令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月1日(金) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
新垣 敦子 議員
1 子どもの健やかな育ちのために
2 誰もが個性と能力を発揮して、いきいきと活躍できる社会のために
3 SDGsの理念に基づく取り組みを進めるために
◆15番(新垣敦子君) (拍手) 皆様おはようございます。公明党倉敷市議団の新垣 敦子でございます。久しぶりのトップバッターとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、一問一答の方式により順次御質問申し上げます。
まず1項目め、子どもの健やかな育ちのために3点お尋ねいたします。
1点目、学校健診の現状と環境整備についてお伺いいたします。
小・中学校で行われている健康診断は、学校保健安全法に基づいて実施されています。学校健診の重要性は、家庭の保護者が子供の健康状況に関心を持つ家庭、持たない家庭、または持てない家庭と様々ある中で、全ての児童、生徒が学校で健診を受けることで健康状況をしっかり把握でき、また虐待を発見するきっかけにもなるということにあります。
これまでは自治体や学校ごとに、学校健診の運用や考え方に違いがあるという実情があり、正確で確実な検査と児童、生徒のプライバシーや心情への配慮をどう両立していくのかが大きな課題となっています。
文部科学省は、本年1月22日通知を発出し、その中で、正確で確実な検査と児童、生徒のプライバシーや心情への配慮を両立できる適切な学校健診に対する環境整備について、基本的な考え方を示されました。通知の内容について、市内の学校健診に関わる関係者の皆さんできちんと共有していただくことが重要だと思います。
本市の学校健診の現状と、児童、生徒が安心して健診を受けられる体制整備と、医師会や学校医の先生方との円滑な実施に向けた今後の取組についてお考えをお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 皆さんおはようございます。新垣 敦子議員さんの御質問にお答えをさせていただきます。
倉敷市立の学校園におきましては、児童、生徒等の健康診断の実施に当たり、公益財団法人日本学校保健会が発行する児童生徒等の健康診断マニュアルに従い、健康診断に立ち会う教職員は、児童、生徒等と同性とする。待機時には、体操服やタオル等で身体を隠せるなどの配慮を行っております。
こうした中、令和6年1月に文部科学省より、児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備について通知がされ、より具体的な考え方が示されました。
現在、この通知に従い、原則着衣のまま診察を受けることができるなど、児童、生徒等のプライバシーや心情に配慮し、また必要に応じて学校医が着衣の下から聴診器を入れることができるなど、検査、診察における対応や服装について倉敷市連合医師会と協議を行っており、3月中には全学校園へ周知する予定でございます。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 既に市連合医師会とも協議をされ、3月中には全学校園にも周知をされるということですので、情報共有をしっかりとしていただきますようお願いいたします。児童、生徒が安心して健康診断を受けられるよう体制を整備することは、保護者の安心にもつながりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、この項2点目、乳幼児健康診査について2つお伺いいたします。
1つ目、1か月児及び5歳児の健康診査の実施について伺います。
母子保健法では、現在、市町村において、1歳6か月児と3歳児に対する健康診査の実施が義務づけられています。国は、新たに1か月児、5歳児の健康診査の費用助成等を行うことで、出産後から就学前までの切れ目のない健康診査体制の整備を目的に、全国の自治体での実施を目指しています。
議長のお許しを得て資料を添付しております。御覧ください。
1歳6か月児と3歳児法定健診以外では、御覧のとおり、一部の自治体においては既に独自に行っているところもあり、本市でも独自に2歳児歯科健診を実施してくださっています。
この1か月児及び5歳児の健康診査の実施において、国は、1か月児については発育状況や栄養状態、身体の異常の早期発見、また5歳児については就学前の発達障がいの特性の早期発見等を目的としており、非常に重要な健康診査であると考えます。国は、補正予算で15億円を計上し、補助率2分の1の案を示していますので、本市が実施する場合、財政負担も生じる見込みです。また、健診のための人員や場所の確保の問題もあると思います。
