録画中継

令和7年第4回倉敷市議会(第2回定例会)
6月6日(金) 本会議 質問
未来クラブ
真田 意索 議員
1 高齢者支援センターにおける人員体制強化の必要性について
2 倉敷市障がい者(児)日常生活用具給付事業について
3 倉敷市における夜間中学の設置・開校について
            午前10時     開 議

○議長(荒木竜二 君) 皆さんおはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。
 ただいまの御出席は42名、会議は成立いたしました。

            ~~~~~~~~~~~~~~~

△〔質問〕

○議長(荒木竜二 君) それでは、本日から質問に入ります。
 本日は質問順位1番 真田 意索議員から7番 田辺 牧美議員までの7名、2日目は8番 矢野 周子議員から14番 末田 正彦議員までの7名、3日目は15番 片山 貴光議員から20番 田口 明子議員までの6名、4日目は21番 若林 昭雄議員から24番 芦田 泰宏議員までの4名をそれぞれ予定しておりますので、御協力をお願いいたします。
 では、順次発言を許します。
 初めに、17番 真田 意索議員。
            (17番  真田 意索君  質問者席登壇)
◆17番(真田意索 君) (拍手) 皆さんおはようございます。未来クラブの真田 意索です。6月定例会のトップバッターを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従い、一問一答の方式で3項目質問いたします。
 まず項目の1つ目、高齢者支援センターにおける人員体制強化の必要性について6点質問いたします。
 本市をはじめ、全国的に高齢化が進展する中で、地域包括支援センターの役割はますます重要になっています。なお、本市では、地域包括支援センターを高齢者支援センターと称していますので、高齢者支援センターと、この後は呼ぶことといたします。
 本市では、高齢者が住み慣れた地域で安心して過ごすことができるよう、包括的及び継続的な支援を行う地域包括ケアを推進することを目的に、2006年度に高齢者支援センターを設置し、相談・支援機能の充実を図ってこられたと聞いております。小学校区ごとに配置され、本市では社会福祉法人や医療法人等の民間への委託という形で、25のセンターが現在設置されています。
 高齢者支援センターには専門職が配置され、高齢者やその家族などの様々な相談に対応し、近年では、成年後見制度、消費者被害、高齢者虐待などの相談も増加しています。住民の介護予防や相談対応はもとより、虐待や孤立、認知症、地域支援体制づくりといった多岐にわたる業務に日々対応されています。とりわけ高齢者の複雑な課題が増える中で、高齢者支援センターは、高齢者の尊厳ある生活を支える地域包括ケアの要と言っても過言ではありません。しかし、その一方で、高齢者支援センターが担うべき業務の拡大に対し、制度面の支援や人員体制が追いついていないという現場の声が、全国各地で上がっています。
 本市としても、温もりあふれる健康長寿のまち倉敷の実現を目指していますが、高齢者支援センターの職員の皆様の御苦労が制度面で十分に支えられているかと言えば、まだ課題は多いと感じています。
 この項1点目、高齢者支援センターの業務量と配置職員のバランスについてお尋ねいたします。
 高齢者支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種が、原則1名ずつ配置される体制が標準とされています。しかし、近年の業務量の増大や支援内容の多様化、複雑化に対し、3名で対応するのは非常に困難な状況にあると言えます。
 団塊の世代が75歳に到達する2025年問題により相談も増加。現場からは月に40から50件の新規の相談が寄せられ、介護保険の申請に至らずとも介護保険サービスの利用に関する相談が8割から9割を占めて、そのほかにも複数機関と連携を要する困難ケースがあることも少なくないと聞いております。
 毎日、電話や訪問対応に加え、相談内容の入力作業やファイリングなど、職員は常に多忙を極め、本来業務である地域に出向き生活状況や地域課題を把握する高齢者実態把握事業になかなか時間を割けないという事態も発生しています。のみならず、緊急性の高い相談や地域活動の際には丸1日時間を要することもあり、できていない事務作業については、残業や休日出勤で対応することが頻繁に発生しています。これでは、制度が本来目指す地域包括ケアシステムの実現が遠のいてしまいます。
 そこでお尋ねいたします。
 高齢化の進展、限られた職員数などを背景に、業務量が多くなっており、高齢者支援センターを取り巻く状況は非常に逼迫しています。本市としては、高齢者支援センターの業務量を把握するためにどのようにモニタリングを行っているのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 皆さんおはようございます。去る4月1日の人事異動によりまして保健福祉局参与を拝命いたしました月本 清治と申します。よろしくお願いいたします。
 真田 意索議員さんの御質問にお答えいたします。
