令和4年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月10日(金) 本会議 質問
新政クラブ
大守 秀行 議員
1 市内の公共交通について
2 水道事業について
◆14番(大守秀行君) (拍手)皆さんこんにちは。新政クラブの大守 秀行でございます。
通告に従いまして、2項目を一問一答の方式にて質問させていただきます。
なお、2項目ですけれども、一つ一つが少々ボリュームがあるため、簡潔な質問に努めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、1項め、市内の公共交通について質問いたします。
本市の移動手段としては、鉄道は主に通勤、通学。バスは運転免許証を持たない高齢者の方に利用されるなど、自動車、鉄道、バス、タクシーなどはそれぞれの特性を生かした移動手段として大変重要な役割を担っております。
一方、公共交通の需要が減少している中、高齢者世帯は増加していることから、今後も日常の移動が困難となる高齢者の方が増加することが懸念され、既に移動が困難な高齢者の方は市内にたくさんおられます。
今後さらなる交通需要の減少により、鉄道、バスとも現行の運行サービス水準の維持が困難な局面を迎えることが想定されている中、今まで以上に公共交通の役割は重要で、そしてより必要性を求められるものというふうに考えておりますので、順次質問させていただきます。
初めに、本市の公共交通網の現状について2点お伺いさせていただきます。
平成29年度に策定し、今年度最終年度を迎える倉敷市地域公共交通網形成計画において、その間、本市では課題解消に取り組んでこられました。その内容と結果をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 小路技監。
◎技監(小路剛志君) 去る4月1日に技監を拝命いたしました小路 剛志と申します。よろしくお願いいたします。
大守 秀行議員さんの御質問にお答えいたします。
倉敷市地域公共交通網形成計画では、幹線、支線の明確化による地域間、地域内の連携強化などの13項目を取り組むべき課題として示しております。これらの解決に向けて、交通事業者は路線維持やサービス向上のための経営努力を、行政は鉄道や路線バス維持のための財政支援、公共交通マップによる分かりやすい情報提供などを行っております。また、市民の皆様には、なるべく公共交通を利用していただくことや、地域主体のコミュニティタクシーの運営に参画していただくこと。地域企業は、公共交通等を利用したスマート通勤おかやまへの参加などを行っております。
これらの取組により、計画の達成状況の評価指標に設定しております、幹線である鉄道、路線バスの年間利用者数は、令和2年度以降はコロナ禍の影響で激減しておりますけれども、令和元年度には約355万9,000人となり、目標値を約9万2,000人上回る結果となりました。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に、倉敷市地域公共交通会議で示されている現在の鉄道、バス、コミュニティタクシーなどの公共交通網の現状や利用者の推移、本市の課題認識についてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市の公共交通網については、鉄道がJR西日本、水島臨海鉄道、井原鉄道の3社、路線バスが下津井電鉄、両備ホールディングス、井笠バスカンパニー、岡山電気軌道、琴参バスの5社により運行されています。
このほかに、交通不便地域では、地域が運営主体となるコミュニティタクシーが9地区で運行されています。このうち市内を運行する鉄道、主要な路線バス及びコミュニティタクシーの令和3年度における利用者数は、コロナ禍前の令和元年度以前と比較して2割から3割程度減少しています。
また、地域公共交通会議での意見としては、持続可能な地域公共交通網の構築や地域の多様な移動手段のネットワーク化に取り組む必要があることなどが示されております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に、コロナ禍においても継続して運行する公共交通事業者に対する奨励金として、6月補正予算案に公共交通対策推進事業が計上されております。そのほかにも、バス路線維持費補助事業など公共交通事業者に対しての支援事業を行っていただいておりますけれども、奨励金や補助金など公共交通事業者の支援に係る6月補正後の予算総額やその内容についてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 公共交通事業者に対して支援することを目的とした令和4年度の補助金等の予算につきましては、6月補正分も含めますと総額が2億2,727万円となっております。主なものとしましては、コロナ禍においても継続して運行する鉄道・路線バス・タクシー事業者に対する奨励金が9,450万円、バス路線の維持及び幹線等の利便性を確保するための運行費補助金が7,732万円、井原鉄道の基盤設備の維持に対する補助金が2,893万円などでございます。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 総額2億円を超える補助金や奨励金でございますけれども、これがあっても利用者の減少、燃料費高騰など、大変厳しい状況に置かれている公共交通でございます。市民の移動手段を確保するためにも、さらなる拡充が必要であるというふうに考えております。