1か月児及び5歳児の健康診査実施に向けて、本市ではどのように検討、準備をしておられるのでしょうか。今後のスケジュールも含めてお示しください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 本市では、法で義務づけられた1歳6か月児及び3歳児の健康診査に加え、1歳のお誕生月までに3回まで指定の受診票を用いて健康診査を受けていただくことができます。この任意の健康診査は、首の据わる時期や寝返りを始める時期などの子供の発育段階に合わせて、生後3か月以降の受診を推奨しています。
このたび、国は、出生後から就学前までの切れ目のない健康診査の実施体制を整備するため、新たに1か月児及び5歳児を対象とした任意の健康診査について、費用助成を行うこととしております。国が目指す1か月児健康診査は身体の異常の早期発見等を、また5歳児健康診査は子供の発達特性の早期発見等を目的としております。
本市におきましては、この目的を踏まえ、保護者が受診しやすい体制や健康診査後のフォロー体制等について、次年度以降、医師会や関係課等と協議し、検討を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 以前、発達障がい児の早期発見の重要性と本市の取組について質問させていただいたときに、本市でも1歳6か月児健診での発達特性の早期発見は重要だとの認識に立って、早期発見、早期支援につなげていただいていることを伺っております。新たに実施されることになる5歳児健康診査は、それまでの1歳6か月児及び3歳児健診で何らかの支援が必要と思われる所見がなかった子でも、就学前の早期発見につながる可能性があります。
そこで、2つ目として、5歳児健康診査後の支援体制について伺います。
健康診査後にそのような所見が認められた場合には、必要な支援につなげる地域のフォローアップ体制が重要とされており、国も5歳児健診後の体制整備を市町村に求めています。
その必要な支援のための本市の課題と関係部署との連携、体制整備についてどのように考えておられるのでしょうか。お聞かせください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 国が実施を求める5歳児健康診査は、子供の健康状態の把握や発達特性の早期発見等を目的としています。健康診査の結果、何らかの支援が必要とされた幼児については、就学前までに必要な支援につながるように市町村で体制の整備を行うこととされています。このフォロー体制を整備していくためには、受皿となる専門の医療機関や児童発達支援センターなどの療育機関の協力が必要となります。
また、本市では、就学時健康診断や5歳児が受けることのできる幼稚園、保育所等での定期健康診断を実施しています。これらの健康診断と国の求める5歳児健康診査の関係性を整理した上で、支援が必要な幼児に対するフォロー体制を整備していく必要があると認識しております。
こうしたことから、本市といたしましては、次年度以降、国の求める5歳児健康診査の実施に向け、教育委員会や保育・幼稚園課、医師会等と協議し、検討を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 医療機関や療育機関の連携も必要でございますし、いずれにしても、様々な準備が必要だと思います。新年度以降ということですので、できるだけ早期の実施に向けて健診体制を整えていただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、この項最後、子供を性犯罪の被害者にも加害者にもしないために、子供を守るアプリの導入についてお伺いいたします。
スマートフォンの普及によりSNSの利用者が増え、近年では撮影した写真や動画を、SNSのアプリを通じてネット上でシェアすることが定着してきました。子供社会の中でもSNSの利用が進んでいることを前提として、保護者も子供と一緒に、様々な危険性があることを理解する必要があります。
実際、SNS等を通じて知り合った相手から、自身の裸や下着姿などの画像や動画を自撮り、送信させられるなどの被害が増加しており、さらには学校で配付されるタブレット端末による同様の問題が全国の学校現場で起きている事実に、緊急に対策の必要性を感じます。
こうした子供自身が被害者にも加害者にもなり得る性犯罪事件が増加している現状を重く見た愛知県警が、藤田医科大学、同大学の客員講師が代表を務める会社とともに、産官学の連携によりAIを利用して被害を防止するアプリを開発されたことを知りました。このアプリは、子供を守るという意味から、コドマモと名づけられています。
議長のお許しをいただきまして、コドマモのチラシを添付させていただいております。どうぞ御覧ください。
このアプリは、子供が自分のスマートフォンで裸や下着姿などのわいせつな画像を撮影、保存した際、AIが撮影データを判別し、画像を削除するよう促す通知が表示されるとともに保護者にも通知されるという、ペアレンタルコントロールができるシステムのことです。AIは、サーバーを介さず端末上で完結するため、個人情報漏えいの心配はなく、スマートフォンにインストールすることで画像フォルダーとアプリが連携し、撮影データが画像フォルダーに保存される際にAIが判別するため、あらゆるアプリ内の機能による撮影画像に対しても判別可能となります。本年3月より、アプリの無料インストールが可能となるとお聞きしています。
