録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
2月22日(木) 本会議 代表質問
未来クラブ
山畑 滝男 議員
1 新型コロナウイルス感染症への今後の対応について
(1)安心して医療行為が受けられる体制の維持・継続の必要性について
(2)企業への支援の継続について
(3)水道料金の減免など生活に密着した支援について
2 防災危機管理体制について
(1)防災危機管理センター棟の充実について
(2)自主防災組織率を高め積極的に活動を行うための施策について
(3)防災士の育成について
(4)地区防災計画の策定を推進するための支援について
3 真備地区の復旧・復興について
(1)真備地区を今後どのように発展させるかについて
(2)地域で強固なコミュニティについて
4 地方創生について
(1)地方創生先進都市倉敷を達成するための施策について
5 子育て支援について
(1)出生率の向上や子育てしやすい環境の充実について
6 教育環境の充実について
(1)GIGAスクール構想と英語教育の推進について
7 障がい児・障がい者の方々への支援について
(1)社会生活を営むうえでの支援について
(2)ヤングケアラー支援条例の制定について
8 健康寿命の延伸について
(1)老後を健康でいられる施策をどう進めるかについて
◆23番(山畑滝男君) (拍手) 皆さんこんにちは。未来クラブの山畑 滝男でございます。
 質問の前に、元日に発生した令和6年能登半島地震では、多くの方々が犠牲となり、いまだに復旧のめどが立たず、日々御苦労されている状態です。被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。
 また、3月末をもちまして退職されます職員の皆様方には、市政発展のために長年にわたり御尽力いただきましたことに対しまして、心から敬意と感謝を申し上げます。本当にお疲れさまでございました。今後とも、市政発展のために御尽力賜りますようお願いを申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、8項目について会派を代表して質問させていただきます。我々未来クラブは、昨年10月2日に令和6年度重点要望を伊東市長に提出させていただきました。不明瞭な時代の到来の中、市政運営は困難を極め、さらに新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルスなど山積した問題を克服し、希望や夢の持てる倉敷の実現を目指し日々努力されていると思います。今回の代表質問では重点要望に準じて質問させていただきますので、市長の考え、そして執行部の取組について御答弁のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、1項目め、新型コロナウイルス感染症への今後の対応について3点お尋ねします。
 1点目、令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置づけが、新型インフルエンザ等感染症、いわゆる2類相当から5類感染症になって以降、市民生活も以前のような生活に戻りつつありますが、新型コロナウイルス感染症そのものは終息したわけではなく、感染者数が減ったり増えたりを繰り返している状況です。このことから、感染症対策としてワクチン接種の必要性は変わりませんが、新型コロナウイルス感染症がいわゆる2類相当から5類感染症となったことにより、医療費等の負担が変わってきます。
 これまでは費用が全額公費負担で、生後6か月以上の全ての人を対象にワクチン接種が行われていて、希望する人は自己負担なしで接種することができていますが、今後は季節性インフルエンザなどと同様に、原則費用の一部負担を求める定期接種として、その負担額を最大で7,000円程度にすると厚生労働省から方針が示されています。しかしながら、定期接種の対象者は65歳以上の高齢者と、60歳から64歳で基礎疾患のある重症化リスクの高い人で、これ以外の人は任意接種となるため、自己負担額は7,000円を超える見通しだということです。
 定期接種の場合は、国の交付税で接種費用の3割程度を補助した上で接種が行われますが、コロナワクチンはインフルエンザワクチンと比べると高額で、厚生労働省の専門家会議でも委員から、自己負担額が高額になることへの対策を考えてほしいとの意見が上がっており、ワクチンの価格が高い場合に、差額を国が補助するかどうかなど、自己負担額を7,000円に収めるための方法については、今後検討するということです。
 このほかにも、検査や診察、コロナ抗ウイルス薬や解熱剤、せき止め薬、入院や治療費についても自己負担が発生することになり、費用負担への懸念から感染対策に積極的になれない方もおられると思います。
 市民の生命を守るため、安心して医療行為が受けられる体制維持・継続が必要と考えますが、倉敷市としてどのような取組を考えているのか、お答えください。
 2点目、観光客の増加や様々なイベントの再開など、人々の移動も盛んになり、地域経済も活発になりつつありますが、まだまだ、ここ何年かの自粛ムードから完全に抜け出せていない企業も数多くあると思われます。特に、このコロナ禍の影響で疲弊している中小企業では、業績を回復させるために必要な人材を確保しようとしても思うようにいかなかったり、原材料費や運輸コストの上昇でさらに業績が悪化してしまったりと、引き続き支援が必要な企業も数多くあると思われます。
 倉敷市としても、様々な支援を行ってきたと思いますが、今後どのような支援を継続していくのか、お答えください。
 3点目、岡山県の有効求人倍率を見ても、雇用情勢もまだまだ安定しているとは言えず、物価の上昇とそれに追いついていない賃金により生活に必要な物が買えないなど、生活に困窮している方が多くなっていることを感じます。生活保護の申請件数なども、これを表していると言えます。
 倉敷市としても、これまで水道料金の減免など生活に密着した支援を行ってきていると思いますが、今後どのように継続した支援を行っていくのか、お答えください。
 次に、2項目め、防災危機管理体制についてお尋ねします。
