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令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会) 3月10日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月10日(金) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
末田 正彦 議員
1 倉敷市立図書館について
2 高齢ドライバーの交通事故防止対策について
3 ノリ養殖の食害問題について
4 災害への備えについて
◆35番(末田正彦君) (拍手)日本共産党倉敷市議会議員団の末田 正彦です。通告に従って順次質問いたします。
通告の1番目は、倉敷市立図書館についてであります。
この項の1点目は、複合施設棟整備とPFI手法についてとして4点お尋ねします。
令和3年4月発表の倉敷市庁舎等再編基本構想において、今後の進め方、整備方法について次のように述べています。
倉敷市PFI活用指針に基づき、民間事業者が保有する技術、知識等を生かした整備を目指しますとあります。
そこで、本市の倉敷市PFI活用指針に照らして、複合施設棟整備事業がPFI手法検討に値するのかどうなのか、お聞きしたいと思います。
まず、倉敷市PFI活用指針において、PFI手法の導入について、基本姿勢では何と掲げられていますか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 末田 正彦議員さんの御質問にお答えいたします。
PFI手法は、公共施設の設計、建設、維持管理、運営等において、民間事業者の資金、経営能力及び技術的能力を活用することにより、サービスの向上や財政負担の縮減が期待されるものです。
このため、本市では国の指針に基づき策定した倉敷市PFI活用指針において、公共施設の更新・整備事業については、公共自らが公共施設の整備等を行う従来型手法に優先してPPP・PFI手法の導入を積極的に検討することとしております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 答弁のように、PFI手法の導入については積極的な姿勢を示しているということですが、PFI手法の導入を検討する際の主な視点として掲げられている中に、特に運営収入が見込める事業で、収益性の向上が期待できるものは導入が適切であると考えられるとあります。公立図書館については一体どうなのか、果たして導入に適しているのかが問われます。
公立図書館は、図書館法第17条で、公立図書館は入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならないと利用料無料の原則が示されています。運営収入が見込める事業でも、収益性の向上が期待できるものでもありません。自ら示した指針にも反しているのではないかと考えますけれども、説明を願います。
○副議長(北畠克彦君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 一般的には、PFI手法の導入を検討する際には、民間の参入が見込まれる事業か、民間事業者の経営能力及び技術的能力を活用することができる事業かなど、様々な視点で検討することが必要であり、整備内容等に民間の創意工夫を生かせる余地がある場合は、例えばこれまでに学校給食共同調理場や斎場といった収益性のない施設の整備においてもPFI手法を採用した事例がございます。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) そんなことを聞いているのではなくて、公益性。図書館ですよ、運営収入が見込める事業、また収入の向上が期待できるものでもないんですよ。ないということは適切ではないと、逆に言えばそう言えるわけですよ。その点どうですか。そのように思いませんか。
PFI事業の一番の主眼点は、いわゆるVFMの算定なんですよ。お金の問題なんですよね。そのことについて、あなた全く今触れていないでしょう。それはどうですか。
○副議長(北畠克彦君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) PFI手法等の導入検討においては、定量評価だけでなく、様々な視点で検討することが必要であり、整備内容等に民間の創意工夫を生かせる可能性がある場合は、収益性のない施設の整備においても、PPP・PFI手法を活用することはできるものと考えております。
また、整備と運営を切り離して分離発注することも可能と考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 分離発注をすることも可能であると、あなたも知っているじゃない、できるということを。
次に行きますけれども、複合施設棟基本計画策定等アドバイザリー業務委託についてお聞きします。
令和3年8月締結の倉敷市庁舎等再編整備事業アドバイザリー業務委託との関係はどうなのか、併せて今回のアドバイザリー契約の業務委託の内容についてお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 庁舎等再編整備事業におけるアドバイザリー業務委託契約につきましては、令和3年4月に策定した基本構想に基づき、基本計画の策定や事業者選定などを進めるに当たり、技術的、専門的な支援を受けるためのもので、令和3年8月に契約し、現在に至っております。
基本計画を検討する過程で、来庁者の安全確保などの観点から、防災危機管理センター棟の整備及び本庁舎の長寿命化などを行う行政ゾーン整備と、図書館を核とした複合施設棟を新築する市民交流ゾーン整備の2つの事業に分割し、より緊急度の高い行政ゾーンの整備を先行して実施しているところです。
令和5年度当初予算に計上しておりますアドバイザリー業務委託料は、事業分割によって必要となった市民交流ゾーン整備における建物や周辺整備に係る基本計画の策定及び事業者選定などの発注支援業務を委託するものでございます。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今回の業務委託の内容についてお示しがありましたが、それでは一番主眼となっている民間活力導入可能性調査が今回のものには含まれているのかどうかお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 今回の当初予算もそうですが、今までの当初予算につきましても、建物の整備に係る部分、ハードの整備に係る部分については民間活力導入可能性調査を行っております。今の防災棟の建築についても検討はしております。
