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齋藤 武次郎 議員
令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会) 9月6日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月6日(金) 本会議 質問
青空市民クラブ
齋藤 武次郎 議員
1 倉敷市立倉敷支援学校について
2 保育所等について
3 水道料金について
4 年金生活者について
◆35番(齋藤武次郎 君) (拍手) 青空市民クラブの齋藤 武次郎でございます。
質問に入る前に、会派を代表して、台風10号でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被害を受けられた皆さんにお見舞い申し上げます。
また、倉敷市においても市民の皆さんの生命と財産を守るため、避難所運営をはじめ、台風対応に携わっていただいた全ての皆さんに感謝申し上げたいと思います。殊に、学校園の早めの一斉休業の決定、事前避難所をエアコンの効く場所に設定する等、市民の皆さんに寄り添った判断と対応をいただいたと、高く評価させていただきたいと思います。私も地元の避難所に行かせていただきましたが、不安を抱えて避難してこられた独り暮らしの高齢者の方が、とても安心して喜んでおられましたことを御報告させていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
それでは、通告に従い、順次質問させていただきたいと思います。
質問通告第1点目の倉敷市立倉敷支援学校についてお伺いいたします。
6月議会で、倉敷支援学校高等部の1年生が1人もスクールバスの利用ができていないことを取り上げて、質問させていただきました。その後、8月に学校から保護者の皆さんに、高等部生徒のスクールバス利用についてと題して、現在高等部生徒のスクールバス乗車について検討している旨の連絡がなされました。
2学期に入り、今年度よりスクールバスが減便になり、1学期間運行してまいりましたところ、現在の利用状況がある程度落ち着いてまいりましたので、スクールバスの利用を希望される保護者の皆さんとお話しさせていただくことが可能になりました。希望者と面談した後に、スクールバス乗車検討委員会にて乗車の検討を行う旨の文書が保護者の皆さんに配付されました。
そして、ついに本日、9月6日から高等部生徒のスクールバス利用が始まりました。今朝も、スクールバスが利用できるようになった保護者の方から、半年近く乗っていなかったので、ちょっと戸惑いながらでありましたけれども、元気にバスで登校していきましたと、うれしい御報告をいただきました。高等部生徒のスクールバス利用について、学校及び教育委員会の皆さんが保護者の皆さんに寄り添い、丁寧な対応をいただきましたことに敬意を表すとともに、感謝申し上げたいと思います。
また、この間に大きなマスコミ報道もありましたので、改めて質問させていただきたいと思います。
まず、倉敷支援学校では、この間どのような対応を行い、今後どのように取り組んでいくお考えなのか、お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 齋藤 武次郎議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
倉敷支援学校高等部の通学方法は、入学者選抜実施要項で示しているとおり、原則自力通学としておりますが、高等部生徒のスクールバス利用につきましては、特別な事情により自力通学ができない場合には、乗車について検討することとしております。
倉敷支援学校では現在、高等部の中で乗車希望のあった生徒一人一人について、本人や家庭の状況を基に改めて乗車について検討し、バスの空席状況を考慮しながら対応を進めているところでございます。
倉敷市教育委員会といたしましては、今後も一人一人の実態に応じた丁寧な対応を行うとともに、自立と社会参加を目指した教育活動ができるよう支援に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) ぜひ、今後とも一人一人の実態に応じた、児童、生徒や保護者の皆さんに寄り添った、丁寧な対応をお願いしたいと思います。
次に、学校から保護者の皆さんには、スクールバスが減便になり、1学期の間様子を見るために高等部1年生がスクールバスを利用できなかった。このように説明されておりますが、一方、マスコミ報道では、特別支援学校小学部・中学部の児童、生徒が増加傾向にあるため、高等部の生徒のスクールバスを利用できる人数が減っているとされています。
