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田辺 牧美 議員
令和6年第3回倉敷市議会(第2回定例会) 6月19日(水) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月19日(水) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田辺 牧美 議員
1 災害対策について
2 本市における農業政策について
◆12番(田辺牧美 君) (拍手) 皆さんこんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の田辺 牧美です。
災害対策と農業政策の2項目について一問一答の方式にて質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1項目め、災害対策について5点お伺いします。
今年1月1日能登半島地震が起こり、5か月半が経過いたしました。亡くなられた皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私は、4月2日から4日にかけて石川県羽咋市に、労働組合や民主団体、日本共産党が共同して開設した被災者支援センターを拠点に、羽咋市と珠洲市で、短時間ではありましたが、被災者訪問活動に参加してまいりました。震度7と2分後の震度6弱の連動した地震の被害は、想像を超えるものでした。南海トラフ地震への備えを日頃から行わなければならないと改めて痛感し、災害対策について質問いたします。
この項1点目、日頃からの備えについてお伺いいたします。
初めに、地震に対する危険予知と初期行動についてです。
地震は、水害と違って突然起こります。最近では4月17日23時14分頃、倉敷でも緊急地震速報が鳴り、その後、震度3の揺れがありました。いきなり緊急地震速報が鳴ったときに、どうしようか、どこにいようかと、正直、私自身も迷いました。緊急地震速報が鳴った後のほんの僅かな瞬間にどのような行動を取るかは、生死を分ける重要なポイントの一つと考えます。どこに逃げるのか、どういう姿勢を取るのか、何をするのかは、危険を予知し、日頃から訓練する必要があると考えます。
危険予知訓練は、なかなか一人ではできません。初動をどうするのかを学ぶことを、機会あるごとに取り入れていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 田辺 牧美議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
地震が発生した場合の行動につきましては、啓発冊子くらしきの防災や市ホームページに掲載するとともに、くらしき防災フェアなどのイベントや出前講座などで紹介、啓発に努めているところです。
その中で、地震を題材とした出前講座では簡単な訓練を行う場合があります。その際に、講師が今地震が起きましたと声をかけ、参加者には、実際に机の下に潜ってもらいます。そこで、低い姿勢を取ったまま頭を守るといった行動を取っていただきます。その後、揺れが収まりましたとの合図の後、元の席に戻ってもらって、その後の行動である逃げ道の確保、ガスの元栓を閉める、電気のブレーカーを落とす、非常持ち出し品を持って避難するといった一連の避難行動について説明し、参加者の皆さんと意見交換を行っているところです。
このように、地震発生時の身を守る行動というのは非常に大切ですので、引き続き啓発に努めてまいりたいと思います。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 引き続きよろしくお願いいたします。
2つ目、自主防災組織への支援についてお伺いいたします。
日頃から、地域にはどんな危険箇所があって、避難経路や避難方法はどうするのか、体の不自由な方とどう逃げるのかなど、防災、減災のための知識を得て、地区防災計画を作成するなど、自主防災組織は大きな役割を持っています。しかし、どのように立ち上げたらよいのか、またどのような活動をしたらよいのか、よく分からない。特に、ほかの自主防災組織の経験を聞きたいとの要望が強くあります。
そこでお尋ねいたします。自主防災組織の研修会はどのように行われているのでしょうか。また、例年、出前講座などの要望が多くあり、講師が不足しているのではないでしょうか。講師の養成も必要と考えますが、どのように実施しているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 自主防災組織同士が、地域の枠を超えて気軽に相談できる関係を構築するとともに、他の組織の活動を参考としてもらうことを目的とした交流会を昨年度から開催して、意見交換や事例発表を行っているところです。
