録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
2月22日(木) 本会議 代表質問
公明党倉敷市議団
中西 善之 議員
1 真備地区の復興推進と災害に強いまちづくりについて
(1)デジタル等新技術の活用による国土強靭化施策の高度化について
(2)地域における防災力の一層の強化について
(3)真備復興計画の創造期に入るこれからの真備のまちづくりについて
2 子育てするなら倉敷でと言われるまちづくり
(1)若い世代への子育て支援策について(住宅支援・復職支援)
(2)教育環境におけるデジタル化の推進と教育の質の向上について
3 温もりあふれる健康長寿のまちづくりについて
(1)介護保険制度の持続可能性について
(2)医療のDX推進について
4 個性と魅力ある文化と産業を育む活力あるまちづくりについて
(1)若手農業者への支援と地域資源の有効活用について
(2)日本遺産による本市のイメージアップ戦略について
(3)子どもや若者のスポーツ振興について
(4)観光資源を活用した振興戦略について
5 未来に向かって持続可能なまちづくりについて
(1)SDGs未来都市モデル事業の進捗について
(2)再エネ導入推進と環境教育の推進と効果について
(3)倉敷市のデジタル化について
(4)持続可能な地域公共交通システムの構築について
(5)地域社会強化に資するNPO・ボランティア団体等との連携について
(6)鉄道高架事業について
(7)大型公共施設再編整備の償還計画について
(8)行革プラン2020最終年に当たり、今後の方針について
◆5番(中西善之君) (拍手) 皆様こんにちは。公明党倉敷市議団の中西 善之でございます。本日は、会派を代表いたしまして質問させていただきます。少々緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、この春に退職される職員の皆様に、長年の御奉仕に対して心から感謝を申し上げます。新たな人生の章が、皆様にとって充実したものになることを心から願っております。
 先ほど、市長より並々ならぬ5期目への決意が述べられました。倉敷市のさらなる発展のために、これからも尽力されることを心から願っております。4期目の任期中は、記憶に新しい豪雨災害、コロナ禍、物価高という未曽有の困難に直面し、厳しいかじ取りが求められましたが、市長の卓越したリーダーシップにより、見事な実績を築き上げられたと感じております。公明党倉敷市議団として、これらの成果を高く評価し、深い敬意を表したいと思います。これまで選挙のたびに応援してまいりましたが、これまでどおり応援してまいりたいと考えております。倉敷市の未来が、さらに明るいものとなりますよう共に歩んでまいりましょう。
 さて、昨年度に引き続き、コロナ禍からの回復傾向が見られるものの、エネルギー・食料価格の高騰や国際情勢の不安定さなど、市民生活や地域経済にとって厳しい状況が続いています。このような時代の変化に対応し、市民の皆様が安心して生活できるようよろしくお願い申し上げます。公明党は結党60年を迎えます。人生の還暦と同じく、新たな出発の意味を込めて、公明党倉敷市議団一丸となって、結党の原点に立ち返り、本市の福祉の増進に向けた取組を進めてまいります。今回の質問では、市長の公約に沿って5つの重点項目について順次質問してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、大項目1項目め、真備地区の復興推進と災害に強いまちづくりについて3点お伺いいたします。
 1点目、デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化についてお伺いいたします。
 国土強靱化基本法が施行されてから10年が経過し、政府はこれまで、この法律に基づき国土強靱化基本計画を策定し、3年間の緊急対策や5年間の加速化対策を進めてまいりました。これらの取組は、大規模自然災害に対して国土を強化し、地域住民の安全を守るためのものです。さらに、国土強靱化の施策を計画的に進めるために、昨年の6月に基本法が改正され、新たな計画や推進会議の規定が設けられました。
 基本法には、5つの柱があり、そのうち2つが新規に追加されております。その1つの柱に、デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化があります。この取組に資するものとして、ISUT(アイサット)──災害時情報集約支援チーム──サイトとクラウド型被災者支援システムの導入があります。ISUTサイトは、災害情報の迅速な共有を可能にし、クラウド型被災者支援システムは、被災者支援業務の迅速化と効率化を実現するものでございます。
 ISUTサイトについては、このたびの能登半島地震への本市からの支援の際にも役立ったと伺っており、これらのシステムを活用することで、災害発生時の対応速度と精度を向上させ、被災者の救助と支援をより迅速かつ効果的に行うことができると考えております。
 国の目指すデジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化に向けて、倉敷市においても、これらの先進的な取組をどのように導入するかなど、デジタル技術を活用した防災に強いまちづくりを目指すことについてどう考えるか、見解を伺います。
 次に、2点目、地域における防災力の一層の強化についてお伺いいたします。
 私たちの暮らしの安全を守るため、そして愛する人々を守るために、これほど重要な取組はほかにありません。基本法に新たに盛り込まれたこの柱は、単なる計画にとどまらず、その実効性を地域の実情に合わせて柔軟に発揮できるようにすることが肝腎です。特に南海トラフ巨大地震のような未曽有の災害に備えて、私たちはどのように結束し、行動するかが試されます。事前の避難訓練を通じて計画を肉づけし、実際の状況での行動を体得することは、計画の価値を高めると考えます。
 さらに、デジタル技術を駆使して、より効率的な避難行動のシナリオを描くことは、時代の要請とも言えると思います。これには、高齢者や障がい者、子供など、特に配慮を必要とする市民一人一人に手を差し伸べるデジタル支援の整備も含まれます。本市は、このような防災力の強化に向けてどのような具体的な取組を展開すべきか、慎重に、しかし勇気を持って進めるべきと考えます。
 本市の未来を見据え、安全で安心な地域を築くための市の見解をお聞かせいただきたいと思います。
 続きまして、この項最後の3点目、真備復興計画の創造期に入るこれからの真備のまちづくりについて伺います。
 平成30年7月豪雨災害からの復旧、復興は、来月末に予定どおり完了する見込みです。しかし、真備地区では、災害後、人口が1割減少し、いまだ元の状態に戻っていない現状があります。
 議長にお許しを得て、市のホームページにあります地区別・年齢別人口統計表(住民基本台帳人口)の真備地区のデータをAIに投げてグラフ化したものを用意しておりますので、資料1を御覧ください。
 このグラフから分かるように、豪雨災害後から1年かけて人口は減り続けた後、ほぼ横ばいの状況で2万2,797人から、先月は10.4%減の2万424人に至っております。このように、ハード的な復旧や復興に向けた取組が完了しても、地域の実情としては復興途中であると考えられます。
