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三宅 誠志 議員
令和5年第6回倉敷市議会(第3回定例会) 9月11日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和5年第6回倉敷市議会(第3回定例会)
9月11日(月) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
三宅 誠志 議員
1 ハザードマップについて
2 クールくらしきアクションプランについて
3 コンビナート事故について
◆8番(三宅誠志君) (拍手) 皆さんこんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の三宅 誠志です。
質問通告に従いまして、一問一答にて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
1項目めとして、ハザードマップについて2点お伺いいたします。
1点目として、津波ハザードマップの更新についてです。
平成25年8月のわが家の津波ハザードマップは、南海トラフ巨大地震を想定して作成されました。作成から10年が経過しているので、浸水想定区域や避難場所が古い情報になっているのではないかと、市民の人から問合せがありました。また、2023年4月の津波浸水想定の設定の手引きバージョン2.11が公表されていますが、本市の津波ハザードマップ作成後、この手引の内容の変更もかなりあるようです。
これらを踏まえて、津波ハザードマップの更新についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 三宅 誠志議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
本市で作成しているわが家の津波ハザードマップは、平成25年8月に作成したもので、これは岡山県が平成25年3月に公表した南海トラフ巨大地震が発生した場合の津波浸水想定区域に基づき、津波浸水深や津波避難場所等を記載しているものでございます。
この津波浸水想定区域は、平成25年の公表以降更新されておらず、現在、国の南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会において、最新データに基づく、震度分布、津波高、津波浸水範囲、人的・物的被害想定の手法を検討していると伺っております。
国の検討結果に基づき、岡山県が新たな津波浸水想定区域を公表した後、避難場所等について再検討した上でハザードマップを更新し、市民の皆様にお知らせしたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) ぜひとも、しっかりしたハザードマップを作ってくれるように要望しておきます。
2点目として、高潮ハザードマップに関連してです。
高潮ハザードマップは、防護水準向上のための施設整備検討支援などのハード面の役割や、住民の避難対策などのソフト面の役割を担うものだと言われています。
まず、ハード面に関して、(仮称)児島学校給食共同調理場の高潮対策についてお伺いいたします。
令和2年6月議会で当時の黒瀬教育次長は、候補地の浸水対策につきまして、旧海技大学校跡地の周囲の護岸については、平成16年の高潮災害後に岡山県が護岸工事を行っており、同規模の高潮災害にも耐え得るものとなっております。また、津波ハザードマップにおいても接道部分は浸水域ではなく、旧海技大学校跡地の周囲の護岸は高さが十分にあるものの、大規模地震で破損した場合には、浸水深も30センチから最大で2メートル未満の想定がありますので、盛土によるかさ上げや必要な地盤改良を行うことで、調理場整備には支障はないものと考えておりますと答弁しています。
今回の高潮ハザードマップでは、想定最大規模の場合、平成16年の高潮を超えた想定になっています。また、地球温暖化に伴う気候変動による海面水位の上昇や台風の強大化により、1,000年に一度と言われる想定最大規模が100年に一度とかに上ぶれする懸念もあります。
市として、(仮称)児島学校給食共同調理場の高潮対策をどのようにお考えか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) (仮称)児島学校給食共同調理場の周囲の護岸につきましては、平成16年の高潮災害後に岡山県が護岸工事を行っており、同規模の高潮災害に耐え得るものとなっております。また、平成25年に市が公表したわが家の津波ハザードマップにおいて、共同調理場は津波による浸水深が最大で2メートル未満と予想されているため、現状の地盤から約2メートル20センチかさ上げする計画としております。
なお、市が令和5年3月に作成した倉敷市高潮ハザードマップでは、想定最大規模の高潮災害の浸水深につきまして、共同調理場は現状の地盤から最大3メートル16センチと予想されており、1階床面から約1メートル浸水いたしますが、2階への垂直避難を行うことが可能であり、人命については安全を確保できるものと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 次に、ソフト面から、高潮時の避難計画についてお伺いします。
高潮ハザードマップには、水島・玉島地区を中心に広範囲が浸水する想定になっています。それを見た市民の方から、どこへどのように避難すればいいのかという問合せがありました。