今回の委託契約につきましても、建物の建設に係る部分の民間活力導入可能性調査は当然検討するものと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) もう一回確認しますけれども、前回と同じように、ハードの部分についてのみの民間活力導入可能性調査をやるということですか。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) はい、ハード部分の整備に関する民間活力導入可能性調査を行います。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 再質問が続きますが、今運営の関係については民間活力導入可能性調査はしないと、業務委託はしないということを言われたのですけれども、昨日の三村議員の質問の中で、アドバイザリー業務委託の中には図書館の管理運営方針の検討は含まれていないという御答弁がありました。今の答弁を裏づけるものだと思うのですけれども、それに間違いないかということだけ確認させてもらいたいと思います。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 昨日も答弁申し上げましたとおり、図書館の管理運営方針については含まれておりません。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) それでは、お聞きしますけれども、同様に中央図書館の運営方針は基本計画策定後に検討すると答弁されておりましたけれども、であるならば、今回の複合施設棟基本計画の策定では、図書館の運営方針については、直営による運営にするのか、あるいは指定管理者制度導入による民間での運営なのかということは示さないという理解でいいですね。確認ですけれど。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 昨日の答弁でも申し上げましたとおり、建物及び周辺の整備に関するものでございますので、管理運営方針については含まれておりません。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) それでは、もう一回聞きますが、今回の予算に複合施設棟基本計画策定等アドバイザリー業務委託料2,497万円が上げられておりますけれども、今の図書館の運営方針の検討を最初から外したものとしての予算組みになっていたという理解でいいですかね。
○副議長(北畠克彦君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 先ほども答弁申し上げましたとおり、図書館の運営方針につきましては、外したものの委託料の計上でございます。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) それでは、お聞きしますけれども、運営方針の検討についてですが、昨日三村議員の質問の中で、図書館の運営方針の決定については、市が主体的に判断すると答弁されましたけれども、市が主体的に判断するのは至極当たり前のことなんですね。それでは、運営方針の検討はどのような基準で行おうとしているのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 運営方針の基準はどのようにということで御質問をいただきましたけれども、昨日も答弁いたしましたが、基本計画を今後策定した後に運営方針の在り方については市が主体的に考えていきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 教育次長、今それは僕が言ったわけであって、運営方針の検討はどんな基準で行おうとしているのかというのを聞いたんです。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 現在、図書館につきましては、基本構想からワークショップなどを開きまして、市民の皆様からいろいろな意見をいただきながら、ハード、図書館を含めた複合施設をどういった建物にしていくか、また庁舎周辺の中でどういった建物にしていくかというところを今検討しており、令和5年度に基本計画をつくっていくことにしております。そういった基本計画をつくった上で、それを踏まえながら運営方針は決めていくものだと考えておりますので、基本計画を作成した後に運営方針を決めていくと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) いま一つ何を言っておられるのか、よく分からないのですけれども。だから、運営方針の検討をあなたたちがするわけだから、基本のベースですね、どのような基準でやるのか示せませんか。今直営でやっているのだけれども、民間でやったらどことどう比べるのかを考えてやるわけでしょう。それはどうなのですか。もう一回だけ。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) どのような基準で運営方針を決めていくのかということでございますけれども、本市では様々な施設において既に指定管理者制度なども導入しております。民間活力を導入して指定管理をするということもありますし、今議員がおっしゃられたように直営という方式も運営方針だと思います。全体的な基本計画、どのような建物ができていくかによって民間活力の可能性も確認しながら運営方針は決まっていくべきものだと思っております。ですから、現時点ではっきりとした基準というのは、そういった基本計画ができてから検討していくものだと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) この点は、最後1つだけ聞きますけれども、民間活力導入の可能性も含めて検討すると言われたので、今度市が主体的に判断をするという段階にあって、また改めて民間活力導入可能性調査、こういったものに係るアドバイザリー委託、そんなことをまたするようなことは考えられているのですか。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 先ほど総務局長から御答弁申し上げました今回の業務委託料につきましては、ハードに限っておりまして、運営方針に係るようなところはございません。様々な運営の方法があると思います。基本計画を策定した後に、運営方針をどうしていくかという時点になったところで、またこういったことについては考えていくものだと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 本当に一体何をやっているのか分からないような形になっていますね。アドバイザリー契約をここでやめて、また次にこうやってやろうとか、いろいろなことを考えられているようですけれども、一貫性がないということを取りあえずお示ししておきます。
