録画中継

令和6年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月19日(水) 質問
新風くらしき
芦田 泰宏 議員
1 観光政策について
2 くらしき健康ポイント事業について
◆4番(芦田泰宏 君) (拍手) 新風くらしきの芦田 泰宏でございます。
 通告に従いまして、一問一答の方式にて質問させていただきます。
 まず最初の大項目、観光政策について6つの質問と1つの要望をしたいと思います。
 大阪・関西万博まで、今日から数えて、あと297日となりました。また、瀬戸内国際芸術祭2025は、開幕は大阪・関西万博の実に5日後だそうです。倉敷及び周辺の誘客上、またとないインパクトのあるイベントが重なり合う時期を迎えようとしているわけでして、国内外から大阪、あるいは瀬戸内海地域に多くの人が訪れることが期待されております。我々は今こそ、観光に対しては最大限の注意を払って、戦略的に取り組まなければならないのではないかと思います。そうした観点から質問させていただきます。
 まず1点目、民間のボランティアガイド活動に対する認識と支援についてです。
 非常に身近な話題なんですが、民間のボランティアガイド活動というのがございます。営利を目的としない、地元を愛する有志のメンバーで、地域を訪れる観光客の人に、無料あるいは僅かな料金でガイド活動を行う団体です。ガイドブックには載っていない話題、例えば、個別観光地の深い情報ですとか、あるいは地元の習慣、歴史や言い伝え、あるいは地勢に関わる話題などを説明する方たちで、当地を訪れる観光客の方の満足度の向上に、一定の役割を十分果たしているのではないかというふうに考えています。
 ところが、日本財団が2年に一度実施している観光ガイド団体調査というのがあるんですが、それによりますと、ガイドの組織の数は、平成25年度以降、横ばいから微減になっていると。また、ガイドの数も、平成29年度をピークに減少中です。令和5年度、最新の調査では、ガイドの平均年齢は68.1歳、半分以上の団体が5人から20人未満と小さくて、8割が法人格を持っていない。手作り感漂う運営になっているのかなと想像されるんですが、課題も多く抱えていまして、後継者の育成とか、あるいは活動の財源、特に詰所というか事務所の家賃等の負担が大変というふうに聞いておりまして、継続に向けて苦闘している姿が見てとれます。
 さて、ここで質問なんですが、本市では、こうした観光ガイドが果たす役割についてどのように考えておられますでしょうか。また、現状、どのような支援を行っているのか、お答えください。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 芦田 泰宏議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 現在倉敷市内では、倉敷、玉島、児島、真備の各地区で延べ6団体、約115名が、国内外からの観光客に向けたボランティアガイドとして活躍されております。
 ガイド活動は、日本語だけでなく、英語や中国語をはじめとした様々な言語で行われており、倉敷の歴史や町並み保存の取組など、各地区の観光スポットについて詳しく御説明いただくことで、倉敷の持つ魅力の発信に貢献していただいております。
 ボランティアガイド活動への支援といたしましては、倉敷観光コンベンションビューローからボランティア観光ガイド活動補助金として、年間で1団体につき30万円を上限に、ガイド事務所の家賃、制服代など、活動費用の一部を支援させていただいております。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 支援をもっと拡充してもいいと思っているぐらいです。引き続き、しっかりとしたサポートをよろしくお願いいたします。
 次の小項目に移ります。高梁川流域以外の自治体での観光広域連携についてお聞きしたいと思います。
 自治体がその枠を超えて、力を合わせてエリア全体に誘客をする広域連携、これは非常に重要だと考えております。複数の自治体で予算を持ち寄ってPRすると、より少ない費用で、より大きな効果が期待できると考えます。
 本市は連携中枢都市圏のリーダーとして、高梁川流域において観光連携しているということはよく認識しておりますが、それ以外の地域軸、あるいはテーマでの観光広域連携について、その実績と今後の計画についてお答えください。特に直島や、あるいは万博に来る人を誘導する仕組みが欲しいと考えております。いかがでしょうか。お答えください。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 倉敷市では、JRや高速道路でつながる県内外の他都市との観光連携を行っており、具体的には、倉敷市、岡山市で構成される「岡山・倉敷」観光推進協議会、倉敷市、福山市、尾道市、JR西日本で構成されるせとうち旅情実行委員会、倉敷市、鳴門市、琴平町で構成される瀬戸内三都市広域観光推進協議会などにおいて、広域でのスケールメリットを生かした情報発信や周遊ルートの開発などに取り組んでおります。
