録画中継

令和4年第5回倉敷市議会(第4回定例会)
12月8日(木) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
中西 善之 議員
1 鳥獣害対策について
2 入札契約改善推進事業について
3 倉敷市のデジタル化について
4 デジタルデバイド対策への取組について
5 ため池防災減災事業について
◆5番(中西善之君) (拍手)皆様こんにちは。公明党倉敷市議団の中西 善之でございます。
 それでは、通告に従いまして、5項目について9点を一問一答の方式にて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 1項目め、倉敷市の鳥獣害対策について3点お伺いいたします。
 先ほど、片山 貴光議員からも同様の質問がございましたけれども、なかなかこの対策が進んでおりませんで、私のほうからも違った角度で質問させていただきます。
 鳥獣被害の中で、特にイノシシによる農作物への被害が、今まで被害のなかった地域へと拡大しております。被害が拡大するプロセスとして、イノシシが増える。先ほどもありましたけれども、もしくは里山の中に木の実等の餌が少なくなる。また、そのどちらか、もしくは両方が原因で、山の中ではイノシシが生活できるだけの餌がなくなり、山裾の畑や田んぼに餌を求めて下りてくるイノシシが増えて、被害が拡大しております。
 そこで、水際対策として、イノシシが畑や田んぼに入ってこないように防護柵をするわけでございますけれども、その次には、防護柵をしていないエリアへとイノシシが移動して、広範囲に被害が拡大しているという現状がございます。
 さらには、先ほどもございましたけれども、民家のほうにまで餌を求めて移動し、先日、香川県では、民家にイノシシが出て襲われ、中指の肉を食いちぎられるといった痛ましい人身事故が起きました。平成30年には静岡県や熊本県において、イノシシによる死亡事故が起こっており、本市内においても同様の事故が、いつ起こってもおかしくない状況にあると考えます。
 また、イノシシの全体数も、階層ベイズ法やハーベストベースドモデルなどが使われ、実際の数を数えたわけではなく、捕獲及び目撃数や、ふんや足跡の数などを基に推計で出されており、実際にどの地域にどのぐらいのイノシシがいるか、正確な実態の把握ができておりません。
 イノシシの被害が拡大しないように全市を、75名という鳥獣駆除班で駆除計画を立てて、効率的で安全な駆除を行うためには、どの地域にどのぐらいのイノシシが生息しているのか、より正確な状況を把握することが重要だと考えます。
 そこで、この項1点目、鳥獣害対策DXについてお伺いいたします。
 鳥獣被害対策の新たな取組として、デジタル田園都市国家構想推進交付金を活用した鳥獣害対策DXに取り組む自治体が増えております。例えば、クラウドサービスに鳥獣の生息地域、出現場所、被害の傾向を集約し、効率的な捕獲に向けた取組や赤外線カメラ付ドローンを活用した事例では、鳥獣の生息地域の正確な把握、効率的な巻き狩りなどが行われております。
 また、ドローンを駆除に使うメリットとして、上空から駆除箇所までの経路を確認することで、安全で効率的な移動ができるようになり、狩猟者の事故やけがの軽減にもつながっております。中でも、京都府京丹波町では、高性能ハンティングドローンを活用した鳥獣害対策事業が行われており、より積極的に駆除に取り組む自治体もあります。
 議長に許可をいただいて資料を用意しておりますので、資料1を御覧ください。
 ドローンによる野生鳥獣調査等を2017年から行っている企業のものでして、左下のほうに調査事例1がありますけれども、栃木県小山市の取組としてドローンを使った効率的な対策で、一番多く生息していたエリアのイノシシが約90%減ったといった成果を上げたところもございます。年々実績も増加していて、この資料1の裏面に主な実績が記載されておりますけれども、2017年と比較して2.8倍の実績となっており、この企業だけでも活用が広がっていることが確認できます。
 続いて、資料2を御覧ください。
 これは同じ企業が行っているドローンを活用した集落環境調査の資料になりますけれども、ドローンで撮影したデータを使って農地周辺の脆弱性や野生動物の侵入経路を解析、可視化することで、地域住民との合意形成をスムーズに進めることが可能となり、効率的な被害防止対策を実行できますとありますとおり、広範囲な防護柵の設置など、なかなか合意形成が難しい件についてもスムーズに行えるようになるなど、ドローンの活用により様々な取組が可能となっております。
 本市において鳥獣被害が拡大する中、正確な鳥獣の数や生態場所が把握できていない上に、少ない鳥獣駆除班の方々に駆除をお願いするしかない状況にあり、鳥獣害対策DXによる効率的で安全な駆除に向けた取組を早急に進めるべきだと考えますが、当局の考えを伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 中西 善之議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 岡山県内では、吉備中央町がデジタル田園都市国家構想推進交付金の採択を受け、今年度より、遠隔わな管理システム等の運用を開始しております。また、鳥獣被害防止にデジタル技術を活用する取組として、センサーカメラでの生息状況の把握やセンサー式自動捕獲器の設置など、様々な機器の実証実験が各地で行われております。