次の(イ)は割愛します。
次に、エに移りますけれども、運営方針の検討に当たっては、公立図書館の基本的な性格が発揮できる観点からの検討が一番必要だと思っています。公立図書館に対する市教育委員会の姿勢に関わるものと思っています。改めて、直営での運営に基づく複合施設棟の基本計画の策定を求めておきたいと思うのですが、答弁をいただきたいと思います。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 令和5年度中に公表予定の中央図書館を核とした複合施設棟の基本計画は、複合施設棟に必要な図書館サービスや機能等を含めた新たな施設の在り方を決定するものでございます。管理運営方針につきましては、基本計画策定後に検討してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 同じ答弁の繰り返しですが、市教育委員会の公立図書館に対する姿勢、哲学ですね、こういったことが全く見えてこないということだけは言っておきます。
この項の2点目に移りますけれども、図書館の運営方針の検討について5点お尋ねします。
まず、改めて図書館の運営についての教育委員会の基本的な考えをもう一度お聞きします。
本市の図書館も加盟している日本図書館協会は、公立図書館の運営に関して次のように述べています。公立図書館は、図書館法に基づいて地方公共団体が設置する図書館であり、教育委員会が管理する機関であって、図書館を設置し図書館サービスを実施することは、地方公共団体の責務であると、また公立図書館は住民の生活、職業、生存と精神的自由に深く関わる機関である、このような基本的性格に照らして、公立図書館は地方公共団体が直接経営すべきものであり、図書館の運営を他へ委託すべきではないと、このように言っております。これがやっぱり図書館の基本的な性格ですからね、こういった性格に立って図書館の運営について倉敷市教育委員会に考えてもらいたいんですよ。現段階の市教育委員会の基本的な考えをお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市立図書館は運営の基本的な方針を、開かれた図書館として、幼児から高齢者まで全ての人々の利用に応えるため、資料の収集保存、図書館の情報化の推進に努め、図書館サービスの拡充を図り、利用者の知的要求、調査研究、レクリエーション等に資する。また児童の読書意欲と読書習慣の形成のために資料の提供ができるよう収集、環境の整備に努め、児童の自主的な読書活動の推進に積極的に取り組むとしております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今も教育次長が言われたことから考えたら、もう運営は直営でやるしかないと今僕は思うんですよ。先ほどの図書館協会が示した基本的な考えとよく似ているんですね。それを踏まえての発言だと思いますが、ぜひそういった形で検討してもらいたいんですよ。
それでは、再質問でお聞きしますけれども、現在の直営での運営のどこに問題があると認識されているのか、お聞きしたいんです。どこかに問題があると思っているから、運営に民間活力を導入しようとか、変えたいなどと思っていると思いますが、答弁ください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 今直営に問題があるから、今後運営方針を検討していくのではないかということで御質問をいただきました。
現在、中央図書館につきましては、庁舎周辺に複合施設棟として新たな形での図書館を考えております。この図書館を含めた複合施設棟については様々な運営の形があると思いますので、そういった形を考える場合については、いろいろな条件を考えて検討していく必要があると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 教育次長、今、ここの項目は、中央図書館の建て替えについての話ではなくて、倉敷の全ての図書館の運営についての話をさせてもらっているんですよ。その点からどうですか。今の、ちょっと答弁がずれているんです。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 図書館の運営そのもの、現在の課題についてお尋ねをいただきました。
図書館の運営に関しましては、現在直営でそれぞれの市立図書館は運営を行っております。市民の皆様から様々な要求、また御提言等もいただき、そういったところを踏まえながら課題については真摯に解決するよう努めているところです。
また、いろいろな要求に対して全てが応えられている状況でもございませんが、一つ一つ市として対応しているところでございます。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) それでは次に、図書館職員の皆さんに対する意見聴取についてお尋ねします。
今の図書館運営ですね、それはまた改善しなければならないというのも当然あるとは思いますが、そうしたことも踏まえて、倉敷市教育委員会は今度の市立図書館の運営方針の検討に当たって、現場で働いている図書館の職員さんたちの意見をちゃんとお聞きになって、皆さんと協議しながら進めていったのかどうかをお聞きしたいと思います。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 令和4年11月に公表いたしました中央図書館を核とした複合施設棟のコンセプト(案)につきましては、図書館職員の専門職としての意見も取り入れながら作成したものでございます。
