録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
2月26日(月) 本会議 代表質問
新風くらしき
日向 豊 議員
1 防災について
(1)妊婦、乳児用品の備蓄について
(2)液状化についての市民への啓発について
(3)今後、建設予定の公共施設の液状化対策について
(4)緊急輸送道路の無電柱化について
(5)山陽ハイツ跡地の都市防災公園及び複合施設整備事業について
2 将来を見据えた産業振興策について
(1)企業誘致のための用地の確保について
(2)MICE誘致推進事業について
3 交通政策について
(1)公共交通の利用促進について
(2)都市計画道路について
(3)都市計画道路生坂二日市線、二日市曽根線と国道2号との立体交差化について
4 JR山陽本線等倉敷駅付近連続立体交差事業について
(1)JR山陽本線等倉敷駅付近連続立体交差事業について
5 海ごみについて
(1)プラスチックごみの海洋に流れ出す前の対策を
6 倉敷市の財政について
(1)市長公約である負債削減の実績について
(2)財政調整基金の今後の見込みについて
(3)公共施設個別計画に基づく事業に対する実質的な市の負担は
◆11番(日向豊君) (拍手) 皆さんおはようございます。新風くらしきの日向 豊でございます。本日は会派を代表して、代表質問を行わせていただきます。
 質問に先立ちまして、長きにわたり市政発展のために御尽力され、このたび役職定年を迎えられます職員の方々に対して、心から敬意と感謝を申し上げます。国の制度改正により今年度末に退職予定だった方々が、退職が1年延びるなどといった制度のはざまで人生の制度設計が変わった方も多いのではないかと思いますが、これからも健康にはくれぐれも御留意され、市政発展のために御尽力をいただければと思っておりますので、何とぞよろしくお願いします。
 また、本年は元日より能登半島を襲った地震により多くの方々が被災をされました。お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、倉敷市は西日本豪雨災害により被災し、全国の方々から御支援をいただいた自治体として、能登半島の被災自治体に対して発災直後から物的にも人的にもきめ細かい絶え間ない支援を行っており、これからも継続的に支援をお願いしたいと思っております。
 今回の地震は、元日、新年を迎え、家族や友人との団らんのさなかに発生いたしました。家屋の倒壊により圧死や窒息で亡くなった方が全体の半数を超えていることに加えて、低体温症や凍死の方が30人以上おられたことについて、一定時間は倒壊した建物の中で存命だった方が、悪い気象条件が重なった上に、地震による津波や液状化が原因で道路をはじめとする社会インフラが断絶し、救助に必要な車両や人員がたどり着くことができず、亡くなったケースもあるのではないかと言われております。
 今後、南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内で70%から80%と言われている中で、本市としての市民の生命と財産を守る防災施策について数点質問いたします。
 令和5年度2月補正予算と来年度当初予算におきまして、災害備蓄品整備事業として約1億円が計上されております。これは、山陽ハイツ跡地に本年4月より供用が開始される有城防災備蓄倉庫に備蓄する避難所開設時の避難生活用品や災害対応型資機材の購入に関する経費とされています。児島の阿津防災備蓄倉庫の開設に続き、旧倉敷地区におきましても防災備蓄倉庫が完成、運用が開始することにより、市民の方々にとって大きな安心材料になるのではないかと思っておりますが、内閣府が本年2月に公表した2022年度末に全国の自治体で行った防災備蓄品の状況について、調査対象となった20品目のうち16品目については、自治体の7割以上が備蓄を行っていないとの結果が公表されております。
 全国の自治体での配備率については、女性・妊産婦・乳幼児向けの用品では、生理用ナプキンや粉ミルクもしくは液体ミルクや紙おむつなどは7割から8割の自治体が配備している一方で、女性用や妊産婦用の下着や離乳食、乳幼児用のお尻拭きなどは1割から2割にとどまり、災害時に避難所生活を送る中で、女性や妊産婦、乳幼児向けの備蓄があまり進んでいないとのことでありました。
 ただ、同調査で、災害対応の部署に女性職員が一人も配置されていない自治体が全体の6割に及ぶ中で、倉敷市では3人が配置されているということで、安心いたしております。
 今回の能登半島地震は、発災から2か月近くが経過しておりますが、現在も避難所生活を送られている方が多い中で、今後、倉敷市でも発災直後、道路等の寸断により、一定期間避難所に支援物資が届かないことも想定し、女性や妊産婦向けの下着及び乳幼児向けの離乳食用品などの備蓄をする必要を感じておりますが、お考えをお聞かせください。
 また、能登半島地震では、直下型地震で多くの家屋が液状化により被災いたしました。倉敷市の平野部の多くは昔は海で、江戸時代以降の干潟の干拓や埋立てにより形成された土地であり、今回の被害状況同様、地震による直接被害だけでなく、液状化による家屋や電柱の倒壊、また道路等の陥没や隆起などにより交通網が寸断されるなどの被害が発生する可能性は、他の自治体に比べて比較的高いと思っております。事実、私が暮らしている地域におきましても、地下水位が通常でも高く、何メートルか掘れば、塩分を含む地下水がしみ出してくるという状況でもあります。
 現在、倉敷市が公表しております液状化ハザードマップは、南海トラフ地震を想定して平成25年8月に作成、全戸に配布されておりますが、配布から既に10年が経過しており、今回の地震での被害内容や倉敷市域の特性も踏まえて、液状化についても改めてハザードマップ等を配布し、市民に広く周知、啓発する必要があると思いますが、ハザードマップについての改定の予定と改めて配布する予定があるのかどうか、お聞かせください。