 本市では、国内外からの観光誘客を進めていくに当たっては、それぞれの都市の魅力をつなぐ広域連携は重要と考えており、今後も2025年に実施される大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭を見据え、新たな連携も視野に入れながら、観光誘客に努めてまいりたいと思っております。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 答弁の中で言及がありました鳴門、琴平、倉敷の瀬戸内三都市広域観光推進協議会の成果物の一つであるユーチューブの動画を拝見したんですね。これは2年前の開設ですが、チャンネル登録者数は26名、うち1名は私なんですけれど、4つ動画があるうち、倉敷を取り上げたプロモーション動画の視聴回数は215回ということで、うち2回は私なんですけれど、残念ながら、数としてはとどまっているということなので、効果が上がる、実効性のある施策をお願いいたします。
 広域連携は、私が議員になって最初の令和3年2月定例会でも質問させていただきました。岡山、香川の一部自治体にとっては、瀬戸内海といえば、狭い海峡地域の同一の海域を指すということです。具体的には、倉敷市、玉野市、あるいは高松市、坂出市、丸亀市の間にある備讃瀬戸海域ですね。みんなが瀬戸内海といっても同じ地域です。この地域が連携すれば、きっと大きな効果を生むと期待しての質問でした。今でも、その思いは変わりません。特に、同じ域内に直島というキラーコンテンツを抱える倉敷市ですので、これを生かさない手はないと考えています。また、万博開催の裾野の広い経済効果というのは、今さら言うまでもありませんので、関西地区の自治体と組む手もあると思います。先ほど御答弁の中に、新しい連携を視野に入れて検討していきたいというふうなお話がございました。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、インバウンド観光客の誘客について深掘りしたいと思います。
 議長のお許しを得て配付させていただきました資料がございます。資料No.04を見ていただけますでしょうか。
 1つ目の資料は、観光庁の外国人観光客の消費動向調査という統計から一部抜粋したものです。これは、岡山県に来る観光客の特徴を取り上げたものです。幾つか書いてございますが、入国する空港は、羽田、成田、そして大阪から来るのが、全体の4分の3ではあるんですが、大阪、高松、岡山で区切ったら50%ぐらいになるということですとか、観光客の方の国籍は、韓国、台湾、中国、香港で半分ですが、欧米と豪州でも3割弱はございます。
 それから、特筆すべきは、岡山県に来る方は、滞在日数7日以上の方が8割を超え、訪日が5回以上の方が半分以上を占めるということです。ここに研修や留学生の方も、実は含まれるということなんで、全体感もつかむために、後ろの括弧内に全国平均との比較を載せております。これで見ても、岡山県にはおのおのの特徴があるというふうに思われます。それから、会議やインセンティブ旅行、あるいは展示会、コンベンション、いわゆるMICE(マイス)相当の目的で見たら、岡山県は大きな伸び代があるということが分かります。
 次に、資料No.05を見てください。これは、リクルート社のじゃらんリサーチセンターが全国の観光地域づくり法人、いわゆるDMOと都道府県庁を対象に定期的に行っているアンケート調査の2024年版の結果を幾つかピックアップしたものです。
 どういう国籍の方を呼び込みたいと狙っているかというターゲット市場、これはどこも、台湾、あるいは豪州、米国になっている、この順に多い。2番と3番というのは、去年は入れ替わっていたらしいです。それからターゲットの選定理由は自地域の観光資源と相性がよいからとか、既にお得意様だからということなどになっています。全国各地で自分たちの持ち味を考えて、戦略的に注力ターゲットを決めている様子がうかがえます。ということで、外国人観光客の誘客に当たっては、本市を訪れる観光客の国籍や嗜好、旅の目的など広義の属性を分析して、誘客策を立てることが大事だと考えます。
 倉敷市を訪れる観光客をどういうふうな方たちと分析しているのか、またそれを押さえて、今後どのように誘客策を立てるのか、御答弁をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 令和5年の本市における外国人観光客の宿泊者数の状況から見ましたインバウンドの傾向ですけれども、コロナ禍前の令和元年の約8割まで回復してきているというふうに考えておりまして、国別の宿泊者数につきましては、台湾が一番多くて、その次がフランス、そして香港、アメリカというふうになっております。台湾や香港につきましては、岡山桃太郎空港、また近隣の県の空港との直行便もありまして、倉敷への訪問も多いため、今後も繰り返しの来訪が期待できるというふうに思っているところでございます。
