録画中継

令和7年第5回倉敷市議会(第3回定例会)
9月8日(月) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田口 明子 議員
1 不登校への支援について
2 地域公共交通の充実を求めて
◆9番(田口明子 君) (拍手) 皆さんこんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の田口 明子です。
 一問一答にて順次質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず1項目め、不登校支援について7点質問いたします。
 現在、不登校の子供の数は、小・中学校だけで約34万6,000人、高校まで合わせると約41万人が学校へ通えていないと言われております。その数もさることながら、深刻なのは、子供の不登校の数がこの10年で3倍に急増し、これまで少なかった小学校の低学年でも増えているという状況です。学校に行けなくなった子供たちや、保護者の皆さんを支えていくことが急務となっております。
 そこで、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果からお伺いしたいと思います。
 議長の許可をいただきまして、資料を提示いたしますので、御覧ください。
 これは、令和5年度の調査結果になります。岡山県はこの調査結果の市町村別の数字を公表しておりませんので、県内他市と比較することはできません。全国的にも不登校児童・生徒が急増しているという中で、前年度と比較すると倉敷市も同様の状況にあると推察されますが、本市の現状と教育委員会の認識をお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 田口 明子議員さんの御質問にお答えいたします。
 本市の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査による、令和4年度と令和5年度の不登校児童・生徒数を比較しますと、小学校は333人から439人へ、中学校は550人から683人へと、全国の傾向と同様に増加しております。倉敷市教育委員会としては、不登校対策は重要な課題と考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) それでは次に、長期欠席児童・生徒の実態についてお伺いしたいと思います。
 資料の2ページ目を御覧ください。
 (2)の長期欠席・不登校の欄を御覧ください。小・中学校における長期欠席者のうち、不登校には当たらない児童、生徒、ここでは病気や経済的理由による者となりますが、長期欠席者のうち、不登校の数が439人ですので、不登校に当たらない児童、生徒は、小学校では579人、そして中学校では540人となります。これは、実際の不登校の児童の数よりも多い数となっております。長期欠席者のうち不登校の要因を含んでいる児童、生徒がこの中にも潜在的にもっといるのではないかと考えられますが、教育委員会の見解をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 文部科学省が実施する児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、年間に30日以上欠席した長期欠席者を不登校、病気欠席、経済的理由、その他の4つの区分に分けて集計しております。
 学校は、長期欠席者の欠席の要因が多岐にわたる場合があるため、現状や本人、保護者からの聞き取り、相談内容などから実態を把握し、主な要因により区分を決定しております。
 倉敷市教育委員会では、学校に対して、欠席の要因の見直しを定期的に行うよう指導、助言をしております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 先ほど述べましたように、長期欠席者のうちには、不登校の最初のSOSでもある、病気、学校に行く前におなかが痛くなる、あるいは発熱がある、あるいは行き渋りというような行動があるのではないかと私も思っておりまして、ここの579人、540人というところの早期の発見あるいは早期の対応が一番鍵になってくるのではないかなと考えております。
 次に、この点を踏まえて質問させていただきます。不登校児童・生徒への対応についてですが、不登校というのは、その子のせいではない、決して弱さや怠惰と言われるようなものでもなく、親による甘やかしというものでもありません。不登校の子供の多くは、様々な理由から心が折れ、社会や学校の中で様々な問題に直面し、心が傷つき、我慢に我慢を重ねた末に登校できなくなります。登校を試みると、腹痛や頭痛、顔から表情がなくなるなど、様々な症状が出ることもあり、それは心の傷の深さを表しています。その傷を癒やすためには、まずは休息が必要です。しかしながら、今の文部科学省の不登校対策は、休むことよりも学習支援に重きを置いたものとなっております。教育機会確保法に基づく通知によりますと、休むことも必要だけれどもと言いつつも、休み続けることが将来の進路等にとってリスクになるというふうに、リスクを強調する中身になっています。
