録画中継

令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
2月22日(火) 本会議 代表質問
新風くらしき
芦田 泰宏 議員
1 社会的包摂の価値の普及
(1)経済格差の解消を目的とした学習支援体制
(2)個人の尊厳尊重と人権教育の現状
(3)倉敷市民憲章へのSDGs価値の反映
2 アフターコロナに向けて
(1)コロナ禍を通じた,業務上の気づきや見直し
(2)コロナ禍で希薄化が加速した地域の結び付きの修復や再構築
(3)いわゆる生活困窮世帯の再建
3 超高齢化社会加速への対応
(1)共助が既に成り立たない超高齢化地区への対応
4 デジタルトランスフォーメーションの着地点について
(1)総務省自治体DX推進計画を超えた情報化の取組
(2)デジタル化の先にあるトランスフォーメーションの方向性
5 倉敷市の産業構造と対応
(1)基幹産業の一つである医療・福祉業界との向き合い方
6 廃棄物管理と海洋資源保護
(1)プラスチック資源循環促進法施行後の対応
(2)リユース施策の取組
(3)海洋並びに川ゴミ削減への取組
(4)海洋資源保護と漁業振興
7 シビックプライド醸成と「くらしき合衆国」構想について
(1)地域意識の活用や多様性の称揚を通じた,倉敷市の求心力と地域づくりへの参加意識の向上について
◆3番(芦田泰宏君) (拍手)新風くらしきの芦田 泰宏です。質問に先立ち、一言申し上げます。
 2020年1月15日に、国内初めての新型コロナウイルス感染者が確認されてから2年がたちました。以来、この感染症の対応に、保健所はもちろん、保健福祉、商工労働等関連するあらゆる部局で、急増する業務に全力で御対応いただいておりますことに感謝申し上げます。もちろん市民あっての市役所でありまして、市民の暮らしが守られることが第一ではありますが、職員の皆さんも市民でありまして、出口の見えにくい状況に疲弊しておられるのではないかと思います。ふだんは、対応を問いただす立場にもあることが多いのですが、こうした機会に触れて一言感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 また、この3月をもちまして御退職予定の全ての職員の皆様、本当にお疲れさまでございました。キャリア人生をひたすら公益の実現のためにささげてこられたことに、心から感謝申し上げ、敬意を表させていただきます。引き続き別のキャリアを歩まれる方、また、趣味等に打ち込まれてゆっくりされる方、この先の進む道はいろいろあると思いますが、いずれにしましても、セカンドライフが生き生きと充実したものになりますことを心からお祈りいたします。本当にお疲れさまでした。
 会派を代表しまして、本日最後になりますが、通告に従って質問させていただきます。
 新しさはないかもしれませんが、SDGsに沿った質問をさせていただきます。
 このSDGsについては、一時の流行ではなくて、人類社会の普遍的な価値であるとされております。私も、これに共感しております。より豊かに、より便利に、また、より安くということを飽くなく追求してきた結果、環境は破壊されて、貧富の差が拡大してきております。
 人新世の「資本論」という本、日本人哲学者の書いた本がベストセラーになっております。国際的にも非常に評価が高い。同書は、貪欲に、つまるところ、独り勝ちを目指す資本主義、これは自分ではブレーキがかからないと、発展自体を抑制する必要があるという立場でございます。その全てに同調することはできないのですけれども、いずれにしても、自分たちの来し方や今立っているところを振り返って軌道修正していく必要がある。これは多くの方が感じておられることだと思います。
 本日は、数あるSDGsの価値の中でも、誰も取り残さない、また持続可能な発展と環境保護、そしてそれらとバランスを取りつつも豊かさの追求や、あるいは技術革新の果実を取り込むことを諦めないといったような価値と、行政がどう目線を合わせていくのかと、どう政策展開するのかという観点から質問させていただきます。
 まず大項目1つ目は、社会的包摂の価値の普及です。
 私は全ての福祉の目的は、それが障がい者支援であっても、貧困家庭救済であっても、高齢者福祉、あるいはマイノリティー保護など、どれも一番深いところにある理念は、個人の尊厳の尊重だと考えています。社会の多様性を大切にするのは、それを受け入れる理由は、一人一人を人間として大切に思うからです。私は、SDGsの価値観、誰も取り残さない、言い換えれば社会的包摂も、こうした文脈で捉えております。そして、誰もが生きるかいのあると感じられる世の中にしていかなければならない。個々人レベルも含めて、社会全体で活動していかなければならないと思います。このために、行政ができることは何かとして質問いたします。
 1つ目、経済格差解消を目的とした教育、学習支援体制のことです。
 経済格差の解消とその手段としての教育の普及、振興。これは17目標のうち、少なくとも3目標が充てられています。社会的包摂に関わる最大テーマの一つです。先進国と途上国のみならず、日本でも格差の問題は年を追うごとに取り上げられる頻度が増えてきました。私は、格差が存在すること自体は、問題ではないと思っています。いや、もちろん絶対問題なんですが、もっと深刻なのは、格差が固定化されつつあることだと思っております。今、これが日本で起こっている。
 経済的に厳しい家庭に育った人はその子供も、さらにその子供もずっと豊かになれない。自己責任で切り捨てられないのはそこに構造的な問題があるからだと、あらゆる場面でいろんな方が言っています。この貧困の連鎖を断ち切るのは、やはり教育です。教育こそが社会階層の移動を可能にすると、私も信じております。そのような観点でいろいろな質問が、本日もございました。
