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令和5年第7回倉敷市議会(第4回定例会) 12月11日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和5年第7回倉敷市議会(第4回定例会)
12月11日(月) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
薮田 尊典 議員
1 持続可能な観光先進都市・倉敷を目指して
2 物流の2024年問題について
3 奨学金の返還支援について
◆14番(薮田尊典君) (拍手) 皆さんこんにちは。公明党倉敷市議団の薮田 尊典でございます。
今議会では、3項目にわたり通告をさせていただいております。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして進めさせていただきます。
初めに、持続可能な観光先進都市・倉敷を目指して5点お伺いいたします。
この項1点目、MICE(マイス)の取組について、市の方針と今後の展望について。
倉敷市が2016年にG7教育大臣サミット、そして本年にはG7労働雇用大臣サミットを開催し、これにより倉敷市は国内外から注目を集める観光都市としての地位を確固たるものといたしました。全国でG7サミットを2回開催した都市は、倉敷市と高松市のみと思いますが、私たち市民にとって大きな誇りとなり、シビックプライド醸成へ大きく前進したと思います。
伊東市長の先導の下、サミットは大成功を収め、倉敷市の文化的・歴史的魅力を世界に示す絶好の機会となりました。市長のリーダーシップと市民の皆様の協力により、世界の指導者たちを迎え入れる準備が整い、市の国際的なプロフィールが高まったと思います。
これらのサミットを通じて、倉敷市はただの美しい観光地であるだけではなく、教育、雇用、労働といった重要な国際的議題においても積極的に貢献する意思を持つ都市であることを証明することができ、MICE誘致につながる基盤ができたと思います。
そこで、お伺いいたします。
本市においては、令和6年度からMICE誘致推進室を設置して、国際会議をはじめとするMICE誘致に取り組むとされていますが、地域への波及効果や誘致に向けての具体的な目標などはどのように考えているのか、お聞かせください。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) それでは、薮田 尊典議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
MICEの取組について、市の方針と今後の考え方ということでございます。
お話もいただきましたけれども、本当に今回のサミットを含めまして2回の大臣会合の開催というのは、非常に倉敷のこれからの観光誘致という面で大きな意味合いがあるというふうに思っております。おかげさまで、先日も発表させていただきましたけれども、市の今回のG7大臣会合の経済波及効果とパブリシティー効果を合わせまして約11億円近くの効果があったということと、それに加えまして、やはり2回大臣会合を開催したということをいろいろな観光誘致等の場でお知らせし、また実際にこの週末にも国際宇宙コミュニティーの皆さんたちが倉敷で、200数十人規模の大きな国際会議をしていただいたわけでございますけれども、会議自体は英語であったのですが、その誘致が決まったときには大臣会合はまだ開催されてなかったんですけれども、2回大臣会合を開催する倉敷で自分たちも会議ができるということをその会議の皆さんたちも大変喜んで、開催を決めたというふうにも伺っております。いろいろな誘致をするときに大臣会合の場所だった、それが倉敷アイビースクエアだったり、倉敷国際ホテルだったり、大原美術館、それから美観地区だったり、そういうところで開催ができるということは、国際会議を開催する人たちにとっても非常にプライドの面とか、魅力発信という面でとてもよい効果があるのではないかというふうに考えているところでございます。
ですので、そのことも踏まえまして、このたび、令和6年度からMICE誘致推進室を設置させていただきまして、今2回の経験とそれを基にしました倉敷のさらなるブランド力の発信をよりしっかりPRしながら、国際会議の誘致を含めましての倉敷の観光PRに努めていきたいというふうに考えているというのが大きな目標でございます。
また、具体的な目標という意味では、6年度になってからつくっていくような状況でございますので、まだ今できているわけではございませんけれども、既にいい効果も現れてきているというふうに思っておりますので、しっかりこの経験を踏まえながら取り組んでいきたいと、全体的に考えております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) MICEの誘致について、倉敷市の独自性とかまた魅力をしっかりと生かしていただき、さらなる地域の発展につなげていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