参加者からは、活動のヒントになった。地域に持ち帰って、自分たちの活動に取り入れたいなどの声をいただきましたので、今年度も、同様の内容で複数回実施することといたしております。
また、講師につきましては、くらしき防災士の会など、市内の防災活動団体には講師ができる方もおられますので、協力をいただきながら、出前講座を実施しているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 次に、地区防災計画の作成の状況と作成支援についてお伺いする予定でしたけれども、同様の質問がありましたので、割愛いたします。
3つ目、食料や生活用品の備蓄についてお尋ねいたします。
まず、家庭での備蓄についてお尋ねいたします。
本議会に、全家庭に災害に備えて家庭で準備しておくべき非常持ち出し品・備蓄品リストを配布する予算案が上程されております。
リスト配布は、日頃からの備え、備蓄を進める上で有用でありますし、いつでも目に触れて活用できる形状がよいと考えますが、どのような内容になるのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 今議会に補正予算で計上いたしております災害予防啓発事業についてでございますが、災害に備えて、御家庭で準備しておくべき非常持ち出し品や備蓄品のリストを作成して、各御家庭に配布する経費でございまして、広報くらしき9月号に折り込む予定で準備したいと考えております。
また、出前講座や各種イベント等でも配布して、使えるようにしたいと思っております。
内容につきましては、必要な物を具体的にイメージしていただけるように、イラストなどでも例示いたしまして、非常持ち出し品の一覧表、そして備蓄品の一覧表という形で掲載したいと思っておりますが、この非常持ち出し品、備蓄品というのは、例えば、薬等もございまして、各御家庭でそれぞれ異なっておりますので、必要な物品にチェックし、必要量を書き込んで、そして冷蔵庫など見えるところに貼っていただいて、日頃から準備していただいて、活用していただけるようなものにしたいというふうに思っているところでございます。
普通の広報紙の中に折り込むつもりでございますが、そのリストはちょっと硬めの紙で、貼っても使っていただけるようにしたいというつもりで考えたいと思っております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) ぜひこれが役に立って、日頃からの備蓄が進むように期待しております。
次に、市の備蓄計画について及び玉島の備蓄倉庫についてお伺いする予定でしたが、同様の質問がありましたので、この項も割愛いたします。
なお、玉島の備蓄倉庫の予定地は、水玉ブリッジラインに近く、高台でもあり、高梁川の西側に設置する意味で、適当な場所と評価いたします。また、水玉ブリッジラインの道路の下には、水島コンビナートから福山に向けて、天然ガスを託送している直径30センチのガス管が通っていますので、地震があった場合には道路の状態について、ガス会社と情報共有して対応することが必要ですので、一言付け加えておきたいというふうに思います。
4つ目、簡易トイレの確保についてお伺いいたします。
災害時に一番困るのが、水とトイレの問題です。地震で被災地域が広範囲になり、断水が長期間続いた場合、生活用水がない中でトイレを確保しなければなりません。避難所になる学校等にマンホールトイレを設置したり、トレーラーハウス式のトイレなど整備が進められていますが、十分足りているとは言えません。
6月14日付赤旗に、NPO法人日本トイレ研究所が、5月22日に能登半島地震・避難所等のトイレ調査報告会を開催し、調査結果を報告したと掲載されました。
この調査は、能登半島地震発災1か月後に、石川県輪島市と七尾市の避難所21か所を対象に行われました。仮設トイレの設置が、被災後3日以内だったのは10%、4日から7日が50%であり、発災当初は避難所の90%が携帯トイレを使用し、1か月後でも38%が携帯トイレを使用していたとのことです。
被災後、すぐにマンホールトイレや仮設トイレが設置できるように整備を進めることが求められますが、整備には一定の時間がかかり、いつ起きるか分からない地震に対しては、簡易トイレや携帯トイレの備蓄が必要と考えます。避難所に備蓄するとともに、地域の集会所や家庭での備蓄も必要と考えます。
また、さきに述べたNPO法人日本トイレ研究所の報告では、簡易トイレや携帯トイレを初めて使う人が多く、簡易トイレを避難所のどこに置くのか、どうやって使うのか、また携帯トイレも、上手に使えず失敗したりと苦慮していたそうでございます。
