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令和7年第3回倉敷市議会(第1回定例会) 3月10日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和7年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月10日(月) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
中西 善之 議員
1 倉敷市のデジタル化について
2 鳥獣害対策について
3 不登校対策について
◆16番(中西善之 君) (拍手) 皆様こんにちは。公明党倉敷市議団の中西 善之でございます。
それでは、通告に従いまして、3項目について12点を一問一答の方式にて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1項目め、倉敷市のデジタル化について3点お伺いいたします。
1点目、情報発信についてお伺いします。
これまで倉敷市では、広報紙やホームページを中心に市政情報や暮らしに役立つ情報を発信してまいりました。特にホームページは、市が発信する情報の中心的な役割を担い、市民が行政情報を得るための重要なツールとなっております。しかし、ホームページは、市民が自らアクセスしなければ情報を得られないため、広く周知するには限界があります。こうした課題を補完するため、市ではSNSや倉敷市公式アプリを活用し、市民がより手軽に必要な情報を受け取れる仕組みを整えてまいりました。特に、倉敷市公式アプリは5万7,000人以上の市民に利用され、行政情報を迅速に届けるツールとして定着しつつあります。
スマートフォンを活用した情報発信は、タイムリーな情報提供に適しており、市民の利便性向上に大きく寄与していると考えられます。しかし、情報発信の手段が増える中で、情報が多過ぎて必要なものが埋もれてしまう、関心の高い情報が十分に届いていないといった声も聞かれます。特に防災や生活支援、子育て、健康など、市民の暮らしに直結する重要な情報をどのように整理し、必要な人に確実に届けるかが、大きな課題ではないでしょうか。
そこで、1つ目の質問です。市として、倉敷市公式アプリを含めた情報発信の現状をどのように捉え、どのような役割を担っているのか、またアプリを通じて発信している情報はどのようなものがあり、具体的にどのような頻度でお知らせを配信しているのか、お聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 中西 善之議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
倉敷市公式アプリは、市民の皆様に、生活に役立つ行政サービスの案内や市のイベント情報などを、スマートフォンなどを通じて手軽に取得していただくことを目的に運用しております。また、プッシュ通知機能により、これらの情報を迅速にお知らせすることができることから、広報紙やホームページと並ぶ市の情報発信の主要な手段の一つと位置づけております。
例えば、現在、本アプリを通じて発信している情報といたしましては、第39回倉敷音楽祭オープニングステージ開幕や星野仙一「夢の軌跡」展など様々なイベント情報のほか、百日ぜきの流行による感染対策など市民の健康に関する情報などがあり、今年度はこれまで、1月当たり60件以上のお知らせを発信しております。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 倉敷市公式アプリは、ホームページや広報紙と並ぶ市の情報発信の主要な手段の一つとして機能していることが分かりました。特に、ホームページのように市民が自発的にアクセスすることを待つのではなく、アプリを活用してプッシュ型で情報を届けることで、周知の効果を高めることができる点は非常に有意義だと考えます。
一方で、情報を発信することが目的ではなく、本当に必要な情報を、必要な人に確実に届ける仕組みとして機能しているかどうかが重要です。例えば、防災情報や地域ごとの行政サービス、支援制度の案内など、市民の関心が高い情報が適切に発信されているか、また市民が迷わず必要な情報にたどり着ける工夫がなされているかが問われます。単に情報を掲載するだけでなく、市民が自然に目にする仕組みを整えることで、効果的な情報発信につながると考えます。
そこで、2つ目の質問です。倉敷市公式アプリのプッシュ通知機能の充実についてお伺いいたします。
現在、市の公式アプリでは、利用者に向けて特に重要とされる内容について、プッシュ通知による情報発信が行われております。しかし、その内容は、主に全市共通の情報に偏っており、地域ごとの防災情報や地域で開催されるイベント情報など、身近な情報が十分発信されていないという課題があります。