 また、先ほどの国もしくは民間の旅行会社の調査とは少し、倉敷のほうは傾向も違うというふうに思っておりまして、その違う部分は、倉敷市では令和2年度から、倉敷の特色ある観光資源である日本遺産の歴史、文化、またジーンズなどを中心としまして、フランスとアメリカに重きを置いて情報発信を行ってきておりまして、その結果もあると思っておりますが、訪問数が前よりも増加しているというふうに思っております。またいろんな統計の中で、フランスとアメリカについては、1人当たりの観光客の方の観光消費額も、アジア圏等と比較して高い傾向にあるというふうに出ているものがあります。
 そこで、今後につきましても、岡山桃太郎空港との直行便があります台湾や韓国、また現在、岡山県が東南アジアの重点市場というふうに考えているタイ、そして倉敷市が令和2年度から特に力を入れてきております、これまでのいろいろなつながり、そして文化的なつながり等から見ましての、欧米圏ではフランス、アメリカなどに重きを置きながら、しっかりPRしていくことでの観光誘客を考えているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) しっかりとターゲットを選んでおられる様子は伝わりました。そうなんです。漠然と最大公約数のマスに向けて、こんな感じでどうですかと、来るか来ないは外国人次第ということでは効果がないのです。今、何といっても、全国の自治体が競い合っている状況だと思いますので、ぜひ競り負けぬように、引き続き戦略的に取り組んでいただけたらと思います。
 また、自治体がそこまでやる必要があるのかというふうにお思いになる向きがあるかもしれませんが、例えば、観光庁は、訪日マーケティング戦略というのを昨年6月にまとめて、国別に訪日客の非常に詳細な観光分析を行って、BtoB、BtoC別の打ち手を公表しています。国別にどうやるかというのをつくっています。国はこれを普通にやっているということです。
 来年は、言いましたように万博と瀬戸芸のグランドクロスということですので、最も力を入れて戦略的に動かなければならない自治体があるとすると、それは北海道でもなくて、鎌倉や箱根とかではなくて、福岡でもなくて、それは大阪及びその近隣の瀬戸内海だと思っていますので、打てる手は全て打っていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、外国人向けの観光PR動画についてお尋ねします。
 倉敷市では、外国人向けにプロモーション用の動画を制作してユーチューブにアップしております。幾つかあるようですが、例えば、Kurashiki City JAPANというチャンネルには各国語別の字幕がついた動画があって、長さも複数のバージョンがあって、全部で11の動画がアップされています。これを私も拝見したんですが、非常になかなかいい動画でございまして、外国人は興味を持つんじゃないかなと思います。ぜひ見ていただきたいと思うんですが、視聴回数は、こちらの動画は非常に多くて、10万単位となるものが幾つもあって、一番多いものは133万回を超えています。
 今議会で別の議員の方が、いわゆるネット上で人気を博すという意味でバズるというふうな表現をされましたが、まさにバズっているというふうな状況かと思います。よいイメージアップになるので、本当に制作、ありがとうございます。
 さて、この動画ですが、せっかくプロフェッショナルな良作なんですが、翻訳する言語によっては視聴数に大きなばらつきが生じております。先ほどの133万回視聴されているのは、実はタイ語版でして、一番少ない韓国語版というのは180回と、大きな開きがあるんですね。要因をどう分析しているのか。動画にたどり着くまでの到達経路というんですかね、トラフィックルートというんですか、に違いもあるでしょう。
 こうした動画別の開きの理由をどう分析して、またそれを踏まえて、今後の視聴回数を伸ばすためにどういう策を取るのか、御説明ください。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 倉敷市では令和2年度から、英語、フランス語、タイ語など、計7か国語に対応した外国人観光客向けの観光PR動画を制作し、ユーチューブにおいて発信しております。
 現時点で、全ての観光PR動画の総再生回数は320万回に上り、再生回数が多いのは、先ほど議員のほうから御指摘もありましたタイ語、台湾で公用とされている繁体字を用いた中国語、フランス語となっており、これは東アジアや欧米圏に対してユーチューブ広告を実施した効果によるものと認識しております。
 これまでも、倉敷の特色ある観光資源である歴史、文化やジーンズなどに関心の高いフランス、アメリカを核として情報発信などを行ってきており、昨年度は新たな取組として、外国人クリエーターの監修による動画を制作してユーチューブ広告を実施するとともに、視聴者がどんなコンテンツに興味を持っているかを調査いたしました。今年度は、昨年度の調査を踏まえ、両国の関心が高い観光コンテンツをSNSで発信し、動画の視聴回数の増加を図ることとしております。
