録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月6日(水) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
末田 正彦 議員
1 災害対策について
2 保育について
3 倉敷市立図書館について
4 市街化区域農地について
◆34番(末田正彦君) (拍手) 皆さんおはようございます。日本共産党倉敷市議会議員団の末田 正彦です。伊東市長の今期最後の議会の最後の質問者となりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従い順次質問いたしますが、あらかじめ申し上げておきますが、質問の4項目めは割愛いたします。
 それでは、質問項目の1番目は、災害対策について3点質問いたします。
 この項の1点目は、令和6年能登半島地震が突きつけた問題からとして2点お尋ねします。
 まず、地域防災計画、活断層型地震の被害想定の見直しについてお尋ねします。
 本年1月1日に発生した能登半島地震は、最大震度7から5弱の地震が連続して発生し、その地震活動域は、北東から南西方向150キロメートルの広範囲に及びました。複数の活断層が連動、誘発して発生したことが分かっています。2016年の熊本地震も複数断層の連動、誘発によって起こったことが分かっています。
 議長の許可を得まして資料を提出していますので、資料1を御覧ください。
 倉敷市地域防災計画より抜粋した県内に被害の発生が懸念される断層型地震の一覧です。③は、倉敷市内で震度6弱以上になる断層型地震の概要を示していますが、その被害想定については、それぞれの断層が個別に動いた場合の想定になっています。四国を走る中央構造線断層帯について言えば、そのすぐ北の長尾断層が連動、誘発する可能性は高いと説く専門家もいます。そうなれば、本市における被害想定も大きく変わるのではと考えます。
 市は、複数の断層の連動、誘発を考慮した活断層型地震の発生についてどのような認識なのか、お伺いします。あわせて、本市の地域防災計画の活断層型地震の被害想定について、連動、誘発を考慮した見直しを行うべきと考えますが、見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 末田 正彦議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 本市に影響する地震の被害想定では、南海トラフ巨大地震以外にも、中央構造線断層帯と長者ヶ原-芳井断層における断層型地震が発生した場合、市内で震度6弱となる可能性が示されており、被害想定を市の地域防災計画へ反映しております。
 本市に影響する地震の被害想定では、現在のところ、南海トラフ巨大地震が最大規模でありますが、今後、国や県等により被害想定が見直された場合は、地域防災計画に反映させたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 国、県の見直しに合わせて考えるということなので、ぜひ考えてやってください。それとこういった連動・誘発型の地震に対する断層型地震の問題はこれから出てくると思うので、よく注意していただければと思います。
 次に、木造住宅耐震化の推進についてお聞きします。
 能登半島地震では、木造建築物の倒壊で多くの方が亡くなり、死亡原因のおよそ4割は圧死と言われています。この間、地震災害を経験する中で、住宅の耐震基準が見直されてきました。1950年に建築基準法の制定。1978年の宮城県沖地震後、耐震設計法が抜本的に見直されて、1981年6月に耐震設計基準が大幅に改正されました。これが今、新耐震基準と呼ばれています。さらに、1995年の兵庫県南部地震の教訓を生かし、同年12月に耐震改修促進法が施行されて、2000年6月に現行の耐震基準へと改正されました。
 1月6日付の読売新聞オンラインに、能登半島地震について気になる記事が掲載されていました。それは、新耐震基準導入後に新築、改築でも半数の木造家屋が全壊にという記事です。金沢大学の石川県珠洲市での現地調査によるものです。
 資料2を御覧ください。
 これは、2016年熊本地震で日本建築学会が行った益城町中心部における木造住宅被害の悉皆調査結果です。左から旧耐震基準、新耐震基準、現行耐震基準と、基準の段階ごとに被害の状況を示しています。旧耐震基準による建物の大破、倒壊は45%を超えていますが、新耐震基準による建物も大破、倒壊が20%近くになっています。
 そこで、耐震基準の段階ごとの取組についてお聞きしたいと思います。
 まず、1981年5月以前の旧耐震基準の建物についてです。
 本市の木造住宅の耐震化率は88%と聞いていますが、旧耐震基準の建物の耐震化率など建物の実態についてお示しください。あわせて、耐震化促進に向けてより一層の取組が必要と考えますが、その点についてもお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 旧耐震基準に限った住宅の耐震化率についてですが、これは、国から具体的な推計方法などが示されているわけではございませんが、現在公表している耐震化率約88%としている国の推計方法を参考に推計しますと、旧耐震基準の住宅の耐震化率は令和4年度末時点で約39%となっております。
