかったということもあります。今後ますます市民ニーズや地域ニーズが多様化してくることが予想されますので、協同労働は、出資、経営、労働全てを担っていくということ、法人化手続も比較的簡単だということ、また自由度も高いというふうに思われますので、これからの新しい働き方となるというふうに考えております。
広島市の先行事例などしっかり研究していただきまして、本市でも協同労働の働き方が広がるように、よろしくお願い申し上げます。
それでは、最後の質問です。この項2点目、下請中小企業の取引適正化についてお伺いいたします。
成長と分配の好循環を目指す新しい資本主義の実現に向けた4本柱の要が、人への投資です。
人への投資については、働く人への分配を強化する賃上げの流れを中小企業にも広げ、中小企業が適正な取引で収益を上げ、賃上げにつなげていくため、価格転嫁や多様な働き方の在り方について合意づくりを進めていくものです。
原材料費の値上がりで、下請事業者の仕入価格が高騰していますが、その分を適正に価格転嫁できずに、下請事業者が理不尽な取引を強いられていないか調査を行う、いわゆる下請Gメン、取引調査員というのが国の調査機関として存在しております。
中小企業や小規模事業者の経営が改善されない限り、賃上げの原資が生まれず、経済の回復が進まないとして、長年、こうした下請企業の支援に取り組んできた公明党の西田 実仁参院会長の提案で創設されたものですが、政府は今年度から下請Gメンを倍増し、10万社規模の緊急調査を皮切りに、価格交渉、価格転嫁の実態把握を進めています。
これは国の取組ではありますが、市内の下請中小企業の取引の適正化、下請いじめ根絶のために倉敷市としても対応していく必要があるというふうに考えております。今後どのように対応していかれるのか、見解をお示しください。
○議長(中西公仁君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 下請Gメンは、中小・小規模事業者を主体とした下請事業者を巡回し、原材料高による価格転嫁や未払いなどの取引上の問題などについて聴取を行う専門調査員で、2017年に中小企業庁により導入されました。
聴取した内容は、業界団体や各省庁に報告され、取引の適正化が強く促されることになります。
本市といたしましては、下請取引の適正化が中小企業の経営の安定、成長に資すると認識しております。
取引上の相談があった場合は、国が県に設置している下請かけこみ寺を案内することとしており、市のホームページを通じて本制度の周知に努めてまいります。
また、中小企業の生産コスト上昇分に対する適切な価格転嫁が行える取組については、その強力な推進を国に要望しているところであります。
○議長(中西公仁君) 新垣 敦子議員。
◆17番(新垣敦子君) 新しい資本主義、人への投資への取組は、企業の創造的価値を高めるだけでなく、今後の日本社会の成長、日本経済の再生にとっても大変重要だと考えます。
倉敷市役所もまた同様、この人への投資に率先して取り組み、ユニークで柔軟な市民サービスの向上に寄与する人材の創出にも努めていただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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