例えば、ある地域で防災訓練が実施される場合、その地域に住んでいる方には有益な情報であっても、現在の仕組みでは一律に全市民に配信されるか、あるいはそもそも配信されない可能性がございます。また、地域のイベントやごみ処理施設の移転など住民の皆様に関わりの深い情報についても、より身近な形で発信できる仕組みが求められているのではないでしょうか。市民が自分に関心のある情報を適切に受け取れるようにするためには、プッシュ通知の仕組みを見直し、個人のニーズに応じた通知を提供することが重要だと考えます。
そこで、市としてプッシュ通知機能の改善や拡充について、現在どのように検討されているのか、お考えをお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 本アプリのプッシュ通知機能は、市からの情報を利用者の方に迅速にお知らせすることを目的としており、子育てや健康に関する情報や行政サービスの案内など、知りたい分野を選んでいただくことにより、御自身にとって必要な情報を適切な時期に受け取ることができるようになっております。
本アプリは、手軽に登録して御利用いただけるよう、お名前やお住まいの地域などを登録しなくても利用できるようになっており、地域を限定した情報発信は行っておりませんが、例えば、プッシュ通知発信時に、地域が限定されているものにつきましては発信する情報の件名に対象地域を表示することなども検討してまいりたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) プッシュ通知は、市民がリアルタイムで情報を受け取るための非常に便利な手段でございますが、現状では、特に地域ごとの情報が発信されにくいという課題もあるように感じます。地域限定の情報を分かりやすく発信するため、通知の件名に地域名を記載する対応が検討されているとのことですが、それによって市民がより必要な情報を見つけやすくなることを期待しております。
また、倉敷市公式アプリには、居住地域の登録機能がありますが、現在は地区単位での登録に限られております。これに加えて、大字や字といったより細かい地域も登録できるようにすれば、これを使って、より限定的な地域の情報を適切に通知できるようになり、市民にとってより有益な情報提供が可能になるのではないかと思います。今後、市民が知りたい情報を、知りたいときに受け取れる仕組みがより充実することを願い、引き続き効果的な情報発信の在り方について検討をお願いしたいと思います。
次に、3つ目の質問、倉敷市公式ホームページのリニューアルについてお伺いいたします。
広報くらしき3月号にも、倉敷市公式ホームページのリニューアルについて掲載されておりましたが、今回のリニューアルに至った経緯やこれまでの課題、また新しい倉敷市公式ホームページのコンセプトについてお伺いいたします。さらに、市民の皆様にとってどのように使いやすくなったかについても、お聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 上田参与。
◎参与(上田哲三 君) これまでの倉敷市公式ホームページは、平成21年の導入から期間が経過し、スマートフォン閲覧時の表示や、高齢者や障がい者などの方々に配慮したウェブアクセシビリティーの対応などに課題がありました。これらを解消するため、昨年6月から国の交付金を活用して改修作業を進め、3月5日にリニューアル公開したところでございます。
スマートフォンでも閲覧しやすいデザインとし、メニューや注目キーワードを目立つ位置に配置し、イベントカレンダーや申請・手続検索の機能も備えております。さらに、転居や結婚、出産など、ライフイベント時の手続を質問形式で分かりやすく調べることができるくらしき手続きナビや、災害発生時に倉敷市公式アプリと連携して緊急情報を発信する機能なども備えており、市民の皆様が見たい、知りたい情報を簡単に取得できるようになりました。
また、広報紙につきましても、本年5月号から、スマートフォンに対応したウェブ版広報くらしきとして公開する予定でございます。
引き続き、誰もが必要な情報を必要なときに、いつでも取得できるデジタル環境の整備に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 3月に変わったのを見ましたけれども、今までとがらっと変わって、非常に見やすくなっておりました。見ておられない方は、ぜひ御覧になっていただきたいと思いますけれども、今回のリニューアルによってスマートフォンでの閲覧がしやすくなり、必要な情報をスムーズに探せるようになったことは、市民の利便性に大きく貢献していると感じております。特にライフイベントごとの手続を分かりやすく案内するくらしき手続きナビや、倉敷市公式アプリとの連携による緊急情報の発信機能が強化されたことは、市民にとって非常に心強い取組であり、今後の情報発信の在り方として重要な方向性だと思っております。