 この問題解決への決意並びに取組体制はどうなっているのかと。本日、赤澤議員の質問を通じまして、学習教室くらすぽや、あるいは小学生等訪問型学習・生活支援事業がそれに当たるんだと思うのですが、これは何でもそうなのですけれども、社会的弱者は、その姿が見えにくいのが特徴です。どこに支援を必要とする人がいることを把握するのか、ニーズの把握体制についてもお答えください。
 続きまして、個人の尊厳尊重と人権教育の現状です。
 冒頭に言った誰も取り残さない、言い換えると一人一人を大切にするという姿を大人、社会ですね、が見せることが、子供にとっていじめ防止を含む身近で効果的な人権教育になると信じます。市の認識と、人権教育の現状と課題についてお答えください。
 小項目3つ目、倉敷市民憲章へのSDGs価値の反映。
 本年50周年を迎える倉敷市民憲章については、内容的にすばらしく、倉敷市のまちづくりの背骨として大事にしていかなければならないと思っています。50周年記念事業を機に振り返って意味を考えて、その大切さをかみしめる機会にしていただければと思っています。
 一方で、将来に向けて、社会的包摂や持続可能な社会を目指すといったコンセプトをより明確に反映するよう、改定を検討してはいかがでしょうか。今のままでも、そんなこんなも全部含むのですと。50年ずっと守ってきたのだから、もうこれは変えませんといった考え方もあるかもしれませんが、一般市民の方は、年に何度も読み返して吟味するわけでもないと思うのですね。一目見て、分かりやすく了知できなければならないと思います。本当に大切ならば、いつでも誰もが共感できるように、市民から愛されるものに磨きをかけておく必要があると考えます。
 さすがに、今年は記念事業がありますので、今年着手するのは難しいかもしれませんが、改定の検討を始めてはいかがでしょうか。執行部の見解をお聞かせください。
 続きまして、大項目2番目、アフターコロナに向けてです。
 この2年間で人間社会は、コロナによって大きなダメージを受けました。それだけでなく、新しい生活様式を通じて様々な変化を余儀なくされています。いまだ本感染症の終息は見通せませんが、ワクチンの普及や治療薬の開発も進む中で、徐々に違うステージに入りつつあるということは確かだと思います。アフターコロナで求められる行政について考え始める時期ではないかと思い、質問させていただきます。
 1つ目、コロナ禍を通じた、業務上の気づきや見直しについて。
 コロナ禍により行事あるいは事業はキャンセルや縮小を余儀なくされました。業務手続の変更等もありました。これらによりまして、おのおのの事業を本当に続ける必要があるのだろうかと、どれだけ大事なのかと見直す機会になったと思っています。使われない予算も多く生まれました。コロナが過ぎれば、仕事を全て元の形に復元するのも考え方ですが、この危機を通じて分かったことを、今後の恒久的な仕事の見直しにつなげてはどうでしょうか。思い切って簡素化する行事、事業があってもいいと思いますし、また、仕事のフローや手続が変わってもいいと思います。
 例えば、1年前の議会で、執行部からテレワークやオンライン会議を試験的に導入していますという答弁がありましたが、この評価はどうで、今後の継続可能性はあるのでしょうか。今後の業務の見直しにつながるものはどういうものがあったのか、お答えください。
 続きまして、コロナ禍で希薄化が加速した地域の結び付きの修復や再構築です。
 地域コミュニティのつながりを築くことは、高齢化と人口減少が進む中で、幸せな暮らしづくりのキーワードとされています。市政においても、地域の共助の仕組みを期待する政策分野が多いです。一方で、外出規制や集会の抑制から、町内会活動やグラウンドゴルフなど趣味の集まりも非常に低調になりました。折からの高齢化や人口減少でゆっくり進んでいたコミュニティの分解が、コロナ禍を通して大きく加速したのではないかと懸念しております。
 市として、どのように修復や再建を進めるのでしょうか。お考えをお聞かせください。
 続きまして、いわゆる生活困窮世帯の再建についてです。
 収入基盤が脆弱な家庭は、アルバイトやパートの職場が減って大きな打撃を受けております。感染の波は今まで6つありましたけれども、いわゆる生活困窮世帯にとっては、感覚的には、アップダウンなく2年前からずうっと継続して、収入が激減した状態が続いていると推測しています。
 幸い、政府による緊急小口資金や総合支援資金などの特例貸付け、あるいは住居確保給付金、生活困窮者自立支援金など、国のサポートは確かでありがたいのですが、例えば特例貸付けは最大で合計200万円まで借入れが可能ですが、住民税非課税世帯であれば返済は不要となります。このため、低い収入水準のままとどまる、そのほうがいいんじゃないかという動機も生まれてしまう可能性があります。こうした借入れの急増などはコロナ禍で受けた家計への、何というか外傷的な傷とも言えると思います。なかなかこれが長く、癒えにくい可能性があると考えています。
 こうした世帯の生活の再建をどう進めていくのか、執行部のお考えをお聞かせください。
 続きまして、大項目3つ目です。超高齢化社会加速への対応です。既に共助が成り立たない地区に対して、どうしていくのかということです。
 全ての人に健康と福祉をというSDGsの目標は、言うまでもなく高齢者にも当てはまります。先ほど少し触れましたが、これからのまちづくりや福祉政策実行のキーワードは、共助であるともされています。防災や見守り、あるいはごみ出しに至るまで、地域の助け合いが課題解決の鍵であるとされます。一方、地区の全員が高齢者世帯というところが、既に本市でもあります。そうしたところでは、既に共助の基盤を失っていると言えます。