 現在の住宅の耐震化に向けての取組としましては、耐震診断や耐震改修、耐震シェルターや防災ベッドの設置等への助成を行い、耐震化を図っております。また、耐震性が低いと思われる木造住宅などの居住者への戸別訪問や、耐震改修工事などを紹介したパネル展示、広報くらしきなどによる普及啓発を行っているところでございます。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 旧耐震基準の耐震化率は約39%と推計されているということで、ここでの取組がやはり重要になってくると思います。
 そこで再質問ですけれども、国土交通省が2019年に行った住宅の耐震化に関するアンケート調査結果では、昨日もありました質問ですが、耐震改修が進まない理由として、費用負担が大きいからということが、断トツで74.7%の方が上げられています。福井県では、この能登半島地震を契機に、木造住宅の耐震改修費の補助率、補助額を引き上げる方針を決めたと報道がありました。
 県の役割が大きいとは思いますが、補助率、補助額を引き上げれば耐震改修を考える方は増えるのではないかと思っています。市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 本市では、以前、耐震改修に係る補助金が60万円だった時代から、現在100万円にアップしております。このアップに従いまして耐震改修工事に着手された方が増えたかというと、そこまで伸びていないという実情もございます。
 石川県につきましても、全国と比べましても非常に高い補助金を出しておりますが、耐震化が進んでいないという状況もあり、また静岡県では、全国の中でも木造の耐震化率が非常に進んでいるところでありますが、耐震改修工事に係る補助額は100万円というような現状もございますので、市としましては、現在の100万円で、戸別訪問などを行って、皆さんに直接的に耐震化いかがですかというような普及に努めてまいりたいと思っております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 引上げが、効果がない事例ばかり挙げていただいてありがとうございました。費用が高いからできないということが大きな理由となっているので、これは市だけで決めることができないので、ぜひとも県とも協議をしてもらいたいと思っております。よろしくお願いします。
 それでは次に、新耐震基準導入後2000年5月までの建物についてお尋ねします。
 さきに示したように、新耐震基準の建物においても被害が出ることが明らかになっています。新耐震基準の建物の耐震性を強める取組が必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 建物の耐震基準につきましては、1981年、昭和56年6月の建築基準法改正により、それまでの耐震基準が見直され、新耐震基準が導入されました。その後、2000年、平成12年6月の法改正により、さらなる見直しが行われております。
 平成12年5月より前の新耐震基準で建設した建物が震度6強以上の地震に遭った場合にも、国の耐震診断マニュアルにおいて、基本的に一応安全と考えられておりますが、この新耐震基準で建設した住宅の所有者の方から耐震性に係る御相談があった場合には、日本建築防災協会が作成しております新耐震基準の木造住宅の耐震性能に関するチェックリストなどを用いて、御説明させていただいているところでございます。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 今の答弁を受けて、木造住宅耐震診断・耐震改修補助制度の拡充を求めたいと思います。
 現在、本市の木造住宅耐震診断・耐震改修補助制度は、旧耐震基準の建物にしか適用されておりませんが、先ほども申しましたように、新耐震基準導入後2000年5月までの建物についても多くの建物が倒壊しているということもございますので、補助制度を適用していただきたいと、お願いしたいと思っております。大阪市では、既に実施をされております。答弁をお聞きしたいと思います。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 国において、平成28年熊本地震における建築物の被害分析を行い、新耐震基準の木造住宅に比べて旧耐震基準の木造住宅の倒壊率が著しく高かった結果が示されております。議員御提示のグラフから分かることと思います。
 こうしたことから、本市としては、震度6強以上の大地震時に、建物倒壊など甚大な被害の発生が危惧される旧耐震基準の木造住宅に対して、引き続き優先的に耐震化に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 旧耐震基準の建物を優先的に取り組んでいくのは当然のことですけれども、新耐震基準の建物も、最近倒壊が相次いでいることも考えて、経年劣化ということもございますので、今後、県と一緒に検討していってもらいたいと思っています。
 それでは次に、耐震シェルター設置補助事業、防災ベッド設置補助事業の補助要件の緩和を求めてお尋ねします。
 昨日の質問の中で、この事業の利用が進んでいない旨の答弁がありましたが、利用が進まないのは、補助要件の耐震診断がネックになっていると思っています。旧耐震基準の建物は、耐震性が劣ることは明らかです。さらに、この事業は建物自体の耐震性能を強めるものではありません。