 次に、ハード面での液状化対策について2点質問をいたします。
 液状化対策が行われている代表的な例として、東京ディズニーランドがあります。東日本大震災の際は、浦安市などの住宅街でも液状化により多くの被害に見舞われましたが、東京ディズニーランドについては、施設の建設時にサンドコンパクション工法と呼ばれる液状化対策工法が採用され、結果、液状化は発生しなかったとされております。この工法は、水分の多い土の中に柱状に固めた砂を入れ、上から押し固めて地盤の水分などを抜き取るというもので、構造物の建築前に地中の水分を除去することにより液状化を防ぐ工法としては大変効果的だとされています。建設が決まっている防災危機管理センター棟や、今後建て替えが予定されている茶屋町支所や庄支所など、災害発生時に拠点となる施設及び、その施設に対して幹線道路からアクセスするための動線については一体で液状化対策を行う必要を感じておりますが、お考えをお聞かせください。
 次に、倉敷市では令和3年10月に倉敷市無電柱化推進計画を策定し、第1次緊急輸送道路を中心に、広域交通網から防災拠点にアクセスする路線の既設電柱を撤去する取組を進めておりますが、令和元年度末の緊急輸送道路の無電柱化着手率は、全国平均38%に対して倉敷市は10%と低く、計画において令和12年度末までに22%に引き上げることを目標としておりますが、この数字はあくまで着手率であって、整備率ではなく、着手をしても完成しないと効果も見込めません。
 現在、駅前古城池霞橋線は、令和3年度から着手し、測量、予備設計、詳細設計が終わり、令和6年度からガス管の移設と笹沖交差点から北側約100メートルの区間で工事を行う予定とのことですが、完成までにはまだまだ年月を要するとされています。南海トラフ巨大地震の発生確率が近年上昇している中で早急な対応をする必要があり、緊急輸送道路の無電柱化を今後進めていく上で、予定されていても、まだ着手されていない羽島四十瀬線、いわゆる市役所北側の倉商東の交差点から倉敷消防署までの区間も同時並行して民間事業者との協議や設計を行うことにより、中心市街地の安全確保につながると思いますが、見解をお示しください。
 この項最後に、山陽ハイツ跡地に整備中の都市防災公園及び複合施設整備事業について4点質問をいたします。
 エリア内には、今回目玉となる大型複合遊具について設置が公表されており、前評判としても市民の方々からの期待も大変高く、オープンを待ち望む声もよく聞かれておりますが、兵庫県小野市のひまわりの丘公園に設置された同様の遊具が、市外からも多くの人々を引きつけ、大変人気である一方、連休中などは臨時駐車場を開設しても周辺道路が混雑し、駐車場の有料化も検討しているとの報道がありました。
 現在工事が行われております都市防災公園及び複合施設整備事業のエリア内には、県内初の大型複合遊具が設置される予定でありますが、公園に入るための幹線道路であります新田天城線をはじめ、公園内を横断する市道有城13号線については、いずれも片側1車線の道路で、右左折レーンや待避所等もありません。
 また、市道有城13号線沿いには、既存の施設として令和4年7月に建て替えを行った倉敷児童館を含む複合施設や、本年4月から運用が開始されている防災備蓄倉庫、8月に稼働予定の(仮称)倉敷学校給食共同調理場以外にも、周辺には多くの市民の方々が訪れる施設があり、公園オープン後、休日には旧山陽ハイツ敷地内に入るための交通渋滞が予想されると思っております。
 また、災害発生時には、避難してくる市民や、備蓄倉庫での受援物資の受入れや搬出などを行う拠点にもなるため、周辺道路の渋滞対策は公園のオープンまでにはスピード感を持って取り組まなくてはいけない課題だと考えておりますが、見解をお示しください。
 あわせて、駐車場に入る車で周辺道路の渋滞を引き起こさないためにも、駐車場についても、前もって対策を講じる必要があると思いますが、見解をお示しください。
 また、広大な面積を有する敷地の中に多くの集客施設が立地するため、管理を行うためには、単に建物の管理だけでなく、遊歩道や公園内に広がる樹木などの管理、大型複合遊具の運営、イベントの開催など多岐にわたり、完成後の運営・管理体制が非常に重要だと思っております。ランニングコストを抑えながら、安全かつ柔軟な運営をしていかなくてはいけないと考えていますが、管理・運営体制についてどのように考えているのか、見解をお示しください。
 最後に、市民が心待ちにしているこの公園の名称については、まだ仮称とされております。高齢者の方から子供さんに至るまで、あらゆる年齢層の方々から親しみを持ってもらうためには、今後決定していく名称が大変重要だと思っておりますが、どのようにして名称を決める予定なのか、見解をお示しください。
 次に、将来を見据えた産業振興策について2点質問をいたします。
 まず、倉敷市における企業誘致のための用地の確保についてお伺いいたします。
 本市は、温暖な気候に恵まれ、陸海の交通・物流アクセスにも優れていることから、工業用地や物流拠点としての企業立地のニーズが大変高いのではないかと考えられています。一方で、市内の玉島ハーバーアイランドや船穂産業団地等をはじめとする公的工業団地はほぼ完売、民間の工業団地も空きはない状況で、数ヘクタールを必要とする新規立地が可能な用地は、私が知る限りはほぼないと思います。
 また、市内には高速道路のインターチェンジが4か所、また市境に早島インターチェンジもありますが、その周辺の大半が市街化調整区域あるいは優良農地となっており、物流施設や工場などの立地は、極めて困難な状況にあります。
 国におきましても、平成29年に地域未来投資促進法を施行し、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、高い経済効果を及ぼす事業を実施する事業者を支援するために、市街化調整区域や優良農地など、本来開発行為が困難な土地であっても、市町村が重点促進区域を設けるなど、土地利用調整を図ることで農地転用や開発行為が可能となるようにするとともに、昨年12月には土地利用調整の対象となる施設要件の拡充も行われております。