 本市では、毎月、高齢者支援センターから総合相談の件数や高齢者虐待の対応状況などの実績報告を求め、センターの業務量の把握に努めております。また、年2回実施しています各センターとの個別面談や、毎月開催されるセンター職員連絡会などの場で業務の現状を聞き取り、意見交換を行っております。
 本市においては、今後、高齢者人口が増加することに伴いセンターの業務量の増加が予想されるため、これらの機会を通じて現状把握に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 現状把握に、今努められていることが分かりました。
 それでは、この項2点目、高齢者支援センターの業務量の増加を踏まえた本市の取組についてお尋ねいたします。
 現在各センターにいろいろヒアリングもさせてもらっていますが、私としては、現在の配置基準では、人員に不足が生じていると考えています。本市においては急速な高齢化が進み、医療や介護サービスを利用する可能性が高まる85歳以上の市民が、2010年には約1万3,000人だったものが2025年には2万7,000人、そして2040年には4万人となることが予想されています。こうした中、認知症になっても自宅で暮らしたい市民が約7割も存在することが、本市の調査の結果判明しており、高齢者支援センターヘの期待がますます高まるばかりだと考えています。
 確かに、現在、センター職員の追加配置基準があることも存じておりますが、この基準にのっとり追加配置しても、なお業務に追われ、残業、休日出勤が当たり前、高齢者の実態把握のための外出ができていない、そういったセンターも存在しています。
 そこでお尋ねいたします。
 高齢者支援センターの業務量の増加に対して、配置職員の増員や業務の見直しなど様々な方法が考えられると思いますが、本市ではどのような取組を行っているのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 市では、高齢者支援センターの職員さんの業務負担の軽減を図っていくために、報告書類の様式の簡素化、また電子申請システムなどを活用した報告書の提出、オンライン会議の活用など、業務の効率化を進めているところであります。
 また、市からセンターに委託しております介護予防教室についても、他の介護予防事業の充実も図っておりますので、令和6年度からは、開催回数や開催方法の見直しなどを行っているところでございます。
 今後とも、センターの業務の効率化に取り組んでいきたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) この項3点目、国の配置基準を踏まえた本市の職員配置についてお尋ねいたします。
 先ほどの市長の御答弁で、業務負担軽減に努められていることは理解いたしました。ぜひ、引き続きよろしくお願いしたいと思います。しかし、それでも業務量が多いということを現場の声として聞いておりまして、高齢者の皆様の住み慣れた地域で自分らしい暮らしを可能にするためには、もっともっと柔軟な職員配置が必要だと感じました。
 そこでお尋ねいたします。
 国の配置基準を踏まえて、本市ではどのように高齢者支援センターへ職員を配置しているのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 国の職員配置基準では、原則、それぞれのセンターの区域における高齢者人口がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の専門3職種を各1名、計3名を配置することになっております。
 本市の基準では、高齢者人口が3,000人以上6,000人以下の場合は国と同じ基準です。高齢者人口が6,000人を超えたセンターにつきましては人口規模に応じた人員配置を行うため、高齢者人口が2,000人増加するごとに1名増員することにしております。
 また、国の基準では、高齢者人口が3,000人未満の場合は1から2名の配置も可能となっているところですが、本市では現在のところ、全てのセンターにおいて、高齢者人口が3,000人未満のセンターにも専門3職種を計3名配置しております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 既に他の市町では、例えば、担当圏域の高齢者人口以外にも、後期高齢者の人口や総合相談件数等を参考に、センターの3職種の職員の配置人数を設定しているところもあります。倉敷市においては、3名未満でもいいというところでも3名でされているというところは、非常にありがたいと思っております。本市としても、国の基準以上の取組をされているわけですが、さらに踏み込んでいただいて、地域の実情に合った柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 この項4点目、高齢者支援センターへの事業委託料についてお尋ねいたします。
 高齢者支援センターは、本体事業である包括支援事業に加え、介護予防教室、高齢者実態把握調査のいわゆる一般介護予防事業、家族介護教室、認知症サポーター養成講座の任意事業、その他として小地域ケア会議など、様々な事業の委託を受けています。