また、広報紙のデジタル化によってスマートフォンから手軽に閲覧できるようになれば、これまで広報紙を手に取る機会が少なかった方にも、市の情報がより身近なものとして届くのではないでしょうか。知りたいときに、すぐにアクセスできるという環境を整えることは、情報発信の仕組みとして、今後も大切な視点だと考えております。
市のイベントカレンダーも分かりやすく、よいと思いますが、例えば、イベントカレンダーに掲載された情報を、そのままスマートフォンやパソコンのカレンダーにワンクリックで追加できる機能があれば、市民の参加しやすさが向上し、より多くの方々に市のイベント情報が届くことが期待できます。興味があったのに忘れてしまった、開催日が近くなって気づいたけれども予定が間に合わなかったといった機会損失を防ぐことで、イベントの周知効果も高まるのではないかと思っております。ホームページの運用が単に情報を掲載するだけでなく、市民が自然と活用できるようになるよう、今後も改善を続けていただきたいと思います。
続けて、この項目の2点目、窓口DXについて3点お伺いいたします。
1つ目、書かない窓口の具体的な運用についてお伺いいたします。
昨年の9月議会で、市民の皆様の利便性向上のために書かない窓口の導入をお願いしておりましたが、いよいよ来年度から導入されるとのことで、これにより申請や手続がスムーズになり、市民の負担が軽減されることが期待されます。
そこで、市として、書かない窓口は具体的にいつ頃から、どの窓口で運用を開始するのか、またどのような手続での利用を考えているのか、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 倉敷市のデジタル活用の窓口DXについてのうち、書かない窓口が具体的にどのような形で導入されていくのかについて御答弁したいと思います。
現在、国に申請を出しており、認められ次第準備を行っていくというスケジュールを持っておりまして、それができましたら、今年の秋頃からこのシステムが御利用いただけるようになるかと思っております。
大きく2つございまして、1つ目は、らくらく窓口証明書交付サービスというような形でしていこうと思っております。これは、市民の皆様からの証明書申請が一番多い住民票とか、税証明の交付というところが迅速になると思っておりまして、窓口に設置した操作端末、タッチパネルになると思いますけれども、それを市民の皆様が自らマイナンバーカードを使って認証し、画面を操作することで、証明書の申請が非常に簡単にできるものになる予定でございます。本庁、各支所の市民課、そして税務事務所をメインに導入していきまして、これにマイナンバーカードをかざしますと、本人認証がされます。そして、自分が要るというところを押していただくと、窓口でそれが準備されて出てきまして、職員はお金を受領してお渡しするということで、これまでのように、いろいろ書いていただくということがほとんどなくなり、かなりスピードアップにもつながると思っております。
続きまして、もう一つ、申請書作成支援システムというものも導入しようと思っております。こちらは、今申し上げたものもそうですけれども、それに加えて、特に今年の夏から秋にかけてぐらいから、かなり多くの方がマイナンバーカードの更新時期を迎え、非常に多く申請されるようになります。これまででしたら、いろいろな基本情報を書いていただく書類が必要で、それを全部自分で書いていただいているわけですが、それを、マイナンバーカードと運転免許証をかざしていただくと、書いてある字を機械が読み取り、申請書の該当部分の必要なところに印字されて出てくるという、申請書作成支援システムを入れようと思っております。
これについては、児童手当の手続でも同じものを入れて、なるべく書くところを少なくして申請していただけるものを考えており、本庁、各支所の市民課と税務事務所、それから子育て支援課、児童手当の手続の窓口にも入れていこうと思っているところでございます。合わせて数十台ぐらいの導入になるかと思っております。