 耐震診断を求めることなく、すぐに補助ができるように要件の緩和をお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 木造住宅の耐震化は、大地震による建物の倒壊等から市民の命を守るとともに、道路への倒壊を防ぎ、安全な避難や円滑な救助活動を行う上で極めて重要であると考えております。しかしながら、耐震改修工事を実施することが困難な方に対しては、安全な空間を確保できる耐震シェルターや防災ベッドの設置に対して助成しているところでございます。
 こうしたことから、まずは耐震診断の実施により、耐震性の有無を把握していただく必要があると考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 旧耐震基準の建物は、耐震性が劣ることが明らかなので、ちょっと検討してもらいたいと思っています。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員、この際申し上げます。
 質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は11時10分からの予定です。

            午前10時58分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~
            午前11時10分  開 議
○議長(中島光浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 34番 末田 正彦議員、質問項目1番から再開してください。
◆34番(末田正彦君) この項の2点目ですけれども、地震地域係数について3点お伺いいたします。
 まず、建物の耐震性能を評価する上で用いる地震地域係数の算出根拠、また概要についてお示しください。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 建築基準法では、構造計算により震度6強から7に達する程度の大地震に対して、建築物が倒壊しないことなどを求めており、構造計算を行うに当たっては地震地域係数を用いることとなっております。
 この地震地域係数は、建築基準法及び同施行令に基づき告示されており、その地方における過去の地震の記録に基づく被害の程度及び地震活動の状況等に応じて、地域ごとに1.0から0.7までの範囲で定められております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) それでは次に、地震地域係数の低い地域での大地震発生への認識についてお尋ねいたします。
 先ほどの答弁では、過去の地震の具合とか、そういった形でいろいろ検討されて決まったということですけれども、このたびの能登半島地震や、さきの熊本地震でも明らかなように、地震地域係数が0.9、0.8の地域ですが、ここで大地震が発生しています。
 こうした地震地域係数を低くした地域でも大地震が発生するという点について、どのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。あわせて、岡山県の地震地域係数は0.9と、低い地域である点についてはどのように認識されていますか。答弁を求めます。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 地震地域係数は、建築基準法施行令などにより、その地方における過去の地震の記録に基づく被害の程度などに応じて定められているものでございますので、岡山県の地震地域係数が0.9ということは、通常であると認識しております。
 また、岡山県の地震地域係数が0.9と定められていることにつきましては、法で定められた数値でございますので、低い地域であるとの認識はございません。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) それでは次に、地震地域係数の見直しについてお尋ねします。
 地震地域係数が0.8、0.9の地域、先日の能登半島地震、また熊本地震もそうですけれども、こういった地域で大地震が発生していることを踏まえれば、今後、建物の耐震性能を強化するためには、地震地域係数の見直しが必要ではないかと考えています。静岡県では、独自に1.2と強化しています。
 今後、いつ、どこで起きるか分からない大地震での被害を少しでも防ぐためには、市として、独自に地震地域係数を見直すとともに、併せて国に対して見直しを求めてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(中島光浩君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴君) 国においては、平成28年熊本地震における建築物の被害分析を行い、地域の被害状況に地震地域係数の影響は確認されなかった。また、地震地域係数の在り方は、中・長期的に検討すべき課題であると公表しております。さらに、このたびの令和6年能登半島地震においても、同様の被害分析調査を実施し、地域係数と建築物被害との関係について、今後検証が行われると伺っております。
 本市としましては、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) それでは、この項3点目、地震に対する備えとして、家具等の転倒防止対策の取組についてお尋ねします。
 本市の地域防災計画にも、家具等の転倒防止対策の重要性がうたわれています。しかし、遅々として進んでいないのが実情ではないでしょうか。
 そこで、対策を進める具体的な提案をいたします。