 本市では、県の市長会代表と町村会の代表が参加して、県との間で協議を行う鳥獣被害防止対策推進連絡会議において、これらの広域的な生息状況等の把握や個体数調整のための捕獲の実施などについて、県に対して毎年要望を行っているところですが、まずは先進事例の運用結果から、成果や利点及び課題などを整理し、実効性等について研究を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 新たな取組ができるだけ早く実現しますように、よろしくお願いいたします。
 続きまして、この項2点目、捕獲をお知らせする発信機能付わなについてお伺いいたします。
 現在、イノシシの効率的な捕獲の取組として、捕獲わなやくくりわなにイノシシがかかった場合に、わなを設置した場所まで移動して確認しなくてもいいように、捕獲を知らせる発信機能付わなが使われております。わなの2キロメートル以内に近づけば、わなにかかったことが分かり、大変喜ばれております。しかし、この発信機能付わなの絶対数が少ないために、本来ならば設置したい場所に、わなが設置できないといったケースが出てきております。
 少ない人数で確認できるわなの数も限られており、ほぼボランティアとして活動している駆除班の方々のためにも、必要な数だけ発信機能付わなの支給を行うか、発信機のないわなの確認には長距離を移動してもらう必要もあり、ガソリン代など原油価格が高騰する中、1頭当たりの捕獲した際の報酬を増額して対応する必要があると考えますが、当局の考えを伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 本市では、倉敷市有害鳥獣駆除班協議会にイノシシ等の捕獲を委託しておりますが、備品については駆除班協議会からの要望に応じ、箱わなやくくりわなのほか、捕獲を知らせる発信機及び受信機を随時購入しております。発信機等については、捕獲したイノシシが暴れると破損することもあり、不足しがちであることは承知しておりますが、捕獲活動の効率化を図るため、要望に応じて、今後とも継続して購入してまいります。
 また、駆除班協議会に対する委託料につきましては、近隣市町村の状況等も考慮し、研究してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 効率的な駆除が進むように御対応のほど、よろしくお願いいたします。
 続きまして、この項3点目、有害獣防護柵設置補助金の補助率についてお伺いいたします。
 本市では、有害獣防護柵設置補助金として、有害獣の侵入防護柵を設置した場合に、設置費用に2分の1の補助率を乗じた額の助成を行っております。
 この項の冒頭に述べたように、防護柵を設置していないエリアにイノシシが移動して、そのエリアの町内の様々な方々の畑に防護柵が一気に必要になりまして、この防護柵の設置を検討されるわけでございますけれども、物価高騰の中、そんなに費用がかかるのなら防護柵は諦めますといった方々も少なくありません。
 こうなると悪循環で、イノシシが成長するための餌が確保され、さらに増えたイノシシによって農作物が被害に遭ってしまいます。そうならないための最終手段ですから、せめてこの補助率だけでも大至急見直していただけないでしょうか。
○副議長(塩津孝明君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 本市には、農業者が1,000平方メートル以上の農地に有害獣の侵入防護柵を設置する場合に、10万円を上限として資材購入費の2分の1の金額を助成する有害獣防護柵設置補助金のほか、受益戸数が3戸以上、受益面積がおおむね3ヘクタール以上等の条件を満たす侵入防護柵を設置した場合に、最大で資材購入費の4分の3の金額を助成する集落柵設置補助金がございます。有害獣の侵入防護柵の設置に当たっては、実情に応じて、これらの補助金の活用を御検討いただきたいと考えております。
 有害獣防護柵設置補助金の補助の仕組みについては、近隣自治体の状況なども調査しながら研究を進めてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 再質問させていただきますけれども、県が行っている4分の3の集落柵設置補助金については承知しておりますが、3戸以上、3ヘクタール以上という条件が非常に使いにくくて、条件に当てはまるところも少ないですから、市の有害獣防護柵設置補助金に頼るしかなく、補助率を上げていただくように申し上げております。
 物価高騰分だけでも補助できるように、何か取組はできないのでしょうか。
○副議長(塩津孝明君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 有害獣による農作物の被害防止を図るという観点からは、受益面積が大きい集落柵設置補助金のほうが、有害獣防護柵設置補助金よりも効果的であると考えてございます。