いずれも、御本人さんに書いていただくところをなるべく減らして、ただ、ちゃんと認証等はできて、手続ができる。もしくは最初に申し上げましたように、職員がお金を受領してから書類をお渡しするものについても、かなりスピーディーになることを想定して、導入していこうと思っているところでございます。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 非常に詳しい御説明、よく分かりました。これから秋口に向けて、書かなくてよくなるということで、窓口に来られた方の利便性も非常に向上するのではないかと、期待いたしました。心待ちにしたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、2つ目、窓口DXの取組についてお伺いいたします。
デジタル化が進む一方で、高齢者やデジタル化に不慣れな方々にも配慮し、誰もが円滑に利用できるサポート体制を整えることが重要だと考えます。
そこで、市として窓口DXをどのように進めていくのか、また市民がスムーズに活用できるよう、サポート体制や環境整備について具体的な方針をお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 本市では窓口DXへの取組として、令和5年度から、市民の皆様にとって迷わない、待たない、書かない、行かなくてよいをコンセプトに、窓口の改善や行政手続のオンライン化に向けた検討を行ってまいりました。
検討に際しては、市職員が市民になり切って窓口手続の体験調査を行いました。体験を行った職員からは、引っ越しの手続の際、住所、氏名等を何度も書く必要がある。書くことが忙しく、手続の説明が頭に残らないなど、申請書等の記入に関する意見が多く見られたため、市民の負担軽減と窓口の混雑解消に向けて、書かない窓口を導入することといたしました。
また、利用される方の中で、機械の操作に不安がある方については、職員等による操作案内や支援など十分なサポートを行い、環境を整備するとともに、引き続き、迷わない、待たない、書かない、行かなくてよいのコンセプトに基づき、デジタル技術を活用した窓口の改善に取り組んでまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 十分配慮していただけるということで、安心いたしました。
続きまして、3つ目の質問として、デジタル身分証の活用と今後の展開についてお伺いいたします。この件については、現時点では、まだ具体的な話を進められる状況ではないため、今回は要望とさせていただきますが、現在、マイナンバーカードをスマホ等に搭載できるデジタル身分証の導入が進められており、今後、様々な行政手続での活用が期待されております。一方で、市が導入を予定している書かない窓口では、本人確認が必要な手続も多く含まれることから、デジタル身分証を活用することで、よりスムーズな窓口対応が可能になると考えております。
また、今月からマイナンバーカードと運転免許証の一体化が始まり、スマートフォンへの搭載も、これまでAndroid(アンドロイド)版だけでございまして、この春にはこれに加えてiOS版にも対応し、全てのスマートフォンで利用が可能となります。これにより、マイナンバーカードそのものを持ち歩く必要がなくなり、日常生活や行政手続がより便利になることが期待されております。こうした流れを踏まえ、書かない窓口で使用する機器やシステムにおいても、デジタル身分証を本人確認の手段として活用できるよう、市として導入の検討を進めていただきたいと思います。今後の利便性向上につながる重要な取組として、ぜひ前向きな対応をよろしくお願い申し上げます。
続きまして、この項3点目、倉敷防災ポータルについて3つお伺いいたします。
1つ目、消防からのお知らせについてお伺いいたします。
かつて、市民の皆さんが消防車の出動情報を確認する手段として利用されていた倉敷市消防局専用テレホンガイドは、現在では倉敷防災ポータル上の消防からのお知らせへと移行し、リアルタイムでの情報提供が行われるようになりました。この仕組みにより、市民の皆さんがスマートフォン等を通じて迅速に情報を得られるようになった一方で、スマホの操作に不慣れな人には情報が届きにくい、これまでのように電話で確認できたら便利だったという声も寄せられております。
そこで、消防局専用テレホンガイドを廃止した理由と、倉敷防災ポータルへ移行した経緯についてお伺いいたします。その上で、市民の皆さんがよりスムーズに情報を把握できるようにするための周知の取組や、スマホを活用しにくい方への配慮を含めた情報提供の工夫について、市としてどのように考えているのか、お聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 倉敷市消防局専用テレホンガイドにつきましては、消防車がサイレンを鳴らして出動した際に、火災、救助など、災害の種類と発生した地域をお知らせしていたものです。
消防局では、令和6年1月にNTTのアナログ回線のテレホンガイドサービスが廃止されたことに伴い、令和5年4月から倉敷防災ポータルと連携して、消防からのお知らせとして消防車の出動情報をリアルタイムで確認できるようにしております。