 また、文部科学省が出しているCOCOLOプランという不登校緊急の対策の中でも、まずはありとあらゆる手で学校に行かせようということが中心になっております。これでは、心に傷を負った子供や保護者を追い立てる結果になってしまい、真に寄り添うということにはなっていません。
 まずは休む、休息するということに寄り添い、心の回復を待てる学校に変えていく必要があります。そして、教職員の皆さんの理解を深めることも必要と考えます。教育委員会の認識とその取組についてお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立の学校では、新たな不登校を生まない取組として、児童、生徒が身体の不調を訴えたり、朝なかなか起きられなくなり遅刻が増えるなど、学校や家庭での様子に変化が見られた場合には、早い段階で声をかけたり、保護者に家庭での様子を聞くなど、早期に発見できるよう取り組んでおります。
 また、早期対応として、児童、生徒の状況によっては、自立応援室や保健室などを一時的に利用するよう促すなど、適切な支援を行っております。
 倉敷市教育委員会では、各学校の不登校対策担当の教職員を対象とした研修会を定期的に実施し、児童、生徒やその保護者の気持ちに寄り添い、適切な支援ができるよう教職員一人一人の意識の向上に努めております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 学校へ行くことが本当にしんどい思いをしている子供もいると思います。なので、まず一番最初に、心を休ませていく、休むことや休息していくこと、今日は休んでもいいよと先生たちが言える、あるいは保護者の皆さんにもそういう理解が深まっていく、そういう対応を今後していっていただきたいと思っております。
 それでは次に、保護者への支援について伺います。
 不登校になったときは、当事者である子供たちが一番大変であるのはもちろんですけれども、その子供たちを一番身近で支える保護者も本当に大変です。子供の休息、そして回復を支えるには、親への支援が必要になります。親は、子供の不登校に戸惑い、育て方に問題があるのではという自己責任論に傷つくこともあります。子供が休むとなったら、自分の仕事を休まざるを得ない場合もあります。長期にわたると、不登校離職と言われるような、不登校によって仕事を辞めざるを得ない場合もあります。不安や悩みを一人で抱える保護者に対して、安心できる情報提供と相談できる場所や機関が必要と考えます。本市が行っている支援の現状についてお答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市教育委員会では、不登校児童・生徒とその保護者が学校や関係機関と気軽に相談できるようなつながりを持つことが大切であると考えております。
 また、関係機関の窓口として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、臨床心理士などの専門家に相談できる体制も整えております。
 倉敷市立の学校では、児童、生徒や保護者に対して、担任をはじめ、養護教諭や不登校支援員など、様々な役割の教職員が話を聞いたり、定期的な家庭訪問を行うなど、つながりが継続できるよう取り組んでおります。
 また、学校以外でも保護者が相談できる場所として、倉敷教育センターにおける不登校がテーマの座談会かけはしや、連島公民館における不登校を考える親の集いなどがあります。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 学校以外の場所で、親同士が本当に交流できる場があるということは心強いというようなお声もいただいておりますので、そういう情報をしっかりと提供していただきたいと思います。
 次に、子供の居場所、学びの場の整備について3点伺います。
 1点目は、倉敷ふれあい教室についてです。
 令和3年11月定例会で、ふれあい教室の充実を求めて質問をいたしました。当時、低学年の受入れが困難であったことを指摘して、必要としている児童、生徒が利用できるようにと求めた質問でした。現在、ふれあい教室は、市内5か所で開設されており、ふれあい教室への入室希望の児童、生徒が増加していると伺っております。学年によって受入れが困難ということがないように、多くの児童、生徒がふれあい教室を利用できるようにしていただきたいと思いますが、教育委員会の見解をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷ふれあい教室は、市内5か所に設置しており、児童、生徒からの相談に対するアドバイス、あるいは個別及び集団活動の指導を通して集団への適応能力の回復と育成を図り、学校への復帰や社会的な自立を目指した取組を行っております。