一方、本市では公共交通の利用促進を図るため、6月補正予算案に路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業が計上されております。この事業の内容と予算の内訳をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) この議会に計上させていただいております路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業についてですけれども、コロナ禍により利用者が大幅に減少しております公共交通の利用を促進しますとともに、外出機会の創出による経済活動の活性化を図ることも目的としまして、路線バス及び水島臨海鉄道について無料デーを休日に4回実施していきたいと考えております。
実施日及び対象路線につきましては、予算の成立をいただいた後、感染者数の状況なども見極めながら、交通事業者とも調整を図って検討したいというふうに考えております。
予算の内訳でございますけれども、交通事業者に対しましてこの無料デーの分について支払う負担金が1,254万円、そして事業の効果も検証したいと思っておりますので、そのシステム使用料として304万円、無料デーのことを皆さんにお知らせするチラシの印刷製本費が27万円などとなっているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 先ほど御答弁いただきました利用促進事業でございますけれども、休日に4日間開催されるということで、ぜひしっかりとPRしていただき、多くの市民の方々に御利用いただきたいと思っております。
そして、その開催日に合わせて市内の地域の活性化を目指し、庁内各部局と経済団体などが連携していただき、各地域でイベントを開催するなど、さらなる地域の活性化につなげていただきたいというふうに思っております。
これは私の個人的な考えでございますけれども、例えばこの6月補正予算案に計上されている高梁川流域防災力強化事業、これが11月5日に倉敷みらい公園を中心に開催される予定でございますけれども、こういったイベントと連携し、防災という観点からもアプローチをしていただければ重層的な取組となり、より効果が生まれるのかなというふうに考えております。
そして、さらには現在倉敷市内の各地のお祭りが中止となっている中で、市民の方々が元気になるような企画、これが必ず必要だというふうに考えておりますので、ぜひ商工会議所など各地区の経済団体や会社、地域と連携をしていただき、地域の活性化につなげていただきたいというふうに強く要望させていただきますけれども、本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 路線バス、水島臨海鉄道の無料デーの実施日については、通勤・通学者への影響を避けるため、休日に行う予定としております。
また、各地区でイベント等が開催される日に実施日を合わせる、または各地区で無料デーに合わせて企画を行っていただくことで、より多くの皆様に公共交通を利用していただき、相乗効果による地域の活性化にもつなげていきたいと考えております。
今後、各地区のイベント情報の収集に努めるとともに、庁内の各部局等と連携し、事業の効果が発揮されるよう実施日などの調整を進めてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) ぜひいろいろな団体と調整を図っていただければと思います。
次に、真備地区では井原鉄道が運行しておりますけれども、今回の路線バス・水島臨海鉄道利用促進事業の対象とはなっていません。これは井原鉄道が広域的な運行をしているためというふうに思っておりますけれども、井原鉄道と連携を図るなど、真備地区の市民の方々に対して代替事業を展開する、そういった必要性を感じておりますけれども、本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 井原鉄道については、本市が行う事業対象には含まれておりませんが、沿線市町等で組織する井原線振興対策協議会において、これまで井原鉄道を活用した地域振興及び鉄道の利便性向上、利用促進を図っているところです。
近年はコロナ禍で実施できていませんが、井原鉄道との共催により、井原線の開業日に合わせた感謝デーにおいて、井原線1日乗り放題&わくわくスタンプラリー、主要な駅でのイベントなどを開催しておりました。
また、昨年度は感謝デーの代替事業として、特別企画車両スタートレインの内装ラッピングを実施したところです。