 例えば、坂道ばかりの山裾のところに住宅があると、空き家が並んでいると、その中にぽつんと独り暮らしのお年寄りがおられるということですね、近所に人は住んでいませんと。足が弱ってきたので、ふだんから出かけるのもおっくうになっておられる。また、雨が降って、下にいる方が声をかけに行こうとしても、雨が降っている中、坂の上の山の遠くのほうにいる人をなかなか助けにいけないと。既にあるんですよね。
 共助は、元気な人の存在が前提です。これからは、そうでない地区は、至るところで増えてくると思っています。こうした地区では、共助を進めるは答えになりにくい。行政は、共助の基盤を失った地区にどう対応するのか、方針をお示しください。
 続きまして、4番目、デジタルトランスフォーメーションの着地点についてです。技術の進歩を正しく取り入れて人の幸せに役立たせるというときに、行政がどうするかという質問です。
 1点目、総務省自治体DX推進計画を超えた情報化の取組と名づけさせていただきました。
 地方自治体のデジタルトランスフォーメーション、以下DXと略します、については、総務省が令和2年末に公表した自治体DX推進計画に準拠して進めることが、まず地方自治体としてやるべきことだと理解しております。そこには6つの重点取組事項が掲げられておりまして、情報システムの標準化・共通化、それからマイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化、AI・RPAの利用推進、テレワークの推進、セキュリティ対策の徹底です。もう皆さん聞いたことのある言葉だと思います。
 本市はおおむね、その全てにきっちりと答えを出そうとしていると理解しております。特に最初に上げた情報システムの標準化・共通化においては、顕著な進展を見せている。以前市長からも御説明がありましたデジタル庁のガバメントクラウド先行事業に採択されて、全国の先頭を切って基盤整備を進めるなどは、非常にすばらしいと思います。これはもっと広く知られていいと思っております。
 一方で、本来のデジタルトランスフォーメーションとは、情報の電子化や関係者間の共有化を強力に進めて、業務を徹底的に効率化すると、これはデジタル化ですよね。それを通じて今までなかったサービスなど新しい価値を生み出す、これはトランスフォーメーション。これに分けられます。こうした観点から職員の皆様の仕事の基盤を見ると、もう少し改善されたらいいんじゃないかなと思われることがあるんです。
 例えば通信基盤。職員の方と外部の一般市民の方は、別々のeメールシステムがある。例えば、外から来たファイルは、システムを通して無害化処理、浄化処理とも言われるそうですが、時間をかけてやらなければならないと。部署共通のグループアドレスがなくて課のメンバーで共有しようとしたら、文書取扱責任者、ぶんとりというんですかね、に一旦送って、それで初めてシェアされるという仕組みだそうです。外では行われていることが、なかなかまだ実現していない現実があります。
 例えば、こういうことがありました。こんな形で出てくるんですね。私はある修繕の要望を受けて、担当の方にグーグルマップの座標、これ御存じですかね、グーグルマップで20桁ぐらいでしょうか、を送ったら、地球上で1点が出てくる、特定されるというやつですね。あれをリンクで送って、eメールで説明しようとしたら、こう言われたんです。悪いですけど、外から来たメールは開けるのに時間がかかるし、グーグルマップを開くにはパソコンを立ち上げなきゃいけないので、悪いですけど、住宅地図に印をつけてコピーしてファクスで送ってということになりまして、非常に残念な話なんですけれども、まだほかにもあるんですが、これだけにしておきます。
 生産性を上げるのは、官民を問わず、これは日本全体の課題です。共通のガバメントクラウド基盤の構築も大切なんですが、同時にこうしたことも改善していただけないでしょうか。総務省自治体DX推進計画以外の情報化、デジタル化の取組方針を聞かせてください。
 小項目2つ目、デジタル化の先にあるトランスフォーメーションの方向性について。
 DXは、先ほど言った情報の電子化等を通じて生産性を上げて、それらを通じて新しいサービスや価値の創造につなげることとされます。
 自治体でいえば、省力化で余った人員をほかの仕事に再配分して、市民の満足度を高めるとか、あるいはエビデンスに基づく、我々の話かもしれません、政策決定を進めることとか、あるいは民間を含めた種類の違うシステムを相互につなげて新しい行政サービスを生み出すことなどが例とされています。
 ただ、トランスフォーメーションは、残念ながら、民間企業もきっちりできているところが多くないので、そんなに多く事例があるわけではありません。本市はデジタル化の先のトランスフォーメーションについて、いかなる方向で考えておられるでしょうか。お答えください。
 続きまして、大項目5つ目です。倉敷市の産業構造と対応というタイトルをつけさせていただきました。その中でも、医療・福祉業界との向き合い方についてお聞きします。
 先ほど生産性に関する質問が出たので、関連する質問でございます。議長の許しを得て資料をお配りしています。朝一でお手元に行っていると思います。横棒グラフです。
 これは、国が提供します地域経済分析システム、略称RESAS(リーサス)と言われております。それから取ったものです。議員になる前から、このデータを時々眺めていまして、客観的データなど事実に基づく政策の検討、決定が重要であるということから、この際、お聞きいたします。