また、X、旧ツイッターの倉敷市消防局公式アカウントでは、同様の情報をプッシュ方式で、より迅速にお知らせしています。今後とも、SNSなどでの情報提供に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 倉敷防災ポータルやSNSを活用したリアルタイムの情報提供が行われていることは分かりました。ただ、職場にいると、自分の町内で火災が起こっても気づくことが難しく、出動情報がたくさんある中で、自分に関係のある情報を見つけ出すのも大変です。また、スマホに不慣れな方にとっては、今の仕組みでは十分解決にならないと感じました。
例えば、居住地をあらかじめ登録しておき、消防車が自分の町内に出動した場合に、スマホの通知機能を使ってお知らせしてくれる機能を搭載すれば、自分の町内で火事が起こったことをすぐに確認でき、サイレンが鳴っても、どこで火事が起こっているのか探す手間が省けます。職場にいても、自分の町内で火事が発生したことが分かるようになれば、市民にとって、より便利で使いやすいお知らせになると思います。
すぐに対応は難しいかも分かりませんが、こういった対応が行えるように検討を進めていただきたいと要望いたします。よろしくお願いいたします。
続きまして、2つ目の質問、最適な避難場所の案内についてお伺いいたします。
現在、倉敷防災ポータルでは、市内の全ての避難所が地図上に表示されており、市民が自分で選択して避難経路を確認できる仕組みになっております。しかし、避難所が多く表示されることで、いざというときにどこへ避難すればいいのか判断しにくいという声もございます。
そこで、現在地の位置情報を活用し、避難といったボタンを押すだけで、最も最適な避難場所と避難経路がすぐ表示されるような機能を追加することで、市民がより直感的に避難行動を取れるようになるのではないでしょうか。こうした機能があれば、特に災害時に冷静な判断が求められる状況でも、スムーズに避難行動ができるようになると考えます。
この機能強化について、市の考えをお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 倉敷防災ポータルは、全ての避難所が表示でき、自宅から近いなど、ある特定の避難場所を選択すると、グーグルマップと連動させることで、現在地から選択した避難所までの経路が表示される仕組みとなっています。
また、浸水想定区域図と避難場所を重ねて表示することにより、洪水時の危険性が確認でき、浸水時を想定した避難経路を実際に歩いてみるなど、日頃から避難経路の確認を推奨しております。
避難経路については、車椅子の方やつえをつかれている方など、個々の身体の状況に応じて検討していただく必要があるため、御自身や家族で事前に確認して備えを行っていただきたいと思いますので、避難所を選択して避難ルートを表示する、倉敷防災ポータルの仕組みを活用していただきたいと考えます。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 現在の機能を活用してくださいとのことでしたけれども、防災ポータルは機能が多く、操作が煩雑で使いづらい面もあり、特にスマホに不慣れな方にとっては、利用のハードルがかなり高いと感じております。また、それぞれの災害に適した避難所の位置が十分に把握されていない現状もございます。
そこで、例えば、防災ポータルに訓練モードを搭載し、自分の位置情報を活用して、訓練する災害の種類を選択すると、現在地から近い適切な避難所が表示され、そこまでの経路を案内する機能を導入してはどうでしょうか。この機能を使って実際に避難所まで移動し、避難を完了することで、災害時を想定した避難訓練にも活用できるようになります。
さらに、この訓練モードの機能をそのまま実際の災害時にも活用するようにすれば、ふだんの訓練で使い慣れた操作が、そのまま災害時の避難行動にも直結するため、混乱を防ぎ、より実践的で効果ある訓練になります。日頃から同じ手順で避難経路を確認し、避難行動をシミュレーションしておくことで、いざというときにもスムーズに避難できるようになるのではないでしょうか。こういった機能の導入をぜひ検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。この件は要望といたします。
次の質問に移ります。3つ目の質問、届出避難所の掲載についてです。
倉敷防災ポータルには、市が指定した避難所が掲載されておりますが、地域ごとに開設される届出避難所の情報は掲載されておりません。そのため、避難の際に地域住民が近くの届出避難所の存在を知らず、適切な避難行動が取れないケースが想定されます。
