録画中継

令和6年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月11日(水) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
生水 耕二 議員
1 防災について
2 こどもまんなか社会について
3 環境行政について
4 教育行政について
            午前10時     開 議

○議長(中島光浩 君) 皆さんおはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。
 ただいまの御出席は40名、会議は成立いたしました。
            ~~~~~~~~~~~~~~~
△〔質問〕
○議長(中島光浩 君) それでは、前日に引き続き質問を行います。
 初めに、37番 生水 耕二議員。
            (37番  生水 耕二君  質問者席登壇)
◆37番(生水耕二 君) (拍手) おはようございます。公明党倉敷市議団の生水 耕二でございます。
 今議会、4点通告させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、防災について4点お伺いいたします。
 まず、災害時の観光客、外国人旅行者の対応についてお伺いいたします。
 元日に発生しました能登半島地震、先月8月8日に発生しました宮崎県沖の日向灘を震源とする地震など、改めて日本は地震大国であり、どの地域でも大きな地震が起きる可能性があることを認識すべきであると思います。休暇中や夏休み期間中での災害は、帰省中や旅行中に被災した方々も少なくなかったようであります。
 倉敷市は県下を代表する観光地であり、本市の観光地において地震などの災害が発生した際には、土地カンのない国内観光客や外国人旅行者は、災害情報の収集や避難に苦労されることが予想されます。災害時には、国内はもとより、外国人観光客にも配慮した災害情報の発信や避難場所への誘導を、速やかに行うなどの対応が必要であると考えます。
 今議会にも予算が計上されていますが、これから多様な食文化や文化的習慣を持つ外国人旅行者の受入れやMICE(マイス)誘致を推進していく中、安全、安心な観光地づくりについて、市としてどのようにお考えなのか、御答弁をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 皆さんおはようございます。今日もよろしくお願いします。
 生水 耕二議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 倉敷市は倉敷美観地区や鷲羽山など、国内はもとより、外国人観光客の皆様も多く訪れる観光地を有しており、発災時には観光客の皆様に対して、災害情報の発信や避難場所への誘導を速やかに行うことが重要であると考えております。
 観光客の皆様への災害情報の発信につきましては、現在、倉敷美観地区など市内の主要観光地に整備した倉敷フリーWi-Fiを活用し、発災時には、観光客の皆様はスマートフォンなどからの情報収集が可能となっております。また、倉敷市観光公式アプリ倉敷ファンクラブや倉敷観光WEBにリンクを掲載している倉敷防災ポータルを通じて、観光客の皆様に対して最新の災害情報や避難情報を提供することとしております。
 さらに、外国人観光客の皆様に向けた災害情報の発信としては、高梁川流域の市町の避難所情報や日本政府観光局の防災サイトにつながる二次元コードが掲載された観光おもてなしハンドブックを、倉敷観光WEBに公開しており、今後は観光おもてなしハンドブックを、外国人観光客の皆様が多く立ち寄る宿泊施設や観光案内所などに設置することで、広く災害情報の発信に努めてまいります。
 避難場所への誘導につきましては、今年度、観光課と防災関連部署などで災害時に観光客の皆様に安全に避難していただくための方策を検討するワーキンググループを発足させ、今後、宿泊施設や観光関連施設とも協議しながら、国内外の観光客の皆様にとって安全、安心な観光地づくりを進めてまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) ワーキンググループをつくって、今後検討していくという答弁でありましたので、ぜひよろしくお願いします。
 では、2点目の質問、災害時における市営住宅の活用についてお尋ねいたします。
 災害時の避難所で、被災された方々が困り果てている状況は繰り返し報道されていますけれども、避難所が劇的に改善されているとは感じられません。
 避難所として使われる公民館や体育館は、1晩か2晩の避難であれば耐えることは可能であると思いますが、1週間を超えるような場合、ホテルや旅館などの宿泊施設を提供していく必要があります。家屋が全壊し、道路や上下水道の復旧の見通しがつかない今回の能登半島地震のケースでは、長期の避難生活が予想されることから、ホテルなどの宿泊施設に加え、公営住宅を避難所として活用してはどうかと考えます。
