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田辺 牧美 議員
令和4年第5回倉敷市議会(第4回定例会) 12月9日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和4年第5回倉敷市議会(第4回定例会)
12月9日(金) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田辺 牧美 議員
1 イノシシ対策について
2 防災対策について
3 放課後児童クラブについて
4 公共交通について
◆11番(田辺牧美君) (拍手)おはようございます。日本共産党倉敷市議会議員団の田辺 牧美です。
質問通告に従いまして、4項目質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず1項目め、イノシシ対策について5点お伺いいたします。
1点目、イノシシ被害や出現状況の最近の動向についてお伺いいたします。
最近、イノシシの目撃地域が拡大しているように感じております。例えば、玉島陶辻奥では、昨年まではイノシシが2から3頭目撃されていたのですけれども、今年は明らかに出現している場所が広がり、うり坊も含めて10頭前後が目撃されております。また、船穂の地域でも、以前より南の地域で目撃されています。
まずは、イノシシの被害や出没状況について、実態把握が必要だと思います。実態把握するには、見かけた際に警察や市に通報するように、市民の皆様に協力していただくことが必要だと思います。このことを広く周知することが求められると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 皆さんおはようございます。それでは、田辺 牧美議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
イノシシを見かけた場合、身の危険を感じたり緊急を要する場合は警察に、農作物被害などがある場合には農林水産課または管轄する支所の担当課に通報するよう、ホームページやチラシでお知らせしております。
市民からの目撃情報は、周辺住民の安全面での観点から重要であると考えており、引き続き周知を図ってまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) それでは2点目、イノシシ被害をなくすために必要な対策と進捗状況についてお伺いいたします。
被害をなくすために、現在どのような施策を実施しているのでしょうか。また、その施策の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。捕獲の実態や柵の設置状況など、具体的にお教えください。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 具体的なイノシシ被害防止対策ですが、まず農業被害防止のために倉敷市有害鳥獣駆除班協議会に捕獲を委託し、その捕獲実績は、令和2年度が894頭、令和3年度が890頭、令和4年度は10月末現在で670頭となっております。
また、農作物を守るための防護柵の設置に補助金を交付し、その実績は、令和2年度が23件、122万8,000円、令和3年度が28件、184万4,000円、令和4年度は11月末現在で15件、118万3,000円となっております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 3点目、市街地での対策についてお伺いしたいと思いますが、市街地でいきなりイノシシに出くわせば、びっくりしてどうしたらよいか分からず、対処の仕方によっては、危険が及ぶ場合があります。
イノシシが出没した場合に、連絡を受けた市や警察はどのような対応を取っているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 市街地でイノシシを見かけた場合は、通常警察に連絡が入ることが多く、警察から市に市街地出没の連絡が入り、その際に、けが人はいるのか、いつ、どこで、何頭出没したのか、イノシシは既に逃走したのか、その場にとどまっているのかなどを確認するとともに、被害の拡大防止を図るため、近隣の学校園等に情報提供を行っております。現場にイノシシがとどまっている場合には、倉敷市鳥獣被害対策実施隊に出動を要請するとともに、職員が現場に向かいます。
市街地出没時の基本的な対応として、人身事故の発生を防ぐことを最優先とするため、近隣の方を中心に、イノシシを見かけても、いたずらに刺激しないよう静かにその場を離れ、安全な場所へ避難するよう呼びかけております。
また、基本的には、無理に捕獲を試みず、山へ帰すよう追い払いを行っております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 4点目、山際の整備についてお伺いいたします。
イノシシを民家に近づけないためには、里山と民家がある地域との境に、草刈りした緩衝地帯を設ける必要があります。近年、高齢化が進み、空き家や地主の方が遠方におられるケースも増えています。緩衝地帯をつくろうにも、人手がないということも起きております。
里山の山際の草木の伐採、草刈りの実施など、業者に委託した場合の助成制度などをつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 昨日の片山議員の質問でもお答えしたとおり、緩衝地帯の設置に関する支援につきましては、地域のニーズを踏まえ、地域活動として、対象とする団体や取組の範囲、規模、内容など、支援の対象を定めていく必要があると考えております。