 既に、近隣自治体においては、この重点促進区域を新たに設け、高速道路のインターチェンジ付近の物流施設の誘致も行っています。
 また、市街化区域以外での地区、いわゆる市街化調整区域における地区計画の運用方針を定め、流通業務地や工業地の整備による産業振興型の地区計画の方針も具体的に示すことで、企業誘致を積極的に取り組んでいる自治体もありますが、本市においては今のところそのような動きは行っていないように思っております。
 物流施設におきましては、建物が巨大になり、景観や環境などへの影響は多い反面、雇用についてはあまり増えないとも言われておりますが、多くのインターチェンジが存在し、交通の結節点でもある本市にとりまして、運送業の2024年問題へ対応するため、地域を絞り、考えていかなくてはいけないとも思っております。
 そこでお尋ねしますが、本市の立地可能な土地がない状況において、土地利用を緩和する制度の活用や市街化区域の用途区域の見直しなどの取組が考えられますが、倉敷市では今後、企業誘致のための用地の確保についてどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
 次に、MICE(マイス)誘致推進事業について質問をいたします。
 来年度からの組織改正で、G7倉敷労働雇用大臣会合推進室を廃止し、文化産業局内に新たにMICE誘致推進室が設置されることになりました。組織的には、次長級がトップの文化産業局長直属の組織ということで、今までとの組織構成とは違った組織になっていると思います。
 来年度の当初予算案を見ますと、新規事業としてMICE会場や宿泊施設などの提供情報管理システムの導入経費や、首都圏のMICE関係者向けのプロモーションイベントの開催経費、ハラル、ビーガン等の多様な食文化の普及・啓発セミナー開催などの経費が計上されております。
 これまでMICE誘致に関しては、部局横断で外郭団体や民間団体とも連携を行いながら推進してきたと思いますが、今回新たに次長級の組織であるMICE誘致推進室を設置し、局長直下の組織にした狙いと、人員体制、どのようなことを行っていくのか、お答えください。
 次に、交通政策について2点質問をいたします。
 近年、高齢者の高速道路での逆走やアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が多発しており、倉敷市においても高齢者が安心して免許を返納することができる環境を整えていくこと、すなわち高齢者の日常生活をサポートする交通手段の確保が急務の課題であると思います。
 アクセルとブレーキの踏み間違い防止については、このたびの2月補正予算で、自動車急発進抑制装置設置費補助金として予算が計上されたことは、大変うれしく思っております。ただ、高齢者を取り巻く状況は待ったなしで、運転に不安を抱きながら、かといってそれ以外の交通手段がなく、車に乗らざるを得ないといったお話もよく耳にします。
 私が暮らしている地域におきましても、長年の懸案でありました現行のコミュニティータクシー制度の活用が、運行事業者の方々をはじめ、自治会、市の担当部署の方々の御尽力により、4月より運行が開始されることになり、地域の方からの高い期待の中で、運行開始に向けての機運も高まってきておりますが、協議を続けていく中で、この制度自体には多くの課題があることが分かってまいりました。
 これまでの議会答弁において、従来の公共交通に加えて、多様な移動手段についても検討していくとの答弁もありましたが、ボランティア運行や病院や福祉施設等が行っている送迎サービスの活用、相乗りサービス以外で公共交通不便地域における新たな制度の検討についてはどうなっているのか、お答えください。
 次に、倉敷市では、コロナ禍において国の交付金を活用し、路線バスや水島臨海鉄道について実施日を設定し、無料にする取組を行ってきました。
 実施結果を見ますと、利用者数については、無料デー実施直前の同じ曜日と比較すると、おおむね2倍から3倍、市内の対象道路の通行人数も大幅に増加しており、観光地や市街地のにぎわい創出につながったとの報告もありました。
 この無料デーは、市民の方々が市街地でのイベントに訪れる際、公共交通機関を利用することにより、駐車場不足の解消につながるとともに、市外からの新たな集客を呼び込むことにもつながり、慢性的な赤字経営が続いている公共交通機関に対して経済的な支援もでき、大きな意味で地球温暖化対策にもなっていると思っております。来年度以降についても継続的な実施を要望しますが、見解をお示しください。
 次に、都市計画道路について2点質問をいたします。
 都市計画道路は、その他の道路とともに、体系的、機能的にも連携された広域道路網を形成することにより、都市が長い将来に向けて継続的に発展するために計画された道路で、市内の都市計画道路も昭和30年から40年代頃、高度経済成長期に計画決定がなされており、現在の市域を形成しておりますが、市内の拠点を結び、さらに市外からの人流や物流をスムーズに行うためには、未着手の区間におきましても、引き続き整備を進める必要があると思います。
 過去にはいろいろと経緯があり、事業に着手できなかった事案もあるとは思いますが、結果的には計画的に市街地を形成していくとされている市街化区域内にもかかわらず、都市計画道路が未着手で、市街化が進んでいない地域もあります。予算や土地取得、環境への影響などにより、進めていく上で解決すべき課題も多くありますが、人口減少の局面に突入している本市にとって、都市計画道路の整備を行うことは、交通の便益が向上し、新たな移住者や企業の誘致にもつながっていくなど、人口減少対策の一助にもなり、スピード感を持って取り組む必要があると強く思っておりますが、考えをお聞かせください。
