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令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会) 3月1日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月1日(金) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田辺 牧美 議員
1 国の安全保障政策と地方自治について
2 マイナ保険証について
3 公共施設について
4 安全、安心の街づくりについて
◆10番(田辺牧美君) (拍手) 日本共産党倉敷市議会議員団 田辺 牧美です。
質問通告に従い、4項目質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
まず1項目め、国の安全保障政策と地方自治について4点お伺いいたします。
1点目、安保3文書策定における地方自治体への影響についてです。
岸田内閣は、2022年12月16日に、それまであった国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を一括改定し、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画、いわゆる安保3文書を閣議決定しました。
この安保3文書は、2015年集団的自衛権を一部容認した安保法制から、さらに踏み込んで戦争準備を加速する内容になっています。国の安全保障に関する最上位の政策文書と位置づけられた国家安全保障戦略についてには、我が国の安全保障に関する基本的な原則を維持しつつ、戦後の我が国の安全保障政策を実践面から大きく転換するものであるとあります。そして問題は、安全保障上の目標の第1項として、我が国及びその周辺における有事、一方的な現状変更の試み等の発生を抑止する。万が一、我が国に脅威が及ぶ場合も、これを阻止、排除し、かつ被害を最小化させつつ、我が国の国益を守る上で有利な形で終結させるとあります。
日本を攻撃すれば反撃に遭うから攻撃しないと、抑止が働くだけの軍事力を持つというもので、これが敵基地攻撃能力につながっていきます。有事の際の対応も見据えた空港、港湾の平素からの利活用に関するルールづくり等を行う、自衛隊、米軍等円滑活動の確保のための措置、様々な種類の避難施設の確保、弾道ミサイルを想定した避難行動に関する周知、啓発に取り組むなども記述されています。これらのことは地方公共団体、住民の協力を得つつ推進するとあります。
実際に東京都練馬区では昨年の11月6日、X国から発射された弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が実施されました。地元町内会を通じて集まった60名がJアラートの発令を受け、地上から地下1階の大江戸線の地下構内に歩いて移動、しゃがんで頭を覆う姿勢を取って訓練をしたといいます。まさに安保3文書の内容は、国家総動員体制を想起させるものです。抑止力論は、軍事拡大を周辺各国に促し、軍事拡大競争の負のサイクルに陥る危険な論理です。
そこでお尋ねいたします。安保3文書策定における地方自治体への影響について、市はどのように認識をしているのか、見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 田辺 牧美議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画につきましては、国の所管であるため、国が適切に判断し、対応されることと考えます。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 再質問をさせていただきます。
地方自治は、憲法で章を起こして記述され、国民主権を支える柱の一つです。政府が行う政策提起が住民にどのような影響を与えるかを把握して、住民の福祉の向上を図る立場で、市は行政を行うことが求められると考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 先ほども申しましたように、安保3文書に関する市への影響につきましては、現在のところ、把握はしておりませんので、よろしくお願いいたします。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 市はしっかり把握をして、そして住民の命と暮らしを守る、住民の福祉向上の立場で、しっかり行政を行っていただくよう強く求めるものです。
次に、民間空港、港湾の軍事利用化に対する本市の姿勢についてお尋ねいたします。
12月議会で当議員団の末田 正彦議員が同様の質問をいたしました。その際、岡山空港の軍事利用についても、水島港の利用が懸念されることについても、明確な答弁はありませんでした。国や県が適切に対応するだろうという、非常に心もとない答弁です。
しかし、国は国家安全保障戦略について、その内容が実施されて初めて完成すると、強い姿勢を記述しています。現に昨年11月には岡山空港が、自衛隊の基地が攻撃されたことを想定しての訓練に使用され、今年2月26日には、瀬戸内海を挟んで対岸の高松港に海上自衛隊のイージスシステム搭載護衛艦みょうこうが入港しています。