 元日に発生した令和6年能登半島地震は記憶に新しいところですが、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、駿河湾から日向灘沖にかけての海底の溝状の地形を指す南海トラフでは、過去におおむね100年から150年間隔で繰り返し津波を伴う大規模な地震が発生しています。前回の昭和南海地震から70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まっているとされており、太平洋沿岸の広い地域に10メートルを超える大津波が来襲し、最大震度は7と予想されています。
 この南海トラフ地震につきましては、南海という名称から、倉敷市にはあまり関係がないような印象を持たれている方もいらっしゃるようですが、震源域は紀伊水道や瀬戸内海などにも及んでおり、これらの海域でも海面が変動するため、津波が直ちに大阪湾や瀬戸内海へも到達すると考えられ、岡山県の想定でも、場所によっては2メートルを超える津波が到達すると言われています。
 また、地震による被害は、津波による浸水被害だけではなく、先ほどの岡山県の想定でも、倉敷市のかなりの範囲で液状化の危険度は極めて高いとされており、家屋の倒壊やライフラインへの影響はかなりのものになると思われます。木造建築の密集した場所などでの火災についても、各地での地震発生時の状況を踏まえて想定しておかなければなりません。
 このように、一度に様々な事例が発生すると思われる災害に備えるために、新しい防災危機管理センター棟の充実を含めた防災危機管理体制の一層の強化が必要と考えますが、倉敷市としての災害等への対応についてもお答えください。
 また、災害への対応については、行政が中心となって行わなければならないことはもちろんですが、自主防災組織が積極的に活動できるようにすることや防災士を育成すること、地区防災計画策定の推進など、市民自身が災害発生時にしっかりとした対応ができることも重要であると考えます。
 自主防災組織とは、地域住民が協力して、自分たちの地域を自分たちで守るために立ち上げる組織のことです。平常時には災害に備えた取組を実践し、災害時には被害を最小限に食い止めるための応急活動などを行います。また、復旧・復興時には自分たちの町の再生のために様々な取組も行います。
 岡山県内27市町村の組織率は、令和5年度の速報値では、岡山県全体の平均は87.9%となっており、倉敷市は80.14%と岡山県全体の平均を下回っています。組織率が100%となっているのが津山市、赤磐市、和気町、新庄村、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町、吉備中央町の10市町村となっています。
 倉敷市での組織率を高め積極的に活動を行うための施策についてお答えください。
 次に、防災士の育成についてですが、防災士とは、自助、共助、協働を原則とし、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識、技能を習得したことを日本防災士機構が認証するもので、民間の資格であります。防災士資格取得により特定の権利が得られる、もしくは行動が義務づけられるといったことはありません。あくまで、自発的な防災ボランティア活動を行うということです。しかし、多くの地方公共団体が予算を計上して防災士を養成し、自主防災組織や学校、職場に配置するといった事例が各地で広がるなど、防災士の社会的評価と期待は急速に高まっています。防災士は、こうした社会の信認性を背景に、志と使命感を持って活動することが期待されています。
 倉敷市としても、防災士の育成に積極的に取り組むべきであると考えますが、どのような対策を考えられているのか、お答えください。
 次に、地区防災計画策定の推進についてですが、地区防災計画は、災害対策基本法第42条第3項に基づいて、市町村内の一定の地区内の居住者及び事業者が共同して行う当該地区における自発的な防災活動に関する計画で、従来、国、都道府県、市町村などがレベルごとに防災計画を定めて実施してきたものが、東日本大震災において、自助、共助及び公助が合わさって初めて大規模広域災害後の災害対策がうまく働くことが強く認識され、地域コミュニティーにおける共助による防災活動の推進の観点から創設されたものです。
 現在、倉敷市では、7つの地区で地区防災計画が策定されていると思いますが、そのほかの地区でも、地区防災計画の策定を推進するためにどのような支援を行っているのか、お答えください。
 次に、3項目め、真備地区の復旧・復興についてお尋ねいたします。
 2018年7月に発生した西日本豪雨では、広い範囲で大雨が降り続け、各地で甚大な被害を生む結果となり、倉敷市でも真備地区を中心に大規模な災害が発生して、多くの方々が犠牲になりました。
 災害発生直後から、多方面からの御支援を賜り、徐々にではありますが、復旧、復興が進んできているところでありますが、倉敷市としても2019年3月に、今回の平成30年7月豪雨災害を経験した真備だからこそ、住民一人一人の防災意識が高く、みんなで安心して暮らせる災害に強いまちをつくる。人々の支え合いと協働により、これまでの絆をより深め、また新たな交流を育むことで、笑顔あふれる元気なまちをつくる。真備の地域資源・産業を育み生かすことで、真備の魅力をさらに伸ばし、未来へつながる活力あるまちをつくるの3つの基本理念と、経験を生かした災害に強いまちづくり、みんなで住み続けられるまちづくり、産業の再興による活力あるまちづくり、地域資源の魅力を伸ばすまちづくり、支え合いと協働によるまちづくりの5つの基本方針とする真備地区復興計画を策定し、復旧、復興に取り組んできました。
 この真備地区復興計画では、2020年度までを復旧期、生活や産業の再開に不可欠な住宅、生活環境、インフラ等の早期復旧に加え、町の再生、発展に向けた準備を重点的に進める期間。2021年度から2023年度までを再生期、復旧期と連動し、生活環境や生業の本格復旧を進めるとともに、協働により被災前の活力を回復し、地域の価値を高める期間。2024年度からを創造期、再生期と連動し、復興を進めるとともに、地域の新たな魅力や活力、にぎわいの創出等、地域のさらなる発展に向けた創造的な取組を進める期間とされており、まさに、この春からの取組が地域のさらなる発展に向けて重要なものになるのではないかと考えます。