 基になっているデータは、2016年の経済センサスです。そこにあるのは、従業員数と付加価値額、これを自治体別、業界別に、これは大分類ですけれども、集計したものです。
 従業員には2種類あります。事業所単位は市内に立地する事業所で働く人、企業単位は市内に本社がある会社でくくった数です。事業所単位が一番分かりやすい、直接的なのかもしれませんが、市内に住んでも、岡山市や早島町などの拠点に通勤する方もおられるでしょうということで、企業単位も、あるいは参考になるかなと。比較の対象で、岡山市のほかに周辺の自治体で人口規模が近い姫路市、それから福山市を挙げました。これを見ると、人口が多く、製造業が盛んな自治体、これは福山市も姫路市もそうですけれども、と比べても、医療・福祉業が濃い青い部分ですね、特徴的な重要産業と位置づけられるかもしれない。必ずしも、製造業だけが看板とも言えないかもしれないと見ています。統計というのは、データの癖があるので、一つだけを見て断定することはできないのですが、ある程度の傾向は見えるかもしれないと思っています。
 本市は、産業振興の観点から、この医療・福祉業をどう捉えていくのでしょうか。もちろん、この業界は、てこ入れが医療費の上昇を招く可能性もあるデリケートな業界です。そもそも、各種の健康保険とか介護保険とか公的なお金が還流する産業でもありますし、ベッド数や入所者数、これも規制がされております。一般の自由競争市場とは、やや性格が異なります。
 取組方針は、単純ではないと考えますが、どのように向き合っていくのか、お考えをお聞かせください。
 続きまして、大項目6点目、廃棄物管理と海洋資源保護についてです。
 人間の豊かさの追求の一方で、犠牲になった地球環境に関する質問です。地球と人類の発展が共存していくためには、どういうふうに改めていかなければならないか、そのときの行政の役割という観点からの質問です。
 1つ目、プラスチック資源循環促進法施行後の対応。
 まず最初は、環境負荷物質として認識され始めたプラスチックについてです。
 プラスチック資源循環促進法の施行について、本市ではどのように対応するかというのをお聞きするつもりでしたが、つい先ほど公明党梶田議員のほうで御質問がありましたので、ここでは割愛させていただきます。
 続きまして、2番目、リユース施策の取組ということです。
 環境保護の鍵と言われている3R、リユース、リデュース、リサイクルについてお聞きします。
 3Rと言われますが、日本の法制度は、ごみが何であるかというのを定義して、それをいかに回収するか、いかに流れをコントロールするか、不法投棄を防ぐかから組み立てられております。その延長でリサイクルが組み込まれております。ところが、本来、最も環境に優しいのはリユースのはずです。物の廃棄を伴わずに、つくったときの目的のまま使うということです。リユースといえば、もう皆さんよく御存じのメルカリですね、メルカリが単品小口個人売買なんですけれども、それをまず思い浮かべますが、それに適さない商品やニーズ、例えば、一時に大量に発生する片づけごみなど発生品などもあると思います。
 行政として、最も環境に優しいリユースについてどのように取り組むのか、お考えをお聞かせください。
 続きまして、小項目3つ目、海洋並びに川ゴミ削減への取組についてです。
 海洋ごみ並びに海洋のマイクロプラスチック汚染については、もう深刻さは改めて強調するまでもないと思います。海洋ごみは、ほとんどが陸地から川を通って海に流れ込みます。最近では、農業用の肥料を詰めたプラスチック製カプセル、これが大きなプラごみのもとになると懸念されております。
 倉敷市は、母なる高梁川に加えまして、瀬戸内海に面した長大な海岸線を持っております。加えて、岡山市と並んで、市内平野部には網の目のように用水路網を抱えて、言わば生活のすぐ横に海につながる水路があります。海ごみ、川ごみ、双方に積極的に関わっていく立場ではあると考えております。
 市として、こうしたごみの削減にどのように取り組むのか、御説明ください。
 続きまして、小項目4つ目、海洋資源保護と漁業振興。
 これも似たような観点からの質問がありました。若干ニュアンスが違いますので、お聞きいたします。
 酪農由来の温室効果ガスは、実は大きな割合を占めていると言われております。このため、カーボンニュートラル達成のためにも、また、将来の食糧危機への対策の両面から、近年、たんぱく源の多様化が叫ばれております。話題に上がるのは、大豆ですとか大豆由来の代替肉、あるいは昆虫食もそうですけれども、古くからの魚食の重要性も世界中で見直されております。しかし、これは前の方の話にもありました。今世界的な乱獲や行き過ぎた水質管理、海水温上昇による生態系の変化、後継者不足などから、日本の漁業は消滅の危機にあります。魚食を振興していかなければならないんですが、全く逆の流れにあるということです。
 全国に自治体が1,741ある中で、海のある自治体というのは640程度だそうです。こうした中でも、倉敷市は県内第2位の海面漁獲物販売高を誇る自治体だそうなので、魚食の普及と漁業資源の保護、増加においてイニシアチブを取っていくべき立場だと思います。
 そこで質問ですが、倉敷市において、魚食の振興にどのように取り組んでいくのか、お答えください。
 次に、海洋資源の保護については、より漁業に適した海洋環境の改善が必要であると考えます。午前中に北畠議員が質問されました下水の管理運転、栄養塩の管理を緩める件ですね、これもその一つだと思います。
