録画中継

令和4年第5回倉敷市議会(第4回定例会)
12月8日(木) 本会議 質問
新政クラブ
大守 秀行 議員
1 G7倉敷労働雇用大臣会合推進事業について
2 市内の産業について
3 市内の公共交通利用促進について
◆14番(大守秀行君) (拍手)皆様こんにちは。新政クラブの大守 秀行でございます。
 通告に従いまして、3項目を一問一答の方式で質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず1項め、G7倉敷労働雇用大臣会合推進事業についてお伺いさせていただきます。
 来年5月、広島市で先進7か国首脳会議が開催されるに伴い、来年4月22日、23日、倉敷市で労働雇用大臣会合が決定され、2016年G7サミット教育大臣会合に続き、2回連続の開催となります。伊東市長並びに職員の方々、関係各位の御尽力によるものと受け止めております。
 本市では、短い期間での対応となる中、G7倉敷労働雇用大臣会合推進室の設置や、官民組織であるG7倉敷労働雇用大臣会合推進協議会などと連携を図りつつ、岡山県、国、地域の方々の御協力をいただきながら準備を進められています。ぜひ労働雇用大臣会合を成功させ、倉敷市のプレゼンスを高めていただきたいと思っておりますので、この項4点お伺いさせていただきます。
 まず1点目、労働雇用をテーマとした国際会議が本市で開催される意義や伊東市長の思いをお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) それでは、大守 秀行議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 このたび、倉敷市で来年の4月にG7サミットの関係閣僚会合、G7倉敷労働雇用大臣会合を開催していただけることとなりました。この場は、世界各国から要人や多くの方々が集われる場となるわけでございまして、地域の魅力を世界に発信できる絶好の機会になると考えております。
 労働と雇用が一体となって発展してきました産業の歴史、また、3つの日本遺産に認定されております地域の歴史や文化、そして高梁川や瀬戸内海に育まれた豊かな自然の恵みなど、地域が持つ多くの魅力を世界に発信していきたいと考えております。
 また、このような大きな国際会議の開催については、市民の皆様と国際的な団体と、直接どこまで触れ合うことができるかはまだ分かりませんけれども、国際的な理解を深めていただける貴重な機会ともなると考えております。
 市といたしましては、将来を担う子供たちが主体となる倉敷こどもサミットの開催でありますとか、また、おもてなし英語講座なども開催して、取組を行うことで、今後、グローバルに活躍していただける人材、そして地域の皆様に国際理解を深めていただいて、これは、G7の国の方々にも日本の歴史や社会や文化を理解してもらいたいということで、相互に歴史や文化の理解が深まることがすごく大事だと考えております。
 倉敷市には、社会課題の中で特に労働科学の分野に対して、日本で先駆けて、大原 孫三郎さんが研究所を設立しまして、労働衛生の環境改善に貢献してきたということがあると思います。
 このような機会を通じて、世界的な議論も深めていただいて、また、倉敷市といたしましては、今後の労働雇用や社会の在り方について、社会や世界に対していろんな発信もできる場だと考えております。シンポジウムの開催、また、先ほど申し上げましたこどもサミットの開催などを通じて、労働雇用は社会を支える重要な基盤であるという認識の下で、多くのことを世界に発信していければと思っております。
 まずは、万全の受入れ体制を取りまして、そして町全体で心温まるおもてなしを行うことにより会合の成功につなげ、サミット全体の成功に貢献し、併せて地域の活性化、地方創生の推進を目指してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) この労働雇用は、社会を支える大変重要な基盤であり、私も、これからの将来に向けて、働く方と企業、地域、行政が協働して課題に取り組むことは大変重要であると認識しておりますので、新政クラブ一丸となって労働雇用の課題に、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 次に2点目、労働雇用大臣会合を成功させるためについて質問いたします。
 2016年に開催された前回の教育大臣会合の反省点を、次回の労働雇用大臣会合に生かすことが大切であると考えますけれども、前回の反省点の御認識と、反省点を踏まえた労働雇用大臣会合における具体的な対応、対策についてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 上田市長公室長。