今後、運営方針につきましても、引き続き検討していく中で、現場の声も聞いてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今は行財政改革プラン2020で図書館運営に民間活力導入を検討すると、そういうことの全体についての話なんですよ。そこの認識がちょっと。中央図書館の建設に関わるだけの話ではないですよね。その点をちょっとしっかり考えてもらいたいなと思います。押し問答になるのでやめておきますけれども。
次に進みますが、指定管理者制度導入で危惧する点について、これまで何回か質問してきましたけれども、いま一度問うとして5点お聞きします。
まず、社会教育法の理念を守ることができないという点です。
社会教育法第3条第1項で、国及び地方公共団体の任務を次のように定めています。全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならないとされています。
図書館は社会教育施設であり、公共の利益の増進を最優先に考える自治体の直営で行うべきであります。営利を目的とする企業へ委託することは、経費削減を最大の目的とすることになり、社会教育の理念を否定することになるのではないでしょうか、いかがですか。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 社会教育法第3条第1項に、全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならないとあります。
倉敷市教育委員会といたしましては、図書館は運営形態にかかわらず、社会教育施設としての任務を果たすべきものと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 経費削減が最大の目的なんですよ、株式会社は。営利を目的とする企業に委託するということは、本当にそうなるのかどうなのか、僕は疑わしいと思っています。
2点目は、地域住民、市政を支える情報インフラとしての図書館ではなくなるのではないかという点です。
文部科学省が平成18年3月に発表した、これからの図書館像-地域を支える情報拠点をめざして-の中で、図書館が地域を支える情報拠点として、地域の行政や住民の判断を支える情報提供施設であること、地域の文化、経済社会を発展させる基盤となる施設であることを提言しています。そして、こうした図書館機能が発揮されるためには、市当局の図書館運営のガバナンスの確保、図書館スタッフと情報を利用する市当局や地域住民との密接な連携が必要です。
まず、指定管理者制度を導入したとき、市当局の図書館運営のガバナンスの確保ができなくなるのではないか。指定管理者制度が導入されれば、市当局が図書館運営を手放すことになり、当事者意識が希薄になることが危惧されます。市政を支える情報拠点としての機能が失われていくと思います。また、住民の個人情報や読書歴などの情報が守られるのかどうかという懸念も生じます。いかがお考えでしょうか、答弁を求めます。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 本市では、様々な部署において既に231の施設に指定管理者制度を導入しており、事業の継続性について、業務要求水準書や協定書等により受託者に明示しております。また、導入後もモニタリングによってそれらが守られていることを確認しております。
これらのことから、仮に図書館で指定管理者制度を導入した場合でも、業務要求水準書や協定書を示すとともに、継続的にモニタリングを実施することにより、図書館運営のガバナンスを確保できるものと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 直営の場合は、同じ公務員さんなので、他の機関や部署とも連携が本当にしやすいですけれども、指定管理者の場合は本当に、職員と身分が違いますからね、連携が難しくなることは絶対起こると思っています。
次に、専門性を持った図書館スタッフの確保と育成ができないという点です。
地域の図書館としての機能を熟知し、市政の流れや方向性を把握し、住民のニーズや事情に対する深い理解のある専門的な図書館スタッフは欠くことができません。地域や市政に通じた専門スタッフを確保、育成するには、指定管理者による運営では収益確保のために人件費を節減せざるを得なくなり、長期的な視点での専門性を持つ図書館スタッフを育成することは難しくなるのではないでしょうか、いかがお考えですか。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 先ほども御答弁申し上げましたが、仮に図書館で指定管理者制度を導入した場合でも、業務要求水準書や協定書の中で継続的にモニタリングを実施することにより、専門性を持った図書館職員の確保と育成が可能であると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 図書館司書さんの育成が困難だというのは前回の議会でも事例を挙げて指摘させていただきました。
3点目は、公益性を追求する図書館に収益を考える民間業者はなじまないという点です。
先ほども説明した図書館法第17条に、公立図書館は入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならないとあります。それゆえ図書館は来館者が増えても、貸出冊数が増えても収益は増えません。むしろ経費が増大します。企業にとっては、経済的な利益と結びつかないのが図書館の運営です。
利益を上げるためにはコストカットが大きな目的となり、サービスの低下も避けることはできません。コストカットされやすいのが人件費です。専門性のある図書館スタッフは、利用者に最大限のサービスを行おうとし、利用者の情報ニーズを的確に捉え、応えてくれます。そういった専門性を有する図書館スタッフを確保し、育成することは、時間も費用もかかります。コストの低減を図る民間事業者とは相入れるものではありません。いかがお考えですか、答弁を求めます。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 本市では、既に231の施設に指定管理者制度を導入しており、事業の継続性について業務要求水準書や協定書により受託者に明示しております。
また、導入後もモニタリングによってそれらが守られていることを確認しております。
