録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月4日(月) 本会議 質問
青空市民クラブ
齋藤 武次郎 議員
1 障がい福祉について
2 不登校について
◆33番(齋藤武次郎君) (拍手) 皆さんおはようございます。青空市民クラブの齋藤 武次郎でございます。
 通告に従い、順次質問をさせていただきます。
 まず、質問通告第1点目の障がい福祉についてお尋ねいたします。
 ここでは、放課後等デイサービスを深く掘り下げてみたいと思います。
 放課後等デイサービスは、2012年4月に児童福祉法の改正に伴い新設された障がいを持つ子供たちのための児童福祉サービスの一つで、原則6歳から18歳までの小・中・高校生を対象に、放課後や夏休みなどの長期休暇に子供一人一人に合わせた発達支援を行う療育サービスであります。
 議長のお許しをいただき、資料を提示させていただいておりますので、御覧いただきたいと思います。
 2012年の制度創設以来、全国的に放課後等デイサービスの事業所数と利用者数は増加し続けています。それに伴い、財政負担も増加しています。そのような現状の中、倉敷市では放課後等デイサービスに空きがなく、利用したくても利用できないというお声をよくお聞きいたします。増加する需要に、供給が追いついていないということでしょうか。
 先日も、岡山市から倉敷市に転居された方から、岡山市では放課後等デイサービスを利用できていたが、倉敷市に引っ越してくると、どこもいっぱいで利用できないと相談支援事業所の方から言われたとの御相談をいただきました。
 日本で子供の人口が減少する中、発達障がいと呼ばれる子供は増え続けています。そして、発達障がいは、その子供本人の将来の自立した生活のために、早期発見、早期療育が重要とされています。その療育を受けるための放課後等デイサービスが不足をしていて、受けたくても受けられないのが現状なのであります。
 それなら、全国的にも放課後等デイサービスは増加しているわけですから、倉敷市でも増やせばいいのではないかと単純に思うわけであります。現に、岡山市では新規開所を認めてどんどん増えていっています。しかし、倉敷市では新規開所を認めていないのです。また、倉敷市内で、放課後等デイサービスに配置が必須の児童発達支援管理責任者が退職して休所せざるを得なくなった事業所や、必要な職員が採用できず閉所する日中一時支援事業所もあり、ますます利用が難しくなっている現状があります。どうしてなのでしょうか。これでは、利用したくても利用できないのは当然であります。
 そこでお尋ねいたします。倉敷市における放課後等デイサービスの現状と、利用したい人が利用できない現状をどのように認識し、今後、どのように対応していくお考えなのか、御見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 皆さんおはようございます。齋藤 武次郎議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 放課後等デイサービスは、児童福祉法に位置づけられた障がい児通所支援の一つであり、就学後の障がい児を対象とした発達支援を目的とするサービスです。
 サービス提供事業所は市内に40か所あり、現在約1,500名の児童がサービスを利用しており、児童の人口1,000人当たりの利用人数は21.4人で、中核市の中でも平均的な利用状況にあります。
 また、放課後等デイサービスの利用を希望する児童は、年々増加傾向であり、保護者の不安などから継続利用のニーズも高く、新たに利用を希望する児童がサービスを受けにくい状況であると認識しておりますので、今後も関係機関と連携し、丁寧な相談に努め、対象児や御家庭の状況に応じたサービスを提供できるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 新規の利用がしづらい現状については、御認識をいただいているようであります。であれば、やっぱりサービスの供給量を増やすことも、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 次に、放課後等デイサービスの倉敷市の利用日数制限についてお尋ねいたします。
 これも議長のお許しをいただき、資料を提示させていただきたいと思いますので、御覧いただければと思います。
 倉敷市では、放課後等デイサービスの利用は、原則月5日以内と決められています。議会事務局にお願いし、岡山県内の状況を調査してもらうと、最も利用日数が多い月に23日以内とされているのは津山市をはじめ13市町で、月5日以内と県内で最も少ないのは倉敷市と総社市のみであります。
 住んでいる自治体によって利用できる日数が異なり、その上、例えば、倉敷市に住んでいる人が岡山市の施設を利用すると月に5日以内ですが、岡山市に住んでいる人が倉敷市の施設を利用すると、岡山市の利用日数の上限である13日利用できるということが生じ得ます。納得がいかないと感じるのは、私だけでしょうか。