そこで、倉敷支援学校の小学部、中学部の児童・生徒数の推移とスクールバスを利用する児童・生徒数の推移、今後の見込みについてお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立倉敷支援学校の小・中学部の児童・生徒数は、岡山県立倉敷まきび支援学校が開校した平成26年度は102人でしたが、令和6年度は168人となっており、増加傾向にございます。また、スクールバスを利用して通学する小・中・高等部の児童・生徒数は、平成26年度は133人でしたが、令和6年度は159人となっており、やや増加しております。
今後の児童・生徒数につきましては、障がいのある児童、生徒の学びの場について審議を行う倉敷市特別支援教育支援委員会での判断や、保護者の意向を踏まえて就学先が決定するため、今後の推移を正確に把握することが難しい状況でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今御答弁があったように、児童・生徒数もスクールバス利用者数も増加傾向なんですね。義務教育である小学部、中学部の児童、生徒のスクールバス利用が優先されるという基本的な考え方は理解できますが、一方、いつスクールバスを利用できなくなるのかと思うと、保護者の皆さんはとても不安だと思うんです。現に昨年度倉敷まきび支援学校では、2学期までスクールバスを利用できていた高等部の生徒が、3学期から利用できなくなったという事例があったそうです。これでは、安心して子育てと仕事が両立できるとは言い難いと思います。
ここで議長のお許しをいただき、資料を提示させていただきたいと思います。
これは議会事務局にお願いし、全国の都道府県の特別支援学校高等部のスクールバス利用についての考え方を調査し、一覧表にしてもらったものであります。
岡山県は、希望するコースの定員に空きがあり、かつ特段の事情により自力通学できない場合には乗車を認めるという考え方で、多くの都道府県と同様の考え方であります。しかし、太線で囲んだ茨城県や栃木県など13の府県では、特段の条件なしで乗車を認めています。殊に兵庫県では、希望した生徒は全員乗車可能と明快であります。
ちなみに倉敷支援学校では、小学部104人のうち、89.4%の93人がスクールバスを利用しています。中学部64人のうち、96.9%の62人がスクールバスを利用しています。それに対して高等部の99人のうち、昨日までは4%の4人しかスクールバスを利用できていません。このデータから見ても、スクールバスのニーズが高いことは明らかであります。
高等部卒業後、就労や地域社会で生活することを考慮して、高等部在籍中に公共交通機関を利用できるように訓練することが大切だということは十分理解できます。しかし、それは、スクールバスを利用しない場合に自転車通学や公共交通機関で通学する場合で、保護者による自主送迎では、訓練はできていないと言わざるを得ません。また、特別支援学校に公共交通機関を利用して通学できるように、その路線や便数が維持されることも重要であります。
先ほどの答弁で明らかになったように、特別支援学校に通う児童・生徒数は増加傾向にあります。このことも考慮して、スクールバスの増便や路線を増やすことを検討すべきと考えますが、教育長の御見解をお尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立倉敷支援学校では、小・中学部の児童、生徒のスクールバスの利用状況や、高等部の生徒の状況を丁寧に把握し、高等部の生徒のスクールバスの乗車について検討するとともに、併せて合理的な運行ルートや停車するバス停についても、配慮しながら運用しているところでございます。
倉敷市教育委員会といたしましては、引き続き倉敷支援学校と情報共有を図りながら、スクールバスの運用について対応を考えてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 場合によっては小学部、中学部の児童、生徒さえも、スクールバスを利用できない児童、生徒が生じることも、将来的には懸念されると思いますので、ぜひ前向きに対応を御検討いただきたいと思います。
さて、自力通学が困難な重度の障がいのある生徒も高等部に入学しているという現実、またほかに選択肢がないという現実、重度の障がいのある生徒の学ぶ機会の保障等を考慮すれば、現在の高等部受験の要項の自力で通学が可能な者とするについても、見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。