この項2点目、観光庁の地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりモデル観光地について。
2019年の政府観光局の調べでは、訪日外国人旅行者は3,000万人を超え、消費額は4.8兆円でしたが、目標の8兆円には届かず、さらなる取組が必要とされております。そのうち高付加価値旅行者は全旅行者の約1%、29万人でございましたが、消費額の約11.5%、5,523億円を占めておりまして、訪日外国人の地方への誘客が地方創生に貢献すると考えられております。このため、観光庁は高付加価値旅行者のニーズに応える滞在価値や地方への送客、情報発信などを含む地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたアクションプランを策定されております。このプランに基づき、モデル観光地として集中的な支援が実施されることになりました。
そこで、お伺いいたします。
地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたアクションプランにおけるモデル観光地として、本市も属する瀬戸内地域が選ばれております。今後、インバウンドの本格的な回復や2025年に控えている大阪・関西万博、瀬戸内国際芸術祭など、ビッグイベント等を見据え、積極的に誘客施策を実施することと思われますが、現在の宿泊者数等の回復状況や施策の取組状況についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 今年1月から10月までの本市におけるインバウンド宿泊者数の状況は、コロナ禍前の令和元年の同期間に比べると76%まで回復してきており、国・地域別の宿泊者数につきましては、台湾、フランス、香港の順となっております。
今年度は本市の認知度向上の取組として、タイ、韓国など現地旅行博への出展に加え、新規事業として欧米圏を対象としたデジタルプロモーション事業において動画広告やバナー広告等を実施し、欧米圏への取組を強化しているところでございます。
また、来年1月には宿泊施設や飲食店等の観光関連事業者を対象に、ベジタリアン、ハラル、ビーガン等の食の多様性に関する普及啓発セミナーを実施することとしており、おもてなしの向上と高付加価値化について取組を推進してまいります。
来年7月にはJR大阪駅直結の大型複合ビル内に本市アンテナショップがオープン予定であることから、関西空港を利用するインバウンド観光客をターゲットに、アンテナショップを活用したプロモーションイベントの開催なども検討していくことにしております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) コロナ前と比較して、倉敷市のインバウンド宿泊数が76%まで回復したということで、国際的な魅力が増していることが感じられます。
さらに、関西、大阪で開催される万博の目玉といたしまして、空飛ぶ車が注目を集めております。この流れを受けて、倉敷市では航空宇宙産業を担うMASC(マスク)が運営する空飛ぶ車の展示場、くらしき空飛ぶ車展示場が美観地区付近に新たにオープンいたしました。地域産業との連携を深めるとともに、インバウンド誘致へ向けた新たな取組を期待させていただきます。
この項3点目、ユニバーサルデザインタクシーの導入促進について。
国土交通省は、バリアフリー法の基本方針に基づき、令和7年度までに福祉・ユニバーサルデザインタクシー車両を9万台に増加させる計画を発表いたしました。
これは、障がい者、高齢者、子育て世代を含む全ての市民や観光客が利用しやすい交通環境を目指すものであります。
東京オリンピックに向けて導入されたジャパンタクシーも、日本のおもてなしの心を反映したユニバーサルデザインの一例でございます。
この方針を受け、倉敷市としては、MICE誘致やインバウンドモデル観光地の推進に合わせて、ユニバーサルデザインタクシーの導入を検討すべきだと考えます。
そこで、お伺いいたします。
倉敷市内でのユニバーサルデザインタクシー車両の現状、導入目標及び補助制度についてお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 本市では、令和5年3月に倉敷市地域公共交通計画を策定し、ユニバーサルデザインの推進等による誰もが利用しやすい環境の整備の一つとして、UDタクシーの導入促進を掲げております。
市内で運行されているタクシーに対するUDタクシーの割合につきましては、令和9年度で25%に目標を設定しており、令和4年度時点では6%となっております。
また、本市では本年度にユニバーサルデザインタクシー導入支援制度を創設しております。今後、本制度の活用を働きかけていくことで、UDタクシーの普及促進を図ってまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 再質問させてください。