 そこで、同じ制限をしている総社市役所の担当者にお聞きをさせていただきました。すると、個別の特性や環境要因により、多くの支援が必要な児童は、原則以上の支給決定をする場合があり、柔軟に対応されていました。例えば、継続的な療育が必要で、次の療育が1週間後になってしまうと、今回の療育内容を忘れてしまい、またゼロからの療育になってしまうような場合は、週に2日、月に10日の支援決定をするといった具合に、明確な根拠を持たれていることが分かりました。その子供に必要な量の療育を提供するという基本的な考え方があると思いました。
 しかし、倉敷市の場合は、一部の重症心身障がい児を除いては厳しく月5日以内が適用され、5日以外は預かりサービスの日中一時支援事業を利用することを求めているように感じます。担当課にお聞きすると、倉敷市で5日より多くの利用が認められているのは、2人だけだそうであります。いかに厳しく支給決定が行われているのかが分かります。
 津山市では月に23日利用できますが、倉敷市では月に5日しか利用できません。総社市でも5日しか利用できませんが、柔軟に対応して、多くの支援が必要な児童は月5日以上利用できますが、倉敷市では厳しく5日と決めていますと説明して、保護者の皆さんや事業所の皆さんの御理解がいただけるのでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。倉敷市は、他市と比較して、放課後等デイサービスの利用日数が月5日と厳しい利用制限をしていますが、これは合理的な根拠があるのでしょうか。また、原則の5日によらず、障がいの程度や御本人の事情等により、必要とされる療育の量を提供する柔軟な対応が必要なのではないでしょうか。御見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市は、発達支援と預かりサービスを明確に区分しており、放課後等デイサービスは、対象児の発達支援を行うサービスとして位置づけた上で、家庭、学校及び関係機関での支援等の状況を勘案し、利用日数を原則5日としております。これとは別に、保護者の就労支援や一時的休息を目的とした預かりサービスについては、日中一時支援事業として実施しており、最大23日まで利用可能としているところです。
 多くの市においては、放課後等デイサービスの利用日数が対象児の発達支援だけでなく、預かりサービスを含めて設定されているものであることから、今申し上げた倉敷市の5日間と23日間、そして他自治体での全部で23日との間での利用日数の多寡について、単純な比較はできないものと考えております。
 なお、重症心身障がい児の場合は、月5日以上のサービスの利用が必要となる場合もあることから、必要な支援や対応できる事業所の体制等、個別の状況を伺って決定しております。
 引き続き、障がいの程度や対象児のニーズ等に応じて、利用日数の決定を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 他の市町では、療育だけでなく預かりサービスも含めて支給決定している例もあるとの御答弁でありましたが、確かにそのような市町もあるでしょう。しかし、全てがそうであるわけではありません。例えば、岡山市のように、その子の障がい等により、月に4日、9日、13日と利用日数を区分し、その子供に必要な療育を受けられるようにしている自治体もあります。もちろん、その日数とは別に預かりサービスも受けることができます。私は、個々の子供に合った必要な療育が、必要な量だけ受けられるような支給決定が必要だと申し上げているのであります。一律に5日と定める今のやり方は、ぜひとも見直していただきたいと思います。
 次に、倉敷市の放課後等デイサービスの厳しい利用制限の2点目に、複数の事業所利用不可というものがあります。
 倉敷市は、支援方法の違いから子供が混乱することのないよう、1つの事業所において責任を持って対象児童を支援していくべきとの考え方から、複数の事業所利用を、原則として認めておりません。このように制限している市町村は、岡山県内では倉敷市と総社市、高梁市、矢掛町、西粟倉村のみであります。
 前述と同様に、総社市の担当者にお聞きしてみました。身体的なリハビリと発達障がいに対する療育で、サービスに重複がなく、かつ本人の発達に有効である場合には、複数事業所の利用を可能とすることがあるとのことでありました。
 1人の子供に複数の障がいがある場合もあります。例えば、肢体の障がいと言語の障がいがある場合に、それぞれの障がいに合った別の事業所を利用したいとの要望は、当然あると思うんです。私も、このようなケースの相談に同席したことがありますが、倉敷市の対応は、倉敷市は複数の事業所利用は認めていないの一点張りでした。
 このことは、複数の障がいがある子の保護者に、どちらかの障がいは療育を認めるが、もう1つの障がいは諦めてくれと言っているようなものであります。子を持つ親に、そのような決断を迫ることは、行政として許されることなんでしょうか。あまりにも酷なことだと思いませんか。