性教育、情報モラル教育と併せて、子供たちが重大な性犯罪に巻き込まれる危険性を直前で回避できる具体的な対策を講じることが重要と考えます。
本市においても子供を守るために、愛知県警等が開発したアプリ、コドマモの活用を保護者に周知してはどうかと考えますが、本市のお考えをお聞かせください。
また、学校配付の1人1台端末は、学校でも、また現在は自宅に持ち帰った後でも子供たちが利用することから、大人の目が届きにくい時間帯でも子供を性被害、性加害から守ることができると考えられるコドマモアプリを、学校配付のタブレット端末にインストールしてはどうかと考えますが、教育委員会のお考えをお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 子供を守るAIを利用したアプリは、子供の深刻な性被害が全国的に増える中、愛知県警が被害防止対策のために、アプリ開発会社や愛知県内の大学と連携して開発したものでございます。
このアプリには、子供がわいせつな画像をスマートフォンで撮影、保存した際、AIが撮影データを判別し、画像を削除するよう表示されるとともに、保護者にも危険性が通知される機能があります。
なお、保護者への周知、啓発につきましては、このアプリの有効性や安全性等を研究する必要があると考えており、あわせて子供が性犯罪に遭わないための取組についても研究してまいります。
また、児童、生徒の1人1台端末への導入につきましては、このアプリがスマートフォン向けアプリであることなどにより、運用面や管理面に課題があるというふうに考えております。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 先ほどお示ししましたチラシには、学校のタブレットにもインストール可能なような表記がありました。ですが、まだ新しいアプリですし、ほかにも同様の機能があるアプリもあろうかと思います。子供たちのために、より効果的な対策についてしっかりと研究していただきたいというふうに思います。
それでは、次の質問に移ります。次に、2項目め、誰もが個性と能力を発揮して、いきいきと活躍できる社会のために、困難を抱える女性を支える相談支援の充実を求めて2点お尋ねいたします。
1点目、倉敷市男女共同参画推進センター、ウィズアップくらしきの役割と職員の配置についてお伺いいたします。
男女共同参画社会とは、性別に関係なく誰もが個性と能力を発揮して、生き生きと活躍できる社会ですが、あらゆる暴力にさらされたり、安心して暮らせる生活環境を整えられない、いわゆる困難を抱えた女性が存在します。
いよいよ、新法と新計画に基づく困難女性への支援の具体的な取組がこの春から始まるわけですが、改めて倉敷市男女共同参画推進センターの今後の役割についてお伺いいたします。あわせて、センターの職員体制についても確認させてください。
○議長(中島光浩君) 森市民局長。
◎市民局長(森吉晴君) 倉敷市男女共同参画推進センターは、本市における男女共同参画社会の形成を推進するための拠点施設といたしまして、学習や啓発の事業を行っているほか、家庭、地域、職場などの様々な悩みをお聞きする相談事業を行っております。また、平成21年度からは、DV被害者などからの相談に対応する配偶者暴力相談支援センターの機能も持たせ、これらの業務に職員5名で当たっているところでございます。
本年4月から、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されますが、引き続き関係部署との連携を図りながら、様々な悩みや困り事の相談窓口といたしまして、また男女共同参画社会の形成を推進する拠点施設といたしまして、機能してまいります。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) この項2点目、配偶者暴力相談支援センターの職員の適正配置についてお伺いいたします。
先ほど御答弁でもありましたように、ウィズアップくらしきは、男女共同参画の推進、啓発の役割と、様々な悩みの相談窓口としての機能を併せ持っています。特に配偶者暴力相談支援センター、いわゆる配暴センターは高梁川流域の支援事業として実施されていますが、職員の配置は、ウィズアップ全体の事業を5人の職員で担っておられる状況です。所長が正規の職員ですので、残りの4人の方が会計年度任用職員ということになります。
現時点での岡山県困難な問題を抱える女性支援計画素案の大きな特徴は、とりわけDV被害者へのサポートを重視した点です。相談窓口の認知度を高め、DV被害の潜在化を防ぐ取組も強化します。
ウィズアップくらしきでのDV相談についても、電話や面接相談の増加が予想されますし、十分な相談体制を整えておく必要があると思います。DVだけでなく、あらゆる相談を受けるところという意味でも、センターの職員の一定の相談対応スキルが求められ、経験や研修で積み上がっていくものも多いと思います。会計年度任用職員は、期末手当や勤勉手当などの支給で、給与面では多少改善されてきましたが、最長でも5年、短い人では1・2年で辞められる方もあるとお聞きしています。また、福祉との連携が重要なことからも、その観点からの知識も必要となります。