井原鉄道は市域や圏域をまたがる鉄道路線であることから、新しい事業には沿線自治体との調整に時間がかかるため、今回の無料デーの対象としてはおりません。引き続き、井原線振興対策協議会においてさらなる利用促進について検討してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 引き続き、検討のほどよろしくお願いいたします。
次に、本市の交通不便地域は、鉄道駅から半径800メートル以上、路線バス及びコミュニティタクシーの停留所から半径300メートル以上離れた地域というふうに定義されております。
交通不便地域にお住まいの市民の方の人数と、そのうち65歳以上の高齢者の人数、さらにはその推移をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 交通不便地域にお住まいの人口について、平成22年の国勢調査のデータを基に集計したところ約17万人であり、そのうち65歳以上の高齢者の人口は約3万8,000人でした。また、直近の集計結果としましては、平成27年では約20万8,000人であり、そのうち65歳以上の高齢者の人口は約5万6,000人となっております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 今から7年前の平成27年時点で交通不便地域にお住まいの65歳以上の高齢者の人口は約5万6,000人ということでございましたけれども、その前の5年間の推移から、現在では7万人前後かなというふうに推測しております。
そのため、交通不便地域にお住まいの高齢者の方々のために、移動手段の確保が急務だといった観点で、次に、交通不便地域における移動手段の確保について4点お伺いさせていただきます。
本市では、交通不便地域における移動手段の確保に向けて、コミュニティタクシーの普及、拡大に努めていただいているところでございますけれども、現在の本市のコミュニティタクシーの現状をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、庄新町地区、西坂地区、大室・高室・菰池団地地区、倉敷ハイツ地区、東酒津地区、イトーピア団地、水島地区、真備地区、船穂地区の9地区でコミュニティタクシーが運行されています。
令和3年度の利用者数は2万1,014人であり、コロナ禍前の令和元年度と比較して2割程度減少しています。
また、令和3年度に交付したコミュニティタクシーへの補助金の実績額は2,944万円となっております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に、公共交通の利用者の要望としては、乗りたいときに乗りたい場所で利用できること、ドア・ツー・ドアでの利用を希望されている方が多いのではないかというふうに思っておりますけれども、本市では市民アンケートを行い、市民のニーズの把握に努められております。その結果をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、本年1月に公共交通の利用実態等に関する市民アンケート調査を実施いたしました。その結果、ふだんから路線バスを利用している方で満足度が低いものについては、運行本数が6割程度、待合環境が4割程度でした。一方、利用が週1日未満の方が今後路線バスを利用するために重要と考えることとしては、自動車や自転車で移動できなくなったときの移動手段が6割程度、運行本数や行きたい場所へ行けるがそれぞれ4割程度でした。
本市としましては、バスの到着時間がリアルタイムで確認できるバスロケーションシステムのPR、バス停などの待合環境の改善など、事業者と連携しながら公共交通の利便性向上を図るとともに、自家用車利用から公共交通利用への転換に向けて、今後実施予定の無料デーなど、利用していただくきっかけづくりが必要であると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に地域公共交通活性化再生法が改正され、令和2年11月から地域の多様な輸送資源の活用が可能となりました。本市では、現在公共交通不便地域に居住する方に、新たな移動手段としてボランティア運行や病院などが行っている輸送サービスの活用を検討されております。
まずは、市内のボランティア運行の現状をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 市が把握しているボランティア運行といたしましては、高齢者や障がいのある方などが通院、買物などをする際の移動を支援するため、倉敷、児島、玉島、船穂、真備の各地区において現在、民間団体など7団体において運行されております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に、ボランティア運行を地域の中で立ち上げる場合、車両の調達費、燃料費、保険代などの定常的な運営費の捻出や運転手の安定的な確保などが運営者にとって大きな負担となっているというふうに伺っております。
