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令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会) 9月10日(火) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月10日(火) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田辺 牧美 議員
1 災害対策について
2 市民生活改善について
3 障がい者の生活保障について
◆12番(田辺牧美 君) (拍手) 皆さんこんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の田辺 牧美です。
質問通告に従い、3項目お尋ねいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1項目め、災害対策について4点お伺いいたします。
1点目、事前避難所についてです。
先日の台風10号は、全国各地に甚大な被害を及ぼしました。亡くなられた皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
本市では、台風10号の接近時に、まだ台風の影響を受ける前から事前避難所を開設しました。事前避難所を利用した知人から、台風の接近で不安だったが、避難所を利用してよかった。心強かった。職員の方の対応もスキルアップしていて、もし避難者の名簿の公開を求められたときには公開してもよいかと尋ねられたり、消灯時間のことなどきめ細かく対応してくださったと、大変感謝されていました。
そこで、今回事前避難所を開設するようになった経過と利用状況についてお伺いする予定でしたけれども、昨日同様の質問がありましたので、このことについての御答弁は結構でございます。
また、今後もこのような事前避難所を開設するのであれば、どのような基準で開設するのでしょうか。学校が休校でない場合もあるかもしれません。事前避難所の開設基準についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 田辺 牧美議員さんの質問にお答えさせていただきます。
このたびの台風10号は、近年まれに見る大型台風と言われ、予想進路も複雑な経路をたどったことから、本市においても被害が発生するおそれがあり、自主避難を検討する方に向けて事前避難所の開設を行ったものでございます。
事前避難所としての開設基準の明確なものは設けてございませんが、今後も災害のおそれ、状況に応じて開設の検討を行ってまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 次に、事前避難所開設の周知方法についてお尋ねいたします。
今回開設した事前避難所については、避難情報発令前でしたので、緊急速報メールやテレビ、FMラジオ、屋外拡声塔などを利用した周知は行われませんでした。
先ほどの知人には、電話で避難所開設を伝えました。夕方、別の高齢御夫妻とお話をしていますと、全く事前避難所開設は知らなかったと言われました。
今回、事前避難所開設については、どのように住民の皆様に周知されたのでしょうか。また、今後同様のケースがあった場合、どのように周知していくのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 台風10号対応における事前避難所開設の周知に当たっては、このたびは避難情報の発令を伴わなかったため、緊急告知FMラジオへの割り込み放送などは行っておりませんが、報道機関への情報提供を行うとともに、市のホームページ、倉敷防災ポータル、倉敷市公式アプリ、SNSなどで発信したほか、あらかじめ市に登録いただいている防災士の方や自主防災組織の代表の方につきまして、携帯電話のショートメッセージにより、地域の方への呼びかけをお願いしたところです。
今後も引き続き丁寧な情報発信に努めてまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 2点目、災害情報伝達手段についてお尋ねいたします。
先ほどの高齢御夫妻のうち、お一人はスマートフォンを持たれていましたので、倉敷市公式アプリの登録をお勧めしたのですけれども、通話以外はほとんど使わないからと断られてしまいました。
最近は、何でもスマートフォンを通じて情報伝達する傾向にありますが、そもそもスマートフォンを持たない方、持っていても通話しかしていない方、経済的困窮等で利用が止まっている方などは一定数おられます。情報弱者は、往々にして災害弱者になりやすいと考えます。
スマートフォンを利用していない方への防災情報の伝達手段をどのように確保していくのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 本市における緊急情報は、テレビ、ラジオのほか、広報車、自主防災組織による伝達、緊急速報メール、市のホームページ、倉敷防災ポータル、倉敷市公式アプリ、SNSなど、複数の手段を用いて伝達しているところです。