 本市の公営住宅は、管理戸数は4,408戸、入居世帯数が3,309戸、空き戸数が1,099戸、緊急時の目的外使用に準備している部屋が20戸、入居募集をしていない部屋が約200戸ということで、約800戸は空き家になっているというふうに担当課からお聞きしております。
 そこで、この約800戸の空き家になっている公営住宅の中で、緊急時の目的外使用に準備する部屋を拡充し、災害時の仮住まいとして活用してはどうかと考えますけれども、市のお考えをお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 尾上技監。
◎技監(尾上佑介 君) 去る7月1日付の人事異動で技監を拝命しました尾上 佑介と申します。よろしくお願いいたします。
 御質問にお答えいたします。
 災害時における市営住宅等の活用につきましては、国からの通知等に基づき、目的外使用を行うことが認められておりまして、平成30年7月豪雨の際も被災者に対して、仮住まいの提供を行いました。
 災害時における仮住まいの目的としましては、発災後、緊急的に避難所で生活している方々に、建設型や賃貸型の応急仮設住宅のほか市営住宅等を提供することで、居住の安定を図ることにあります。
 こうしたことから、長期の避難生活が予想される場合には、国や県と密接に協力しながら、応急仮設住宅や市営住宅等を、可能な限り多く提供できるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 今後は国や県と密接に協力しながら、可能な限り提供できる旨の答弁をいただきました。ありがとうございます。
 ここで、過去の東京都の例を御紹介いたしますと、平成12年、東京都に属する三宅島が噴火しまして、全島民が避難のとき、東京都は公民館や体育館を極力利用せず、最初からほかの自治体の協力も得て、公営住宅などの空き部屋を避難所として利用しています。当時、都庁の職員の合い言葉は、床に雑魚寝させたくないということであったようで、結果的に避難生活は4年半と長期化したので、判断は間違いではなかったというふうに思われます。
 今後、公民館や体育館を避難所として利用する期間は、できる限り短期にするべきと考えます。これは、私の意見として申し上げておきます。
 続きまして、質問項目の3点目、倉敷市国土強靱化地域計画についてお伺いいたします。
 本市は、倉敷市国土強靱化地域計画を平成29年9月に策定、令和3年3月に見直し、計画期間は令和3年4月から令和8年3月としています。
 倉敷市国土強靱化地域計画は、国、県、事業者など関係者と連携の下、市内の道路、橋梁、排水機場やため池等の強靱化、長寿命化などの改修を計画的に進めていますが、どのような方針で策定したのでしょうか。
 また、大規模災害への防災・減災対策の方針となる倉敷市国土強靱化地域計画におきまして、どのような考え方で優先順位をつけて事業を進めているのか、お考えをお聞かせください。
 さらに、各インフラ施設の担当課は多岐にわたっており、市民がその状況を理解できるよう、災害リスクの見える化、各事業計画の進捗状況等を分かりやすくしていく必要があると考えますけれども、市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 倉敷市国土強靱化地域計画は、大災害が発生した場合でも、市民の生命、身体及び財産を保護するとともに、迅速な復旧、復興を図ることができる強靱な地域をつくることを目標としております。そのため、人命の保護が最大限図られる。市及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持される。市民の財産及び公共施設に係る被害の最小化。そして、迅速な復旧、復興。この4つを基本目標として策定したものです。
 国土強靱化を図るためには、インフラの長寿命化や耐震化などの具体的な施策を進める必要がありますが、耐用年数、老朽化の状況、近年の修繕状況などを考慮し、早期に着手が必要なものを優先して、計画的に事業を実施しております。その進捗につきましては、市の国土強靱化地域計画の改定ごとに公表しているところでございます。
 今後も、倉敷市国土強靱化地域計画の進捗を図り、本市におけるインフラ施設の強靱化に取り組んでまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) それでは、次の質問に行きます。災害時の孤立集落についてですが、能登半島地震のとき、能登半島の各集落は、海や崖に阻まれて孤立しやすい地形でありました。
 倉敷市において、大地震が発生した場合、孤立するリスクのある地域があるのかどうか、また市内に孤立集落がある場合の対応についてどのようにお考えなのか、お考えをお示しください。
○議長(中島光浩 君) 大本総務局参与。
◎総務局参与(大本進 君) 孤立集落につきましては、平成25年に内閣府が行った調査から10年経過したことや、令和6年能登半島地震の発生を受けて、孤立集落の課題が改めて認識されたことから、岡山県におきまして、大規模災害に伴い孤立する可能性のある集落について、県内各市町村に対し、調査が実施されました。