 家具等の転倒防止対策を実施する住民に対して、市が委託した業者などが訪問して器具の取付けを行う事業です。
 資料3を御覧ください。
 今日は、浜松市の取組を紹介します。高齢者世帯や障がいのある人の世帯などが対象で、器具取付け費用は、市が負担します。
 本市でも、こうした助成制度を導入してはどうでしょうか。私は2011年6月議会を皮切りに、本会議で5回、委員会で2回質問して求めてまいりました。市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 各家庭における家具の固定につきまして、その現状と課題を調査するため、令和5年8月の市民モニターアンケート、家庭における災害の備えについての中で、地震によって転倒するおそれのある家具や家電製品等の固定を行っているかについてお尋ねしました。その結果、家具を固定していないと回答された方は、全体の49.4%でした。その理由としましては、面倒だからが31.1%、必要性を感じないからが19.2%、何をすればよいかが分からないからが13.8%で、家具を固定する必要性や仕方について、さらに啓発していく必要があることが分かりました。
 そのため、本市としましては、出前講座、ホームページへの掲載、くらしき防災フェア、防災講演会、イベントにおける転倒防止グッズの展示など、様々な機会を通じて家具の固定の必要性等のさらなる普及啓発活動に努めているところでございます。また、家具を固定する必要性や仕方などについて地域の方へ説明していただくよう、防災士の方にお願いしております。
 今後も、家具の固定を促進するための取組を進めてまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) これまでの答弁と全く変わっていないのは、本当に残念です。具体的に提示していますので、本当に真摯に検討してもらいたいと思います。
 それでは、質問項目2番目に移りますが、保育について2点質問いたします。
 この項の1点目は、職員配置基準の見直しについて3点お聞きします。
 まず、職員配置基準の見直しへの対応についてです。
 昨年6月13日に閣議決定されたこども未来戦略方針で、保育士配置基準の見直しが提案されて、75年ぶりの改善と大きく取り上げられました。
 代表質問の中では、今後の対応について国の動向を注視する旨の答弁がありましたが、そのような対応でよいのか、見解をお聞きしたいと思います。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 国からは令和6年4月より、3歳児の配置基準を子供20人に対し保育士1人から15対1に、4・5歳児の配置基準を30対1から25対1に改善し、併せて保育士の配置状況に応じて新たな基準に従った場合、保育の提供に支障が出るおそれがあるときは、当分の間、従前の基準により運営することも妨げないとする経過措置を設ける方向と伺っております。しかしながら、今回の改正に係る内閣府令等の通知が遅れており、最終確定した情報が得られておりません。
 今後とも、国からの通知の発出等について注視するとともに、その内容を踏まえて適切に対応してまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 配置基準の見直しが進んだことは、一歩前進だと思っておりますけれども、今回の配置基準の見直しで、実際に目に見えた改善につながるのかどうかという点についてお聞きします。
 先ほどおっしゃったように、2024年度から4・5歳児が30対1から25対1への改善を図るとされましたけれども、最低基準の改定を行うとなっていますが、期限をつけない経過措置が設けられて、条件を改善した施設に公定価格上の加算措置で対応することになるとしています。2015年から加算対応されてきた3歳児については、この機会に最低基準の改定20対1から15対1が決まりました。ただし、同様に期限をつけない経過措置が設けられます。1歳児の6対1から5対1への改善については先送りされましたけれども、遅くとも2026年度に実施されることが確認されています。
 資料4を御覧ください。
 上段の表ですけれども、これは公定価格の保育士配置基準の算定方式で計算した保育士数の事例です。平均規模の保育所に当てはめて検討したものです。事例の1、2は全国保育協議会が会員に当てた調査、事例の3は内閣府の実態調査によるものです。
 保育所保育指針に基づき年齢に応じた保育を進めるには、本来ならば、年齢ごとに配置基準の保育士数を計算して、その年齢ごとに小数点以下を切上げないし、四捨五入して足し合わせるべきですが、表にあるように実際はそうなってはいません。実際の現場では、保育士の数があまり増えないのではないかと危惧されています。
 今回の配置基準の見直しについてどのように考えているのか、見解をお示しください。下段の表は、平均的保育所の保育士等配置の実態と公定価格の基準による職員数の比較を、参考までにお示ししています。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 幼児教育・保育の無償化などによる保育需要の増加や、申込み年齢の低年齢化、保育時間の長時間化などに伴い、保育士の業務量もさらに増えています。
 その一方で、保育士の配置基準は長年見直しをされておらず、近年増加している子育てなどの不安や課題を抱える保護者対応に加えて、発達支援など特別な配慮を要する園児も増えている中で、子供の安全確保や保育の質の向上のためには、配置基準の見直しによる保育士の増員は急務と言える状況です。他方、保育士不足の中、配置基準を改善することに伴い、受入れできる園児数の減少や制限につながる可能性が生じるなど、新たな課題も懸念されております。