 次に、都市計画道路生坂二日市線と二日市曽根線について質問をいたします。
 現在、倉敷市が着手している都市計画道路として、生坂二日市線があります。生坂を起点として羽島地内の小町トンネル北側付近から新設されるトンネルを経由して、二日市の国道2号までの道を生坂二日市線、そこから茶屋町の商業施設の南を経由して岡山市の曽根に抜けていく道を二日市曽根線と呼び、現在、二日市曽根線については、茶屋町地区にある商業施設の南部分だけ部分開通しているという状況にあります。
 国では、国道2号の慢性的な渋滞と、渋滞による速度低下が原因で起きる事故が多発しているということで、昨年度、岡山市古新田から倉敷市新田までの約10キロの区間について、該当する信号交差点9か所のうち5か所については事業化を決定し、倉敷市では、まず加須山交差点を立体化することとされていますが、市が進めている生坂二日市線が完成するためには、二日市曽根線の整備も同時に進め、両路線が国道2号と結節する交差点箇所について、国が事業化を決定した加須山交差点と一体で立体交差化をしなくてはいけないと考えておりますが、関係機関である国や県との現在の協議の進捗状況と市が工事を進めている生坂二日市線について、いつ頃の完成を目指しているのか、お答えください。
 次に、JR山陽本線等倉敷駅付近連続立体交差事業について、早期事業着手の実現を求めて質問をいたします。
 連続立体交差事業については、これまでに議会質問でも数限りないほどの質問が出ており、事業内容は私が改めて話す内容ではないくらい皆さん熟知されていると思っております。
 事業主体である岡山県の連続立体交差事業のホームページを見ても、平成30年2月にコスト縮減3案の費用対効果の試算結果が全ての案で1を超えると公表して以来、6年間全く更新はされておりません。
 市は、平成30年4月に、コスト縮減3案のうち、水島臨海鉄道も高架化する案1が相対的に優れていると評価して、案1での決定を県に要望しておりますが、一向に進展は見られない状況だと思っております。
 本市におきましても、少子・高齢化が進展し、人口流出に歯止めがかからない中で、慢性的な交通渋滞の改善だけでなく、南海トラフ巨大地震の発災に備えるためにも、早急に防災・減災対策を実施していく必要があり、多数の踏切除却を一挙に行い、踏切渋滞を解消して都市交通を円滑化するとともに、指定緊急避難場所でもある倉敷みらい公園への避難経路を確保するなど、都市防災機能の向上を図る連続立体交差事業の必要性はますます高まっていると思っております。
 また、昨年、倉敷市議会におきましても鉄道高架事業整備促進倉敷市議会議員連盟を組織し、中島議長を会長として岡山県や岡山県議会に対して要望書を提出するなど、整備促進を求める動きも進めております。
 コスト縮減3案のうち、フラットな避難路の確保等の都市防災やバリアフリーの観点から優れている案1の決定に向けて県との協議を進めているとお伺いしておりますが、現在の進捗状況についてお伺いしたいと思っております。
 次に、海ごみについて質問をいたします。
 海洋汚染が深刻化する中で、マイクロプラスチックが世界の海で問題となっております。
 プラスチックの普及に伴い、毎年新たに海に流れ出すプラスチックごみは年間約800万トンと言われており、このまま放置すると2050年までには海中のプラスチックの重量が魚の重量を上回るとの予測も出ております。
 一般的に使用されているプラスチックは、焼却処分をしない限り分解されず、時間が経過する過程で微細な破片には分解されても、完全に分解することはないとされております。
 私たちが育みを受けている瀬戸内海については、閉鎖的な海域で、穏やかな自然環境に恵まれ、漁業もしやすい反面、水の流動性は低い性質を持っており、ごみなどが蓄積しやすく、水質の改善や維持が難しいとされております。
 海ごみ問題に積極的に取り組んでいる日本財団の瀬戸内オーシャンズXのホームページを見てみますと、瀬戸内海における海ごみは、河川や用水路など、陸からの流入が全体の66%と大半を占めており、その多くがプラスチックであるとされております。
 こうした問題を解決するため、近年では瀬戸内海に接する自治体や民間団体が連携し、海ごみの回収などの取組を活発に行ってきておりますが、そもそもプラスチックごみをはじめ、海ごみを発生させないという意識を全ての人に持ってもらうことが重要であると思います。海ごみの削減に向けて、市としてこれまでどのように取り組んできたのか。また、今後どのような取組を行っていくのか、お考えをお答えください。
 次に、倉敷市の財政について3点質問をいたします。
 伊東市長が就任してからもうすぐ通算4期16年が経過いたしますが、市長の公約には常に負債削減が入っており、財政健全化に向けた取組を懸命に続けてこられました。先日の提案理由説明でも少し触れられておりましたが、この4期目の任期中も含めて、通算でどの程度取組の成果が現れたのか、また社会保障関係経費や人件費等が年々増加する中で、現在取り組んでいる全市的な防災・減災対策への取組、公共施設個別計画に基づく大規模事業が進められており、市税収入の大幅な伸びが見込めない中で、限られた財源で今後の健全な財政運営を行っていくためにどのように考えているのか、お答えください。
 次に、市の貯金である財政調整基金についてお伺いいたします。
 令和6年度の当初に市長選挙が行われるため、通常は財政調整基金を取り崩さず、当初予算編成を行うと思いますが、今回は人件費や物価の高騰の影響から、実に20年ぶりに取り崩さざるを得ない状況になったと思います。
 通常、当初予算の骨格編成に対して、6月補正で肉づけ予算の編成が行われ、当初予算と6月補正が一体として予算編成がなされると思いますが、当初予算で既に22.6億円を取り崩しており、当初予算編成後の財政調整基金残高は約90億円の見込みと聞いております。
 同様に骨格編成であった令和2年度当初予算編成後の財政調整基金残高は約107億円と聞いており、単純に17億円もの差が生じており、今後大型事業が控えた状況下で予算編成には影響はないのでしょうか。また、基金残高の目標額についても見解をお示しください。