 真備の復興計画では、再生期も来月末に終わり、来年度より創造期に入ります。創造期は、復興を進めるとともに、地域の新たな魅力や活力、にぎわい創出等、地域のさらなる発展に向けた創造的な取組を進める期間とされております。この重要な期間において、真備地区の完全な復興を心から願っております。
 そこで、市として、この創造期において、人口減少の問題にどのように取り組み、真備地区の完全な復興に向けてどのような施策を考えているのか、市の見解を伺いたいと思います。市民の皆様とともに、真備地区が再び輝く未来を築いていくために、市の力強いリーダーシップと具体的な行動を期待しております。
 次に、大項目2項目めに入ります。子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりについて2点をお伺いいたします。
 1点目、若い世代への子育て支援策とその効果についてお伺いいたします。
 国は今月16日、少子化対策に向けて、子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定いたしました。児童手当の所得制限撤廃及び18歳までの対象拡大、こども誰でも通園制度の導入、育休給付の引上げ、またヤングケアラーへの対応強化など、公明党の提言が盛り込まれたものとなっております。国は、少子化に歯止めをかけるためには、若年人口が急激に減少する2030年代までがラストチャンスだと考えて、今国会での改正案の成立と着実な子育て支援施策を力強く進めていく考えです。
 伊東市長の提案理由説明にもございましたが、本市の来年度の当初予算案にも、子供、子育て、教育に関する施策として、市議団として提案させていただいた産後ケア事業の拡充や養育費に関する公正証書作成費等補助金を含め、多くの予算が計上されております。
 そこで、国の少子化対策の施策に基づく若い世代への子育て支援に関して、本市の基本的な考え方や今後の具体的な取組についてお伺いいたします。
 若い世代のライフスタイルや結婚観、社会参画意識等が、コロナ禍の影響もあり、一昔前とは大きく変化していると感じております。30年、40年前の若者は、給料が安くても多額のローンを組んででも好きな高級車に乗り、一生懸命働いて、結婚してマイホームや子供を持つことを一つの夢として自分の将来を描いていたように思います。しかし、終身雇用にこだわらない多様な働き方を選択できるようになった現代の若者からは、将来負の遺産となりかねないマイホームや身の丈に合わない高級車は要らない、結婚や子供を持つことに希望を持てないなどという声を聞くことがあります。
 こうした声は、一部の若者の声かもしれませんが、本市として、このような若者の意識変革があることをどのように認識しておられますでしょうか。
 結婚や出産は本人の自由であり、それを妨げるものではありませんが、持続可能な日本の、そして倉敷市の未来のために、少子化への対応は緊急の課題です。若い世代のニーズを踏まえた、倉敷市で子育てしたいと思ってもらえるための具体的な施策の検討に当たって、若い世代にどのような影響や効果を期待して取り組まれたのか、お考えをお聞かせください。また、新婚家庭ヘの住宅支援や、出産、育児のために一旦離職した方の復職支援などを含めた本市の今後の具体的な取組についても、お聞かせください。
 この項2点目、教育環境におけるデジタル化の推進と教育の質の向上について、文部科学省が推進するGIGAスクール構想を踏まえて質問させていただきます。
 GIGAスクール構想により、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークの整備が進み、教育現場のデジタル化が進展しております。この取組により、特別な支援が必要な子供を含む多様な子供たち一人一人に個別最適化された教育環境の実現が期待されております。また、教育現場でのICT活用は、教師と生徒の可能性を最大限に引き出すことが目指されております。
 本市においても、1人1台端末の持ち帰りが開始されてから1年が経過しましたが、まだ課題が残っていると感じております。特に特別な支援を必要とする子供たちや、病気や不登校で学校に通えない子供たちへの対応は、今後の大きな課題となっていると思います。
 このような状況の中で、市として教育環境のデジタル化をさらに推進し、教育の質の向上を図るために、現在の教育現場におけるICT活用の状況と今後の計画、特に子供たち一人一人に個別最適化された教育を実現するための具体的な方策と支援体制についてどのように考えているか、当局の見解をお伺いいたします。
 次の項目に移ります。大項目3項目め、温もりあふれる健康長寿のまちづくりについて2点をお伺いいたします。
 1点目、介護保険制度の持続可能性についてお伺いします。
 介護保険料の適正化は、制度の持続可能性を確保する上で欠かせない課題です。将来的な介護保険料の見直しにおいては、市民の負担と介護サービスの質のバランスをどのように取るかが重要になります。介護サービスの質を維持、向上させるためには介護職員の処遇改善が不可欠であり、市民への影響を最小限に抑えつつ必要なサービスを提供する必要があります。
 この目的を達成するためには、介護職員の確保、育成や介護給付費の適正化が重要であると考えますが、具体的な取組についてお伺いいたします。
 この項2点目、医療のDX推進についてお伺いいたします。
 本市における医療のデジタルトランスフォーメーションは、市民の健康増進、質の高い医療の効率的提供、医療機関の業務効率化、システム人材の有効活用、医療情報の二次利用環境整備を目指しております。このような中でマイナンバーカードの活用が進められており、そのメリットは、病院での受付簡略化、医療機関での薬情報確認、マイナポータルでの情報閲覧、引っ越しや転職時の手続の簡素化、高額療養費の限度額適用認定証不要、医療費控除の確定申告簡便化などがあります。しかしながら、市民病院におけるマイナ保険証の利用率は1%に満たないという状況があり、本年秋には紙の保険証が原則廃止されることを踏まえると、マイナ保険証のメリットを周知し、利用促進を図る必要があります。市民病院としても、デジタル化の取組を率先して進めるべきと考えます。このような背景を踏まえ、3つお尋ねいたします。
 1つ目、マイナンバーカードの活用におけるメリットについて、市民への周知と利用促進の取組はどのように進められていますでしょうか。2つ目、電子処方箋の導入に向けた取組はどのように進められており、現在の進捗状況はいかがでしょうか。3つ目、市民病院におけるマイナ保険証の利用率を高めるための具体的な取組は何かありますか。また、デジタル化の取組を進める上で、今後の計画について教えてください。
 続きまして、次の項に移ります。4項目め、個性と魅力ある文化と産業を育む活力あるまちづくりについて4点をお伺いいたします。
 1点目、若手農業者への支援と地域資源の有効活用についてお伺いします。