 倉敷市として、真備地区を今後どのように発展させていくのか、具体的な取組についてお答えください。
 次に、災害からの復旧、復興において、ライフラインなどハード面の整備による安全なまちづくりが重要なのはもちろんですが、将来に向けて大切なのはコミュニティーであると考えます。個人の努力だけではどうにもならない、そんなときこそ実感されるのがコミュニティーの力です。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災では、それまで助け合って暮らしていたコミュニティーから切り離されてしまったことが、弱い立場にある人たちの状況を一層困難にしたと指摘されています。一方で、被災地の仮設住宅や復興公営住宅などでは、復興から取り残された人たちに寄り添い、薄れていた人々のつながりを取り戻すことから、新しい地域のコミュニティーを築き上げようという取組も数多く行われてきました。
 災害によって住み慣れた地域を離れなければならなくなった人たちは、多くの不安を抱え新しい土地で生活をされています。災害という経験は、ふだんは意識しない地域のコミュニティーの大切さを意識し、住民たちが主体的に地域の課題解決に取り組むきっかけにもなります。このため、真備地区復興計画の基本方針にもある支え合いと協働によるまちづくりの考えにのっとり、真備地区だけではなく市全体に、より視野を広げ、生活弱者の市民に対しての支援をより後押しし、さらなる地域における強固なコミュニティーの構築に取り組むべきであると考えます。
 倉敷市として、それぞれの地域で強固なコミュニティーを構築できるようにするため、どのような取組をしているのか、お答えください。
 次に、4項目め、地方創生についてお尋ねします。
 倉敷市でも、少子・高齢化の進展や都市圏、特に東京圏への転出超過が続いている状況であり、予想を上回るスピードで人口が減少しています。このままでは、2045年には現在の人口からさらに約1割の人口減少が見込まれております。この人口減少の問題は、東京圏以外のほとんどの地域で問題となっているもので、様々な取組によって人口減少に歯止めをかけるための努力が行われています。
 令和4年6月に策定されたデジタル田園都市国家構想基本方針において、地方創生の取組として、地方に仕事をつくる、人の流れをつくるなどが掲げられており、都市部に立地する企業などに勤めたまま地方に移住して、地方で仕事をする地方創生テレワークの推進、地方での雇用創出を支援するため、企業が本社機能を東京23区から地方に移転する場合または地方において拠点を拡充などする場合は税制優遇措置を講じるなど、東京圏などの都市部から地方への人の流れをつくっていくための提案がなされています。
 このように、移住定住の決定を大きく作用する要因として、雇用の問題は重要ではありますが、仕事があれば全てが解決するわけではなく、暮らしやすいまち、将来にわたって安心して暮らせるまちであることが必要であると言えます。このため、住宅支援や補助金、就労に関する補助金、子育てに関する支援や補助金、通勤、通学に関する支援、移住体験に関する補助金などの点を軸に、各自治体で様々な支援策が行われています。
 また、これらの移住定住を検討してもらうための直接的な支援以外にも、移住定住後に利用する学校や公民館などの公共施設が安全で利用しやすいものであることも重要であると考えます。
 倉敷市として、雇用の創出、移住定住、公共施設の更新、長寿命化のための財源の確保など、地方創生先進都市倉敷を達成するための施策についてお答えください。
 次に、5項目め、子育て支援についてお尋ねします。
 先ほどの地方創生の項目でもお話をしましたが、倉敷市の人口は予想を上回るスピードで減少しています。人口減少への対策として、移住定住対策ももちろん必要ですが、倉敷市で安心して子供を産んで育てていくことができるようになることが、さらに重要なのではないでしょうか。人口が減少しないようにするには、一人の女性が一生に産むと考えられる子供の数を平均した合計特殊出生率が2.08以上でなければならないと言われていますが、令和4年度の調査によりますと、倉敷市の場合は1.48となっており、岡山県の1.39や全国平均の1.26を上回ってはいますが、目指すべき2.08には遠く及んでいません。
 この数字が全てではありませんが、令和元年の合計特殊出生率が2.95で、日本トップクラスとなったことなどにより、岡山県北東部にある人口5,700人余りの奈義町に、全国の自治体関係者の視察が絶えない状況となったことも事実であります。
 奈義町の行った主な支援策を紹介いたしますと、高校生まで医療費自己負担なし、高校生の就学支援、中学3年生までの独り親支援、在宅育児支援、町内居住で奨学金の半額返済免除、小・中学校の教育教材費無償、アドバイザー配置の集いの広場、一時預かりの子育てサポート、保護者当番制の自主保育など、起死回生の目玉を打ち出したわけではなく、地域のニーズを住民参加型の施策に反映し、住民意識を高めながら少しずつ支援策を拡充する取組であると言えます。
 伊東市長の政策の柱である子育てするなら倉敷でと言われるまちを実現するために、倉敷市として、出生率の向上や子育てしやすい環境の充実に向けてどのように子育て支援策を強化していくのか、お答えください。
 次に、6項目め、教育環境の充実についてお尋ねします。
 文部科学省は新たな教育改革として、令和元年にGIGAスクール構想を打ち出しました。
 GIGAとは、全ての児童・生徒たちにグローバルで革新的な扉をという意味を持っており、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく公正に個別最適化され、資質、能力が一層確実に育成できる教育環境を実現することと、これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師、児童、生徒の力を最大限に引き出すという目標を掲げ、従来の教育にICT技術を取り入れることで、新しい時代に適応した教育システムを構築することが狙いとなっています。
 現在の学習指導要領では、新しい時代に対応できるための資質、能力として、学びに向かう力、人間性として、学んだことを生かし、どのように社会、世界と関わり、よりよい人生を送るか。思考力、判断力、表現力として理解していること、できることをどう使うか、未知の状況にどう対応できるかという力。知識及び技能として、生きて働くために何を理解しているか、何ができるかの3つの柱を育成することが求められており、GIGAスクール構想で追求される創造性や論理的思考、情報活用能力は、こうした力を育むための土台となることが期待されています。