 一方で、漁業振興の長期計画といえば、水産庁、県、市、各漁協が一体となって取り組む浜の活力再生プラン、いわゆる浜プランが知られますが、ここでどのような対応をしようとしているのか、海の環境改善のためにいろいろな新しい技術が開発されているとも聞いております。ミネラル分を増やすというような積極的な技術の導入を図ったほうがいいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。
 続きまして、最後の大項目になります。シビックプライド醸成と「くらしき合衆国」構想についてということです。これは、ひょっとしたらタブーに触れる質問なのかもしれませんけれども、お聞きいたします。
 自分の住んでいる地域に対する誇りや愛着を磨くんだと。一人一人が地域づくりに参加する当事者として、そうしていく力にする。これは言うまでもなくシビックプライドの定義であると思います。高齢化・人口減少時代で、ただでも町の活力がスローダウンしていく中で、地元への愛情を育んで、住む人に元気を、また故郷を後にした若者も帰ってくる動機となります。まちづくりを人任せにしないと、政治参加の意識も高まるとされております。
 こうした中、本市においては、私の住んでいる地域と聞かれたときに、倉敷市という大きな概念のほかに、水島、玉島、児島、真備など倉敷以外の小地区をアイデンティティーとする2つの感じ方があります。ここにいる議員の皆さん、あるいは執行部の幹部の皆さんも、倉敷市の中核にいながら、より実感を込めて一人称を語るときには、生まれ育った合併前の地区が頭に浮かぶ方もいらっしゃると思います。皆さんそれぞれに自分を倉敷市民だと思っていて、それと同時に、倉敷とは違う自分のアイデンティティーをもう一つ持っている。プライドを持って、愛着を持っていると思います。
 なぜならって、もう分かり切った話で、各地区の歴史や産業、それから導かれる文化って、全く均一じゃないわけです。豊かな多様性を持って存在している。そして、それらが長く保たれる決定的な要因、これが山や川などの地理的な特徴であり、各地区の人口の集積、地区ごとに固まった実態があるということです。
 そうした中、残念ながら、倉敷ばかりが輝くという根強い不満を持っていらっしゃる方が多いのも事実です。各地に配分される予算や政策が、決して倉敷一極集中でないのを私はよく知っています。むしろ逆かもしれないと言えます。しかし、各地区に住む人たちにはそう意識しにくい、していない人が多い。これはなぜなんでしょうか。それは、自分たちに2つあるアイデンティティーのうち、倉敷市民でないほうの一つ、より小さな地区の住民であるというアイデンティティーを積極的に公に解放する。あるいは発揮させる場がないからだと思っています。
 私は、最初の合併から54年たっても、まだ強い地域性が残っているんだったら、これはもう相当なものだと思うんです。だったら、逆にそれを生かせばいいと思うんです。ワン倉敷を目指すあまり公の場では、より小さなアイデンティティーが発揮されないように気を遣うと、やっぱり不満が生じるんじゃないかなと。
 そこで提案です。各地の地元アイデンティティーを解放できる。また、尊重されていると感じられる文化やスポーツに関連するソフト政策群を用意してはどうでしょうか。
 例えばなんですけれども、各地の誇りを披露し合う場を設ける。玉島であれば乙島に代表される千歳楽、児島であればだんじりとかしゃぎり、これが一堂に会するお祭りをつくる。昔やりましたと単発で終わるのではなくて、4年に1回とか定期的にやる。また、地区対抗のグラウンドゴルフ大会やゴルフ大会、また、ウオーキングなど健康ポイントに類似するようなものを競ったり、競う必要はないです。例えば、短歌や俳句、合唱サークルなど趣味の地区代表の発表会、または各地にある図書館の単位人口当たりの貸出冊数を公開するとか、そして本に親しむように促すと。各地の文化施設がさらに生きる。大きなイベントをやれば別ですけれども、それぞれに大した予算は要らないと思っています。
 都市計画マスタープランには、多極ネットワーク型のまちづくりが掲げられています。幾つもの核を残して倉敷をつくる計画であります。多極構造をハードで担保する仕組みとしてはありがたい。ソフト面でもそういった仕組み、枠組みをつくってもらえないかと考えます。
 こんなことをやっても、私は決して地域の分断を招かないと思っています。各地の地元意識の高まりは、それを尊重してくれる、より大きな存在である倉敷への敬意やロイヤルティーの向上に逆につながると思っています。子供たちも曖昧なアイデンティティーのままにするよりは、地元に戻ってくる動機が上がる可能性があると思います。
 私は、倉敷市はくらしき合衆国だと思っています。アメリカ合衆国は、個性のある州が集まって独自性を尊重しつつも、それでも全体として一つの国をつくっている。そして、何かがあればユナイテッドステーツ、合衆国の名前で集まることに喜びを感じている。同じように、本市市民はくらしき合衆国市民であると思えばいいと思っています。別に、本当の自治制度は要りません。そんなのはあり得ないので、合衆国はごくバーチャルな、観念的なものでいいと思っています。また、SDGsで目指す社会は、多様性から目をそらす社会でもない。強い地域性が統合の障害になると言っている限りは、残念ながら、本当に障害になり続けるんじゃないかと心配しています。
 こんなことを言いますけれども、私も一応国際企業で働いてきましたし、グローバルなビジネス環境を調べて、営業本部の幹部に意見を具申するような仕事もしていました。全体最適とか、集中と選択とか、スケールメリットというのを、当然のことながら分かっているつもりです。その上で、これとは別に、くらしき型シビックプライドとでも言いますか、その価値を見ています。
