録画中継

令和7年第4回倉敷市議会(第2回定例会)
6月10日(火) 本会議 質問
新風くらしき
塩津 心 議員
1 小中学生に向けたスマートフォンやゲーム等のメディアへの依存の対策について
2 誰もが楽しめる公園整備について
◆13番(塩津心 君) (拍手) 皆さんこんにちは。新風くらしきの塩津 心です。
 通告に従いまして、2項目を一問一答の方式で質問させていただきます。
 1項目めは、小中学生に向けたスマートフォンやゲーム等のメディアへの依存の対策について2点御質問いたします。
 現代の子供たちは、生まれたときからスマートフォンやインターネットが身近にあるデジタルネーティブ世代と呼ばれています。LINEやユーチューブ、ゲームアプリなど、非常に身近で日常的なものであり、大人とは異なる感覚でテクノロジーと付き合っています。こうした環境の変化に対応するために、私たち大人も新しい視点を持って子供たちと向き合っていく必要があると感じています。
 ICTは、正しく使えば大きな力とはなりますが、使い方を誤れば、健康、学力、人間関係、さらには自己肯定感の低下など、子供たちに深刻な影響を及ぼすことにもつながりかねません。全国的に見ても学校現場や家庭で、スマートフォンやゲームを長時間使用し過ぎて生活習慣が乱れている、夜中までやってしまって朝起きられない、ネットやSNSでのトラブルが増えているなど、様々な声が上がっています。また、ゲームや動画視聴がやめられない、取り上げると激しく怒るといったケースは、既に依存傾向と呼ばれる段階に入っているとも言えます。このような問題に対し、子供たちが自分自身でコントロールする力を育てていくことが、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。
 それでは初めに、現状の把握についてお伺いします。
 令和5年度の国の発表した資料によれば、中学生の約4割が平日に3時間以上スマートフォンを使用していると回答しており、小学生でも、2時間以上利用している割合が年々増加しております。
 子供たちにとって、スマートフォンはコミュニケーションの手段である一方、無制限に使わせてしまうことで、家庭内での対話の時間が減ったり、宿題や読書の時間が取れなかったりと、学習や生活への支障が出てくる場合もあります。また、子供らが自らの感情をコントロールできず、スマートフォンがないと不安になる、いらいらするといった、いわゆるデジタル依存の症状を訴える保護者からの相談も少なくありません。このように、スマートフォンやゲームなどのメディア機器が、子供たちの生活にどのような影響を与えているかを正確に把握することが、対策の第一歩であると考えます。
 近年、スマートフォンやゲーム機器の長時間利用によるメディアへの依存が強まってきています。その対策を義務教育の段階から取り組む必要があると考えますが、小・中学生のメディアの利用状況と、メディアへの依存傾向が及ぼす児童、生徒への悪影響について、令和6年度スマートフォン等の利用に関する実態調査の結果を、御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 塩津 心議員さんの御質問にお答えいたします。
 岡山県教育委員会が実施しました令和6年度スマートフォン等の利用に関する実態調査の結果では、平日に、1日3時間以上スマートフォンを利用した児童、生徒の割合は、小学生24.0%、中学生31.4%であり、いずれも前年度より増加しております。
 また、スマートフォン、パソコン、ゲーム機等、ネット接続が可能な機器を利用したことで、児童、生徒が感じた嫌な経験や不安に感じたことの中には、SNS等に書き込んだ内容がうまく伝わらず誤解された、ゲームの中で友達や知り合いとトラブルになった、長時間使用することによる睡眠不足や視力の低下などの回答がありました。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) 本市でもアンケート調査などを通じて、子供たちのメディア利用の実態が具体的に把握されつつあること、またその中で見えてきた依存傾向や心身への影響について、深刻な課題として捉えられていることがよく分かりました。数字やデータで明らかになった実情、例えば、睡眠不足や学習意欲の低下などは、決して一部の子供に限ったものではなく、多くの家庭や学校現場が直面している日常の中の困り事であると思っています。それは、子供自身の意思の問題にとどまらず、大人の関わり方や地域全体の環境が問われている課題でもあります。
 そうした現状を受けて、やはり大切なのは、メディア依存が進行する前の段階で、いかに予防的な取組を展開できるかという点だと考えています。つまり、子供たちがメディアとの関係を自分で調節し、コントロールする力を育てるために、大人がどのような関わりをしていけるか、そのための方針や支援の在り方が今後の鍵を握るのではないでしょうか。
 そこで次に、現在の取組と今後の方針についてお伺いいたします。
 子供たちのメディア依存を予防するには、使わせないことではなく、正しく使える力を育てることが重要です。そのためには、学校での情報モラル教育や、子供と保護者が一緒に考える機会、そして地域ぐるみで子供たちを見守る体制など、複合的な取組が必要だと考えます。