 GIGAスクール構想と教育現場へICTを導入したICT教育は同じとみなされがちですが、実際にはそうではありません。教育現場でのICT教育とは、学校に無線LANなどの通信環境を整え、パソコンやタブレット端末、学習用ソフトウエアや電子黒板などのICT機器などを使って授業を行うことです。一方のGIGAスクール構想は、こうしたICT教育を利用して、従来型の学習では不十分な先ほどの3つの柱を育む取組です。つまり、GIGAスクール構想は新しい教育の目標であり、ICT教育はあくまでその目標を実現させるための手段であり、道具であるという位置づけになります。
 また、GIGAスクール構想は、背景にはインターネットの普及による社会のデジタル化が世界的に進み、IoT、人工知能などの進化は社会と人間の生活を激変させ、国や地域を超えた人、物、金の結びつきが促進されていく中で、日本は世界に比べICT教育の導入が遅れているということが指摘されるようになり、こうしたデジタル化とグローバリゼーションの流れに乗り遅れ、長い経済停滞期に入ったと言われています。こうした状況を受け、ICT技術を活用することで創造性や論理的思考力を育む教育を行い、次世代に通用するための人材育成を図るために打ち出されたのが、GIGAスクール構想です。
 また、文部科学省では、グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要であり、アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべきであり、今後の英語教育改革においては、その基礎的、基本的な知識、技能と、それらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の育成は重要な課題と捉え、我が国の英語教育では、現行の学習指導要領を受け進展も見られるが、特にコミュニケーション能力の育成について改善を加速化すべき課題も多く、小・中・高等学校を通じた新たな英語教育改革を順次実施できるよう検討を進め、並行して、これに向けた準備期間の取組や、先取りした改革を進めるとしていることからも、今後の英語教育への取組がとても重要であると思います。
 倉敷市では、令和3年度から1人1台の学習用端末を整備し、授業での使用を開始していると思いますが、未来を生き抜いていく児童、生徒に対してさらなる教育の充実を図るため、ICT教育を活用したGIGAスクール構想の推進や英語教育にどのように取り組んでいくのか、具体的な施策についてお答えください。
 次に、7項目め、障がい児・障がい者の方々への支援についてお尋ねいたします。
 日本の人口は、平成20年をピークに、年々減少の一途をたどっております。一方で、障がい児、障がい者については、各施設への入院・入所者数は減少傾向にあるものの、在宅生活者数が大幅に増加しており、結果として総数は年々増加しており、障がいのある方々が生活する上で様々な課題が指摘されております。
 障がい児について幾つか例を挙げますと、相談窓口や支援機関などのいずれにもつながらない障がい児や保護者がおり、福祉サービスの提供が必要な子供たちにそうしたサービスが届いていないこと、障がい児はその家族を含め、地域住民との接点が少なく、地域とのつながりが希薄であり、民生委員をはじめとした支援者となり得る様々な地域資源を確認し、結びつけていく仕組みづくりが必要である。子育てに不安を抱える保護者への支援や、家族に対する権限や自信を与えることが不足している。障がい児の発達支援、家族支援に加え、今後は、保育所、幼稚園等の地域の子育て支援機関とのネットワークづくりなどをはじめ、地域支援に力を入れていく必要がある。義務教育段階では、子供に対する教育は学校の中だけで完結するような仕組みとなっており、学校側も家庭支援や福祉との連携の必要性は認識しているものの、それがシステムとして十分に機能していないことが懸念される。子供と家族に関わっている支援者が主体となり、責任を持って関わり続けていくことができるように、一つの事業所が様々な役割を担う多機能化なども考えていく必要がある。支援者の人材育成、特に障がい児の相談支援事業所や相談支援専門員等のスキルアップが課題であるとともに、支援者を支える仕組みも必要であるなど、様々な問題が指摘されています。
 障がい者についての問題では、障がいに対する社会の理解が薄い。障がい者雇用の促進が進んでいない。賃金が安く自立しにくい。自分で相談ができず必要な支援にたどり着きにくい。虐待や詐欺の被害に遭いやすい。介護者である家族が老いたときや亡くなったときに生活できなくなる。ニーズに対して事業所などのサービスが不足している。サービス利用者の重度化、高齢化に対応できる事業者が少ない。発達障がいや高次脳機能障がいなど、新たなニーズに対する事業が十分ではない。判断能力の低下により、金銭管理や支払いなどの手続を一人で行うことへの不安が大きいなどの、問題点が多く指摘されております。
 これらの問題に対して、各自治体でも障がいのある方々が健常者と同等の権利と生活が得られる社会を実現するための施策として、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、日常の生活に不安がある方が地域で安心して生活を送ることができるように、契約に基づき福祉サービスの利用援助や日常金銭管理、書類預かりなどの支援を行う日常生活自立支援事業、親族や専門職による後見人が得られにくい人に対して、社協が法人後見人等に就任する法人後見事業、孤立防止や介護予防、生きがいと健康づくりなどを目的として、高齢者、障がい者などと地域住民、ボランティアなどが公民館や集会所に定期的に集まって仲間づくりや交流、触れ合いの場を広げる活動であるふれあいサロンなど、様々な支援策に取り組んでいるところです。
 障がい児、障がい者の方々が自分らしく生きることのできる環境づくりと、社会生活を営む上での困難の克服に努力されていることへの支援について、市としてどのように取り組むか、お答えください。