 なぜこれを言うかというと、平成の大合併で吸収された小さな自治体の活力が下がる弊害が全国で起きています。悲しいかな本市においても、これから人口減少のスピードに各地で開きが出てくる現実に向き合わなければならない。活力維持は、本当に重要な課題だと考えます。逆に多様性を積極的に受け入れ、促進する政策は、合併の大先輩として、倉敷市が新しいモデルを全国に示すこともできると思います。
 倉敷の地域ごとのアイデンティティーを公に解放できる、または発揮できる文化やスポーツに関連するソフト政策群を導入する。くらしき型シビックプライド、くらしき合衆国の構想について、執行部の御見解をお聞かせください。
 私の質問は以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(塩津孝明君) ここで休憩いたします。再開は3時30分からの予定です。

            午後 3時18分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午後 3時30分  開 議
○副議長(塩津孝明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) それでは、新風くらしき代表質問 芦田 泰宏議員さんの御質問に順次お答えさせていただきます。
 まず、社会的包摂の価値の普及ということで、倉敷市民憲章のことについて御質問いただきました。
 倉敷市民憲章でございますが、昭和47年2月1日、3市合併の新市発足5周年を記念しまして市民の皆様に公募した文案を基に、市民の皆様により、制定のいろいろな検討を行う委員会をつくって協働で制定したものでございまして、市民生活のよりどころや、住みよいまちづくりに関する思いの大変籠もったものであると考えております。そして、今年で50年となるわけでございますが、先ほどのSDGs価値の反映ということでございますけれども、まさに第1が、自然を生かし、緑と花のあるから始まりまして、環境のことや健康、長寿のこと、安全のこと、子供たちのこと、教養や個性ある文化、世界との協働など、50年前につくったとは思えないほど、まさに世界的な価値も反映している内容だと思っています。ということもありますので、今のところ、市民憲章の改定については考えていないわけでございますが、まずは、この市民憲章について、多くの皆様により知っていただくことで理解を深めていただくということで取り組んでいきたいと思っております。
 市民憲章についてのいろんな考え方ということで、例えば、子供たちが考えた倉敷っ子憲章というものもつくっていまして、5項目について、子供たちなりの考え方で言い換えといいますか、より分かりやすい形につくったものであります。秩序を守り、平和で安全なまちをつくりますというのが市民憲章ですけれども、子供たちが宣言したものとしては、きまりを守り、正直に行動しますということなど、いろんな取組も行われております。
 そして今年はちょうど50周年でございますので、4月29日に記念式典を開催いたしまして、より皆様に分かっていただいたり、日頃から折に触れて、いろんな会のときにも唱和していただけるよう理解促進にも努めていきたいと思っております。
 続きまして、廃棄物管理と海洋資源保護のうちで、海洋並びに川ゴミ削減への取組について御答弁いたします。
 倉敷市におきましては、プラスチックごみをはじめ海ごみの発生抑制の対策としまして、岡山県海岸漂着物等対策推進地域計画に基づいて回収した海ごみの処理、そして清掃活動への参加の呼びかけ、ポイ捨て防止など不法投棄に対する取組など、多くの方の御協力もいただいて取り組んでいるところでございます。
 そして、これらの取組に加えまして、令和2年度からは高梁川流域市町とも連携いたしまして、川ごみや海ごみの発生抑制をテーマにした本を作成し配布しますとか、そして令和3年度からは、流域市町の河川や海岸で実施したごみの実態調査結果を出しておりますので、それを活用したパネル展を流域市町で巡回して開催するなど、流域の中での海ごみ、川ごみの状況などについて皆さんに分かっていただけるように普及啓発活動にも取り組んでおります。
 また、倉敷市では、日本財団さんとの関係も非常に強うございます。瀬戸内海に面する岡山、広島、香川、愛媛の4県と日本財団とで海ごみ対策のプロジェクト、瀬戸内オーシャンズXというものを昨年立ち上げておりまして、瀬戸内4県の主要河川でのごみの発生実態調査、ペットボトルのリサイクル活動などを行っております。倉敷市にも日本財団の援助をいただきまして、コンビニエンスストアにペットボトルのリサイクルのポイントがたまるものなども、多くのところで設置していただいているなど、活動も活発にしていただいております。
 市といたしましては、海ごみや川ごみの削減には高梁川流域、そして本当に沿岸自治体全ての皆さんで連携して取り組んでいくことが必要でございますので、まずは高梁川流域、それから沿岸市町での連携活動に積極的に参加することで頑張っていきたいと考えております。そして、それが地球の環境対策にもなるという思いで取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 その他の御質問につきましては、担当よりお答えさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 社会的包摂の価値の普及のうち、個人の尊厳尊重と人権教育の現状についてでございますが、倉敷市教育委員会では、平成28年に開催されましたG7倉敷教育大臣会合の倉敷宣言の中に示されました個別性や多様性が尊重された教育環境の実現を重要な視点の一つと捉え、市内の各学校において、社会科や道徳科、総合的な学習の時間等で様々な人権課題について学ぶとともに、互いの違いを認め合う人間関係づくりに取り組むよう指導しております。また、大人が個の尊厳を大切にする姿を見せることは、子供の人権意識を高めることに大きな役割を果たすと考えており、地域の方を招いての人権の講話や福祉施設に出向いての体験活動など、各学校の取組を支援しております。
