録画中継

令和7年第4回倉敷市議会(第2回定例会)
6月6日(金) 本会議 質問
くらしき創生クラブ
塩田 健 議員
1 市内大学に新設されたコースについて
2 野外焼却への対応について
3 倉敷消防署庄出張所の整備等について
◆8番(塩田健 君) (拍手) 皆さんこんにちは。くらしき創生クラブの塩田 健でございます。
 通告に従いまして、一問一答の方式で3項目質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず1項目めは、市内大学に新設されたコースについて2点お伺いします。
 本市に所在する川崎医療福祉大学において、全国的にも珍しい、小学校と特別支援学校の教員免許が取得可能な初等・特別支援教育コースが新設されたと伺っております。
 特別支援学校の教員免許状では、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由、病弱の全5領域を担当できる教員の養成が可能であるとのことです。現在、教育現場では、発達障がいなどの困難を抱える子供さんへの対応や教職員不足が深刻な課題となっており、本コースの設置は非常に意義深いものと考えます。
 全国的にも珍しいと言われているこの新コースの設置が、教育現場にはどのような影響を与えると考えておられるか、お聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 塩田 健議員さんの御質問にお答えいたします。
 倉敷市教育委員会といたしましては、医療、福祉の専門知識を備えた、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由、病弱の全5領域の指導に対応できる小学校教員が育成されることは、児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の充実につながると考えております。
 また、現在学校現場におきましては、教員不足が大きな課題となっており、教員を目指す学生が増えることは、教員の担い手不足の解消に向けても有意義であると考えております。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) この新コースで養成された方々が、倉敷市内の小学校や特別支援学校にも配置され、深刻化している教職員不足の解消につながることを願います。
 それでは、この項2点目です。本市と大学との連携によって、地域における小学校教育や特別支援教育の質の向上が期待されます。
 本市における川崎医療福祉大学との連携の現状について伺います。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市教育委員会では、学校教育全般にわたり、教員や学生の専門性の向上を図るため、大学との連携は重要と考えております。
 具体的な取組としては、倉敷市内の学校園での教育実習生や、子供たちの学習や生活の支援を行う大学生ボランティアの受入れ、さらに大学教授等の特別支援教育の専門家による教職員への指導、助言や研修会を行っております。
 なお、川崎医療福祉大学の学生におきましては、これまで市内の小・中学校において、毎年、栄養教諭や養護教諭、スクールソーシャルワーカー等を目指す実習生30人程度を受け入れております。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) 川崎医療福祉大学との具体的な連携内容が分かりました。様々な支援が行われていることを心強く感じます。今後も、必要に応じて連携の強化に取り組んでいただければと思います。川崎医療福祉大学をはじめ、市内のほかの大学ともしっかり連携を図りながら、教育現場の多様な課題に対応できる体制が構築できることを願っております。
 それでは、次の項目に入ります。野外焼却、野焼きについてお伺いします。
 令和7年に入り、岩手県大船渡市で発生した林野火災では約3,000ヘクタールが焼失したほか、全国各地で大規模な林野火災が発生し、避難を伴う深刻な被害が相次ぎました。
 中でも岡山市の林野火災では、岡山市南区と玉野市を含むおよそ486ヘクタールが焼失し、岡山県内で起きた林野火災としては過去最大規模となりました。人的被害はなかったものの、空き家や倉庫など6棟の建物が被害を受けました。岡山県下消防相互応援協定に基づき、本市消防局からも火災現場に出動して消火活動を行いました。また、県内の消防広域応援隊のほか、消防団、県外の消防ヘリコプター及び防災ヘリコプター、陸上自衛隊も消火活動に駆けつけるなど、極めて大規模な対応が必要になりました。
 林野火災発生の背景には、気候変動による乾燥や山林整備の遅れ、たき火やごみ焼きなどの人為的な焼却など複数の要因が絡んでおり、こうした事態は、本市においても決して他人事ではありません。大規模な林野火災で樹木が消失すると、土壌の保水機能が低下し、大雨による土砂災害を引き起こす危険性も高まります。
 林野火災の原因の一つとして、野焼き、野外焼却があります。貴重な森林資源及び市民の生命、身体、財産を火災から守るためにも、本市としても、野外焼却について正しい認識を持ち、市民の皆様にも御理解いただくことが不可欠だと考えます。
 それではお尋ねします。
 令和6年中に倉敷市消防局管内で発生した野焼きを含んだ野外焼却から発生した火災の件数をお示しください。