 農林水産省が進める農業次世代人材投資資金や経営発展支援事業や認定新規就農者制度などの施策は、若手農業者の育成と後継者問題の解決を目指しております。しかし、全国的に農業の高齢化と後継者不足は深刻な状況にあり、本市においても、人・農地プラン検討会の協議結果から明らかなように、農地の縮小や後継者不足が顕著な問題として浮かび上がっております。本市の農業を持続可能なものとするためには、若手農業者への支援を強化し、地域資源を活用することが重要です。特に、市長が提案理由説明の中で4期目の取組として、特産品である桃、ブドウなどの高収益化に向けた施設整備助成を行われたことが述べられておりますが、この取組は高収益化を目指す農業者にとって大きな支援となることから、継続して行うことが重要だと考えております。また、地域資源を活用した6次産業化の推進も、農業の付加価値向上と若手農業者の収入向上に寄与すると考えます。この背景を踏まえ、2つお伺いいたします。
 1つ目、国の施策による若手農業者支援の活用と成果について、若手農業者への支援策として、農業次世代人材投資資金や若手農業者等支援事業といった国の施策を本市でどのように活用しているのか、具体的な取組と成果について教えてください。
 2つ目、地域資源活用戦略と6次産業化の展望について、地域資源を活用するための戦略として、本市ではどのような方針を持っているのか、また地場産品の競争力強化に向けた6次産業化の取組や施設整備助成への今後の展望などについてお聞かせください。
 続きまして、この項2点目、日本遺産による本市のイメージアップ戦略についてお伺いいたします。
 本市が誇る日本遺産のストーリーである、文化庁の日本遺産ポータルサイトにある一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~について触れたいと思います。
 この物語は、倉敷市の繊維産業の歴史と発展を象徴しており、特に北前船とその寄港地である玉島地区と児島地区が重要な役割を果たしてきました。これらの地区は、綿の生産と流通の中心地として栄え、倉敷市の繊維産業の基盤を築いたと言えます。また、倉敷市の町並み保存地区は、白壁となまこ壁が特徴的で、訪れる人々を魅了しています。このような歴史的な風景は、観光客を誘致するための大きな魅力となっており、BS-TBSシリーズ番組日本遺産においても、一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~が非常に美しく映像化され、ユーチューブにて無料公開されております。しかし、この紹介動画の再生数がまだ200回程度と少ないことから、もっと積極的にアピールする必要があると思います。
 さらに、倉敷市には、繊維産業に未来をかけてきた歴史があり、その中でジーンズづくりが新たな名産となっています。1965年には初の国産ジーンズが倉敷で誕生し、現在も高品質なジーンズで知られております。このような繊維産業の歴史と現在の取組は、観光客にとって興味深いストーリーになると考えます。
 本市には、日本遺産推進室があり、先ほどの動画の基となった動画も数多くユーチューブで公開されており、本市としても、日本遺産の動画でのアピールにも力を入れております。また、この日本遺産と観光を結びつけるために、倉敷観光WEBにて定番のプラン10選のうちの一つに、この日本遺産と絡めたプランが紹介されております。本市としても、日本遺産を活用した集客にも力を入れていることがうかがえます。しかし、本市が作成した動画もユーチューブ上での再生数が少なく、周知し切れていない側面もあります。また、観光WEB上では、日本遺産も静止画のみなので、例えば、BS-TBSシリーズ番組日本遺産で紹介されたようなイメージのよい動画を短くまとめ公開し、イメージをリンクさせることで、さらによいイメージが増し、さらなる集客にもつながると考えます。倉敷に訪れたい、住みたいと思われる方々が増えれば、人口増加にもつながります。
 そこで、豊かな歴史と文化を持つ本市のさらなる魅力向上のために、日本遺産や繊維産業の歴史を生かした、訪れたい、住みたいと思わせるような具体的なイメージアップの取組として、特にCMなどのメディア活用について、市の見解を伺いたいと思います。また、日本遺産による倉敷市のブランドイメージアップに資する今後の戦略についてもお聞かせください。
 続きまして、この項3点目、子どもや若者のスポーツ振興についてお伺いいたします。
 子供たちにとってスポーツとは、心身の健全な発達を促し、自己責任やフェアプレーの精神を培うだけでなく、仲間や指導者との交流を通じてコミュニケーション能力を育成し、人格形成にも大きな影響を及ぼすなど、重要な役割を担うものです。
 子供たちや若者のスポーツ振興を図るためにも、スポーツへ取り組むきっかけづくりが重要だと考えますが、市としての見解と取組についてお聞かせください。
 続きまして、この項4点目、観光資源を活用した振興戦略についてお伺いいたします。
 倉敷市は、豊かな自然環境、豊富な文化遺産、そして魅力的な歴史的建造物を通じて、国内外からの観光客を魅了し続けております。これらの貴重な観光資源は、地域経済の振興に不可欠な役割を果たし、同時に市のブランドイメージを向上させる重要な要素となっております。倉敷市が誇るこれらの資源は、訪れる人々に忘れ難い体験を提供し、地域の豊かな文化と歴史を広く伝えることで、市の魅力を国内外に発信しなければなりません。
 そこで2つお伺いいたします。
 1つ目、観光資源を活用した振興戦略についてお伺いします。
 本市が持つ豊かな観光資源を最大限に活用するための観光振興戦略について、市として、どのような計画に基づいて施策を推進しているのか、特に、①地域固有の文化や伝統を生かした観光プログラムの開発、②インフラ整備、③マーケティング戦略について、どのような取組が行われているのか、伺います。
 2つ目、宿泊税導入に対する本市の考えについてお伺いいたします。
 倉敷市の観光産業における持続可能な発展と地域経済への貢献を目指し、様々な施策が検討されている中で、宿泊税の導入に関しても議論の余地があると考えられます。宿泊税は、観光地において観光客から徴収される税金であり、その収入は地域の観光振興やインフラ整備、文化遺産の保全などに活用されることが一般的です。しかしながら、宿泊税の導入には賛否両論が存在し、地域の宿泊業界や観光業界に与える影響、観光客の動向にも慎重な配慮が必要とされます。この背景を踏まえ、市として、宿泊税導入に対する現在の見解と将来に向けた検討状況をお伺いいたします。
 次の項目に移ります。最後の大項目5つ目、未来に向かって持続可能なまちづくりについて8点をお伺いいたします。
 この項1点目、SDGs未来都市モデル事業の進捗についてお伺いいたします。
 令和2年7月に本市がSDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業に選定されたことを受け、同年8月に倉敷市SDGs未来都市計画を策定されております。この計画の中では、冒頭で2030年のあるべき姿を、高梁川流域圏の発展は倉敷市の発展と掲げ、高梁川流域圏の発展なくして本市の発展はないことを忘れず、SDGsの観点を持って、これまで培ったパートナーシップをさらに強化し、将来あるべき姿を見据え、持続可能なまちづくりを推進するとしており、伊東市長御自身の強い決意と使命感を感じます。