まずは、他市の事例なども参考に、研究を進めてまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 昨日も複数の議員から質問がありました。ぜひ急いで対応をお願いしたいと思います。
5点目、集落ぐるみの対策を取るための支援についてお伺いいたします。
イノシシ対策を地域ぐるみで取り組むためには、農家だけでなく非農家の方も、家庭菜園や果樹の管理、生ごみを動物が侵入できるところに出さないなど、地域ぐるみで対策を行う必要があると考えます。
農家だけでなく市街地の町内会などで、イノシシの生態や対策を学ぶ場合、市の出前講座は利用できるのでしょうか。お尋ねいたします。
また、農家が集落ぐるみでイノシシ対策を実施したいと思っても、中心になって進めていくリーダーがおらず、なかなか進まないという現状もあります。農業土木委員さんは、農業用水やため池、樋門や水門の管理などが中心業務と聞いておりますので、ストレートにこのことをお願いするというわけにもいきません。
イノシシ対策を集落ぐるみで行っていくには、出前講座で学習しただけでは進みません。実際には、地主の方は町内会の枠を超えておられますし、耕作放棄地があったりするので、対策が必要な集落をまとめるリーダーづくりが必要と考えます。最近は高齢化が進み、コロナ禍で集まることが少なくなり、コミュニティも希薄になってきております。
猟友会と連携して、イノシシ対策を進めるリーダーをつくる仕掛けづくりを、ぜひ市にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) イノシシ対策の出前講座につきましては、農家、非農家にかかわらず、おおむね10人以上の方が参加される団体であれば、受講いただけます。
また、イノシシ対策のための地域リーダーの育成につきましては、岡山県が農業者を対象に、集落において被害防止の中核を担う推進リーダーを育成するための研修を実施しておりますので、周知に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 繰り返しになりますけれども、対策が遅れれば遅れるほど、どんどんとイノシシが増えてまいりますので、事は急ぐと思いますので、ぜひ緊急な対策をよろしくお願いしたいと思います。
次に2項目め、防災対策について3点お伺いいたします。
1点目、気象庁の特別警報緊急速報メール廃止についてお伺いいたします。
気象庁は、大雨などの特別警報や噴火警報の緊急速報メールを12月末で廃止する予定とお聞きしております。廃止することについて、全国の市町村に対してアンケート調査をしたと聞いております。
アンケート調査はどのような内容で、本市はどのような回答を行ったのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 昨年11月に、気象庁が特別警報等に関する緊急速報メールを廃止するに当たって、事前に全国の市町村に対してアンケート調査がありました。その内容は、気象及び河川に関する警戒レベル4及び5相当の情報が発表された際の市の対応や、避難を促す情報をどのような手段で住民へ伝達しているか等についてのものでした。
市の回答としては、警戒レベル4及び5相当の情報を受信したときには、避難情報の発令を検討して、必要と認められる場合に、その地域に対して避難情報を発令すること、また、住民への情報伝達手段としては、緊急速報メールに加え、倉敷防災ポータル、Lアラート、倉敷市緊急情報提供無線システムやFMラジオへの割り込み放送、市ホームページ等を活用して必要な情報を発信している旨、回答しております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) それでは、12月末に気象庁による特別警報等に関する緊急速報メールが廃止されてしまうと、災害時に、市民への情報提供が十分行われなくなるのではないかと懸念しております。
今後、市民にはどのように情報提供していくのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 気象庁では、令和4年12月末に、気象等及び噴火に関する特別警報の緊急速報メールの配信を終了することを発表しています。
終了する理由としては、気象庁の特別警報の緊急速報メールは、警戒レベル5相当に達していない市町村も含め県内全域に一様に配信される等、かえって混乱を招くおそれがあることから、今回の終了に至ったと伺っております。
本市におきましては、高齢者等避難、避難指示、緊急安全確保などの緊急情報は、これまでどおり、多様な手段を通じて市民の皆様に迅速かつ的確に、適切に発信してまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 本市では、的確に発信していくという御答弁でございましたので、気象庁の緊急速報メールは廃止しても大丈夫だということが確認できたと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
この項2点目、高梁川及び小田川の流域治水についてお伺いいたします。
まず、平成30年7月豪雨における高梁川の水位上昇の原因についてお伺いいたします。
平成30年7月豪雨の際には、高梁川の水位が上昇したため、結果的に小田川へのバックウオーター現象が発生して、小田川や支川のあちこちで決壊し、真備地区への浸水につながりました。