避難計画はどのようになっているのか、お伺いいたします。また、高潮災害時に津波の一時避難施設は活用できるのかどうかも、併せてお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 令和5年8月に配布した高潮ハザードマップは、過去に大きな被害をもたらした台風を基に、進路や潮位など最悪の条件が重なったことを想定して作成しているため、浸水想定が広範囲に及んでおります。
台風による高潮は、気象予報等で事前に推定潮位による浸水が想定できるため、市としましては、台風の規模、進路、潮位、浸水範囲等の過去の実績を基に安全な場所にある指定緊急避難場所を選定し、早期に避難を呼びかけているところでございます。
津波発生時における一時避難施設の上層階への避難は、時間的猶予がない場合には有効な避難手段の一つと考えますが、高潮は事前に浸水を想定でき、時間的な猶予もあることから、内閣府の避難情報に関するガイドラインに基づき、浸水エリア外への早期の避難を基本としております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) ちょっと一つ確認したいのですけれども、もし想定最大規模のときに浸水した場合も、一応、ここに皆さん逃げてくださいというのをどこか決めていらっしゃるのでしょうか。ちょっと再質問でお願いします。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 想定最大規模で浸水するということも想定して、今回のハザードマップは作成しております。それと計画規模ということで、2つのパターンを想定して作っております。通常は、今まで平成16年の16号台風が最も大きな高潮の被害でしたので、基本的には、その台風の進路や規模と比較して避難情報を発令していますが、それを上回るような台風や高潮被害を発生する場合は、早期に浸水想定エリア外へ避難していただくように、できるだけ早い段階で避難情報を発令してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) しっかりとした計画をお願いいたします。
次の2項目めとして、8月に改定されたクールくらしきアクションプランについてです。
今回の改定で、現在の技術を最大限活用し、2030年度に2013年度比で33.9%の削減を目指し、イノベーションの加速により、2050年度にゼロカーボンシティくらしきを実現するという目標を掲げています。国においては、2030年度に2013年度比で46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦していくと表明されています。クールくらしきアクションプランの目標を達成し、さらに国と同じように、より高みに挑戦していくためには、省エネ、再エネの技術を最大限活用することが必要です。こういった観点で6点お伺いいたします。
まず1点目として、省エネルギー対策についてです。
まず、一般家庭、事業者への促進施策についてお伺いします。
クールくらしきアクションプランでは、住宅、建築物の省エネルギー化、脱炭素化の促進が述べられています。
7月に省エネ家電買い替え促進事業を実施していましたが、そのほかに、一般家庭、中小事業者に対する省エネ促進についてどのような取組を行っているのでしょうか。また、これまでの取組でCO2がどのぐらい削減されたのか、併せて今後どのような取組を行うのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 家庭向けの施策としましては、従来の太陽光発電、リチウムイオン蓄電池等の補助に加えて、令和4年度から断熱化や省エネルギー設備等の導入により、家全体のエネルギー収支をゼロにするZEH(ゼッチ)の補助を実施しています。また、事業者向けの施策として、平成29年度から一定以上のCO2の削減が見込まれる設備更新を行う中小企業者に補助を行っております。これらの補助により、これまで約67.5万トンCO2の削減となっております。
今後も省エネルギー設備等のさらなる普及を図るため、市民ニーズを捉え、導入しやすい制度となるよう補助制度の見直しを行ってまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 7月23日に開催されました第65回自治体学校in岡山というのがありまして、その現地分科会で、水島でカーボンニュートラルの取組を学ぶという分科会がありました。水島愛あいサロンで行われたのですけれども、その中で産業技術総合研究所の歌川 学氏の講演で、家庭の省エネ機器の導入効果例に、13年前の冷蔵庫を更新するとエネルギー消費量が50%削減でき、電気代も年間で6,630円から8,400円の削減になる。今はもっと電気代が高いので、多分もっと多くなると思うのですけれども、そういうふうに電気代も削減できるという具体的な例を示されていました。その講演を聞きに来ていた人が、ちょうど13年前の冷蔵庫を使っており、買い換えようかとおっしゃっていました。こういったいろんな数値を基に言うと、いいのではないかと思います。
省エネルギーは、一般家庭でも事業者でも、多くは3から4年で、建物などの耐用年数の長いものでも10年で投資した省エネ費用の回収ができ、その後はエネルギー消費減によって節約効果が続きます。省エネルギーは、我慢や重荷ではなく、事業者にとってはコスト削減ための投資であり、家計にとっても負担軽減になります。推進施策への注力を要望しておきます。
次に、公共施設の推進施策についてお伺いします。