このことについては、先日の新聞報道でも、特別支援学校学を専攻しておられる岡山大学学術研究院の吉利(よしとし) 宗久教授の、日本では障がい者が義務教育を外れた後の支援の薄さが問題。スクールバスもその一端だと指摘。障がいのある子供たちが安全に通い、学ぶ権利を守るために個々の事情に適切に対応すべきだ。児童、生徒が増えている現状に合わせ、運用を再検討する時期に来ているとの提言も紹介されています。
教育長の御見解をお尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市内には、倉敷市立倉敷支援学校と岡山県立倉敷まきび支援学校が設置されていることから、入学者選抜実施要項の作成や教育環境の整備につきましては、岡山県教育委員会と連携しながら取り組んでおります。
高等部入学者選抜実施要項にある自力で通学が可能な者とするという出願の条件につきましても、それぞれの学校の要項に現在定められております。
倉敷市教育委員会といたしましては、高等部入学者選抜実施要項の出願条件の見直しにつきましては、岡山県教育委員会と協議を行いながら対応を検討してまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 私は、日の当たらないところに光を当てることこそが、政治の使命だと思っています。確かに、特別支援学校高等部のスクールバス利用者は少数なのかもしれません。だからといって、それに目を伏せていいんでしょうか。対象者が少ないから、行政に声が届きにくいのかもしれません。だからこそ、政治に携わる私たちはその小さな声に耳を研ぎ澄ませ、その声をしっかり聞き、その声を行政に届ける。そして、その問題を解決するために全力を尽くすことが、今の政治に求められているのではないでしょうか。問題解決に向けて県との協議が必要だということは十分分かります。ぜひとも執行部におかれましても、しっかり倉敷市教育委員会が県の教育委員会をリードして、この問題に取り組んでいただきますようお願いし、この項を終わらせていただきたいと思います。
次に、質問通告2点目の保育所等についてお伺いいたします。
こども家庭庁は、4月1日現在の保育所等待機児童が全国で2,567人であったと発表されました。7年連続の減少で、1994年の調査開始以来、最少であったということです。ただ、特定の園を希望する等で保育所に入所できない、マスコミ等では隠れ待機児と呼ばれている児童は、昨年から何と4,864人も増加し7万1,032人と、ついに7万人を超えました。待機児が減少する一方で、隠れ待機児が急増しています。1年間で増加した隠れ待機児の人数が、待機児の1.9倍にも及んでいるんです。要は、待機児は減っているけれど、入所できない子供は増えているという現実です。
一方、我が倉敷市を見ると待機児は7人で、私の手計算でありますけれども、全国で115番目に多い人数でありました。昨年が18人で、全国で43番目に多い人数でしたから、大きく改善されたと評価できると思います。その上、全国的には先ほど申しましたように、昨年から7.4%も増加している隠れ待機児、倉敷市では未入所児と言っていますけれど、倉敷市は昨年から128人減少して184人でありました。この面でも、倉敷市は待機児解消に向けて大変頑張っていると、高く評価できると思います。
さて、倉敷市は来年、2025年4月1日現在の保育所等待機児をゼロにするという目標を掲げて、その入所申込みがいよいよ11月から始まろうとしています。
そこでお尋ねいたします。
倉敷市の保育所等待機児及び未入所児が生じている主な原因は何なのでしょうか。また、来年度に待機児ゼロを達成するためにどんな取組をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 保育所等待機児童についてでございますが、まず、今の待機児童等の状況でございますけれども、令和6年4月の状況では待機児童7名、未決定児184名ということで、合わせて未入所数191名でございます。
この理由としましては、まず2歳児までの入所の希望が、特に倉敷地区を中心とした一定の地区で非常に集中していることなど、保育需要の偏りによるものと考えております。そのため、令和7年4月の待機児童解消に向けましては、これまで計画的に定員増を図ってきております保育所等の受入先の紹介を、よりきめ細やかに行うなどの入所調整など行うことをはじめとして、ニーズの高いゼロ歳児から2歳児を中心とした受皿の確保に努めるとともに、3歳児からの受皿整備のため、認定こども園への移行なども通じまして、子供さんの発達状況に応じた入所が可能な施設を整えていくように努めているところでございます。