改めてお伺いいたします。7月6日21時頃の倉敷の1時間当たり降水量は20ミリで、最大1時間降水量でも27ミリであったにもかかわらず、高梁川の水位が上昇した原因は何だったのでしょうか。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 平成30年7月6日から7月8日にかけて、岡山県では記録的な大雨となり、気象庁のアメダスによると、倉敷は24時間で138.5ミリ、高梁で225ミリ、新見で262ミリなどの降水量が記録されました。
市内に加えて、高梁川の上流で記録的な雨量になったことが原因で、水位が上昇したと考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 次に、流域全体、特に上流の雨量の把握についてお尋ねいたします。
高梁川は、上流が非常に広い流域を持っております。広い流域を持つ成羽川も、高梁川に合流しており、その上流は広島県にまで及んでおります。高梁川の水位を把握し予測するには、市内だけでなく高梁川流域全体、特に上流の雨量などの把握が重要であると考えます。
市として、上流の雨量などの情報の重要性についてどのように考え、どのように情報を得ているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 市内に加えて、高梁川の上流で記録的な雨量になったことが原因で、水位が急上昇した経験を踏まえ、災害後に高梁川流域の4市から国に対して、上流での雨量が下流の水位に影響を与える具体的な見込みについて様々な情報を収集、分析して、早めに分かりやすい形で示してもらえるように要請しました。
これにより、高梁川については令和3年度から、6時間先までの予測水位を発表されることとなりましたので、これを避難情報発令等の基準の一つとして参考に活用しています。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 次に、流域の雨量及び河川、ダムの水位の観測地点についてお伺いいたします。
高梁川や小田川の流域には、水位観測所やダム観測所など複数の観測地点がありますけれども、具体的にはどの観測地点の情報をどのように把握し、災害対策に活用しているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 高梁川については、国土交通省の川の防災情報などを活用して、高梁水位観測所、日羽水位観測所、酒津水位観測所などの水位を特に注視しています。小田川については、真備から上流の矢掛水位観測所、井原水位観測所の水位を特に注視しています。
また、新成羽川ダムの放流量についても注視しており、高梁川流域の状況把握に努めることで、適切な避難情報の発令などにつなげております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 平成30年7月豪雨災害当時に比べ、上流域の雨量や気象状況、ダムの放流量の状況などが把握されるようになったと思います。引き続きしっかり把握していただき、的確な市民への情報提供に努めていただきたいと思います。さらに、成羽川上流の東城地域などでは、山の樹木が伐採された後の植林が追いついておらず、山の保水力が以前よりも落ちているとお聞きしております。今後、上流の雨量や水位のみならず、山や川の環境にも目を配る必要があるということも指摘し、要望しておきたいと思います。
この項3点目、復興防災公園(仮称)についてお伺いいたします。
まず、避難所としての機能についてです。
復興防災公園(仮称)は、真備町箭田の高馬川と小田川の合流地点に建設予定で、この公園は、災害時に避難できる機能があると聞いております。具体的には、どのような機能があるのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 復興防災公園(仮称)の機能ということでございます。
市民の皆様方には、災害の発生がある程度予見される場合には、まず、小学校等のあらかじめ指定されている指定緊急避難場所に避難していただくことが基本と考えております。
そして、復興防災公園(仮称)でございますけれども、この部分につきましては災害後に設置する場所ということでございますので、もちろん、基本的には箭田地域の皆さんも高台のほうに事前に逃げていただきたいわけでございますけれども、やむを得ず逃げられなかった場合などに備えまして、一時的に緊急に避難する場所としての役割を持つようにしたいと思っております。
公園としては、堤防と同じ高さまで盛土をしまして、駐車場や広場に、災害時には約300台程度の自家用車が駐車できるようなスペースを確保していく予定としております。
建屋につきましては、防災備蓄倉庫、多目的に利用できるスペース、トイレ、また日常の利用ということで研修などをできる場所も備えていきたいと思っておりますし、また、公園内にはマンホールトイレ、ソーラー照明等も整備していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 次に、災害時にこの公園に避難する際のアクセス道の状況についてお尋ねいたします。
堤防は7メートルに拡幅されていますけれども、道幅があったとしても、避難時に車が集中すれば渋滞が起こり、豪雨の中、堤防の上で立ち往生することが予想されます。水害時に堤防を使って避難することは、非常に危険ではないでしょうか。
