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末田 正彦 議員
令和4年第3回倉敷市議会(第2回定例会) 6月13日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月13日(月) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
末田 正彦 議員
1 児島地区公共施設再編整備事業について
2 倉敷市立図書館について
3 学校給食について
4 倉敷市商工業活性化ビジョンについて
◆36番(末田正彦君) (拍手)皆さんこんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の末田 正彦でございます。
通告に従い、順次質問いたします。
まず、質問項目の1点目は、児島地区公共施設再編整備事業についてお伺いいたします。
この事業は、児島地区市街地で、市立短期大学、児島文化センターほか3施設の複合化を行うというものです。児島地区のまちづくりにとって重要な事業となります。事業実施に当たっては、住民自治を尊重しなければなりません。地域は人間の生活の場ですから、地域の住民が参画して、地域のことは自ら決定することが不可欠です。自治体はそれを保障しなければなりません。その見地からお尋ねいたします。
この項1点目は、事業の進め方についてです。
まず、事業手法、そして今後の工程についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 末田 正彦議員さんの御質問にお答えいたします。
児島地区5施設、市立短期大学、児島文化センターのホール機能、児島児童館、児島憩の家及び倉敷ファッションセンターの複合化整備につきましては、まず基本構想、基本計画の策定を行ってまいります。
今後の工程につきましては、令和8年度までに事業着手したいと考えており、事業手法や全体的なスケジュールの詳細につきましては、基本構想・基本計画策定の中で検討してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 基本構想、基本計画の中で検討すると、これまでと同じ答弁なんですけれども、次に進みます。住民参加の手法についてお伺いします。
パブリックコメントに対しては、施設の利用状況や特性に応じて、地域の皆様に対して説明することを検討してまいりたいと、このように答えられていました。
これまで議会でも取り上げてまいりましたけれども、具体的にどのように進めるつもりなのか、お考えをお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 児島地区5施設の複合化整備に当たりましては、基本構想、基本計画を策定する中で、市民の皆様や関係者の方々から適切なタイミングで御意見を伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) もう一度お聞きしますけれども、適切なタイミングで説明していくということですが、私が思うのは、各施設の利用者や利用団体への丁寧なヒアリング、そして説明会、ワークショップの開催などを行うことです。
適切な時期というのはいろいろあると思うのですが、事業の計画案が決定してからではなくて、今の段階、あるいは建設場所が決定した段階、あるいは素案の発表段階、こうした時期に適宜行うことが必要と考えますが、そういう認識でいいのでしょうか。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 先ほど私が適切なタイミングでとお話しいたしましたが、これにつきましては、基本構想、基本計画の中で、その基本計画ができる前にはそういった皆様方へ御説明したいと、今考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) ぜひ、建築場所が決まったときに一度説明会をしてもらったらと思っているのですけれども、いかがですか。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 先ほども申しましたが、基本構想、基本計画の中で、いろいろと設置場所等についても考えてまいりますので、そういう節目に皆様方へ御説明したいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 午前中に片山議員のほうからも質問がございましたが、丁寧な進め方ですね、経過を含めての説明を適宜やってもらいたいと思っておりますので、これを要望しておきます。
この項の2点目ですけれども、各施設の機能の維持についてお尋ねします。
複合化に当たっては、各施設の機能が損なわれてはなりません。例えば、児島文化センターのホール機能です。体育館に機能を付加するということを検討するとなっておりますけれども、いかがなものかと思います。
各施設の機能の維持についての考え方をお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 公共施設の複合化に合わせて、地域の特性を生かした個性あるまちづくりを進めることで、市街地のにぎわい創出や活性化を図ってまいりたいと考えております。
複合化整備に当たりましては、対象5施設の機能を組み合わせることで、市立短期大学と地元繊維業界との連携強化、保育実習の充実、学生の地元就職の促進等につなげてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) もう一つお聞きしたいのですが、以前、児島市民交流センターの複合化のときがありました。あのときも、各施設の機能を維持していくということを言われたのですけれども、なかなかそうはなっていかないのですよね。確かに、時代とともに必要でなくなっている機能もあるのですけれども、そこは十分精査していただいて取り組んでもらいたいというのが1つ要望です。もう一つ、今、児島児童館が津波避難場所ということになっています。
