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瀧本 寛 議員
令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会) 9月9日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月9日(月) 本会議 質問
新政クラブ
瀧本 寛 議員
1 災害への備えについて
2 景観を意識したまちづくりについて
3 雨の日でも出かけたくなる倉敷駅周辺となるために
4 指定管理者制度について
◆5番(瀧本寛 君) (拍手) 新政クラブの瀧本 寛でございます。
通告に従いまして、一問一答の方式で質問いたします。よろしくお願いします。
まず1点目は、災害への備えについて3点お伺いします。
1点目は、防災士の養成についてであります。
8月8日、宮崎県日向灘で発生した震度6弱の地震を受け、政府は8月15日までの7日間、巨大地震注意の呼びかけを行い、起こるかもしれない南海トラフ巨大地震への備えを促しました。結果的に今のところ発生はしていませんが、今後30年の間に70%から80%の確率で発生すると言われていますので、常に備えておくことは重要だということは共通の認識かと思っております。
あらゆる面で災害への備えはしておかないといけないのですが、その一つの方策として防災士の養成が有効ではないかと考えております。
防災士は、災害発生時に地域住民を支援し、被害を最小限に抑えるための知識とスキルを身につけた人でございます。役割が3つありまして、1つ目が災害時に公的支援が到着するまでの被害の拡大を軽減する、2つ目が災害発生後に被災者支援の活動を行う、3つ目が平常時に防災意識の啓発や自助・共助活動の訓練を行うこととなっております。
現在、倉敷市の防災士は2024年7月現在で925名となっておりまして、全国の62ある中核市の中で14位と比較的多いほうではありますけれども、さらに有資格者を増やし、全ての地域に防災士が存在し、防災に対しての役割を担っていただくのがいいのではないかと考えております。
愛媛県松山市の防災士は9,900名と、全国一の人数を誇っております。これは、平成17年度から全国初の取組として、全額公費負担での防災士養成を開始し、自主防災組織をはじめ市立小・中学校や保育園、幼稚園、福祉施設や災害協定事業所など様々な職域や世代の方に防災士の資格取得を進めることで、地域防災力の引上げを図っているものです。
本市においても、資格取得に幾らかの助成を行い、防災士の増員、育成に取り組むべきと考えますが、本市の見解をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 瀧本 寛議員さんの質問にお答えいたします。
本市では、地域の防災リーダーとして地域防災力の向上に寄与する人材の育成を目的に、自主防災組織などから推薦があった方を対象に、平成25年度から防災士の受講費用を市が負担して防災士の育成を行っているところです。現在までに528名が本市の防災士育成講座を受講し、資格を取得しております。
なお、今年度は定員50名に対して40名の申込みがあり、全員受講できている状況であります。
防災士の方には、自主防災組織の結成促進や活動の活性化及び地区防災計画の作成やそれに対する協力、また防災フェアでの市民への啓発活動、また災害時には要配慮者への避難支援、避難所の運営に携わるようお願いしているところでございます。そのため、避難所運営研修、防災訓練への参加やセミナーを受講していただいているところでございます。
今後とも、防災士が積極的に地域での防災活動の推進を果たせるように取り組んでまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 発災時はやはり防災士の方が各地域にできるだけたくさんいらっしゃったほうがいいと思っております。受講費用の助成をしながら防災士の育成をしていくということで、本当にありがたく思っているのですけれども、毎年50名という枠がございますので、何とかこの枠を広げていただいて、松山市の9,900名が適正な数字かどうか分かりませんけれども、そういったレベルまで引き上げていただきたいなと思っております。
引き続き、防災士の増員と地域の防災力の強化に努めていただきたいなと思いますので、どうかよろしくお願いします。
2点目は、個別避難計画の作成の進め方についてお伺いいたします。
8月22日から9月13日までの間、本市は災害時に自力避難が難しい高齢者や要支援者の戸別訪問を本格的に始めると報道がありました。職員100名体制で市内全域の2,000人を超える対象者の自宅を巡回し、避難方法を事前に決めておく個別避難計画の策定を加速させ、逃げ遅れゼロにつなげる狙いとのことでありますが、現在までの進捗状況と今後の取組についてお聞かせください。