 次に、現在、公共施設個別計画に基づく事業として、庁舎等再編整備や児島地区公共施設再編整備、この当初予算で計上された市民交流ゾーン整備、水島地区公共施設再編整備など、大変大きな事業が進んでおります。庁舎等再編整備や市民交流ゾーンの整備については、いずれも物価高騰などの影響により、公表された計画事業費よりも高額な事業費となっており、今後の財政運営にも少なからず影響があるのではないかと思いますが、そういう状況下で、先日の答弁でも、行財政改革の推進や財政調整基金の確保に加え、有利な市債を積極的に活用していくとありました。
 公共施設個別計画や中期財政試算でも有利な市債を積極的に活用すると書かれておりますが、具体的にはどのような面で有利なのか、またこれらの市債を活用することで、どの程度市の負担が削減できる見込みなのか。様々な事業がありますが、ここでは庁舎等再編整備と市民交流ゾーンの2事業を例に、公共施設個別計画や中期財政試算で示す有利な市債を活用する場合と活用しない場合を比較して、市の実質的な負担はどのぐらい削減されるのか、効果額についてお答えください。
 最後に、私は市議会議員に立候補させていただく前、岡山県出身の元参議院議員、元総務大臣の片山 虎之助先生の秘書として10年以上働かせていただきました。現在は病床の身ではございますが、一昨日、出身地である笠岡市の名誉市民に推戴され、私も元秘書として式典に参加する機会をいただき、参加させていただきました。
 片山先生が総務大臣をしていたときの2003年、総務省から倉敷市に総務局長として出向、収入役を経て2008年に市長選で初当選されましたのが伊東市長であります。私が片山先生に会うたびに、伊東は頑張っているかと、自分の娘を心配する父親のように気にしていたことが昨日のことのように思い出されます。
 片山先生の座右の銘に、信なくば立たずという孔子の言葉があります。政治は民衆の信頼なくして成り立つものではなく、政治を行っていく上で一番大切なことは信頼であるとの意味ですが、伊東市長は4期16年、市民からの厚い信頼を受け、市政を前に進めてこられました。今回の代表質問初日に、次期市長選挙についての質問に対して、伊東市長が5期目への出馬を表明されております。
 任期中、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアによるウクライナ侵攻などによる物価上昇や人件費の高騰など、多岐にわたる課題により市政を取り巻く情勢が見通せない中でも、負債を着実に減らしつつ、将来に向けた政策を実行してきており、私たちの会派、新風くらしきも伊東市長のこれまでの取組を高く評価しておりまして、市政の継続に向かって頑張っていただきたいと考えておりますので、これまでと変わらぬ信念で、信頼の持てる市政の実現のために前に進めていく取組をお願いして、私の代表質問を終わりにします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 皆様おはようございます。本日も代表質問、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、新風くらしき代表質問、日向 豊議員さんの御質問に順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず、防災についてのうち、山陽ハイツ跡地の都市防災公園及び複合施設整備についてでございます。
 まず、この山陽ハイツ跡地の整備につきましては、防災備蓄倉庫、そして学校給食共同調理場、複合施設、そして子供さんたちが遊んでいただけるような大型遊具などを備えまして、広域的にも災害時の一時的な避難場所となる、そういうものとして整備をしているところでございます。
 そういった中で、今後の名称等についてどういうふうにするのかという御質問でございました。
 現在は、この都市防災公園及び複合施設の詳細設計を進めており、既存施設につきましては解体・撤去工事が完了しているところでございます。
 市といたしまして名称につきましては、詳しい整備内容の公表に合わせて公募していきたいというふうに考えておりまして、方法、時期等につきましては現在検討しているところでございます。市民の皆様に愛される都市防災公園となるように、皆さんに名前の決定のときからいろいろ関心を持っていただけるように取り組んでいきたいと思っております。
 続きまして、将来を見据えた産業振興策についてのうち、MICE誘致推進事業についてお答えいたします。
 MICE誘致推進事業についてでございますけれども、倉敷市では平成28年のG7教育大臣会合、そして昨年のG7労働雇用大臣会合と、G7の大臣会合の開催地に2回なりました経験を生かして、今後積極的に国際会議等も含めます大型の会議や企業研修、展示会など、いわゆるMICE全般に力を入れたいというふうに思っております。もちろん個々人の方や団体の方が観光に来ていただくということも大変大切なわけでございますが、それに加えまして、一段の経済的な効果が生まれるものとして、国際会議をはじめとする会議の誘致に力を入れたいという思いでございます。
 このMICEの開催につきましては、例えばそのたびにサミットの大臣会合を誘致した場所だということがその会議の中でも言われることによって都市ブランド力の向上にもつながると思いますし、大臣会合のときにも多くの方に御紹介した倉敷市のいろいろな特産品などについても、これは大臣会合で使われた何々ですということなども言っていただけて、ビジネス機会の創出にもなると思っております。