 先ほど議員のほうから御質問のありました言語ごとの再生回数の差がなぜ出るのか、こういった分析につきましては、引き続き行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 現状を分析いただいて、綿密に戦術を練っていただいているという様子は伝わりました。引き続きよろしくお願いします。
 続いての小項目に移ります。美観地区オーバーツーリズムへの備えということでお聞きいたします。
 最近、オーバーツーリズムについては、いろいろメディアで報道されることが増えております。観光客の集中による過度な混雑ですとか、マナー違反による地域生活への影響、またそこから来る観光客の満足度が下がってくることに対する心配です。これは全国的に問題となっています。
 本市最大の観光地である美観地区においても、幸い、まだそこまで問題は報告されておりませんが、これから日本人観光客も増えてくる夏休みや、あるいは秋の観光シーズンに向けて、早晩、問題が顕在化する可能性もあると考えています。
 本市では、こうしたオーバーツーリズムに対してこれからどのように備えようとしているのか、お答えください。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 国内外の観光需要が急速に回復し、多くの観光地がにぎわいを取り戻している中で、全国的にはオーバーツーリズムによる交通渋滞、騒音、旅行者のマナー違反などによる地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念も生じてきており、国におきましても令和5年10月に、観光立国推進閣僚会議でオーバーツーリズムの未然防止、抑制に向けた対策パッケージを決定し、対策を強化しているところでございます。
 倉敷市では、いまだオーバーツーリズムが深刻な問題とはなっていないと認識しておりますけれども、混雑が予想される観光イベントを閑散期に移行しての開催、イベント実施期間の延長、倉敷市公式観光アプリ倉敷ファンクラブで、観光スポットや周辺エリアの混雑状況を表示するなど、観光需要の分散化を図っているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) しっかりと備えていただけたらと思います。
 次の小項目に移ります。美観地区バス専用駐車場の営業時間の問題の、その後の状況についてです。
 私は、令和4年12月の議会で夜間観光というテーマで、まず美観地区の観光バス専用駐車場の営業時間の延長、それから鷲羽山スカイラインの駐車場の環境改善の2点について質問させていただきました。スカイラインの駐車場については、質問した日から日を置かずに、所管部署の皆さんで直営で現地の清掃活動をしていただきました。少し前の話になりますが、迅速に行動いただきまして、本当にありがとうございました。放っておくと、また汚れてきますので、引き続き清潔な環境の維持に努めていただけたらと思います。
 一方で、午後5時30分に営業を終了してしまうバス専用駐車場の営業時間延長問題について、現状はどうなっておりますでしょうか。当時の答弁では、検討の必要は認めるも、人員の補充や照明の整備、近隣住民との合意形成などの課題があるということで、まずはニーズの調査をするということでした。
 その後の美観地区バス専用駐車場問題の進捗状況についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) バス専用駐車場の利用ニーズにつきまして、令和5年3月に、バス会社、旅行会社など延べ80社を対象として、駐車場の利用時間に関するアンケートを行いました。
 現在、駐車場への入出庫は午後5時30分までですが、アンケート結果では、年間を通じて営業時間の延長を望む意見が多く、約7割の回答が午後7時まで利用する可能性が高いという結果でございました。
 営業時間の延長につきましては、近隣の住民や事業者との調整も必要であり、今後考えてまいります。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 午後7時までの利用のニーズが確認できたというふうな御答弁だったと思います。最後、今後考えてまいりますということでしたが、前と大きな進歩、もう少し進んでいただけたらなと思いました。前向きな検討をぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、この項最後に、要望がございます。美観地区宿泊の魅力と良質なバー文化の紹介をというテーマです。
 私には、欧米からの富裕層向けにガイドをしている友人がおりまして、彼によりますと、美観地区は富裕層の宿泊場所として最適な場所であるというんですね。PRの仕方によっては、こちらから宿泊してくださいと言わなくとも、向こうのほうから、欧米富裕層の方から泊まりたいと訪れる人気の宿泊地となる可能性を秘めているというんです。