災害時のアクセス道の状況について、市はどのように認識しているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 復興防災公園(仮称)への車の避難経路は、小田川の堤防強化により拡幅した6メートルの市道に加えて、現在市が、倉敷まきび支援学校北側の市道を6メートルにする拡幅工事を進めております。
災害時には、避難場所への通行が集中し、渋滞が発生する場合がありますので、市民の皆様には、まずは市が指定している指定緊急避難場所や親戚宅等への避難、建物の上層階への垂直避難など、早めに避難していただきたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 再質問させていただきます。
県立倉敷まきび支援学校付近の道は高さがなく、災害時、道路冠水して車が通れないのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 道路冠水して危険な場合は、通行止めという形にさせていただいて、また違うところへ市民の皆さんを誘導できると考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 今御答弁がありましたように、災害時のこの公園へのアクセス道については、非常に危険ではないかと懸念しておりますので、水害時の復興防災公園(仮称)の使い方については、再検討を求めておきたいと思います。
次に、平成30年7月豪雨の教訓の継承についてお尋ねいたします。
復興防災公園(仮称)建設予定地は、平成30年7月豪雨の際に最初に決壊した場所です。
災害の状況や教訓を後世に伝えるための資料展示を常設するべきと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 復興防災公園(仮称)は、広場や建屋を防災教育の場として活用できるよう検討を進めております。
建屋には、平成30年7月豪雨の災害や防災に関する資料をパネル等で展示するとともに、地域の皆様の防災訓練や防災研修などにも利用していきたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) ぜひ検討を、よろしくお願いいたします。
この項最後に、名称についてお尋ねいたします。
今、まだ仮称ではございますけれども、復興防災公園と、防災がつくと、そこに避難できると思い、最初にそこに避難される方が出てくるのではないでしょうか。
あくまで、ほかに逃げる場所がなく、最後に選択するというのであれば、誤解を生まないように、防災という言葉を使用しないほうがいいのではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 復興防災公園(仮称)は、真備地区の復興に向けたワークショップやパブリックコメントの御意見を踏まえて、各地区から利用しやすい場所にあり、堤防高までのかさ上げにより、災害時でも救援活動の拠点ともなる場所を復興のシンボルとなるように整備しているものであり、現在、仮称として使用しているものでございます。
正式名称につきましては、公募してまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) ぜひ広く、多くの方の意見をよく聞いて、よく検討していただきたいとお願いしておきたいと思います。
それでは3項目め、放課後児童クラブについて2点お伺いいたします。
まず、多様な実施主体についてお伺いいたします。
本市では、放課後児童クラブ事業の運営の実施主体の多様化を図る目的で、令和3年度から令和4年度を試行期間とし、令和5年度から本格実施が予定されています。さらに、令和5年度からは株式会社も参入してこられます。株式会社は、会社の運営形態として利益を上げる必要があるために、もうけ主義に走ることがありはしないかとの懸念がございます。
そこでお尋ねいたします。株式会社などの営利企業参入に当たって、本市の取組はどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市の放課後児童クラブ事業では、課題を抱える一部の運営委員会に代わり、法人事業者が運営を行う運営主体多様化の試行を令和3年4月から行っております。ボランティア的な組織からの移行であることを踏まえ、試行期間は株式会社の参入を見送りました。
令和5年4月からの本格実施に当たり、株式会社を含めた法人事業者の公募を本年5月に実施し、株式会社については、8社の応募のうち、1社が運営を行う予定としております。
この公募では、法人の財務状況や児童福祉事業等の実績、安全への配慮など、運営面について書類及びプレゼンテーション審査にて評価しました。
なお、株式会社は新規参入となるため、令和5年4月から2年間を試行期間とし、試行の検証を実施する予定としております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 次に、運営状況のチェックについてお伺いいたします。
運営形態が、営利企業であろうと非営利企業であろうと、適正な運営に努めていただかなければなりません。複数のクラブを運営している法人もあります。今後は、全国展開している法人も参入してきます。運営はクラブごとの独立採算ですから、本部に利益がどんどん蓄積されるということがあってはいけません。