また、利用定員増に伴い、当然必要となりますのが保育士の確保でございます。令和7年度まで、倉敷市では独自に処遇改善を図っておりますとともに、離職防止対策の研修、保育士相談等を保育士・保育所支援センターで実施するなど、様々な取組を進めているところでございます。
今後も、保育需要を勘案しながら受入れ施設の拡充、そして保育士の確保を待機児童対策の両輪として、令和7年4月の待機児童解消に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 伊東市長が御答弁されたことは、来年度の待機児ゼロ達成に向けて、自信もあるのでしょうし、意欲を見せていただいたというふうに思って、期待したいと思います。ぜひ、待機児ゼロだけでなく、隠れ待機児、未入所児、未決定児ゼロに向けて一緒に頑張っていただきたいと思います。
ところで、国の異次元の少子化対策として、こども未来戦略方針が打ち出され、その一つとして、保護者が働いていなくても生後6か月から2歳までの子供を保育所等に預けられる、こども誰でも通園制度が創設されました。2023年度にはモデル事業として全国31自治体で、2024年度からは全国約150自治体で試行的に事業が行われています。国は、2026年度には全自治体で本格的に実施することを目指しています。
では、倉敷市はいつから実施するのでしょうか。減少しているとはいえ、7人の保育所等待機児と184人の未入所児がいる中で、こども誰でも通園制度を実施できる園がどのくらいあるのでしょうか。また、地区によって偏りが生じるのではないかと危惧いたしますが、どのように実施するおつもりなのか、御見解をお尋ねしたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 本市におきましては、現在喫緊の課題である待機児童について、令和7年4月の解消に向けた対応へ注力しているところでございます。
国主導で進んでおりますこども誰でも通園制度につきましては、情報収集や試行的事業を実施している自治体等の状況把握に努めているところでございます。
また、市内の民間の認可園が加盟する倉敷市民間保育所協議会や倉敷市私立幼稚園協会から、保育者不足の中でのこども誰でも通園制度の実施は課題が多いため、市として慎重な対応を求められており、実施時期等につきまして、関係団体との意見交換を行っているところであります。
本市としましては、令和8年4月の制度実施開始に向け、今後も国等の動向を注視し、先行実施の自治体等の実施状況などを踏まえまして、引き続き現場の声を聞きながら、慎重に実施に向けた準備を進めてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今の御答弁では、国が求めている2026年4月スタートに向けて準備しているということであります。ただ、待機児の問題がありました。いろんな施設やいろんな整備をしても、保育士が確保できなければ受入れできないという課題もありますので、ぜひ、国の意向はともかく、保護者のニーズに合った事業内容となるよう慎重に進めていただきたいと思います。
続いて、質問通告3点目の水道料金についてお伺いいたします。
このことについては、6月議会で三宅議員さんから指摘がなされました。青空市民クラブといたしましても同様の考えですので、議案提案された今議会で質問させていただきたいと思います。
倉敷市水道事業経営審議会から答申を受け、答申どおりの20.82%の値上げ案を今議会に提案されました。激変緩和措置として、1年間の値上げ幅を10%に抑制する案とされたことを高く評価したいと思います。
ただ、基本料金の水量は2か月で20立方メートルと、従来のままであります。1人世帯の平均使用水量は14立方メートルで、今後、独り暮らしの高齢者が増加することが予測されています。そのような皆さんは、年金暮らしで苦しい生活を余儀なくされている方も多く、様々な節約努力をして生活されていると思います。
同じ光熱水費でも、電気代は節電すれば安くなりますが、水道代、特に少量使用家庭の皆さんは、節水しても経済的な負担が軽くなることは期待できません。今の水道システムを将来的に維持するためには、巨額の予算が必要で、その費用を、水道を利用されている方全体で御負担いただく必要があることは十分理解できます。ただ、それは電気も同じことだと思うんです。
そこで、例えば、基本料金の基本水量を1人世帯平均の14立方メートルや、下水道基本料金の16立方メートルにして、水道少量使用世帯の負担を少しでも軽くすることができたのではないでしょうか。これからの超高齢社会に対応すべく、少量使用家庭に配慮した水道料金体系としてはどうでしょうか。御見解をお尋ねしたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 古谷水道事業管理者。