 この調査では、農林業センサスによる農業集落及び漁業センサスによる漁業集落のうち、中山間地域、沿岸地域、島嶼部にある集落を基本とし、そのうち孤立のおそれがある集落として、全てのアクセス道路の一部区間が土砂災害警戒区域などに隣接し、災害時にアクセスが困難となる集落を調査するものでございます。
 調査の結果、市内の5か所に孤立の可能性が考えられます。これらの地域は、いずれも複数のアクセス道路がありまして、また災害時に全てが同時に寸断する可能性は低いと考えられます。そのため、仮に災害が発生した場合でも、支所や関係機関と連携しながら対応してまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) リスクとしては、5か所あるという答弁でありましたけれども、速やかな対応ができるということで、一応安心できます。
 それでは、通告2項目め、こどもまんなか社会について、これも4点お伺いいたします。
 まず1点目としまして、くらしき子ども未来プランの次期計画の方向性についてでありますけれども、昨年12月議会で、こども基本法及びこどもまんなか社会について質問させていただき、伊東市長から、こどもまんなかの趣旨に共感、賛同し、こどもまんなか応援サポーターの宣言を行ったとの御答弁がありました。
 国では、令和5年12月、こども大綱を閣議決定し、本年5月、こども大綱の具体的な取組としてこどもまんなか実行計画2024を策定しています。また、自治体が子供に関する計画を策定するに当たり、ガイドラインを公表しており、注目される視点として、子供、若者、子育て当事者への意見聴取の大切さが強調されています。こうした動きがある中、現実には、児童虐待、いじめ、貧困、ヤングケアラーなど、子供を取り巻く環境は複雑化してきております。
 倉敷市は現在、くらしき子ども未来プラン後期計画を推進しておりますが、計画期間は今年度で終了します。次期計画を策定するに当たり、計画の目指すコンセプトや方向性、また策定手法についてどのようにお考えなのか、お考えをお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) くらしき子ども未来プラン後期計画についてでございますが、まず令和2年度から令和6年度を計画期間としまして、未来を担う子供たちが健やかに成長できる社会を実現するための施策を取りまとめた子ども・子育て支援の総合的な計画として、実施しているところでございます。
 そして、令和7年度からの次の計画につきまして、現在策定を進めてきているところでございますが、国のこども基本法の目的である、全ての子供が幸せな生活を送ることができる社会を目指すという目的と一致します。これは、私どもの現計画の理念と一緒でございますが、全ての子供が幸せに暮らせるまちということを引き続き掲げていきたいというふうに、大きくは思っているところでございます。
 また、全体の方向性といたしましては、もちろん国のこども大綱等を勘案しつつ、妊娠期からの切れ目ない伴走型の相談支援など、さらに加えていく内容として策定を行っているところでございますけれども、策定手法として、子育て家庭等へのアンケート調査、また子供、若者等への意見聴取を今年、令和6年にも既に実施しているところでございまして、今後の計画の策定に、この意見聴取やアンケートの結果、実際に子供たち、また子育て家庭の意見の反映にも努めていきたいと考えているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 計画を策定するに当たり、若者、当事者から意見聴取はもう済んでいて、それをしっかり反映させていくという市長の答弁がありました。計画については期待しておきたいと思います。
 続いて、2点目の質問ですが、子供の虐待、貧困についてお伺いいたします。
 後を絶たない児童虐待や深刻化する子供の貧困は、社会全体で援護していかねばならない重要課題であります。
 核家族化や地域のつながりの希薄化が進む中、孤立した家庭が育児不安を抱えながらもSOSを出せず、虐待に及ぶケースなどが指摘されています。また、虐待は、身体的、精神的、社会的、経済的な要因が複雑に絡み合っていることが多く、特に貧困との関連性が高いと言われています。
 こども家庭庁の資料によりますと、最近、虐待に関する相談・通告件数が増えてきており、これは子供を心配して声を上げる人が増え、問題への理解が広がっているあかしだと思われます。また、厚生労働省の国民生活基礎調査では、貧困率が減少傾向にあります。これは、社会保障政策の充実で、給付が強化されてきたことが大きいというふうに考えられます。