本市が燃料費や保険代などを支援することにより、運営者の負担が軽減され、市内のボランティア運行の普及も促進されるというふうに考えますが、本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) ボランティア運行は、ボランティア団体や地域の助け合いにより輸送サービスを提供するものですが、今後のさらなる高齢化の進展などに伴い、交通不便地域における移動手段の一つとして有効なものであると考えております。
本市としましては、関係部署と連携し、どのような支援が可能か、今後研究してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 少し整理の意味も含めてお話をさせていただきたいと思います。
御答弁の中に当初ございましたけれども、交通不便地域にお住まいの高齢者人口は、この5年間で約1.5倍に増加しており、今後も増加傾向にあります。公共交通網の構築は急務でございます。その状況の中、地域公共交通会議の課題として、持続可能な地域公共交通網の構築や地域の多様な移動手段のネットワーク化に取り組んでいく、こういったことが示されております。
その持続可能な地域公共交通網の多様な移動手段として、本市ではボランティア運行を有効な移動手段の一つと捉えておられますが、先ほど御説明したとおり、ボランティア運行を地域の中で立ち上げる場合、定常的な運営費の捻出や調達、運転手の安定的な確保などが運営者にとって大変大きな負担となっております。
ボランティア運行は、地域の中の助け合いの活動でございます。その助け合いの組織が地域の中で持続可能な公共交通網の一つとなるためには、まずはボランティア運行を立ち上げていただき、運行することが重要で、ボランティア運行を立ち上げる際など、一番負荷がかかるときに本市からの支援やアシストがあれば、少し背中を後押ししていただければ、ボランティア運行の普及が促進され、交通不便地域にお住まいの高齢者の方々にとって大変大きな支援につながるというふうに考えております。再度、ボランティア運行への運営費の支援を要望しまして、この項の質問を終了させていただきます。
次に、2項め、水道事業について質問させていただきます。
日本の水道は97.9%という普及率に達し、水道水は私たちの体と暮らしに必要不可欠なものとなっております。
一方で、高度経済成長期に整備された水道施設の老朽化が進行するとともに、大規模災害の発生時に断水が長期化するリスクなどの課題があります。
また、今後も人口減少が進むことから、水需要の減少に伴う経営環境の悪化が避けられないことが予測されており、さらには水道事業を担う人材の確保、育成など、水道事業は様々な課題に直面していますので、課題解決に向けた本市の取組をお伺いさせていただきます。
まず初めに、今後の人口減少や節水機器の普及に伴い、水の使用量は減少することが予想されておりますけれども、本市の現在の水の使用量と今後の見込み量をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) 本市の年間給水量でございますが、10年ほど前から微減傾向にあり、令和3年度におきましては約5,948万立方メートルとなっております。
次に、今後の給水量ですが、倉敷みらい創生人口ビジョンによる人口推計値などから、10年後の令和13年度で約5,901万立方メートル、さらに20年後の令和23年度では約5,618万立方メートルを見込んでおります。令和3年度の給水量実績に比べ、10年後は約1%、20年後は約6%の減少と見込んでおります。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 本市の水の使用量は減少傾向にあることを確認させていただきました。
次に、AIを活用した水道管劣化予測診断についてお伺いさせていただきます。
先日、豊田市で導入されている水道管劣化予測診断ツール及び衛星画像解析によるAI漏水調査についての説明会をオンラインで受講いたしました。
内容を簡単に御説明させていただきますと、このツールはAI技術を活用して、今後の漏水や破損事故の可能性の高い区域を判定するシステムで、メリットを3つだけ御紹介させていただきますと、1、市内の広範囲な管路の中で、埋設年度は新しいが、劣化が進行している可能性の高い管路を優先的にピックアップでき、管路更新の優先づけが可能となる。2、職員の経験知、暗黙知を引き出し、見える化とデータ化を行い、AIを活用して客観的な分析ができ、技術の伝承が可能となる。3、同じデータを活用している民間企業と連携が可能で、同時に施工するなど効率的な作業が可能となる。これらのメリットが挙げられ、豊田市、会津若松市、熊本市では既に導入されております。
このAIを活用した水道管劣化予測診断ツールについて本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) AIを活用した水道管劣化予測診断ツールとは、議員さんからも御紹介いただきましたが、水道管の使用年数や材質などの基礎的な管路データに加え、水道管の劣化に影響を与えるであろう土壌、気象等の環境ビッグデータからAIを活用して水道管の劣化状況を事前に予測するシステムです。