取り壊す予定になっておりますけれど、その後のこの問題についても併せて検討してもらいたいのですが、その辺はどうなのでしょうか。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 各施設につきましては、先ほども申しましたように、市立短期大学と地元繊維業界との連携の強化など、また保育実習の充実、学生の地元就職の促進など、いろいろな角度から考えてまいります。
それから、先ほど言われました児童館の津波避難場所の件ですけれども、そういうことも踏まえて、今後、基本構想、基本計画の中でいろいろ検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 基本構想、基本計画の中でということの繰り返しですが、ぜひしっかり計画を立てていただいて示してもらいたいと思います。
それでは、質問項目2項めに移りますが、倉敷市立図書館についてお伺いいたします。
市立図書館運営への民間活力の導入が検討されています。そこで、今日は公立図書館運営の本来のあるべき姿について議論したいと思っています。
この項の1点目は、公益社団法人日本図書館協会が提示している公立図書館の任務と目標等から考察するとして4点お尋ねします。
公益社団法人日本図書館協会は、その前身である日本文庫協会が1892年3月に結成されて以来130年にわたり、日本の図書館を代表する総合的な全国組織として、図書館の成長、発展に寄与することを目的に活動を展開してきた団体です。図書館の自由に関する宣言を発し、基本的人権の一つとして知る自由を持つ国民に、資料と施設を提供することを最も重要な任務としています。もちろん、倉敷市も参加しています。
そこでまず、公立図書館の役割と要件についてお尋ねします。
公立図書館は、公費によって維持される公の施設であり、住民は誰でも無料でこれを利用することができる。公立図書館は、図書館法に基づいて地方公共団体が設置する図書館であり、教育委員会が管理する機関であって、図書館を設置し、図書館サービスを実施することは地方公共団体の責務である。また、公立図書館は、住民の生活、職業、生存と精神的自由に深く関わる機関である。このような基本的性格に照らして、公立図書館は地方公共団体が直接経営すべきものであり、図書館の運営を他へ委託すべきではないとされています。
公立図書館は地方公共団体が直接経営すべきものであり、図書館の運営を他に委託すべきではないと結論づけておりますけれども、この指摘に対して、倉敷市教育委員会の見解をお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 近年、社会情勢や生活スタイルが大きく変化している中、社会教育の拠点として重要な役割を果たしている図書館におきましても、効率的、かつ利用者のニーズに柔軟に対応できる運営が求められております。
倉敷市教育委員会といたしましては、市民サービスの向上と経費削減を両立しながら、なお一層市民の皆様に喜ばれ、利用しやすい図書館を目指すためには、委託による図書館の運営も選択肢の一つであると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 再質問ですけれども、図書館の運営を他に委託すべきではないということについて、倉敷市も入っている図書館協会が示しているわけですけれども、これに異を唱えるということで理解してもいいのですか。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 日本図書館協会は、日本の様々な種類の図書館が加盟している公益社団法人でありまして、図書館の成長と発展に寄与する活動を展開されていると認識はしております。
本市におきましては、地方自治体として、図書館法に基づきまして条例を定め、教育委員会の所管施設として適切に現在運営しておりまして、日本図書館協会の言う責務は十分果たしていると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) また、民営化の問題については、後ほどもう一度議論します。
次に、図書館計画についてお尋ねします。
公立図書館は、本来、住民のために住民の意思を受けて設置され運営される民主的な機関であり、図書館は長期、短期の計画を立案、作成し、その計画が自治体の施策として実行されなければならないとしています。
そこで質問しますけれども、指定管理者制度が導入されますと、指定管理者は、自治体の施策の立案や意思決定の場に参加することが制度的に困難になると思っていますが、指定管理者が自治体の施策としての長期的な図書館計画を策定、実施することは、そもそもできないのではないでしょうか。見解を求めます。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市立図書館では、倉敷市第七次総合計画や倉敷市教育振興基本計画の中で、10年間の図書館サービスの指標を定め、また5年間を計画期間とする倉敷市子ども読書活動推進計画を策定し、事業に取り組んでおります。
指定管理者制度を導入したとしましても、このような図書館運営に係る計画は、倉敷市教育委員会が主体的に策定するものと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) それでは、再質問しますけれども、今、教育委員会が主体的に計画を立てると言われました。