 また、広い面積を囲うことで資材を効率的に使えること及び補助率も4分の3と高いことから、費用の面でも有利でございますので、地域での話合いを進めていただきまして御検討いただきたいと考えてございます。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 何とか使いやすいほうの補助率を上げていただいて、防護柵を諦めるといった方が実際におられますから、そういった方が諦めずに済むように、何らかの対策を早急にお願いいたしまして、次の質問に移ります。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員、この際申し上げます。質問の途中ではありますが、ここで休憩いたします。再開は3時20分からの予定です。

            午後 3時10分  休 憩

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            午後 3時20分  開 議
○副議長(塩津孝明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 5番 中西 善之議員、質問項目2番から質問を再開してください。
◆5番(中西善之君) 続きまして、2項目め、入札契約改善推進事業についてお伺いいたします。
 中・長期的なインフラの品質確保等のため、国土・地域づくりの担い手として、持続可能な建設産業の構築が課題であるとして新・担い手3法の遵守が求められております。そのために入札契約の適正化に向けた取組として、入札契約改善推進事業が国土交通省主導で進められているところです。そのような中、倉敷市においても、本事業の取組として様々な課題が指摘されております。重要な取組として14項目が掲げられており、指摘された当初は、その中の5項目について問題がありました。早速、問題解消のため取組を開始していただき、そこから入札金額の事後公表など進んだ項目もあると思います。
 そこで、現在の課題解決に向けた取組の状況と今後の対応スケジュールをお伺いしたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 国土交通省の入札契約改善推進事業の支援を受けて、令和3年度に岡山県が主体となり、県内全ての市町村が参加した勉強会の中で、適正な予定価格の設定やダンピング対策など14項目が、県内の市町村で取り組む重点項目として設定されました。
 本市に対しては、予定価格や低入札価格調査基準価格の事後公表、市独自の設計変更ガイドラインの策定、請負代金内訳書への法定福利費の明示など5項目が、要改善項目とされたものでございます。
 このうち、予定価格や低入札価格調査基準価格の事後公表につきましては、本年10月から1億円以上の工事全件に拡大したところでございます。また、設計変更ガイドラインの策定、法定福利費の明示などにつきましては、次年度の入札制度の改正に向けて検討を行う予定としております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 課題である5項目については、順次改善されている状況が確認できました。引き続き、入札契約の適正化に向けた取組をよろしくお願いいたします。
 続きまして3項目め、倉敷市のデジタル化について2点お伺いいたします。
 この項1点目、先行事業と基幹系業務システムの標準化の進捗状況についてお伺いいたします。
 令和3年10月にデジタル庁の実施するガバメントクラウド先行事業に採択され、早いもので1年が経過いたしましたけれども、現在の進捗はどのようになっているのでしょうか。予定では、住民基本台帳など前システムの契約が切れるタイミングで、予定どおりであれば、既にガバメントクラウドでの運用が始まっていると思います。
 また、地方公共団体情報システム標準化基本方針に基づき、令和7年度末を期限とされる地方公共団体情報システムの標準化について、本市の進捗状況はどのようになっているか、伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 本市では、全中核市で標準化に関して研究を進めてきた成果を生かしまして、令和3年度から高松市、松山市とともに、せとうち3市自治体クラウド推進協議会を立ち上げまして、そしてその主体でガバメントクラウド先行事業の採択を受けて進んできているところでございます。
 これまでに、費用対効果や安全性などについての検証を行ってまいりました。まず、地方公共団体情報システムの標準化、共通化ということで、令和4年9月末に住民記録システムにつきましては、全国で初となる標準準拠システムへの移行を行っているところでございます。そして、その検証等を行っていく中で環境構築を行ってきたわけでございますが、今後の予定といたしましては、令和5年1月には、住民記録システムや保健福祉総合情報システム等について、ガバメントクラウド上での本稼働をしていきたいと考えております。
 そして、令和7年度末までに全体の標準化移行ということが進んでいくわけでございますけれども、市といたしましても、現在それぞれの担当部署において、標準化システムへの移行が国の期限である令和7年度末までに完了できるよう、計画に沿って準備を進めているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 予定どおり進んでいるということで、大変安心いたしました。中でも住民記録システムについては、全国で初となる標準準拠システムへの移行が完了しているということで、高く評価したいと思います。引き続き、御対応のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、この項2点目、デジタル技術を用いた住民サービスの向上について3つお伺いいたします。