民間空港、港湾の軍事利用化は敵の攻撃目標とされ、市民の安全を守る立場から適切ではありません。きっぱりと拒否すべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 国の防衛に関する事案でありまして、国において適切に判断されるものと考えております。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 今、国において適切にというふうにおっしゃいましたけれども、そのような姿勢をずっと貫いていった場合、ある日突然、軍事利用、そしていろいろな戦時体制に組み込まれてしまった。そういうことになりかねません。しっかりと市の立場、住民の命を守る立場を貫いていただきたいと重ねて強く要望いたします。
次に、自衛官等募集事務に係る対象者情報の提供についてです。
安保3文書のうち防衛力整備計画の中に、防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤の強化の項に、採用の取組強化があります。また、ここには衛生機能の変革の項もあり、有事において、危険を顧みずに任務を遂行する隊員の生命、身体を救うため、第一線から後送先までのシームレスな医療・後送態勢を確立することが必要である。そして、自衛隊員の身体歴情報を電子化し、各隊員の医療情報を速やかに検索、閲覧できるようにするとまで書いています。また、戦傷医療、つまり戦場での治療では、失血死を防ぐために自衛隊において血液製剤を自律的に確保、備蓄する態勢の検討とあります。まさに今、自衛隊は有事を想定した実戦部隊に変容させられています。
自然災害でお世話になった自衛隊員の本来の任務は、国内外で有事の際に危険を顧みずに戦うことを求められているのです。我が国はいつから戦争をする国になったのでしょうか。空恐ろしさを禁じ得ません。
12月議会以後、自衛官等募集事務に係る対象者の情報提供について、県内の状況を議会事務局に調査していただきました。27市町村のうち、何らかの形で情報を提供しているのは26市町村、提供していないところも1つありました。26市町村のうち、宛名シール印刷の提供が20、紙媒体が4、住民基本台帳の閲覧のみが1、電子媒体による提供が1でした。そして提供時期は、令和3年度からが8、令和4年度からが8、令和5年度からが4で、令和3年度以前か不明が7でした。ここ3年ほどで、20自治体が提供を始めたことが分かります。
全国でも、令和4年度に個人情報を記載した名簿を自衛隊に提出した自治体が1,068に上り、初めて6割を超えたと、日本共産党 山添 拓参議院議員に防衛省が提出した資料で判明したことが、昨年8月16日付赤旗で報じられました。4割の自治体は、まだ提供していません。自衛隊の役割が大きく変化した今、個人情報を本人の同意なく提供すべきではありません。
本市では、12月議会の末田 正彦議員の質問を受けて、個人情報提供除外申請の手続ができるようになりましたが、手続が大変煩雑です。勝手に情報を提供することにしておいて、取り消すときだけ、18歳の市民本人が申請してくださいというのはおかしいとの声が上がっています。個人情報の提供は、あらかじめ本人の同意を得ることが大原則です。まずは、対象者本人に情報を提供してよいか許可を取り、提供してよい人のみにとどめるべきです。
自衛官等募集事務に係る対象者のタックシールの提供は、きっぱりやめるべきではないですか。見解を求めます。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 自衛官または自衛官候補生の募集に関する事務につきましては、法令を根拠に情報提供を行っているものであり、今後も適切に対応してまいります。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 先ほども紹介しましたように、自治体としてきちっと判断し、提供していない自治体もまだ4割あるわけですから、本市もきっぱりとやめていただきたい、このことを重ねて要望し、次の項目に移ります。
この項4点目、オスプレイ飛行についてお尋ねいたします。
昨年11月29日に、鹿児島県屋久島沖でCV22オスプレイが墜落し、乗員8人全員が死亡しました。この事故を受けて12月6日から、オスプレイ全機の飛行が停止されています。
このオスプレイ墜落事故についての危険性を、市としてどのように認識しているのか、お尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) オスプレイ墜落事故の対応につきましては、国に関する事案であり、国において適切に判断されると考えております。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 次に、事故原因の情報収集についてお尋ねいたします。
オスプレイは、世界各地で墜落事故を起こしています。今までに何度も倉敷市上空を飛行しているオスプレイの事故ですから、当然、市としても事故原因の情報収集を行うべきと考えますが、情報収集はどのように行っているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) オスプレイの事故原因につきましては、国において把握し、適切な対応がなされるものと考えております。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 全く、本市としての主体性が見えません。それでは、住民の命を守ることはできないです。本当に、もう怒り心頭です。