 改善後の配置基準を満たした園には、運営費の加算が行われますが、人材確保につながる施策が最も大切であると考えており、保育士の処遇改善について、引き続き国に要望してまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 次に行きますけれども、配置基準の改定は、一歩前進しておりますけれども、今後は、経過措置の早期解消が課題となってくると思っています。そして、職員の配置基準のみならず、保育室の面積や備えるべき設備についても改善していくと。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の抜本的な改定も必要と考えますが、市の考えをお示しください。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 保育所等につきましては、関係する法令等により職員の配置基準のほか、保育室、屋外遊戯場、調理室、トイレなど、園に備えるべき設備や保育室の面積基準などが定められております。
 このたび、3から5歳児の職員の配置基準について見直しが予定されておりますが、保育室の面積基準等は長年にわたって改正されておりません。
 待機児童の解消や直ちに対応が難しい既存施設への経過措置、施設整備に対する助成など、配慮すべき点はございますが、入所児童の処遇や保育の質の向上、保育士が働きやすい環境を整備するためには、保育室の面積や、職員室や休憩室の設置など、施設面における基準についても、国において必要に応じて検討されるものと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 実態を市役所はよく知っているので、国に対してしっかりと求めていってもらいたいと思っています。
 それでは、この項の2点目ですが、第二期倉敷市子ども・子育て支援事業計画についてお聞きします。
 第二期事業計画では、不足が見込まれる就学前児童の受入先の確保は、特定地域型保育事業の整備が中心となっています。待機児童対策を進める上では、特定地域型保育事業頼みではなく、認可保育所など特定教育・保育施設の新設、増設で行うべきだと考えます。市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 本市では、これまで待機児童解消に向けて、認可保育所や地域型保育事業の創設、定員増を伴う認定こども園への移行、幼稚園での預かり保育の実施などを計画的に進めてまいりました。現在は、特に待機児童の大半を占めるゼロから2歳児の保育ニーズに対応するため、早期に開園が可能な地域型保育事業の創設による施設整備に努めております。
 今後の施設整備につきましては、資材費の高騰に伴う建築費の増加等を考慮し、まずは老朽化が進む既存施設を、災害対策や多様化する保育内容等を考慮した施設となるよう、計画的に整備することに重点を置くとともに、保育所だけでなく認定こども園や幼稚園などを含め、子供の発達状況に応じた保育が可能な施設を整えていくよう努めてまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 来年の4月に待機児童が解消されるという計画をしているようですけれども、特定の保育所を希望するなどの未決定児は残るでしょう。本当は保育園を利用したいのに、幼稚園の預かり保育を利用している子供もいると思いますが、待機児童にはカウントされていません。認可保育所の整備で待機児童対策を進めてもらいたいことを、重ねて要望しておきます。
 この項の3点目、こども誰でも通園制度についてお聞きします。
 こども誰でも通園制度は、生後6か月から2歳児の未就園児が対象とされ、月一定時間までの利用枠で、就労要件を問わず時間単位等で利用できる通園給付の制度です。気になる点について4点お聞きします。
 まず、利用可能枠についてです。
 利用時間は、月10時間までが利用可能枠とされていますが、果たしてこうした利用状況で、子供一人一人の心身ともに健やかな成長と発達を保障することができるのでしょうか。保育所保育指針解説には、3歳未満児は、安定した保育士との関わりの中で成長していくことが示されています。周囲の環境に自ら能動的に働きかけ、有意義な経験を獲得するには、その場にいる人々との安定的で持続的な関係が不可欠です。
 月10時間利用で、国が言うように、社会情緒的な発達への効果的な影響など成長発達に資する豊かな経験をもたらすことは、本当に可能なのでしょうか。市の認識をお示しください。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 国から示された資料によりますと、こども誰でも通園制度の利用により、ゼロ歳6か月から2歳までの未就園児が、子供に対する関わりや遊びなどについて専門性を持つ保育士等がいる環境で、年齢の近い子供たちと触れ合えることから、家庭以外での様々な経験を通じて人や物への興味が広がり、成長していくことが期待されております。
 令和6年度に実施予定のこども誰でも通園制度の本格実施を見据えた試行的事業では、月10時間が上限とされておりますが、令和8年4月からの本格実施の際には、月10時間以上の利用枠を設ける方向で、国において検討中と伺っております。