スマートフォンがなくても、これらのテレビ、ラジオなど、緊急情報を入手できるものも複数ございますので、今回のように台風が接近した場合には、早めに情報の入手に努めていただきたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 今、いろいろな手段というふうに言われましたけれども、それでも、やはり情報が届かないという方は一定数おられる。最後まで情報をどう届けるのか、これにこだわる必要があると思っています。
次に、屋外拡声塔の存続を求めてお尋ねいたします。
本市には、355か所に屋外拡声塔が設置されています。緊急時には避難情報などが放送されますが、聞き取りづらいという苦情も多く、機器の更新費用の面からも、令和7年度末をもって廃止されることとなっています。
しかし、聞き取りづらい場合でも、何か言っているということが分かれば、別の手段で知ろうとしますし、またサイレンも鳴らすことができます。スマートフォンを持っていない方にも、情報は届きます。市内355か所の屋外拡声塔で伝達していた情報がなくなった場合、今まで情報が得られていたエリアの市民が、全て代わりの手段を持ち切れていないのが現実です。
スマートフォンを持たない、持てない市民への緊急情報を提供することが可能な屋外拡声塔の存続を強く求めますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 近年、屋外拡声塔からの放送は、住宅の遮音性が向上したことで、特に暴風雨などの悪天候の際は、放送が聞き取りにくくなっております。
また、緊急情報の入手手段が多様化されたことに加え、現在の拡声塔は設置から17年が経過し、不具合が多く発生するなど、今後維持していくことが困難な状況となっているため、令和7年度末をもって廃止することとしております。
そのため、代替措置といたしまして、スマートフォンを持っていない方などに緊急情報を届けることができるよう、緊急告知FMラジオの購入補助を令和5年度から行っておりまして、令和5年度はスマートフォンを持っていない高齢者の方や避難行動要支援者の方、そして令和6年度は高齢者の方以外にも対象を拡大したところでございます。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 先ほども申しましたように、やはり最後まで情報をどのように届けるのか、これは市も含めて、また地域も含めて、最後までこだわり続けたいというふうに思っております。
この項3点目、災害時における支所機能の維持についてお伺いいたします。
まず、災害時の支所機能についてです。
災害時には、災害対策本部を設置して災害対応に当たられるわけですけれども、その際、本部と連携して、各支所ではどのような体制で、どのような対応を行うのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 本市域に災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合において、防災の推進を図るため必要があると認める場合は、倉敷市災害対策本部を設置することとしております。
その際、各支所では、それぞれ地区本部といたしまして、関係機関との連絡調整や職員の活動支援、被災情報の収集、避難所の開設準備や運営調整など、災害対策本部に準じた対応を行うこととしております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 大変、支所機能も重要だということがよく分かりました。
次に、平成30年7月豪雨災害時の真備支所についてお伺いいたします。
平成30年7月豪雨災害時には、小田川が決壊し、真備支所も浸水しました。停電し、やがて孤立してしまいました。
そこでお伺いいたします。当時、真備支所がどのような状態になり支所機能を失ってしまったのか、そのときの経過についてお聞かせください。また、その教訓を災害対応にどのように生かしているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 平成30年7月豪雨では、真備支所は真備地区本部として、現場パトロールなど情報収集し、災害対策本部と連携していましたが、支所への浸水、停電により地区内の状況を確認できなくなりまして、地区本部として災害対策本部へ速やかに情報を届けることができなくなりました。
このことから、現在は、当時1階にありました支所長室、市民課庶務係、建設課、産業課を2階に配置いたしまして、地区本部の指揮、庁舎管理、応急復旧など、地区本部としての機能を維持できる体制としております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 各支所機能を災害時に維持する上で、とりわけ電源や通信機能の確保が重要と考えますが、各支所ではどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 電源につきましては、児島・水島・玉島・真備支所には非常用発電のための自家発電設備を設置しております。これらの自家発電設備は庁舎の2階以上に設置しており、1階部分が浸水した場合も、電力の確保が可能となっております。