クールくらしきアクションプランでは、倉敷市公共建築物ゼロカーボン指針に基づき、公共建築物を新築する際には、ZEB(ゼブ)化を検討し、省エネルギー性能の高い照明や空調機器等の導入、断熱性能の向上を図りますと述べられています。
省エネ対策として、どのような取組を行っているのか、また、温室効果ガス排出削減目標に対して、最新年度ではCO2削減量はどのくらいなのか、さらに目標達成に向けて今後どのような取組を行っていくのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 倉敷市役所全体の温室効果ガス排出削減目標としまして、2030年度までに2013年度比43.8%削減という目標を掲げております。
これまで省エネ対策として、LED照明の導入や太陽光発電設備の導入などの施策を行っており、その結果、2022年度における2013年度からの温室効果ガス排出削減量は約3.4万トンCO2、削減率は30.1%となっています。
今後、令和4年4月に策定した倉敷市公共建築物ゼロカーボン指針での取組も併せ、太陽光発電設備を設置可能建築物の約50%以上に導入すること、新築建築物をZEB化すること、LED照明の導入徹底などの施策を行い、温室効果ガス排出量の削減目標達成を目指して公共施設の省エネルギー対策を推進してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 先ほどの歌川先生の講演会で使用した会場が、たまたま、まだ蛍光灯でした。そのときのお話で、例えば、LED照明に換えると、電気代が2割削減できる。それと、LEDは明るいので、40%ぐらいは削減できるだろうというお話しをされていました。具体的に、どこだったらどのぐらい削減できるかぐらいを言うと、やっぱり換えやすいのではないかなと思います。投資の回収も、LEDの場合は大体1年から3年で回収できるので、すぐにでも進めることがトータルコストを考えたらお得で、CO2削減にも貢献できると力説されておりました。
省エネ化は、先ほど言ったようにお得で、二酸化炭素削減にも効果があり、さらに物を買うので、経済的な効果もあることを考えながら、公共施設の施策を推進していただくことを要望しておきます。
2点目として、ゼロカーボンアクション30の普及啓発についてです。
クールくらしきアクションプランでは、ゼロカーボンアクション30を活用し、衣食住や移動、買物等の日常生活における脱炭素行動や暮らしにおけるメリット、CO2削減効果に関する情報発信を通じて、市民、事業者の地球温暖化対策の取組を推進しますと書かれています。
普及啓発に当たっては、先ほど言ったように、CO2の見える化も必要ではないかと考えますが、また、今後どのように普及啓発を行っていくのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 国は、カーボンニュートラルの実現に向けて、一人一人のライフスタイルの転換を図るためにゼロカーボンアクション30として、国民ができる30個の取組の推進を呼びかけています。
本市では、8月に倉敷市地球温暖化対策実行計画であるクールくらしきアクションプランの概要版を改定し、その中で、市民の皆様ができる取組を分かりやすく伝えるため、ゼロカーボンアクション30などから取組を掲載し、さらにCO2の削減量や節約金額などの効果を見える化しております。
本市としましては、概要版を活用し、市民の皆様に積極的に地球温暖化対策に取り組んでいただけるようくらしき環境フェアなど、あらゆる機会を捉え普及啓発に努めるとともに、今後、ゼロカーボンアクション30を参考にしながら、家庭や町でできる地球温暖化対策をまとめた、倉敷市独自の取組であるグリーンくらしきエコアクションや、小学生向けの学習教材なども改定してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 見える化は本当に大切だと思いますので、ぜひとも推進して、二酸化炭素削減に貢献できるようにやっていくことを要望しておきます。
3点目として、ゼロ・エミッション・ビークル──ZEV(ゼブ)といいますけれども──の利用環境の整備についてお伺いいたします。
クールくらしきアクションプランでは、公用車へのZEVの導入や公共施設への充電設備の整備を通じて、市域のZEVの普及や走行環境の整備を促進しますと述べられています。
まずは、公共施設の充電設備の現状と整備についてお伺いします。
クールくらしきアクションプランにも述べられているように、市が積極的に公共施設への充電設備を整備することにより、ZEVの普及促進につながるのではないかと考えます。
そこで、現在、公共施設に一般向けの充電設備はどのくらい設置されていて、今後どのような方向性で整備していくのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 市民の利用できる充電器は、現在12の公共施設に設置されております。
国においては、今後、さらなる電気自動車等の普及、充電インフラの整備に向けた取組を促進するため、経済産業省に充電インフラ整備促進に関する検討会を設置し、充電器設置数を、2030年までに15万口を30万口に倍増すること、急速充電器の出力を倍増することで充電時間を短縮するなどにより、ユーザーにとってより利便性の高まる充電インフラ整備を目標とした指針策定の検討が行われているところです。