市の指定避難所に加え、届出避難所の情報も倉敷防災ポータルに掲載し、住民が一目で避難行動を確認できるようにすることで、より迅速かつ安全な避難につながると考えますが、市の見解をお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 本市においては、災害時に自主防災組織が自主的に避難所を開設し運営していただく届出避難所の制度を設けているところでございます。これは、自主防災組織が、地域や企業、団体などが所有する建物などを災害時に避難所として運営したい場合に、あらかじめ市に届け出ていただいたもので、市がハザードなどを審査した上で認定を行うものでございます。
届出避難所は、当番などの役割分担や、優先的に避難できる人をあらかじめ地域の中で決めておくなど、自主防災組織それぞれで運営方法が異なるため、指定避難所のように、どなたでも避難できることを想定しておりません。このため、倉敷防災ポータルでの公表はしておりません。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 公表できない理由は理解いたしました。ただ、現状では、自主防災組織の多くが町内会の役員で構成されておりまして、町内の役員も1年交代や2年交代で替わるため、新しく役員になった方が、地域の届出避難所の場所を把握していないケースも少なくありません。これでは、いざというときに迅速な避難が難しくなってしまいます。
こうした課題を踏まえ、地区防災計画をより実効性のあるものへと改善していく必要があると考えております。例えば、倉敷防災ポータルにマイ防災ポータルのような仕組みを設け、町内ごとの地区防災計画や届出避難所の情報を共有できるようにしてはどうでしょうか。また、先ほど提案した防災ポータル上の訓練モードを活用し、届出避難所の場所も含めた避難訓練を行える仕組みを整えることで、住民の防災意識を高めるとともに、より実践的な訓練が可能になると考えております。
このように、事前に防災計画を確認し、実際の訓練を通じて地域の避難体制を整えることができれば、担当者しか避難場所を知らない、地区防災計画の内容が分からないといった問題も解消され、災害時の不安を大きく軽減できるのではないでしょうか。ぜひ、こうした取組の検討をお願いいたします。この件も要望といたします。
次の項目に移ります。鳥獣害対策について2点お伺いいたします。
まず1点目として、共同設置柵設置補助金制度の条件緩和についてお伺いいたします。
これまで、鳥獣被害対策の一環として実施されてきた補助制度ですが、令和7年1月に改正が行われ、より使いやすい制度へと見直されたと伺っております。鳥獣被害の深刻化に伴い、多くの市民の皆さんから設置の条件をもう少し緩和してほしい、より使いやすい制度にしてほしいといった声が寄せられてきました。
そこで、今回の制度改正では、具体的にどのような点が改善され、市民にとってどのように活用しやすくなったのか、詳しく御説明していただきたいと思います。
○議長(荒木竜二 君) 松浦文化産業局参与。
◎文化産業局参与(松浦宏 君) 令和5年度に新設しました共同設置柵設置補助金は、より広範囲の農地を囲うことで効果的な被害防止につなげていくため、複数の農業者が共同して5,000平方メートル以上の農地を一体的に囲う柵の設置に対し、補助率3分の2、補助限度額50万円とした補助制度でございますが、利用実績は、令和5年、令和6年、共に1件ずつでございました。そのため、より多くの農業者に利用していただけるように、JAや農業者団体から意見聴取を行ったところ、まとまった農地を一体的に囲うこととする補助要件が厳しいとの御意見が多かったことから、補助率及び補助限度額はそのままに、本年1月から要件の見直しを行いました。
具体的には、複数の農業者が共同して5,000平方メートル以上の農地に柵を設置する場合、一体的な農地に限らず点在している農地をそれぞれ囲う場合も、補助対象にすることとしたものです。この制度改正により、より多くの方々に御利用いただけるものと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) この新たな防護柵の助成について、まだまだ知らない方も多く、周知されていないのではないでしょうか。より多くの方々に使っていただけるよう、様々な方法で周知をよろしくお願いいたします。
