録画中継

令和7年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月7日(金) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
太田 美貴絵 議員
1 2025年問題について
2 閉じこもりがちな高齢者の支援について
◆5番(太田美貴絵 君) (拍手) 皆様こんにちは。公明党倉敷市議団、太田 美貴絵でございます。このたびの1月26日の市議会議員選挙で初当選させていただきました。市民の皆様の小さな声を届けていけるよう頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして、一問一答の方式にて2項目について質問させていただきます。
 まず1項目めに、2025年問題について質問させていただきます。
 現在、日本の人口は2010年を境に減少を続けており、2025年には約800万人いる全ての団塊世代が75歳以上の後期高齢者となることで、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。そのために、介護が必要な要介護・要支援認定の発生リスクが高まる懸念が指摘されており、介護人材不足はもちろんのこと、多くの分野に影響が出ることを2025年問題と呼ばれております。75歳以上の人口が増加することで、今までも様々に懸念されていた問題がさらに深刻化し、大きな社会問題として取り上げられることは間違いありません。
 私自身、15年間にわたり介護の現場で働き、介護福祉士として通所サービスに従事する中で、様々な問題を目の当たりにしてまいりました。その中でも特に深刻な課題として上げられるのが、人材不足の問題です。実際の現場では、1人の介護職員が担う業務の負担が大きくなっており、介護職に対する、きつい、つらいといったマイナスのイメージが根強く残っていることも相まって、人材確保が困難な状況が続いています。
 介護現場における人材不足が引き起こす問題として、まず1点目に、介護職員1人当たりの仕事量が増加することで、労働環境が悪化することが上げられます。2点目に、職員の負担増加により離職率が高まり、介護サービスの提供能力が低下することが懸念されます。そして3点目に、介護の質が低下することで、利用者様や御家族に大きな負担と不安が生じることが問題となります。
 そこで、まず1つ目の質問として、この2025年問題の解消につながる介護職員の確保、育成についてお伺いいたします。
 団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となることで、要介護者の急増が予測される中、介護に携わる職員の人材不足が、さらに深刻化することが懸念されております。その結果、必要なときに必要な介護サービスを受けることができない高齢者が増加し、介護現場の負担が一層高まることが危惧されます。
 このような状況を踏まえ、本市として介護職員の確保、育成についてどのように取り組まれているのか、お聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) それでは、太田 美貴絵議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 介護人材の確保や育成に向けて、本市では、これまでも介護職員の離職防止やキャリアパスの形成などの観点から、新人職員や管理者層などを対象とした研修を実施しております。
 また、医療・福祉系大学などの学生に対し、高齢者支援センターへの就職に向けたPR活動なども実施しておりますほか、訪問看護師確保対策事業として、看護学生や、看護師免許を所持していても現在は看護師として仕事をしていない人、いわゆる潜在看護師を対象に、市独自で訪問看護の実地研修事業も行っております。
 さらに、現場の介護従事者の事務負担を軽減するICT導入支援といたしましてタブレット端末の導入助成や、夜間の巡回などの負担を軽減するセンサーベッドなどの介護ロボットの導入助成を実施してまいりました。
 今後も、これらの事業を組み合わせながら、介護人材の確保や育成に向けて取り組んでまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 太田 美貴絵議員。
◆5番(太田美貴絵 君) 人材育成として、看護学生や仕事をしていない看護師を対象とした訪問看護の実地研修事業を市独自で行っていることを知り、すばらしい必要な取組だと感じました。引き続き、強化していただきたいと思います。
 1つ、ICTの導入について再質問させていただきます。
 答弁の中に、現場の介護従事者の事務負担を軽減するタブレット端末など、ICTの導入支援についても実施してきたとありましたが、ある介護施設では、ICTの導入ができたとしても、実際の現場では通常勤務が忙しく、現場が混乱しないか、使い方についても不安がある、軌道に乗るまでサポートしてほしいなどの声が上がってきました。
 そういった観点から、ICT導入後のサポートが必要だと感じますが、その点についてはどうか、お考えをお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸 君) 再質問にお答えいたします。
 介護ロボットやICT導入後のサポートについてでございますが、介護現場におけるそうした生産性向上の取組などを推進するため、県は昨年9月に、介護現場の業務改善に関する相談や支援を行うワンストップ型の窓口といたしまして、岡山県介護生産性向上総合相談センターを開設したところでございます。
 市といたしましては、今月開催予定の市内の介護事業者を対象といたしました集団指導、これは制度改正、制度変更や報酬改定などの周知を行うことを目的に開催しているものでございますけれども、こうした機会を通じて、県の総合相談センターの周知を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 太田 美貴絵議員。