 国においては、2021年10月に発足した岸田政権が掲げる新しい資本主義の重要な柱の一つとして、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて予算を確保し、強力に推進しているところでございます。
 デジタル田園都市国家構想とは、心豊かな暮らし──ウエルビーイング──と持続可能な環境、社会、経済──サステナビリティ──を実現していく構想でございます。具体的には、暮らしや産業などの領域で、デジタルの力で新たなサービスや共助のビジネスモデルを生み出しながら、デジタルの恩恵を地域の皆様に届けていくことを目指すものでございます。本市も、この構想を踏まえて住民の皆様の心が豊かになるよう、デジタル技術の導入を進めていくべきと考えております。
 そこで、1つ目、ドア・ツー・ドアでなければサービスを利用できない方々への安価な地域公共サービスについてお伺いいたします。
 市内においては、車がなければ仕事や買物に行くことが困難で、車がなくてはならない存在となっています。そのため免許の取得率も高く、体力的に運転が難しくなるような状態になるまで免許を持っている方々が少なくありません。そのために、免許を返納して公共交通に頼るしかなくなった時点では、ドア・ツー・ドアでなければサービスを利用しづらい状況にあります。よって、そのような方々のためにも、年金で生活されている方も多いので、より安価で利用できる相乗りや乗合サービスを活用したドア・ツー・ドアで利用できる地域公共サービスを実現する必要があると考えます。
 事前に行き先を予約することで、AIで自動配車、最適なルートを計算し運行するシステムを、このデジタル田園都市国家構想推進交付金などを活用して構築し、全市でドア・ツー・ドアの相乗りや乗合サービスを実現するべきと考えますが、当局の御所見を伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 市内では、ドア・ツー・ドアの公共交通である一般タクシーが運行されており、ほぼ全域で利用することが可能となっています。また、市内7か所の地域では、民間団体等によるボランティア輸送が運行されています。
 相乗りサービスについては、市内のタクシー事業者において本年5月から運行が開始されたところであり、今後、運行事業者の御意見を伺うとともに、他市の事例について情報収集してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 再質問させていただきますけれども、市内のほぼ全域でドア・ツー・ドアの一般タクシーが利用できることは承知しております。どういう意味で答弁されたのか分かりませんけれども、交通不便地域に住まわれている方々で、物価高騰の中、生活を切り詰めてやりくりされている方々が、タクシーに数千円を出して買物に行くとか髪を切りに行くとかは考えられませんから、より安価で移動できる手段を確保する必要があると申し上げております。
 ボランティア運送や相乗りサービスも、市内のごく一部でしか利用できない状況です。コミュニティタクシー制度が、安価で利用できるサービスとして存在いたしますけれども、コミュニティタクシー自体が走っていない交通不便地域や、走っていても決められた停留所や施設まで歩いていく必要があるため、冒頭述べた理由の方々については、体力的にも利用しづらい状況にあります。
 このような方々のための施策として、今後どのように取り組まれようとしているのか、教えてください。
○副議長(塩津孝明君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 再質問にお答えいたします。
 本市では、交通不便地域における移動手段の確保を図るため、地域が主体となって運営するコミュニティタクシー制度の普及、拡大に努めております。
 コミュニティタクシーは、運営主体となる組織の立ち上げや地域負担についての合意形成が困難な場合があることから、従来のコミュニティタクシー制度に加え、タクシーの相乗りサービスなど多様な移動手段の活用についても、検討していく必要があると考えております。また、相乗りサービスは、乗車人数で運賃を案分することで一般タクシーより安価で利用できるものですが、認可の条件等により、現在利用できるエリアや行き先は限定されています。
 このため、相乗りサービスの普及に向け、今後も引き続き運行事業者と利用状況や運行における課題等について、情報共有を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) デジタル田園都市国家構想推進交付金が、相乗りマッチングシステムによる地域の足の確保に使われているケースもございますので、ドア・ツー・ドアでなければサービスを利用できない方々への、より安価な公共交通サービスの実現に向けて何らかの対策を早急に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして2つ目、マイクロモビリティーなどを活用した観光についてお伺いいたします。