 昭和29年の高梁川流域連盟の創設から、地域間の強いつながりが引き継がれてきた歴史があり、平成27年の高梁川流域連携中枢都市圏の形成へ、そしてSDGs未来都市へとつながってきたものと理解しております。倉敷市、高梁川流域圏における持続可能なまちづくりを推進していくため、来年度も高梁川流域SDGs推進事業として1,124万円が計上されるなど、本市では多くのSDGs関連事業に取り組まれ、その費用も相当な額になるのではないかと思っておりますが、本市が目指す目標と達成への戦略について、モデル事業の進捗状況と併せて分かりやすくお示しください。
 SDGs未来都市として、高梁川流域圏域においてSDGs推進事業を牽引していく中心市、倉敷市の目標達成へ向けた今後の具体的な施策やスケジュールについてもお聞かせください。
 続きまして、2点目、国の気候変動対策に基づく再生可能エネルギー導入の促進と環境教育の推進、その効果についてお伺いいたします。
 令和3年6月定例市議会において伊東市長は、2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指すゼロカーボンシティにチャレンジしていくことを表明され、市民、事業者、民間団体と連携、協力しながら取り組むとされました。倉敷市環境基本計画、クールくらしきアクションプランに基づき、これまでも様々な取組が進められておりますが、来年度当初予算案にも、住宅や中小企業への再エネ導入促進のための拡充予算が計上されております。また、市長がおっしゃる連携と協力によるカーボンニュートラルへの取組とは、市民や民間を巻き込んだ市民運動にしていくということではないかと思います。子供や大人が環境について学ぶ環境教育も併せて推進していくことが重要と考えます。
 これら再エネ導入促進と環境教育の推進について、本市でのこれまでの取組と今後の具体的な取組、それによって期待される環境へのポジティブな影響、倉敷市の将来像について見解をお示しください。
 この項3点目、倉敷市のデジタル化について2つお伺いいたします。
 1つ目、ガバメントクラウドへの移行状況と今後の展望についてお伺いいたします。
 2023年6月9日に閣議決定されたデジタル庁のデジタル社会実現に向けた重点計画は、日本全体のデジタル化を加速させるための重要な指針です。この計画には、マイナンバーカードやデジタル行政サービスの拡充、アナログ規制の見直し、DXの推進、データ連携基盤の整備など、多岐にわたる施策が盛り込まれております。倉敷市においても、これらの施策を地域の実情に合わせて取り入れることで、市民生活の利便性向上や行政サービスの効率化が図られると期待しております。
 デジタル社会実現に向けた重点計画では、2025年度までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの円滑かつ安全な移行を目指すとされております。倉敷市が住民記録システム等のガバメントクラウドへの移行を既に完了していることは、市のデジタル化推進における大きな成果であり、その先進的な取組に敬意を表します。
 そこで、1点目の質問ですが、基幹業務システムのガバメントクラウドへの移行状況と今後の取組について、総括していただきたいと思います。
 2つ目、AI活用による業務効率化と対人業務の質向上についてお伺いいたします。
 この国の重点計画の中において、AIの適切かつ効果的な活用などにより、我が国全体のデジタル競争力が底上げされ、成長していく持続可能な社会を目指すとされております。本市でも、令和3年度入所手続よりAIを活用した入所事務支援システムを導入し、よりきめ細やかな入所調整を行い、保育士確保のための市独自の処遇改善や事務のICT化などによる負担軽減が行われております。また、AI-OCRにより手書きの文字を読み取ることで、手入力していた内容をRPAにより自動的に流し込むことで、業務の効率化が行われております。
 電卓からエクセルへ、携帯電話からスマートフォンへと、今では人からAIへと、人が行っていたことが当たり前のようにAIで行える時代となっております。このことから本市でも、デジタル社会実現に向けた重点計画にあるとおり、AIの適切かつ効果的な活用を目指すべきだと考えます。
 人が行うと大変な作業をAIに任せて、空いた時間を人対人であるべきところに時間を設けるようにしなければならないと思います。この点について、当局の見解をお伺いしたいと思います。
 この項4点目、持続可能な地域公共交通システムの構築についてお伺いいたします。
 私たちの日々の生活に欠かせない地域公共交通、それは地域の経済を支え、環境を守り、そして私たち一人一人の生活の質を高める、まさに社会の基盤とも言える存在です。しかし、現在、日本の地方を中心にその基盤が揺らいでおります。人口減少やマイカーの普及、さらには新型コロナウイルスの影響が重なり、地域公共交通の経営環境は厳しさを増しています。
 国土交通省のデータによれば、中小私鉄や第3セクターの地域鉄道事業者の大半が赤字経営に陥り、路線バスの事業者も同様の状況にあります。これによりサービス水準の低下が進み、利用者がさらに減少するという負のスパイラルが進行しております。公共交通が充実していない地域では、人口減少にも歯止めがかかっておらず、さらに利用者の減少にもつながり、負のスパイラルを助長する状況にあると考えられます。このような状況を踏まえ、政府は地域公共交通活性化再生法など関連法を改正し、事業者と自治体の協働を促進しております。
 倉敷市に目を向けると、バス路線維持費補助事業やコミュニティタクシー事業など、地域公共交通の維持に向けた取組が行われております。しかし、これらの取組が負のスパイラルに本質的な歯止めをかけるには至っていないと感じております。
 このような状況の中で、倉敷市として、持続可能な地域公共交通システムの構築に向けてどのようなビジョンを持ち、どのような施策を展開していくお考えなのでしょうか。市民の足としての公共交通をどのように守り育て、未来へとつなげていくのか、具体的な取組とその展望について、ぜひお聞かせください。
 続きまして、この項5点目、地域社会強化に資するNPO・ボランティア団体等との連携についてお伺いいたします。
 倉敷市における地域社会の強化に資するNPOやボランティア団体との連携は、非常に重要な取組です。行政、NPO、社会福祉協議会などが協働して被災者支援に当たる取組が着実に進展しており、その連携の形は大きく進化しております。例えば、九州北部豪雨や平成30年7月豪雨では、3者が連携して被災者支援を円滑に進めるために情報共有会議が開催されるなど、災害対応においても、その重要性が認識されているところでございます。
 他の自治体では、これまで協働という言葉がメインでしたが、共創、共に創造すると書きますが、この言葉を重視した取組が進められております。関東学院大学牧瀬 稔教授によりますと、地方自治体では共創という言葉を使うところが増えており、共創に大事なことは、自治体と民間などとの共感であるとされております。例えば、企業と協力して廃校を活用し企業研修を実施する取組などは、地域の活性化に貢献し、自治体と企業が共創し、住民の共感が得られることで、住民の生活の質をさらに向上させる効果が期待されております。
 そこで、倉敷市でも、地域社会の強化に資するNPOやボランティア団体との連携を進める上で、共創や共感を重視した取組を進めるべきと考えますが、本市の見解をお聞かせください。また、地域社会のさらなる発展と強化に向けて、倉敷市がどのような役割を果たしていくのか、具体的な取組をお示しいただきたく思います。