男女共同参画推進業務と今後増加すると思われるDV等の相談業務を、チームとして役割が果たせるように配暴センターにも、ウィズアップくらしきの所長とは別に、できれば福祉部局の経験がある正規の職員の配置を検討すべきと考えますが、本市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 森市民局長。
◎市民局長(森吉晴君) 男女共同参画推進センターでは、様々な悩みを抱えた方々の相談をはじめとして、配偶者暴力相談支援センターの機能として、DV被害者などからの相談にも対応しております。相談内容によりましては、支援を担う福祉部署や県の女性相談所、民間団体等との緊密な連携が必要となりますが、限られた人員の中で効率的に業務を進めております。
今後につきましても、関係部署と連携して対応に当たるとともに、日々の業務や研修などを通じまして、職員一人一人のスキルアップに努め、必要な支援につなげてまいります。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 困難女性支援関連の県事業として、民間団体に対する相談員の資質向上のための研修事業に予算がついていると聞きました。DV被害者支援の民間団体の方からは、相談員をフォローする専門員の配置があれば非常に心強いというお話もお聞きしています。職員の増員により、本市の相談員のスキルアップ研修も受けやすくなると思います。どうか前向きに今後検討していただけますよう、強く要望しておきたいと思います。
それでは、最後の3項目め、SDGsの理念に基づく取り組みを進めるために4点お尋ねいたします。
まず1点目、空き家を活用した若者世代の移住促進についてお伺いいたします。
人口減少、少子化へ歯止めをかける子育て世代への支援策として、若者世代への住宅支援については、会派の代表質問で中西 善之議員がお聞きしています。私からは、SDGsの観点から、持続可能な倉敷市のために、移住を検討している若者世代に向けて空き家を活用した移住施策の検討を求めたいと思います。
全国の空き家は推計で252万戸と言われ、倉敷市でも8,892戸の空き家があるとお聞きしました。手入れをすれば、まだ十分住める空き家はたくさんあると思います。
例えば、居住誘導区域にある利用予定のない空き家を市が借り受け、リノベーションして移住者に安価で貸し出します。一定年数、仮に10年としますが、住み続けてもらった後、市内での転居または譲渡を選択できるようにする。所有者には、その間の固定資産税相当額を市が賃料として支払うというようなアイデアを考えてみました。仮に300万円でリノベーションして、1か月3万円の家賃で10年住んでもらうと、家賃収入は360万円になります。市としては、損はしないと思いますが、たとえ家賃を下げても、若い納税者の世帯が移住してきてくれれば、必ずまちは元気になります。
若者世代を呼び込むためには、他の中核市にはないユニークな仕掛けが必要だと思いますが、本市のお考えをお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 本市では、これまで移住を検討されている方を呼び込むため、様々な移住定住促進の取組を行っております。とりわけ若い世代に関心を持っていただくため、インスタグラム等のSNSを使った情報発信により、20代から30代の若者や小さなお子様がいる家族の移住事例を数多く紹介しております。ほかにも、市内各エリアを紹介する移住体験ツアーでは、デニムのダメージ加工やインディゴ染めなど、若い世代の目を引く体験プログラムが好評を得ているところです。
また、本市では、売買、賃貸による空き家の流通を促進させる施策として、市内の空き家情報を掲載した倉敷市空き家情報バンクを設けており、移住検討者も利用することができます。
議員御提案の空き家を活用した若者世代の移住促進につきましては、他の自治体の事例等も参考にしながら研究してまいります。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) ぜひよろしくお願いいたします。
次に、この項2点目、紙おむつの資源化についてお伺いいたします。
高齢化が進み、家庭や事業所などからごみとして排出される紙おむつが年々増加をしています。新聞記事によると、し尿の付着した紙おむつは燃えにくい反面、プラスチックを含んでいるため燃え始めると高温になり、焼却炉への負荷が大きくなって、自治体の負担増などの課題があるとのことでした。新潟県十日町市での固形燃料化や鹿児島県志布志市と大崎町での紙おむつへの再生利用など、取組例が紹介されていました。
環境省の推計では、2030年度には、使用済み紙おむつの発生量は年間約245万トンから261万トンに達し、ごみ全体に占める割合は約7%に上るとされています。現在、全国約35の自治体で紙おむつの再資源化を検討または実施しているとのことで、環境省も2020年には使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドラインを策定しており、2030年度までに100自治体への取組拡大を目指しています。