◎水道事業管理者(古谷太一 君) 齋藤 武次郎議員さんのお尋ねに答弁させていただきます。
水道事業を維持するに当たりましては、経費の一部を利用者全体で公平に御負担いただくための基本料金を設定しております。本市の基本料金は、県内15市の中でも比較的安価に設定しております。さらに、飲料水や生活用水を安心して使っていただけるよう、基本料金のみで使っていただける基本水量を2か月20立方メートル付与させていただいております。
使用水量が少ない利用者におかれましても、基本料金のみで基本水量まで安心して御利用いただけるものとなっており、このたびの料金改定案におきましても、現行の基本水量を維持することといたしております。
今後とも、利用者の皆様が安心して御利用いただける料金体系となるよう努めてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) ぜひ、今後の課題として受け止めていただきたいと思います。
質問通告最後の年金生活者についてお伺いいたします。
昨今の物価高騰により、年金支給額が増額となっています。それに伴い、倉敷市内の約600人の年金受給者の皆さんが、非課税世帯から課税世帯になったとお伺いいたしました。非課税世帯か課税世帯かにより、過去には1世帯当たり10万円の臨時特別給付金が受けられるか受けられないか、そのほかにも、非課税世帯だから助成されたり、減免される制度がたくさんあるのだろうと思うんです。
年金支給額が増えてうれしいが、生活が苦しくなったという方もおられることが容易に推測できます。いや、今もぎりぎり課税世帯の皆さんは、ぎりぎり非課税世帯の皆さんよりも、生活が苦しい方もおられるのではないかと思います。
私の携わった事例ですけれども、年金受給額が月に約2,000円増額になり、非課税世帯から課税世帯になりました。すると住民税の納付書が送られてきて、それを支払われたそうであります。その方は、介護施設に入所されていたのですが、課税世帯になったために、介護施設利用料が一部軽減される介護保険負担限度額認定が承認されない通知が送られてきました。そうすると月に数万円の負担増になり、介護施設の職員さんが心配して、過去にこんな事例があって助かった人がいるので、対象になるか分からないが、チャレンジしてみてはどうかと、障害者控除対象者認定という制度を教えてくれました。結果的には、この介護職員さんの豊富な経験で助けられたのです。ただ、この制度がとても複雑で、手続がとても煩雑なのです。
この制度があることをどのぐらいの方が御存じなのでしょうか。恥ずかしながら、私も知りませんでした。また、この煩雑な手続をきちっとできる方がどのぐらいおられるのでしょうか。中には、年金が増額になったのだから、自分ではどうしようもないと諦めておられる方も少なくないのではないかと思いますが、どのようにこの障害者控除対象者認定制度の周知を行っておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) ただいま議員が御紹介くださいました障害者控除対象者認定制度は、65歳以上の高齢者の方につきまして、要介護認定時の調査内容などに基づいて認定を受けることで、身体障がい者手帳などの交付を受けていない場合でも、申告により市県民税や所得税の障害者控除が受けられる制度でございます。
制度の対象となる可能性のある方には、要介護認定の結果通知書に併せまして、制度の概要や申請先などを記載したお知らせを同封して送付し、申請の勧奨を行っております。
また、毎年発行しております保健福祉のてびきにも掲載し、市内の高齢者支援センターや居宅介護支援事業所などへ配布しているほか、障害者控除を含む市県民税の制度につきましては、市ホームページなどを通じて市民の皆様へ周知しているところでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 対象になるかもしれない方にお知らせを送付するなど、周知を図っていただいているということで、ありがとうございます。ただ、今は何かを調べようとすると、ネット検索される方が多いと思うんです。この障害者控除対象者認定という言葉を知っていれば、検索すれば出てきます。ただ、この制度の場合は、障がい者手帳も持っていない、障がい者でもない方が対象となる控除なんです。でも、障がい者とつくんですね。私も何度も検索してみましたが、該当のページにはたどり着くことができませんでした。それは、障がい者とか障がいというワードを含めて検索することを思いつかなかったからです。