 また、火災のおそれがあって警戒のため出動したものと、火災ではないものの、煙が上がっているとの通報で調査として出動した件数もお示しください。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 令和6年中に消防局管内で、野焼きを含む野外焼却から発生した火災の件数は13件です。
 次に、小規模ではありますが、火災のおそれがあるために警戒で出動した件数は42件です。
 また、火災ではありませんが、煙が上がっているのが見えるなどの通報により、調査で出動した件数は73件となっております。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) 野外焼却から発生した火災が13件。ここで注目したいのは、警戒のために出動したものが42件、調査のために出動したものが73件、この中には火災になる可能性があったものも含まれるのではないかと推測します。
 野外焼却につきましては、火災の危険性だけではなく、煙や臭い、ダイオキシンの発生による健康被害や、洗濯物に臭いがつくなどの迷惑行為にもなります。近隣住民同士のトラブルに発展することもありますので、野外焼却については適正に対応していく必要があると考えます。
 今後の林野火災などの防止について、私からは2点要望させていただきます。
 まず1点目は、野外焼却の現状認識と啓発についてです。
 野外焼却は、長年の慣習もあるかもしれませんが、原則禁止になっております。法律で例外として除かれている、とんど焼きなどの風俗習慣上の行事や、農業などを営むためにやむを得ないものとして行われる場合でも、事前に消防署への届出は必要です。しかし、これはあくまでも、火災と紛らわしい炎や煙を発する行為を把握するための手続であり、目的は近隣住民が火災だと思い込んで通報することを防ぐためのものです。消防署に届けをすれば野焼きをしてもよいとの誤解を生まないよう、市民の方に正しく伝えていただくことが重要です。
 例外的に認められたものであっても、風の強い日は中止する、火を消す準備をきちんと整えていただくなど火災予防について、消防局からもこれまでどおり、引き続き御指導をお願いいたします。
 続きまして、2点目は廃棄物処理法に基づく指導についてです。
 野外焼却の規制は、廃棄物処理法に基づきます。野外焼却実施の可否の問合せや、原則禁止であることの周知、指導については、環境局の資源循環推進課、廃棄物対策課などの関与が欠かせないと考えます。悪質な野外焼却の場合は、警察との連携も必要になると思います。長年やっていたけれど大丈夫だったという意識で、焼却が続けられるケースも見受けられます。
 野外焼却が原因となって大規模な火災につながると、環境を破壊し、火災による山林資源や家屋の焼失、最悪の場合、人命危険にも及び、損害賠償を伴う重大な事態も生じます。市民の皆様に対して、法的責任や具体的な事例を交えながら、他人事ではなく、自分にも起こり得ることとして捉えられるような啓発をお願いいたします。野外焼却は幅広い世代の方が行っておりますので、チラシだけではなく、倉敷市公式ホームページや公式アプリ、SNSも活用し、継続的な広報、啓発及び指導をお願いいたします。
 最後に、野外焼却はやむを得ない事情により、一部例外的に認められているものもありますが、地域住民の方々が、安全面でも環境面でもお互いに配慮できる、環境もよく、健全で安心して暮らせるまち倉敷を目指して、引き続き各分野の部局で連携しながら取り組んでいただくことをお願い申し上げ、この項目を終わります。
 続いて、最後の項目に移らせていただきます。倉敷消防署庄出張所の整備等について伺います。
 倉敷消防署庄出張所は、昭和48年に建設され、築50年を超える施設となっております。庄出張所の建て替えについては、令和4年11月の建設消防委員会において山畑 滝男議員さんも質問されています。このたび、地域の市民の皆様から強い要望がありましたので、改めて質問させていただきます。
 現在、庄出張所については、単独での建て替えが検討されていると伺っておりますが、市民の皆様からは次のような声が寄せられております。計画の進捗状況はどうなっているのか、どのような規模の施設が建設されるのか、災害時に安全性は確保されているのか。
 これらについて、現時点では公式に発表できる段階ではないことは承知しておりますが、市民の皆様の不安を軽減するためにも、可能な範囲で、行政としての基本的な方向性や今後の検討スケジュールなどを回答いただければと思います。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 倉敷消防署庄出張所の整備計画につきましては、倉敷市公共施設個別計画で、計画前期で単独建て替えを予定しておりますが、現在検討を進めている状況でございます。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) 倉敷市公共施設個別計画により検討を進めていただいている旨は、承知いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、火災、救急の状況について伺います。