 この項6点目、鉄道高架事業についてお伺いいたします。
 倉敷市の未来を形づくる重要なプロジェクト、倉敷駅周辺第二土地区画整理事業は、平成5年のスタート以来、30年の歳月を経ています。初期の反対意見にもかかわらず粘り強い交渉により、現在約69%の進捗が報告されております。長年にわたる努力に心から敬意を表します。
 しかし、事業を主導する岡山県の情報更新が停滞しており、最後の更新が平成30年2月となっております。これは、県と市のトップが平成29年8月に意見交換した後、次のステップに踏み出されていないことが原因かもしれません。この事業の成功は、両者のオープンな対話にかかっていると考えます。
 そこで、本年は倉敷市長選挙と岡山県知事選挙が予定されております。これを機会に、本事業について両者が改めて話し合い、その内容を市民や県民に広く公開すべきではないでしょうか。このような透明性のあるアプローチが地域の信頼を得て、プロジェクトを前進させる鍵となると考えますが、いかがでしょうか。
 続きまして、この項7点目、大型公共施設再編整備の償還計画についてお伺いいたします。
 倉敷市はこれまで、教育施設、市営住宅、福祉施設、庁舎など、多くの公共施設を建設してきました。これらの施設が一斉に更新を迎える今、市は倉敷市公共施設個別計画を策定し、順次整備を進めております。
 議長にお許しを得て資料を用意しておりますので、資料2を御覧ください。
 この資料にありますとおり、庁舎等再編整備事業の782億円余りをはじめ、未定の事業もあり、これらの事業には少なく見積もっても360億円以上の経費が必要とされております。
 この巨額の費用をどのように償還していくのか、市民としては大きな関心事です。市の将来の財政計画にどのように組み込まれているのか、具体的な償還計画について詳しくお聞かせください。
 続きまして、この項8点目、行革プラン2020の最終年と今後の方針について2つお伺いします。
 1つ目、行政改革の成果と今後の展望についてお伺いいたします。
 倉敷市の行財政改革プラン2020は、現時点で約109億5,000万円の実施効果額を達成しています。特に、ごみ処理施設での自家発電による電力の地産地消は、環境と経済の両面で大きな成果と言えます。来年度でこのプランは終了しますが、その後の市の取組はどのように進められますでしょうか。お示しください。
 2つ目、限られた財源の効果的活用に向けた取組についてお伺いいたします。
 市民のニーズは多様化しており、限られた財源を最少の経費で最大の効果を上げることが求められております。これまで提案してきたEBPM、エビデンスに基づく政策立案による事業の総点検は、今後も重要な取組になると言えると思います。
 市民サービスの質を向上させ、財政の健全性を保っていくため、EBPMをどのように推進されるのか、お聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(北畠克彦君) ここで休憩いたします。再開は3時20分からの予定です。

            午後 3時 4分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午後 3時20分  開 議
○副議長(北畠克彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) それでは、公明党倉敷市議団代表質問 中西 善之議員さんの御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりの中で、若い世代への子育て支援策について御質問いただきました。
 市では、子育てするなら倉敷でと言われるまちの実現を掲げて、安心して妊娠、出産、子育てしていただける環境づくりに取り組んできているわけでございますが、市では、このたび閣議決定されました子ども・子育て支援法の改正案なども踏まえながら、今後の取組を検討していく必要があると思っております。
 また、国のこども大綱に基づく、市のこども計画策定のために、今年度実施した子育て世帯や子供、若者などに対するニーズ調査、意識調査の結果なども基にしまして、施策や計画に反映していきたいと全体としては思っているところでございます。
 現在は、特に若い世代への支援ということで、例えば、新婚世帯への住宅支援について国が実施しております補助内容につきまして、市からしっかりPRを引き続きさせていただくということのほか、例えば、市では、市営住宅に子育て世帯の方が応募される場合には、抽せん時の優遇倍率の適用などをしており、今後、国の制度との整合性も図りながら、例えば、若者夫婦世帯についても優遇倍率の適用などについて検討もしていかなければいけないかなと思っているところでございます。
 また、出産、育児のために離職されました女性への復職や再就職を支援することも非常に重要であると思っており、ハローワークのマザーズコーナーとの連携により、女性のための就職面接会を開催するとともに、就職の支援及び就労に関する不安や悩みの相談などにも応じているところでございます。
 また、職業訓練等の費用の支援ということで、これは男女を問わずでございますけれども、離職中の市民の方を対象として、職業訓練の経費を市独自で補助する制度を設けており、再就職に向けた支援も行っているところでございます。
 今後につきましても、岡山労働局等と連携しまして、女性の復職支援、また再就職支援に向けても積極的に取り組んでいきたいと思っております。引き続き関係部局間、また他の関係機関とも連携を取りながら、若い世代が希望を持って安心して働いていただき、また子供さんを産み育てられるような施策、環境づくりに取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 続きまして、未来に向かって持続可能なまちづくりについてのうち、再エネ導入推進と環境教育の推進、またその効果、内容等につきまして御質問をいただきました。
 まず、再エネの導入につきましては、皆様御承知のとおり、倉敷市では晴れの日が多いという特性を踏まえ、市では、平成16年度から住宅用太陽光発電設置の補助を開始しておりましたけれども、私が市長に就任させていただきました後、太陽光発電設置の補助件数を大幅に増やさせていただき、統計を取り始めた頃が3,000件台ぐらいでございましたが、当時と比べて現在の市内の太陽光発電の総設置件数は2万2,363件となっているところでございます。これは継続して、中核市の中では一番多い件数となっており、本市より多いところは、全部大変大きな政令市になっておりますので、中核市の中では非常に多いと思っております。
 これを導入したとき、もちろん太陽光発電の導入ということで環境に配慮するということと、もう一つは、太陽光発電ですので、もし災害等が起こって停電になった場合に自分で電気ができるわけですので、災害のときでも大丈夫というところがあるということも思いまして、設置の補助を行ってきておりますので、今後、いざというときにも備えていけるのではないかと思っているところでございます。
 現在では、ZEH(ゼッチ)や中小企業の方々向けの省エネ設備導入補助などもしておりまして、また来年度につきましても、環境関係のところの、住宅向けの補助制度についても拡大を検討しているところでございます。そのような全体の方向でございます。