自治体が設置している公共図書館というのは、法律により教育機関に位置づけられています。その運営については、管理者の管理の下に自らの意思を持って継続的に事業の運営を行う機関とされているのですよ。つまり図書館は、当然教育委員会の管理の下ですけれども、自立して運営する機関であること。図書の選定なども含めて館長の権限が随分強いのですよ。館長に権限のあることを制度的に明らかにしています。
その点からも、指定管理者が運営すると、自治体の施策としての長期的な図書館計画を構築することが困難ではないのかなと僕は指摘しているので、この点についてどうなのかということをお聞きしたいです。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 図書館に指定管理者が入った場合については、計画に意思が反映されないということでありましたが、図書館だけでなく地方公共団体の公共施設では、既に指定管理者制度を導入しております。そういった中、指定管理者からヒアリング、またモニタリング等でそういった意見も聴取しながら、自治体のほうで主体的に総合計画などを策定していくということは可能だと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) また、押し問答になるのでやりませんけれども、教育機関に指定されているということで、自らの意思を持って継続的に事業の運営を行うのですよ。
教育委員会の言われている総合計画に基づくのですけれども、まずは図書館が自立的に計画を立てる、そういうことができなくなりますよということを僕は言っているので、それは認識がちょっと甘いと思うのですよ。そう言っておきます。
次に、住民参加についてお尋ねします。
公立図書館は、その創設、増改築に当たっては、地域の住民の意向が十分に反映されなければならない。単に施設の面ばかりではなく、年次計画の策定、日常の図書館活動の企画についても、住民の参加が欠かせないとされています。そして、住民の制度的参加としては、図書館協議会が活用されるべきとされています。
新しい図書館の建設をはじめ、図書館活動への住民参加は不可欠です。図書館協議会の活用も重視されていますが、住民参加について倉敷市教育委員会はどう捉えているのか、お示しください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市立図書館では、倉敷市図書館協議会を設置し、図書館が行う事業に対して様々な御意見や御提案をいただき、図書館運営に生かしております。
また、日常的な活動の中での利用者との対話やボランティアの皆様との意見交換などでいただいた御意見も参考に、講演会やイベントの開催、視覚障がいのある方への対面朗読、図書館の周辺整備など、様々な図書館活動を行っております。
今後も図書館活動をはじめ、図書館を核とする複合施設棟の建設につきましても、図書館協議会や市民の皆様の御意見を参考にしてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 市民の皆さんの声を聞く機会をしっかりつくってもらいたいし、協議会にも諮るということですが、残念ながら協議会は今、年に1回しか開催しないんですよね。そして中身としては、報告にとどまっていることが随分多いので、ここはしっかり協議会に諮って議論してもらいたいと思います。
この図書館協議会というのは、地方自治法に規定する附属機関とされていますから、ここでの答申とか意見は、図書館長だけではなくて教育委員会も尊重義務が課せられているということになりますので、ここはしっかり議論してもらいたい。
1回で終わらずに何回も議論してもらいたい。複数回必要だったら、複数回議論するということで受け止めさせてもらってもいいですか。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 図書館協議会の御意見については、今後、図書館を整備していく上で大変重要だと認識しております。
開催時期等につきましては、今後のスケジュールを見て、調整していきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) それでは、よろしくお願いしたいと思います。
次に、図書館職員についてお尋ねします。
住民と資料を結びつけるための知識と技術を習得している専門職員を配置することは、図書館として不可欠の条件であると記載され、専門職員の必要性を説いています。専門職員とは、正規の司書と解するのが適当と考えます。また、文部科学省告示、図書館の設置及び運営上の望ましい基準では、市町村立図書館の館長については、その職責に鑑み、司書となる資格を有する者を任命することが望ましいとされています。日本図書館協会ではさらに、館長は専任の経験豊かな専門職でなければならないと示しています。
図書館職員についての考えをお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 本市では、全ての公立図書館において司書資格を持った専門職員の配置を行ってきており、現時点では、新たに正規職員を配置する必要はないと考えております。
次に、司書資格のある館長の任命につきましては、図書館運営には、利用促進のための企画・立案能力をはじめ、予算や職員に対するマネジメント能力などが必要であると考えております。
そのため、図書館長には、司書資格の有無にとらわれず、公立図書館の運営を行うことのできる能力を有する適材適所の人材配置を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 現在、倉敷の中央図書館長は、図書館司書の資格を持っておられる方ではありませんけれども、先ほどから議論しておりますが、図書館という教育機関は、自ら意思を持ってやると、館長の責務が非常に重要だということを鑑みれば、司書資格を持った人を館長に任命すると、また取ってもらうということも含めて必要じゃないかと僕は思っています。