 そこでお尋ねいたします。
 今述べましたように、本市では複数の事業を高齢者支援センターに委託しており、業務が多岐にわたっています。業務量に対する委託料のバランスを踏まえた委託料の見直し、これは行われているのでしょうか。教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 本市では、高齢者支援センターの運営に関する事業に加え、介護予防教室や認知症サポーター養成講座の開催などの事業を委託しております。このうち、センター職員の処遇改善の観点から、センター運営事業の人件費の基準額につきまして、令和2年度から令和4年度にかけて段階的に増額してまいりました。また、本年度からは近年の物価高騰への対応策としまして、センター運営事業の事務経費の基準額につきましても増額するなど、見直しを行っております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 本市が委託料の見直しを行っていることは、今の御答弁で理解いたしますが、実際には、委託料だけでは経費が賄えず、センターを委託している法人の自己負担が発生しているという現状があります。例えば、介護予防教室では、外部講師の謝礼や会場費で報酬が消えるケースがあります。小地域ケア会議も、年1万円の委託料で複数回開催ということで、なかなか会場費の捻出や、これから暑くなりますが、電気代の捻出ができないというようなケースもお聞きしております。
 また、センターに課された地域ケア個別会議もケアマネ交流会も、市のほうから開催基準を定められているのですが、委託料が全く支払われていないという現状があると、こちらもお聞きしております。経費をセンターがかぶっている状況というのは、これはやはり改善していただきたいと思います。開催基準を設けている事業については、本市としてしっかり経費のサポートを行っていただきますよう、強く強く要望したいと思います。
 では、次の質問に移ります。この項5点目、令和7年度より高齢者支援センター運営方針に明記されたセンター長の役割についてお尋ねいたします。
 倉敷市高齢者支援センター運営方針によりますと、業務内容の中にセンター長の業務が記載されています。これは、センター長の業務を定めることで、センター機能を効果的に発揮できるようにという狙いの下で、事業全般の管理、センター職員の管理、他の機関や分野との連絡調整、個人情報の管理の4つの項目が定められています。
 そこでお尋ねいたします。
 本年度より、高齢者支援センター運営方針にセンター長の役割が明記されたと聞きますが、これはセンター長に新たな業務が追加されたということでしょうか。追加されたのであれば、人件費に反映させているのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 令和6年度に国から示された高齢者支援センターの運営における新たな評価指標におきまして、センター長の役割を明確にし、文書で周知することとされました。そのため、市では、今年度から、統一したセンター長の役割を運営方針に明記いたしました。
 明記した内容につきましては、業務全般の管理や人材育成など、これまでセンター長が担ってきた役割を示したものであり、新たな業務は発生していないため、人件費への反映は行っておりません。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) この項最後、高齢者支援センター職員のケアプラン作成についてお尋ねいたします。
 さて、高齢者支援センターには、市からの委託料のほかにケアプラン作成の報酬があります。職員配置基準では、人手が不足する事態となっておりますが、それでもセンターは運営を継続しなければならない。今多くのところが、人が足りないから自前で職員を雇用しております。配置基準を超えての職員に対して、市からの委託料は支払われないわけですから、センターはケアプランを作成して得た報酬を人件費に充てているそうです。それで職員の人件費が賄えてよかったねと、こういう話ではなくて、年間のプラン作成には上限数が設けられていて、それを超えて作成して報酬を得たならば、相当額を委託料、人件費から減額、正確には返還という形で市のほうにお返しする仕組みとなっています。
 そこでお尋ねしますが、高齢者支援センターにとっては、ケアプラン作成が今貴重な収入源となっています。そのような中、高齢者支援センター運営事業で配置している職員について、ケアプラン作成件数に上限を設けている理由とは何でしょうか。教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 高齢者支援センターは、高齢者の介護、医療、福祉に関することや高齢者虐待などに対する相談支援が、重要な業務となっております。
 本市では、これらの業務に対応するため、全てのセンターに保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種を配置し、それぞれの専門性を生かした相談支援ができる体制を取っており、配置した職員が十分に相談支援に対応できるようマンパワーを確保するため、ケアプランの作成件数に上限を設けております。