◎市長公室長(上田哲三君) 2016年のG7倉敷教育大臣会合の開催においては、心温まるおもてなしを行ったことが胸襟を開く会合につながったとされ、大変高い評価をいただきました。一方で、世界に向けた観光振興や地域資源の魅力発信を、なお一層取り組んでいく必要があると考えております。
 本市といたしましては、G7関係閣僚会合2度目の開催都市として、前回同様、会合成功に向けた準備を官民一体で進めるとともに、コンベンションやインバウンドの誘致拡大といった誘客促進につながる魅力発信などを積極的に行ってまいります。
 さらに、G7サミット開催都市の広島市をはじめ、ほかの関係閣僚会合開催地との連携による情報発信を行うなど、倉敷の魅力を世界に発信してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に3点目、倉敷市の魅力を世界に発信するためについて質問いたします。
 各国の大臣などの方々に本市の魅力や特性を知っていただくことが重要であり、そのことが、ひいては海外観光客の誘致に寄与するものと考えますけれども、本市の魅力発信の具体的な取組と会合の議論に反映されるような提案や提言は、どのように論点を据えて意見集約されるのか、お伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 上田市長公室長。
◎市長公室長(上田哲三君) 本市といたしましては、ぜひ各国の大臣をはじめとする代表団の皆様に、地域の歴史や魅力を知っていただきたいと考えており、事前に倉敷市を紹介するDVDやパンフレットをお送りし、参加国の大使館の方々が視察に来られる機会などを通じて情報提供を行ってまいります。また、地元主催や政府公式レセプションでの地域の食やお酒の提供、伝統芸能等の文化の紹介、会合会場や宿泊施設でのパネル展示による観光地域の紹介などを行いたいと考えております。さらに、倉敷美観地区をはじめとする観光資源や労働雇用の現場も御視察いただきたいと考えております。
 加えて、労働雇用に関する地域からの提言については、多くの皆様が集う労働雇用に関する倉敷こどもサミットやシンポジウムでの意見を集約したものを国に提出し、G7倉敷労働雇用大臣会合に貢献してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に4点目、市民の機運を高めるための施策について質問いたします。
 今回の誘致のポイントの一つとなった日本初の労働科学研究機構、倉敷労働科学研究所は、地域の発展に大きく寄与された大原 孫三郎氏が設立した機関であることからも、地域が一体となった取組が重要であると考えております。
 本市をはじめ、官民組織であるG7倉敷労働雇用大臣会合推進協議会で準備が進められていますが、この協議会での本市の取組と、市民への情報発信や市民全体の機運醸成をどのように図るのか、お伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 先日、11月10日に大臣会合に向けてのG7倉敷労働雇用大臣会合推進協議会を設置いたしました。官民から成る組織でございまして、この協議会では、市民の皆様や多くの皆様に一緒に取り組んでいただきたい事業について担当していただくということになるわけでございますが、今後、サミットが近づいてくるに従いまして、町の一斉清掃でありますとか、その前に花の植栽でありますとか、それから地元主催歓迎レセプションなどのおもてなし事業についてなど、市民の皆様の参加もいただきながら進めていくように検討したいと思っております。
 情報発信としては、その時々、折に触れまして、広報媒体、既に広報紙等にも載せ始めておりますけれども、そういうものであるとかホームページ、また、市のSNS等でも情報発信するなどしますとともに、会合開催が近づいてきましたら、街頭フラッグであるとか懸垂幕等も設置して、お迎えの準備、それから住民の皆様の機運醸成ということもしていきたいと思います。