 入室を希望している児童、生徒の増加に伴い、現在、教室の定員を超えての受入れも可能な限り柔軟に対応している状況でございます。倉敷市教育委員会では、今後も一人一人の実態に応じて入室ができるよう努めてまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 定員を超えての受入れは、本当に大変だと思うんですけれども、行きたいと思える、児童、生徒の希望に添った中身にしていただきたいと思います。
 それでは2点目に、自立応援室についてお伺いいたします。
 学校には登校するものの、教室には入れなかったり、保健室にはほかの生徒がいるから行けない、学校での自立応援室は、そのような子供にとって自分だけの居場所になっている子供もいます。自立応援室が単なる学習スペースではなく、安心できて、休息できる場所であったり、興味のあることを学べる場にしていく、そういった部屋になる必要があると考えます。
 このような視点を踏まえ、自立応援室が一人一人に合ったより魅力的な居場所や学びの場となるよう、社会的自立への支援をより効果的に進めるための取組について現状をお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立小・中学校ではこれまで、学校へ登校はできるが、教室に入りづらい児童、生徒の居場所として、校内に自立応援室を設置し、個々の児童、生徒に合わせた学習支援や生活支援を行ってまいりました。
 また、この自立応援室では、学習の場としてだけではなく、読書をすることや、折り紙や絵画などの創作活動を行うなど、児童、生徒が行きやすくなる環境づくりにも取り組んでおります。
 さらに、令和7年度からは市内の15校におきまして、自立応援室担当の教職員などが、自宅から外出することが困難な児童、生徒ともオンラインでつながることで人間関係を築き、登校に向けた心理的な負担軽減を図りながら支援をしております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) それでは3点目に、学習に限定されない居場所について伺います。
 午前中から学校に行けない子供にとって、ここにだったらふらっと行けるという場所、行って、あれをしよう、これをやろうと言われるのではなく、自分が安心して一日を過ごせる居場所を増やすことはとても重要と考えます。学校外の図書館や公民館、児童館などの公共施設など、無料で安心して子供たちが過ごせる場所が地域にあるということは重要で、不登校児童・生徒にとって、学習にとらわれない居場所を増やしていくことについての教育委員会の見解を伺いたいと思います。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市教育委員会では、図書館や公民館などは、地域に開かれ、広く市民の皆様に御利用いただける社会教育施設であると考えており、子供たちが地域で安心して過ごせる身近な居場所の一つとして利用されております。今後も、このような社会教育施設が不登校の児童、生徒に限らず、子供たちの自立を支える場となるよう努めてまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 午前中から図書館に行く子供もいます。そこがその子にとっては居場所であったり、あるいはそこで触れ合うことがその子にとっての自立につながるようなこともあります。様々な子にとってそういう無料で行ける、しかも徒歩で行ける社会的な施設、誰にも邪魔されない自分の居場所、そういったものをつくる、それを支えていくということはとても重要になると思っておりますので、図書館、そして公民館の皆さんにもそういった思いを共有していただきたいと思います。
 次に、フリースクールや自宅学習、オンライン学習での出席扱いを求めて質問いたします。
 不登校児童・生徒の中には、フリースクール等において相談、指導を受け、あるいは自宅でICT等を活用した学習活動を行い、懸命に努力を続けている児童、生徒もおります。このような努力に対して、令和元年の文部科学省の通知、不登校児童生徒への支援の在り方についてでは、一定の要件を満たす場合に、校長は指導要録上の出席扱いとすることとされております。