そこでお尋ねいたします。簡易トイレや携帯トイレの備蓄状況や使用方法の啓発など、どのように行われているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 簡易トイレにつきましては、倉敷市備蓄計画に基づきまして、令和7年度末までに60万回分の便袋を備蓄することとしておりまして、今年度末までには48万回分を調達できる予定と考えております。そのうち、現在までのところは指定緊急避難場所147か所に、1か所につき300回分で計4万4,100回分を備蓄しているところでございますが、今後、指定緊急避難場所の147か所のほうに、もうちょっと増やしていかないといけないというふうに思っておりますので、場所等の課題もあるわけですけれども、便袋の調達に合わせまして、また検討していきたいと思っております。
啓発につきましては、くらしきの防災やホームページなどで啓発していきまして、おうちのほうでも便袋を御準備いただければもちろん一番いいわけですけれども、ビニール袋など、代替えできるものもあるかと思いますので、いろんな方法についても、出前講座などでもお示ししていきたいというふうに思っているところでございます。
トイレのことにつきましては、能登半島地震でも非常に注目されておりますので、市といたしましても、日本トイレ研究所とは、日頃からいろいろ連携を取っているところでございますので、その知見なども活用しながら、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) よろしくお願いいたします。
5つ目、水の確保についてお尋ねいたします。
水は命の源であり、地震の震源地や規模によっては、復旧に時間がかかる場合も予想されます。
本市の飲料水の確保について、計画及び備蓄状況はどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 南海トラフ地震などの大規模災害に備えての飲料水につきましては、現在、市内5か所の耐震性貯水槽による約5万人の3日分及び500ミリペットボトル30万本、そして給水車の活用によりまして、必要とされる飲料水につきましては確保してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 現在、能登半島地震を受けて、県の被害想定の見直しがされているとお聞きしていますので、被害想定が変更すれば、備蓄量も変わってくると思います。被害想定の変更に沿って、速やかな備蓄をお願いしたいというふうに思います。
次に、防災井戸についてお伺いいたします。
長期間断水が続いている珠洲市に支援にお伺いしたところ、井戸があって、ふだんから水質検査も行っており、大変助かったと言われた地域がありました。水質検査を続けるのは大変ですけれども、生活用水として、洗い物やトイレ、復旧作業などに使用できる井戸は、大変有用と考えます。
他の多くの自治体で、公園や指定避難所などに防災井戸を設置しています。本市においても、災害に備えて防災井戸の設置を求めますが、見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 飲料水につきましては、倉敷市備蓄計画に基づき備蓄しているところでございますが、生活用水については、御家庭の給湯器のタンク、またマンションなどの受水槽、雨水タンク、近所の井戸、各避難所においてはプールの水など、既存のものを災害時にも使用できないかどうか、そういったことを検討していただくよう、防災まち歩きやワークショップ、出前講座などを通じて啓発しているところでございます。
また、平成30年7月豪雨災害のとき、真備町においては水道の水が飲料水として使えなくても、早い段階から試験通水におきまして、生活用水としての活用も行ったところです。
ですから、まずはこのような取組で、生活用水の確保に現在努めているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 防災井戸については、市が設置するとともに、市民に協力していただき登録して、そして市民に公表しているという災害用協力井戸事業を実施している自治体も多数あります。防災井戸に補助金を出している自治体もあります。ぜひ、防災井戸の設置について検討していただきますように強く要望しておきたいと思います。
それでは、この項2点目、液状化対策についてお伺いいたします。
羽咋市は、建物が倒壊するとともに、液状化の被害が甚大でした。本市も、南海トラフ地震が発生した場合、広い範囲で液状化の危険度が極めて高い地域となっており、液状化対策が必要です。
まず、液状化被害認定基準の見直しを国に求めていただくことについて要望いたします。
議長のお許しを得て、資料を提示させていただきます。
資料1-1を御覧ください。
4月2日、金沢市から約1時間のところにある羽咋市大川町で被災者訪問をいたしました。羽咋市は、人口約2万人、8,470世帯で、1月1日のときには震度5強、お1人が亡くなられ、全壊63棟、半壊479棟、一部損壊2,515棟の被害を受けました。