 倉敷市消防局管内における火災及び救急件数について、最近の10年間の推移状況をお示しください。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 平成26年の倉敷市消防局管内の火災件数は94件で、令和6年は111件です。近年は100件前後で推移しておりますが、10年前と比較すると約20件の増加となっております。
 また、平成26年の倉敷市消防局管内の救急出動件数は2万734件で、令和6年は2万7,520件と6,786件増加しております。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) 火災件数については100件前後で推移しており、大きな変動は見られないようです。それに対して、救急出動件数は、10年間で約6,800件も増加しております。令和6年が2万7,520件、このペースですと、数年後には3万件に達してしまうかもしれません。これだけ件数が増えると、救急隊員の方々の疲弊についても懸念されます。
 ここで、議長のお許しを得て、配付資料の令和5年火災・救急統計を見ていただきたいと思います。先ほどは令和6年の数値を説明していただきましたが、詳細な個別の数字が確定しているデータでお話をしたいので、令和5年のものを使わせていただいております。御了承ください。
 ここで見ていただきたいのは、庄出張所の救急件数の1,922件です。これは、児島消防署本署の1,749件や玉島消防署本署の1,803件を上回る数になっております。本署と同じだけの件数を、本署の半分以下の人員、4名で対応しているということです。
 庄地区は、人口が増加傾向にあり、今後も出動件数が増加すると見込まれます。庄出張所は2交代制で常時4名が勤務し、消防車、救急車がそれぞれ1台ずつ配備されております。出動指令に応じて車両を乗り換える兼務体制が取られております。
 仮に庄出張所の救急隊が出動中に、同じ庄出張所管内で火災が発生したと想定します。そうすると、たとえ消防車が庄出張所に残っていても、人員が足りないため、一番近い場所に車両があるにもかかわらず、出動できない状況になります。倉敷市消防局では、最も近い車両が出動する直近出動方式を採用されていますので、庄出張所から、走行距離にして約9キロメートルの白楽町に位置する倉敷消防署本署、同じく庄出張所から約6キロメートルの中帯江にある東出張所、そして約8キロメートルの水江にある倉敷消防署中洲分署から同時に駆けつけるというように、地理的状況も相まって消防隊の現場到着が大きく遅れることが懸念されます。
 先ほど説明させていただいたとおり、庄出張所の救急件数はかなり多くなっております。ということは、火災の際に庄出張所から出動できない状態に陥ることが、ほかの署所と比べて多くなっているということです。市民の皆様の安全のためにも、庄出張所の人員を増員し、消防車と救急車の2台が同時に出動できる体制を確保いただくことを要望します。
 平成28年11月定例会及び平成30年2月定例会において日向 豊議員さんが、倉敷消防署東出張所管内における地域の人口や出動件数を踏まえた人員配置の見直しについて質問された際、庄出張所についても発言していただいております。庄出張所についても、東出張所と同等の人口規模、出動件数を有する地域であることを踏まえ、同様の観点から検討をぜひお願い申し上げます。
 そこで、庄出張所の人員配置の検討を行うことになると、人員の増員が必要になると思います。倉敷市消防局全体の職員数はどのような状況でしょうか。現在の倉敷市消防局における消防職員の定数と実員の関係を伺います。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 令和7年4月1日現在、消防職員の条例定数につきましては485名です。実員数につきましては470名となっておりますが、近年、採用人数の増加に努めているところでございます。
○議長(荒木竜二 君) 塩田 健議員。
◆8番(塩田健 君) 定数と実員との関係を伺いますと、実員が15名少ないということになります。先ほど救急出動件数が、10年で約6,800件増加しているとお話ししました。件数が著しく増加し、人員確保が足りない状況ですと救急隊員の疲弊にもつながり、災害現場におきましては、疲労や集中力の低下により隊員自身の事故や二次災害のリスクだけでなく、市民の皆様の安全確保にも影響します。救急車の適正利用について啓発することも必要ですが、市民の安全を確保するためには、適切な人員確保が重要だと考えます。人員数が不足している状況であれば、増員についても、ぜひ検討していただくようお願いいたします。
 最後に、庄出張所の施設整備の際には、以下の点についても併せて要望いたします。
 1つ目は、プライバシーに配慮した仮眠室の個室化、そして多様性への対応など執務環境への配慮をお願いいたします。2つ目は、非番招集や大規模災害対応を踏まえた駐車場の確保をお願いいたします。最後は、災害対応能力を高める訓練施設などに対応できる敷地面積の確保をお願いいたします。
 倉敷消防署庄出張所が地域の安全、安心を守る拠点として、住民の声にしっかりと耳を傾けた前向きな整備が進むことが、地域防災の上でも重要なのではないでしょうか。
 以上をもちまして私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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