 くらしき子ども未来プラン後期計画には、子供の貧困対策として、新たな施策が追加されていますけれども、子供の貧困、虐待について、市は具体的にどのような取組を行っているのか、御答弁をお願いいたします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 本市では、子供の貧困対策の取組としまして、教育の支援、生活を安定させるための支援、保護者の就労支援、各種手当の支給による経済的支援などを実施しているところでございます。
 例えば、子供の学習・生活支援事業では、生活にお困りの世帯の子供や保護者からの進路や生活習慣に関する相談に応じまして、子供の状況把握に努めており、令和5年度の実績は、小学生等訪問型学習・生活支援事業の利用者が78人、主に中学生を対象とした学習教室くらすぽの利用者が133人でございます。そのうち中学3年生につきましては、高校進学率は100%でございました。また、失業等で収入が減少し、仕事を探している方に家賃を助成する住居確保給付金を令和5年度中に延べ54人に支給したほか、生活自立相談支援センターが実施しております就労支援により、同年度に就労または増収した方は2,007人でございました。
 本市で対応する児童虐待相談のうち、貧困の課題があると思われる世帯があった場合は、これらの事業につなげまして、子ども相談センターと関係機関が連携して、貧困の解消を図っております。
 児童虐待の事例は、個々に事情が異なっているため、個別に支援方法を検討しながら、学校や子供に関わる様々な機関が構成員となっております要保護児童対策地域協議会のネットワークを活用し、保護者の生活や育児の不安解消に取り組んでいるところでございます。
 今後も関係機関と連携しながら、子供の貧困対策や児童虐待の未然防止及び早期発見に努めてまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 様々な施策で効果を上げているという答弁として、理解いたしました。
 今回通告していませんが、1点要望をちょっと申し上げておきたいと思いますが、子供の貧困問題で大きな課題の一つに、離婚後、養育費の不払いが全国的な問題となっています。現在、3組に1組が離婚している状況で、厚生労働省の調べでは、離婚後の養育費受領率は全国で28.1%で、3割に満たない低水準にとどまっています。今年6月に成立しました改正子どもの貧困対策推進法には、離婚後の養育費受領率向上が明記され、国を挙げて改善に動こうとしております。
 倉敷市は、養育費に関する公正証書の作成費等を補助していく事業を行っており、今議会にも追加予算が計上されております。さいたま市では、さらに踏み込んだ取組を行っており、養育費を支払ってもらえない親権者に、市が立替払いを行う、いわゆる養育費立替支援事業を今年度から行っております。これは以前、我が会派の新垣議員も取り上げましたけれども、本市についても、こうした取組をぜひ検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 続いて、3点目、ヤングケアラーの支援についてお伺いいたします。
 本年6月に改正子ども・若者育成支援推進法が施行され、この法律に基づき、市町村がこども家庭センター、倉敷市では子ども相談センター、健康づくり課などを通じ実態調査を行い、ケアラー自身に当事者として認識していただく。さらに、家族の理解を得ながら、家族の世話を外部サービスに代替することや、ケアラー自身の休息の機会を確保するなどの支援につないでいくとしております。
 今回の法改正で、市として、ヤングケアラーの実態把握も含めた支援をどのようにしていくのか、御答弁をお願いいたします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 今年6月に施行されました改正子ども・若者育成支援推進法では、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者で、社会生活を円滑に営む上での困難を有する状態にある者をヤングケアラーと定義し、国、地方公共団体等が各種支援に努める対象として明記されました。
 本市では、小・中学生に啓発チラシを配付するとともに、市民の方や子供に関わる関係機関の方に、研修会などで啓発活動を行っているところでございます。こうしたことを通じまして、早い段階で、学校、医療機関、相談支援事業所などの要保護児童対策地域協議会の関係機関から、ヤングケアラーに関する情報をいただくようになっております。
 また、学校では、学期ごとに実施する教育相談などを通じて把握した気になる子供につきましては、担任教諭やスクールソーシャルワーカーなどから教育委員会や子ども相談センターに相談をいただいており、相談のあった御家庭を必要な支援につなげ、ヤングケアラーの負担軽減を図っているところでございます。
 6月の法改正により、ヤングケアラー支援の強化が求められている中で、具体的な支援の在り方としまして、実態把握のため、記名式の実態調査をすることなどが示されておりますが、ヤングケアラーに関しましては大変デリケートな面があり、直接的な調査には課題もあると感じております。