 引き続き、高齢者支援センターと連携を図りながら相談支援体制を強化するとともに、地域包括ケアシステムの推進に取り組んでまいります。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) この項最後に、執行部の皆様に要望したいと思います。
 本年、2025年は団塊の世代が全て後期高齢者となる年です。今後、ますますセンターの役割は増大することが見込まれていながら、職員の配置基準や委託料、委託料の発生しない業務の増加など、持続可能な地域包括システムから少しずつ離れていっているような印象が、ヒアリングをする中で拭えない感じがあります。個々のセンターの実情に応じた職員配置であるとか、経費をしっかりカバーできるだけの委託料の支払いで、高齢者支援センターのサポートを今よりもさらに充実させていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 項目の2つ目、倉敷市障がい者(児)日常生活用具給付事業について3点質問いたします。
 本市では、在宅で心身に障がいのある方の日常生活の便宜を図るために必要な用具が給付される制度があります。制度の対象となる用具は52種目ありますが、そのうちのおむつについて、今回取り上げたいと考えます。
 この項1点目、おむつ給付の起こりと、これまでの対象拡大についてお尋ねいたします。
 本市における当該おむつ給付事業は、ストーマ周辺の皮膚の著しいびらんやストーマの変形のため、ストーマ装具を装着することができない者を支援するために始められ、その後、様々な障がい者(児)の生活環境を勘案し、その対象者が拡大されてきたと聞き及んでおります。
 そこでお尋ねいたします。
 おむつ給付事業に関して、その起こりからこれまでの対象者拡大の経緯について、改めて教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 去る4月1日の人事異動によりまして保健福祉局長を拝命いたしました野田 和男と申します。よろしくお願いします。
 日常生活用具給付事業は、障害者総合支援法に位置づけられた地域生活支援事業の一つであり、重度障がい者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付することで、福祉の増進に資することを目的として、平成18年に創設された事業でございます。
 事業の中で、排せつ管理支援用具の一つとしておむつを給付しておりますが、対象者は、直腸または膀胱機能障がいがあるにもかかわらずストーマ装具の装着ができない方等で、ストーマ装具の代替として給付するものでございます。
 また、平成20年からは、下肢または体幹機能障がい2級以上かつ重度知的障がいで医師の意見書により、排尿または排便の意思表示が困難なためおむつ等の使用が必要と認められた方につきましても、給付対象にしております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 続いて、この項2点目、本市に暮らす18歳未満の知的障がい児についてお尋ねいたします。
 さて、18歳未満については、先ほど御説明がありましたように、下肢・体幹機能障がいの認定者については給付対象となっていますが、知的障がい児は、その対象とはなっていません。
 そこで、まずお尋ねします。
 現在本市には、18歳未満の知的障がい児の方が何名いらっしゃるのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 令和7年3月31日現在で、療育手帳を所持している方は4,744名です。そのうち18歳未満が1,314名で、最重度、重度の判定を受けている方は346名となっております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 346名の方が重度の方だとお聞きいたしまして、次の項目に移りたいと思います。
 この項最後、18歳未満の重度知的障がい児を対象とすることについてお尋ねいたします。
 私は、これまで重度知的障がい児の保護者の方と何度もお会いすることがありまして、様々なお話を聞いてまいりました。知的障がいは、知的能力と社会適応能力などの程度によって総合的に勘案されるもので、一概に、IQだけでその子の能力を評価できるものではないのですが、最重度や重度の子供たちの中には、自力でトイレに行くことが非常に難しいケースというのがございます。特に重度知的障がい児の方は自由に動くことができますから、頻回におむつの交換を要することもあって、給付を待ち望む保護者、関係者の声が大きいところです。
 現在の制度では、18歳未満の下肢・体幹機能障がいの認定者には紙おむつの給付があるわけですが、同様に日常生活でおむつを必要とする重度知的障がい児の方々は対象外となっています。保護者からは月に2万4,000円程度のおむつ代がかかるという、経済的な困難の声も寄せられています。また、先ほどの御答弁にもありましたように、倉敷市内には対象となり得る18歳未満の重度知的障がい児が300人を超えているという実態もあります。