 これまで不登校児童・生徒の出席扱いについて、仁科教育長は、指導要録上の出席については、有識者で構成される学校問題支援プロジェクト推進会議から御意見をいただきながら検討を進めていると答弁されております。出席扱い制度の導入については、その制度設計に多くの課題があることも認識しておりますが、当事者からは待ち望まれている制度でもあります。ぜひ出席扱いできるように求めます。現在の進捗状況についてお答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) フリースクールなどの民間施設に通所している場合や、自宅におけるICTなどを活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の扱いにつきましては、医師や大学の先生など有識者で構成される学校問題支援プロジェクト推進会議などで意見を伺いながら、現在も検討しているところでございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 近年ですけれども、約6割の自治体で不登校児童・生徒を、何らかの形で出席扱いとして学習機会を確保しているとも言われておりますので、倉敷市におきましても、ぜひとも早期に実現していただきたいと思います。
 先ほど自立応援室等においても、ICTを活用して先生とコンタクトを取りながら学習に向けた取組を行っていると言われましたので、その子、その子、一人一人に合ったやり方があるかと思うのですけれども、フリースクール等に通いながら自己発見をしていく子もいれば、学校に行きたいと思っているけれどもなかなか行けない、そういった子たちに対して学校がICTを活用して対面である程度、自立を促していく。いろいろな課題があって、それを乗り越えていかないといけないということは十分承知しているのですけれども、そういった中身をしっかりと踏まえて、早期にここは実現していただきたいと思います。ぜひともいい結果が出ればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そしてまた、今後ですけれども、出席扱いということになれば、教育活動として認められるわけですから、フリースクール等を利用している児童、生徒、その保護者に対して、通学のための定期券の購入、あるいは保護者の負担軽減、学校では給食が出ていますけれどもフリースクール等でも給食の分の扱い、そういったことも踏まえて、様々な支援が必要と考えますけれども、教育委員会の見解を伺いたいと思います。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) フリーススクールを利用している家庭に対する補助金制度につきましては、現時点では考えておりません。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) フリースクール等を活用したり、あるいはICTを使った教育活動と認める場合については、今後そういったことも検討していかなければならないと思います。子供にとってももちろんそうですし、そこを支えていく保護者にとってもそうですので、ほかの自治体などでも補助をしていくという形を取っている自治体もありますので、ぜひ検討していただきたいと思います。これは本当に、フリースクール等、あるいはICT、それを出席扱いにするというところに立ってからの話になりますので、今後ということになりますけれども、そこをしっかり検討していただきたいと思います。
 この項最後に、介護休業制度の要件緩和の周知を求めて伺います。
 今年1月、厚生労働省が介護休業の判断基準を、ひきこもり、不登校の状態にある対象家族にも適用できるよう見直しを行いました。子供がSOSを発したときに親がすぐに安心して休める制度を整え、さらに利用しやすくしていくことも必要ですが、まずは不登校の子供も介護を必要としていると、そういった対象になったことは重要な一歩でもあります。保護者が子供のせいで仕事を辞めたり、自らを犠牲にしなくてもいいように、制度の周知を求めます。教育委員会の答弁を求めます。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 介護休業制度とは、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業制度のことで、令和7年4月1日に常時介護を必要とする状態に関する判断基準が見直され、基準に該当すれば、子が不登校の状態で常時介護を必要とする状態にある場合に適用されることとなりました。倉敷市教育委員会では、国や県からの保護者等への周知依頼があった場合は、学校園に対して適宜周知してまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) よろしくお願いいたします。
 このたび、その判断基準の見直しによって、子供も介護を必要とするという対象になり、介護休業の通算93日まで賃金保障されるということが適用されたことは、当事者を中心とした皆さんの声と運動の成果です。子供の対応は個々によって様々です。今後はさらに利用しやすく要件緩和や不登校休業制度、こういったものをつくることが求められていると思います。
 育児と働き方が両立できるように、社会全体、そして行政がしっかり支援できる体制づくりを求めて、次の項目の質問に移りたいと思います。
 それでは2項目め、公共交通の充実を目指して4点質問します。