 本市では8月に、小学校4校、中学校4校、家庭の状況も把握している高齢者支援センター25か所、相談支援事業所約50か所を対象としまして、ヤングケアラーの有無、どのようなケースか、どのような支援が必要と思うかなどのアンケート調査を実施いたしました。それらの結果も踏まえまして、今後も関係機関と情報交換を行いながら、さらなる状況把握に努め、必要な支援ができるよう取り組んでまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 先ほど答弁で、今回の法改正でヤングケアラーというものの定義が明確になったという答弁がありました。私が今回の質問で一番問いたかったのは実態把握なんですけれども、今回の法改正で実態把握ということがありますが、市としては、これは努力義務というふうに認識しているのか、それとも義務として認識しているのか、これをはっきりお願いします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 再質問をいただきました。
 子ども・若者育成支援推進法の改正前から、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者の状況を把握することは関係機関の責務と考えておりまして、今回の改正によるヤングケアラーの状況を把握することも責務と考えております。
 引き続き要保護児童対策地域協議会と連携しまして、状況把握に努めてまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) ヤングケアラーの実態把握は責務であると、もう明快に答弁されました。今、市として実際行っている実施状況をいろいろと説明していただきましたけれども、先ほどの答弁で、倉敷市のヤングケアラーの実態が正確に把握できる、このように断言できますか。ここは、ちょっと答弁をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 先ほども申し上げましたとおり、要保護児童対策地域協議会等、関係機関と連携して状況把握に努めておりますので、そういったことも含めまして、把握できていると考えております。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 今の実施状況で把握はできるということでございますので、しっかり把握した上で、ケアラーに対して寄り添った適切な支援をしていただきますようにお願いしておきたいと思います。
 この項最後に、住宅支援についてお伺いいたします。
 公明党は令和4年11月、子育て応援トータルプランを発表しまして、このプランの内容をほぼ踏襲した形で、政府は昨年12月、こども未来戦略を策定しております。
 議長のお許しをいただきまして、1枚添付しておりますこども未来戦略MAPというのがありますけれども、これは目を通していただければと思います。
 この未来戦略で具体的な施策では、児童手当が大幅拡充されまして、本年10月分から所得制限を撤廃し、高校生まで支給。第3子以降は3万円に増額されます。また、出産育児一時金は既に50万円に増額されまして、妊娠・出産時の計10万円相当の給付も来年度から制度化される予定になっています。
 倉敷市としまして、このこども未来戦略を見ると、ほぼ実行している方向でありますが、住宅支援につきましては、少し改善の余地があるのではないかと考えております。具体的には、子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みの大幅な拡充、また子育て支援の現場からも子育て世代の居住環境の改善を求める声があることから、子育てに優しい住まいの改善、拡充を目指し、住宅支援を強化していく。さらに、民間住宅入居のサポートなどが必要と考えますけれども、市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 子育て世帯への住宅の支援ということでございますが、倉敷市におきましては、子育て世帯の市営住宅の入居につきまして、これまでに従前の支援策を拡充しまして、もともと12歳までの子供さんがいらっしゃる世帯を優先入居、また収入基準の緩和対象としていたところですが、今年の4月からは18歳、高校までの子供さんがいる世帯まで対象を拡大したところでございます。
 そして、今後についてですけれども、市といたしましても、国の政策にも対応し、さらに子育て支援の部分に力を入れていきたいと考えております。もちろん、これまでの定期募集、それから空き住戸の状況を踏まえていく必要があるわけでございますが、市営住宅の入居要件を満たす子育て世帯につきまして、これまでの優先入居、例えば、抽せんの回数の優遇ということ以外の部分としまして、専用の住戸募集枠の設置などについて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 また、民間住宅への入居のサポートにつきましては、現在実施中の国の補助制度などを市のホームページ上で周知させていただいているところで、またセーフティーネット住宅の登録情報の提供など、住宅確保要配慮者への居住支援につきましても行っているところでございます。