また、個別避難計画は、計画の共有とメンテナンスが重要と考えますが、市が作成した個別避難計画を今後どのように運用していくのか、お聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 個別避難計画の作成の進め方ということでございますけれども、まず今回8月8日に発生した地震の対応というところも含めて御答弁させていただきたいと思います。
今年8月8日にマグニチュード7.1、最大震度6弱の地震が日向灘で発生をいたしまして、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されたところでございます。
市では、このような地震に対してこれまでに自主防災組織、また福祉関係の皆様方、民生委員の皆様方などに、個別避難計画を地域でつくっていただくことについてマニュアルを作成して、それに関する使い方といいますか、研修等も行って、お願いをして、徐々に個別避難計画の策定を進めていただいていたところであったわけでございます。今回8月8日に実際の巨大地震注意の情報が出たことを受けて、倉敷市内の地震で津波が想定される区域には、避難行動要支援者名簿に登録されている方が603人いらっしゃるという状況の中で、その中で幾らかの方に避難場所についてお話を聞いてみたりしたわけですけれども、まだなかなか地域から一緒につくっていきましょうというところまで到達してない方も結構いらっしゃって、場所もどこに逃げればいいのか、なかなか把握されていない方の割合が非常に高いと感じたもので、これはもうまずは市で津波浸水想定区域の方たちのところに説明に行って、一緒に避難場所を確認していただいて、併せて個別避難計画をつくっていかなければいけないということになりまして、市職員が自宅を訪問して、一緒に避難場所の確認、そして計画をつくるという取組を行うこととしたものでございます。
8月14日・15日に2名一組の53班、106名体制で実施いたしました。そして、臨時情報自体は15日に終了したわけでございますが、津波浸水想定区域外にお住まいの対象者の方々に対しましても当然避難場所の啓発、それから個別避難計画の作成は重要でございますので、さらに8月22日から今週の9月13日までの間、2名一組の50班体制、全部で100名体制でございますが、引き続き市の職員で御自宅を訪問する取組を行っているところでございます。
この訪問では、まず御自身のお住まいにおいて災害が起きた場合の危険度について一緒にハザードマップで確認していただいて、そして災害が起きたときに取る行動について、御自身、また御家族の方、御近所の方などで決めていることをお聞きして、その際、決まっていない事項については職員も御説明をしたり、一緒に考えます。本来は個別避難計画は御自身、また家族の方で地域の支援者の方と一緒につくっていただくものでございますけれども、市といたしましては、御自身、御家族の方と一緒にそれを考えて、今回個別避難計画という形で記載をして、御本人にお渡しをし、そして一部は市に持って帰って、今後の地域での活動とか、それから地域でサポートしていただける方とも共有して、有効活用を図っていくという形になるかと思っております。
また、御訪問をさせていただいたときには、非常持ち出し品や非常備蓄品を備えていただくように、チェックリストを用いて啓発していくようなチラシをちょうど今年の広報紙9月号の中に挟み込みをしておりましたので、それも別途お持ちしてお渡しをしたということでして、災害への備えへの大きな第一歩を一緒に取り組むという活動をさせていただいているところでございます。
そこで、個別避難計画作成の進捗状況でございますが、避難行動要支援者名簿に登録された方のうち、既に計画を作成されている方、また施設入所等によって御自宅におられない方などを除く2,676名の方が現在の対象者と考えており、その方々を訪問しているところですけれども、そのうちにこれまでに個別避難計画の作成が完了した方につきましては、市の職員の訪問による中での個別避難計画の作成で9月6日現在で1,338名の方の個別避難計画の作成を行ったところでございます。お盆の時期、また8月の、一軒一軒、1度目にお伺いするときには訪問の予約とかを取っていなくて訪問しているもので、ピンポンが鳴っても初めて来た方にぱっと出るというのがどうかなという思いをされる方もいらっしゃるので、その場合には封筒を残して、お電話いただいて、折り返しということも非常に多くなっておりまして、順次再訪問などを進めているところでございます。