本市のユニバーサルデザインタクシーを購入するに当たりまして、補助金の額についてお答えいただければと思います。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) ユニバーサルデザインタクシー導入支援制度の補助金の額ということで御質問を受けました。
ユニバーサルデザインタクシーの導入1台につき10万円を限度に補助する予定になっております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 岡山市では、令和5年度からユニバーサルデザインタクシー購入については1台当たり30万円の補助を出しております。タクシー協会から、倉敷市に対しても岡山市と同様の補助金額を設定するよう要望がありました。倉敷市においても同様の補助金額を設定することを今後検討していただければと思います。
この項4点目、公衆トイレの洋式便器の整備及び機能向上について。
観光庁のアンケート調査によりますと、整備され清掃が行き届いた公衆トイレは、観光地のイメージ向上に大きく寄与することが明らかになりました。最も多い回答は、観光地のイメージがよくなるが73.3%で、次いで安心して長時間滞在できるが37.3%という結果が得られました。また、おもてなしを感じるとか、観光地の価値が上がるといった回答もありました。これらの結果から、公衆トイレの印象が観光地の評価に直結し、安心感や滞在時間の延長に影響を与えることが分かります。反対に、不十分な設備や清掃の不備は、観光地のイメージ低下につながることも指摘されています。
先日、倉敷駅のタクシードライバーからお話を聞きました。観光客がよく公衆トイレの場所を尋ねてきます。現在、案内できる最も近いトイレは、2階デッキの北側にある古い公衆トイレで、タクシードライバーは観光客に申し訳ないと感じており、早急な改修をしてほしいと言われておりました。また、トイレの清掃員の方からもお話を聞かせていただきました。観光客が一度公衆トイレに入った後、温水洗浄機付便座がついていないので、すぐに出ていき、ほかの店舗内のきれいな温水洗浄機付便座のトイレを探すことが多いとのことです。このような状況は、公衆トイレの現状が観光客の期待に応えていないことと思います。
観光庁は、地方の消費拡大と訪日外国人旅行者数の増加を目指し、インバウンド対応支援事業の一環として、公衆トイレの整備を進めています。4,000万人の訪日外国人旅行者を迎える目標達成に向け、リピーターを増やすため、快適な滞在環境の提供が重要です。このため、観光地にある外国人旅行者が利用しやすい公衆トイレの整備に係る経費の一部を支援してくれております。
そこで、お伺いいたします。
公衆トイレの洋式便器の整備及び機能向上について、MICE誘致やインバウンド対応を含めた観光振興を行うため、倉敷駅から美観地区周辺にある公衆トイレについて、今後どのように洋式化及び温水洗浄機付便座の設置を進めていくのか、お聞かせください。
○議長(中島光浩君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 本市では、倉敷駅から美観地区の周辺にかけて、観光客の利用できるトイレとして、延べ23か所のトイレを設置しており、そのうち観光施設にあるトイレを中心に洋式化及び温水洗浄機付便座の整備を進めております。
一方、倉敷駅周辺には、個室のスペースが狭く、洋式化を進める上で大規模な工事が必要となるトイレもあるとともに、不特定多数の方が利用する施設において和式トイレを希望される方もいらっしゃることから、現在も一部和式トイレが設置されております。
倉敷駅から美観地区周辺のトイレにつきましては、美化を推進するとともに、洋式化及び温水洗浄機付便座の設置につきまして、必要に応じて整備を検討してまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 必要に応じて整備を進めていくということで、しっかりと整備をしていただければと思います。
また、観光地のトイレで、私は感じました。鷲羽山レストハウスが2018年にリニューアルオープンいたしました。このとき和式トイレから洋式トイレへの変更もされましたが、当初は温水洗浄機付便座が備わっておらず、これが本当に残念に感じました。しかし、最近になって行ったときに、温水洗浄機付便座が設置されていました。洋式トイレには、このような温水洗浄機付便座が基準となるべきだと考えます。
また、2021年10月10日にグランドオープンしたあちてらす倉敷の下の駐車場の公衆トイレでは、男性の洋式トイレが2つ設置されています。しかしながら、温水洗浄機付便座が設置されていませんでした。とても残念に思いましたが、最近行ったときに、2つあるうちの1つに温水洗浄機付便座が設置されておりました。先月、私の自宅の2階のトイレの便座を温水洗浄機付便座に交換しました。1階は最初からついていたのですけれども、まさにこのあちてらす倉敷と同じメーカーの製品でございました。うちは、交換したのは設置費込みで、キャンペーン中ではございましたけれども、3万9,800円、サンキュッパで交換できました。この金額を踏まえて、公共施設のトイレにおいても、初めから温水洗浄機付便座を標準装備とすることを強く要望させていただきます。