通信機能につきましては、全ての支所に衛星携帯電話と災害時優先電話を設置しております。これらを活用することで、大規模災害における通信基地局の被害や、通信の集中により電話やインターネットがつながりにくくなることがあっても、通信を確保できるものと考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 電源や通信機能の確保というのが、今確認できました。各支所の機能を災害時に継続して果たせるように、引き続きよろしくお願いいたします。
この項4点目、休日、夜間の災害に関する市への通報についてお伺いいたします。
災害は、24時間365日いつ起こるか分かりません。市役所が閉まっているときでも起こり得ます。
休日、夜間に災害が発生した場合は、どのような手段で市に通報したらよいのでしょうか。風水害や地震などの災害の場合と、市道や水路などへの倒木などの軽微な災害の場合と、分けてお答えください。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 風水害や地震などの災害時には職員を配置しまして、市民からの連絡への対応を行っているところでございます。
また、平常時には、8時から21時までは倉敷市コールセンター、それ以外の時間帯につきましては本庁や支所の宿直室へ連絡いただくことで、担当部署の職員に連絡が入る仕組みとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 市民の命を守る災害対応や情報提供を、これからもしっかり行っていただきますようお願いいたしまして、次の項目に移ります。
2項目め、市民生活改善について3点お伺いいたします。
1点目、国民年金給付額改定に伴う介護保険料についてお伺いいたします。
国民年金保険料を40年間納めた方の老齢基礎年金満額は、令和5年度は月額6万6,250円で、年額79万5,000円でしたが、令和6年度は2.7%引き上げられ、月額6万8,000円、年額81万6,000円となりました。
僅かでも、年金額が引き上げられたのはよいことなのですが、介護保険料の算定をする場合、今年1月から12月の年金額は81万750円となり、介護保険料の段階を区分する第1段階基準額80万円を僅かに超えて、第2段階となります。介護保険料は、年額2万2,060円から3万2,900円となります。年金が年額1万5,750円増えても、介護保険料が1万840円増えたのでは、ほとんど介護保険料に消えてしまいます。
年金額の改定という、本人の意思とは全く関係のない変動で、結局は介護保険料に消えていくのは、あまりにも不合理ではないでしょうか。特に、市町村民税非課税の方などが該当する保険料段階について区分する基準額を、今年度は80万円を超えたことに合わせて改定し、保険料の負担を軽減することはできないのでしょうか。また、救済制度はないのか、お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 本市の65歳以上の方の介護保険料につきましては、その方の収入の状況や、本人及び世帯の市町村民税課税状況などにより、15段階に区分されております。
そのうち、市町村民税非課税の方が該当する第1から第5段階につきましては、政令により基準が定められているため、本市において、独自に保険料段階を区分する基準額を変更することはできません。
なお、第2または第3段階に該当し、生活に困窮されている方で収入などの一定の要件を満たす場合には、申請により保険料を軽減する本市独自の制度がございます。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 政令によって決まっているという御答弁でございました。
80万円の壁について言いますと、年金額の満額が、過去10数年間一度も80万円を超えたことはありません。今年度、初めて80万円を超えました。長年、80万円未満だったことから、80万円が第1段階の基準額として線引きされてきたのではないでしょうか。また、年金額改定の影響ということで言えば、年金額が僅かに増えたために、生活保護基準から外れて、以前より負担が増えたという方もいました。年金額の改定に合わせて算定基準額も改定して、市民生活を守ることを国へ要望することも含めて、ぜひ検討していただきたい。このことを要望して、次に進みたいと思います。
この項2点目、物価高騰対策についてお伺いいたします。
8月29日、岡山県は令和6年7月分消費者物価指数を発表しました。2020年、令和2年を100として107.9となり、前月に比べて0.6ポイント上昇、前年同月比は2.4ポイント上昇となっています。前年と比べて、住居、教育の項目は横ばい、それ以外の分類項目は全て上昇です。定額4万円の減税はあっても、一部大企業を除いては、物価上昇に賃上げがついていっていないのが現状です。