今後行っていくべきと考えますが、いかがですか。再度、再質問させていただきます。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 同じ答弁になりますが、事故原因につきましては国において把握し、適切な対応がなされるものと考えておりますので、市としましては、事故の原因に関する情報収集は、行ってはおりません。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 事故原因について、アメリカ空軍特殊作戦司令部は機材の故障を特定したと、今年2月22日に報じられました。プロペラのローターのギアボックスに不具合があるというものの、詳細は明らかにされていません。にもかかわらず、数週間以内にも飛行再開の可能性があるとも報じられました。
オスプレイはこれまでも度々墜落しており、今年1月のアメリカ国防総省の運用試験・評価局が年次報告書でCMVオスプレイについて、防氷装置など多数の不具合によって運用に適していないと異例の勧告を出しています。屋久島沖で墜落したオスプレイは東京横田基地所属で、岩国基地から沖縄の嘉手納基地に飛行中でした。
安全性に問題があるオスプレイは飛行を再開しないように、飛行ルートの下にある自治体として、米軍と国に求めるべきではないでしょうか。市の見解を求めます。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) オスプレイの飛行につきましては、必要に応じて、国から米軍等に申入れがなされていると伺っております。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 先ほども申しましたように、この倉敷市というのは、横田基地と岩国基地を結ぶ線の下にあるわけです。度々オスプレイが目撃されています。本当にこれが落ちたら、どれだけの被害が及ぶか想像してみていただきたいと思います。しっかりと危険性について把握し、情報収集し、そして市民の命を守るという立場で、しっかり取組をしていただきたいと思います。
これまで議論してきたように安保3文書には、外交力、情報力、経済力、技術力を含めた国力を統合して結集した総合的な防衛体制を強化するとあります。抑止力論を基調にして、2027年度までに軍事費をGDPの2%にし、5年間で購入する装備品は総額43兆円に及びます。これは、医療、介護、福祉、教育や住民生活に必要な財政を大幅に圧迫します。住民が地方政治の主体であり、住民のために地方政治が行われるべきという団体自治、住民自治の立場で行政運営を行うことを強く求めて、次の項に移ります。
○議長(中島光浩君) 田辺 牧美議員、この際申し上げます。
質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時56分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 1時 開 議
○副議長(北畠克彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
10番 田辺 牧美議員、質問項目2番から再開してください。
◆10番(田辺牧美君) それでは、2項目め、マイナ保険証について6点お伺いいたします。
岸田内閣は、多くの医療・介護・福祉関係者や国民の声を無視して、強引に今年12月2日に保険証を廃止すると決定してしまいました。
そこで、1点目、本市の国民健康保険におけるマイナ保険証の登録者数と登録率をお教えください。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 令和5年11月現在、本市における国民健康保険の被保険者数は8万627人で、マイナ保険証の登録者数は4万7,684人となっており、登録率は59.1%でございます。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 次に、資格確認書発行の手続についてお尋ねいたします。
今お伺いしたように、マイナ保険証の登録をしていない方が多数おられ、その方も医療を受けることができるように資格確認書を発行するとの報道がされてきました。
保険証の有効期間が終了したとき、資格確認書はどのような方にどのような手続で発行されるのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 現行の保険証につきましては、令和6年7月下旬頃に、令和6年8月1日から令和7年7月31日までの1年間有効となるものを交付いたします。
有効期間終了後は、マイナンバーカードをお持ちでない方及びマイナンバーカードを健康保険証として利用する登録をしていない方に、医療機関などで受診する際の現行の保険証に代わる資格確認書を、申請によらず交付いたします。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 次に、保険証の有効期間終了時に発行される資格確認書の有効期間は何年になるのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 資格確認書の有効期間は、国の通知では最大5年とされておりますが、70歳以上75歳未満の前期高齢者の方は、前年度の所得に応じて負担割合が変更となる場合があることから、現在でも1年ごとに更新を行っていることを踏まえて、検討を行っているところでございます。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 次に、マイナ保険証登録解除の手続についてお尋ねいたします。