これらのことから、繰り返しにはなりますが、仮に図書館で指定管理者制度を導入した場合につきましても、業務要求水準書や協定書において基準を示すとともに、継続的にモニタリングを実施することにより、サービスの質を担保することができると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) どの質問にも同じ答えで、僕も唖然としているのですけれども。
次に、4点目に行きます。小・中学校の学校図書館と連携し、学校教育を支援できるのかという点についてお話しします。
小・中学校には学校図書館司書さんが常駐し、子供たちの読書活動や学習を支えています。その学校図書館司書の相談に応じてくれるのが市立図書館です。学校図書館にない本を貸し出したり、レファレンスにも応じています。今行われている密接な両者の連携を維持、強化するのは民間ではできないと思われますけれども、いかがお考えですか。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 現在、倉敷市立図書館では、学校が所蔵していない図書や教科の学習に必要な図書等を学校図書館からの求めに応じて貸出ししております。
また、小学生の図書館見学の受入れや、小学校への移動図書館車の運行、出前講座として絵本の読み聞かせ等を行い、学校教育における読書活動の支援を行っております。
倉敷市教育委員会といたしましては、仮に指定管理者制度を導入した場合でも、業務要求水準書や協定書を示すとともに、継続的にモニタリングを実施することにより、小・中学校図書館と連携し、学校教育を支援することができるものと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今の答弁には再質問しますが、モニタリング、業務要求水準書があれば何でもできると言われていますけれども、指定管理者が学校図書館の運営や教育課程に助言すること自体が問題ではないかと思っています。
また、学校教育について民間団体が口を挟むことは、教育の中立性の確保の観点から見ても問題が多いのではないかと考えておりますけれども、その点についていかがですか。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) ただいま小・中学校の学校図書館との連携について問題があるのではないかという御質問をいただきました。
これは小・中学校での学校図書館からの求めに応じてということになっており、仮定の話ですけれども、先ほど申し上げましたように、指定管理者制度で業務要求水準書やそういった可能性について学校との連携をどのようにやっていくかというのは、仮の話ですけれども、協定書などで法的なところはチェックをしながら考えていければと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員、この際申し上げます。
質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は3時15分からの予定です。
午後 3時 3分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 3時16分 開 議
○副議長(北畠克彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
35番 末田 正彦議員、質問項目1番から再開してください。
◆35番(末田正彦君) 5点目から入ります。
指定管理者制度は、導入しなければならないほど財政的に大きなメリットがあるのかどうなのかという点についてお聞きします。
指定管理者制度の導入は、先ほど教育次長も、民間活力や民間の持つノウハウを活用するために導入すると言われてきましたが、実際はコスト削減による財政上のメリットを求めて導入した例が多いように思われます。でもそれは、幻想でしかありません。いかがでしょうか、答弁を求めます。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市教育委員会では、図書館の運営方針につきましては、市民サービスの向上と経費削減を両立し、なお一層市民の皆様に喜ばれ、利用しやすい図書館を目指すために、財政的な面を含め、様々な検討を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今5点危惧する点として紹介いたしました。これは何かというと、平成26年にとある自治体において市立図書館への指定管理者制度導入が取り沙汰されたときに、図書館長が図書館協議会に諮問しました。指定管理者制度導入について、基本的な考えを整理するためとして行われたそうです。そして、諮問に対して図書館協議会は、図書館への指定管理者制度の導入は適切ではないと、こういった答申を出されています。真摯な協議がなされております。それがさっき危惧する点として上げた理由ですが、こうした真剣な議論をもっとやるべきだと思うんです。図書館協議会がこの前開かれましたけれど、こんなワークショップをやりましたと言っただけで、それではいけないと。協議会も含めて、市教育委員会も含めて、私が危惧する点で述べたことをもっと真剣に受け止めて考えてもらいたい。業務要求水準書に書くから、モニタリングをするから大丈夫だと、それだけでは絶対納得することはできません。それを申し上げておきたいと思います。
次に、他市への調査についてお尋ねします。
令和4年12月議会で早瀬教育次長は、引き続き他市へ照会するなり、こちらで研究してまいりたいと考えておりますと答弁されました。その後の調査などは行われたのでしょうか、教えてください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 複合施設に必要な機能を令和5年度中に公表予定の基本計画の中で決定した後に、図書館運営方針について検討してまいりたいと考えておりますので、他市の情報収集につきましても、必要な時期に適宜行ってまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 行ってはいないということですね、今。
それでは次に、市民、関係者の声の受け止めについてお尋ねします。
令和4年6月1日と11月28日に、わたしたちの図書館の未来を考える会が市に対して要望書を出しました。
また、令和5年2月14日には、図書館と市民の会・くらしきが市議会にも陳情書を、そして要望書を市と教育委員会に出されています。
さらに、2月17日には、岡山県内公立図書館連絡会が市と教育委員会に要望書を提出されています。