 加えて、開催機運の醸成、それから地域の皆様が一緒に取り組んでいただけるということを何かの形にしていきたいなと思っておりまして、今ちょっと検討しておりますけれども、市内のみならず、各種団体の皆様とか企業の方々が実施される御自身の事業で、この大臣会合開催記念の趣旨にも合うような行事については、今後、申請いただいて、大臣会合の応援事業ということで、副次的な冠として名前を使っていただけるような仕組みもつくり、いろんな市民の皆様、団体とか企業の皆さんにも、この大臣会合を応援していただける取組も検討しているところでございます。会合に向けて機運醸成、それから理解の促進ということに努めていきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 市民や企業といろいろなイベントをして、しっかりと醸成を図っていくということと、道路にフラッグやのぼり旗を立ててしっかりとPRもしていく。承知させていただきました。関係者だけが盛り上がるのではなくて、やっぱり市民全体で盛り上げて、しっかりとおもてなしをしていただきたいと思いますし、自分自身もしっかりとおもてなしをさせていただきたいと思っております。特に市長も言われましたけれども、G7開催後に観光客誘致につながればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に2項め、市内の産業について質問させていただきます。
 現下のコロナ禍、原油高騰、物価高騰、円安など、市民の暮らしに大きく影響を及ぼしている中、本市では、新型コロナウイルスの影響を受けた市内の事業者を支援するため、事業継続支援室を設立し、売上げが減少した事業者の一助となるように、各種支援金や事業者応援事業を展開されております。また、原油価格高騰、物価高騰の影響に配慮し、水道料金の基本料金部分の4か月分無料や、学校給食費を合計2か月分無料にするなど、市民への経済支援に積極的に取り組まれております。これらの施策は、厳しい暮らしを余儀なくされている市民の方々の生活支援につながり、市民の方から多くの感謝の言葉を預かっております。これらの事業を高く評価させていただきたいと思っております。それらを踏まえて、順次質問させていただきます。
 まず1点目、市内の景気についてでございますけれども、本市では、倉敷市5商工団体コロナ対策協議会と連携し、市内事業者の景況調査を2か月に1回実施されています。
 調査結果を踏まえて、市内の景気動向について本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 市では、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響を把握するため、令和2年度から市内事業者を対象にした景況調査を実施しております。
 令和4年9月に実施した景況調査の結果では、新型コロナウイルス発生前の令和元年9月の売上高と比較し、売上げが減少したと回答した事業者は全体の53%で、47%の事業者が変化なし、または売上げが増加したと回答しております。この間、市といたしましては、事業者と連携した感染対策の徹底や、先ほど議員さんがおっしゃいましたけれども、コロナ禍で売上げが減少した事業者に対する様々な支援、消費喚起等に取り組んでまいりました。
 9月の新型コロナウイルスの感染者数は、過去の同月と比較し最多でしたが、行動制限や供給制約の緩和など経済活動が徐々に正常化し、内需を中心に回復傾向にあり、全体で見ますと、感染による経済への影響が少なくなってきていると認識しております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 全体的に見ると、最も厳しい時期と比較すると、徐々に回復基調にあるということを理解させていただきました。ただ、観光や飲食など、まだまだ厳しい状況にある業種もあるものと推察いたします。
 次に、観光産業についてお伺いさせていただきます。
 岡山空港の海外航路の再開が期待されている中、本市では、国内の観光客誘致に積極的に取り組まれておりますので、ここで3点お伺いさせていただきます。
 1点目、岡山デスティネーションキャンペーンについてでございますけれども、本市では、岡山デスティネーションキャンペーンと連動した新たな旅行商品開発支援など誘客促進を行い、観光需要の回復に努められておりますけれども、具体的な取組とその効果についてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 本市では、岡山デスティネーションキャンペーンに連動する誘客促進事業として、大原美術館の開館前に貸切りで名画を鑑賞し、その後にホテルでモネにちなんだ朝食を楽しめるツアーや、円通寺の建物等をマスキングテープで装飾しワークショップなどを行うイベント、夜の美観地区をライトアップで演出するハートランド倉敷などを開催いたしました。また、大阪駅でイベント出展や大型看板広告の掲出、大阪市内の新聞各社で倉敷の観光素材のPRなどを実施し、県外からの誘客促進を図りました。