一旦、マイナ保険証登録をしたけれども、暗証番号や顔認証の点で不安があるなどの理由でマイナ保険証登録を解除したい場合は、どのような手続をしたらよいのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 現在は、マイナンバーカードを健康保険証として利用する登録を行うと、解除することはできませんが、国では、現行の保険証が廃止になることを踏まえ、登録が解除できるように準備を行っていると聞いております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 続いて、お尋ねいたします。現在、医療機関でマイナ保険証を利用しようとした場合に、顔認証がうまくできないとか負担割合が違うなどのトラブルが報告されています。
医療機関でのトラブルへの対応は何かあるのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 医療機関受診時に、顔認証ができない、または暗証番号を忘れて認証できない場合、国民健康保険の被保険者であれば、医療機関から国民健康保険課へお問合せいただければ、資格の内容をお答えいたします。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 続いて、お尋ねいたします。紙の保険証が廃止される12月2日以降に、国民健康保険資格取得時の事務作業はどのようになるのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 現行の保険証が廃止される12月2日以降に国民健康保険の資格を取得される方でマイナ保険証をお持ちでない方へは、資格確認書を窓口で即時発行することとなっております。
また、マイナ保険証をお持ちの方へは、御自身の記号番号などの被保険者資格を記載した資格情報のお知らせを窓口で即時発行いたします。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 紙の保険証を廃止しても、全ての被保険者に対して資格確認書または資格情報のお知らせを交付するのであれば、マイナ保険証の有無を一旦確認して、分けて発行する手間がかかるだけで、保険証を廃止する必要がないのではないでしょうか。国に保険証廃止の中止を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 保険証の廃止につきましては、国の法令により定められたところです。
本市といたしましては、被保険者の皆様が安心して必要な医療を受けられるよう、関係法令に従い対応してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) いずれにいたしましても、混乱のないようにしっかり手続等、お願いしたいと思います。
3項目め、公共施設について4点お伺いいたします。
まず、公共施設の役割は何なのか、お答えください。
○副議長(北畠克彦君) 杉岡企画財政局参与。
◎企画財政局参与(杉岡知裕君) 公共施設は、地方自治法第244条第1項に、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設と定められており、本市では、公共施設の設置に係る各条例において、それぞれ設置の目的や役割を定めております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 次に、本市が出している公共施設等総合管理計画の将来の更新費用の推計の考え方についてお尋ねいたします。
本市は、公共施設総合管理計画策定に当たり、公共施設の更新費用の推計を総務省提供のソフトを活用して試算しています。
総務省の基本的な考え方は、将来、生産年齢人口が減少するので、市税の収入の減少が懸念される。公共施設の総量適正化については、保有面積を維持するとした場合には市民1人当たりの投資額が増える。投資的経費を維持すると、全体の延べ床面積を縮減する必要があるとして、二者択一を迫るような考え方を取っています。しかし、生産年齢人口が減少しても生産性を向上させれば、税収は減少しません。また、1人当たりの投資的経費や全体の投資的経費も現在のレベルに固定化し、結局、延べ床面積の縮減に誘導しています。そして、国は公共施設等適正管理推進事業債で誘導しています。
この総務省の考え方に誘導されることなく、施設の延べ床面積を確保する必要のある施設はきちんと確保する。利用する人口が当面減少することがない、高齢者が使用する憩の家などは残すなど、施設の役割や住民の意見を十分に取り入れた形で、更新費用を推計していく必要があると考えますが、見解をお尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦君) 杉岡企画財政局参与。
◎企画財政局参与(杉岡知裕君) 本市では、倉敷市公共施設等総合管理計画を策定する際に、全ての公共施設につきまして、総務省から提供されたソフトを活用し、今後40年間の更新費用を試算したところ、全ての施設の建て替えや大規模改修の実施は困難であるとの結果となりました。
市としましては、総合管理計画における施設全体の管理に関する中・長期的な基本方針を踏まえて、令和4年3月に策定した倉敷市公共施設個別計画の方針に基づき、複合化や集約化などによる延べ床面積の縮減、施設総量の適正化に取り組んでいるところでございます。