今後の取組についてでございますが、この個別避難計画は自主防災組織など地域の防災に関わる皆様方、そしてケアマネジャーなど福祉関係の方々など、様々な視点で避難行動を一緒に支援し、そして今回はとにかく緊急に市のほうで回ったということもあるわけですけれども、今後につきましては、さらにそれぞれの対象の方の区域の方、今申し上げました関係者の方々と一緒になって、避難サポーターの方を充実していくことなどによって避難の実効性が高まっていくように進めていきたいと考えているところでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) このたびの職員さんの100名体制での個別避難計画の作成ということは、こういった取組は今まで私も聞いたことはございませんでしたし、日々業務をやっている中での対応は本当に非常に大変だったなと思っています。改めまして、市の職員様、対応された皆様方に感謝申し上げたいなと思っています。
引き続き、まだ対象者が残っていますので、どうか全員の方の個別避難計画作成に向けて御尽力いただきたいなと思いますし、先ほど御答弁にありましたけれども、避難サポーターですね、この方々の充実は私も非常に重要だと思っています。これもぜひ進めていただきたいなと思いますし、個別避難計画に戻りますけれども、作成だけではなくて、やっぱりこれも毎年更新ということも重要になってくるかと思います。この計画が陳腐化しないように継続的な取組ということも併せてお願いしたいなと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
3点目は、倉敷市一斉地震対応訓練についてお伺いいたします。
来る9月26日に実施される倉敷市一斉地震対応訓練は、倉敷市民全員が同時刻に一斉に行う防災訓練としては初の試みであり、大変意義のある取組と考えております。市民の皆様にとって有意義な訓練となるようお願いしたいと思います。
改めまして、この訓練の目的と意気込み、そして1分でできる訓練とした理由についてお聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 倉敷市一斉地震対応訓練は、子供から大人まで市民全員を対象に、今月26日午前9時にエフエムくらしきの割り込み放送をはじめ、倉敷市公式アプリ、市SNS、ケーブルテレビなどで訓練開始の合図を行い、実施するものです。
これは、地震の際の安全確保行動である、まず低く、頭を守り、動かないを身につける訓練で、場所を問わない、時間がかからない、そして家庭、学校、職場の状況に応じて実施できるという特徴があります。南海トラフ地震の発生確率が今後30年以内で70%から80%と非常に高まっていることから、市民の皆様への災害への備えの一環として企画したものでございます。
地震の際、けがの原因の大半は、揺れによる家具の転倒やガラスの飛散、落下物などによるもので、緊急地震速報が発表されてから強い揺れが到着するまでの短時間で身を守る行動を取るためには、ふだんからの備えと訓練が大切であります。
この訓練によって地震があってもけがをしない、自分の命、自分の安全は自分で守る、そういったことを身につけていただきたいと考えております。
これまで参加団体を募ってきたところ、9月6日現在で831団体、7万1,895人の参加申込みをいただいているところです。団体の事前申込みは9月25日まで市防災危機管理室のホームページで受け付けております。
なお、個人での参加は事前申込みは不要でございますので、より多くの皆様に御参加いただければと思っていますので、よろしくお願いします。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) このような一斉訓練は今後もぜひ継続して行っていただきたいなと思っていますし、訓練内容についてもブラッシュアップを図っていただきまして、防災力の強化を図っていただきたいなと思います。ぜひよろしくお願いします。
次に、景観を意識したまちづくりについて2点お伺いいたします。
1点目は、空き家対策についてであります。
人口減少に伴って空き家が増加していることは、周知の事実と思います。空き家が増加すると周辺の生活環境が悪化しますし、家屋の倒壊や火災などのリスクが増加しますので、空き家はなくしていくべきであると認識しております。これまでの議会でも議論となっていますが、改めまして直近の本市における空き家数の推移をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴 君) 本市では、令和3年度に一戸建て住宅を対象とした実態調査を行っており、8,892戸の空き家を確認しております。なお、平成26年度に行った前回調査から1,175戸増加している状況でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 現在空き家が増加傾向ということであります。