それでは、次に進みます。この項の2点目に入りますが、指定管理者制度から自治体経営へ移行した福岡県の小郡市立図書館を会派で視察しましたので、気づかされた点についてお聞きしたいと思います。
小郡市立図書館は、2006年度から2008年度まで指定管理者制度で運営しておりましたが、2009年度から直営に戻しました。その経験から、指定管理者制度においての問題点を言われました。1つは、指定管理者の図書館長は、市の政策意思決定過程に参加できないこと。地方自治体のガバメントである図書館行政の方向性を提案する側にはなり得ない。2つ目には、委託料の中での運営であることから、職員の処遇の改善、人員の増強など、職員体制の改善が図られにくいなどの問題点があったとお聞きしました。特に目に見えるサービスの拡大を求められ、それは開館時間の延長や、開館日の拡大。しかし、限られた指定管理料の中では困難があったともお聞きいたしました。
指定管理者制度を経験したからこそ、指定管理者制度の問題点が明らかになり、直営での運営の優位性が感じられたのではないでしょうか。この点についてどうお考えか、教えてください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 公立図書館は、子供から大人まで幅広い市民の皆様の身近な生涯学習の拠点として、書籍や郷土資料などの必要な図書資料を収集し、整理し、保存して、市民の皆様の利用のために提供することを通して、教育や教養、文化の発展に寄与していくことが大きな役割と考えております。
倉敷市教育委員会では、運営の方法に関わらず、これらの役割を果たし、住民サービスの向上を目指していくことが大切であると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 指定管理者の図書館長が市の政策意思決定、自治体のガバメントに参加できない。ということは、これは制度的な問題で、大きな話だと思うのですよ。図書館は自立した機関であるということも考えて、指定管理者制度はなじまないと今思っています。
それでは、この項の3点目に移りますけれども、ここでは、民間活力導入は見直すべき、わたしたちの図書館の未来を考える会の署名に寄せられた市民の思いと倉敷市公共施設個別計画(素案)のパブリックコメントに関してお聞きいたします。
直営での運営を守りたいと願う市民や団体で、わたしたちの図書館の未来を考える会が結成されて、倉敷市の公立図書館を守り、民間委託させないことを求める署名活動を行って、5月31日現在で5,136筆の署名が集まりました。そして、6月1日に教育長に提出し、申入れ懇談を行ったところです。私も、わたしたちの図書館の未来を考える会の一員ですので参加いたしました。また、私ども日本共産党倉敷市議会議員団も、佐賀県伊万里市民図書館の元館長を招いて、図書館民営化の問題についての講演会を開催したところであります。
また、倉敷市公共施設個別計画(素案)に対するパブリックコメントには、市立図書館の民営化反対や正規司書の採用を求める意見も多く寄せられています。署名に込められた市民の思い、パブリックコメントの意見を教育委員会は受け止めてもらいたいと思います。そして、市立図書館の民間活力導入は見直すべきだと私は考えています。
議長のお許しを得まして資料をお示しいたします。議員の皆さんは、サイドブックスをお開きください。通知いたします。執行部の皆さんには、この図面を配付しております。
この図は、尾林 芳匡(おばやし よしまさ)弁護士の著書、自治体民営化のゆくえ 公共サービスの変質と再生から取ったもので、自治体民営化の経済的な特徴を表しています。尾林氏は、この著書の中で次のように説明されています。少し長いですけれども、聞いてください。
左側が、行政が担当する場合の経費の内訳を示しており、物的経費と人的経費のほかには、経費はかかりません。地方自治体は、利益を上げて利益配当する必要がありませんし、事業収入から役員報酬を支払う必要もないからです。そして、右側が民営化されたときの経費の図です。まず、行政が直接担当していては高くつくということで、民営化が推進されますと、全体の大きさが、右側は左側より小さくなります。次に、下の段の物的経費は、左側の行政が担当する場合と右側の民営化された場合とを比べても、ほとんど変わりません。公共施設の蛍光灯などは、地方自治体でも民間企業でも市場価格で調達するしかありませんので、物的経費はほとんど安くなりません。そして、右側の民営化された場合の上の段には利益とあります。会社は営利を目的とする社団法人で、必ず利益を確保し、株主に利益配当します。民営化されると、必ず担当する民間事業者は利益を確保していくことになります。その結果、左側の行政が担当する場合と右側の民営化された場合とを比較すると、民営化により全体のコストが小さくなり、物的経費はほとんど変わらないが、利益配当を確保しなければならない。必然的に人的経費は、行政が担当する場合と比べて3分の1程度に圧縮されることになります。我が国における地方自治体の公共サービスの民営化の経済的な特徴は、現場の担い手を非正規、派遣に置き換えることにより、民間事業者が利益を得ようとするものです。このように述べられています。
この図ですけれども、自治体民営化が何を表しているのか、非常によく分かるのではないかと思っています。とりわけ公立図書館は無料の施設であって、委託料の中での運営なので、人的経費の削減は、つまりは図書館司書さんの処遇の悪化につながります。でなければ、図書購入などの後退を招くのではないかとも思っています。住民サービスの低下につながることは、必定ではないでしょうか。現在でも司書さんは、正規雇用が20年間行われていません。会計年度任用職員の方が頑張っていらっしゃいます。