また、計画的に改修を行うなど、長寿命化対策も併せて推進することで、公共施設の安全、適正な状態を維持してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 施設の種別、役割などいろいろ違いますので、一律に延べ床面積を縮減するなどという考えを取り入れることなく、今後も住民の意見をしっかり聞いていただきたいと思います。
次に、船穂公民館と船穂憩の家の複合化についてお尋ねいたします。
倉敷市公共施設個別計画では、船穂公民館と船穂憩の家の複合化が出され、これまで市の説明会が行われてきました。しかし、説明会では、先ほどの総務省の更新費用の考え方が紹介され、公民館と憩の家をそれぞれ更新すれば、市民1人当たりの負担が増えてしまうとして、複合化ありきと受け取られるような説明がされています。
船穂憩の家の利用者は、船穂公民館の予約が今でも取りにくいのに、複合化したら、これまでどおりの活動ができないのではないかと懸念されており、憩の家を利用している全12サークルが、憩の家の存続を求める要望書を提出されました。
船穂憩の家は、長寿命化による存続を求めますが、市の見解をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 船穂憩の家は建築から48年が経過し、老朽化が進んでおり、長寿命化は困難であることから、令和4年3月に策定した倉敷市公共施設個別計画では、船穂公民館との複合化を検討する方針となっております。
なお、複合化に当たっては、令和5年7月に船穂公民館と船穂憩の家の利用者との意見交換会を開催し、公共施設個別計画の策定の背景などを説明するとともに、複合化に対する御意見をいただきました。また、12月には、再度意見交換会を開催し、いただいた御意見を踏まえた整備方針や今後のスケジュール案を御説明したところでございます。
事業の推進に当たっては、両施設の利用状況などを考慮し、これまでの活動が継続できるよう検討を進めているところでございます。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 住民の方の不安が取り除かれるように、しっかりとコミュニケーションを図って、丁寧に進めていただきますように要望しておきます。
それでは、この項4点目、公共施設の使用料のあり方に関する基本方針についてお尋ねいたします。
12月の総務委員会で出された基本方針は、どのような内容なのでしょうか。お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 公共施設の使用料について、これまで企画財政局を中心とする使用料適正化検討会において検討を重ね、施設を利用する方と利用しない方との負担の不公平感や、同じ規模の会議室でも使用料に差があるなどの課題を把握したことから、明確かつ統一的な算定基準を定めた基本方針を策定したものでございます。
その中で、維持管理費などを算定の原価とし、施設の公共性や性質に応じて受益者負担を考慮した使用料の算定方法を定めております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) この方針の基本には、受益者負担の考え方があります。施設を利用している人と利用していない人とで公平性を欠く。公平性を確保するために、施設利用の対価として利用者に適正な負担を求めるとあります。しかし、公共施設は、住民の発達、福祉の増進を図り、基本的人権を保障するための施設であり、不当な差別的な扱いを受けずに住民誰もが利用でき、コミュニティーを形成する上で欠かせない住民の共同財産です。
市の負担割合と言っても元は市民の税金ですから、公共施設は、基本的には無料または極力安価な費用に抑えるべきです。年金収入のみで暮らす方も、健康で文化的な生活ができなければなりません。
公共施設の利用料に受益者負担の考えはそぐわず、導入すべきではないと考えますが、市の見解をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 公共施設を低廉な料金で提供し続け、施設の維持管理コストの大半を税金で賄うということは、ふだんこれらを利用しない市民も間接的に同等のコストを負担するということであり、施設を利用する方と利用しない方との負担の公平性を確保できないと考えております。
そのため、基本方針では施設利用の対価として、利用する方に応分の負担を求めていくこととしております。
なお、算定の結果、急激な料金の変動がある場合には、利用者の負担が大きくならないよう、激変緩和措置として上限を設けることとしております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 今後、公共施設の在り方を含めて、いろいろ住民の意見、そして議会等でも議論が必要かと思いますけれども、今、利用料の方針は市議会総務委員会に提出されたという形になっておりますが、実際に利用料が決定されていくスケジュールはどのようになっていくのでしょうか。お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 令和5年12月に公共施設の使用料のあり方に関する基本方針を定めたところであり、使用料の改定時期につきましては現在検討中ですが、改定時期が決定しましたら、その時期をお示しし、その後、条例改正を行うとともに、各施設において利用者の方々への周知を行っていくこととなります。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 今後、住民の意見や、また議会等での議論の場があると思いますので、公共施設の在り方について、再度、引き続き議論していきたいというふうに思っております。