非課税世帯には、この間、給付金はありましたが、課税世帯も含めて、給付金支給の要望はどこでも聞かれます。課税世帯も含めた給付金支給の検討をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 給付金の支給につきましては、昨年度より引き続き、低所得者支援として非課税世帯等への給付を行っていることと併せ、令和6年度には定額減税が実施されており、減税し切れない方に対しては補足する給付も行っています。
また、国による燃料油価格の高騰対策として、令和6年4月末までとしていた石油元売等への補助を年内までに延長し、電気、ガスについても令和6年5月末で終了していたものを、8月から10月までの間再開しています。
そして、9月3日には、予備費から電気、ガス、ガソリン等の燃料油を対象とした補助の追加財源を支出することが閣議決定されております。こうした対策により、市民の可処分所得は増加すると考えております。
広く市民を対象に給付金を支給することにつきましては、多額の経費を要することから、市単独での実施は困難であると考えておりますので、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) いろいろな分野を決めての減税、それからまた物価高騰対策というのはありますけれども、何にでも使える給付金というのは、やはり強い要望がございます。本市のみで物価高騰対策を行うには、限界があるということも理解できます。
国に対して、あらゆる機会を通じて、給付金の支給など物価高騰対策を講じるよう求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 市民生活に大きな影響を与えている物価高騰につきましては、全国市長会や中核市市長会をはじめ、8月に開催した地元選出国会議員との市政懇談会におきましても、原油高・物価高騰対策を、引き続き強力に推進することを国に要望しております。
今後も社会情勢を見ながら、様々な機会を捉えて要望を行ってまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) ぜひとも、あらゆる機会を通じて国に要請していただきたいというふうに思います。
この項3点目、マイナ保険証についてお伺いいたします。
まず、マイナ保険証に関する広報についてです。
政府は、今年12月2日以降は、現行の紙の被保険者証の新規発行をやめることを強引に決めてしまいました。医療機関や調剤薬局に行けば、マイナ保険証をお持ちですかと聞かれ、政府の大宣伝もあり、マイナ保険証を持っていなければ医療機関を受診できないのではないかと、不安に思われている方がたくさんおられます。
しかし、マイナンバーカード取得も、被保険者証として登録することも、あくまで任意であり、マイナ保険証を持っていない方には、今の紙の被保険者証の有効期限が切れるまでには資格確認書が発行され、医療機関の受診や調剤薬局で薬をもらうことができます。マイナンバーカードを持たないことも、被保険者証登録をしないことも、選択できることをきちんと広報していただきたいと思います。国民健康保険証や後期高齢者医療の保険証の送付時にリーフレットが送られていますが、それでもたくさんの方から質問されます。
また、一度被保険者証として登録しても、10月以降解除できるようになる予定であることは、ほとんど知られていません。
マイナ保険証に関する12月2日以降の対応について、市民が理解して選択できるように、市の広報紙を使って周知していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 本年12月2日から、先ほど議員がおっしゃいましたとおり、現行の被保険者証は廃止されますが、それまでに発行しております被保険者証につきましては、原則として、来年7月末日まで利用可能となっております。
被保険者証廃止後の取扱いにつきましては、本年7月の被保険者証の更新に合わせまして、全被保険者の方にチラシを同封して送付し、周知を図っております。
今後も、ホームページや広報紙などを活用して周知に努め、被保険者の方が安心して医療機関を受診できるよう対応してまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 広報紙も使ってという御答弁もあったと思います。ぜひとも分かりやすい記載をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、紙の保険証も選択できるよう、存続を国に求めていただきたいとの趣旨で質問いたします。
紙の保険証が廃止されると聞いて不安に感じている人も多く、また現在マイナ保険証を持っていても医療機関で使用している人は、まだ11%を超えた程度です。
令和6年7月3日開催の厚生労働省保険局第180回社会保障審議会医療保険部会の資料2、マイナ保険証の利用促進等についてには、医療機関等におけるマイナ保険証の利用等に生じる主な事象や課題への対応策が掲載されています。
顔認証つきカードリーダーが起動しない。顔認証できない。電子証明書の有効期限が切れるとマイナ保険証として使えなくなる。別人とのひもづけ誤りの報道で不安を感じる。暗証番号を忘れる。カードリーダーが1台しかなく待合室が混雑するなどの問題点が列挙され、対応策や対応進捗状況が記載されていますが、検討中のものもあり、完全に問題が解消されていないことが読み取れます。