 もちろん地域の皆様の地域の誇りの醸成につながるというふうに思っているわけでございますが、今このMICEの誘致について考えておりますことは、観光の分野ということだけではなくて、さきの大臣会合でも倉敷市の文化や産業の歴史、地域の起こり、地域のいろいろな歴史などについて発信したことが国際的な大臣の皆様、代表団から、なぜ今この倉敷のまちがあるのか、観光地かというところあたりが非常に心に残って、すばらしい会合だったというふうに言っていただけたということがありました。ですので、観光という面だけではなくて、歴史や文化、それから産業や国際交流、そして例えばスポーツなども含めて、幅広くMICEとして発信するものが必要じゃないかと思いましたことから、文化産業局長の直下に室を設置するという考え方に至ったところでございます。
 人員体制につきましては、現在来年度の体制について検討しているところでございますが、MICE誘致に向けて、関係各課で連携して取り組めるような体制にしていきたいというふうに考えているところでございます。
 続きまして、倉敷市の財政についてお答えいたします。
 その中の、特に市長の公約である負債削減の実績はどうかということでございます。
 私は、市長就任以来、一貫して負債の削減を公約に掲げておりまして、財政健全化が非常に重要だという思いを持っております。
 負債の削減を図ることで、もちろん財政力の強化でありますとか、それから将来の世代に大きな負担を残さない、将来の様々な事業があるわけですので、それに向けて財政体制を強くしていくことが持続可能な財政運営を行っていくということでございまして、今回の任期におきましても負債残高の200億円以上の削減を目標として取組を進めてきているところでございます。
 今任期の負債削減額といたしましては、実質的に市の負債とならない臨時財政対策債、それから平成30年豪雨災害に係る市債を除きまして、前回の4年前と比べるということで、令和元年度末の負債残高が2,526億円で、令和5年度末についてはまだ確定していませんので、ひとまず令和4年度末と比較をいたしますと、負債残高が2,252億円で、274億円の削減となってございます。
 また、市長就任時から全部でどのくらいになっているのかということでは、平成19年度末の負債残高が3,550億円でございます。先ほど申し上げました、今確定している令和4年度末の負債残高が2,252億円でございますので、比較いたしまして、通算これまでに1,298億円の削減ということで何とか進めてきているところでございます。
 今後の社会保障関係経費の増加とか、それから今回も様々にお願いをしております公共施設個別計画の進捗等がございますので、多くの財源が必要となる見込みでございます。今後も、この負債の削減、それから財政的に有利な市債の活用、それから各基金の活用などによりまして、また行財政改革プランの着実な実行により、持続可能な財政運営を目指してまいりたいと考えているところでございます。
 その他の質問につきましては、担当よりお答えさせていただきたいと思いますけれども、先ほどもお話いただきましたように、私が平成15年に倉敷市に出向させていただくときに片山先生が総務大臣でいらっしゃいました。先生から、とにかくしっかり倉敷のために頑張ってこいというふうにお話をいただいて、この場に今つながっておりますので、その思いをしっかり受けまして頑張っていきたいというふうに思っております。
 以上で御答弁とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 防災についてのうち、妊婦、乳児用品の備蓄についてでございますが、本市における災害物資の備蓄については、倉敷市備蓄計画により計画的な調達を行っております。その中で、女性や妊産婦、乳幼児向け用品として、生理用品、乳児・小児用紙おむつ、粉ミルクを備蓄しているところですが、妊産婦用下着、母乳パッド、離乳食等については、サイズや種類が多岐にわたることや、消費期限が著しく短いものがあることなどから、本市では流通備蓄での調達を基本としているところです。
 しかしながら、広域災害発生時においては、プッシュ型支援の遅延や流通備蓄での調達が困難となる可能性も考えられるため、内閣府が令和2年に作成した男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインを活用して、保健所等の関係部局と連携を図り、備えるべき品目や数量について検討してまいります。
 続きまして、液状化についての市民への啓発についてでございますが、本市では岡山県が平成25年3月に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定に基づき、平成25年8月に震度分布図、液状化危険度分布図及び津波浸水想定区域を掲載したわが家の津波ハザードマップを作成し、全戸配布を行っております。
 現在、国の南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会において、最新の知見による被害想定の算出手法の見直しを行っており、その検討結果に基づき、岡山県が新たな震度分布図、液状化危険度分布図及び津波浸水想定区域等を公表すると伺っております。本市としても、公表され次第、速やかにわが家の津波ハザードマップの改定を行い、全戸配布により市民の皆様に周知してまいります。
○議長(中島光浩君) 尾崎総務局長。
◎総務局長(尾崎英樹君) 今後、建設予定の公共施設の液状化対策についてでございますが、防災危機管理センター棟につきましては、建設場所の地盤調査の結果に基づきまして、液状化を防止するため建物の地盤を締め固めて改良するとともに、地下の支持層まで達するくいを打つように設計を進めておりますが、建物への進入路等の液状化対策につきましては、今後外構整備の詳細設計を詰めていく中で、その必要性について検討してまいります。
 また、今後建て替えを予定している庄支所、茶屋町支所につきましても、現地の地盤調査から得られる情報などを基に液状化対策の必要性について考えてまいります。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 緊急輸送道路の無電柱化についてでございますが、本市では大規模地震など災害時の電柱倒壊による道路の閉塞を防止し、緊急車両等の通行を確保するため、令和3年度に倉敷市無電柱化推進計画を策定しました。