 これまで地域公共交通の充実を求めて、会派を超えて多くの議員が取り上げ、議論されてきました。私はこれまでも、住民の移動手段を確保することは、地域経済の活性化につながることや、市民の外出の機会を増やし、健康増進にもつながることなどを指摘してまいりました。地域公共交通の充実は、まさに住民の交通権を保障する、公が責任を持って取り組むべき課題です。今後、高齢化が進行する中、交通不便地域における移動手段の確保は重要な課題と考えます。
 そこでお伺いいたします。
 交通不便地域の住民人口は、市内全人口の約4割と言われております。公共交通不便地域の現状認識とその解決に向けた施策についてお答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 本市では、鉄道や路線バスなどの公共交通が利用しにくい地域を公共交通不便地域としており、令和2年度の地域内居住人口は、自家用車などで移動することが可能な方も含めて約20万7,000人、そのうち高齢者は約5万7,000人となっております。このため、公共交通不便地域における移動手段の確保に向けて、コミュニティータクシー制度の普及などに努めているほか、今年度より社会福祉法人等の輸送資源を活用したボランティア送迎支援事業に取り組んでおり、本年7月から事業者による申込みを開始し、その後、順次8月から運行が開始されているところでございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 市内の路線バスや鉄道は、市内交通の骨格として地域・地区間を結ぶほか、市外と市内を結ぶ広域的な公共交通として重要な役割を担っております。公共交通不便地域の解消には、地域住民の日常的な移動を支えるフィーダー交通の充実と維持が最も求められております。地区の実情に合った公共交通としてのフィーダー系統の充実は、その地区住民の暮らしの足であり、日常の買物や通院などに必要不可欠なものとなります。
 そこで、移動手段の確保について、コミュニティータクシーだけではカバーできない地域があることから、誰もが利用できるコミュニティーバスの導入を求めたいと思います。本市の見解をお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 本市では、路線バス自体が利用者数の低迷により減便、廃止となっていることなどから、コミュニティーバスの運行につきましては、利用者数の見込み、運行コスト、運行事業者の意見などを踏まえて研究していく必要があると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 令和6年に私がコミュニティーバス導入を求めて質問したときと全く答弁が同じだったのですけれども、令和5年の1月から3月に行った、地域公共交通計画を策定する際のパブリックコメントに寄せられた声は、地域主体ではなくて、自治体が主体となった継続的に運行できるコミュニティーバス、いわゆるコミバスを求める意見が数多く寄せられました。それを受けて私も同様の質問をさせていただいたのですけれども、当時も堀越建設局長は利用者数の見込み、運行コスト、運行事業者の意見などを踏まえて研究していくという答弁でありました。しかしながら、運行コストだけでははかれません。交通の充実は、冒頭申し上げたように社会的な便益を地域全体にもたらします。外出する機会が増えることで市民の健康増進につながること、地域経済の発展、環境、世代を超えた社会参加、様々な影響が地域の経済効果につながります。運行コストだけではない、どれだけの経済効果がもたらされるのか、ぜひとも今後検証していただきたいと思います。
 次に、公共施設を結ぶ公共交通の在り方の検討を求めて質問させていただきます。
 公共施設は住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設であり、住民が自由に利用できる場所となっています。この間、公共施設の再編、統合が進められてきました。その結果、これまで利用してきた人が利用できなくなったり、利用が制限されるようなことがあってはなりません。それは、まさに交通弱者や障がい者にとっては大きな障壁となります。市民の皆さんにとって、公共施設や主要な駅など、アクセスしやすい公共交通をまず検討していただきたいと思いますが、当局の見解をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 市内における主要な駅からこのたび再編する公共施設や既存の公共施設までの交通手段として、路線バスやタクシー、鉄道などが運行されております。