 さらに、倉敷市教育委員会の事業といたしまして、例えば、助産師等から心と命の大切さを学ぶ外部講師派遣事業を実施しているほか、来年度から新たに県内のブラインドサッカーチームの支援者や選手、それをサポートする企業等と連携いたしまして、講習やブラインドサッカー体験を行う事業を始めることとしております。
 今後もこのような活動を増やすことにより、一人一人の子供が自他の大切さを認め、適切な行動ができるように人権教育を推進してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 社会的包摂の価値の普及のうち、経済格差の解消を目的とした学習支援体制についてでございますが、本市では、生活にお困りの世帯の小・中学生を対象に学習支援を行っております。中学生を対象としては、学習教室くらすぽを実施し、また、小学生を対象として小学生等訪問型学習・生活支援事業を実施することで、専門支援員が自宅へ訪問し、学習習慣や生活習慣の習得支援、保護者の養育に関する悩みの相談を行っております。
 これらの学習支援のニーズの把握につきましては、学校からの連絡のほか、福祉事務所のケースワーカー、生活自立相談支援センターなどで相談支援を行う世帯のうち、学習支援が必要な情報を把握し、支援を希望する世帯に対してそれぞれの事業につなげております。
 次に、アフターコロナに向けてのうち、いわゆる生活困窮世帯の再建についてでございますが、本市では現在、収入が減少し住宅を失うおそれがある方などへ家賃を助成する住居確保給付金や、社会福祉協議会の再貸付け等が終了した方へ支給する新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の給付を行っております。
 また、明後日の24日からは、住民税非課税世帯等を対象とした臨時特別給付金10万円の給付を開始いたします。生活にお困りの世帯の再建に向けては、倉敷市生活自立相談支援センターを窓口として、それぞれの世帯の状況に応じた支援を行っており、具体的には、世帯のお困りの状況をお聞きし、自立に向けたプランを作成し、ハローワークへ同行するなどのきめ細やかな就労支援や、家計簿作成による家計改善支援などを行っております。
 引き続き、生活にお困りの世帯の生活再建に向けた支援に努めてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 西企画財政局長。
◎企画財政局長(西雅敏君) アフターコロナに向けてのうち、コロナ禍を通じた、業務上の気づきや見直しについてでございますが、コロナ禍において、感染対策を講じつつ市の業務を継続するために、本市では業務の見直しを図ってまいりました。例えば、窓口における接触を最小限に抑えられるよう、押印の廃止や申請手続のデジタル化、市税等の公金収納業務のキャッシュレス化などを進めています。また、職場における感染対策として、テレワークや時差出勤などを促進し、会議、打合せや職員研修などにオンライン会議を積極的に活用しているところでございます。
 今後も市民サービスの向上、職員の働き方改革、業務の効率化等をさらに進め、コロナ後の行政運営に生かしてまいりたいと考えております。
 続きまして、コロナ禍で希薄化が加速した地域の結び付きの修復や再構築についてでございますが、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化し、地域での行事の中止や支え合い活動の自粛など、以前にも増して地域のつながりを維持するための取組が困難な状況が続いている状況です。
 一方、地域によっては、住民同士で話合いを重ね、自分たちで解決すべき課題を見つけたり、事業の見直しを進めている地域もあると伺っております。
 本市では、従来からコミュニティ協議会の活動を支援しておりますが、それに加えて、地域活動の進め方やノウハウをアドバイスできる地域づくりの専門家を派遣したり、市内のコミュニティ協議会同士がオンラインを用いて情報交換する場を提供するなどの取組を行っており、今後も引き続き支援を続けてまいりたいと思います。
 次に、デジタルトランスフォーメーションの着地点についてのうち、総務省自治体DX推進計画を超えた情報化の取組についてですが、業務のデジタル化を進める上では、情報セキュリティが重要であり、本市では平成28年度に国の指針に基づき、個人情報保護やサイバー攻撃対策の観点から、インターネットへの接続環境を庁内の業務環境から分離させるなど、情報セキュリティ強化を図りました。これにより、メールの送受信やインターネットの閲覧などで操作回数が増え、所属によっては負担が増えたと感じているケースもあることは認識しております。
 本市の情報化の推進については、安全性を最優先に、情報セキュリティと業務の効率化を担保した上で、業務の負担軽減や利便性の向上などを図り、市民サービスの向上に努めてまいります。
 続きまして、デジタル化の先にあるトランスフォーメーションの方向性についてですが、本市では、国の策定した自治体DX推進計画に基づいた取組である住民記録システム、税システムなどの業務システムの標準化・共通化、マイナンバーカードを用いた行政手続のオンライン化の拡充、キャッシュレス化の推進、業務の効率化としてのAI・RPAの利用促進などを進めているところでございます。