 駅から離れた観光地への移動手段として、例えば、新倉敷駅から町並み保存地区へ移動する場合を想定いたしますと、徒歩だと45分以上かかる。バスは2時間に1本しかないので、タイミングが難しい。タクシーだと往復2,000円は高過ぎるといった理由で、駅から中途半端に遠い観光地は非常に訪れにくい状況にございます。
 そこで、安価な移動手段として、電動キックボードや電動アシスト自転車などのマイクロモビリティー、もしくは自転車などの低速マイクロモビリティーを活用すべきだと考えます。
 宮崎県の日向市では、電動キックボードの観光の実証実験を昨年末から本年3月まで行い、結果が好評で、本年4月より本格運用を開始されております。
 また、マイクロモビリティーは、コロナ禍の中、電車の移動の代替手段として活用も広がっており、2024年4月には16歳以上は免許が不要になるなど、脱炭素の取組としても有効で、大変注目が集まっております。
 このマイクロモビリティーを格安でスマホを使ってレンタル、また、このレンタルのシステムに絡めてスマホで観光地を案内するシステムを、デジタル田園都市国家構想推進交付金などを活用して構築し、観光・旅行客の集客促進につなげる取組を開始すべきと考えますが、当局の所見を伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 本市では、観光案内所等で電動アシスト自転車も含めたレンタサイクルの貸出しを行っておりますが、利用者数が伸び悩んでいる状況でございます。そうした中、電動キックボード等の、いわゆるマイクロモビリティーの、スマートフォンを活用したシェアリングサービス導入に向けて、実証実験を行っている自治体などがございます。
 本市といたしましては、主要な駅から離れた観光地への移動手段の充実に向け、観光客の利用ニーズや運用の課題などについて調査、研究してまいりたいと考えております。
 また、スマートフォンで観光地を案内するシステムについてでございますけれども、現在市では、日本遺産倉敷Naviを運用しております。これは、日本遺産に認定された倉敷の魅力的な文化財や観光スポットを紹介するアプリで、モデルコースや文化財の情報が簡単に検索でき、倉敷の町を巡っていただくことができます。
 引き続き、観光分野でもデジタル技術を用いた観光誘客への取組を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 前向きに検討していただけると受け止めさせていただきました。実現に向けて、できるだけ早期に取組を開始していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして3つ目、デジタル地域通貨導入による地域活性化の取組についてお伺いいたします。
 デジタル田園都市国家構想推進交付金の活用として、地域通貨・ポイントを使って地域内の経済循環等を促進し、地域を活性化する取組が行われている他都市が増えてまいりました。
 本市においても、地域通貨やポイントやデジタル商品券、デジタルクーポンなどを倉敷市内の商店街や公共交通、公共施設等でスマホで使えるシステムを構築し、地域活性化の取組として運用を開始するべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
○副議長(塩津孝明君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 地域通貨は、特定の地域やコミュニティ内で流通し、利用できるため、地域経済を活性化させる効果が見込まれております。これまでは地域振興券など紙ベースだったものが、昨今では利便性、安全性などに加え、スマートフォンの普及もあり、地域通貨をデジタル化した電子決済手段のデジタル地域通貨の活用が進んできております。
 国では、マイナンバーカードを活用した自治体独自のポイント給付を行う自治体マイナポイント事業を推進しているところです。
 本市といたしましては、マイナンバーカードの普及状況を見ながら、デジタル地域通貨の導入など、国のこの事業の活用策を検討してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 前向きに進めていただけると捉えさせていただきました。実現に向けて検討を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして4項目め、デジタルデバイド対策への取組について2点お伺いいたします。
 この項1点目、スマホ講座等の開催についてお伺いいたします。
 デジタルデバイド対策について、令和3年度から、引き続き令和4年度もスマートフォン講習会を実施すると伺っているところですが、今年度の実施状況はどのようになっているか、教えてください。
○副議長(塩津孝明君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 本市では、昨年度に引き続き、国の実施するデジタル活用支援推進事業や新たに高梁川流域連携中枢都市圏事業においてスマートフォン講習会を開催し、デジタルデバイド解消に向けた取組を進めております。また、市独自の取組としては、老人福祉センターやライフパーク倉敷、倉敷、児島、玉島の公民館等においても、スマートフォン講習会を開催しているところです。