 伊東市長は、16年間、一貫して子育てするなら倉敷でと言われるまちを目指して市政を推進してこられました。その倉敷市が、障がい児を子育てしている保護者に、こんな酷なことを言っているんですよ。胸が痛みませんか。それも、その制度は国や県が決めたものでなく、倉敷市が独自に決めているもので、かつ他の自治体では例の少ない制限なんです。
 高齢者介護サービスでは、当然のようにケアマネジャーが複数の事業所サービスを組み合わせてケアプランを作成いたします。子供の療育についても、相談支援事業所が複数の事業所サービスを組み合わせて、支援方法の違いを生じさせないようにすることが必要なのではないでしょうか。また、そのための事業所指導も、行政の役割ではないでしょうか。それができないから、複数事業所利用を認めていないと言っているように感じます。
 ある相談支援事業所は、倉敷市の場合は、受給者証の申請時に、利用できる放課後等デイサービス事業所を決めると、利用できる日数も5日、利用できる事業所も1か所だけなので、相談支援事業所としては、できることは限られていると言われておりました。
 そこでお尋ねいたします。複数の事業所利用についても、利用日数と同様にもっと柔軟な対応が必要で、少なくとも複数の障がいを持つ子供に対する複数事業所利用は認めるべきと考えますが、御見解をお尋ねいたします。この制限についても、合理的な根拠があるか甚だ疑問であります。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市では、支援方法の違いから対象児が混乱することがないよう、複数事業所の利用は原則認めておりません。
 ただし、障がいが重複しており、1つの事業所では対応できないなど、複数事業所を利用する必要性がある場合は、相談支援事業所作成のサービス等利用計画に基づき、対象児の障がい種別、解決すべき課題等を勘案し、必要に応じて併用を認める等の対応を実施しているところです。
 なお、現在、国の報酬改定の中で、放課後等デイサービス等の障がい児通所支援については、特定の分野に限定したサポートではなく、発達に関連する健康と生活、運動と感覚、認知と行動、言語とコミュニケーション、人間性と社会性の5つの領域全てを含めた総合的な支援を提供することを基本とする改正が見込まれており、今後、1つの事業所において責任を持って支援することを求める方向性が示されているところです。
 そのため、今後の複数事業所の利用は、サービス提供事業所の実態等を把握するとともに、国の動向を注視し、慎重に対応してまいります。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 柔軟にと言いますけれど、実は今時点では、今年度、複数事業所を放課後等デイサービスで認めるケースは倉敷に1件もないんです。柔軟に対応しているとは、私は思えないですね。
 先ほど御答弁いただいた障がい児の5領域全体の視点を含めた総合的な支援を基本とする総合支援型のサービスへ移行することが今国から示されており、確かにそれができれば、1つの事業所で複数の領域、障がいに関する療育を受けられるようにするという方向性が示されております。それに期待したいと思います。
 ただ、そうだとしても、それが実現し、1つの事業所で複数の障がいに対応できるようになるまで、一体どのくらいの年数が必要なのでしょうか。その上に、総合支援型とは別に、特定プログラム特化型として、総合的な支援に加え、子供の状況に合わせた専門的な支援、例えば、理学療法であるとか作業療法、言語療法などを、重点的に行うサービスを提供することも予定されています。保護者やお子さんにとって、特定の分野に強みを持つ複数の事業所を利用したいというニーズは必ずあると思うんです。複数の事業所利用についても柔軟に対応していただけるように、重ねてお願いしておきたいと思います。
 次に、倉敷市の放課後等デイサービスの厳しい利用制限の3点目に、学校教育の通級指導教室との併用不可というものがあります。
 倉敷市は、放課後等デイサービス、通級指導教室、どちらも障がいのある子供を対象とした課題解決のための取組であり、指導・支援方法の違いから子供が混乱するおそれがあることから、放課後等デイサービスと通級指導教室の併用を認めておりません。このような制限をしている市町村は、岡山県内では倉敷市と総社市、鏡野町、西粟倉村のみであります。
 この問題も前述と同様に、総社市の担当者にお聞きいたしました。通級指導教室は、言語や情緒といったように、明確に内容によってグループ分けされているので、通級指導教室で言語、放課後等デイサービスで情緒といったように、サービスに重複がない場合は併用を認めているとのことでありました。ここでも制限していることは、倉敷市と総社市は同じでも、総社市がいかに柔軟な対応をされているかが分かります。