資料1-1を見ていただきますと、家屋は倒壊しておらず、一見して被害状況は分かりません。ところが、電柱が傾いているのが分かります。一軒一軒訪ねて様子をお聞きして、初めて家の柱や戸も傾いていることが分かりました。
資料の1-2は、液状化で側溝が傾いています。実際に住んでおられるお宅を撮影するのは、さすがにはばかられて、塀しか撮影することができませんでしたけれども、同じような形で家が傾いていました。
また、資料1-3のお宅は、塀に大きな亀裂ができています。大きなおうちでしたけれども、外見からは、被害は分かりませんでした。ちょうど御自宅に寄られていましたので、お話をお伺いしますと、家の中はぐちゃぐちゃで全壊の判定だったそうです。公費解体するにも、家財をどうやって片づけようかと困られていました。許可をいただきまして、塀だけ撮影させていただきました。
資料1-4のお宅では、ドアがゆがんで開かない。資料1-5のように、玄関が大きく壊れて、動かないと話されました。このお宅は半壊の判定でした。
資料1-6の別のお宅は、まだ庭に砂が噴き出したまま残っていました。
大川町を訪ねてみて衝撃を受けたのは、液状化被害の恐ろしさです。一軒一軒被害状況が違い、家の全ての建てつけがゆがみ、開け閉めができず、ゆがんだ台所で調理していると気分が悪くなると言われます。しかし、現在の家屋の被害認定基準では、破損が僅かであれば、一部損壊にしかなりません。しかし、ある方は、家のゆがみを直してもらうのに見積りを取ると1,000万円以上だったと、途方に暮れておられました。液状化被害認定基準は、東日本大震災を受けて、液状化等の地盤被害による被害認定基準が定められていますが、これによっても、なお人が生活する上での支障から見れば、認定基準が低いと考えます。
液状化被害認定基準の見直しについて、ぜひ今のうちに国に強く要望していただきたい。このことは要望とさせていただきます。
次に、支援金制度拡充についてお尋ねいたします。
液状化被害に関わらず被災された方が生活を再建するには、多額の費用が必要になります。被災者生活再建支援金は、全壊で住宅を建設した場合でも最大300万円にしかならず、到底、住宅や生活の再建はできません。
被災者生活再建支援金の拡充を国に強く要望すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 被災者生活再建支援金は被災者生活再建支援法により、自然災害でその生活基盤に著しい被害を受けた方に、生活再建支援金を支給することにより住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的としたものでございます。
近年、自然災害が激甚化、広域化、長期化していることから、被災者生活再建支援制度につきましては、被災地の実情に鑑み、上限額や適用範囲の拡大など総合的な制度の見直しを図ることを、全国市長会などを通じまして国に要望しているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) ぜひ、引き続き強く要望を続けていただきたいというふうに思います。
次に、液状化対策事業への国の支援についてお伺いいたします。
液状化対策は、なかなか困難ではありますが、できるところから少しずつでも対策を取る必要があると考えます。
道路、下水道等の公共施設と隣接宅地等との一体的な液状化対策を行う宅地液状化防止事業は、国の補助率が原則4分の1であるため、自治体の負担が大きく、なかなか手が出せていないのが現状です。
国に対して、支援拡大を求めていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 宅地液状化防止事業とは、主に宅地の用に供され、大地震などで液状化現象が発生する可能性のある地域において災害の発生を抑制するため、道路、下水道などの公共施設と隣接宅地などの一体的な液状化対策を行う大規模な事業となっております。
幾つかの事業要件がありますが、本事業は、今のところ、全国的に採択例が少ない上に、住民の合意形成が必要で、かつ高度な技術が要求される事業であるとも伺っております。
現時点では、本市では、この事業の活用予定はありませんが、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えているところです。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) よろしくお願いいたします。
この項3点目、被災者見守り・相談支援等事業についてお伺いいたします。
今回、羽咋市と珠洲市にお伺いいたしましたけれども、ほとんどのお宅で、自分たちの状況や要望を聞きに来てくれたのは初めてだと言われました。一軒一軒違う課題を、いつ誰が聞いて解決していくのかと、国や石川県の対応の遅れを非常に感じました。