 また、環境教育の推進につきましては、環境学習センターを中心として、子供さん方を対象とした施設見学、出前講座、学習素材の提供、また子供さんのみならず高校生を対象としたエコツアーやワークショップの開催などを、NPOの方々とも連携しながら進めているところでございまして、特に、若者世代、また子育て世代の方に関心を持っていただくという面でくらしき環境フェアの開催や、環境学習センターの大きな敷地、芝生で開催しているものについても、非常に大事なものだと思っております。
 今後も、いろいろな観点で環境に関心を持っていただけるように工夫しながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。そして、全体といたしまして、市民、事業者の方、団体、行政等、あらゆる主体が連携しながら、率先して地球温暖化対策に取り組むことにつなげていくことで、ゼロカーボンシティくらしきの実現に向けて頑張っていきたいと思っているところでございます。
 最後に、行財政改革につきまして御答弁申し上げたいと思います。
 未来に向かって持続可能なまちづくりといたしまして、行革プラン2020の最終年度になってきますので、今後の方針についてはどうなのかということでございます。
 現在のプランが令和6年度まででございますので、その次のプランをどうするのかということでございますけれども、これまでの効果も上がってきていると思っておりますし、市の施策等をしっかり見直ししていくという大きな機会にもなっておりますので、今後、また令和7年度からのプランも、ぜひつくっていきたいと思っているところでございます。
 そして、その際には、各部署にヒアリングなどもしながら項目の検討や精査を行っていき、そして議会の皆様にも御提示をさせていただきまして、いろいろ御意見もいただいて成案という形にしていきたいと思っております。
 次に向けてつくっていくプランにつきましても、持続可能な行政運営基盤を確立していくために、しっかり引き続き改革を進めていくことが必要であると思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 その他の御質問につきましては、担当よりお答えさせていただきますと同時に、また私の表明に対しまして、応援もいただきましてありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○副議長(北畠克彦君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりのうち、教育環境におけるデジタル化の推進と教育の質の向上についてでございますが、GIGAスクール構想により整備した1人1台パソコンにつきましては、令和3年度から主に学校の授業において活用してまいりましたが、今年度からは家庭への持ち帰りを本格的に実施し、家庭学習においても活用を進めているところでございます。
 各学校では、情報の共有化を即時に行うことができる授業支援ソフトや個々の習熟度に応じた課題に取り組むことができるデジタルドリルを活用し、児童、生徒の家庭学習を支援しております。
 さらに、デジタルドリルにつきましては、令和6年度より児童、生徒の学習課題への取組状況や結果をAIが分析し、一人一人に応じた最適な課題の提供ができるAI機能搭載のデジタルドリルを導入できるよう、本議会に関係予算を計上させていただいております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後もこれまでの実践事例を学校間で共有し、オンラインによる学習支援も含め、本人や保護者との合意形成の下、病気や不登校などの児童・生徒一人一人に応じた支援の方法を取り入れながら、ICT活用のより一層の推進に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 真備地区の復興推進と災害に強いまちづくりについてのうち、デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化についてでございますが、本市では平成30年7月豪雨災害に当たって、罹災証明の内容、義援金等の申請状況、仮設住宅への入居状況、連絡先などの情報を一元的に管理し、被災者の生活再建支援を効率的に実施するクラウド型の被災者生活再建支援システムを既に導入しております。
 ISUTサイトは、ISUT、これは災害時情報集約支援チームのことでございますが、このチームが大規模災害時において収集、集約した被災情報等のあらゆる災害情報を電子地図化し、自治体等と共有する専用のサイトで、本市が行った能登半島地震の支援においても、通信状況や道路状況の把握に活用し、有用性を確認いたしました。
 災害が発生した際は、ISUTが収集、集約した災害情報や市の総合防災情報システムを効果的に活用し、迅速な災害対応につなげてまいります。
 次に、地域における防災力の一層の強化についてでございますが、令和5年7月に改定された国土強靱化基本計画に示された地域における防災力の一層の強化の取組の一つとして、要配慮者へのデジタル対応を含めた支援が必要とされています。
 本市においては、市民の皆様に防災活動等に役立てていただけるように、倉敷防災ポータルにおいて、地域における災害リスクや避難場所などの防災に関する情報の提供を日頃から行っております。
 なお、パソコンやスマートフォン等の操作が不慣れな方に対しましては、出前講座などを通じて、倉敷防災ポータルからの防災情報の入手方法や災害用伝言ダイヤルなどの使い方を説明しています。
 また、要配慮者を含めた地域住民の安全を守るために地区防災計画を作成する際には、デジタル技術を活用することで、地域の危険箇所の把握や避難経路、避難場所の検討が容易になると考えます。さらに、二次元バーコードを計画に記載することで、気象警報や川の水位情報等の収集が迅速になり、早期避難につながるものと考えております。
 今後も、地域がデジタル技術を活用できるよう支援を行ってまいります。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 真備復興計画の創造期に入るこれからの真備のまちづくりについてでございますが、真備地区の人口は、議員が先ほど述べられたように、発災後には約1割減少し、現在はほぼ横ばいで推移しております。
 市としましては、今年度末に小田川合流点付替え事業をはじめとする治水対策が完成を迎えるほか、町のにぎわいや交流促進につながるまびふれあい公園の整備も進めています。また、昨年からは、本格的に地域の行事やイベントなども再開されております。
 今後は、安全で自然豊かであり、買物や就学の面でも利便性が高く、子育てにも適した住みやすい町であることをPRすることで、真備地区への移住定住にも力を入れてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 温もりあふれる健康長寿のまちづくりについてのうち、介護保険制度の持続可能性についてでございますが、良質な介護サービスが安定的に提供されるためには、介護人材の確保と資質の向上が重要です。
 本市では、介護保険事業者等連絡協議会と連携した研修の実施や、看護学生や有資格者を対象とした訪問看護ステーションでの実地研修を行うなど、介護人材の確保や定着支援のための取組に努めております。