 倉敷市では、就学指導委員会で通級指導教室への入級が適と判断された子供については、放課後等デイサービスよりも通級指導教室の利用を優先すべきとの考え方であります。指導・支援方法の違いから子供が混乱するおそれと言われますけれども、前の複数事業所利用の場合は民間と民間の事業所ですが、通級指導教室は、倉敷市の場合は公の直営サービスで、学校教育の一環であります。少なくとも違いを調整することは、可能なのではないでしょうか。
 また、通級指導教室は、学校活動の時間内に行われ、放課後等デイサービスは、文字どおり、学校活動が終了した放課後の活動であります。かつ通級指導教室は、おおむね在籍している学校以外の学校に通う必要があるため、保護者の送迎が必要であります。放課後等デイサービスのように、送迎サービスがある学校はありません。文部科学省の発達障がいに関する調査でも、通級指導教室の利用が少ないとの指摘がなされています。
 障がい児の保護者は働くなとも取られるような対応はいかがなものでしょうか。放課後等デイサービスより、通級指導教室の利用を優先すべきと言うならば、各学校に通級指導教室を設置したり、所属学校外への通級指導教室への送迎支援をすべきではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。学校教育の一環としての通級指導教室と福祉サービスとしての放課後等デイサービスは、異種なものであり、この併用を認めないのは、合理的な根拠がないと思われますので、直ちに見直すべきと考えますが、御見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 放課後等デイサービスは、就学後の障がい児を対象とした発達支援を目的とするサービスです。また、通級指導教室は、学校教育法に基づき、障がい等により学習や生活で困難がある通常学級に在籍する児童を対象に、実態に合わせた指導を実施するものです。
 現在、本市では、放課後等デイサービスと通級指導教室は、支援または指導方法の違いにより対象児が混乱するおそれがあること等から、併用は認めていないところです。しかし、近年、対象となる児童が増加し、併用が必要なケースも想定されることや、教育や福祉の連携強化はもとより、相談支援事業において、全ての児童に対するサービス等利用計画の作成等、適正なサービス利用に向けた取組も進んできていることから、併用について検討してまいります。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 併用について御検討いただけるという御答弁、ありがとうございます。まずは、倉敷市の放課後等デイサービスの厳しい利用制限に風穴を開けるためにも、併用を早期に認めていただけるよう強く要望しておきたいと思います。
 ところで、放課後等デイサービスとは別に、障がい者等の日中における活動の場を確保し、障がい者等の家族の就労支援及び障がい者等を日常的に介護している家族の一時的な休息を目的とした日中一時支援事業というものがあります。放課後等デイサービスの一番の目的は、障がいを持つ子供の療育なのに対し、日中一時支援は、日常的に障がい者を介護している家族の一時的な休息を目的とするものであります。
 さて、放課後等デイサービスの利用日数制限が厳しいことが、予算規模にも反映しています。2020年度実績で放課後等デイサービスの実績額は、51の中核市の中で、倉敷市は2番目に低く抑えられています。皮肉にも、財政的には功を奏していると言えることになります。一方、日中一時支援事業は、放課後等デイサービスとは違い、2020年度実績で事業所数でも利用量でも実績額でも、データのある51の中核市の中で、倉敷市は最も多いのです。中核市で最も充実していると言えます。ということは、倉敷市は障がいを持つ子供の療育よりも、その保護者の支援に力を入れているとも言えます。
 放課後等デイサービスの家庭負担は、その世帯所得によって月額の上限が決められています。生活保護受給世帯や市民税非課税世帯は、無料で利用ができます。前年度年間所得890万円までの国が例示しているモデル的な世帯では負担上限月額4,600円、それ以上の所得世帯は負担額上限が3万7,200円であります。
 放課後等デイサービスの1回当たりの利用料は、職員配置や利用する曜日によっても異なってまいりますが、平均的に1回1,000円とすると、月5回で5,000円ですが、負担上限がありますので、保護者負担は4,600円になります。仮に津山市のように月23日利用したとしても、保護者負担は月に4,600円となります。5日利用しても、23日利用しても、保護者負担は月に4,600円なのです。その上に、さきの御答弁にあったように、療育と預かりサービスを含めて支給決定している市町では、実質、預かりサービスは無料で受けられることになります。しかし、倉敷市のように、療育と預かりサービスを別々の事業所、別々のサービスとして受けると双方の利用料が必要で、預かりサービスには利用料金の上限がないため、保護者負担は高額となります。