 市としましては、制度の中で対象世帯の子育て支援となるよう、対応してまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 次に、保育する体制についてお聞きします。
 実施に当たっては、利用する子供の受入れ体制の整備が必要となります。東京新聞が行ったモデル事業を実施している20自治体へのアンケート結果によると、回答した自治体の8割以上で、保育士を含めた職員の確保と職員の負担増が課題に上げられています。
 人員配置の基本方針は、保育従事者の半数が保育士、それ以上は子育て支援員などの研修を受けた職員でもよいとされています。
 保育する体制についてはどのようにお考えか、お示しください。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) こども誰でも通園制度における職員の配置につきましては、令和8年4月の本格実施に向け、国において、現行の一時預かり事業をベースに検討が進められていると伺っております。一方、保育者不足の中で、保育士等の人材確保や、通常保育とは保育内容が大きく異なる一時的な保育への対応が必要となるなどの課題があるため、市内の関係団体からは、市として慎重な対応を行うよう求められております。
 本市としましては、制度の開始に向けて、現場の職員が不安に感じていることなどを関係団体や各園から丁寧に聞き取りを行い、引き続き現場の声を国に伝えながら準備に努めてまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 次に、保護者にとっての意義についてお尋ねします。
 国は、保護者にとっての意義として、孤立感の解消と育児の負担軽減を上げていますけれども、短時間の利用で本当にそんなことが可能なのか、どうでしょうか。お伺いします。
○議長(中島光浩君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 国の見解では、こども誰でも通園制度の対象となる世帯の中には、孤立感や不安感を抱えながら子育てを行う保護者の方が少なからず想定されるため、子供との関わりなどで専門性を持つ保育士等から、育児方法の助言を受けたり、保護者が子育てに関する相談を行い、内容によっては必要な支援が受けられるよう、他の関係機関につないでいくことなどが期待されております。
 また、月に一定時間子供と離れ、自分のための時間を過ごすことで育児に関する負担感を軽減することも、目的の一つとされております。
 現在、国が詳細な制度設計を行っておりますので、市としましては、その動向を注視し、決定された制度内容に従って保護者の支援を行ってまいります。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 危惧する点の4点目として、保育の商品化につながりはしないのかという点です。
 保育研究者からは、保育士や関係する専門職の配置について極めて安易な設計になっていること、殊さら時間利用を制度のメリットとして強調していることなどを合わせると、時間単位での預かりや育児負担軽減を売り物にした商品、サービスとして制度設計が進められるおそれは極めて大きいと危惧される。この制度の導入が、公的保育制度本体の商品化に向けての呼び水として悪用されるおそれもなきにしもあらず、こうした危惧する声も出されています。
 私も、ただ単に子供を預けられればいいという制度に思えてなりません。市はこの点についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) こども誰でも通園制度について、現在国による制度設計が進められているところでございますが、公表されている資料によりますと、こども誰でも通園制度を実施する園は、通常の保育事業と同様に、市町村が設備運営基準への適合等を審査した上で認可を行い、そして事業開始後においても、認可基準を満たしているかどうかを指導監査等を行って、担保していく仕組みとなる方向で検討されております。
 また、通常保育の在園児と、こども誰でも通園制度の利用児童を同時に保育する上では、保育に当たる保育士等の確保は当然必要となってまいりますので、制度実施園に対する給付費の充実や保育士等の処遇改善なども、当然重要になってくると考えております。
 倉敷市では、こども家庭庁主催の実務者検討会に全国の自治体代表の委員として出席しておりまして、現場の声を伝えているところでございますが、この制度の開始によりまして、保育現場に過度な負担がかかって保育の質が低下しないように、しっかりした保育の質を確保していくような制度にしてもらいたい旨を、国に対しまして、しっかり伝えていきたいと思っております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 市長から、そういったお言葉がございました。局長からも、現場のほうから、課題が多いため慎重な対応を行うよう求められているということなので、私も気になる点についても指摘いたしましたので、実務者検討会に出ているということもありますので、ぜひ、しっかりと現場や保護者の声を伝えていただきたいと思います。拙速な事業実施は行ってもらいたくないということを要望しておきたいと思います。
 それでは、質問項目の3点目、倉敷市立図書館についてお聞きします。
 倉敷市庁舎等再編基本計画(市民交流ゾーン整備編)についてパブリックコメントが行われ、71人から239件の貴重な意見が寄せられました。新しい図書館への期待の表れだと思います。今回は、パブリックコメントに寄せられた意見の中からお尋ねしたいと思います。