 市といたしましては、まずは市営住宅の子育て世帯の住戸募集枠の設置について検討して、もちろん実施に向けて検討していきたいと思っておりますが、それによりまして子育て世帯の応援に、さらに力を入れていきたいと考えているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 市長から子育て世帯専用の住戸募集枠を設置と、一歩前進の答弁をいただいたというふうに思います。
 それで、もう一回こども未来戦略MAPをよく見ていただくと、この一番左の下のほうに、もうちょっとこれは大きく書いたほうがいいと思うんですけれど、子供1人当たりの子育て支援は、3.6兆円の予算でGDP比でOECDトップ水準の約16%になったと。もう一つ下に、OECDトップ水準のスウェーデンは15.4%。だから、スウェーデンを抜いてほぼ世界一の、まさに異次元の子育て支援かなと思いますので、せっかく答弁いただきましたけれども、住宅政策も異次元の住宅政策を、今後もまた前向きに御検討いただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、3項目め、環境行政について2点お伺いいたします。
 まず1点目、次世代型太陽光発電、ペロブスカイト太陽電池などイノベーションの推進についてお伺いいたします。
 近年、次世代の太陽電池として注目を集めていますペロブスカイト太陽電池は、光を電気に変換する結晶構造を持つペロブスカイトという素材から作られる太陽電池であります。ペロブスカイトは日本で開発された技術で、これまでのシリコン系太陽電池とは異なり、材料も、特に高価な材料でなく比較的入手しやすいヨウ化鉛、メチルアンモニウムなどの素材で、シリコン系の太陽電池より低コストが期待されています。
 ペロブスカイト太陽電池は、小さな結晶の集合体が膜になっているため、折り曲げに強く、シリコン系太陽電池の10分の1ぐらいの重量で製造ができます。このことで、これまで設置が難しいとされていた工場、倉庫、また小・中学校の屋上などに設置が可能になると思われます。また、ビルの側面や柱などにも設置可能とされ、さらにエネルギー変換効率も、シリコン系太陽電池とほぼ同等になっております。国内でのカーボンニュートラルを今後一層加速していくためには、ペロブスカイト太陽電池に代表されるようなイノベーションが必要であり、官民連携による技術革新が不可欠であります。
 東京都千代田区では、自治体と企業が連携し、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を現在実施しているとお聞きしております。
 本市は、カーボンニュートラルの実現に積極的で、かつ高い技術を有する企業が、水島コンビナートをはじめ多く立地していることから、今後こうした企業との連携や協力体制の強化が必要ではないかと考えますけれども、市の見解をお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 外村環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(外村博之 君) カーボンニュートラル社会の実現に向けた官民連携の取組につきましては、本市では令和4年3月以降、三菱自動車工業、新来島サノヤス造船、旭化成の3社と包括連携協定を個々に締結し、新技術を確立するための実証実験などを実施しています。
 また、水島コンビナートのカーボンニュートラル実現に向けて、令和4年に立地企業と水島コンビナートカーボンニュートラル研究会を設置し、有識者を招いたセミナーや先進地視察のほか、国や立地企業が一堂に会する会議を東京にて開催し情報共有を図るなど、官民連携の取組を継続的に重ねてまいりました。
 今後もペロブスカイト太陽電池をはじめとするイノベーションの動向を注視するとともに、関係部局と歩調を合わせながら、企業の技術開発を支援するなど、官民連携によるゼロカーボンシティの実現に取り組んでまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 私の希望として、できれば、このペロブスカイトをどこかに設置していただければいいなと、これは要望にしておきますので、よろしくお願いします。
 次に、2点目、電力の地産地消の推進についてお伺いいたします。
 先月8月29日、倉敷市行財政改革プラン2020、令和5年度進捗状況が公表されています。実施項目の中で電力の地産地消の推進があり、令和5年4月から水島清掃工場で発電した電力を利用し、9施設へ供給する自己託送で、実施効果額約1億4,400万円削減できたとの記載がありました。進捗状況の判断基準はSで、計画は完了となっております。