 そこで、障がいのある子供の療育である放課後等デイサービスと、障がいのあるお子さんを日常的に介護している家族の就労支援や一時的な休息を目的とした日中一時支援を組み合わせて利用日数を決定したり、利用者負担上限も、放課後等デイサービスと日中一時支援を別々に設定するのではなく合わせて上限を設置するなど、倉敷モデルのようなものがつくれないでしょうか。そして、そういったモデルを保護者の皆さんに周知し、倉敷市が総合的によいサービスを行っていると思ってもらうことを目指してはどうでしょうか。御答弁を求めます。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 放課後等デイサービスと日中一時支援は、目的の異なるサービスであり、それぞれの目的に沿ったサービスを提供することが事業所の専門性を高め、質を確保するために大切であると考えております。そのため、利用日数等については、対象児の状態に応じてそれぞれ決定すべきと考えております。
 また、利用者負担につきましては、保護者の一時的な休息や就労支援を目的とした対象児の見守りを行う日中一時支援事業において、その性質を踏まえ、世帯の所得等に配慮しつつ、利用日数に応じた負担をお願いすべきものと考えております。
 今後も、こうしたサービス提供方法について周知等に努めなら、引き続き支援を必要とするお子さんとその保護者にも寄り添い、支える取組を継続してまいります。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 障がいを持つ子供の保護者は、障がいがあっても将来自立した生活が送れるよう、発達支援のためにしっかり療育を受けさせたいと思っているのではないでしょうか。自分たちの休息のための日中一時支援の日数が、たとえ減ったとしても、子供の発達支援、療育の日数が増えることを望んでいると、私は思います。それが親心だと思うんです。今回の児童福祉法改正を機に、倉敷市の放課後等デイサービスの質、量ともに向上させていただくことを期待し、お願いしたいと思います。
 この項最後の障がい者の二十歳の集いの参加についてお尋ねいたします。
 今年度の二十歳の集いの参加対象の障がい者の保護者が倉敷市教育委員会に、マスカット球場で大勢が参加する二十歳の集いには自分の子供は参加できない、障がい者のために別会場で開催してもらえないかと、お願いしたそうであります。その際の教育委員会の返答は、別会場での開催はできない、十分な対応をするので、マスカット球場での二十歳の集いに参加してほしいというものでありました。また、同じ今年度、別の障がい者の事例でありますけれども、事前に教育委員会に、我が子は障がいがあるので、保護者同伴で会場に入りたいと連絡しておられたそうであります。しかし、当日、その話がスタッフの方に伝わっていなかったのか、理由は分かりませんが、もめて、最終的には入場を諦めたというケースがあったそうであります。
 そこで、支援学校卒業者の保護者有志が、支援学校卒業者やその保護者、支援学校教員等に呼びかけ、障がい者だけの二十歳の集いを開催されました。もちろん、行政からの支援はありませんので、費用は全額参加者負担でありました。私もお招きをいただきましたので、参加させていただきました。
 支援学校卒業者、その保護者、その当時に支援学校に勤務しておられた先生方、約100名が参加されておりました。先生の中には、わざわざ県外から参加された方もおられました。一人一人に記念品が贈呈され、先生方から歌のプレゼントがあり、アットホームで温かみの感じる会で、とても感動いたしました。障がい者の中には、大勢の中に行くことが困難な方、保護者の中には、自分の子供が二十歳の集いに参加して他の人に迷惑をかけてはいけないと、参加を遠慮される方もおられます。
 もちろん、マスカット球場での二十歳の集いに、障がいのある方も全員が参加できるのが理想ではありますが、参加が困難な人がいるという現実を受け止め、別会場での開催、またはマスカット球場内の会議室等での開催を検討してはどうでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 倉敷市二十歳の集いについてでございます。
 二十歳の集いについては、二十歳を迎える方を祝福するとともに、これまで育んでくれた方々に感謝し、地元への愛着、また社会的責任を自覚していただけるような機会となるように、毎年1月に全地区の皆さんで、マスカットスタジアムで開催しているところでございます。
 開催に当たりましては、各中学校区の二十歳の代表者等で構成しております実行委員会が主体的に企画、運営に携わっていただいておりまして、皆さんが参加しやすく、魅力的な式典、イベントとなるように取り組んでいるところでございます。