 まず、図書館協議会についてです。
 新しい複合施設の図書館においても、図書館協議会は継続されるのかどうか、お尋ねします。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市庁舎等再編基本計画(市民交流ゾーン整備編)(案)につきまして、市民の皆様から広く御意見をお伺いするために、令和5年11月13日から12月12日までの期間でパブリックコメントを募集いたしました。その結果、今議員さんからも御紹介がありましたが、71人の方から239件の御意見をいただいたところです。
 御意見の中にある倉敷市図書館協議会につきましては、倉敷市図書館条例第6条に基づき設置しているもので、倉敷市立図書館が行う事業に対して、御意見や御提案をいただいております。
 今後も、引き続き倉敷市図書館協議会からの御意見もいただきながら、様々な図書館活動を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 図書館協議会は継続されるというふうに受け取りました。
 次に、図書館司書についてお尋ねします。
 倉敷市の考え方として、司書の配置を継続したい、従来の貸出・返却方法も可能とすると答えられていますが、専門職である司書を配置することは当然であり、充実こそ求められます。自動貸出機・返却機の設置だけでなく、受付カウンターには司書が常駐し、市民が気軽に相談できることが、非常に重要なことであると考えています。
 市民の皆さんは、新しい複合施設の図書館には、司書の配置がなくなるのではないかと不安を持たれていますが、倉敷市教育委員会の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市庁舎等再編基本計画(市民交流ゾーン整備編)においては、資料の収集、貸出し、レファレンスなどの基本的な図書館サービスのさらなる充実を図ることとしております。
 複合施設棟では、市民の利便性を図るため、自動貸出機・返却機などのICT機器を導入するとともに、カウンターに図書館司書を配置し、貸出し、返却に対応する予定としております。
 また、レファレンス専用のカウンターも設置し、図書館司書による調査、研究の支援を強化する計画としております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 再質問させてもらいたいのですが、カウンターに司書を配置するとお答えになりましたけれども、要求水準書をこの間出されていますけれども、その要求水準書の別冊1、施設計画要領には図書の貸出し、返却は自動貸出機等による対応を原則とするとあり、受付カウンターは施設全体の総合案内窓口にするとして、司書の配置が明示されておりません。加えて、図書館の一般開架スペースには、司書が常駐する受付カウンターの設置が書かれておりません。
 図書館の最も大切な機能である受付カウンターでの司書と利用者の相談体制がなくなることがあってはならないと考えているのですけれども、図書館各フロアへの受付カウンターの配置と司書の常駐が必ず必要だと思い、求めたいのですが、教育委員会は、その点についてはどのように考えているのか、お示しください。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 先ほども申し上げましたが、基本計画の中におきまして、各機能、図書館機能について明示しております。
 複合施設の中で市民の皆様の利便性を図るために、このたび、自動貸出機・返却機などのICT機器を導入していくとともに、図書館司書については、市民の利便性を図るためには、当然貸出し、返却に対応するということで、レファレンス専用のカウンターも含め、図書館司書を配置して、より使いやすく市民の皆様、利用者の皆様に快適にこの複合施設を使っていただくというふうに考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) レファレンス機能を強化すると、それはいいことですけれども、この図書館機能の一般開架スペースに、受付カウンターとか司書の配置について、まるで何も触れられていないんですよ。それを市民の方は不安がっているわけです。ここはやっぱり一番大切な事業なんですよね。図書館司書の人も、そこでの住民との話の中で、技術も磨かれたり経験も積んでいくわけですから、必ず必要だと思うんですよ。総合窓口だけで全ての業務をやるわけですから、ほかの市民交流の事業とか、それでは追いつかないと思うんですよね。
 きっちり図書館としての機能を果たすための窓口をつくるということを明言してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 庁舎等再編基本計画では、図書館機能を市民交流でありますとか労働者、それから国際、様々な機能と合わせた融合施設ということで考えております。
 図書館機能を配置した融合施設の中で、先ほど申し上げたように、図書の貸出し、カウンター、それからレファレンスについても、図書館の司書を機能的に配置するということで、こういった施設について利用しやすいものとしていきたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) これ以上議論してもあまり進まないのですが、総合窓口だけで、そこに全ての機能、受付業務を委ねるわけですから、図書館の受付業務としての機能が大きく損なわれるのではないかと僕は思っています。要求水準書を出されて、出てきたらどうなるか分かりませんけれども、今後、また市民の皆さんの設計に対する協議の場をつくってくれるということですので、それを待つことなく、この点をしっかりまた議論していきたいと思っております。市民の皆さんの声はそうなんですよ。図書館は図書館であってもらいたいという声にしっかり応えてもらいたいと思っています。