 本計画では、国道2号から防災拠点となる倉敷市役所、倉敷消防署、JR倉敷駅にアクセスする第1次緊急輸送道路、駅前古城池霞橋線及び羽島四十瀬線を無電柱化することとしております。
 現在行っている駅前古城池霞橋線の設計がほぼ完了し、令和6年度より整備工事に着手いたします。
 羽島四十瀬線の整備につきましては、中国地区電線類地中化協議会等において関係機関との協議を進めるとともに、沿線住民や店舗等への啓発を積極的に行い、早期に工事着手できるように努めてまいります。
 山陽ハイツ跡地の都市防災公園及び複合施設整備事業についてのうち、アクセス道路の渋滞対策についてでございますが、市道新田天城線と市道有城13号線が交わる山陽ハイツ交差点においては、現在両市道とも片側1車線の道路で、右左折車線が設置されていない状況であり、都市防災公園の完成後には渋滞発生が懸念されています。市といたしましては、今後都市防災公園や複合施設のオープンに向け、渋滞対策について警察署と協議を進めているところであり、必要な対策を行ってまいりたいと考えております。
 次に、駐車場対策についてでございますが、都市防災公園及び複合施設の駐車場台数は、合計約240台を確保する予定です。休日やイベントの開催時においては、多くの市民の皆様が利用されると考えられるため、駐車場不足の対策が必要となります。このため、違法駐車の防止や長時間駐車の抑制、またできるだけ多くの方に公園を利用していただけるよう駐車場の有料化を検討しているところです。
○議長(中島光浩君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) 都市防災公園及び複合施設の完成後の運営・管理体制についてでございますが、民間企業やその他の団体などのノウハウを幅広く活用し、住民サービスの向上を図るとともに、経費の削減を図ることを目的として、公園及び複合施設を一体的に運営、管理する指定管理者制度の導入も含めて検討しているところでございます。
 次に、将来を見据えた産業振興策についてのうち、企業誘致のための用地の確保についてでございますが、新たな企業を誘致することは地域経済の活性化を図るための重要な施策の一つと考えております。現在、企業誘致のための産業用地としては、公的・民間団地などにほとんど空きがない状況であり、県とも連携して遊休地や空き工場などの民有地情報の収集とニーズのマッチングに努めているところです。また、昨年10月には産業全体に影響を及ぼす喫緊の課題である物流の効率化を促進するため、特定物流業務施設に関する立地に係る基準の緩和を実施したところです。
 本市では、倉敷市商工業活性化ビジョンにおいて、研究開発機能を備えたマザー工場や産業連関効果の高い産業の立地を促進することとしており、その用地の確保につきましては、市域全体のまちづくりの基本的な方針を示した都市計画マスタープランや農業振興地域整備計画など、関連する計画との整合性を図るとともに、各災害警戒区域など、地勢の特異性なども考慮した上で、地域未来投資促進法への対応についても総合的に判断しながら取り組んでいく必要があると考えております。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 交通政策についてのうち、公共交通不便地域における新たな移動手段の確保についてでございますが、本市では公共交通不便地域における移動手段の確保に向けて、コミュニティータクシーの普及、促進を図っております。
 コミュニティータクシーは、比較的小さな地域において利用者のニーズに合わせた運行が可能となりますが、地域の合意形成や経路、乗降地点、乗車時刻が制限されるなどの課題があります。
 一方で、コミュニティータクシーを補完する移動手段としては、ボランティア運行や病院等が行っている送迎サービスの活用、タクシーの相乗りサービス、オンデマンドタクシーなどがあると考えられますが、多額のシステム管理費用などが必要となってくるものもあるため、様々な移動手段について研究しているところでございます。
 次に、無料デーについてでございますが、路線バス・臨鉄無料デーにつきましては、令和4年度は4回実施し、実施日によって異なるものの、利用者はふだんの約1.9倍から3.2倍になりました。また、令和5年度は6回の実施で、同じく約1.8倍から2.4倍となっております。
 無料デーと同じ日に開催されました倉敷屏風祭や児島の三白市、備中玉島みなと朝市、水島港まつりなどとの相乗効果もあり、観光地や市街地のにぎわい創出につながるとともに、市民の皆様が公共交通を利用するきっかけになったと考えております。
 本事業は、新型コロナウイルスの影響を受け、経営環境が悪化している運行事業者に対し、国の交付金を用いて実施したものでございます。
 本市といたしましては、この2年間の実施状況を踏まえながら、公共交通の利用を促進する施策などについて検討してまいりたいと考えております。
 次に、都市計画道路についてでございますが、都市計画道路は円滑な都市交通と良好な都市環境を形成するために定めており、市内では国、県、市がそれぞれ整備を行い、令和5年3月末現在、全延長343キロメートルのうち約264キロメートル、約77%が供用しています。都市計画道路の整備により、道路ネットワークの形成による交通渋滞の解消、災害時の緊急輸送道路の確保など、都市防災性の向上、安全で快適な歩道空間、自転車走行空間の確保など多くの効果が期待されます。このことが中心市街地の活性化や住みよい環境の形成につながり、市が進めるコンパクトなまちづくりに寄与するものと考えています。都市計画道路の整備につきましては、今後も国、県と役割を分担しながら効率的に進めてまいります。