マイナ保険証は、必要な医療情報を独自に持っている医療機関にとって何のメリットもなく、患者にとっては受付が混雑するし、マイナ保険証を落としたり、なくしたりしたら困る。5年ごとの更新も大変という意見も多い中、どうして、ここまで税金も人も投入して、マイナ保険証利用促進をするのでしょうか。
第181回社会保障審議会医療保険部会資料、医療DXのさらなる推進についてには、全国の介護情報も含めた全国医療情報プラットフォームのイメージ図があります。医療情報という機微な個人情報を、全国一元化して管理し、利用する図が描かれています。そして、民間のヘルスサービス等への2次利用も含まれています。
国主導で一方的に進められる医療DX化には、大変不安を感じます。また、医療機関や介護現場では、診療や介護業務が煩雑になり、紙の保険証を残してほしいとの要望は根強くあります。
医療機関や介護現場、患者、国民に負担をかけるのではなく、紙の保険証も残して選択できるよう、国に求めていただきたいと思いますが、市の見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 紙の被保険者証が廃止された以降も、マイナ保険証を保有していない方に対しては、紙仕様の資格確認書を申請によらず交付することとしており、これまでの被保険者証と変わらず、医療機関でお使いいただくことができるようになっております。
今後も、被保険者の方が安心して医療機関を受診できるよう、適切に対応してまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 紙の保険証を残してほしいという要望が根強くあるということも、ぜひとも理解していただきたいと思います。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員、この際申し上げます。
質問の途中でありますが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時57分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 1時 開 議
○副議長(北畠克彦 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
12番 田辺 牧美議員、質問項目3番から質問を再開してください。
◆12番(田辺牧美 君) 3項目め、障がい者の生活保障について2点お伺いいたします。
1点目、精神障がい者の医療助成制度についてお伺いいたします。
まず、本市の精神障がい者に対する医療助成制度の内容はどのようになっているでしょうか。お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦 君) 現在、本市の精神障がい者に対する医療費の助成としては、国の自立支援医療制度が利用でき、精神疾患の治療で必要な通院に係る医療費の自己負担割合が1割に軽減されています。
この制度では、課税状況や疾病の種類等に応じて、1か月当たりの負担の上限額が2,500円から2万円に設定されており、さらなる負担軽減が図られています。例えば、市民税非課税世帯で本人収入が年間80万円以下の場合、月額2,500円。症状が重篤かつ継続に該当する市民税課税世帯で市民税の所得割が3万3,000円未満の世帯では、月額5,000円などとなっています。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 精神障がい者の皆様は、精神疾患以外の医療は、負担限度額はあるものの、自己負担が発生しています。
精神障がい者は、治療を受けながら可能な範囲で仕事もしようと努力されていますが、体調を一旦崩すと一定期間休まなければならず、一般就労は困難な方も多いのが現状です。体調が悪いときには、就労どころか、食事の支度や家事をすることさえ困難になります。通院には、医療費に加え交通費もかさみます。収入が少ないのに医療費が家計を圧迫する状況は、障害年金をもらっていても、生活が苦しいことに変わりはありません。
精神障がい者が安心して暮らせるよう、重度心身障がい者医療費助成制度の対象に精神障がい者をぜひ加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 本市の重度心身障がい者医療費助成制度は、岡山県の制度である心身障害者医療費公費負担制度に基づき、身体障がい者手帳1・2級、療育手帳Aをお持ちの方などを対象に実施しております。
本制度の対象に精神障がい者を加えることにつきましては、倉敷市議会におきまして、令和元年と令和2年に、県への意見書の提出を求める請願が採択され、県に意見書を提出していただいているところであり、本市としましても、これまで岡山県市長会を通じて要望しているところでございます。
そうした中、県は令和6年4月策定の第9次岡山県保健医療計画の中で、現行の制度の対象者に精神障がい者を新たに加えることとし、本年7月には、来年度から精神障がい者を重度心身障がい者医療費助成制度の対象者に加えるとの案が示されたところでございます。