 特に、路線バスにつきましては、運行回数が少ない路線などもあるため、本市としては、事業者に対して補助金により支援するとともに、多くの方に利用していただくことで、路線を維持し、運行回数などのサービスレベルの向上につなげていく必要があると考えております。このため、引き続き運行事業者と連携して、施設利用者をはじめ市民の皆様に、路線や運行に関する情報をホームページや施設で提供することなどにより、路線バスを利用していただきたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 路線バスを利用するまでが本当に大変な状況で、路線バスの時間も本当にまちまちです。本当にその場所に行きたいときに路線バスがない、あるいはその場所の停留所に行くのも大変というような状況で、本当に地域のフィーダー交通を、支線を支えていかないと、その本幹であるバス路線、鉄道などがもう使えないというような状況に陥っているのが現状だと思うんですね。それをもっていろいろな議員の皆さんが地域の公共交通の充実を求めて質問していらっしゃると思うんです。やはり公共施設は、今本当に様々な施設ができて、本当にいい施設ができています。今まで使えていた人たちが移動したことによって使えない、そういうことがあっては絶対にならないと思いますので、特に水島緑地福田公園にできるようなところ、あるいは玉島、児島含めてですけれども、本当に公共施設の使い勝手がいいような形で公共交通を充実させていただきたいと思います。
 それではこの項最後に、高齢者や障がい者に対する公共交通運賃の補助を求めたいと思います。
 全国でも多くの自治体で導入が進んでいる高齢者や障がい者に対する運賃の割引制度です。割引制度の目的としては、障がい者や高齢者の社会参加の促進、日常生活の利便性の向上を図ること、高齢者が免許返納によって交通弱者とならないように公共交通機関を可能な限り利用していただくことが上げられます。ぜひ本市におきましても、運賃の補助制度の導入を求めたいと思います。見解をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 本市では、高齢者の方、また障がい者の方に対する公共交通運賃の補助制度として、コミュニティータクシーの運賃の割引を行っております。また、障がい者の方に対しては、障がい者の方々の社会参加の促進を目的とした障がい者移動支援事業の中でタクシーチケット及びリフトタクシーチケットの助成、また路線バスや鉄道運賃についても助成を行っているところでございます。
 また、高齢者の方に対しては、市が配置している生活支援コーディネーターが地域住民の方々による移動支援など、新たな仕組みづくりの創出に向けた伴走支援を行っているところで、御存じのように今年の7月から社会福祉法人等の皆さんがボランティア送迎の申請をしていただいて、それを市が決定して、実行していただくということで、7月から申込みを始めて、既に9月初めまでで3つの社会福祉法人さんがボランティア送迎支援に関する交付決定、市からの補助金等も活用して事業をすることが決まっており、既に運行を始めていただいているところもございます。
 今後も、高齢者の方、障がい者の方の社会参加への促進を図るために、取組に力を入れていきたいと思っております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田口 明子議員。
◆9番(田口明子 君) 以前、高齢者向けにタクシーチケットを販売していただいた、あの事業も本当に喜ばれたものでした。令和4年度から令和6年度にかけて、路線バス・臨鉄無料デーなども実施されて、14回実施されてきました。その結果、通常に比べると、利用者が1.4倍から2.7倍に増えたということ、そして利用した人たちの8割が今後も公共交通機関を使っていきたいというふうに言われていることが報告されました。
 公共交通機関を利用できる環境が整えば、多くの市民の皆さんが利用していただけるのではないでしょうか。公共交通施策に係る予算は年間2億4,000万円余りが毎年出ますけれども、その8割が事業者への路線維持補助に充てられております。事業者を支えて路線を維持していくということも本当に重要な課題ではありますが、市が主体となって支線交通を広げていく、そして市民の皆さんの移動を支えていけば、根幹である基幹の路線を維持していく、そういったことにもつながってまいります。
 市民の皆さんがよりよく利用することで公共交通機関を支えていく、市全体で支えていく、そして市民の皆さんとともに支える、そういう仕組みづくりが今必要ではないでしょうか。どの市や町を見ましても、コミバスやコミタク、市営バスが走っております。ほかの自治体にできて、倉敷にできないはずがありません。本当に、子供から高齢者の皆さんまで、どこに住んでいても交通弱者をつくらない、その覚悟を持って今後取り組んでいただきたいと思います。全ての人の交通権が保障されることを願い、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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