 旅慣れた外国人は、物見遊山よりも、体験や地元の人々の暮らしぶりとの触れ合いを重んじます。例えば、岡山県に来れば、昼間は備前焼の陶芸体験をしたり、瀬戸内海の島巡りや、あるいは漁業体験をするとか、そういうものを好むそうです。
 そこで、その夜を、例えば、岡山市内の一般的なホテルに宿泊するのでは物足りないと思う人もいるのではないかと。そこで注目されるのが、美観地区なんですね。美観地区の重要な価値の一つは、伝統的な町並みの中に現在も人々の暮らしが息づいていることだというふうに考えています。それこそ、オーバーツーリズムを嫌う旅慣れた外国人、まさに岡山県を訪れる方のプロファイルと一致するかもしれません。そういった人たちが求める日本本来の魅力を残した場所と言えます。
 昼間の町並み観光ももちろんいいんですが、例えば、夕刻から夜にかけて刻々と変化する町の様子、一部でマジックアワーなどという言葉もありますが、そして夜明けから町が徐々に動き出していく様子、朝、戸を開けて、通りに人が出たり入ったりし始めるとか、ウオーキングをする人がいたり、あるいは倉敷市内の陸上の強豪校のランニングコースになっているというふうにも聞いています。今住んでいる人たちの息吹が感じられる場所だと思います。
 これらをしっかり感じてもらうには、そこに宿泊して、たたずんでもらうのが一番なんですが、幸いなことに美観地区には、伝統高級旅館や町家を改装して宿泊できる施設が豊富に存在します。ということで、美観地区内に宿泊する魅力のPRに一層力を入れてほしいと思うんです。昼間も体験型、夜も体験型というふうな濃密な岡山・倉敷体験というか、岡山・倉敷時間が提供できるのではないかと思います。
 私の地元は沿岸部ですので、もちろん海を見に来た方には瀬戸内海沿いに泊まってほしいんですが、美観地区が宿泊のハブとして飛躍するのはもちろんいいことで、暮らしと融合した古い町の魅力をしっかり伝えられれば、次はこちらにということで玉島や下津井にも案内しやすいわけです。
 また、倉敷駅周辺には、特に南東エリアに静かで良質なバーが集まっているというのが、知る人ぞ知る倉敷の特徴になっています。一流のバーテンダーさんも何人もいると聞いておりまして、洋酒を静かに楽しむ文化が存在します。訪問地でバーを巡るというのはバーホッピングと言われて、既に外国人の旅行の楽しみ方の一つになっていまして、日本でも東京、大阪など都市部では、人気コンテンツの一つとなっています。外国人が来ても会話は、基本的なものはスマホで翻訳できるということですね。
 そこで、これは日本人相手でもいいんですが、倉敷のPRに、充実したバーのインフラを紹介するというのを含めてはどうかと思うんです。例えば、倉敷観光WEBの中にそういったコーナーを設けるとか、方法は幾らでもあると思います。ただ、注意しなければならないのは、夜に飲んで騒ぐ人を呼び込んではいけないということですので、あくまでもアピールの仕方は、一日の疲れを癒やす静かな場所が豊富にありますよというふうなものでなければならないと思っています。そうすれば、倉敷の夜の魅力の向上に一役買うのではないかと思っております。宿泊する理由にもなります。ぜひPRいただけたらと思い、提案し、要望させていただきます。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員、この際申し上げます。
 質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は11時15分からの予定です。

            午前11時 1分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午前11時15分  開 議

○議長(中島光浩 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 4番 芦田 泰宏議員、質問項目2番から質問を再開してください。
◆4番(芦田泰宏 君) 続いては、2番目の大項目に移ります。くらしき健康ポイント事業についてお聞きいたします。
 本議会の補正予算には、くらしき健康ポイント事業のアプリ更新に関わる予算ということで1,411万円が計上されております。健康ポイント事業は、健康にプラスになる行動や活動に対してポイントを付与して、市から何らかの特典を与える事業ですけれども、市民の健康を維持する上でも、ひいては医療費抑制の観点でも、いい政策であると考えております。
 5月に、保健福祉委員会の派遣調査で山形市の健康ポイント事業を視察してまいりました。この事業に関する知見を深めたところでもありますので、引き合いに出しながら質問させていただきます。
 まず最初は、本市における現行のポイント事業の狙いと概要について御説明ください。
○議長(中島光浩 君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦 君) くらしき健康ポイント事業は、幅広い年齢層の多くの市民が、楽しみながらウオーキングなどの健康行動に取り組むことで、健康寿命の延伸につながることを目指して実施しているものです。