次に、もう住まなくなった家を売却しない要因は様々あるかと思っております。思い出の詰まった家を失いたくないでありますとか、資産として保有しておきたいとか、あるいは解体費用が高くて払えないなど、こういった方々に空き家を処分してもらうには、空き家のまま所有していては不利であるとか、早く処分したほうがお得であるとか、こういった認識をしていただきまして、売却あるいは解体を促す必要があるかと思っております。
本市においては、空家等除却事業費補助金として、倒壊のおそれのある特定空家と、市が認めたそれに準ずる空き家に関しては、除却工事に係る費用の一部を倉敷市が補助する制度を設けていますが、まだまだ空き家が目立ちますし、実績として空き家が増加している現状を鑑みると、補助件数の拡大など、さらなる取組が必要ではないかと考えますが、本市の認識をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴 君) 空き家につきましては、第一義的には所有者等が自らの責任において適切に管理することが前提となりますが、本市では市民の安全・安心確保の観点から、平成28年度より倉敷市空家等除却事業費補助金制度を創設し、特定空家等の除却支援を行っているところでございます。
この補助事業につきましては、ここ数年、年30件程度の御利用をいただいておりますが、年度によっては次年度での実施をお願いすることもございます。このため、引き続き国、県の補助金を活用し、危険な空き家の早期解消に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) これから人口減少が進行していきますと、空き家もますます増えてくるかと思います。まちの景観ですとか生活環境の維持を図るためにも、この補助金の補助する範囲、今は危険な空き家だけでございますけれども、もうちょっと範囲を広げるだとか、あるいは補助額の増額もさらに検討いただけたらなと思いますので、どうかよろしくお願いします。
次に、空き家バンクについてお伺いいたします。
8月末時点で倉敷市のホームページの空き家バンクに登録している物件は1件のみであります。これではなかなか空き家の削減にはつながらないかなと思いますが、空き家バンク開設後の登録物件数の推移と今後の促進策があれば、お聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 仁科建設局参与。
◎建設局参与(仁科隆晴 君) 倉敷市空き家情報バンク制度は、空き家所有者と宅地建物取引業者のマッチングを行い、通常の空き家流通を補完する目的で、令和5年1月の制度開始より、主に相続等で空き家を所有することとなった方に御利用いただいております。
制度開始より現在まで181件の相談に対応し、17件のバンク登録申請が行われております。そのうち6件が倉敷市空き家情報バンクに登録され、5件が成約しております。
空き家バンク利用促進策として、ホームページ等による広報のほか、遠方からの利用を促すために電子申請による申請手続の導入や高梁川流域での空き家相談会等にて制度の周知を図っており、今後もさらなるPRに努めてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 空き家バンクが今後さらに活性化して登録件数と成約件数がどんどん上がっていくように引き続きPRをよろしくお願いします。
2点目についてですが、ごみの不法投棄対策についてお伺いいたします。
最近地域を回っていますと、よくごみの不法投棄が目につきます。雑木林などの人けがないところにテレビや掃除機などの家電製品や靴や傘といった家庭ごみの投棄がよく目につきます。このようなごみを放置すると景観が損なわれますし、生活環境の悪化、治安維持にもマイナスとなってきます。本市においては、不法投棄が犯罪であることの広報、発見時の通報制度の広報、ボランティア監視員の配置、不法投棄の禁止を啓発する看板の配布など対策を講じていただいてはいますが、さらなる対策が必要と考えます。
例えば、警備会社等への監視業務の外部委託の拡充、撤去される見込みのない放置ごみの撤去に対する助成など考えられますが、本市のお考えをお聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 外村環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(外村博之 君) 本市では、投棄ごみの早期発見・回収に向けて、不法投棄110番の設置、ボランティア監視員や警備会社による巡回パトロールなどを行っております。また、新たな投棄ごみの発生を抑止するため、監視カメラの設置や警告看板による啓発などを進めております。
これらの取組により、ここ10年ほど通報件数や投棄ごみ回収量は減少傾向にあり、令和5年度の投棄ごみの回収量は約24トンで、ピーク時の平成25年度と比べ約7割減少と、一定の成果が上がっております。
引き続き、投棄ごみを減少させるため、監視カメラの増設や現在実施している巡回パトロールの範囲拡大など、さらなる対策を検討するとともに、撤去費用助成については今後他市の事例などを調べてまいります。