 また、障がいのある方々も含め、大人に代わって日常的に家事や家族の世話をする子供たちはヤングケアラーと言われており、本当なら享受できたはずの勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、将来に思いを巡らせる時間、友人とのたわいない時間など、これらの子供としての時間を引換えにしていると言われており、将来にわたっての支援が必要と考えられます。
 ヤングケアラー支援は、現在、法律による明確な根拠規定がありませんが、国や自治体の支援対象と位置づけることで、対応の地域格差解消などにつなげるため、政府は2024年通常国会へ法律の改正案が提出されたとの報道がありました。
 倉敷市としては、この問題に積極的に取り組むためのヤングケアラー支援条例の制定についてどのように考えているのか、お答えください。
 最後に、8項目め、健康寿命の延伸についてお尋ねします。
 人生100年時代を迎えた今日、平均寿命はもとより、健康寿命の延伸は喫緊の課題となっております。
 平均寿命とは、ゼロ歳における平均余命、すなわち生まれてから亡くなるまでの時間のことですが、健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間のことで、2000年にWHO、世界保健機関が提唱したものです。日常生活が制限されるとは、病気で入院したり介護を必要とするなど、自立して元気に生活することができない状態のことです。
 このように、平均寿命と健康寿命には違いがあり、この差は日常生活に制限のある不健康な期間を意味することになります。この期間は、寝たきりなどで生活の質の低下を招くことが多く、医療費や介護費もかかります。逆に、高血圧症や糖尿病などの持病があっても他人の手を借りずに自立した生活ができる間は、健康と位置づけられます。このため、ただ長生きするだけではなく、生活の質を考慮すべきという認識の高まりから、健康寿命に注目が集まるようになりました。
 我が国の高齢化が急速に進む中、国民一人一人が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、社会保障制度を持続可能なものとするためには、平均寿命を上回る健康寿命の延伸を実現することが必要です。
 2019年5月の第2回2040年を展望した社会保障・働き方改革本部において、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現のための3本柱の一つとして、雇用・年金制度改革等や医療・福祉サービス改革プランとともに健康寿命延伸プランが発表されました。健康寿命延伸プランでは、2016年は男性が72.14歳、女性が74.79歳だった健康寿命を2040年までに男女とも2016年に比べて3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指しています。
 このプランを達成するために、健康無関心層も含めた予防、健康づくりの推進と、地域・保険者間の格差の解消に向けた、自然に健康になれる環境づくりや行動変容を促す仕掛けなど新たな手法も活用し、次世代を含めた全ての人の健やかな生活習慣形成、疾病予防・重症化予防、介護予防・フレイル対策・認知症予防の3つの分野を中心に取組を進めることとしています。
 それでは、私たち一人一人が健康寿命を延ばすため、何に気をつけなければならないかというと、生活習慣の改善と運動、そして食事の3つであると言われています。要介護や寝たきりにならないため、運動機能や身体機能など御自身の現在の状態を知り、自立度が低下しないよう心がけ、予防することが重要となってきます。そのためには、定期的に運動をし、筋肉や関節、骨の運動機能を維持することが大切です。散歩に出かけたり、外出先で意識的に階段を使ったり、日常生活の中で体を動かすとよいと言われています。また、読書する、絵を描くなど、脳を積極的に活性化させることは、要介護要因1位である認知症予防になり、体と脳をしっかりと活性化させることが、健康寿命を延ばすための個人でできる取組となります。そのほかにも、生活習慣病に関して正しい知識を得る。適切な食生活を送る。十分な睡眠を取る。節酒、禁煙に取り組む。歯や口腔内の健康を維持するなどの取組を積極的に行っていかなければなりません。
 倉敷市として、健康寿命を延ばし、誰もが高齢者になっても老後を健康でいられるための施策をどのように進めていくのか、お答えください。
 終わりに、先ほど市長からの5期目に向けた決意の一端に触れ、熱い思いを感じました。我々未来クラブといたしましても、全力で御支援することをお誓い申し上げます。
 以上をもちまして未来クラブからの代表質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君)  それでは、未来クラブ代表質問 山畑 滝男議員さんの御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、真備地区の復旧・復興についてのうち、真備地区を今後どのように発展させていこうと思っているのかという御質問でございました。
 現在、真備地区では、小田川合流点付替え事業をはじめといたします治水対策や、被災された方々の住まいや生活、また事業の再建、町のにぎわいが戻ってくるなど、復興が着実に進んできているところでございます。
 特に令和6年度からは、復興計画では創造期ということになります。市といたしましては、真備の復興に向けまして、真備支所を中心として、住民の皆様の御意見を伺いながら取組を進めていきたいと考えているところでございます。
 復興の本庁側の組織といたしましては、復興推進室を建設局に置き、また倉敷市真備支え合いセンターにつきましては倉敷市社会福祉協議会真備事務所内に設置しまして、関係部局と連携しながら取り組んでいきたいと、このような体制で行っていきたいと思っております。
 特に、創造期と位置づけております令和6年度からは、真備の災害からの復興に当たりまして、今後いろいろな施設の視察等も増えてくるんじゃないかというふうに思っております。そういう視察の受入れ対応などもしながら、真備の復興した姿を多くの方に見ていただくということで、地区の中でも御飯も食べていただいたり、お土産も買っていただりしながら、経済効果も出していきたいと思いますし、歴史や文化という真備の魅力発信にもしっかり努めていきたいというふうに思っております。