平成30年7月豪雨災害のとき、本市では平成30年10月から被災者見守り・相談支援等事業が開始されました。この事業は、東日本大震災の課題を踏まえ、熊本地震の際につくられた仕組みで、本市職員が熊本から学び、私たちも制度発足を要望した制度です。
社会福祉協議会に業務委託し、被災した全世帯を繰り返し訪問し、課題を抽出して、倉敷市被災者見守り支援室につないで課題を解決する。また、地域のコミュニティーづくりや、ボランティアの協力を得て全被災者に絵手紙を送ったり、様々な活動を通じて被災者の声を聞き、見守り支援する活動が5年半にわたって行われました。ハード面での復興は進みましたけれども、生活再建や心のケアは、時間がかかります。
今後も、形は変わっても相談支援活動を継続していただくとともに、大きな役割を果たした被災者見守り・相談支援等事業の経験を継承していただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 被災者見守り・相談支援等事業につきましては、重層的支援を担う保健福祉局保健福祉推進課福祉支援連携室が引き継いでおりまして、必要な方への戸別訪問を行い、総合的な支援方針の作成や、各支援機関と連携しながら支援の進捗状況を確認するなど個別支援を継続しております。
また、真備支え合いセンターを倉敷市社会福祉協議会真備事務所内に残し、来所者の相談に継続して対応しております。
さらに、本市が実施してきました被災者見守り支援における相談支援の仕組みや支援機関との緻密な連携ネットワークは、重層的支援体制整備事業におきまして、総合的な支援に取り組む中に継承しておりますので、今後の災害時にも適切に対応できるものと考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) ぜひ、引き続きよろしくお願いいたします。
4点目、高梁川下流域の基準観測所についてお伺いいたします。
昨年9月議会において、小田川合流点付け替え工事後の基準観測所の設置場所は、合流点より下流に必要ではないかと質問いたしました。
国土交通省において検討中と伺っておりましたけれども、その後、どのようになったのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 高梁川下流の基準観測所ですが、酒津水位観測所から、高梁川と小田川の新合流点の下流に位置します船穂水位観測所に変更しておりまして、令和6年5月23日から運用を開始していると、国土交通省のほうからは伺っております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 承知いたしました。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員、この際申し上げます。
質問の途中でありますが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時53分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 1時 開 議
○議長(中島光浩 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
12番 田辺 牧美議員、質問項目1番の質問を再開してください。
◆12番(田辺牧美 君) この項5点目、浸水対策についてお伺いいたします。
まず、里見川水系の防災における監視体制についてお伺いいたします。
浅口市から玉島を通って玉島港に注ぐ里見川水系については、岡山県が河川整備計画案を策定し、現在、パブリックコメントの募集が行われています。
整備計画案によると、浅口市内を流れる新川については、堤防整備や河道掘削が行われますが、下流の玉島地区は、堤防整備が行われない計画です。下流の玉島地区の住民の皆様は、大雨が降れば、やはり不安を感じると思われます。
整備計画には、里見川水系における全ての県管理河川において、必要に応じ局部的な改良工事や応急的な対策工事を行うなど、状況に即した適切な対応に努めますとあります。今後、上流域で工事が行われますので、工事後の影響を含め、大雨時にはこれからも監視体制を取り、堤防に問題がある箇所が発見された場合など、県に早急な対応を求める必要があると考えます。
本市において、大雨時などの防災体制についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 大雨が予測される場合、本市では、倉敷防災ポータルや気象庁の洪水キキクルなどを確認いたしまして、警戒レベルとなった場合には、監視カメラやパトロールにより水位状況を確認してまいります。