本市としても、SDGsの観点から、増え続ける紙おむつ問題に対処するため、再資源化の取組を検討してはどうかと考えますが、見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 豊田環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(豊田浩二君) 国においては、ごみ焼却量の削減やごみの資源化を促進するため、使用済み紙おむつの再生利用等の検討を行っております。
これまでの検討では、高齢化社会の進展により、今後廃棄される紙おむつの量の増加が見込まれるとともに、使用済み紙おむつから、段ボール製造に使用するパルプや焼却施設で利用できる固形燃料等へのリサイクルが技術的に可能とされております。
一方、使用済み紙おむつを単独で収集するための回収ボックスの設置や周辺の悪臭対策、収集運搬及びリサイクルに係るコストの増加、近隣にリサイクル施設がないことなど、多くの課題が示されております。
本市としましては、こうした効果や課題を踏まえ、今後も国の動向を注視しながら研究してまいります。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) よろしくお願いいたします。
それでは次に、この項3点目、インクルーシブ公園についてお伺いいたします。
3年前の2月議会で、障がいのある子もない子も、大人も子供も、誰もが一緒に遊べるインクルーシブ公園の整備を求めて質問をしています。アメリカ発祥で、当時はまだ日本に2か所しか整備されていないものだったこともあり、なじみがなく、教育や福祉の関連部署と連携して研究していくとの御答弁をいただいていました。
間もなく供用開始予定のまびふれあい公園や旧山陽ハイツ跡地に整備予定の(仮称)都市防災公園については、市民の皆さんも大変楽しみにしておられ、防災公園としての役割もあることから、あらゆる世代の方に、障がいの有無に関係なく利用しやすい公園となることを期待しているところですが、これらの公園には、インクルーシブの考え方は生かされているのでしょうか。また、今後のインクルーシブ公園の設置の具体的な計画があればお示しください。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) インクルーシブ公園は、障がいのある子供さんもない子供さんも、誰もが一緒に遊んでいただけるよう工夫された遊具が整備されている公園というふうに思っております。
現在、整備を進めております旧山陽ハイツ跡地の、仮称ですけれども都市防災公園、またまびふれあい公園にはこのような考え方を取り入れまして、車椅子利用の子供さん、そして視覚や聴覚に障がいのある子供さんにも配慮した遊具について、整備をしていきたいと思っているところでございます。もちろん、全部それで使えるというわけではありませんけれども、障がいのある子供さんについても楽しんでいただけるような工夫をしたいと思っております。
そして、今後も公園を整備していく場合、これはまびふれあい公園のほうもそうですけれども、公園の整備では今のような考え方と、それから公園愛護会、また町内会などの御意見も伺って、障がいのある子供さんたちも遊んでいただけるような、インクルーシブに配慮した遊具の設置について、これからも検討していきたいというふうに思っております。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 市長から御答弁をいただきました。まびふれあい公園についても(仮称)都市防災公園についても、そういったものを設置する予定ということを伺いました。ありがとうございます。今後も、小さい公園から大きい公園まで様々ありますけれども、そこも検討はできる限りやっていくということですので、インクルーシブな考え方や施設が広がることを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
この項4点目、最後の質問になります。市役所から進めるSDGsについてお伺いいたします。
質問の3項目めは、SDGsの観点からということでお尋ねしていますが、令和2年7月に倉敷市がSDGs未来都市に選定される以前から、市役所としてSDGsにしっかりと取り組んでいただいているという認識をしております。
一方、職員の中には、部署によってSDGsの捉え方に温度差があるように感じます。地方創生やまちづくりが御専門の社会構想大学院大学特任教授で関東学院大学教授の牧瀬 稔先生は地域づくりのヒントという著書の中で、自治体の事業は全てSDGsと書かれております。さらに、職員の認知度が上がらないのは、自治体職員が、自ら実施する事業がSDGsに貢献する事業だと気がついていないことによるものだと考察をされています。
SDGs、持続可能な開発目標の17の目標のうち、例えば、子育て支援であれば目標3の全ての人に健康と福祉を、困難を抱える女性支援であれば目標1の貧困をなくそうや、目標5のジェンダー平等を実現しよう、目標16の平和と公正を全ての人に、例えば、鉄道高架や公共交通とかであれば目標9の産業と技術革新の基盤をつくろう、目標11の住み続けられるまちづくりをなどが当てはまるのだと思います。