本市におきましては、この国の掲げる指針や補助事業の状況、民間事業者の充電設備の設置状況等を注視しながら対応してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) しっかりと整備をお願いしたいと思います。
次に、公用車へのZEVについてお伺いいたします。
市の積極的な公用車へのZEV導入についても、モビリティーの脱炭素化の促進にも寄与すると考えます。
そこで、現在、市が所有している公用車の台数とその中のZEVの台数について並びに今後の購入計画についてお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車でありますZEV、ゼロ・エミッション・ビークルですけれども、電気のみで走行します電気自動車、そして水素から発電して走行します燃料電池自動車、FCVです。それと電気とガソリンで走行するプラグインハイブリッド自動車のことを指しているものであります。
倉敷市では、消防局と環境センターを除きます市長部局で約470台の公用車を配備しているところでございます。市では、電気自動車を製造する企業のある場所ということもあり、電気自動車の配備を進めてきているところでございますが、これまでの車の耐用年数等もございまして、現在のところ、合計で31台のZEV、EV車とプラグインハイブリッド自動車、それから燃料電池自動車を導入、配備しているところでございます。
今後、2030年度までに、全ての公用車を電動化する方針を国が出しておりまして、市におきましても、昨年度は5台更新し、今年度は10台更新する予定としております。今後、2030年度の目標もございますので、車の耐用年数ももちろん見ないといけないと思っておりますけれども、積極的かつ計画的に電動化につきまして取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 市が率先的にやって、みんなを引っ張っていくということをぜひともやっていただきたいと思います。
4点目として、地中熱の利用についてです。
クールくらしきアクションプランでは地中熱について、公共施設において冷暖房や給湯等への活用の可能性を調査、検討するとともに、活用事例等の情報提供を通じて、市民、事業者への導入を促進しますと書かれております。倉敷市が調査、実証実験などを通じて、地中熱の利用を促進していくということです。
地中熱のポテンシャルはどれくらいあって、それをCO2に換算するとどのくらいの削減になるのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 地中熱利用のポテンシャルにつきましては、国の再エネポテンシャル計算ツール、REPOS(リーポス)により推計されております。
地中熱利用の単位は、熱量を示すジュールで表されており、本市の地中熱利用のポテンシャルは約1万テラジュールです。これをCO2に換算しますと、約70万トンCO2に相当します。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) なかなかなので、ぜひともこの辺をやっていきたいと思いますけれども、クールくらしきアクションプランのロードマップにおいて、2030年まで地中熱利用に関する調査、検討を行うとされています。国においては、既に地中熱利用にあたってのガイドラインや地中熱利用システム2023年版などが出されています。
今後、建築される公共施設でも検討されるべきではないでしょうか。市のお考えをお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 地中熱利用に関しましては、導入コスト等の課題があるため、現在取組を実施している他市のメリット、デメリット等の状況を研究してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 先ほど言いました導入コストが高くても、数年たてば、逆にちゃんともうかるようになるのではないかと思うので、ぜひその辺も含めて検討していただければ幸いです。
5点目として、クールくらしきアクションプランのバイオマス、バイオガスの利用促進に関連して、メタン発酵バイオガス発電についてお伺いいたします。
現在、市では児島下水処理場において、2015年度よりバイオガス発電を行っています。環境省ホームページのメタンガス化施設の導入事例によれば、下水汚泥以外にも、生ごみや紙ごみ等の一般廃棄物及び食品廃棄物等の処理などがあります。また、燃えるごみの草花なども使えるのではないでしょうか。
京都市では、以前もお話ししましたけれども、一部ごみ焼却場にバイオガス化施設を併設し、バイオガス化により、ごみの持つエネルギー回収の最大化と温室効果ガスの削減に取り組んでいます。
倉敷市において、こういったバイオガス発電の取組についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 本市では、児島下水処理場において、下水汚泥を活用したバイオガス発電に平成27年度から取り組んでおります。
一方で、生ごみ等を活用したバイオガス発電については、大がかりな施設の建設や収集運搬等の維持管理費、原料の安定的な確保が難しいなどの課題があると聞いており、今後、調査、研究してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) そうした大きなやつは大変なのですけれども、例えば、小さいバイオガス発電によって、どこかの道の駅で電気をやるとか、あと、災害時にはそれを使いやすいので、そういったこともやっているところもありますので、そういった面を含めて検討していただきたいと思います。