 期間中、新型コロナウイルスの第7波と重なりましたが、行動制限がなかったことや、倉敷観光プレミアムクーポンなど需要喚起策との相乗効果で、岡山デスティネーションキャンペーン期間中の市内の主要宿泊施設の宿泊者数は、前年の同期間に比べ約1.6倍となるなど、観光客の誘客について効果があったものと考えております。
 令和5年7月から9月には岡山デスティネーションキャンペーン・アフターキャンペーンが、また、令和7年4月には大阪・関西万博が開催されます。本市としましても、これを好機と捉え、引き続き観光関連事業者と連携し、新たな観光コンテンツの造成を支援するなど、さらなる誘客促進を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) キャンペーンと連動した施策によりまして、効果が非常にあったという答弁でございました。
 次に2点目、「倉敷思い出作りの旅」修学旅行助成金についてでございますけれども、本市では修学旅行の支援として、「倉敷思い出作りの旅」修学旅行助成金を設けております。
 その効果だと思いますけれども、美観地区周辺で修学旅行の学生さんを目にする機会が多くなったということを実感しておりますけれども、この事業の概要とその効果をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 修学旅行についてですけれども、コロナ禍の中、多くの学校が目的地を海外や北海道、沖縄などから近距離へ変更する動きがあるという中で、倉敷市といたしましては、修学旅行生の誘致を図るために、市内宿泊施設での宿泊を伴う修学旅行を取り扱う旅行業者に対し、1泊につき1人当たり2,000円を助成する事業を始めました。
 令和3年度から事業を開始いたしまして、令和3年度については120校がこれを使われました。令和4年度は、前年度を上回る申請が見込まれまして、9月補正で追加予算をお願いして、この11月末時点では187校から交付申請をいただいているところでございます。
 令和元年度は、修学旅行の生徒が1万1,000人強ぐらいだったわけですけれども、令和3年度に宿泊いただいた人数は1万9,819人と、以前と比べて大きく増えておりまして、また令和4年度については、この交付申請をいただいておりますので、もっと大きく増えていくと考えております。
 また、今回の修学旅行の助成金で来ていただくということもそうなのですけれども、子供さんの時期等に倉敷に訪れていただいた場合、大学生とか大人になった際に、倉敷はよかったのでまた来てみたいということで旅行とか、また家族の皆さんと来ていただけることなどにもつながっていけるということも、ぜひ効果というか目的としていきたいと思っておりますので、しっかり発信していきたいと思っております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) お話にもありましたけれども、マイクロツーリズムとの相乗効果もあったということでございますけれども、やはり人数で見ても、令和元年度より令和3年度は倍近く、1万人近く多く倉敷市に来ていただけたということで、大変な効果があったと思います。高く評価したいと思いますし、そもそも倉敷市に来ていただいたのは、この助成金があるからだと思っておりますので、ぜひ、来年度もこの事業の継続を要望させていただきます。
 次に3点目、さらなる観光支援についてでございますけれども、本市では、文化観光施設誘客促進事業として、市内の文化観光施設を無料公開して誘客する事業を実施する予定でございますけれども、この事業の概要をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 文化観光施設誘客促進事業につきましては、観光客数が大きく落ち込む冬季閑散期における観光関連事業者の事業継続を図るため、文化観光施設への誘客促進と施設周辺の観光関連事業者への波及効果を狙い、大原美術館や野崎家塩業歴史館など市内の民間有料文化観光施設12施設を無料で公開するものです。
 無料公開の時期は、施設ごとに開館日が異なりますが、令和5年1月16日月曜日から1月20日金曜日までの最大5日間を予定しております。
 観光WEBやSNSでの発信、広報くらしきへの掲載、新聞折り込みのほか、旅行業者への働きかけなどを行い、多くの市民の皆様や観光客の方々にお越しいただきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 先日、旅行業界に携わる方とお話しする機会がありまして、この事業の話をしたら、閑散期にこういった事業を展開していただくのは本当にありがたいとおっしゃられておりましたので、ぜひ閑散期にいろいろな施策を展開していただければと思います。
 次に、本市が展開している実証実験サポート事業についてお伺いいたします。