 本来この制度が、心身に障がいがある方の日常生活の便宜を図ることを目的とするのであれば、障がいの種類によって給付対象を区別するのではなく、18歳未満の重度知的障がい児も給付対象とするべきと思いますが、こうした区別の解消、この線引きの解消に向けた本市の見解をお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 日常生活用具給付事業は、障害者総合支援法に基づき、重度障がい者等の日常生活の便宜を図るため、必要な用具を給付する事業でございます。
 同事業の中で、直腸または膀胱機能障がいのある方にストーマ装具を給付しておりますが、直腸または膀胱機能障がいがあるにもかかわらずストーマ装具が装着できない方に関しましては、ストーマ装具の代替品としておむつを給付しているところでございます。
 このことから、重度知的障がいのみで身体機能に障がいのない方におむつを給付できるよう、その対象を拡大することについては難しいものと考えておりますが、引き続き国等の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) その基となる支援法に基づくと、やはり身体的な障がいがある方のみということなのでしょうが、今御答弁にありましたように、国の動向を注視していくということで、前向きな答弁だというふうに受け止めました。ぜひ国の動向を注視するなり、市として様々なことを考えていただきたいと思います。
 最後に、これは要望ですが、昨日、昨年の出生数が発表されました。68万人と、ついに70万人を割り込んだわけですが、子供が増えないという要因は様々だと思います。その中に、私は今回の件を通じて思ったのが、やはり障がいがあろうがなかろうが、どんな子供でも健やかに育つ環境がまだまだ整っていない。保護者側からすると、そういったところに安心感が持てていないというのが、これは本市がどうこうとかという話ではないのですけれども、やっぱりそういったことがあると考えます。
 私も6歳の息子を育てていますが、子育てには、保護者の労力がかかるのは当然ですが、市としてもっともっと様々な子育て支援をやっていただきたいとも思いますし、小さな声に耳を傾けていただいて、温かい心を持って、今回の場合で言うと対象者の拡大、ここを前向きに御検討していただきたいと思います。
 それでは、項目の3つ目、倉敷市における夜間中学の設置・開校について4点質問いたします。
 月曜日の議会開会日、提案理由説明の中で伊東市長は、本年、岡山市立岡山後楽館中学校に夜間学級が開設されたことに伴い、岡山市と協定を結び、本市在住の方も通えることを発表されました。これは倉敷市でも、様々な理由で学齢期に義務教育の機会が十分に得られなかった方に対し、学び直しの機会の新たな選択肢が提供されることになったわけで、非常に喜ばしいことだなと思いました。
 それを受けて、ちょっと今回質問させていただきます。
 私は、倉敷市に独自の夜間中学が必要ではないのかなと考えています。現在、まなびばippo(いっぽ)、それから倉敷市立の高校もすばらしい学校ですし、学び直しの機会だとは思っておりますが、今回、この夜間中学を設置すべきとの観点から質問させていただきます。
 この項1点目、岡山市立岡山後楽館中学校夜間学級に関する協定締結の経緯と理由について、まずお尋ねしたいと思います。
 当初、岡山市が協定を結ぶことを発表していたのは、玉野市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気町、早島町、吉備中央町の4市3町で、昨年10月1日に協定を締結しています。
 そこでちょっとお尋ねいたします。
 昨年9月に行われた岡山市の大森市長の記者会見では、倉敷市との協定についての言及はありませんでした。他市町が昨年の10月1日に協定を締結したときに本市が締結しなかった理由と、今回協定締結に至った経緯、そしてその理由を教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 平成28年12月、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が成立したことを受け、文部科学省は、全都道府県・指定都市に少なくとも1つの夜間中学の設置を目指すことといたしました。
 令和6年5月、岡山市立岡山後楽館中学校夜間学級開校に向けて、協定の締結について岡山市教育委員会から説明がありましたが、本市は現在、4校ございます市立定時制高等学校で学び直しの生徒も受け入れていることや、高梁川流域学び直し支援事業として成人も含めた学習支援、人間関係づくりの場であるまなびばippoがありますので、締結について慎重に検討していたところでございます。
 このたび令和7年4月、岡山市立岡山後楽館中学校夜間学級が開校され、倉敷市民にとっても学び直しの機会の新たな選択肢として重要であろうという視点から、協定を結ぶことといたしました。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) この項2点目、倉敷市の夜間中学に対するニーズ把握についてお尋ねいたします。