それでは、4項目め、安全、安心の街づくりについて3点お伺いいたします。
まず、街灯設置についてです。
夜間における交通事故防止や安全なまちづくりのために、街灯の設置は重要です。しかし、街灯は、中学校の通学路か、事故防止のため重要な交差点か、町内会で設置する防犯灯しか制度がありません。町内会のないところなど、どの条件にも当てはまらないところは暗いままで一向に改善されません。本議会で、各会派の議員が何度も同様の質問をしてまいりました。
事故防止や防犯上必要な場合に街灯が設置できる新たな制度が必要と考えますが、市の見解をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 市が設置し維持管理する街灯として、夜間における交通事故の防止を目的とした道路照明灯と、生徒の犯罪被害の防止等を目的とした中学校通学路防犯灯があります。また、町を明るくする運動の一環として、地元が主体となり設置していただいている地域防犯灯があり、その設置に当たっては市の補助金制度を活用していただいております。
本市としましては、道路照明灯及び中学校通学路防犯灯について、警察や学校などの関係機関と連携を密にし、危険箇所の把握に努め、倉敷市道路照明施設設置基準に基づき整備を進めてまいります。
また、地域防犯灯については、自治会や地区の農業土木委員などに対し補助金制度を周知することで、設置の促進を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 今、特に新たなことはおっしゃいませんでした。
今の制度では、漏れるところがある、暗いまま残るところがあるということで質問させていただいているのですけれども、新たな制度をぜひともつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。再質問させていただきます。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 危険な箇所、暗い箇所につきましては、警察、学校などと協議し、把握しておき、また現場など現地調査も行いながら、設置については努めてまいりたいと思っております。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 今の御答弁で、特に新たな制度は設けないけれども、危険箇所については、それなりの対応の余地があるというふうな御答弁だったと理解させていただきました。引き続き安全、安心のまちづくりのための街灯設置に、ぜひとも力を入れていただきたいと思います。
次に、用水路の転落防止柵設置についてお尋ねいたします。
岡山県の用水路等転落事故対策ガイドラインに基づき抽出した、用水路への転落の危険性が高い約2,000か所への設置の進捗状況をお伺いいたします。また、まだまだ転落する危険性が高い用水路が見受けられますので、今後も転落防止柵の設置など、ハード対策を継続していただきたいと考えますが、市の方針をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 転落防止柵についてでございますけれども、倉敷市では、令和元年8月に岡山県の用水路等転落事故対策ガイドラインに基づいて抽出した危険性の高い約2,000か所につきまして、令和2年度より整備を進めているところでございます。優先度の高い箇所から、順次転落防止柵などの整備を進めているところでありまして、令和5年度末で約1,800か所の整備が完了する見込みとなっております。
この約2,000か所の整備完了を目指して、引き続き進めてまいりますとともに、警察、消防、教育委員会等からの情報提供や、また地域の方からの様々な、ここの箇所は危ないのでどうにかならないかとか、そういうことなども含めまして検討して、必要に応じて、今後も転落防止柵の設置、ハード整備につきまして実施していきたいと考えているところでございます。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 引き続きよろしくお願いいたします。
この項最後に、横断歩道の補修についてお伺いいたします。
市道の横断歩道が消えかけて見えにくい箇所が多々見受けられます。所管は公安委員会と承知しておりますけれども、市のほうから、事故防止のため横断歩道が見えるようにする補修を急いでいただきたいと、公安委員会に強く要望していただきたいと考えますが、市の御見解をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 横断歩道は公安委員会の所管であるため、市道の横断歩道で消えかけて見えにくい箇所につきましては、引き続き市から各警察署へ対応を依頼してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美君) 引き続き安全、安心の街づくりについて御尽力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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