この項5点目、本庁舎のトイレの整備について。
これは市民からの声でございます。
ツーデーマーチ参加者や来庁者から、本庁や支所など温水洗浄機付便座のトイレへの変更を求める要望が寄せられています。
そこで、お伺いいたします。
本庁舎における温水洗浄機付便座の整備は市民にとって重要と考えますが、今後の方針についてお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 尾崎総務局長。
◎総務局長(尾崎英樹君) 本庁舎のトイレにつきましては、市民利用の多いトイレを優先的に和式または洋式普通便座から温水洗浄機付便座に改修を進めているところであり、本年度におきましても新たに3か所について温水洗浄機付便座への改修を実施いたしました。
今後におきましても、使用頻度なども勘案しながら、継続的に温水洗浄機付便座への改修を進めてまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 洋式普通便座から、その上に温水洗浄機付便座への改修というのは、グレードによりますけれども、4万円から6万円ぐらいで、手頃な価格で買えるものでございます。また、近くの大手家電量販店でも同様の価格帯で購入できます。使用頻度を考慮するよりも、便座だけ交換が可能なトイレは、今後全て温水洗浄機付便座に変更することを強く要望させていただき、市民のニーズに応えていただくことをお願いいたします。
2項目めに移り、物流の2024年問題について。
この項1点目、戸建て住宅への宅配ボックス購入支援について。
来年4月からのトラック運転手の残業規制に対応し、物流停滞を回避するため、政府は政策パッケージを発表いたしました。これには、運転手の処遇改善、先進技術の活用、荷主・消費者の行動変容を柱とした取組が含まれております。
特に、再配達率を現在の12%から6%に半減させる目標が設定され、消費者の理解と協力が重要でございます。また、宅配便の増加に伴い、市民の利便性を保ちながら、配達員の負担軽減、再配達問題の解決、CO2排出削減に向けた方策の検討が求められています。
そこで、伺います。
国は、宅配時の再配達率を現在の12%から6%へ半減させる目標を掲げており、目標達成には消費者の理解と協力が必要であります。市として後押しするため、戸建て住宅用の宅配ボックス設置の補助をしてはどうかと考えますが、本市の見解を伺います。
○議長(中島光浩君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 物流の2024年問題への対策として、今年10月に国が公表した物流革新緊急パッケージにおいては、宅配の再配達率の半減を目指しており、消費者の行動変容を促すこととしております。
また、宅配ボックスによるCO2削減効果につきましては、環境省が現在の再配達の状況では国内全体で年間約42万トンのCO2が余分に排出されていると試算されています。本市といたしましては、運輸部門におけるカーボンニュートラルにつながることから、費用対効果などを考えながら、先行自治体の事例を調べてまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 家庭用宅配ボックスの設置補助は、再配達またCO2の削減で環境に貢献する施策でございますので、前向きに検討していただければと思います。
この項2点目、市営住宅への宅配ボックスの設置について。
宅配ボックスの設置により再配達が大幅に減少し、それに伴うCO2排出量の削減に寄与することが期待されます。本市の公共施設のうち、施設数の多い市営住宅への宅配ボックスの設置について、国の補助を活用しながら検討できないか、本市の見解をお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 市営住宅への宅配ボックスの設置につきましては、その費用の一部が国の公営住宅等ストック総合改善事業の個別改善事業の補助対象となっております。補助要件としましては、自治体が策定する公営住宅等長寿命化計画において位置づける必要がございますが、現時点におきましては、本市の市営住宅等長寿命化計画に基づき、市営住宅の適正な維持管理を行うに当たり、老朽化が進んだ設備等の改修を優先的に実施しております。今後につきましては、入居者の利便性などを勘案し、その必要性について検討してまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) これも前向きに検討していただければと、お願いいたします。
3項目めに移り、奨学金の返還支援について。