 令和2年の国勢調査の結果から、本市において最終学歴が、小学校卒業と言われた方が2,094名、中学校卒業と言われた方が4万130名存在することが分かっております。
 2023年1月に文部科学省から出された夜間中学の設置・充実に向けてという手引の中、それから、その後行われた文部科学省による夜間中学設置促進説明会においても、今後、各市町村の未就学者等の数を踏まえつつ、これらのニーズを把握し、夜間中学の新規設置や既存の夜間中学での受入れ拡充を進めることが期待されると記載されています。
 そこでお尋ねいたします。
 本市教育委員会におけるニーズ把握は実施されたのでしょうか。また、その結果がどうであったのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市教育委員会は、夜間中学につきまして県内の実態把握や設置に関する調査等を実施することを目的に、平成28年より岡山県教育委員会が設置しました岡山県中学校夜間学級調査研究委員会に委員として参加し、協議などを行いました。
 この調査研究委員会におきまして、令和元年に岡山市を除く県内の26市町村の一般の方を対象に行われたアンケート調査によりますと、公立中学校夜間学級で自分が学びたいと思いますかという質問に対し、347人から御回答があり、学びたいと回答があった方は84人で、そのうち倉敷市在住の方は28人おられました。
 学びたい理由につきましては、卒業したが学び直したい、あるいは不登校で学校へ行っていないので学びたいなどの意見が寄せられました。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 夜間学級で学びたいと回答した人は84名で、そのうちの28名が倉敷市在住とのことでしたが、その理由も、卒業したが学び直したい、不登校だから行けなかったというような内容。こういった28名というニーズは、決して軽んじてはいけない数字だと思います。なぜなら、岡山市立岡山後楽館中学校の夜間学級は定員40名に対し、現に通っている生徒は12名います。72万都市の岡山市でさえ、今12名ということで、それに対し、倉敷市では28名もの方が夜間学級を希望されているわけですから、大きなニーズだと受け止めていただきたいなと思っております。
 この項3点目、就学機会の提供を求められた場合の対応についてお尋ねいたします。
 小学校や中学校では、授業に十分出ていなくても卒業証書がもらえる方たちのことを形式卒業者といいますが、本市にも存在し、文部科学省は、特に形式卒業者の増加と学び直しのニーズが高まっていることを示唆されています。
 そこでお尋ねいたします。
 本市において、形式卒業者の方々が、教育機会確保法に基づく夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供を求めた場合、つまり学び直しを求めた場合、本市ではどのような対応を取られているのか、教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律では、年齢や国籍等にかかわらず誰もがひとしく教育を受けられるよう、その機会を確保することが求められております。
 本市では、現在市立定時制高等学校におきまして、小・中学校の学び直しを行う科目も設定いたしております。また、学び直し支援事業まなびばippoを実施しており、令和7年度からは40歳以上の方も対象とし、個々の状況に応じた学習支援に努めているところでございます。
 倉敷市教育委員会といたしましては、学び直しを希望する一人一人のニーズや状況に応じた学びの場へつながるよう、市立定時制高等学校やまなびばippo、さらにはこのたび協定を結びました夜間中学につきましても、情報提供を行ってまいります。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 今御答弁がありましたように、定時制高校であるとかまなびばippoでの学び直しの機会があることを承知いたしました。しかし、定時制高校は、そもそも学び直しの場ではないですね。中学校卒業が入学要件でもありますし、あくまで高校を卒業することが目的であり、そのサポートとして学び直しの課程があるというふうに認識しています。また、まなびばippoは、原則自習の場となっております。授業形式ではないわけです。教育機会確保法で求められている誰もがひとしく教育を受けられる場としては、まだまだ不十分ではないかと考えます。
 この項最後、夜間中学設置に対する倉敷市教育委員会の見解についてお尋ねいたします。
 夜間中学を倉敷市にと私が訴えるその背景にあるのは、義務教育での学びが命に直結しているからです。夜間中学へ入学した方々に入学理由を聞いた文部科学省の調査結果によりますと、読み書きができるようになるためと答えた方が8.3%、日本語が話せるようになるためといった回答も約2%いたわけです。義務教育を十分に受けていなければ、読み書きができない、日本語も話せないといったような現状が浮き彫りになりました。