民間活力の導入は見直すべきと考えますが、住民の声への受け止めと併せて答弁を求めます。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市立図書館の今後の運営方針につきましては、行財政改革プラン2020におきまして、民間活力の導入も視野に入れながら、令和4年度末までに今後の運営方針を決定することとしております。
現在、令和4年2月から3月にかけて実施いたしました市民アンケートに寄せられた御意見や、民間活力を既に導入している他都市の図書館の事例も参考にしながら、市民の方に広く利用していただける倉敷市立図書館の在り方について検討を続けているところです。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 再質問します。民間活力の導入を検討すると言われるのですけれども、それでは、図書館における民間活力導入というのは一体何なのか、具体的にお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 民間活力についてですが、他都市の自治体の例によりますと、開館時間の延長ですとか託児サービスといったようなサービスを提供している自治体もあると確認しているところです。
こういった中、市民の皆様が希望されるサービスを新たに導入するために、民間活力の導入も一つの選択肢と、今後考えていきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 今教育次長が言われたことは、別に民間委託しなくても、今でもできるのですよ。問題なのはこういう問題ですよ、経営の問題。民間委託の一番の狙いは経費の削減なのですから、その中で、また新たなサービスを加えるということがどうなるかということは、人的経費の削減につながるわけですよ。無料の施設だから、利益を求めない施設だから、教育施設だから、これはもう市役所が、公共が責任を持ってやらなくちゃいけないのですよ。
今教育次長が言われたことは答えになっていないので、もう一度聞きます。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 民間委託をした場合に、人件費等が圧迫されるのではないかという御指摘でございますけれども、指定管理者制度を導入した場合につきましても、要求水準書や協定書において基準を示しながら、さらにモニタリング等を実施し、そういった中で担保することができると考えております。
(「民間活力の導入とは何なんだと聞いたのです。ちゃんと答えてもらいたい」と末田議員発言する)
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 民間活力を導入した場合について、資料でお示しされています人的経費のことを、今議員さんはおっしゃられたのですけれども、民間活力を導入した場合につきましても、繰り返しになりますが、要求水準書や協定書において基準を示しながら確認して、さらにヒアリングやモニタリングを通じまして担保することができると考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) とどのつまり、民間活力の導入といえば何でも済まされると思っていると思うのだけれども、中身は分からないのですよ。何が民間活力の導入とするかというのが。はっきりしているのは、指定管理者制度、民間委託というのは人的経費の削減、経費の削減なのですよ。それははっきりしているのですから、多分、また同じような答えになると思うのですけれども、私は、無料の施設で、ちゃんと市役所が責任を持って図書館サービスを市民に提供する、これは自治体の責務であると言われているのだから、その立場に立って、これはもう一度検討し直してもらいたい。民間活力導入は見直すべきだと申し上げておきたいと思っています。
次に移りますが、学校給食についてお聞きします。
この項1点目は、供用開始から3年が経過した倉敷中央学校給食共同調理場の検証についてとして3点お聞きします。3点まとめて質問しますので、お答えください。
まず、民間による運営に伴う給食調理員の実態についてです。調理業務について、委託業者による調理員の募集広告をよく見かけます。調理員の賃金や調理員の定着について、どのように把握していますか。
2つ目には、2時間喫食についての問題です。2時間喫食の現状はどうなのか。あわせて、今の状況をどのように受け止めていますか、お聞きします。
3点目は、アレルギー対応についてお聞きします。アレルギー対応の専用調理室があるにもかかわらず、卵、乳の2品目の除去対応となっていると聞いています。建設計画が持ち上がった際には、これまで以上のアレルギー対応が可能になるとの説明をされていましたが、実情は、アレルギー対応は後退しているのでありませんか。どう認識していますか。
この3点を、併せて御質問いたします。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 3点御質問をいただきましたが、まず、民間による運営に伴う給食調理員の実態ということです。
倉敷中央学校給食共同調理場における調理業務委託につきましては、委託業務を十分遂行できていることから、必要な調理員の確保を含め、調理業務体制は整えられているものと認識しております。
続きまして、2時間喫食についてでございますが、倉敷中央学校給食共同調理場では、委託業者から提出される作業工程表と配食の順番を中央調理場の栄養士が精査し、手順の安全性や効率性を日々確認しております。2時間以内に給食できた割合については、約半数以上となっております。給食調理における時間の短縮を図るために、献立を画一的で単純な内容にすることは、食育を進める上では望ましくなく、多様な献立を児童、生徒に提供を行うことが重要であると捉えております。今後も、手順の安全性や効率性を日々確認しながら、2時間以内給食ができるように、引き続き努めてまいります。