新しく参入したところの運営のチェックはどのようにしているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 令和3年4月から実施している運営主体多様化の取組の試行につきましては、令和4年度に試行の検証として、保育時間中の保育状況の確認、各種帳簿等の点検、ヒアリング等による運営状況の確認を行うとともに、利用児童の保護者向けにアンケートを実施し、適正かつ円滑に運営が実施されていることを確認しました。
令和5年度からの本格実施に向けて、新たに8つの法人事業者が運営を開始する予定としております。新たに参入した法人事業者につきましても、令和4年度の試行の検証と同様に、各児童クラブを訪問し、適正かつ円滑に運営がなされているかどうか、状況を確認してまいります。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) この項2点目、各児童クラブの総会の開催、会計監査制度についてお伺いいたします。
各児童クラブの運営状況や経理について利用している保護者に報告し、透明度を高めることによってよりよい運営になると考えますが、各児童クラブでは1年に1回総会を開き、運営状況を報告し、会計監査報告もされているのでしょうか。
コロナ禍では、文書による開催もあると思いますけれども、どんな形ででも1年に1回の総会開催や会計監査報告がされているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 児童クラブの運営費は、保護者の皆様からお預かりした保育料と市からの委託料により賄われており、その会計処理は、透明かつ公正に実施する必要があります。国の放課後児童クラブ運営指針においても、適正な会計管理及び情報公開として、会計処理や運営状況に関する保護者や地域社会への情報公開が求められております。
市といたしましては、各クラブに対し、総会などの機会を通して、保護者や地域社会に対し運営状況に関する説明や情報公開を適切に行うよう指導しております。また、決算報告書を受ける際には、毎年度、各クラブにおいて会計監査を受けていることを確認しております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) しっかりチェックしていただきまして、適正な運営がなされるという状況を保っていただきたいと思います。
それでは4項目め、公共交通について4点お伺いいたします。
1点目、公共交通を整備する市の基本的な考え方についてお伺いいたします。
市民の方からお話を伺いますと、どこの地域でも要望が出されるのが、公共交通の問題です。人口が少なくなった地域のみならず、住宅がたくさん立ち並ぶ地域であっても、バス路線がなくなり、便数が減り、移動手段に困られています。
そこで、本市の公共交通を整備する上での基本的な考え方は、どのような内容なのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、平成29年3月に倉敷市地域公共交通網形成計画を策定しております。この計画で示す市内の公共交通網の将来像は、広域交通拠点である倉敷駅から各地域・地区の交通拠点に向けて、放射状に基幹的な鉄道及びバス路線が確保され、これを枝となる支線で補完することによりネットワークの形成を目指すこととしております。
また、計画の実現に向けては、市民、地域企業、交通事業者、行政の関係主体が連携し、それぞれの役割を果たしながら取り組んでいくこととしております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 再質問させていただきますけれども、立地適正化計画が発表されております。市街地中心部に病院や商業施設、日常生活のサービスを集約していこうという計画でありますけれども、もしこれが推し進められることになりますと、もっともっと周辺地域が不便になってしまいます。
この方向を認めるわけではございませんけれども、周辺地域にこそ手厚く移動手段を整備する必要があるのではないでしょうか。再質問させていただきます。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 先ほど答弁いたしましたように、本市では、倉敷市地域公共交通網形成計画に基づき、交通不便地域における移動手段の確保を図るため、まずは地域が主体となって運営するコミュニティタクシー制度の普及、拡大に努めていきたいと思っております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) この項2点目、市民の移動による経済活動における需要の創出についてお伺いいたします。
公共交通手段を使って移動できることは、誰もが安心して暮らすことができるために必要であると同時に、町のにぎわいをつくることにつながります。
市外からの観光客が宿泊や買物をすることのみならず、市民が日常的に市内で飲食や買物をする。また、いろいろな文化・芸術・スポーツ活動などを通じて、さらに町のにぎわいがつくられ、町が活性化いたします。人の流れをつくり出すことは、経済活動にとっても非常に重要と考えます。
そこで、9月から11月にかけて本市で取り組まれた路線バス・臨鉄無料デーについて、その効果の評価はどうかということについてお尋ねする予定でございましたけれども、昨日同様の質問がありました。ふだんの2倍から3倍の方が路線バスや臨鉄を利用されたということでございましたので、今後、無料デーの取組を継続していただくように要望しておきたいと思います。
次に、市民の移動による需要の創出を求めて質問いたします。