 そして、先ほども申し上げましたけれども、市民としての一体感ということもありますので、実行委員会の検討の中で、全員が入ることができる倉敷マスカットスタジアムで開催するのが適当であるということで、このような形で進めているところでございます。お話にもありましたが、約3,000名の参加者の方がいらっしゃるわけで、その中には障がいのある方など配慮の必要な方がいらっしゃいますので、市といたしましては、介助者の方と同伴で参加していただくことができるなどの対応に努めているところではございますが、先ほどお話もあったように、それが行き届いていなかった場合があったかもしれないということで、大変申し訳なく思っているわけでございます。
 そのようなお声や、また大勢の方がいるところではなかなか参加しにくいというお話もあるというふうに伺っておりますので、お話の中にもありましたような、マスカットスタジアム内には大きな会議室等もございます。そこなどの使用ということの検討も含めて実行委員会とよく相談して、誰もが思い出に残る二十歳の集いとなるように、実行委員会と一緒になって取り組んでいきたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 市長から前向きな御答弁をいただき、ありがとうございます。障がいをお持ちの方を含め、全ての方が参加できるよう、ぜひとも実現に向けて御尽力をお願いいたします。
 それでは、質問通告2点目の不登校についてお尋ねいたします。
 不登校の保護者の会などでお話をお聞きすると、発達障がいの子供は不登校になりやすいというお話をよくお聞きいたします。ただ、それを裏づける公的なデータは示されておらず、一部の研究者や医師の経験によるものでありますが、感覚的には、恐らく間違ってはいないんだろうと思います。言わば、2次障がいであります。
 学校の中の発達障害の著者で、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長の本田 秀夫教授は、発達障がいの子供は不登校になりやすいことを踏まえ、学校は日常的な活動を検証し、工夫する必要があると訴えられております。
 本田教授は、発達障がいと診断した人たちに対して20年後の追跡調査を行い、そのうち23.5%が小、中、高校のどこかで不登校になっているという調査結果を、最近論文で発表されました。また、別の調査でありますが、医療機関を対象にした調査で、不登校の子供のうち発達障がいのある子供の割合は5%から40%であったとの調査結果もあります。
 幼少期に発達障がいであることが分かり、適切な支援を受けられていると、不登校になる可能性はかなり低くなるとも言われておりますので、前述の放課後等デイサービス等での療育の充実を図ることにより、発達障がい児の不登校出現率を抑えることも可能になるのではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。倉敷市における発達障がいと不登校の関係を把握してはどうでしょうか。そのことにより、不登校の未然防止を充実させることになるのではないでしょうか。御見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 倉敷市教育委員会では、発達障がいなど特別な支援が必要な児童、生徒に対しまして、特別支援教育専門家派遣事業や就学に係る教育支援等を通じて、適切な指導や必要な支援を行っております。
 現在、発達障がいと不登校について関連性をお示しする客観的な資料はございませんが、発達障がいのある児童、生徒に不登校等の様子が見られるかどうかに関わらず、個に応じた生活支援や学習支援を行っております。
 今後も発達障がいと不登校の関係を念頭に置きながら、児童、生徒の実態把握を丁寧に行い、一人一人に寄り添った適切な支援の充実に努めてまいります。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 難しい課題だと認識しておりますので、ぜひ課題として取り組んでいただきたいと思います。
 次に、当初予算案の中に、不登校対策の一つとして適応指導教室、いわゆるふれあい教室に不登校児童・生徒の学校復帰や社会的自立に向けた支援を行うためのオンライン対応の教育指導員3名の配置経費916万円が計上されております。一歩前進と評価したいと思います。
 どんな業務を想定されているのでしょうか。また、ふれあい教室は市内に5か所ありますが、3名の教育指導員をどのように配置される予定なのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 倉敷市教育委員会では、今年度試行的に学校へ登校することが難しい小・中学生を対象に、1人1台パソコンを活用し、教育指導員によるオンラインでの対話やデジタル教材での学習等による支援を実施いたしました。オンラインでの支援を継続的に受けた児童、生徒の中には、教育指導員に直接会うためにふれあい教室に来室でき、そのことが子供の自信になり、学校への復帰につながるという成果も見られました。
 このことを踏まえ、次年度から専任の教育指導員3名を配置し、このような取組を通して、子供の居場所づくりや人間関係づくりを目指し、社会的な自立や学校への復帰にもつなげていきたいと考えております。