 今年度の開催状況につきましては、これから開催する講習会も含めて合計70回の開催、1,000人を超える受講者を見込んでおります。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 学びの機会が増えていることが確認できました。しかし、まだまだ学びの機会が十分ではない状況にあると思います。
 そこで、この項2点目、デジタル推進委員及びデジタル推進よびかけ員の活用について伺います。
 本年5月30日よりデジタル庁において、デジタル推進委員及びデジタル推進よびかけ員の募集が始まっております。これはどのようなものでしょうか。また、本市としてどのように活用を考えているか、伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) デジタル推進委員及びデジタル推進よびかけ員とは、デジタル機器・サービスに不慣れな高齢者等を支援する取組に携わる意欲がある方について、本人または所属企業・団体等からの応募に基づき、デジタル大臣より任命されるものです。
 デジタル推進委員は、高齢者等に対し、講習会等でスマートフォンの使い方や関連サービスの利用方法等を教える取組のほか、それらの利活用をサポートする取組を行うこと。また、デジタル推進よびかけ員は、身近にいる高齢者等に対して、その講習会等への参加を呼びかける等の周知を行うことを目的としており、いずれの委員もボランティアで活動していただくことが基本となっております。
 本市におきましても、今後、制度の活用方法について研究してまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 誰一人取り残さないためにも、新しい取組をぜひ進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして、最後の項目、ため池防災減災事業についてお伺いいたします。
 防災ため池の水位監視システムについて、昨年の9月議会にお願いしていた倉敷防災ポータルへの接続が行われるとのことで、高く評価したいと思います。
 そこで、現在設置が完了している水位監視システムから倉敷防災ポータルに接続するとのことですが、倉敷防災ポータル上ではどのような対応になるのでしょうか。例えば、危険な水位になった場合にどのように知らされるのか、伺いたいと思います。
 現在は、危険な水位になった場合は、土木委員などにメールで通知されるようになっていると思いますが、これらの対応はどのようになるのか、また、今後設置が予定されている防災ため池への水位監視システムは、どのタイミングで倉敷防災ポータルへ接続されていくのか、伺いたいと思います。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) ため池防災減災事業についてお答えいたします。
 倉敷市では、大雨や地震の際など、下流の住民の方々の適切な判断や避難行動につながるように、遠隔でため池を監視できるシステムの構築を進めているところでございます。
 それで、今申し上げたように、決壊した場合に下流の住民の方々への影響度が大きいようなため池について、水位計を設置しておりまして、まず現在、そのうちの1か所で倉敷防災ポータルへの接続を試験運用しているところでございます。
 水位計は、令和2年度に1か所、令和3年度に6か所、そして令和4年度に6か所ということで設置を進めてきているところでございまして、全て併せて、倉敷防災ポータルに接続していきたいと考えております。
 接続の時期については、今年度末を予定していきたいと思っておりまして、来年の出水期のときには使っていただけるようにできるかと思っております。
 その使われ方でございますけれども、接続しましたら、倉敷防災ポータル画面上で、ため池のところの水位が確認できるようにするということと、警戒すべき水位に達した場合には、今もため池の管理者の方などにメールで通知しておりますけれども、それが同じようにできるように取り組んでおります。今、この試験結果等も踏まえてシステムやメール通知等の調整をしているところでございまして、今年度末を運用の開始としております。
 今後も、ため池に水位計を設置していく際には、順次倉敷防災ポータルサイトに接続しまして、農業分野の防災ということについてもIT、DXを活用して、分かりやすく、かつ、ため池の管理者等にずっと毎回毎回行っていただかなくても、家からもホームページとか、それから警戒すべき水位に達したらメールで分かるということで、負担の軽減にもつなげていければと思っております。
○副議長(塩津孝明君) 中西 善之議員。
◆5番(中西善之君) 大変分かりやすい説明で、よく理解できました。ありがとうございます。今後も、水位計が設置された場合には防災ポータルサイトへ接続されていくということで、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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