市民の皆さんが必要な情報にたどり着くように、ホームページを工夫すべきと思いますが、御見解をお尋ねしたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 障害者控除対象者認定制度及び障害者控除の制度につきましては、市ホームページに掲載しているところではございますが、関係各課で相互にリンクを貼るほか、関連する内容の掲載場所の見直し、FAQへの追加など、市民の皆様が必要な情報にスムーズにたどり着くことができるよう、工夫してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) ぜひ、市民の皆さんが必要な情報を得ようと検索したときに、スムーズにたどり着くことができるように工夫をお願いしたいと思います。小さな部局だけでなく、全体の話ですよ。
答弁にあったように、その情報が必要となる時期にトピックスへ掲載するなど、様々にできることがあると思うんです。また、毎日多くの新しい情報が、倉敷市のホームページには追加になると思います。例えば、その日の新着情報という欄をつくって、頻繁にホームページをチェックする方には、容易に新着情報がチェックできるようにすれば、必要な情報の見落としも少なくなると思いますので、そのような対応も必要だと思います。
さて、ここで、先ほど紹介した障害者控除対象者認定という制度がいかに複雑で、手続がいかに煩雑なのか、順を追って説明してみたいと思います。
まず、年金支給額が増えます。これはうれしいことです。そうすると、市民税非課税世帯から課税世帯になります。しかし、ここまで、なかなか対象者の方はその変化に気がつきません。市民税課から市民税の納付通知書が送られてきます。この点で、何か変だなと気づく方もおられます。そして、毎年申請する介護保険負担限度額認定申請書を提出いたします。後日、市民税非課税世帯でないという理由で、認定できない旨の通知が届きます。ここで、多くの方は変化に気がつくんです。
市からの通知書を、恐らく介護施設に持参して相談する。今回のケースは、幸いにもベテランの介護職員さんがアドバイスしてくれたので、手続をしてみようというふうに思ったんです。そして、その手続は、健康長寿課または各支所の社会福祉事務所に障害者控除対象者認定申請書を提出いたします。そして、健康長寿課や社会福祉事務所で交付してもらった障害者控除対象者認定書を、市民税課に提出いたします。市民税課に行くと、市民税・県民税申告書を提出いたします。そして、市民税課に提出した市民税・県民税申告書の写しを介護保険課に提出し、介護保険負担限度額認定申請書を提出いたします。そして後日、介護保険課から郵送された介護保険負担限度額認定決定通知書を介護施設に提出いたします。ここで、やっと非課税世帯であったときの介護施設利用料に戻ることができるんです。
どうでしょう。あまりにも複雑で、あまりにも手続が煩雑だと思われませんか。そして、これは主に年金生活の高齢者の皆さん、もっと言えば、障がい者手帳保持者に匹敵するようなケアの必要な人が対象の制度なんです。
幾つもの窓口に行かなければなりません。そして、その窓口に行くたびに、同じようなことを書類に書かなければなりません。そして、御本人が市役所の窓口に行けない方も大変多いわけですから、御家族の方が代理人で行くと、どの窓口でも、あなたは申請者とどんな関係なんですか。窓口に来られた方の身分証明書を見せてくださいと言われるんです。ワンストップ行政とは、とても言い難い現状です。
例えば、前年の所得が確定する6月に、一定期間総合窓口を設置して、年金生活者や高齢者の皆さんの相談に乗れるような体制を整備してはどうでしょうか。さらに言えば、高齢者、障がい者の皆さんを対象にした制度は、申請等をもっと簡素化すべきではないでしょうか。福祉の申請主義も見直しが必要ではないでしょうか。
マイナンバーカードを持っていて、それに必要な情報を入れておけば、例えば、マイナンバーカードを提示すれば申請書への記載が簡素化されるとか、その方が得られる助成や減免制度を、申請主義ではなくてプッシュ型でその方に、あなたはこの制度が活用できると思われるので、この書類とマイナンバーカードを〇〇課に提出してはどうかという案内をしてはどうでしょうか。
これからも、独り暮らしの年金生活者の皆さんが増加することが予測されます。そのような年金生活の皆さんに寄り添い、先ほどの水道料金もその一つでありますけれども、より安心して生活してもらえるような様々な支援が必要だと思います。このことについては、幅広い分野で、かつ長期的な視野での検討が必要だと思いますので、今回は一つの提言とし、要望とさせていただき、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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