現地確認により、越水が予想される場合には、市の災害対策本部と連携いたしまして、地域住民にお知らせするとともに、土のうを積むなどの応急対応を実施し、また河川管理者である県に対しましては、早急な対応をお願いすることとしております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 里見川水系におきましても、今までと同様にしっかり監視体制を取っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、雨水流出抑制についてお伺いいたします。
最近は、短時間に大量の雨が降るようになり、下流に流れる間もなく用水路等があふれるという状況が起こりやすくなっています。あらゆる方法で、雨水の流出抑制を図る必要があります。
倉敷市総合浸水対策基本計画には、雨水流出抑制の一つとして、補助制度活用による雨水流出抑制施設設置の推進とあります。
家庭用雨水タンクの設置について広報を進める必要があると考えますが、現状はどのようになっているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 河村環境リサイクル局参与。
◎環境リサイクル局参与(河村泰宏 君) 家庭用雨水タンクの設置に係る倉敷市雨水流出抑制施設設置補助金制度を利用した設置状況としましては、年間30件程度となっております。
雨水タンク設置の推進は、雨水流出抑制の効果や雨水利用による水循環社会への貢献だけではなく、市民の皆様一人一人の防災意識の向上にもつながるものと考えておりますので、今後も様々な機会を通じて広報してまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 次に、保水及び遊水の機能の保持についてお尋ねいたします。
温暖化の影響で降水量が増え、農地の宅地化が進行してきており、市内の用水路等は、高低差がないところが多いことから、浸水対策を行う上では、開発が進む前に保水及び遊水機能を有する調整池のような貯留施設を設置すべきと考えますが、市の見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 河村環境リサイクル局参与。
◎環境リサイクル局参与(河村泰宏 君) 保水及び遊水機能を有する施設につきましては、倉敷市雨水管理総合計画の中で調整池や貯留施設を計画しておりますので、引き続き本計画に基づいて浸水対策を実施していきたいと考えております。
また、令和4年4月1日に施行した倉敷市総合浸水対策の推進に関する条例におきまして、2,000平方メートル以上の開発行為を行う際は雨水排水計画を市へ提出し、協議することとしております。
本条例の施行後は、令和6年3月末までに34件の協議を行っており、約4,200立方メートルの雨水流出抑制効果が見込めるものとなっております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 先ほど、倉敷市雨水管理総合計画にあるというふうにおっしゃったわけですけれども、計画されていても何年も先の話であり、どんどん宅地化が進んでしまい、一方で浸水地域を増やしながら、一方で浸水対策をするという状況になりかねないわけです。倉敷市雨水管理総合計画全体をもっとスピードアップして、対策を図る必要があると考えます。
そこで、倉敷市雨水管理総合計画の進捗状況についてお伺いします。
計画の第1期工事にあります玉島地域の北部、新倉敷駅周辺を流れる新川1-2排水分区は、計画では各機関との調整を終えて、本年度は設計となっています。
住民の皆様から、どこまで進んでいるのだろうかとよく尋ねられるのですけれども、現在までの進捗状況はどのようになっているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(中島光浩 君) 河村環境リサイクル局参与。
◎環境リサイクル局参与(河村泰宏 君) 新倉敷駅周辺の新川1-2排水分区につきましては、これまで関係機関との調整及び現況の排水系統などの確認を行ってまいりました。
その結果、周辺の排水分区からの影響が大きいことが新たに判明しましたので、今年度は広域的に詳細な水路の高さや断面の計測等を実施しまして、来年度以降、対策の検討や関係機関との再調整を行っていく予定としております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 影響が大変大きいことが分かったということですので、しっかりこれをやっていただくことによって効果も大きいと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
それでは、2項目め、本市における農業政策について4点お伺いいたします。
先月、食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改定されました。我が国は、食料のほか、肥料などの農業生産資材の多くを外国に依存しており、現在の食料自給率は38%です。何事かあれば真っ先に飢えるのは、日本ではないかとさえ言われています。