6点目として、水素利活用の支援の具体策についてです。
クールくらしきアクションプランの水素利活用の促進には、補助制度により水素エネルギーの利活用を支援するなど、水素利活用を促進しますと述べられています。
市として、水素の利活用についてどのようなことに取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 本市では、ガスから水素を取り出して発電し、さらに発電時の熱でお湯を沸かすことができる設備、燃料電池システム(エネファーム)の導入に対し、平成28年度から累計362件の補助などを実施しております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) なかなか水素自体が高くて、本当に十分供給できるかどうか、まだ見通しは立っていません。なかなか難しいと思いますけれども、ほかのところにも注力したらいいのではないかなと思います。
最後に、9月8日に国連気候変動枠組条約事務局は、地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるための温室効果ガス排出削減の取組が不十分であるという報告書を発表しました。報告書は、世界の温暖化ガス排出量が1.5度目標を達成できる水準に達しておらず、各国があらゆる分野で目標を引き上げ、システム変革に取り組むべきだと指摘しました。
工業都市の倉敷市では、温室効果ガスの約8割が産業部門からの排出です。先ほど述べた歌川氏によれば、産業部門で、既存技術の普及とリサイクル材料の使用拡大など、また、更新時には省エネルギー機械、断熱建築、省エネルギー車の普及を促進し、加えて再生可能エネルギーを拡大していけば、2013年度比で2030年度は52%、2050年までには88%削減できると試算しています。あとの残り12%は、新しい技術が必要だということですけれども、現在の技術でも十分に88%まで行くと、こういった目標に向けた施策を行っていくことを強く要望しておきます。
最後の項目として、コンビナート事故について3点お伺いします。
1点目として、コンビナート事故の推移についてです。
5月29日に消防庁から公表された令和4年度中の石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所における事故概要によれば、地震によらない一般事故が349件と、過去最多となっているとの記述がありました。倉敷市においても、建設消防委員会での報告を見ても、最近多いのではないかと思います。
そこで、全国と倉敷市の過去5年間の件数の推移と発生要因別の件数はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 全国のコンビナート地区の事故件数は、平成元年以降増加傾向で推移しており、直近5年では、年間300件前後の事故が発生しています。
水島コンビナート地区の事故件数は、直近の5年で年間7件から17件で、平均約10件の事故が発生しています。令和5年の事故件数は、本日までで16件となっています。
今年発生した事故16件の種別は、危険物などの漏えいが13件、火災が3件となっています。事故の要因は、現在のところ、16件中11件の事故調査が終わり、腐食などによる物的要因が9件、誤操作などによる人的要因が2件となっております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 2点目として、再発防止策の指導についてです。
事故を起こした事業所から、事故後、再発防止策が提出されていますが、それに対してどのような形で指導が行われているのか、また、具体的にどのような指導を行っているのか、例示をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 消防局では、国や岡山県など関係機関と連携し、事故を起こした事業所に対して事故原因の究明を行うとともに、再発防止策を徹底するように指導を行っています。また、大学教授など有識者で構成している倉敷市コンビナート防災審議会委員からも事業所に対して、安全対策などの助言を行っています。
事故の要因ごとの指導内容としましては、腐食など物的要因の場合、設備の更新のほか、事故が発生した設備と類似した箇所の再点検や検査方法の見直しなどを指導しています。
また、誤操作など人的要因の場合は、従業員教育の徹底や操作マニュアルの見直しなどにより、再発防止に向けて指導を行っております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 3点目として、8月23日のENEOS株式会社水島製油所B工場の事故についてお伺いします。
まず、今回のENEOS水島製油所B工場の事故の状況はどうだったのか、また、今後の指導についてお伺いします。
また、今回の事故は、報道では、落雷ではないかとありましたが、避雷針などの対策はどのようになっていたのかも、併せてお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 8月23日ENEOS株式会社水島製油所B工場で発生した危険物施設の火災では、出火から鎮火まで約3時間半を要しました。この火災による被害は、現在は調査中のため明らかになっておりませんが、焼損した主なものは、危険物施設のポンプと配管でした。