水道事業者にとって、常時安定給水を行うには管路の適切な維持管理が大切であり、民間事業者のAI技術を利用することで管路更新が効率的に行えるものと考えております。水道局といたしましても、今後の導入に向けて検討を進めているところでございます。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 前向きに検討を進めていただいているということで、引き続き鋭意検討のほうよろしくお願いいたします。
次に、厚生労働省が令和3年2月に公表した資料によると、令和元年度末時点における水道施設の耐震化の状況は、基幹管路の耐震適合率は40.9%、浄水施設の耐震化率が32.6%、配水池の耐震化率が58.6%となっております。
本市の基幹管路、浄水施設、配水池の耐震化の現状と今後の耐震化の予定など、お伺いさせていただきます。
加えて、配水池は浄水場から送られてきた水を一時的に蓄え、需要量に応じて配水することができる施設で、災害時においては応急給水などの役割を果たす貴重な施設でございますけれども、有事の際の機能や役割などについてお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) 令和3年度末における基幹管路の耐震適合率は41.5%、浄水施設の耐震化率は27.2%、配水池の耐震化率は60.6%となっております。
令和10年度末までに基幹管路は55%、浄水施設は100%、配水池は70%を目指して目標達成に取り組んでおります。
次に、配水池の機能、役割についてですが、主要な配水池は地震などが発生した際に遮断弁が自動的に作動し、配水池に残っている水の流出を防ぐ機能を有しており、その機能を利用して医療機関や避難所等へ給水車による応急給水用としてその水を使用することとなります。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 本市では、令和10年度をめどに各設備・施設の耐震化を大幅に引き上げるべく、計画的に耐震化に取り組んでいただいている状況を確認させていただきました。引き続き、計画的な耐震化を進めていただきたいというふうに思っております。
次に、耐震性貯水槽の今年度、来年度の整備計画についてお伺いいたします。
また、本市では埋立てした土地が多く、地震発生時には液状化が懸念されますけれども、その対策についてもお伺いさせていただきます。
加えて、今回耐震性貯水槽は地下に埋設されますけれども、地上式の貯水槽も整備するなど、液状化に対してのリスク分散が必要と考えますが、本市の御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) 耐震性貯水槽は、本年度、児島、玉島、真備の3地区に、来年度は倉敷、水島の2地区に設置する予定としております。
容量は100立方メートルで、地震等による断水時に約1万人が3日間程度最低限必要とされる水道水を確保するものです。
今回設置予定の5か所は、いずれも現に公の施設として利用されている場所であり、地上での設置が困難で、やむなく地下に設置することといたしました。ただし、地下式ということもあり、液状化対策の必要性を検討しましたが、地下水位や貯水槽本体の重量などから、揺れによる本体損傷のおそれがないことを確認いたしております。
今後は、災害時に地域の応急給水拠点となる耐震性貯水槽の存在を日頃から住民の皆さんに周知できる地上式の設置についても検討していきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 地上式の耐震性貯水槽も検討していただけるということで、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、南海トラフ地震が発生した場合、かなりの被害が想定されています。耐震性貯水槽では約5万人が3日間過ごせる水を確保できますが、全市民をカバーすることができません。有事の際の給水体制とその整備状況、今後の整備予定をお伺いさせていただきます。
加えて、他市町との連携体制や訓練、さらには病院運営においては水は必要不可欠であり、特に手術や人工透析などを行っている病院では、水はなくてはならないものですが、病院への給水体制や連携、訓練についてもお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) 倉敷市地域防災計画では、災害発生時の水道局の主な役割といたしまして、飲料水の供給、確保に関することと、水道施設の応急復旧に関することとされております。これまでは給水車8台と仮設水槽20基などの応急給水活動に必要な資機材を段階的に整備してまいりました。いわゆる派遣型の応急給水活動を行ってきたということでございます。