3点目、アレルギー対応についてですが、倉敷市の学校給食での食物アレルギー対応は安全性を最優先とし、卵、乳の2種類に対応した除去食の提供を行っております。しかしながら、近年、食物アレルギーを持つ児童、生徒が増えている傾向も見られますので、今後、アレルギー対応専用室を活用してどのような対応ができるか、検討してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 1つ再質問です。2時間喫食は、この間も随分取り上げてきましたけれども、2時間喫食を守るように努めていくというお答えでしたが、できない原因というのを、検証してほしいということなので、それが根源的な問題なのか、努力すれば改善できるのか、この点をしっかり検証することが次の改善につながると思うのですよ。その点についてどうなのかお聞きします。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 2時間を超える件につきましては、食数や厨房機器の能力だけでなく、献立による工程の違いや副食の組合せなど、様々な要因が考えられます。
学校給食の提供では、温度管理の徹底など高い衛生管理の下での調理と配送が極めて重要であると考えており、食数の多い倉敷中央学校給食共同調理場におきましては、定期的に2時間後、4時間後の食中毒菌等の検査を実施しており、食中毒菌は検出されていないことを確認しております。今後も安全性をしっかり確認しながら、安全、安心な給食提供を行ってまいります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 次の質問に移りたいのですが、今の2時間喫食の問題で、配送などを随分工夫なさっているというのは、それはもうずっとやっていると思うのですよね。それはもう当たり前のことなのですけれども、こういった検証をしっかりしていただいて、次の項目の(仮称)児島学校給食共同調理場整備運営事業に関しての質問に移りたいと思います。4点お聞きします。
まず、食育について、栄養教諭、学校栄養職員についてお聞きします。
現在、学校の単独校調理場に勤務する栄養教諭、学校栄養職員の職務について、具体的にどのような業務を担っているのか、お尋ねいたします。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 栄養教諭、学校栄養職員は、食に関する指導と学校給食の管理を行っております。具体的には、給食時間や各教科における食に関する指導を行ったり、献立の作成や食材の選定などの栄養管理や異物混入の防止など、衛生管理を行っております。
なお、職務内容につきましては、単独校調理場と共同調理場での違いはございません。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 次に、国の第4次食育推進基本計画より、栄養教諭、学校栄養職員の重要性についてお伺いいたします。
この第4次食育推進基本計画には、栄養教諭の重要性や学校での食育推進について次のように記されています。栄養教諭は、各学校における指導体制の要として、食育を推進していく上で不可欠な教員である。栄養教諭、管理栄養士等を中核として、関係者が連携した体系的、継続的な食育を推進する。さらに、学校栄養職員の栄養教諭への速やかな移行に引き続き努める。地域による格差を解消すべく、より一層の配置を促進するとあります。
共同調理場に集約されることで、学校に栄養教諭がいなくなるどころか、栄養士の配置もなくなります。食育推進が後退すると思いますが、第4次食育推進基本計画の趣旨に逆行、逸脱するのではないでしょうか。答弁を求めます。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 農林水産省作成の第4次食育推進基本計画では、学校教育活動全体で食育の推進に取り組むためには、校長のリーダーシップの下、栄養教諭を中核として、学校、家庭、PTA、関係団体等が連携、協働した取組を推進することが重要であるとされております。
食に関する指導につきましては、倉敷市内の全ての小・中学校で年間計画を作成して実施しております。昨年度の調査では、自校方式の学校も、共同調理場から給食提供を受ける学校も、食に関する指導の内容や実施時間に違いがないことを確認しておりますので、倉敷市教育委員会といたしましては、共同調理場に集約されることによる食育推進の後退はないものと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 後退はないと言うのですけれども、実際に学校に人がいなくなると、それは必ず後退する。後退したほうに合わせたから、後退したように見えないということだけじゃないですか。そのように僕は受け止めました。食育の中心的役割を担っている栄養教諭は、県が配置するのでしょうけれども、栄養士さんが学校にいなくなったときの実態というのは、これはもう今の現場で働かれている先生とか給食調理員さん、もちろん栄養士さんも分かっていらっしゃるのですよね。そこは本当に真摯に受け止めてもらいたいと思っています。
次に、アレルギー対応についてお尋ねします。