県は、具体的な制度の詳細につきましては、市町村の意見を聞きながら、引き続き検討することとしているところでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 本市の姿勢として、重度心身障がい者医療費助成制度の対象に精神障がい者を加えるという姿勢をしっかり貫いていただきたい。このことを強く要望しておきます。
この項2点目、障がい者就労継続支援A型事業所への支援について質問いたします。
まず、経営改善への支援の強化についてお伺いいたします。
今年4月の令和6年度サービス報酬改定では、生産活動で利用者に賃金を支払うことができない事業所は、生産活動の評価が減点されることになりました。これにより事業が続けられなくなり、事業所を廃止したり、B型事業所やA・B型事業所に転換するところが出てきています。
7月26日の保健福祉委員会では、倉敷市内26のA型事業所のうち、12事業所が赤字であること。そのうち、1事業所は廃止、2事業所がA型からB型への転換、1事業所がA・B型への転換の届出がされたことが報告されました。その後も、廃止する事業所が発生しております。
先ほども藪田議員から紹介がありましたけれども、8月20日に倉敷市議会保健福祉委員会で市民意見交換会を開催し、4つの障がい者就労継続支援A型事業所の方からお話をお伺いいたしました。
どの事業所の方も真面目に運営されていましたけれども、なかなか収益が確保できず、仕事の受注確保が課題の一つであるといった意見が出されていました。一般企業でも、なかなか経営が大変な情勢であるのに、障がい者の方が仕事をして、最低賃金を払えるだけの収益を確保するのは、並大抵ではないことがうかがえました。
そこでお伺いいたします。市では、これまでA型事業所の経営改善について、経営指導や助言などを行ってきたということは承知しておりますけれども、さらに市内のいろいろな企業に働きかけて、直接的にA型事業所の仕事受注につながる支援に取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 本市では、就労継続支援A型事業所の経営改善を目的に、障がい福祉課に新規事業開拓、販路拡大の専門職員を配置し、A型事業所へ発注を希望する企業と受注が可能なA型事業所とのマッチングや、その後の調整等を通じまして、仕事受注につながる支援をしております。
なお、就労継続支援A型事業は、利用者賃金を生産活動収益により賄うことが義務づけられている事業であることから、必要とされる生産活動収益を上げるための受注の確保につきましては、事業所が主体的に取り組むべきものと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 今の御答弁、大変残念な答弁でした。
事業所が受注に苦労しておられるわけですから、もっと積極的に市のほうが販路拡大、もちろん頑張られているのは分かりますけれども、もっともっと力を入れるべきではありませんか。再質問させていただきます。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 再質問をいただきました。
A型事業所の生産活動につきましては、事業所が主体的に取り組むものであり、指定時に提出されました経営計画に基づいた経営がなされるべきものと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) もちろん各事業所が主体的に頑張られているわけです。そこは、市がしっかり応援していただきたい。このことを強く要望しておきたいと思います。
次に、国に報酬改定を求めていただきたい。このことについて質問いたします。
先ほど述べましたように、令和6年度の報酬改定では、真面目に事業所を運営していても、生産活動の収益で最低賃金を支払うことができなければ、従来の報酬よりも低くなる改定がされました。判定スコアがマイナスから始まるという、ペナルティーとしか考えられない報酬体系です。
受注した仕事の内容によって赤字になることはありますし、障がいを持った方が働くので、休みがちだったり、不良品が多く出ることなどは最初から考慮すべきで、福祉的視点が少ないと考えます。今のままでは、さらに廃業やB型事業所への転換が進み、結局は利用者が解雇されたり、収入減になってしまいます。
A型事業所が安定して運営できるように、報酬改定を国に求めるべきと考えますが、いかがですか。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 今回の報酬改定では、就労継続支援A型事業所の経営状況の改善や一般就労への移行等を促すため、生産活動収支の向上に対する取組やその成果、利用者の平均労働時間の長さ、利用者への知識及び能力の向上に対する支援への取組などにつきまして、よりめり張りのある評価となるよう、見直しが行われました。