続きまして、2点目、地域ぐるみでの鳥獣被害対策についてですが、この質問と同様の趣旨の質問と答弁が末田議員の質問にありましたので、答弁は結構ですが、ただ、この事業について、どのような地域が対象となり、どのような要件で進められるのか、具体的な内容が分かりづらい部分が多いと感じております。事業が始まる際には、市民にとって分かりやすい形で情報発信し、これまで十分な対策ができなかった農地や住宅街におけるイノシシ被害の軽減につながるよう、取組を進めていただきたいと思います。また、より多くの方々にこの対策の意義を周知し、市民の方々が自分の地域でも活用できると感じられるような情報提供をお願いしたいと思います。地域ぐるみでの対策が実効性を持ち、市民の方々の不安が少しでも解消されるよう、しっかり対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、最後の質問、不登校対策についてお伺いいたします。
現在市では、不登校の児童、生徒への支援として自立応援室の支援強化を進め、児童、生徒の自宅をつなぐオンライン支援を導入し、学校に行きづらい子供たちが段階的に登校できるよう支援する仕組みを整えようとしております。その取組を高く評価しておりますが、より効果的な支援につなげるためには、オンラインでつながる自立応援室自体が、行きたいと思える場所であることが重要ではないでしょうか。自立応援室が単なる学習スペースではなく、子供たちが安心して過ごせる場であり、興味のあることを学べる環境であることで、学校への抵抗感を和らげ、次のステップへ進みやすくなると考えております。
例えば、自立応援室での学び方をより多様にし、子供が興味を持てるプログラムを導入したり、学校とのつながり方に選択肢を持たせる工夫をすることで、復帰への心理的なハードルを下げることができるのではないでしょうか。
こうした視点を踏まえ、自立応援室をより魅力的な学びの場とし、学校復帰への支援をより効果的にするための取組について、自立応援室の現状と今後の方向性についてお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立小・中学校におきましては、これまで学校へは登校できるが教室に入りづらい児童、生徒の居場所として、校内に自立応援室を設置し、個々の児童、生徒に合わせた学習支援や生活支援を行ってまいりました。
また、この自立応援室では、学習の場としてだけではなく、読書をしたり、折り紙や絵画等の創作活動を行うなど、児童、生徒が行きやすくなる環境づくりにも取り組んでおります。
さらに、令和7年度からは市内の15校におきまして、自立応援室担当の教職員等が、自宅から外出することが困難な児童、生徒ともオンラインでつながることで人間関係を築き、登校に向けた心理的な負担軽減を図りながら支援することとしております。
倉敷市教育委員会といたしましては、今後も児童・生徒一人一人の実態に応じた丁寧な支援を行い、自立応援室がこれまで以上に登校しやすい、そして行きやすい居場所となるように努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 自立応援室について、数年前と比べて、より柔軟性のある教室へと変わってきたと伺っております。以前よりも児童・生徒一人一人の状況に寄り添い、それぞれのペースに合った学びの環境が整えられてきたことが、大きな変化の一つではないでしょうか。こうした取組がさらに進み、自立応援室が行ってみようかなと思える場所として、安心して通える環境になっていくことが、学校復帰を目指す子供たちにとって大きな支えになると考えております。
また、市内15校それぞれで行われている取組を共有し、よい点を積極的に取り入れることで、より多くの児童、生徒が自分に合った形で学べると感じられる環境が広がることを期待しております。
環境の変化や支援の在り方が子供たちの意欲に大きく影響を与えるからこそ、今後もさらなる柔軟な支援の形を追求し、一人でも多くの児童、生徒が自信を持って教室に戻れるよう、引き続き取組を推進していただきたいと思います。
最後になりましたが、長きにわたり市政発展のために御尽力され、このたび定年退職を迎えられる職員の方々に対して、会派を代表いたしまして、心から敬意と感謝を申し上げます。これからも健康にはくれぐれも御留意され、市政発展のために御尽力いただければと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(荒木竜二 君) 以上で予定の質問を全て終了いたしました。
~~~~~~~~~~~~~~~
△追加日程第1
議 案 2件
△追加日程第2
議 案 1件
○議長(荒木竜二 君) 次に、追加日程第1 議案第85号 令和6年度倉敷市一般会計補正予算(第11号)と議案第86号 令和7年度倉敷市一般会計補正予算(第1号)の予算案2件、追加日程第2 議案第87号 (仮称)水島緑地福田公園屋内プール機械設備工事の工事請負契約についての事件案1件、以上都合3件を一括して議題といたします。