 それでは次に、移動図書館についてお尋ねします。
 移動図書館についての市の考え方は、複合施設における移動図書館の運用については、今後検討しますとあります。
 複合棟が整備された後、移動図書館の運行はどうなるのか、お示しください。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市立図書館では、現在3台の移動図書館車を運行しており、図書館から離れた地域に出向き、直接の来館が難しい市民の皆様へ、本の貸出しや読み聞かせなどを行っております。
 複合施設棟の整備後におきましても、引き続き移動図書館車を運行し、運行ルートの工夫や年齢層、季節等を考慮した本の入替えなどを行いながら、より多くの皆様に御利用いただける機会を提供してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 次に、蔵書数、図書館の面積についてお尋ねします。
 市民の皆さんは、蔵書数が48万冊に減ることをとても心配されています。新設される複合施設棟は、延べ床面積が約6,800平方メートル規模の建物が計画されています。複合施設棟に入る予定の5施設の延べ床面積は7,637平方メートルであります。延べ床面積は11%減少します。
 蔵書数の検討は、計画の算定時は令和2年度実績54万冊との比較で行われていたと伺っています。54万冊から48万冊へと蔵書数は減少するわけですが、その減少率は、ちょうど床面積の減少率11%と一致します。偶然の一致なのでしょうか。48万冊ありきの蔵書計画ではと思えてなりません。
 現在の蔵書数を減らさずに収蔵してもらいたいということが、市民の声です。この声に対して、どのようにお考えですか。あわせて、図書館面積について、必要十分な面積を確保してもらいたいと考えています。答弁をお願いします。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 基本計画にお示ししている蔵書数につきましては、現在の中央図書館の蔵書のうち、除籍すべき数と、将来にわたって保存していくべき資料の数と、今後収集していく資料の数を、専門職である図書館司書が日本十進分類法の分類ごとに積み上げて算出したものであり、今後、収集、保存していく郷土資料等、次世代に残していくべき資料の数も含まれております。
 今後、収集方針及び除籍基準に従い、収集や除籍を行うことにより、基本計画でお示ししております蔵書数48万冊が適切なものであると考えております。
 また、複合施設棟は、複合化する各施設に明確な境界がない融合型の施設を目指しており、様々な図書館活動に必要な面積は、施設全体の中で確保できる計画としております。
○議長(中島光浩君) 末田 正彦議員。
◆34番(末田正彦君) 今の答弁ですけれども、12月議会で田口議員が質問したときの答弁と同じで、このパブリックコメントに書かれている中身と同じなんですけれども、48万冊にする根拠がすごく曖昧だと思うんですよ。現在、司書が1点ずつ状態を確認して保存しておくべき本なのかどうかを判断して、除籍という業務を進めている最中です。にもかかわらず、48万冊という答えが出るはずがないんですよね。今後どれだけ収集していこうか、将来にわたって保存していく資料がどれだけあるか、そういった数も明らかになっていません。だから、私は48万冊ありき、床面積に合わせて、ただ減らしていったとしか思えないんですよ。今日はそのことを申し上げておきたいと思います。
 新しい図書館には、これだけのパブリックコメントが出されただけに、本当に大きな期待が寄せられているんですよ。パブリックコメントの中でも、図書館は知の殿堂であってほしい、蔵書の充実は不断に図られるべきもの、こうした多くの意見が寄せられています。蔵書数を減らすことなく、かつ必要十分な開架スペース、床面積を確保してもらいたいということが多くの意見であり、私もそのように思っております。
 住民はあらゆる表現の記録に接する権利を持っておりまして、この住民の知る権利を保障することが、公立図書館の重要な責務となっているのです。図書館の運営方針は、今日は触れませんけれども、この運営方針の決定はこれからです。この責務を果たすためにも、運営は直営を維持して充実させてもらいたいと、今日はそのことを強く要望しておきたいと思っております。ぜひ直営で頑張ってもらいたいと、教育長、決意を固めてもらいたいということを要望して、今日は質問を終わりにしたいと思っております。
 ありがとうございました。(拍手)
ご利用について
  • この議会中継は倉敷市議会の公式記録ではありません。
  • 録画中継は、会議の翌日から起算して、おおむね3日後(土、日、祝日を除く)からご覧いただけます。
  • 映像配信を多数の方が同時にご覧になった際に、映像が正しく表示されない場合があります。
  • 本サイトに掲載している情報、また、倉敷市議会ウェブサイト全体は著作権の対象となっており著作権法により保護されています。「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き、無断で複製・転用することはできません。