これに加え、本年度から常設型の応急給水拠点として耐震性貯水槽の整備に取りかかっております。今後は、バランスよく応急給水活動が展開できますよう、給水車等の必要な資機材の充実も図っていきたいと考えております。
他市町村や県などとの連携につきましては、全国の水道事業体との間で受援・応援体制が確立されており、災害発生時に迅速に対応するため、定期的に県内外の水道事業体が参加する応急給水訓練に本市も参加しております。
さらに、医療機関との連携につきましては、平成29年に市内11の医療機関に対し、他の水道事業体と合同で広域災害救急医療情報システム、EMISと呼んでおりますが、このシステムを活用した応急給水訓練を実施しておりますが、今後もこういった訓練を継続して実施したいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 次に、日本の水道料金は各国の主要都市と比較すると低水準にあります。また、国内の中核市の中で倉敷市の水道料金は低料金だと思っておりますけれども、本市の水道料金の現状をお伺いさせていただきます。
また、本市の水道料金が他市と比較しお安いことが市民の方々に浸透していないようにも感じております。そのため、正しい情報を正確に伝える、こういった必要性を感じておりますけれども、本市の取組をお伺いさせていただきます。
一方、昨今あらゆる分野での値上げや、今後は人口減少や節水機器の導入による水需要の減少、管路や浄水施設の更新や耐震化の推進などを考慮すると、将来的には水道料金値上げも避けられない状況にあると個人的には思っておりますけれども、本市の水道料金の適正価格に対する考え方をお伺いさせていただきます。
○副議長(塩津孝明君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一君) 本市の水道料金でございますが、仮に2か月20立方メートル使用していただいた場合は、現状で税込み1,980円でございます。1,980円が高いか安いかということですが、ちなみに県内15市と比較させていただきますと、一番高いところでは既に4,000円をある程度超えておられます。県内15市平均で言いますと3,328円、これは昨年4月1日現在での比較になりますが、県内15市平均では3,328円ということでございます。また、中核市62市、本市含めて62市ですが、その中では今5番目に低い価格というかお安い価格になっております。先ほど少し私申し損ねたのですが、県内では2番目に安い水準でございます。中核市の中でも5番目に安い水準なのですが、中核市の中で一番高いところを申し上げますと、もう5,000円に手が届くところです。約5,000円です。平均でも2,822円ということになっております。あとは、こういったことですので、本市の場合は、重複しますが、現在1,980円いただいておりますが、そういった事実をこの場で御説明させていただきます。
そういったことなのですが、なお水道料金が高いということで議員のところにもいろいろ御相談される方が多いとお伺いしております。なぜなんだろうかということなのですが、はっきりしたことは私も分かりかねます、人の取りようですから。ただ、水道料金は下水道使用料と合わせてお支払いいただいている関係から、ひょっとするとそのあたりで水道料金が高いとの誤解を招いているのかな、という思いもいたしております。したがって、今後は広報紙などを利用させていただきまして、水道料金について正しく御理解していただけるよう、請求書の記載内容についての見方なども御説明させていただこうかと考えております。
最後に、水道料金の適正な価格とはというお尋ねをいただきましたが、これにつきましては適切な資産管理に基づく水道施設の維持管理や計画的な更新などを行うとともに、継続的な水道サービスの提供が可能な事業経営の裏づけとなる価格水準のことであるというふうに理解をしております。
水道局では、令和10年度を計画期間とする投資・財政計画を策定し、現在それに沿った事業を進めており、今後も建設投資の財源としては、これまで積み立ててきた建設改良資金など、内部留保資金を活用しつつ、なお財源不足が見込まれる場合には、料金の改定について検討を行いたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 大守 秀行議員。
◆14番(大守秀行君) 水道事業管理者、懇切丁寧な御説明ありがとうございました。しっかり理解することができました。
冒頭申しましたとおり、水は私たちの体と暮らしに欠かせないものでございます。私は毎日本市の安全でおいしい水を当たり前のようにがぶがぶ飲めること、使えることに対して、職員さんの日頃からの水道事業に対しての御尽力、これに感謝をしながら飲んでおります。
本市においては、引き続き、市民の方へ安全でおいしい水を安定的に供給することを最優先に取り組んでいただくとともに、有事の際の備えと適正価格の運用に対応しつつ、健全な水道事業を展開していただきたいということを要望しまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)