しかし、今回の改定では、食料自給率向上が目標から外され、輸入に依存し、国内の生産を軽視して問題であると、我が党は国会審議で反対いたしました。安全保障を言うなら、食料自給率を向上させることこそ必要であり、農業を守ることは自然環境を守り、防災の点からも非常に重要と考えます。
本市には、令和4年度において、まだ3,660ヘクタールの農地が残っています。食料自給率向上の目標が外された基本法改定を踏まえ、市は農業を守るために何が重要と考えておられるでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 松浦文化産業局参与。
◎文化産業局参与(松浦宏 君) 農業は、食料の生産・供給機能に加え、洪水の防止や水源の涵養、自然環境の保全など、多面的な機能を担っております。
これらの機能が発揮されますよう、担い手の育成、確保、農地の集約化及び農地の適正かつ効率的な利用、防災、減災を視野に入れた農業用施設の整備などの取組を総合的に進めていくことが重要と考えております。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) この項2点目、家族農業、小規模農業を支える施策についてお伺いいたします。
国は、先ほども答弁にありましたように、農地の大規模化、集約化を図る政策に重点を置いていますけれども、日本の農業経営体の95%以上は家族経営体です。この傾向は、ヨーロッパやアメリカなど他の先進国も同様と言われており、家族経営、小規模経営を支援する方向にかじを切っています。
国連は2019年から2028年を家族農業の10年と定め、各国が家族農業に係る施策を進めるとともに、その経験を他国と共有することとうたっています。本市においても、先祖代々の農地を守り、本市の農業を支えているのは家族農業、小規模農業です。
この現状を踏まえ、持続可能な地域農業を実現するために、本市ではどのように取り組むのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(中島光浩 君) 松浦文化産業局参与。
◎文化産業局参与(松浦宏 君) 持続可能な地域農業の実現のためには、経営規模の大小や家族・法人経営の別を問わず、意欲的な生産者が農業経営しやすい農地を確保する必要がございます。
そのため、地域全体の農地利用の在り方などについて、農地所有者をはじめ、地域農業に関わる多くの人が話し合い、合意形成につながるよう積極的に支援してまいります。
○議長(中島光浩 君) 田辺 牧美議員。
◆12番(田辺牧美 君) 次に、3点目、市民参加を進める施策について要望させていただきます。
先日、我が会派で、東京都日野市の農業について視察を行いました。日野市は、平成10年、1998年に農業基本条例を制定し、市民と自然が共生する農あるまちづくりを進めてきました。様々な取組をする中で、市民も農業を応援する取組を取り入れています。
まずは、農業についての基礎知識を学ぶために、受講料無料の援農ボランティア養成講座、農の学校を開校し、定員約20名、1年間のカリキュラムで座学と月2回から5回の畑の実習などを行っています。卒業生は、NPO法人日野人・援農の会に所属し、繁忙期や草刈りなどの農家を支援するボランティアとして活躍されています。
担当者にお聞きいたしますと、1年間学んだくらいでは、もちろん農業の中心部分をお手伝いできるわけではないそうですけれども、市民の地域の農業を守るという高い意識でできるサポートを行っているそうです。
今後、これからの食料不足や気候危機を考えると、市民も農業について学び、関心を持ち、できるサポートをする契機となる農の学校のような取組を、本市でも取り組んではどうかと考えます。ぜひ検討いただきますよう要望いたします。
この項最後に、鳥獣害被害防止対策についてです。
イノシシが、市街地や工業地帯、海岸近くまで出没して農作物への被害があり、市民も危険にさらされるという状況にあります。今議会でも、対策を求める質問がありましたので、答弁は結構ですけれども、私からも、山際等へ設置する侵入防止柵に対する県の補助事業に関し、農地以外の区域も対象とするよう県に要望していただき、また本市としても、効果的な被害防止対策を進めていただくよう強く要望いたします。
なお、今年県内で捕獲された野生イノシシに、高梁市で2月、3月、そして先日と3例、また奈義町で1例の計4例の豚熱ウイルス感染が確認されたとお聞きしております。本市におけるイノシシの捕獲活動においても、豚熱の感染拡大防止に十分留意の上、取り組んでいただきますよう要望し、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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