これはどれもが図書館利用者、また関係者の方々が図書館の運営を直営でやってもらいたいと、こうした声を上げられた中身になっています。倉敷市教育委員会は、こうした声をどのように受け止められていますか、答弁をしてください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市教育委員会といたしましては、市民、関係者の皆様から寄せられた要望書等から様々な御意見があることは認識しております。
新しい複合施設の整備につきましては、図書館協議会や市民アンケート、ワークショップ等の意見も含め、今後も、市民、関係者の皆様の様々な御意見も参考にしながら進めてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 中央図書館の問題だけでなくて、図書館全体の管理運営の問題についての皆さんの要望なんですよ、これは。それをしっかり受け止めてもらってですね、中央図書館が決まれば、もうそれに流れていってしまうのは明らかなので。
次に移ります。
この項最後は、図書館と地域経済についてお尋ねします。
図書等納入元への影響についてお聞きします。
指定管理者制度が導入された図書館では、受託業者からの図書購入となり、地元書店への負の影響が危惧されます。倉敷市教育委員会は地域経済への影響をどのように考えているのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 現在、倉敷市立図書館では、地元の書店から図書を購入しております。仮に指定管理者制度が導入された場合においても、業務要求水準書や協定書により、地域経済に貢献できる図書の調達は可能であると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 現在、全国で指定管理者業務を請け負っている多くの企業は、地元企業ではなくて、図書館流通センターをはじめとする東京に本社を置く企業です。当然地元の人々を雇用していると考えられますが、地方自治体からの委託料が地方で循環せずに、東京に吸い上げられてしまうという現状があるのは事実です。こういう点があることを指摘しておきたいと思っています。
それでは、図書館の問題は終わって、2項目めに入りますが、高齢ドライバーの交通事故対策について質問いたします。
近年、高齢ドライバーの運転誤操作による交通事故が全国で発生しています。大きな被害につながることも多く、マスコミ報道でも取り上げられています。
そこでまず、高齢ドライバーの運転誤操作による交通事故に対する市の認識をお答えください。
○副議長(北畠克彦君) 尾崎市民局長。
◎市民局長(尾崎英樹君) 令和4年の警察庁の統計によりますと、全国で2,550件の交通死亡事故が発生しておりますが、そのうち75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は379件となっております。
その事故原因を見ますと、ハンドルの操作不適が14.6%、ブレーキとアクセルの踏み間違いが7.7%となっており、これは75歳未満のドライバーのそれぞれ8.1%、1.1%と比べて大変高い割合となっております。
市としましても、高齢ドライバーの運転誤操作による交通事故を防止することは重要であると認識しております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 以前の議会でも議論がございましたけれども、誤操作による事故をなくすための自動車への後づけペダル踏み間違い急発進抑制装置の設置に対する支援を求めたいと思います。
これが有効であるということが言われておりますが、新車にはついておりますけれども、既存の車にはついていない場合が多いです。
このペダル踏み間違い急発進抑制装置の設置が事故防止に効果があると思われますけれども、設置に対する支援をお願いしたいと思っています。県内で既に13市町村で設置補助制度に取り組まれております。市民からの要望も多いので、ぜひ本市でも取り組んでもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 尾崎市民局長。
◎市民局長(尾崎英樹君) 国では、令和2年3月から令和3年11月まで、安全運転サポート車普及促進事業費補助金、いわゆるサポカー補助金の制度が実施され、倉敷市内でも6,217件の交付実績があり、そのうち後づけのペダル踏み間違い急発進抑制装置は92件となっております。
倉敷市内における65歳以上の高齢ドライバーによるペダルの踏み間違いによる人身事故件数は、平成29年から令和3年まで5件から9件で推移していましたが、令和4年は2件となっており、国のサポカー補助金の利用による効果もあったと考えております。
市として新たな補助制度を設けることにつきましては、こうした事故件数の推移や車の安全対策に関する状況なども注視しながら研究してまいりたいと考えております。
なお、今後とも県警察等の関係機関や交通安全関係団体と連携し、春と秋の交通安全運動や高齢者向け交通安全教室など、様々な機会を捉え、交通安全意識の向上を図りながらより一層高齢ドライバーの交通事故防止に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) いろいろ話されましたけれども、しないという話のようですね。市民の高齢者の方の要望が多いので、考えてもらいたいと思います。
それでは、通告の3番目に入りますが、ノリ養殖の食害問題について質問いたします。
1月21日付山陽新聞デジタルに、次のような記事が掲載されていました。
岡山県産ノリの今シーズンの生産量が過去最少ペースで推移している。前年同期に比べても6割近く減少、地球温暖化に伴う高水温で生育不良が起きているほか、動きが活発化したチヌ、クロダイに食べられる食害が広がっているためと見られる。海の栄養不足による色落ちも慢性化しており、生産者は頭を抱えているとあります。
昨日の山陽新聞朝刊にも特集記事が出されておりました。
海の栄養塩不足に加えて、チヌによる食害の被害です。寒さが厳しくなると、本来は深場に移動しておとなしくなり食欲も落ちますが、高水温で動きが活発化し、ノリを食い荒らしているということです。
議長の許可をいただきまして、資料を提示しております。資料1を御覧ください。
これは、岡山県の水産研究所作成のチヌによる被害の様子を示したものです。写真も提示しております。