倉敷市のアレルギー対応は、現在、卵、乳の2品目の除去対応となっていますけれども、今後、(仮称)児島学校給食共同調理場においてもそうなのか、アレルギー対応の方向性についてお聞きいたします。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市の学校給食における食物アレルギーを有する児童、生徒への対応は、平成27年3月に文部科学省が示した学校給食における食物アレルギー対応指針を受け、平成29年12月に倉敷市教育委員会が定めた学校における食物アレルギー対応の手引に沿って、安全性を最優先とした対応を行っております。具体的には、卵、乳の2種類のみに対応した除去食を提供しており、現在、代替食対応は行わないこととしております。
(仮称)児島学校給食共同調理場におきましては、開業時には、その時点の最新の手引の内容に沿って対応することとなります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 最新の手引に沿って対応することになるということだと思うのですけれども、3月27日に倉敷市の学校給食を良くする会が倉敷市の学校給食を考える市民フォーラムを開いて、学校給食に関するいろいろな現状について学びや意見交換をしました。その中で、学校給食調理員さんの生の声が寄せられていますので、これは少し長いのですけれども、紹介したいと思います。
アレルギーの現状についてお知らせします。今アレルギーの子供たちは、アレルゲンが入っている献立のときは、家で作ってもらったものを持ってきています。でも、全ての子供たちが作ってもらっているわけではありません。保護者によっては作れないという方もおられます。献立が、御飯、あえ物がメインになる給食調理だとしたら、その一つが欠けてしまう子供さんもたくさんいます。冬には、冷たいまま食べる子も多いです。私たちは、今までずっとアレルギー対応をしてきて、エビがいけない子供にはイカを、イカが駄目な子には白身魚にしようとか、ごまが駄目な子にはごまを除いてあえ物にしようとか、いろいろな対応をしてきました。できないことはないと思っています。そうしたら、アレルギーがある子もない子も、少しずつは違っていても同じような給食を食べることができます。みんな同じものを食べることがいいのではないと思うのです。みんな違ってみんないいという言葉がありますが、少しずつ変えても同じような給食をみんなで一緒に食べるのが、子供たちにとって一番いいのじゃないかと思っています。センターになり、立派な調理場の中にアレルギー対応専用室ができているにもかかわらず、卵と乳しか対応はできていません。本当にもったいないと思います。ぜひ今までどおりの単独校の私たちの手で、アレルギーのある子にもアレルギーへの対応ができるようにしてほしいと思っています。
これが率直な意見なのですよ。この声に応えて施設を整備するのが、教育委員会の役割だと思っていますので、そのことを強く申し上げておきたいと思っています。
児島の場合、アレルギー対応、アレルギー専用調理室の活用について、今後はどうするのかはっきりとしたことを言ってください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 現在公表しております(仮称)児島学校給食共同調理場整備運営事業実施方針の基本理念の一つとして、安全、安心な学校給食の提供を掲げ、アレルギー対応専用調理室等を整備し、食物アレルギーを有する児童、生徒に対しても可能な限り給食を提供すると記載しております。アレルギー専用調理室の活用につきましては、今後、調理室のレイアウトや仕様とともに、検討を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 倉敷中央学校給食共同調理場ができてもう3年、4年もたつのに、まだ検討段階という本当に情けない話だと思うのですよ。大きなお金をかけて造っているのだから、その間に子供たちはどんどん卒業していくのですから、真摯にもっとスピード感を持って考えてもらいたいと本当に思っています。
2時間喫食の問題について答えてもらっても、多分同じだから、ここはもうやめておきますわ。
最後に、事業手法について、今のところどう考えているのか、お示しください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 児島地区の15校にある自校方式調理場は、令和2年5月作成の倉敷市学校給食調理場整備に係る基本方針に沿って共同調理場に集約し、令和7年9月の稼働に向けて準備を進めております。
その事業手法につきましては、PFI法に基づくBTO方式、事業者自らが施設の設計及び建設を行い、工事完了後に市に施設等の所有権を移転した後、維持管理・運営業務等を実施する方式の採用を想定して、基本方針を現在公表しているところでございます。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 最後に、意見を申し上げておきますけれども、学校給食は教育の現場、利益を求める場ではないと思うのでね、少なくとも共同調理場になっても直営ですべきだと思っています。さきに議論した図書館の問題と同じです。民間での運営、共同調理場化はすべきでないと、改めて単独校直営方式での調理場整備を求めて、次の質問に進みます。
最後の質問は、倉敷市商工業活性化ビジョンについてお聞きします。
本年5月に倉敷市商工業活性化ビジョンが発表されました。これは市民や企業、支援機関等に、新たな産業振興における基本的な考え方を広く共有することを目的として策定されたと聞いています。ビジョンの基本理念、基本戦略について、とりわけ地域内経済循環に視点を絞ってお伺いしたいと思います。
まず、基本理念のしなやかに成長する持続可能な地域経済の実現についてお尋ねします。
ビジョンの倉敷市の地域経済構造分析では、その特徴として、雇用者所得以外の所得が3,380億円市外に流出している。それは国への税金や製造業等の所得が、大都市圏等の本社等に流れていることが原因。製造業等の高い労働生産性を住民等が享受できていない。本社移転や地元資本企業の成長を支援するなど、域外資本の流出を改善していく必要があると分析しています。これは、学校給食共同調理場しかりです。