引き続き、関係機関や地域の皆様と連携して不法投棄対策を推進し、景観保全と環境美化に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) さらなる取組をぜひお願いします。
次に、雨の日でも出かけたくなる倉敷駅周辺となるためにについて1点お伺いします。
雨天時のJR倉敷駅と商店街や商業施設の接続についてでございます。
現在本市では、観光誘客促進の一手として夜型観光の促進を図っています。大変有効であり、ぜひ実現してもらいたいのですが、あわせて、雨天時でも倉敷に観光客や買物客が訪れ、快適に観光し、楽しんでもらえるよう対策を取ることも大変有効だと考えております。
そうしたとき、倉敷駅の南北には、歩行者専用の高架歩道であるペデストリアンデッキがそれぞれ設置されており、北側はアリオ倉敷に接続されていますし、南側は国道429号線をまたいで倉敷商店街に接続しています。
ペデストリアンデッキは、交通量の多い都市部において歩行者と車両の動線を分離し、安全かつスムーズな移動空間を提供する重要な施設であり、JRやバスを利用し、倉敷に訪れた方に対しこのペデストリアンデッキは大変便利で、有効なものであります。
雨天時は、駅を出てから傘を差して商業施設や商店街へ移動しなければならず、不便さを感じます。また、車椅子やベビーカー、つえをつかれる方などが傘を差すこともできませんし、滑りやすく転倒のリスクもあります。このような事態を防ぐために屋根をつけるべきだと考えます。倉敷駅周辺への投資は、現在計画中であるJR山陽本線等倉敷駅付近連続立体交差事業と合わせて行うべきとは思いますが、必要な投資は先送りせず、戦略的に行ってもいいのではないかと考えています。本市の認識をお聞かせください。
あわせまして、地下道のセンター街前の出口とセンター街アーケードの間は距離が約30メートルほどでございますが、この間にも屋根がございません。雨天時、JR倉敷駅からセンター街へ行く際、あるいはセンター街から倉敷駅に向かう際、傘を差さずに移動しようと思っても、この約30メートルの間を必ず傘を差さなければなりません。たかが30メートルでございますが、この短い距離が微妙な距離で、ぬれていくには遠く、傘を用意するには短いと感じるため、不快になります。快適な雨天時の観光客や買物客の誘客を促進するためにも、この間の屋根は必要と考えております。この部分の屋根についても本市の意見をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) JR倉敷駅南北のペデストリアンデッキ、それと駅南側の地下道出口から商店街が設置していますアーケードまでの区間への屋根設置に関しましては、土台となるデッキの補強など、大規模な改修をはじめとする多額の費用が必要となるなど、費用対効果に係る課題があると考えております。本市といたしましては、現時点ではこれら屋根設置の予定はございません。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 一刀両断されましたけれども。(笑声)そうですね、鉄道高架事業が今後事業化されたときは、ぜひ屋根の設置を検討していただきたいなと思います。よろしくお願いします。
続きまして、指定管理者制度についてお伺いいたします。
近年、各自治体の公募に対して指定管理者が応募しないケースが増えております。その理由としては、指定管理者が物価高騰や人件費の上昇から採算が見込めないと、こういった背景があると言われております。さらに、他市では非公募にして指定を継続すると言われたにもかかわらず、辞退する状況が発生している例も散見されます。こうした近年の社会情勢に伴う本市における指定管理者制度の現状と課題認識について、以下3点お伺いいたします。
1点目は、指定管理者の施設数と管理運営状況についてでございます。
本市における令和6年4月1日現在の指定管理者制度を導入している施設数を教えてください。
また、これまで施設の管理運営状況をチェックするために行っている指定管理者制度適用施設の評価結果について、本市はどのように評価しているのか、お聞かせください。
さらには、これまでの指定管理者公募で不調となった事例や背景の課題認識をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 本市では、令和6年4月1日現在、232施設に指定管理者制度を導入しております。
これらの施設に対し、毎年度施設所管部署がモニタリング、実地検査を実施し、指定管理者が適切に施設の管理運営を行い、良好なサービスを提供しているかを確認し、指定管理者制度適用施設の評価結果を公表しております。