 本市では、新たな産業の創出につながる事業を支援するため、実証実験サポート事業を展開されております。この事業内容と、現在展開されている実証実験の概要とその効果、さらには今後の取組についてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 実証実験サポート事業は、自然、観光、交通、工業など、特色ある地域環境を有する本市を舞台に、AIやIoTなどといった先端技術を活用した実証実験を募集し、経費支援や実証フィールドのあっせん等のサポートを行うことで、社会や地域課題の解決、豊かで便利な市民生活の実現、新たな産業の創出等につながる技術の実用化を支援するものでございます。
 今年度は、熊本市の歯っぴー株式会社が8月1日から2月28日の期間で、糖尿病等の重篤な疾患へ発展し得る口腔疾患の解決につなげるため、歯垢検査ライトによる歯垢の可視化とスマートフォンで撮影した口腔画像をAIで測定し、歯周病リスクを予測する実証実験を行っており、被験者が毎日のセルフケアや歯科医の受診といった行動変容を起こすか、実験しております。
 また、徳島市の山田電建株式会社が今月中旬から2月28日の期間で、倉敷市立中央図書館をフィールドとして、館内の二酸化炭素濃度を可視化することで、コロナ禍における適切なタイミングでの換気の実施や図書館利用者の行動変容を実験する予定でございます。
 現在のところ、2件の採択ですが、多数の問合せをいただいております。全国的にも注目が高い事業であり、引き続き支援を行ってまいります。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) ぜひとも実証実験が成功裏に終了し、次世代の事業として大きく発展されることを切に願っております。また、この事業が来年度も展開されることを要望させていただきます。
 次に、児島の繊維産業について質問いたします。
 国の統計資料、平成28年度工業センサスの繊維工業の製造品出荷額では、全国市区町村の中で倉敷市が1位となっており、平成29年4月に文化庁から、倉敷市の繊維産業発展のストーリー、一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~が日本遺産として認定されたように、倉敷市では江戸時代中頃に現在につながる繊維産業の礎が築かれ、時代の変遷に合わせ、培った技術から学生服や作業着、ジーンズ、帆布、畳べり、イグサ製品など様々な製品を生み出し続け、現在に至りますと、クラシキ文華に掲載されております。児島の繊維産業は、自他共に認める倉敷市の主要産業の一つでございます。
 一方、国産ジーンズ発祥の町としてジーンズを基軸とした児島ジーンズストリートの成功の背景には、児島地区繊維産業の歴史的な集積や伝承に裏づけられた技術があり、この技術力を基にした高付加価値のジーンズが軌道に乗ったと思っております。しかし、児島ジーンズストリートが一定の成功を収めた現在においても、個人的な主観で恐縮でございますけれども、課題が2点あると考えております。
 まず1点目は、繊維産業全体の衰退が止まっていない点でございまして、児島の繊維産業の衰退の傾向は、一時期よりは鈍化したものの、コロナ禍前では、5年間で10%程度の事業所及び従業者の減少が表面化しておりますし、現在のコロナ禍、原油価格高騰で、さらにその減少が加速しているものと推察いたします。
 そのため、児島ジーンズストリートの取組に基づく高付加価値化を求める一方で、繊維産業全体の底上げの取組についても検討を進めていく必要があると考えますけれども、本市の具体的な取組をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 国の工業統計調査によりますと、令和2年の本市の繊維工業は、製造品出荷額等においては全国1位を維持し、近年上昇傾向にございます。しかしながら、事業所数は201、従業員数は5,102人と、10年前と比較してそれぞれ約3割と、約1割減少しており、繊維業界からは、後継者・担い手不足が喫緊の課題であるとの声が上がっております。
 このため、本市では、繊維業界を目指す全国の学生と地元事業者をつなぐ生産現場視察ツアーや、ファッションに特化したインキュベーション施設の運営のほか、市内での創業・就業者の育成を目的とした縫製講座や、若手就業者の知識と技術力向上を目的とした研修を実施しております。さらに、高い技術水準を次世代につなぐことを目的とした繊維マイスター制度にも取り組んでおります。