◆5番(太田美貴絵 君) そういったICT導入後のサポートをする場があるということですが、まだまだ事業所等に周知がされていないといった状況がありますので、さらなる周知の徹底をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 現場に携わった私としましても、介護の仕事というのは、決して楽な仕事ではありません。体力を使うのはもちろんですが、高齢者との関わりは、転倒やけがをさせてはならないと、いつも気を張った状態でした。しかし、それ以上に、孤独を感じられていた利用者様の笑顔が増えたり、また御家族から感謝されたり、何より個性豊かな利用者様と接することで、自分自身がやりがいを感じられ、すばらしい仕事だとも感じております。きつい、つらいというイメージだけでなく、今後そういった角度からも、介護職の魅力を発信していただきたいと思います。
 また、介護業界は他の産業に比べ、平均給与が約8万円も低いといった現状があり、そういったことも人材不足の原因であると思っております。若い世代の人材確保のためにも、また現在、職員として働いている方のモチベーションアップにつなげ離職率を低下させるためにも、強く賃金アップ、処遇の改善、向上を願うものであります。
 このたび、国の令和6年度補正予算に介護人材確保・職場環境改善等事業が盛り込まれており、この事業は、介護人材の確保のために他産業の選択、他産業への流出を防ぐため、全産業平均の給与と差がつく中、緊急的に賃金を引き上げることを目的としています。
 介護事業所は、介護サービスの公定価格である介護報酬により運営されるため、物価高の影響を価格に転嫁できません。こうした中、介護職員らへの一時金などに使える国の補正予算の意義は大変大きいと思います。事業の実施主体は岡山県ではありますが、多くの介護事業者に利用していただくためにも、市としても漏れのないよう周知を徹底していただきますよう、要望させていただきます。こうした一つ一つの課題解決が、2025年問題の解決につながると考えます。そのためにも、過剰と思うぐらいのサポート体制が大切だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、2項目めの質問をいたします。閉じこもりがちな高齢者の支援についてお伺いいたします。
 近年、高齢者の中には、外出の機会が減少し、社会とのつながりが希薄になる方々が増えていると報告されております。このような状況が続くと、運動不足による身体機能の低下、認知機能の低下、生活習慣病の進行、さらには鬱病のリスクの増加など、様々な健康リスクが高まることが明らかになっております。
 運動不足がもたらす健康リスクとしては、筋力が急激に衰え、歩行機会の低下や転倒リスクが増加します。要介護認定を受ける原因の13%が転倒、骨折によるものとされており、外出機会の減少が直接的に健康悪化につながることが分かっております。社会とのつながりの欠如による影響としては、人との交流が減り、認知症や鬱病のリスクが高まるとされています。
 ある研究では、孤独を感じる高齢者は、認知症発症のリスクが31%増加すると示されており、社会的なつながりが、認知機能の維持に不可欠であることが分かります。また、孤立している高齢者は、鬱病の発症リスクが2.7倍に上昇すると言われております。閉じ籠もりがちになると、筋力や認知機能の低下だけでなく、健康寿命そのものを縮める要因になるということです。
 ここで言う閉じ籠もりとは、寝たきりでないにもかかわらず、1日のほとんどを家の中で過ごし、日々の行動範囲が家の中か庭先ぐらいで、週に一度も外出しない状態を言います。高齢者が閉じ籠もりになると、寝たきりや孤独死のリスクの増加や、要介護状態の原因となるフレイルなどを引き起こす可能性があります。
 そこで質問いたします。
 このような状態にならないよう、閉じ籠もりがちの高齢者に対する現在の本市の取組をお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 閉じ籠もりがちになる高齢者の方への支援ということについて御質問いただきました。
 高齢者の方につきましては、閉じ籠もりがちになってきますと、活動量が低下し、フレイルの状態につながっていく可能性が高くなっていくということで、年配の皆さんの社会参加は非常に大事なことだと考えております。
 先ほどの御質問でもお話しされておりましたけれども、2025年で団塊の世代、75歳以上の方の割合が全体的に高くなっていくということもございまして、より年配の皆様方がお元気に活動していただいて、健康長寿のまち、長生きしていただけるということがとても大切だと考えております。
 倉敷市では、身近な場所など318か所で、ふれあいサロンを皆様が運営してくださっていて、こういう通いの場でありますとか、運動や栄養等をテーマとした介護予防教室など、高齢者の皆様に参加していただけるような場の充実に取り組んでいるところでございます。
 また、年配の皆さんの総合相談窓口であります高齢者支援センターが、閉じ籠もりがちな高齢者の方の御自宅を訪問しお話をして、通いの場とか介護予防教室、また外へ出たりということにつながっていくような声かけをしたり、状況の確認を行ったりして、なるべくフレイルにならないようにというお話をしてもらうなどしているところでございます。
 引き続き、年配の皆さん方に地域で元気にその人らしく活動していただいて、お元気で長生きしていただけるように、そして社会参加の中でも大事な役割を果たしていただけるように、市としても認識しながら、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 太田 美貴絵議員。
◆5番(太田美貴絵 君) 今までなかなか外出していなかった方に社会参加を促しても、すぐには難しいところもあるかとは思いますが、一人でも多くの方が市としての取組に参加できるよう、そして特に外出したがらない方には、根気強く声かけを続けていっていただきたいと思います。また、こういった取組を通して、健康で元気な高齢者がより多く活躍していただけるよう、就労を望む高齢者には働く場所の確保の支援の充実にも取り組んでいただきたいと要望いたします。
 全ての高齢者の皆様が不安なく生活できる社会の実現に向けて、福祉事業が進んでいくことを切に願いまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(藤井昭佐 君) 以上で本日予定の質問を終了いたしました。
 本日はこれにて散会し、次会は来る10日午前10時から再開いたします。

            午後 1時17分  散 会
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