 私は、岡山市にある岡山自主夜間中学校の代表理事の城之内 庸仁(のぶひと)さんと、これまで長きにわたって親交してきました。夜間中学校にも何度もお邪魔しまして、いろんな方とお話もしましたが、ある方は、幼い頃から持病があって義務教育を十分に受けられませんでした。その彼が、現在ではないんですけれども、町に出られないということを言っていました。なぜだかお分かりになるでしょうか。文字が読めないからです。町の標識や様々な看板が読めないんです。だから、怖くて出られないと。行政の窓口で配布される資料や申請書にルビは振っていないですよね。文字が読めなければ、働くこともできません。行政に支援を求めたくても、資料が読めない、申請書も書けないわけです。すなわち、義務教育の学びというのは命に直結することだと考えています。だからこそ、本市に夜間中学を設置すべきではないかと訴えているわけです。
 国は、全都道府県・指定都市に少なくとも1つ設置されることを目指しています。指定都市である岡山市には、今年の4月に設置されました。岡山県内にもう1校つくることが、文部科学省のほうで求められていますが、やはりそこは第2の都市、倉敷市が手を挙げるべきではないでしょうか。
 そして、もう一つの課題、それが形式卒業者の存在です。十分な学びがなくとも卒業証書をもらった方たちです。十分な学びがないわけですから、生活や仕事、様々な場面で読み書きや計算ができないことで、困難に遭われているのではないかと推測いたします。
 2023年に閣議決定された教育振興基本計画には、形式卒業者の背景にある不登校となっている学齢生徒などの、多様な生徒を受け入れる重要な役割が夜間中学にあることも示されています。
 国は、設置する自治体に対し総合的支援策のパッケージを備えていて、教職員の人件費をはじめ、給食などの生徒経費、学校建物の維持修繕費などの学級経費などに対する普通交付税措置が備えられていて、また学校施設整備事業として一部国庫負担や補助といった手厚いパッケージが用意されています。
 そこでお尋ねいたします。
 国の夜間中学設置促進に向けた動きや、そのための自治体への手厚い支援策を踏まえて、倉敷市に公立の夜間中学を設置することについて、本市教育委員会の見解を教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市では、学び直しの場として、市立定時制高等学校での取組やまなびばippoでの学習支援や対象年齢の拡大など、多様な学習ニーズに対応するための取組を進めているところでございます。
 また、岡山市と協定を結んだことにより、岡山市立岡山後楽館中学校夜間学級でも学ぶことができるようになり、学び直しの新たな選択肢が提供できると考えております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、幅広い世代の学びの機会は広がっていると認識しており、現時点では、本市において夜間中学を設置することは考えておりません。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) それに関して、ちょっと再質問させてください。
 2021年に岡山県が公表したアンケート調査では、夜間学級で学びたいと答えた倉敷市在住の方が28名いらしたわけです。現時点では考えていないとのことですが、やっぱり最も大切な市民のニーズもありますし、さらに国の手厚い支援策も用意されていて、このほかにどんな要素があれば設置に関する検討が俎上にのるのか。つくるかつくらないかではなくて検討するという、その俎上にのるのか、この点について教えてください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 再質問にお答えさせていただきます。
 倉敷市教育委員会といたしましては、夜間中学につきまして、引き続き岡山県教育委員会や、実際に学校を運営しております岡山市教育委員会と情報交換をこれからもしていくとともに、国や県の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 真田 意索議員。
◆17番(真田意索 君) 最後に要望しまして、質問を終えたいと思うのですが、映画35年目のラブレターというのが今上映されています。奈良市の夜間中学で学び直した西畑 保さんの実話に基づいています。さきの大戦中に貧困といじめで学校を離れて、読み書きができないまま大人になった西畑さんの苦労を描いています。定年退職後に夜間中学に通い、奥様にラブレターを書くという、そういった感動するお話なのですが、感動する話だということを言いたいのではなくて、この中で西畑さんが言われている言葉、読み書きができないと人間として認められないという、この言葉があります。国勢調査の結果からも、市内に2,000人を超える方が、最終学歴が小学校卒業だということで、西畑さんのような多くの苦しみを抱えて生きてこられたと思います。
 来年には、全国に68校の夜間中学が開校予定となっています。岡山県第2の都市である本市としましても、その重要性を鑑み、前向きに検討、そして情報交換、そういった調査を進めていただきたいということを要望して、私の全ての質問を終わらせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
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