漁業関係者の方からお話を聞くと、今対策として、海ノリの周囲を防除ネットで囲って、チヌの侵入を防ぐ対策を取っている。しかし、防除ネットの資材と、また設置に係る費用の負担が大変だと、作業の手間も大変かかるという声をお聞きしました。
まず、問題となっているチヌによるノリの食害について、倉敷市としてどのように認識しているのか、併せて対策についてはどのように考えているのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 県内のノリの生産量でございますけれども、現時点で前年同期と比べまして約25%減となっていると聞いております。生産量減少の要因としましては、高水温や栄養塩類の減少、またチヌなどによる食害もその一つとして考えられているということでございます。
まず栄養塩類のところですけれども、こちらについては令和3年に倉敷市以西の漁業協同組合の皆様方から、陸域から窒素、リンなどの栄養塩類の流入が減少している時期に、下水処理場の季節別管理運転実施の要望書が提出されました。瀬戸内海に処理水を放流している児島、玉島、水島の各下水処理場においての季節別管理運転を実行してもらいたいという要望でございました。もちろん環境の基準内でございますけれども、その中で栄養塩類が少しでも増えるように、以降、季節別管理運転を試行的に実施させていただいているところであります。
また、チヌによる食害への対策ですけれども、先ほど資料にもあったかと思いますが、現在、水産庁が推進しております養殖業成長産業化技術開発事業におきまして、全国でノリの食害対策手法の開発に取り組んでいるところであり、県内では岡山県水産研究所で実証実験を行っているところであります。
こうした状況なども踏まえ、効果的な取組について県などとも一緒になりまして研究をしていく必要があると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 海のことですから、県と協力してやっていただきたいと思いますが、支援についてお尋ねします。
先ほども御紹介しましたが、食害対策として防除ネットの設置を行っているということですが、費用の負担と作業の手間が大変で、支援してもらいたいということなんです。農家のイノシシ対策はネットでの補助制度がありますけれども、海にはありません。ぜひ防除ネット設置に係る費用の助成などを市として考えてもらいたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) ノリ網の下に防除ネットを設置する食害対策は、設置に係る費用や作業量が増加することから、市内でも一部の漁業者しか導入していない状況でございます。
食害対策につきましては、防除ネットのほか刺し網による駆除や音響装置による対策などについて、岡山県の水産研究所などにより実証実験が進められているところであり、その結果を注視してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 県の実証実験を注視しているということですけれども、1次産業を応援する立場からもしっかり検討していってもらいたいと思います。
通告の4番目に入りますが、災害への備えについてとして3点お聞きします。
気象庁によりますと、南海トラフ沿いの大地震、これが70から80%の確率で今後30年間に起こるということです。そのためにも、災害の備えが必要となっています。
この項の1点目は、家具の転倒防止対策についてお聞きします。
日本建築学会が発表した阪神淡路大震災住宅内部被害調査報告書によりますと、阪神・淡路大震災でのけがの46%は、家具の転倒、落下が直接の原因となっています。
本市の地域防災計画では、実施率を100%にすることで死傷者数は約30%に軽減できると、さらに屋外に迅速に避難することも可能となるので、家具等の転倒・落下防止対策を行うことは重要であると位置づけられています。
同様の質問がございましたので、転倒防止の現状については大体こちらも把握しております。全然進んでおりません。平成24年9月の県が実施したアンケートでは15.4%、昨年の8月では16.2%ということで、ほとんど進行していないのが現実です。
この家具の転倒防止対策が進んでない理由として、高齢者や体の不自由な人が自分で器具の取付けができない、またどうやって取り付けていいか分からないということをよく聞かされます。施策を前に進めるためには、有効な政策誘導策が必要と考えます。資料を準備していますので、資料2を御覧ください。
これは、高知市が実施している家具等の転倒防止対策の支援策です。
転倒防止対策を実施する住民に対して、市が業者に委託して、訪問してもらい、器具の取付けを無料でしてもらえると。器具は住民の方の負担になるのですけれども。
本市でもこうした具体的な取組をぜひ考えてもらいたい。以前にも品川区の例も紹介しましたけれども、啓発とか器具の説明とかだけでは前には進みません。いかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 南海トラフ地震の発生確率が高まる中、被害を最小限にとどめるために、家庭でできる身近な防災・減災対策として、まずは各御家庭で家具の固定、配置の見直しを行っていただきたいと考えております。
しかし、高齢者や体が不自由な方たちのように、対策をしたくても自分たちの力だけではできない方もおられますので、そういった方への支援につきましては、個別避難計画作成のための説明会などを通じて、家具の転倒防止や配置の工夫等についてもお話をして啓発しているところでございます。