 また、防災の観点からは、真備の皆さんが経験されました様々な災害への対策とか取組ということを、市内全体の皆さんと共有していただけるような、そういう交流機会の拡大なども行っていくことで市全体、もちろん真備のよりよいまちづくりに努めていきたいというふうに、全体的には思っているところでございます。
 続きまして、子育て支援の出生率の向上や子育てしやすい環境の充実についての御質問をいただきました。
 市では、これまでも子育てするなら倉敷でと言われるまちの実現を掲げまして、妊産婦の方、そして子育て世代の方の身近な相談体制の充実に向け、妊婦・子育て相談ステーションすくすくを設置し、令和6年度からは、相談員を12名に増員しまして、さらに力を入れて取り組んでいきたいと思っておりますし、そして地域子育て支援拠点につきましても、1か所新しく開設いたしまして、市内合わせて21か所で取組を行っているところでございます。
 そして、待機児童対策といたしましては、保育所、認定こども園、放課後児童クラブ等での受入れ増を図るなど、仕事と子育てが両立できるような支援を行ってきているところでございます。
 さらに、今後についてでございますけれども、産後ケアにつきまして、さらなる支援の拡充を行っていきたいと思っておりますし、また子ども医療費につきましては、令和5年7月から通院分についての公費負担を拡大するなど、妊娠、出産、子育ての環境づくりに取り組んできているところでございます。今申し上げたような内容を、これまで取り組んできたもの、また令和6年度から拡充していきたいと思っておりますもの、細やかな子育て支援の施策というところ、そして相談に乗りながらというところに力を入れていくことが大切ではないかというふうに思っているところでございます。
 国のこども大綱に基づきますこども計画を令和6年度中に策定するとともに、令和6年度予算に計上しております申し上げましたような施策をしっかり取り組みながら、子育てするなら倉敷でと、それが出生率の向上にもつながっていくように、そして子育てしやすいまちにつながっていくように取り組んでいきたいと考えております。
 次に、健康寿命の延伸についてということで、老後を健康でいられる施策をどういうふうに進めるかということでございます。
 令和3年の倉敷市の統計では、健康寿命は、男性は80.3歳、女性は84.5歳ということで、平均寿命と比べまして、それぞれ男性が1.7歳、女性は3.7歳短くなっております。もちろん岡山県全体としては全国の中でも健康寿命等、高いほうではあると思っておりますけれども、健康寿命が延伸していくことがとても大切だというふうに思います。倉敷市では、令和6年度からは健康増進計画と食育推進計画を統合したくらしき健幸プランにおいて、特に、今議員さんから御質問いただきました健康寿命の延伸を目標にしております。
 子供の頃からの生活習慣や健康状態については、大人になってからの状態にも大きく影響を与えるというふうに思っておりますので、この健康寿命は、子供の頃からの習慣づけ、そして成人になってからもバランスのよい食事とかスポーツ、様々な運動、そして社会活動の推進など、皆さんが健康で長生きしていただけるような施策に取り組んでいく必要があると思っております。
 今、私が岡山県の後期高齢者医療広域連合の連合長もさせていただいておりまして、その中で、これは国保のほうとも連携を図りながら取り組んでいるんですけれども、特に健康寿命の延伸につながるものは、やはり生活習慣病の予防、重症化予防と、それからフレイルの予防、いろいろな運動や活動をしていくこと、それから低栄養にならないような生活に気をつけることなどなど、日頃からの取組がすごく重要だというふうに聞いております。そういうことなども国保や、それから後期高齢者のほうのいろいろなデータも見ながら、くらしき健幸プランと健康寿命延伸に向けた取組を頑張っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 その他の御質問につきましては、担当よりお答えをさせていただきたいと思いますが、私の表明に対しましてエールを送っていただきましたこと、心より感謝申し上げます。しっかり頑張りますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○副議長(北畠克彦君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 教育環境の充実についてのうち、GIGAスクール構想と英語教育の推進についてでございますが、GIGAスクール構想とは、1人1台パソコンと高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、学校のICT環境をより充実させ、子供たちの学ぶ力をさらに引き出すことを目的とするものでございます。
 倉敷市教育委員会では、通信ネットワークの整備を令和2年度末までに完了し、令和3年度からは1人1台パソコンの授業での使用を開始いたしました。さらに、今年度からは1人1台パソコンの家庭への持ち帰りを本格的に実施し、家庭学習においても活用を進めているところでございます。さらに、令和4年度から1人1台パソコンの活用をテーマとした研究校を小・中学校にそれぞれ指定し、授業の中で情報の共有化を即時に行うことができる授業支援ソフトの先進的な活用方法の検証と成果の共有を進めております。
 また、英語教育につきましては、デジタル教科書や英語学習ソフトを活用し、自分のペースで正確な音声を繰り返し聞くなど、より個に応じた学習を行うことで児童、生徒の話す力、聞く力などの英語力向上や教師の授業改善につなげております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、1人1台パソコンがより活用しやすくなるよう環境整備に努めるとともに、学習ソフト等の効果的な活用方法を引き続き検証し、これまでの実践事例等を市内の学校に広めていくことで、GIGAスクール構想や英語教育を推進してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 新型コロナウイルス感染症への今後の対応についてのうち、安心して医療行為が受けられる体制の維持・継続の必要性についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の5類移行後、検査費の公費支援は終了しておりますが、治療薬や入院医療費については、急激な負担増を避けるため、一部公費支援が継続されています。この公費支援は、令和6年3月末までの取扱いとされており、4月以降は季節性インフルエンザなどと同様の取扱いになる予定です。