 例えば、他市では、家庭のスマホルールをつくろうといった取組を推進しているところもあります。これは、家庭、学校、子供が3者でスマホやゲームの使用ルールについて話し合い、文書にして可視化するという取組です。このように、子供自身がなぜこのルールが必要なのかを理解し、納得して実践するプロセスを支えることが、長期的な行動変容につながると感じます。
 また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用、放課後の居場所づくり、保護者への相談支援の充実など、行政としてできる支援策も、さらに充実させていく必要があると考えます。
 そこで伺います。
 メディアへの依存を予防することが重要であると考えますが、本市の取組と今後の方針について御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 倉敷市立学校では、児童、生徒がメディアへの依存の危険性を知り、スマートフォンやゲーム等を適切に活用できるよう、アニメーション形式で学べる教材等を用いた学習を行っております。
 また、児童、生徒が使用時間や身体への悪影響について課題意識を持ち、児童会や生徒会が中心となり、その予防に取り組んで成果を上げている学校もございます。
 さらに、保護者に対しては、情報モラルに関する授業を参観してもらうことや、家庭で子供と話し合って使用のルールを決めることなどの取組を通じて、適切な利用方法の啓発も進めております。
 倉敷市教育委員会では、各学校の実態や調査結果などを踏まえ、情報モラル教育や児童、生徒の主体的な取組、保護者への啓発などを一層推進し、メディアへの依存の予防に努めてまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) メディアとの付き合い方は、まさに現代を生きる力の一つであると感じています。だからこそ、子供たちが、ただ制限される存在ではなく、自分で使い方を考え、選び、守る存在として育っていけるよう、大人たちの支援が求められます。また、子供たちにとって最も身近なモデルは、私たち大人です。私たち自身も、スマートフォンやデジタル機器との関わり方を見直し、子供たちにとって信頼できる姿を示す必要があると感じます。
 本市として、学校・教育現場に任せるのではなく、家庭や地域、医療や福祉との連携を深めながら、切れ目ない支援体制を構築していただきたいと思います。スクールカウンセラーとの連携による相談体制の充実、保護者向けの研修、講演会の実施など、未来を担う子供たちが自分らしく健やかに育つことのできる環境を整えることは、私たち大人の責任です。どうか本市としても、実効性のある取組を今後さらに推進していただきますよう強く要望し、次の質問へと移らせていただきます。
 2項目めは、誰もが楽しめる公園整備について4点御質問いたします。
 本市には、大小様々な公園が整備され、日々多くの市民の皆さんに利用されています。公園は、子供たちが伸び伸びと遊ぶ場所であると同時に、高齢者の健康づくりや市民同士の交流の場としても、重要な役割を果たしています。また、災害時には、一時的な避難場所としての役割も担っており、地域にとって不可欠な公共空間です。
 近年、子育て世代や高齢者、障がいのある方など多様な人々が共に暮らす共生社会の実現に向けて、公共施設の在り方が見直されてきています。こうした中で公園においても、誰もが使える、誰もが楽しめる環境づくりが求められてきています。
 そこで、まず公園整備の基本的な考え方についてお伺いいたします。
 公園を整備する場合、地域の特性や計画条件など、様々な要素や基準があると思いますが、公園整備の考え方や方法について御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 公園の整備につきましては、地元の方の御意見をお聞きしながら、その地域の特性、利用状況を考慮して行っております。
 例えば、子育て世代が多い地域では、幼児も楽しめる遊具の割合を高くし、高齢者が多い地域では、健康遊具やグラウンドゴルフのための広場を設けるなど、よりたくさんの方に楽しんでいただける公園整備に努めております。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) 今お話をいただいたように、地域の特性やニーズに合わせた公園づくりは非常に重要です。しかし、それに加えて、これからの時代においては、多様性への配慮が欠かせないキーワードになると考えています。
 小さなお子さんを連れた保護者、ベビーカーを押す親御さん、つえをついて歩く高齢者、そして身体や発達に障がいがある方々など、どのような立場の人にとっても安全で快適に利用できる公園が、これからの公共空間に求められている姿だと思います。
 そこで次に、多様性への配慮という観点からお尋ねいたします。
 公園は、全ての人にとって身近な憩いの場であると同時に、地域インフラの一つとしての役割を果たしています。多様な背景を持つ人々がそれぞれのやり方で過ごせる空間であることが望ましく、いわゆるバリアフリーやユニバーサルデザインといった考え方がますます重要になってきています。