今後も、自主防災組織や地域の防災士の方たちの協力もいただきながら進めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 自主防災組織を通じてとか、啓発だけでは進まないと僕は言っているからね、具体的な手だてを考えなさいと言っているのよ。何年か前にこれを質問しました。同じ答えです。全然進んでいません。だから、具体的な手だてを紹介しているんです。少しは見習って検討するぐらい言ったらいいんじゃない、どうですか。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 先ほども申しましたように、家具の固定も大事ですし、それから寝室の家具の配置であるとか、寝る場所を工夫するというのも重要なことだと考えております。そういった中で、要配慮といいますか、高齢者であるとか、体が御不自由な方等には、地域の自主防災組織であるとか、防災士の方が、ふだんから見える関係を築いて、声かけをしていただくことによって共助の観点から地域の防災力をしっかり向上させていただくことが非常に重要だと思っておりますので、そういった中でしっかり働きかけをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 全くよろしくありません、今の。できないから、市が何とか考えてやってほしいと僕は言っているんですよ。今ね、家具の置き場所を考えてもらいたいとか言われましたでしょう。狭い家に住んでいる人は、本当に家具の間で寝ている方がたくさんいるんですよ。動かそうにも動かせない人がたくさんいるんです。市営住宅は本当に狭いですよ。皆さん大変な形で暮らされています。だから、転倒しないように何かしてあげてほしいなと言っているわけですから、もう少し真面目に考えてくれたらいいんじゃないですか、と思います。総務委員会でまた質問させますから。(笑声)頼みます。
では、次に行きます。
この項2点目は、住宅の耐震化策についてお聞きします。
倉敷市耐震改修促進計画の中で、本市では地震災害への対策として建築物の耐震化の促進を重要な課題として捉えているということで、様々な対策を今取られています。こうした取組によって耐震化は進んできているとお聞きしておりますけれども、依然として耐震化の不十分な建物もたくさん残されております。
今日は、本市の耐震化促進に向けた取組状況と今後の取組についてのみお聞きしたいと思います。
○副議長(北畠克彦君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、令和3年3月に改定した倉敷市耐震改修促進計画に基づき、耐震化の促進に取り組んでいるところです。
具体的には、木造住宅の所有者への戸別訪問や耐震化パネルの展示といった普及啓発活動、改修工事施工者の技術力向上に向けた講習会を実施しております。
また、令和3年4月より住宅全体の耐震改修工事を行う場合の補助金額を、補助対象経費の2分の1かつ上限60万円から5分の4かつ上限100万円に拡充し、支援を行っております。
今後の取組でございますが、引き続き普及啓発活動や支援策の広報等に努め、耐震化の促進を図ってまいります。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 今日は、本当は耐震シェルター設置補助金とか防災ベッド設置補助金の要件緩和もお願いしたいなと思っていたのですけれども、補助金絡みの関係なので、今のところできないと言われました。防災ベッドを置くというのは結構いいと思いますが、耐震診断をしなければ置けないというような要件になっているんですね。これがネックになって、あまり利用されていません。この要件緩和を少し検討してもらいたいと、これは要望しておきます。
最後に、緊急告知FMラジオ購入費補助事業と屋外拡声塔の廃止の問題についてお聞きします。
令和5年度の当初予算において緊急告知FMラジオ購入費補助事業が計上されまして、この事業自体は大変評価しております。しかし、補助の対象として、スマートフォンを持っていない方のみということで、これがちょっとどうかなと思っているんですね。スマートフォンに届く緊急地震速報や緊急速報メールで対応が可能ということですけれども、情報の収集の手段というのは複数あるにこしたことはないと思っています。事業をこれから始めるというところで、スマートフォン等を所有していないという要件を、それは駄目だと言えないとは思いますが、検討してもらいたいなと思っていますが、いかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) スマートフォン等の普及により緊急速報メール、防災アプリ、倉敷防災ポータル、SNS等から、市が発令する避難情報等の緊急情報や気象情報、川の水位情報など様々な情報を入手することができるようになりました。
一方、スマートフォンを所有していない方にも屋外拡声塔から放送している避難情報などの緊急情報を迅速に届けることができるように、緊急告知FMラジオ購入費補助事業の対象者を避難行動要支援者やスマートフォン等を所有していない65歳以上の方のみの世帯としております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 分かりました。事業の説明をしていただいて。
だから、事業が今度始まるので、様子を見ながら。緊急告知FMラジオは便利がいいんです。何もしなくてもスイッチも入りますからね。だから、先ほども言ったように、複数の情報収集手段があるにこしたことはないので、事業が始まったその後、様子を見ながら検討していってもらいたいと思っています。
次に、屋外拡声塔廃止の件ですけれども、令和7年度末で廃止されると報告されましたけれども、先ほどと同様に、情報収集手段は複数あるにこしたことはありません。サイレンを鳴らすなどの効果的な利用方法の検討も行ってもらいたいと考えますけれども、見解をお示しください。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 近年、屋外拡声塔からの放送は、住宅の遮音性が向上したことで、特に暴風雨等の悪天候の際は放送が聞き取りにくくなっています。
また、スマートフォン等の普及により、先ほど申し上げましたとおり、緊急情報の入手手段が多様化されたことに加え、現在の拡声塔は設置から16年が経過し、不具合が多く発生しており、また交換部品の調達等の観点からも、今後維持していくことが困難な状況となっているため、令和7年度末をもって廃止することとしております。
○副議長(北畠克彦君) 末田 正彦議員。
◆35番(末田正彦君) 分かりました。
海外ではトルコで大きな地震が起きたり、明日は東日本大震災から12年目になるんですかね、南海トラフ地震も近いうちに起こるだろうというところで、いろいろな防災の手段を真剣に今後考えていかないと。本当にそういう時期に来ていると思うんですよ。だから、本当に市の執行部の皆さんも、議員も一緒になって考えて、しっかり頑張っていきたいと思っておりますし、市としても頑張ってもらいたいということを要望して、質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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