 今後も引き続き、商工会議所や倉敷ファッションセンターなどと連携を図りながら、商工業活性化ビジョンの基本戦略に沿って、産地競争力の維持、発展に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に2点目は、児島ジーンズストリートは、国産ジーンズの聖地として注目を集める観光スポットとなっております。
 児島ジーンズストリートを活用して、倉敷美観地区へ来訪された観光客の方を児島地区へ誘客したり、地元の繊維事業者や商工会議所などと連携した上で、児島ジーンズストリートを核とした児島地区への誘客を促す、こういった取組が必要ではないかと考えますけれども、本市の取組の現状と今後の取組をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 児島地区への観光誘客については、新たな取組として、今年の7月から9月の毎週日曜日に倉敷美観地区を訪れる観光客を対象に、児島ジーンズストリートや鷲羽山など児島地区の観光スポットを巡るバスツアーを実施いたしました。
 また、児島地区の周遊を促す取組としては、今年の8月に地元の繊維事業者や児島商工会議所などと連携し、児島の繊維産業のストーリーを体感しながら児島ジーンズストリートなどを周遊する産業観光バスツアーも実施したところでございます。
 今後も、これらのツアーを実施する中で、児島ジーンズストリートの魅力を効果的に発信し、さらなる観光誘客につなげてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 企業があれば、雇用が生まれ、人が集まり、消費や納税を生み、循環型の経済が生まれます。引き続き、市内の産業振興に御尽力いただきますように要望します。
 次に3項め、市内の公共交通利用促進について質問いたします。
 本年6月の議会質問において、市内の公共交通の課題について質問させていただきました。今回はその関連となりますけれども、6月議会以降に結果が出た事業や新たな事業について2点お伺いさせていただきます。
 まず1点目は、路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業についてお伺いする予定でございましたけれども、先ほど時尾議員から同様の質問と執行部から答弁がなされましたので、答弁は不要で、要望とさせていただきます。
 先ほどの御答弁から、利用促進が図られたものと受け止めております。ただ、市民の方々に路線バスや水島臨海鉄道の利用を定着させるためには、さらなる動機づけが必要で、この路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業を来年度も引き続き展開していただき、市民に幾度となく路線バスや水島臨海鉄道を利用していただき、その必要性を実感していただきたいと思っておりますので、要望とさせていただきます。
 次に2点目は、井原線利用促進事業についてでございますけれども、先ほどの路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業については、真備地区は対象外となっておりまして、本年6月議会でその代替策を要望していたところ、井原線利用促進事業としてプレミアムチケットが販売されました。
 この事業の概要や効果などについてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 井原線プレミアムチケットの販売は、路線バス・臨鉄無料デーの代替事業として、本市から沿線市町等で構成する井原線振興対策協議会に対して提案したもので、井原線の利用促進と外出機会の創出による沿線地域の活性化を図ることを目的として、同協議会が11月1日から実施しているものです。
 このチケットは、100円券を15枚つづりにした1冊1,500円分のチケットを1,000円で販売するもので、好評につき、既に完売しております。
 チケットの利用期間は来年3月31日までとなっておりますので、期間中、多くの皆様に真備地区をはじめ沿線の観光地などを訪れていただくことにより、地域の活性化やにぎわいの創出にもつながるものと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 公共交通機関は、通勤、通学、通院、買物など、私たちの日常生活に必要不可欠なものでございます。引き続き、公共交通の利用促進に努め、持続可能な公共交通機関となるように御尽力いただきますよう要望しまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)
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