 本市では、これまでの公園整備において、年齢や障がいの有無を問わず誰もが使いやすいよう、多様性への配慮をどのように行ってきたのか、またその際にどのような指針や条例を根拠にしてきたのかについて、御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 本市では、子供から高齢者のほか、障がい者など、様々な方々が安全、安心で快適に利用できる公園の実現に向け、倉敷市福祉のまちづくり条例や高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づきまして、バリアフリーへの配慮やユニバーサルデザインの考え方を取り入れた公園整備を行っております。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) 法律や条例に基づいて一定の配慮がなされていることは、理解いたしました。ですが、実際に現場を見てみると、例えば、段差が多くて車椅子やベビーカーでは近づけない遊具があったり、視覚障がいのある方には分かりづらい動線設計になっていたりと、まだ課題が残っていると感じる場面もあります。こうした中、近年では、インクルーシブ遊具という考え方が全国的に広がりを見せています。障がいの有無にかかわらず全ての子供たちが一緒に遊ぶことができる遊具の整備が、様々な自治体で進められています。
 そこで次に、本市におけるインクルーシブ遊具の導入状況についてお伺いいたします。
 インクルーシブという言葉は、教育や雇用の分野でも広まりつつありますが、公共空間の整備においても非常に大切な考え方です。特に公園の遊具においては、身体に障がいのある子供もそうでない子供も、分け隔てなく一緒に遊べる環境を整えることが、共生社会の第一歩になると考えております。
 全国的には、インクルーシブ遊具の導入が進んでいる自治体も増えてきていますが、本市では現在、どのような公園に、どのようなインクルーシブ遊具を設置しているのか、導入状況について御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) インクルーシブ遊具とは、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず誰もが一緒に楽しく遊べる遊具のことであり、現在は、まびふれあい公園と堀南公園に設置してあります。
 まびふれあい公園には、視覚障がい者の方も一緒に楽しめる複合遊具、堀南公園には、身体に障がいを持つお子様も一緒に楽しんでいただけるブランコを備えた複合遊具を設置いたしております。
 また、現在整備中である倉敷ふれあいの丘公園にも、車椅子の方も楽しめるインクルーシブ複合遊具を設置する予定としております。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) 既に一部の公園でインクルーシブ遊具が整備されていること、また今回、整備計画があることは非常に心強いなと感じました。しかし、これを特別な公園、特別な遊具にとどめるのではなく、市内各地に広げていく必要があるのではないでしょうか。子供たちが遊びを通じて自然と多様性を学ぶことができる公園は、将来の共生社会を築く上で非常に重要な場です。だからこそ、公園全体をインクルーシブな視点で整備するという考え方が、今後ますます求められると感じています。
 そこで最後に、本市としてのインクルーシブ公園に対する認識と今後の整備方針についてお伺いいたします。
 インクルーシブな社会の実現が目指されている今、公共施設の在り方も大きく変わっています。特に公園のような日常的に使う場においては、その変化がより身近に感じられるべきだと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 本市として、インクルーシブ公園の必要性についてどのように認識しているのか、また今後の公園整備において、インクルーシブの視点をどのように取り入れていく方針なのか、御答弁お願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) インクルーシブ公園は、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、多種多様な方が同じ場所で楽しむことができる公園で、本市としましては、地域の人との関わりや、多様な方々が互いに交流できる場所と認識しております。
 インクルーシブ公園の整備につきましては、その地域の特性や利用状況を考慮するだけではなく、他都市の事例や動向を注視しながら、必要性も含めて研究してまいりたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 塩津 心議員。
◆13番(塩津心 君) 私たちが目指すべき公園の姿は、誰か一部の人だけのものではなく、全ての人が安心して利用できる、開かれた空間であることが大切だと感じております。インクルーシブな視点を持った公園整備が本市のまちづくりの一翼を担い、誰一人取り残されることのない社会の実現につながることを強く願い、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
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