 さらに、介護ロボット・ICT導入支援など、地域医療介護総合確保基金を活用した介護現場の生産性向上に向けた各種事業により、介護職員にとって働きやすい環境整備につながる支援も行ってきているところでございます。
 また、介護給付費の適正化につきましては、国の介護給付費適正化計画に関する指針に基づき、ケアプランの点検や住宅改修等の点検などの事業に継続して取り組んできたところでございます。
 今後も引き続き適正化事業を推進し、必要なサービスを提供することで持続可能な介護保険制度となるよう取り組んでまいります。
○副議長(北畠克彦君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男君) 医療のDX推進についてでございますが、マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、御本人の同意により薬剤情報、特定健診情報等を医師や薬剤師と共有することができ、正確な情報に基づいて診療や処方を受けられるなど、患者様にとってのメリットがあります。
 市民病院では、これらのメリットについて、ホームページや中央受付モニターでの広報、ポスターの院内掲示などにより周知に努めております。
 また、電子処方箋の導入につきましては、現在進めている電子カルテ等医療情報システムの更新の中で、導入に向けて準備を進めているところです。
 マイナ保険証の利用率を高めるための具体的な取組といたしましては、保険証確認時に患者様へ、マイナ保険証の利用について声かけをしておりますが、今後は、病院コンシェルジュからマイナ保険証のメリットなどについても丁寧に説明を行い、マイナ保険証の利用促進に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 松浦文化産業局参与。
◎文化産業局参与(松浦宏君) 若手農業者への支援と地域資源の有効活用についてのうち、国の施策による若手農業者支援の活用と成果についてでございますが、本市では新規就農者に対し国の施策を活用し、早期の経営確立に向けた資金や、経営発展に向けた機械、施設などの導入を支援しております。
 新規就農者は、直近では、令和3年度は18人、令和4年度は15人と、おおむね年15人程度で推移しており、倉敷市農業振興ビジョンの目標である令和12年度末までに累計120名増を達成する水準にございます。さらに、新規就農者を増やすため、課題の一つとなっている農地の確保が各地域において図られますよう、引き続き支援してまいります。
 続きまして、地域資源活用戦略と6次産業化の展望でございますが、桃、ブドウ等のさらなる高収益化に向けて、倉敷市農業振興ビジョンの下、若手農業者への栽培技術指導による品質向上、新規参入や園地拡大が可能な農地確保による供給力強化、大都市圏でのPRイベントによるブランド力・付加価値向上など、産地と連携した取組を進めております。
 また、地場産品の競争力強化に向けた6次産業化の取組につきましては、県やJAなどの関係機関と連携し、商品開発から販路開拓までをサポートする体制の下、様々な研修を行っております。さらに、施設整備助成につきましては、国の産地生産基盤パワーアップ事業等を活用しております。
 今後も、これらの事業制度の周知等を通じまして、持続可能な農業に向けて取り組んでまいります。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 日本遺産による本市のイメージアップ戦略についてでございますが、本市の3つの日本遺産ストーリーは、地域の魅力を発信する上で重要なコンテンツの一つと考えております。
 本市ではこれまでに、日本遺産が持つ魅力を発信するために様々なPR動画を制作しており、市公式ホームページでの公開、ユーチューブでの配信、むかし下津井回船問屋など市内3つの日本遺産インフォメーションでの放映などで活用しております。
 また、動画を用いたPR活動として、東京都八王子市で開催された日本遺産フェスティバル、有楽町での日本遺産の日PRイベント、岡山市での北前船寄港地フォーラムなど、各種関連イベントにおいてワークショップやパンフレットの配布とともに、来場者に対し啓発活動を積極的に行っております。
 引き続き、本市のイメージアップにつながるよう日本遺産の動画について、倉敷市公式アプリなども活用した効果的な情報発信を検討してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 子どもや若者のスポーツ振興についてでございますが、子供の成長過程におけるスポーツ活動は、心身の成長や発達はもちろんのこと、その後のスポーツ習慣の形成にも大きく関係するため、幼い頃から様々なスポーツを経験することが重要であると認識しております。
 本市では、外郭団体である倉敷市スポーツ振興協会と連携し、例年10月に倉敷市民スポーツフェスティバルを開催しており、子供や若者が多種多様なスポーツを楽しく体験することができる機会や場の提供に努めております。
 また、所管するスポーツ施設においては、スポーツ好きな子供の育成を目指し、テニスやドッジボール、縄跳びなどのジュニア・キッズスポーツ教室をはじめ、水泳や体操など、楽しみながらスポーツに親しむことができる教室も行っております。
 今後もこうした事業を実施することで、子供や若者が様々なスポーツに取り組むきっかけをつくってまいりたいと考えております。
 次に、観光資源を活用した振興戦略についてでございますが、本市では観光に関する基本計画として、倉敷市観光振興プログラム(第2期)を策定し、持続可能な観光先進都市倉敷の実現に向け、競争力の高い魅力ある観光地域の形成、誘致・プロモーション活動の強化など、5つの戦略に基づき施策を推進しております。
 具体的な施策としましては、まず、地域固有の文化や伝統を生かした観光プログラム開発として、瀬戸内の自然、高梁川流域の食、工場夜景、アートなど、様々なテーマでイベントやコンテンツ造成を行っております。また、インフラ整備として、観光庁による補助事業採択を受けた宿泊施設、観光施設の高付加価値化改修やWi-Fi環境の整備、倉敷市観光公式LINEである倉敷ファンクラブの導入などを推進しております。さらに、マーケティング戦略として、観光統計や観光客の周遊促進に向けて位置情報などのビッグデータを活用するなど、観光マーケティングの強化にも取り組んでいるところです。
 次に、宿泊税導入に対する本市の考えについてでございますが、法定外目的税の一つである宿泊税は、観光振興や観光地における持続可能なまちづくりの施策費用に充てることを目的として、東京都をはじめとする大都市圏のほか、金沢市などの中核市でも導入・検討事例が見られ、観光振興に向けた財源確保の手段の一つとして注目されております。
 一方で、宿泊税を導入する場合には、観光関連事業者との合意形成や観光客への影響調査、税収の使い道などについて慎重に議論を進める必要があることから、本市といたしましては、まずは既に導入している他都市の状況について調査してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 未来に向かって持続可能なまちづくりについてのうち、SDGs未来都市モデル事業の進捗についてでございますが、平成27年3月に本市と流域6市3町で連携協約を締結し成長戦略ビジョンを共有することで、持続的なまちづくりに向けた課題解決に取り組んでおります。