 次に、都市計画道路生坂二日市線、二日市曽根線と国道2号との立体交差化についてでございますが、本市では外環状線となる生坂二日市線の羽島から二日市に至る延長1,020メートルの区間について令和2年度に事業着手し、現在早期完成を目指し、トンネル部の地質調査を行っております。
 また、生坂二日市線と接続する国道2号南側の二日市曽根線は、本市中心部と岡山市を結ぶ広域幹線道路であるため、県知事とのトップミーティングや地元選出県議会議員との市政懇談会において整備の要望を重ねて行っているところです。
 これら2路線と国道2号線との交差点については、将来の立体交差化を見据えた整備を進めることがより効果的な道路ネットワーク形成につながると考えております。このため、二日市曽根線の整備について、引き続き県へ強く要望してまいります。
 JR山陽本線等倉敷駅付近連続立体交差事業についてでございますが、倉敷駅周辺では大規模な避難場所は駅北側の倉敷みらい公園と地域活性化包括協定を結んでいる複合型商業施設に限られ、災害時に拠点となる病院は駅南側に立地しています。鉄道に沿ったフェンスによって市街地が南北に分断されており、踏切遮断などにより避難、救急活動の大きな妨げとなっています。連続立体交差事業は、鉄道を高架化することで多数の踏切除却や道路との立体交差を一挙に実現し、避難場所や医療施設へのアクセス経路を多数確保するなど、都市防災機能の向上を図るために必要不可欠な事業であると考えております。
 現在、コスト縮減3案のうち案2と案3が水島臨海鉄道の路面電車化が前提となっているため、県は路面電車化における軌道や道路の位置等の構造面の課題について具体的な検討を行っているところであります。水島臨海鉄道の路面電車化の課題の検討後は、水島臨海鉄道も高架化する案1での早期決定に向け、県や関係機関と協議してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 答弁の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は11時15分からの予定です。

            午前11時 3分  休 憩

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            午前11時15分  開 議
○議長(中島光浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 海ごみについてのプラスチックごみの海洋に流れ出す前の対策をについてでございますが、現在市ではポイ捨て防止の取組や清掃活動への参加の呼びかけ、回収した海ごみの処理などを行っているほか、高梁川流域市町と連携した高梁川流域瀬戸内海ブルー・オーシャン事業を進めております。
 この事業では、令和2年度に瀬戸内海へ流出するごみの実態調査を行い、その調査結果をDVDや啓発パネルにまとめておりますが、これらを活用して令和3年度以降は倉敷市動画チャンネルでの啓発や各市町のイベントなどへの出展を行うなど、高梁川流域圏域で海ごみ削減への意識の醸成を図っているところです。
 今後の取組といたしましては、引き続き流域市町と意識啓発を進めるとともに、令和6年度、新たに海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックの簡易調査を行う啓発体験プログラムを作成し、地域住民や学生向けに学習会、研修などの実施も予定するなど、海ごみの発生抑制に向けた普及、啓発に取り組んでまいります。
○議長(中島光浩君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 倉敷市の財政についてのうち、財政調整基金の今後の見込みについてでございますが、骨格予算では本来であれば財政調整基金の取崩しは行いませんが、令和6年度当初予算では物価高騰や人件費の上昇に見合うほどの歳入の増加が見込めないため、財政調整基金の取崩しにより財源の調整を行っております。今後、6月補正予算でも取崩しを行うことが見込まれますが、令和5年度決算に伴う決算剰余金が例年どおり発生すれば一定程度復元することは可能であり、予算編成に大きな影響はないと考えております。
 財政調整基金の保有額の目標につきましては、一般的に地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的な一般財源の規模を示す標準財政規模の10から15%程度が適正と言われております。本市の令和4年度の標準財政規模が1,129億円余りに対して、令和4年度末の財政調整基金残高はその約11%に当たる126億円となっており、今後も災害等に備えて同程度以上は確保していきたいと考えております。
 次に、公共施設個別計画に基づく事業に対する実質的な市の負担はでございますが、本計画は令和4年度から13年度までの10年間で老朽化した公共施設の長寿命化や集約化、複合化に対し、有利な市債を積極的に活用し、順次取り組むものでございます。
 有利な市債とは、公共施設等適正管理推進事業債や緊急防災・減災事業債など、後年度の元利償還金に対して30から70%を地方交付税で措置される市債のことでございます。
 市の負債削減効果につきましては、庁舎等再編整備事業の行政ゾーン整備及び市民交流ゾーン整備を合わせた事業費約153.5億円に対し、国庫補助金が22億円見込まれており、通常の市債を活用した場合の実質的な市の負担額は、差額の131.5億円となります。これに対して、公共施設等適正管理推進事業債などの有利な市債を活用し、後年度の地方交付税措置を加味すると実質的な市の負担額は70.5億円となり、61億円の削減効果となる見込みでございます。有利な市債はそれぞれ利用期間の制限がありますが、今後も積極的に活用し、公共施設個別計画の推進や全市的な防災・減災対策に取り組んでまいります。
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