市民が移動することによって町が活性化し、日常的に市民の経済活動がつくられ、購買などの需要がつくられるという視点から、積極的に市民が移動しやすい環境をつくっていく施策が必要と考えます。この点についての市の認識をお尋ねいたします。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、本年9月から11月に路線バス・臨鉄無料デーを4回実施し、ふだんの約2倍から3倍の利用者数となりました。また、実施日の各地区における滞在人数や主な道路の通行者数も増加しており、観光地、市街地のにぎわい創出や公共交通の利用促進に一定の効果が確認できました。
市といたしましては、今後も公共交通の利用促進に向け、公共交通沿線の施設と交通事業者との連携が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) ぜひ積極策をしていただくように要望しておきたいと思います。
この項3点目、公共施設再編計画に伴う交通手段の確保についてお尋ねいたします。
公共施設の老朽化に伴い、複数の施設を移転して一緒にする計画が出されてきております。倉敷市立中央図書館は複合施設として本庁舎東側駐車場に移転し、自然史博物館はライフパーク倉敷敷地内に、また、倉敷市屋内水泳センターを水島緑地福田公園水泳場と統合するという計画が発表されました。
ライフパーク倉敷には、西日本一のプラネタリウムや科学センター、埋蔵文化財センターがあり、会議室や図書室もよく活用されています。自然史博物館が移転すると、さらに生涯教育施設や教育施設の利用者増が見込まれます。また、水島緑地福田公園内のスポーツ施設も充実いたします。倉敷駅や美観地区、本庁舎からライフパークや福田公園へのアクセスをもっとよくすることによって市民の利便性が高まり、また、市外からの方も、ライフパークへ足が伸ばしやすくなるのではないでしょうか。
シャトルバスがあればよいと思いますけれども、現在バス路線がありますので、シャトルバスのように活用するという意味合いで、倉敷駅から本庁舎を経由して、ライフパーク倉敷や水島緑地福田公園へのバス路線を、バス会社に補助を出し、安い運賃で本数も増便するということをしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 水島緑地福田公園とライフパーク倉敷へ行くための交通手段は、倉敷駅と児島駅を結ぶ塩生線と古城池線の2つのバス路線が運行されております。便数としては、2つのバス路線を合わせて、平日は28.5往復、土曜日は23.5往復、日曜日、祝日は20.5往復が運行されております。
本市といたしましては、バス路線を維持するため、継続して補助金により支援するとともに、再編後の施設利用者に分かりやすく運行情報を提供するなど、利用促進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) 倉敷駅から水島緑地福田公園やライフパーク倉敷に行くのに運賃が片道400円程度かかります。継続的に水泳など通おうと思いますと、かなりの負担になります。ぜひとも積極的に、市民の利便性向上のために施策を打っていただきたいと、重ねて要望しておきたいと思います。
この項最後に、生活圏域内の移動手段の確保についてお尋ねいたします。
倉敷市内どこに住んでいても、暮らしを支える各種施設にアクセスできるようにすることが求められます。生活圏域内の移動手段として、コミュニティタクシーなどの構築が必要と考えますけれども、それと併せて、一般タクシーの運賃助成制度をぜひつくっていただきたいと考えます。
高齢者の方が医療機関を受診する際に、公共交通機関がないためにタクシーを使う場合が多く、往復で1万円近くかかったという声もよく聞きます。相乗りタクシー制度もありますけれども、今年9月に倉敷市が無作為抽出した市民3,000名を対象に実施し、1,175名の方から回答が得られた公共交通の利用促進に向けた実施事業に関するアンケート調査では、相乗りタクシーよりも一般タクシー運賃補助制度のほうが必要だし、制度ができれば利用すると答えた人の割合が高いという結果が出ています。
一般タクシーの運賃補助制度をぜひつくってほしいと考えますけれども、いかがでしょうか。
○議長(中西公仁君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、交通不便地域における移動手段の確保を図るため、現在市内の9地区においてコミュニティタクシーが運行されており、この制度の普及、拡大に努めているところでございます。
今後、コミュニティタクシーの導入が困難な地域については、ボランティア運行や、病院等が行っている送迎サービスの活用や、一般タクシーの相乗りサービスの普及などについて検討していく必要があると考えております。
○議長(中西公仁君) 田辺 牧美議員。
◆11番(田辺牧美君) コミュニティタクシーということを言われますけれども、やはり担い手の問題ということもあります。なかなか進みづらいという点もありますので、それと併せて一般タクシーの運賃助成制度も、ぜひとも検討していただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。
誰もが安心して暮らせるように移動手段の確保、公共交通の整備に力を注いでいただきますよう重ねて要望し、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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