現在、原因の究明を最優先に調査を進めていますが、火災の影響を受けた施設からは製品の出荷ができない状況であり、早期復旧・再開に向け、関連施設も含めて、安全を確保して工事を行うよう指導しております。
危険物施設における落雷に対する対策としては、危険物に関する法令で、避雷針などの設備について規定されております。ENEOS株式会社水島製油所B工場では、基準どおり設置されていることを確認しております。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 状況の説明の中で、一つ追加でお伺いしたいのですけれども、事故があった場合、住民への広報とか住民の避難するかどうかの判断をやっていると思うのですけれど、今回はその辺をやっていないのでしょうか。やっていなければ、やっていない理由を教えてください。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 住民への広報は行っております。
住民の避難は行っておりません。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 避難を行っていないのは、どういった理由でしょうか。例えば、工場内だけで止まるのか、爆発していないとか、そんな理由なのでしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 工場内だけで収まるものと考えておりまして、地域住民の避難は考えておりません。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) あともう一つ再質問ですけれども、昨年9月の定例会で当時の梶消防局長が、当市においても、現在ENEOS株式会社水島製油所で事故が多く発生しており、憂慮すべき状況と考えています。そのため消防局では、当該事業所に対し、安全対策のための設備や人への投資、従業員への安全教育の徹底についても、今後指導してまいりますと答弁しています。
今年に入っても、さっきの火災を含めて、ENEOSは9件の事故が発生していると思うのですけれども、昨年指導したことと同じような事故が起こっていたのかどうか、お伺いします。起こっているのだったら、再発防止策が全然うまくいっていない、指導がうまくいっていないような気がするのですけれども、その辺の御見解をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 昨年と全く同じ事故原因というのは発生しておりませんので、引き続き事故の再発防止に向けて指導してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) もう一回確認だけです。
同じじゃないというのは、漏えいでも、漏えいの仕方が違うと、そういう意味でしょうか。
○副議長(北畠克彦君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司君) 同じ腐食であったとしても、腐食の原因が違うとか、そういったもので、一つ一つの原因について調査して、それにふさわしい指導をしてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 分かりました。でも、腐食は大体経年劣化というような気がするのですけれども、その辺で同じじゃないかと思います。また、たしかENEOSの工場の事故件数は去年より増えているでしょう。その辺しっかりと引き続き、指導をよろしくお願いいたします。
次は、事故による環境影響についてお伺いいたします。
事故で工場が燃えていると聞きましたので、私も車を走らせて正門付近まで行きました。もうかなり黒煙が出ていました。
事故での周辺の大気環境への影響はどうだったのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 事故の通報を受けまして、直ちに大気中の二酸化硫黄や浮遊粒子状物質について、市内の大気環境測定局で監視した結果、通常値と比べての数値の変化はありませんでした。
○副議長(北畠克彦君) 三宅 誠志議員。
◆8番(三宅誠志君) 風向きとか多分、雨が降っていたので、あまり飛散がないかと思うのですけれども、引き続きしっかりとした監視をお願いしたいのと、やはり近くに行って測定できれば、それが一番いいんじゃないかなと思いますので、その辺をどうぞよろしくお願いします。
最後に、平成26年5月の石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議の報告書の終わりにこう書いています。石油コンビナート等における重大事故防止のための特効薬はない。事業者が安全確保に向けた責任を十分認識し、過去の事故に学びつつ、想像力を最大限に働かせ、安全確保に向けた地道な取組を積み重ねていくことが最大の事故防止対策である。全くそのとおりだと思います。企業がしっかりとした責任を持ってやっていただきたいと思います。
また、1件の重大な事故の裏には、29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがあるとされるハインリッヒの法則というのを皆さんも御存じと思いますけれど、軽微な事故が増えると重大事故につながる可能性が高くなることから、引き続き的確な指導を要望して質問を終わります。
どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
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