この項1点目、企業による奨学金返還支援の普及について。
企業や自治体による奨学金返済支援の取組が社会的な注目を集めております。2021年、日本学生支援機構への直接返済が可能となったことから、多くの企業がこの制度を導入し始めました。導入当初は119社でしたが、2年で1,295社へと急速に増加。企業は、社員の奨学金返済を支援することで、教育の機会拡大と経済的負担軽減に寄与しています。
また、この制度は、社員の定着を促し、優秀な人材を確保する手段としても機能しております。さらに、企業には法人税減税のメリットもあり、企業と社員がお互いウィン・ウィンになる制度でございます。これらの効果は、人手不足の問題も解決すると思います。
そこで、お伺いいたします。
2021年4月に、企業による奨学金返還支援(代理返還)制度が創設されて以降、制度を導入し、返還支援を実施する企業が増えていますが、本市においてこの制度を導入している企業の数についてお伺いいたします。
また、以前の答弁においても、市として制度について積極的な情報提供を検討するとのことでありましたが、制度の普及に向けた取組について伺います。
○議長(中島光浩君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 企業が社員の奨学金を日本学生支援機構へ直接送金する代理返還制度を導入した企業数は、令和5年11月末現在で全国で1,385社、岡山県内で6社、倉敷市内では2社となっております。
本市では、奨学金の代理返還制度についてホームページに掲載するとともに、市内の商工団体へ周知を依頼するなど、本制度の啓発に努めております。また、市などが主催する合同企業説明会で学生等の求職者に対し、本制度を導入している参加事業者の情報提供を行っております。
企業が本制度を導入することは、奨学金の返済に苦労する若者の経済的・心理的負担を軽減し、結果として人材の定着、確保につながると認識しており、引き続き市内企業に対して積極的な制度の周知を図ってまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 岡山県内ではたった6社で、倉敷市内は2社にとどまっているということでありました。本当にもうちょっと、前回の取組から周知が不十分であると考えます。
政府は少子化対策の一環として、2025年度から3人以上の子供を持つ世帯に対し、所得制限なしで大学の授業料を無償化する方針を固めています。しかし、この対象外の方々に対しても、企業が奨学金を肩代わりするような社会構築が必要です。行政としては、このような若者支援策の積極的な周知を進めていくことが求められております。引き続き、市内の企業に対して、この制度の周知をお願いいたします。
この項最後です。2点目、介護分野への人材確保について。
この代理返還制度は、多岐にわたる業界に適用されており、医療・福祉分野も含まれています。これには介護施設が含まれるため、介護施設を運営する企業がこの制度を活用することが考えられます。
厚生労働省のデータによると、昨年介護分野で新たに雇用された人の数は54万人でしたが、一方で離職者は61万人に上っています。高齢化が進む中で、介護に対する需要は増加しており、これに対応するための人材確保が急務となっております。介護業界への新たな人材の流入を促進するために、担い手の裾野を広げる取組強化も重要です。
そこで、お伺いいたします。
医療・福祉分野を含む多様な業界に適用されるこの制度は、倉敷市の企業への就職により奨学金返還の免除がかなう点を強調し、介護人材確保を促進すべきと考えますが、御見解を伺います。
○議長(中島光浩君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 本市では、介護分野の人材確保を目的として、看護学生等を対象に、市独自で訪問看護の実地体験事業を行っているほか、就業促進のため医療・福祉系大学の学生等に向けた高齢者支援センターのPR活動等も実施するなど、人材確保対策に取り組んでおります。
企業による奨学金返還支援制度の普及につきましては、他の自治体でも一定の効果を生んでいることを踏まえ、今後介護分野への人材確保策の一つとして市内関係事業所にも紹介してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 今後、介護分野の人材確保策の一環として、しっかりと周知していただくことと思います。
この制度は、若者が経済的な理由で教育を受ける機会を逃さず、将来に希望を持って前進できるような支援をするための重要な施策でございます。企業や自治体が積極的に取り組むことで、地域社会全体の教育レベルの向上と経済発展に貢献することが期待されますので、積極的な制度の周知をお願い申し上げ、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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