 また、新型コロナワクチンについては、令和6年4月以降、高齢者等へのインフルエンザワクチンと同様に、主に高齢者を対象とした定期接種の方向で検討がなされています。ワクチン接種に係る自己負担額等の詳細は、国からの通知があり次第決定し、広報してまいります。
 新型コロナウイルス感染症は、高齢者の方や基礎疾患のある方の重症化も懸念されることから、本市といたしましては、令和6年4月以降も、引き続き手洗いや換気などの基本的な感染対策を行っていただくよう啓発に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 新型コロナウイルス感染症への今後の対応についてのうち、企業への支援の継続についてでございますが、市では、コロナ禍に続くエネルギー価格・物価高騰への対応として、今年度は、省エネ設備更新に最大200万円を交付する支援を2期にわたり行うとともに、電気・ガス料金の負担軽減に最大40万円を交付する支援に取り組んでまいりました。今後の支援につきましては、今年度の国の地方創生臨時交付金を活用し、次年度に繰り越す予算で省エネ設備更新補助金制度を実施し、コストの上昇に直面する中小企業の支援に努めてまいります。
 また、企業の持続的な成長のためには、コロナ禍や国際紛争、自然災害など、不測の事態の発生する急激な経済環境変化にも対応していくための自己変革力を高めることが重要であり、このため市としては、多様な人材の確保、育成、デジタル化、新分野展開などへの支援や新たな経営手法の周知などを継続していくことにより、厳しい経営環境にある中小企業を支援してまいりたいと考えています。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 次に、水道料金の減免など生活に密着した支援についてでございますが、市民生活にエネルギー価格・物価高騰が大きく影響していることから、本市では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、これまでに給食費や水道料金、LPガス料金の負担軽減策や省エネ家電の買換え促進のための購入費用の一部助成等の対策を行ってまいりました。
 これらの対策を行うためには多額の財源が必要であり、国の補助金などがない中で行うことは困難であることから、現時点では示されておりませんが、今後の地方創生臨時交付金の動向や物価高騰対策に向けた国の補助金等についての動向を注視しながら、効果的な施策を検討してまいりたいと考えております。そのために国に対しましても、継続して物価高騰対策を強力に推進するよう要望してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 答弁の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は2時10分からの予定です。

            午後 1時56分  休 憩

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            午後 2時11分  開 議
○副議長(北畠克彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 尾崎総務局長。
◎総務局長(尾崎英樹君) 防災危機管理体制についてのうち、防災危機管理センター棟の充実についてでございますが、本庁舎に隣接して新築する防災危機管理センター棟は、令和5年6月に委託契約を締結した庁舎等再編整備事業(行政ゾーン整備)の一環として、防災・災害対応の拠点として整備するものでございます。
 防災危機管理センター棟の建物の仕様については、まず、建物全体を堅牢な鉄筋コンクリート造とした上で、災害対応やライフラインを担当する災害対策本部、消防局、水道局等を配置する2階以上を、大地震による建物の損傷を受けにくい免震構造としています。
 また、液状化を防止するため、建築時に建物の地盤を締め固めて改良するとともに、地下の支持層まで達するくいを打つことで、南海トラフ地震などの大地震発生時でも災害対策機能を確保、維持できるよう考慮しております。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 次に、自主防災組織率を高め積極的に活動を行うための施策についてでございますが、本市では令和6年2月1日現在、自主防災組織は495組織が結成されており、カバー率は80.3%となっております。カバー率の向上を図るため、未結成地域において、コミュニティー協議会や地区社会福祉協議会、小地域ケア会議等の地域団体と協力し説明会を実施するなど、広く結成に向けての機運を高め、自主防災組織の結成促進に努めているところでございます。
 また、結成後の防災活動を支援するため、防災資機材の提供をはじめ、地域が主催するワークショップや防災訓練に職員が参加するとともに、くらしき防災士の会と協働し、防災まち歩きや防災マップづくり研修会等を通じて、地域の災害リスクの把握や避難先、避難経路等についての助言を行っております。さらに、今年度からは、自主防災組織同士が地域の枠を超えて相談できることを目的とした交流会を開催し、意見交換や活動の事例発表を行うこととしています。
 今後も、引き続きこのような取組を通じて、自主防災組織の結成促進及び活動支援に努めてまいります。
 次に、防災士の育成についてでございますが、本市では、地域の防災リーダーとして地域防災力の向上に寄与する人材の育成を目的に、平成25年度から防災士の育成を行っており、防災士育成講座を通じて、令和5年度までに499名に防災士の資格を取得していただきました。