 この取組は、行財政改革の名にふさわしく、高く評価されるべき事業だと考えます。今後も引き続き電力の地産地消に取り組むべきと考えますけれども、市の見解をお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 外村環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(外村博之 君) 本市では、市役所自らが取り組むべき温室効果ガス削減の施策を取りまとめた倉敷市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を策定し、再生可能エネルギーの最大限の導入を計画に位置づけた上で、これまでに水道局片島浄水場など市内55か所への太陽光パネルの設置や、児島下水処理場の汚泥処理で生じるメタンを利用したバイオガス発電設備の導入などを進めております。
 また、先ほど議員から御紹介のありました電力の自己託送については、水島清掃工場による発電のほか、令和7年度から稼働する倉敷西部クリーンセンターにおいて発電量をデータ収集した後、令和8年度から市有施設へ電力供給を開始する計画としており、この2施設を合わせ、令和5年度実績の2倍以上の量を供給することが可能となります。
 さらに、次世代技術を活用することや、既存施設に対する再生可能エネルギーの導入可能性調査を進め、太陽光パネルの導入などを図ることで、電力の地産地消を一層推進してまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) さらに、電力の地産地消を進めていただきたいと思います。
 最後に、教育行政につきまして3点ほどお伺いいたします。
 まず1点目、保護者からの過剰な苦情や不当な要求についてでございますけれども、昨今、新規教員就職希望者が減少し、さらに常勤講師、非常勤講師の不足もあり、この教員不足は、倉敷市、また国においても深刻な問題であると思います。
 教員の職場環境が、ブラックな職場環境ではないかということが、報道等により世間一般に周知されたことも大きな理由と考えます。教員不足になっていることは、様々な理由があると思いますけれども、その一つに、保護者対応が非常に困難になっている点があります。
 これについてお伺いしますが、学校園におきまして、常識の範囲を超えた過剰な苦情や不当な要求を繰り返す一部の保護者により、学校や教師が困り果てているという実態をお聞きしますが、現状についてお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立の学校園では、保護者や地域の方から、幼児、児童、生徒の人間関係に関わることや教職員の指導方法に対することなど、様々な相談や要望が日常的に寄せられております。学校園では、寄せられました御意見を傾聴することで、幼児、児童、生徒や保護者、地域との信頼関係を築き、子供たちのよりよい成長を目指して教育活動を進めているところでございます。
 このような中、要望が過剰になり、学校園に対し過度な調査、説明を求められることがあります。また、連日長時間にわたる対応が続いたりすることで、日常の教育活動にも支障を来し、教職員個人にも、かなりの時間的、精神的な負担がかかる場合があります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 基本的には、真摯にお話は聞くということですが、そういう一部の保護者の対応があるという説明がありました。
 次の質問ですが、学校や教師が受けている保護者からの過剰な苦情や不当な要求については、正当な理由がない場合、法的専門家、教育委員会、また第三者機関でそれはハラスメントとみなし、学校や教師を守っていく仕組みが必要であると考えます。
 教育委員会は、学校が受けている過剰な苦情や不当な要求に対してどのように対応しているのか、御答弁をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立の学校園では、様々な相談や要望について、まずは相談などの背景にある幼児、児童、生徒や保護者の思いを傾聴し、保護者と話合いを重ねながら、丁寧な対応に努めているところでございます。
 倉敷市教育委員会では、学校園が話合いを重ねる中で、対応が難しい場合には、スクールカウンセラーや臨床心理士などの専門家に相談できる体制を構築いたしております。
 また、警察官、弁護士、学識経験者などで構成された学校問題支援プロジェクト推進会議で協議することや、必要に応じて教育委員会の指導主事が、直接保護者への対応に立ち会うなど、学校園を支援しているところでございます。
 今後も、警察をはじめとする様々な関係機関との連携をより一層図りながら、学校園と保護者がよりよい信頼関係を築けるよう、引き続き支援に努めてまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) 最後に、弁護士等法的専門家や警察もいるということですが、そこに行くまでにちょっと時間がかかって、その期間に学校や先生がダメージを受けるということもあるので、そこをどう縮めていくかだというふうに思うんです。