昨年度は、9割を超える施設が高レベルで運営されており高く評価できる、または適切に運営されており問題がなかったとされており、不適切な運営の部分はなく、全体的に良質な管理運営がなされているものと評価しています。
次に、公募で不調となった事例や背景についてですが、本市では公募において不調となった事例がこれまで2件ございます。いずれも応募者が今後の利用者数の減少など需要変動リスクを懸念し、採算性に課題があると判断したことにより不調になったものと認識しております。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 大半の施設が良質な管理運営がされているという評価でございますが、一方で2件の公募不調があったということで、本市におきましても物価高騰だとか、あるいは人件費の上昇、こういったものの影響を受けて制度の運用に変化が見られるようになったことを認識させていただいたと思います。
2点目は、リスク分担についてお伺いいたします。
指定管理を行う上でリスク分担とはどのような協定なのか、概要についてお答えください。
また、指定管理契約は3年から5年と長期に及ぶ契約であります。この間、市場の変動など様々な波動要因があり、指定管理者の収益にも影響を及ぼします。契約の期間の中で物価高騰やエネルギー価格の高騰などの変化に伴うリスク分担の協議はどのように行われているのか、お答えください。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 指定期間中に発生する可能性のある事故や需要変動、天災等の不可抗力や経済状況の変化など、協定の締結時点ではその影響を想定できない不確実性のある事由によって損害や損失が発生する可能性を指定管理者制度におけるリスクと言います。リスク分担とは、指定管理業務を適正かつ確実に実施するために、想定されるリスクをできる限り明確化した上でリスクが顕在化した場合の追加的支出の分担をあらかじめ規定するものでございます。
本市では、事業者を公募する際に、リスクが顕在化した場合に市と指定管理者のどちらが損害を負担するか、またその負担割合等について示した協定書案を事前に公表しています。
エネルギー価格の高騰をはじめとした物価変動リスクは、市が負担するリスクとしており、指定期間中に物価が著しく上昇した場合は、負担すべき金額等について指定管理者と協議を重ね、双方合意した上でリスク分担金を支払うなど、適切に対応しております。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) リスク分担金は協議を重ね、双方合意した上で決めているということで、引き続き適切に御対応をお願いしたいと思います。
3点目です。指定管理者の制度運用についてお伺いいたします。
近年、全国はもとより岡山県の最低賃金は、過去3年で約14%と大幅に上昇しております。このため、指定管理者制度においては、今後の人件費の高騰が民間事業者等の参入リスクの上昇や指定管理者の業務の質の低下を招くおそれがあることから、施設で働く職員の適正な賃金水準への対応や指定期間中に生じる大幅な賃金水準の変動への対応が求められていると考えます。
指定管理者の健全経営、適正な業務の質確保の観点から、最低賃金等の雇用形態別の賃金水準をはかる指標に一定以上の変動が見られた場合には、例えば2年目以降の指定管理料、主に人件費ですが、これをスライドできる制度、賃金スライド制度の導入を検討してはどうかと考えますが、本市のお考えを伺います。
また、働く人の労働環境の確保という観点から、こうした人件費の上昇に伴う最低賃金法及び指定管理者制度推進の取扱いについて、現行制度の運用に付加する等、改定を検討していく時期に来ているのではないかと考えますが、どのような課題認識をお持ちであるか、本市の所見をお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 指定管理業務における人件費につきましては、指定管理者の継続的な人材確保などを通じて施設運営の安定を図るため、賃金水準の変動等踏まえ、適正に積算し、指定管理料に反映する必要があると認識しております。
このため、本市では指定管理料の積算に当たりまして、指定期間中の賃金上昇分を既に当初から見込むようにしております。また、指定期間中に人件費が当初想定した以上に上昇した場合などの人件費のリスク分担の取扱いにつきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 瀧本 寛議員。
◆5番(瀧本寛 君) 至近の賃金上昇、こういった状況を踏まえて指定管理者制度のさらなる充実をお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。御答弁ありがとうございました。(拍手)
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