本改定は、全体としまして就労継続支援A型事業所の健全な経営を確保するとともに、一般就労や自立を目指している利用者に対する安定的なサービス提供につながるものと捉えておりますので、市として国に対しまして、さらなる報酬改定を働きかける予定はありませんが、改定の影響につきましては、今後も注視してまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) A型事業所というのは、どうしても経営面での縛り、そこが強くなってしまいます。やはり福祉的な視点を、これは両方を考えなくてはいけないわけですから、きちんとそこら辺の実態をつかんで、そしてしっかり国に要望していただきたい、これを強く要望しておきます。
この項最後に、ふじ園でのアセスメントの在り方についてお伺いいたします。
まず、ふじ園アセスメントの目的についてお伺いします。
もともとは、希望する事業所で仕事内容に合っているかをアセスメントする仕組みであったものが、7年前に発生した悪徳な経営をしたあじさい問題を契機に、ふじ園でのアセスメントが始まりました。
ふじ園アセスメントをすることは、A型事業所を希望する利用者を能力別に振り分けているようで、福祉的な視点が抜けているように感じます。本来は利用者へのサポートを行い、特性に応じて能力を引き出すような視点が必要だと考えます。
ふじ園でのアセスメントが負担で、A型事業所の利用をちゅうちょしている方もあります。また、市民意見交換会では、ふじ園でのアセスメントの作業内容が、A型事業所とミスマッチではないかとの意見が出されていました。
ふじ園アセスメントは何を目的に実施しているのでしょうか。また、その結果をどのように活用しているのでしょうか。お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) ふじ園でのアセスメントは、A型事業所の利用を希望する方を、その人の適性に応じた就労につなげることを目的としまして、平成30年4月から実施しております。
アセスメントでは、障がい者就労アセスメントシートを活用し、ボールペンの組立て、封筒の仕分、ピッキングなど、ふじ園が実施している自立訓練及び就労移行支援で取り組んでいる5種類の作業を通しまして、本人の作業能力だけでなく、作業への取組姿勢や支援者等との関わり方など、様々な視点から客観的にアセスメントを行うこととしております。
アセスメントの結果につきましては、関係機関で今後の支援方法などについて協議するための基礎資料として活用しており、個々の適性に応じた就労につなげているところでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) また、ふじ園アセスメントは、一律に2週間ではなく、個々の状況に応じて免除したり期間を大幅短縮するなど、柔軟な対応ができないものでしょうか。
これも市民意見交換会で出された意見です。希望するA型事業所に見学に来ても、ふじ園アセスメントを受けたり調整会議などをしていると、結局は、実際に利用できるようになるまでには約1か月かかる。利用者に負担がかかっているとお聞きいたしました。また、ふじ園に通うのに、交通費も負担になっているともお聞きしています。
ふじ園アセスメントを、個別の状況に応じて日数を短縮したり免除するなど、柔軟な対応はできないのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) A型事業所への就労につきましては、本人の適性を正しく判断する必要があり、これまでにも、ふじ園アセスメントにおいて使用するアセスメントシートを、より評価しやすいものとなるよう見直すとともに、本人の負担軽減の観点から、ふじ園でのアセスメント期間を原則1か月から2週間に短縮したり、交通費の一部を助成したりするなど、より利用しやすいものとなるよう取り組んでいるところでございます。
また、A型事業所の廃止などにより、別のA型事業所を希望することとなった方につきましては、アセスメントそのものを免除したり、B型事業所におきまして、既にA型事業所への就労が適当であると確認されている場合などにつきましては、アセスメント期間をさらに短縮したりするなど、個別の状況に応じた柔軟な対応をしております。
なお、令和4年度の障害者総合支援法改正により、倉敷市が独自に取り組んだふじ園アセスメントと同様のサービスである就労選択支援が創設され、令和7年10月から施行されることとなっていることから、今後、その実施状況等を踏まえまして、本取組の在り方等につきまして検討することとしております。
○副議長(北畠克彦 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) ぜひとも内容を検討していただいて、事業者や利用者にとって有益なアセスメントにしていただきたい。また、先ほどの御答弁にもありますように、柔軟な対応もされているというふうな御答弁でございましたので、それも引き続きよろしくお願いしたいと思います。真面目に運営している事業者や利用者の立場に立って、しっかり支援していただくことを求めまして、私の質問をこれで終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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