 このほか、自治体DXの取組と併せて取り組むべき事項として、デジタル田園都市国家構想にも掲げられるように、地域社会のデジタル化、デジタルデバイド対策にも取り組むことで、窓口に来庁しなくても行政手続ができるなど、市民の方にとっての利便性や行政サービスの向上をはじめ、デジタル化を用いた住みやすいまちづくりに努めてまいります。
 最後に、シビックプライド醸成と「くらしき合衆国」構想についてですが、活力ある地域を維持していくためには、長期的には地域への愛着と誇りの醸成が重要であり、郷土倉敷を愛し、誇りに思える人を増やすことを目指して施策を行っていく必要があります。
 今後も地域やコミュニティの中で、誰もがお互い助け合い、支え合って暮らしている町を目指して、コミュニティ協議会の交流会などを通じて情報交換を行うなど、相互に連携する機会の創出に努め、ネットワークを構築して地域活動の一層の拡大を支援してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 渡邊保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(渡邊浩君) 超高齢化社会加速への対応についてでございますが、共助が成り立たないなど、孤立しがちな地域の高齢者の支援につきましては、日常生活圏域ごとに設置している高齢者支援センターが各家庭に訪問して行う実態把握調査により生活状況などを把握した上で、本人、家族の意向に沿った医療・介護・福祉サービスなど必要な支援につなげています。また、自宅での生活が難しい方には、高齢者向け住まいの確保についても相談対応を行っております。
 さらに、おおむね小学校区単位に設置しております小地域ケア会議等で、民生委員や地区社協、愛育委員など、地域の関係者と地域課題の解決に向けた検討を行う仕組みを設けており、その中で住民同士の見守り活動や、気になる高齢者の情報共有を行っております。
 今後も地域の高齢者の状況把握に努め、必要に応じて適切な支援につなげてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 三宅文化産業局長。
◎文化産業局長(三宅幸夫君) 基幹産業の一つである医療・福祉業界との向き合い方についてでございますが、本来、医療・福祉分野は社会保障制度の根幹をなすものとして、国が定める制度の中で報酬や賃金の設定、施設の配置など、介護保険制度、医療保険制度や公的な助成などによって主に運営されており、市民が健康で安定した社会生活を営むことができるよう、その充実が求められております。
 一方、産業振興の観点からは、これらの分野が直面する課題として人材不足があり、市では金融機関連携型中小企業支援事業や人「財」育成支援事業などによる医療・福祉現場でのDXの支援、さらには先端技術を活用した実証実験サポート事業による介護ロボット等の実用化支援などにより労働生産性の向上を図り、人材不足の解決につなげるなど、地域の産業振興の面からも取り組んでまいります。
○副議長(塩津孝明君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 廃棄物管理と海洋資源保護のうち、リユース施策の取組についてでございますが、令和3年3月に改定した本市の一般廃棄物処理基本計画では、リデュース・リユース・リサイクルが徹底され、環境に配慮した循環型社会が形成されているまちを基本理念とし、中でもごみの発生を抑制するリデュースと繰り返し使うリユースの2Rを優先、重視した取組を展開することといたしました。
 リユース施策の一例として、クルクルセンターでは、木製家具の修理、再生、販売や、古本、古着の無償提供を行うとともに、家庭の不用品の登録、紹介を行う家庭用品再利用銀行を設置しております。また、毎年10月にクルクルセンターで開催しているリサイクルフェアでは、リユース食器を使用したフードコートやフリーマーケットも実施しております。
 市といたしましては、リユースはごみを発生させない取組として大変有効と考えており、今後も市民の皆様のリユース意識が向上するよう取り組んでまいります。
○副議長(塩津孝明君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 海洋資源保護と漁業振興についてでございますが、まず魚食の普及につきましては、倉敷の魚のおいしさを知っていただき、地魚の消費拡大につなげていけるよう親子漁業体験学習を実施しております。また、学校給食の自由献立において魚の献立を実施するほか、保健所主催のこどものための食育フェアにも参加するなど、魚食の普及促進に努めているところでございます。
 海洋資源保護に関わる漁業に適した海の環境改善につきましては、市内漁協、県、市等が参画する岡山県地域水産業再生委員会倉敷市地区部会において、また、広域な漁村地域が連携して行う必要があるものについては、岡山県広域水産業再生委員会において、それぞれ漁業振興全体に関わる計画である浜の活力再生プラン、通称浜プランを策定し、その中で取組を進めております。具体的には、漁場環境調査のほか、生育環境の改善及び整備、海底耕うんや海ごみの除去等の海底環境の改善策などの取組を行っております。
 新技術の導入につきましては、先ほど申し上げました2つの委員会等の場において、協議、検討してまいりたいと考えております。
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