 スマートフォンなどを活用し、健診の受診や健康づくりに関するイベント参加で加算されるポイントや、歩数に応じたポイントをためることができます。そのたまったポイントで、市内の協賛店で割引等の特典が受けられたり、抽せん会に参加し、景品がもらえる仕組みとなっております。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 次に、現行アプリの登録者数と課題についてお聞きいたします。
 御説明があったとおり、本市の現行のポイント事業は、スマホのアプリでの使用をメインに設計されているということですが、私も山形市の視察の際に倉敷市のアプリ、これはくら★ポンというそうですけれども、ダウンロードしました。私はiPhone(アイフォーン)ですので、そのときにApp Store(アップストア)で見たんですが、5点満点のレーティングが、幾らとは言いませんけれども、あまり芳しい評価にはなっておりません。
 現在のくらしき健康ポイントアプリを、何人が登録していて、どういう課題があるのか、御説明をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦 君) くらしき健康ポイントアプリは、平成31年2月から運用を開始し、令和5年度末時点で5,193人の方に登録していただいております。
 現行の健康ポイントアプリは、スマートフォンの機種によっては、正しく歩数が計測されないなどの不具合が発生しており、また同様の最新のアプリと比較して、操作性に劣るとの声もいただいております。こうしたことが、現行の健康ポイントアプリの課題と認識しております。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 登録者数は約5,200人程度ということですけれども、私もウオーキングの歩数ランキングにエントリーしているんですが、エントリーしている方の数は700人ぐらいということで、少し歩くとすぐに上位になるので、アクティブユーザーの方は、必ずしも多くないのかなということを示唆しております。
 山形市は、本市の約半数の人口ですが、登録者数は1万4,000人を超えているということで、登録者数の増加率が年々上がっているとのことでした。
 動作がよくない、歩数がうまく反映されないということですけれども、今回の予算でしっかりとした改善をよろしくお願いいたします。
 それでは、この課題を受けてその改善をどういうふうにやっていくのか、それから市民の健康維持にどうつなげていくのか、今後のアプリの方向性について、御説明をよろしくお願いします。
○議長(中島光浩 君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦 君) 健康ポイントアプリは、運動を始めるきっかけや、楽しみながらの健康づくりに役立つものと認識しております。
 今回の補正予算で見直しを考えているくらしき健康ポイントアプリにつきましては、より多くの市民の方に利用していただくため、操作性やデザイン性に優れたものとし、ためたポイントで交換する景品につきましても、動機づけにつながる工夫をしていきたいと考えております。
 また、倉敷市公式アプリとも連携させ、くらしき健康ポイントアプリの利用を呼びかけるなど、様々な手法を用いて積極的な啓発にも取り組んでまいります。
○議長(中島光浩 君) 芦田 泰宏議員。
◆4番(芦田泰宏 君) 健康につながる活動の動機づけにつながるというふうなお話で御説明いただきました。また、これはデジタル田園都市国家構想交付金を活用して行われる事業で、倉敷市公式アプリとも連携させるということで、いい流れではないかと思っております。引き続きよろしくお願いします。
 視察で訪れた山形市ですが、アプリのつくり込みもさることながら、ポイント事業を市民に周知、浸透させる努力が際立っておりました。町内会のイベント参加でポイントがついたり、これは外出を促すという目的だと思いますが、地元のプロサッカーチームの試合観戦でもポイントがついたり、また市民のみならず市内にある事業所の従業員も市民ではなくても登録できたり、職場や地域で話題となる、口コミで広がることを期待しているというふうなことで、あるいは徹底したメディア戦略、具体的には、市の公式SNSのフル動員はもちろんですが、市長会見や市報、また新聞、ラジオでの取上げを依頼して、丹念かつ粘り強くアプリの普及が行われているということで、登録者数が人口の5%に達するまでになっています。本市でもこの改善されるアプリをリリースすることで終わるのではなくて、少しでも多くの市民の方に浸透していくように、継続的に使ってもらう努力を続けてほしいと思います。
 以上で私からの質問を終了したいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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