 国のほうで昨年から教育振興基本計画の第4期が始まっていまして、これを見ると、子供のウエルビーイングを高めていくということが、ここへ初めて掲げられました。
 ウエルビーイングというのは、一般的には幸福度というふうに言われています。これを見ると、子供のウエルビーイングを高めていくためには心身ともに健康で、幸福度とか自己肯定感とか協働、いろいろあります。私は全面的に賛同しておりまして、ある著名な教育者がかつて、子供にとっての一番の教育環境は教師自身だと言われたことがあります。教師、先生そのものが、子供にとっては一番の教育環境であるということで、私は、これは至言だと思っているんです。
 だから、子供のウエルビーイングを高めていく前に、その子供にとって最大の教育環境の先生がウエルビーイングを感じていないと、これは進まないと思うんです。そういった意味から、先生自身の余計な不安を取り除いて、先生が日々心身ともに健康で、やりがいと生きがいを感じながら教壇に立っていく、そういうことが子供のウエルビーイングを高めていくことになるし、そういう環境をつくっていくのが学校長であり、教育委員会の仕事であろうと思いますので、ぜひその辺をお酌み取りいただいて、今後対応していただきたいというふうに思います。
 最後に、学校現場においてのこどもまんなか社会の取組についてお尋ねいたします。
 こどもまんなか社会の実現に向けて、政策担当大臣の加藤 鮎子大臣はメッセージを送っていまして、そのメッセージ中で、一つには、子供や若者が生まれながら持っている権利を大切にしていく。一つには、子供や若者の意見を聞きながら一緒に進めていくなどがありまして、そうしたことを柱として取り組むとともに、最後に、大人が中心になってつくってきたこの社会をこどもまんなか社会へとつくり変えていきますと、このように決意を述べておられます。
 子供に関する計画は、子ども未来部が中心になって策定されると思いますけれども、児童、生徒が昼間のほとんどの時間を学校で過ごしております。
 そこで、こどもまんなか社会の理念に基づき、学校現場ではどのような取組を行っていくのか、教育委員会の見解をお聞かせください。
○議長(中島光浩 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) こどもまんなか社会とは、こども家庭庁創設に向け、令和3年12月に閣議決定されましたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針の中で、こどもまんなか社会を、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組、政策を我が国社会の真ん中に据える社会とされております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、児童、生徒が主体的に取り組む学びを大切に考えており、これまでも倉敷市立の学校では、児童、生徒が中心となり、体育会や修学旅行などの学校行事の企画、運営や、新しい制服の導入をはじめとする校則の見直しなどを行っております。
 また、平成26年度以降、自分たちの周りで起きている困ったことは自分たちの手で解決していこうという趣旨の下、市内の児童、生徒の代表が参加する倉敷こどもミーティングなどを継続的に開催しているところでございます。
 今後も、こどもまんなか社会の理念を踏まえ、児童、生徒の主体性が育まれる取組を続けてまいります。
○議長(中島光浩 君) 生水 耕二議員。
◆37番(生水耕二 君) いろいろと子供の主体性を重視した取組ということで、説明がありました。ありがとうございます。
 私ども公明党としましては、2006年の時点で少子社会トータルプランというのを発表しております。この中で諸施策を掲げて、代表的なのが幼児教育の無償化を掲げておりまして、結果的に13年後、2019年からこの事業はスタートしています。2006年に発表しました少子社会トータルプランの中で、公明党として教育の理念というのを明確に掲げております。それは何かというと、これまで社会のための教育だったのを、教育のための社会というふうに理念を明確にいたしました。だから、あくまでも教育のために社会が支えていくという理念で、この理念が、今まさにこどもまんなか社会というふうな形になっているのかなと思っております。
 ただ、こどもまんなか社会もスタートして、まだ2年もたっていないので、そもそもこどもまんなか社会とは何なのかと、若者や子供の権利というものは何なのかと、ウエルビーイングとは何なのかみたいなことを、しっかり議論を深めていって、実際、学校現場でこどもまんなか社会というものが根づいていくように御努力いただきたいことを要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
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