 これまでの高梁川流域における連携の取組と、それをさらに推進するためのSDGs普及・促進に取り組んできた本市は、SDGs未来都市として令和2年に国に選定されました。未来都市として流域圏のSDGsを牽引するため、経済、社会、環境の3つの側面や、平成30年7月豪雨災害の教訓を取り入れた倉敷市SDGs未来都市計画を令和2年度に策定し、多様な人材が活躍し、将来にわたって安心、快適に生活できる都市、圏域、頻発・激甚化する自然災害に対し誰一人取り残さない都市、圏域を、2030年の倉敷市及び流域圏のあるべき姿として定めました。
 これらの目的達成と流域でのSDGsの取組を加速化させるため、令和3年度からは倉敷市SDGs未来都市計画を反映させた第2期高梁川流域成長戦略ビジョンに改定し、現在では当該ビジョンに基づいて圏域のSDGsに関する取組を進めており、令和6年度における高梁川流域事業は全体で71事業、事業費では約7億円を予定しております。こうした取組により、圏域事業者間の連携促進・強化や、連携市町間の共通の課題や連携市町単独では実現困難な課題の解決など、多くの成果が生まれております。また、倉敷市SDGs未来都市計画における2030年の指標に対しましては、令和4年度末時点で約7割の進捗状況となっております。
 今後につきましては、次年度は第2期高梁川流域成長戦略ビジョンの最終年度となるため、事業を着実に進めるとともに、持続可能な圏域の形成に向けて、倉敷市が中心となって連携市町とともに次期ビジョンの策定に取り組んでまいります。
 次に、倉敷市のデジタル化についてのうち、ガバメントクラウド移行の進捗と取組についてでございますが、本市では令和4年度に、住民記録システムをはじめ、印鑑登録、児童手当、児童扶養手当、障がい者福祉など、7業務システムについてガバメントクラウドへの移行が完了し、このうち住民記録・印鑑登録システムについては、全国で最初に標準準拠システムへの移行を完了しております。
 また、今年度、税に関する4業務の標準化に向けた作業を開始したところであり、後期高齢者医療や介護保険システムなど、そのほかのシステムにつきましても、国の定めた移行期限である令和7年度末までに完了できるよう進めてまいります。
 次に、AIによる業務効率化と対人業務の質向上についてでございますが、国が策定した自治体DX推進計画にもありますとおり、急速な進化を遂げるAIを含むデジタル技術の活用は、業務効率化や行政サービスの向上に有益なものと考えております。
 現在、市では、手書き文字を読み取りデータ化するAI-OCRやAI議事録支援システムの導入など、デジタル技術の活用を行っております。また、指示した内容に基づき自動的に文書や画像などが作成できる生成AIにつきましても、業務に役立つものと考え、活用に向けた研究を進めているところでございます。
 今後もAIを含むデジタル技術の活用により、さらなる業務の効率化を図るとともに、よりきめ細やかな行政サービスの提供を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 持続可能な地域公共交通システムの構築についてでございますが、倉敷市地域公共交通計画を策定し、各地域・地区の交通拠点をつなぐ鉄道、路線バスについて、運行回数の確保や利用促進などに取り組んでおります。また、公共交通不便地域への取組として、コミュニティータクシー制度の普及やボランティア輸送、病院等が行っている送迎サービスの活用、タクシーによる新たなサービスの検討などにも引き続き取り組んでまいります。
 本市といたしましては、市民、地域企業、交通事業者、行政の関係主体が連携し、それぞれの役割を果たすことで地域公共交通の維持、充実につなげていきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 地域社会強化に資するNPO・ボランティア団体等との連携についてでございますが、御質問にありました共創とは、社会課題の解決を目指し、これまでの協働を基本としつつ、異なる立場や業種の人々、団体などが協力し、共感することで新たな価値や魅力を創造することとされております。
 本市では、平成27年度から様々な社会課題について、市民、NPO、企業、市の担当職員などが集まり、それぞれの意見や情報を交換しながら解決策を話し合う課題解決ワークショップを開催しており、参加者からは、立場が違う人の意見を聞くことができて有意義であったとの感想を多くいただいております。
 また、この課題解決ワークショップに参加したことを機に、市民活動団体と市が協働で実施する倉敷市市民企画提案事業へ発展していくなど、共創や共感の視点を持って取り組んでいるところであり、今後も市民の皆様やNPO、企業、行政等の連携のきっかけをつくり、地域課題の解決や新たな価値や魅力の創造に向けて取組を進めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 鉄道高架事業についてでございますが、倉敷駅周辺では、本市が進めるまちづくりは着実に進展しており、鉄道高架事業の必要性はますます高まってきています。
 令和5年8月21日に行われた県知事と備中県民局管内の首長が意見交換をするトップミーティングにおいても、鉄道高架事業の着実な推進を要望したところでございます。
 今後も、市議会議員、県議会議員の皆様の御協力をいただきながら、事業主体である県に早急に事業のスケジュールや見通しについて、市民の皆様に分かりやすい情報提供をしていただきますよう、引き続き働きかけていきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 大型公共施設再編整備の償還計画についてでございますが、大型公共施設再編整備に要する経費については、国などからの補助金を差し引いた市負担部分に対して市債を発行することにより、世代間の公平を図ることとしております。これらの市債は、おおむね20年で償還する計画としておりますが、交付税措置のある市債を活用することにより、実質的な市の負担を減らすとともに、減債基金の活用などにより、財政負担の軽減と平準化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、行革プラン2020の今後の方針についての限られた財源の効果的活用に向けた取組についてでございますが、御質問にありましたEBPMとは、政策目的を明確にした上で、政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用するなど、合理的根拠に基づいて政策の決定や実行を行うもので、施策や事務事業の実効性を高める点において有効なものと考えております。
 本市では、事業の効果や課題を検証する際や、新規事業や事業の廃止等を行う際には、可能な限り客観的なデータ等に基づいて検討、評価することとしており、御質問のEBPMの考え方も取り入れているところでありますので、次期行財政改革プランにおきましても検討してまいりたいと考えております。
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