地域経済の好循環が必要なことを次のように説いています。地域経済の好循環とは、地域内の生産で稼いだ所得の多くが地域の住民、企業に分配され、地域内での消費や投資に支出されることで、地域内企業の生産・販売活動に還流していくこと。得意な産業の稼ぐ力を高めて、地域外からお金の流入を増やしていくとともに、生産に必要な中間投入財の域内調達や市民の地産地消を推進し、地域外へのお金の流出を極力抑えていく必要があるとしています。そして基本理念で、地域資源である人や物、金を地域の中でよどみなく循環させ、併せて新陳代謝が進むことで地域経済は持続可能な発展を実現することができると、地域内経済循環が鍵であることが示されています。
我が党は、かねてから地域内経済循環を地域経済対策の柱に据えるべきと提案してきただけに、本市の経済対策として、地域内経済循環の考えがうたわれたことは評価しています。
そこで、この認識に至った経緯や要因についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) このたび策定いたしました倉敷市商工業活性化ビジョンについてですけれども、市におきましては、かねてより市内はじめ高梁川流域圏域の経済成長を図るため、産業の稼ぐ力を高める。また、地域にある資源の活用、域内の企業間取引を促進する。そして、これらのことで地域の中で多くの資金を循環させ、地域外への流出をなるべく抑えていくという地域内経済循環の基本的な考え方を取り入れた施策を行ってきているところであります。
近年、人口減少問題に加え、コロナ禍、国際紛争等によりまして、例えば、食料・エネルギー需給問題、サプライチェーンの脆弱性といった様々な課題が顕在化しております。このような中で、今後も地域経済が持続可能であるためには、地域内経済循環の考え方、もちろん地域内だけで全てが賄えるわけではないわけですけれども、なるべく地域の発展という面に主眼を置きまして、今回の商工業活性化ビジョンとして、基本戦略の一つに位置づけさせていただいているものであります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 地域内経済循環という言葉が、倉敷市のこういった計画に文字として初めて出てきたと思っていますので、これは本当に評価しています。
次に、基本戦略2で、稼ぐ力が高く、持続可能な地域経済の実現についてお尋ねします。
基本理念の下に4つの基本戦略が示されておりますが、基本戦略2において、地域内にあるお金が域内で循環し、できるだけ地域外に流出しないようにするとうたわれております。
ほかにも少し出ておりますけれども、その地域内経済循環を高めていくとしているのですが、その実現に向けての具体的な方策と推進体制を、今分かる範囲でお示しくださればと思います。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 地域内経済循環を高めるためには、地産地消の推進はもとより、事業者が地域内での消費を目的に商品を生産する地消地産の浸透や、地域内での取引促進などが有効であると考えます。
これまでに~至極の逸品~くらしきフェアや買って応援!「made in くらしき」応援事業等を通じて、市民の皆様に市内産の商品を購入していただくことで地域内消費を促進してまいりました。また、高梁川流域クロッシング事業では、地域内での新たな取引につながる企業間連携を推進してきております。
基本戦略でお示ししたとおり、本市は製造業をはじめ観光や農業など、稼ぐ力のある産業に恵まれております。地域内経済循環の考え方を、商工分野はもとより、労働政策、観光、農林水産、こういった分野の関係部署とも共有して、地域資源を活用した商品、サービスの開発、あるいは地産地消、地消地産等の推進における庁内の連携強化に一層努めてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 再質問させてもらって終わりにしますが、今庁内で連携強化して行っていくということでしたが、恐らく商工課が中心となってビジョンを推進していくことになるのでしょうけれども、1次産業、2次産業、先ほども申されましたが、3次産業の連関ですね、地域内での循環を高めていくためには、やはり推進していく市の組織体制の見直しと言っては大げさになるかもしれませんけれども、それも必要ではないかとも思っています。
産業政策の立案、また振興を図る体制の構築の問題ですが、こうした点について、今考えがあればお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 先ほども、商工関係はもとより、労働、観光、農林水産、そういった分野の連携を強めていくと答弁させていただきました。これは、今まさに、それらの施策を進める中核的な組織として文化産業局というのが設置してあるわけでございまして、当然、その局内で連携を深めて、今後も取り組んでいきたいと思っております。
○副議長(塩津孝明君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦君) 商工業活性化ビジョンがしっかりと提示されたわけですので、局内、また局外、教育機関なども関係あると思いますし、当然その辺りとしっかり連携を取りながら、倉敷市の商工業活性化に向けて取り組んでいってもらいたい。私たちもしっかり応援するという立場を申し上げまして、質問にいたします。ありがとうございました。(拍手)
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