 防災士の皆様には、自主防災組織の結成促進や活動の活性化及び地区防災計画作成への協力や、くらしき防災フェアでの市民への啓発活動、また災害時には避難所の運営に携わっていただけるよう、避難所運営研修や防災訓練への参加、セミナーの受講をしていただいているところでございます。また、今年度から、市内の防災士と災害ボランティアコーディネーターの意見交換会や防災士の活動報告会を開催するなど、地域防災活動の推進に携わる防災士の育成に努めているところです。
 次に、地区防災計画の策定を推進するための支援についてでございますが、今年度、新たに2つの地区において計画が作成されたことにより、作成済みの地区が9地区となっております。また、現在、28地区において具体的な作成に向けて取組が進んでいるところでございます。
 本市では、地区住民等が主体的に地区防災計画の作成に取り組んでいただけるように、計画作成の意義や目的、具体的な取組事例を伝える出前講座を行っております。あわせて、地域が主催する防災まち歩きやワークショップ、防災訓練などに市職員が参加し、自主的に計画を作成できるよう積極的に支援を行っております。
 なお、1月には市民企画提案事業において、くらしき防災士の会と協働し、自主防災組織を対象に防災マップづくり研修会を開催し、地区防災計画の必要性を改めて認識していただいたところです。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 真備地区の復旧・復興についてのうち、地域で強固なコミュニティについてでございますが、真備地区では、従来から各地区でのコミュニティー活動が活発に行われておりましたが、被災後には、日頃からの住民同士のつながりがさらに強固なものとなり、地域の見守り活動や防災の取組など、意欲的に活動が行われております。
 市としましては、真備地区を含め、住民主体のコミュニティーづくりを支援するため、おおむね小学校区を単位としたコミュニティー協議会の活動等に対して補助金を交付し、支援を行っているほか、地域の活動に若い世代を巻き込むコツや、防災など様々な地域課題をテーマとした研修会などを実施しているところでございます。また、地域の要望に応じて地域づくりの専門家を派遣し、住民同士の話合いの場のサポートを行うなど、各地域の状況に応じた支援に努めております。
 今後とも、地域の連帯感を高め、地域のつながりがより強固なものとなるよう、様々な取組を支援してまいります。
 次に、地方創生についての市の施策についてでございますが、本市では、少子・高齢化、人口減少に立ち向かうために、令和3年3月に策定した第2期倉敷みらい創生戦略において、結婚・出産・子育ての希望をかなえる。受け継がれた歴史・文化の魅力を発信し、ひとを惹きつける。安心して働ける場をつくり、多様な人材の活躍を推進する。地域をつなぎ、安心して暮らせる持続可能なまちづくりを進めるの4つの基本目標を定め、様々な取組を進めております。
 具体的には、結婚相談所の運営や婚活イベントの開催、妊婦・子育て相談ステーションすくすくの相談体制の充実強化、産後ケアの拡充や、保育園、放課後児童クラブ等の定員増などによる子育てしやすい環境整備、保育士・保育所支援センターによる保育士不足解消の取組のほか、企業立地等奨励金制度による企業誘致や本社機能移転等の促進及び雇用創出の取組、合同就職説明会の開催や求職者に対する職業訓練の支援などによる雇用機会の確保、移住検討者に対する都市部での移住相談会やセミナー、お試し住宅の運営、移住を後押しするための補助金の支給を通じた移住促進施策などに取り組んでおります。
 また、公共施設等総合管理計画及び個別計画に基づいた公共施設の再編整備に当たっては、将来世代に過度な負担を残さないよう、財政的に有利な公共施設等適正管理推進事業債等を最大限に活用するなど、持続可能なまちづくりに取り組んでおります。
 本市では、令和7年度中にデジタル田園都市国家構想の要素を加味した第3期倉敷みらい創生戦略を策定する予定としており、今後も人口の推移や国の動向などを注視しながら、地方創生の取組を積極的に推進してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 障がい児・障がい者の方々への支援についてのうち、社会生活を営むうえでの支援についてでございますが、本市では、障がいのあるなしに関わらず、全ての市民が共に暮らし、共に支え合うことで、お互いの命の貴さへの認識を深める共生社会の実現を基本目標とした倉敷市障がい者基本計画に基づき、様々な障がい者施策に取り組んでおります。
 障がいのある方々が自分らしく生きることのできる環境づくりとして、障がいを理由とする差別の解消や権利擁護の推進に取り組むとともに、特別障がい者手当の給付や重度心身障がい者医療費の助成等による経済的な負担軽減にも取り組んでおります。
 また、社会生活を営む上での困難の克服に努力されていることへの支援としましては、障害者総合支援法に基づく生活介護や就労支援等のサービス提供を行うとともに、車椅子や義手、義足等の補装具費の支給やタクシーチケットの助成など、社会参加の促進にも努めております。引き続き、関係機関等と連携し、障がいのある方々の個々の生活ニーズに応じた適切な支援を行い、住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる生活を支援してまいります。
 次に、ヤングケアラー支援条例の制定についてでございますが、これまでヤングケアラーの支援につきましては、子供のSOSをきちんとキャッチすることができるようヤングケアラーについての啓発活動を行うとともに、学校等から個々の状況に応じて子ども相談センターで相談を受け、子供と関わる機関で構成する要保護児童対策地域協議会のネットワークを活用して、必要な支援につなげてまいりました。
 現在、ヤングケアラー支援の法制化に向け、子ども・若者育成支援推進法改正案が国会に提出されておりますので、ヤングケアラー支援条例の制定につきましては、今後の国会での議論等を注視してまいります。
 引き続き、ヤングケアラーへの支援は、子供だけでなく様々な課題を抱える家族の問題と捉え、関係機関と連携をより密にするとともに、現在倉敷市が進める複合的課題を抱える世帯に対する支援である重層的な支援体制も活用して取り組んでまいります。
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