何か新しい事業でなくても、既に実施している事業がSDGsそのものと気づくために、職員の担当事業に関係するSDGsのアイコンを職員の名札や名刺にプリントしてはどうでしょうか。課の表札にも表示できればいいと思います。分かりやすく、2個ぐらいを表示すれば十分です。そうすることで、自らSDGsを意識し、市役所内外に発信するとともに、職員の仕事へのモチベーションを上げ、担当業務に対する理解を深めることにつながると思います。さらには、倉敷市の職員としての誇り、スタッフプライドの醸成につながると思います。
市役所全体で取り組んではどうかと思いますが、本市のお考えをお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 倉敷市では、第七次総合計画に掲げる目標を達成するため、国連が提唱しておりますSDGsの17のゴールに、それぞれがひもづいた事業計画としておりまして、計画自体の中にも、それぞれの項目でどれに該当するかということがマークのほうも出ている状況となっております。それゆえ、新採用職員の研修、また期別研修などで、職員に対してSDGsのことを学ぶ機会を設けているところでございます。
また、高梁川流域の事業につきましても、オリジナルの高梁川流域SDGsロゴマークをつくりまして、事業チラシに掲載するなど、市民の方をはじめとして圏域の住民の方に対しても、流域の事業がSDGsの関連であることが分かるよう、周知方法についても努めているような状況でございます。
SDGsのアイコンの名札等への掲載についてですが、既に取り組んでいる部署もあるというふうに聞いておりまして、今後も、名札等の本来の機能を失わないような範囲でマークをつけてもらえるように、これは部署によって取組方はいろいろ、どこまで取り組めるかということもあるかというふうに思いますので、ひとまずは各部署で考えてもらって、そのマークをつけやすいような、つける場合はこういうマークをつけるとかというのを企画のほうでつくって、活用事例などを庁内に周知してというような形で、職員、それから市民の皆様にも、SDGsが目に見えるような形でということを進めていければというふうに思っているところでございます。
○議長(中島光浩君) 新垣 敦子議員。
◆15番(新垣敦子君) 誰一人置き去りにしないSDGsの取組は、2030年が目標達成の年ということでございます。あと7年となりました。先ほど市長からも御説明がありましたように、既に取り組んでいるところもあるけれども、やっていただけるというふうな前向きな御回答でございましたので、しっかり工夫していただきましてSDGsの推進に、残り7年一生懸命取り組んでいただきますようによろしくお願いいたします。
質問は以上ですが、最後に一言申し上げます。去る1月31日の水曜日に、ピュアリティまきびで岡山県婦人問題懇話会の特別講演として、伊東市長が講演されたのを聞かせていただきました。一人ひとりが輝く社会の実現に向けてという題で、東京大学法学部のときのお話から、ずっと華々しい経歴を御披露していただきながら、初めて聞いたお話もたくさんありまして、今の市長になられてからも2回の国際会議を誘致するなど、そこの活躍につながっているんだなということを感じました。
その中で一番感じたところが、東大法学部の時代にサークル活動をされていて、バイクに乗られるというのも、そこで初めて知ったんですが、東京大学法律相談所というサークルに入られていて、そこで弁護士さんについていかれて、様々な困っている方の相談を聞く中で、困っている人の役に立つ喜びを知ったというふうに市長はおっしゃっておられまして、そこから人や地域のために役立つ仕事がしたいというふうなことを言われておりました。私、本当にこれは感動いたしました。
その後、ハーバード大学でたくさんの留学生の方と一緒に勉強される中で、国際間の協力の必要性も感じた。国際支援も、ボスニア・ヘルツェゴビナでも、舌をかみそうですけれど、総理府国際平和協力本部事務局参事官補佐ということで、30歳の若くて麗しい市長のお写真も見せていただきましたけれども、そこでも本当に国際的支援が大切なんだ、誰一人取り残してはいけないんだなというようなことをお聞きしました。また、人生の師の緒方 貞子さんの徹底した現場主義に倣って、そのことが市長のふれあいトークであったり、真備地区復興懇談会の取組であったりしたことにつながっていくということもお聞きしました。
本当に大変感動したものですから、ここで披露させていただきたいと思ったんですが、初心をどうかお忘れになることなく市政発展のために、市民の皆さんのために、そして困っておられる方のために、お一人お一人が幸せになるために、これからも陣頭指揮を執っていただきたいというふうに一言申し上げさせていただきます。私も全力で応援させていただきます。
それでは、以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)