 なお、配置につきましては、オンラインの長所でもある場所にとらわれないよさを生かしながら、市内5か所のふれあい教室のうち、教育センターのあります水島教室を拠点とし、他の教室とも連携しながら支援を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 次に、同じく当初予算案の中に不登校対策の一つとして、これまで俗に別室登校と言われていたものに自立応援室と正式名称をつけ、県の事業を活用し専属の教員を配置していた学校とは別に、倉敷市教育委員会独自に、市内6校に常駐の支援員を各校1名ずつ配置する予算692万円が計上されております。大きな前進と高く評価をさせていただきたいと思います。これが全校に拡大されれば、校内フリースクールが実現するものと期待いたしています。
 そこでお尋ねいたします。この予算計上に至った経緯と今後の取組についてお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 現在、倉敷市立の小学校2校、中学校3校では、自立応援室に専属教員や支援員が常駐して、不登校児童・生徒に対する支援を行っております。この取組では、常駐する教職員が支援を行うことで、児童、生徒が安心して学校に通うことができ、欠席日数が減少するなどの成果が見られております。
 このことから、新たに常駐する支援員を市内6校に配置し、児童、生徒がいつでも安心して学習等に取り組むことができるよう、関係予算を今議会に計上させていただいております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後も不登校対策に努めてまいります。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 今回の2つの新たな取組は大変評価いたしますし、不登校対策がさらに充実することを期待いたしています。特に自立応援室ですかね、来年度の取組がぜひ成功し、成果を上げて、どんどん拡大して増やしていく、そのことが不登校対策にもつながってきますし、また学校のほかの先生方の負担軽減にもなると思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。
 それでは最後に、フリースクールについてお伺いいたします。
 フリースクールの必要性については、代表質問で我が会派の小郷議員から説明をさせていただきました。しかし、フリースクールには公的な財政支援がないため、入会金や月会費は高額にならざるを得ず、利用したくても経済的な理由で断念せざるを得ない家庭が少なからずあります。また、運営そのものも厳しく、倉敷市内で閉鎖を余儀なくされたフリースクールもあり、受皿が増えていかなければならない時期に、残念でたまりませんでした。
 全国的には、フリースクールに通う世帯に財政支援する自治体が増えてきています。鎌倉市やつくばみらい市が最近始められましたが、昨年、フリースクールは国家の根幹を崩しかねない、不登校の大半の責任は親にあると市長が発言し、批判を浴び、後に陳謝した滋賀県東近江市の小椋 正清市長は一転して、来年度から月最大4万円を補助する方針を明らかにされました。
 倉敷市としても、不登校対策の一つの選択肢として、フリースクールやフリースクールに子供を通わせる世帯への財政支援を検討されてはいかがでしょうか。御見解をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 倉敷市教育委員会といたしましては、これまで不登校対策として、自立応援室を活用した学習支援や教育相談等を行っており、登校が難しい場合には、放課後登校の提案や、家庭訪問や電話連絡、ICT等を活用した個別の支援を行ってまいりました。また、これまでの取組に加え、先ほどお答えいたしました新しい取組なども進め、さらなる不登校対策の充実を図ることとしており、補助金制度の導入につきましては考えておりません。
○議長(中島光浩君) 齋藤 武次郎議員。
◆33番(齋藤武次郎君) 補助金制度の導入は考えていないとのことでありましたけれども、不登校児童・生徒は増加し続けているわけですから、私は、将来的にはぜひとも必要だと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 不登校対策には、一つでも多くの選択肢が必要です。自立応援室、ふれあい教室、オンライン、その次がフリースクールです。そして、またその次が子供の居場所です。全ての子供が笑顔になられるよう、一層の不登校対策をお願いし、質問を終わらせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
ご利用について
  • この議会中継は倉敷市議会の公式記録ではありません。
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