提案理由の説明を求めます。伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 提案理由説明の前に、2月26日に発生いたしました岩手県大船渡市の林野火災により、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げたいと存じます。
大船渡市には、東日本大震災の際、本市の保健所より医師と保健師の派遣をはじめ、支援物資や支援金をお送りいたしましたほか、私も現地にてお見舞い申し上げた状況がございます。一方、平成30年7月豪雨災害では、大船渡市長さんが本市へお越しになりまして、支援物資、支援金をいただいたところでございます。こうした御縁もありまして、避難指示が一部解除となりました3月7日より当面の間、本庁及び各支所で、復興に向けた義援金の受付を行うこととしておりますので、皆様にお知らせさせていただきます。
それでは、ただいま追加御上程いただきました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、議案第85号 令和6年度倉敷市一般会計補正予算(第11号)につきまして御説明いたします。
繰越明許費として、追加の102件、64億5,300万円余り、変更が1件、1,000万円を計上しております。事業の執行につきましては、平素より年度内に完了するよう十分留意しているところでございますが、地元関係者との調整の難航など、やむを得ない理由により年度内に執行が不可能な事業費につきまして、翌年度に繰り越すものでございます。
次に、議案第86号 令和7年度倉敷市一般会計補正予算(第1号)について御説明いたします。
この補正予算につきましては、去る2月19日の市議会全員協議会において御説明いたしました、倉敷市土地開発公社に委託する街路用地取得事業費3億6,300万円及び市内全域を対象とした公共用地取得事業費1億5,000万円につきまして、将来、倉敷市土地開発公社から買戻しを行うための公共用地先行取得費について債務負担行為を設定するものでございます。
次に、事件議案について御説明いたします。
議案第87号は、(仮称)水島緑地福田公園屋内プールの機械設備に係る工事請負契約を締結するためのものでございます。本契約は、老朽化しております倉敷市屋内水泳センターと水島緑地福田公園水泳場を統合し、同公園内に整備する屋内プールの機械設備に係るものでございます。
以上、追加御上程いただきました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、御議決賜りますようお願い申し上げまして、提案理由説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 以上で説明を終わります。
ここで質疑の確認のため、休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時59分 休 憩
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午後 1時 開 議
○議長(荒木竜二 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
先ほど上程いたしました案件に対し、御質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木竜二 君) 質疑なしと認めます。
次に、議案の付託について報告いたします。
日程第8 議案第44号 令和7年度倉敷市一般会計予算から議案第53号 令和7年度倉敷市モーターボート競走事業会計予算まで予算案10件、日程第9 議案第54号 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定についてから議案第80号 倉敷市埋立行為等の規制に関する条例の廃止についてまで条例案27件、日程第10 議案第81号 令和7年度包括外部監査契約の締結についてから議案第84号 モーターボート競走施行に関する事務の受託に関する協議についてまで事件案4件、追加日程第1 議案第85号 令和6年度倉敷市一般会計補正予算(第11号)と議案第86号 令和7年度倉敷市一般会計補正予算(第1号)の予算案2件、追加日程第2 議案第87号 (仮称)水島緑地福田公園屋内プール機械設備工事の工事請負契約についての事件案1件、以上都合44件は、会議規則第37条第1項の規定により、ファイルNo.08で配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
本日はこれにて散会し、次会は来る19日午後1時30分から再開いたします。
午後 1時 2分 散 会
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