録画中継

令和7年第5回倉敷市議会(第3回定例会)
9月5日(金) 本会議 質問
青空市民クラブ
齋藤 武次郎 議員
1 平和の鐘について
2 子育て広場について
3 市立保育所・市立認定こども園について
4 幼稚園の給食提供について
5 通級による指導について
◆35番(齋藤武次郎 君) (拍手) 青空市民クラブの齋藤 武次郎です。
 通告に従い、一問一答の方式で順次質問させていただきたいと思います。
 質問通告1点目の平和の鐘についてお伺いいたします。
 1点目は、平和の鐘を鳴らす人の公募についてであります。
 今年は、戦後80年という節目の年です。戦後80年を迎え、戦争の実体験を語り継ぐことのできる人が減っています。倉敷市では、倉敷被爆者会の皆さんが戦争の悲惨さを後世に伝えていくため、懸命に語り部活動を展開しておられます。しかし、私を含め、戦争を知らない人たちが戦争の実体験を聞くことができる時間は限られていると言わざるを得ません。倉敷市としても、語り部活動をもっと支援したり、戦争体験者の皆さんの思いをしっかりと受け止めてはどうでしょうか。
 今年、こんなことがありました。88歳の方から、6月22日の水島空襲の日に平和の鐘を鳴らしたいという御相談をいただきました。担当の総務課にお願いしましたが、残念ながら、実現はできませんでした。確かに式典終了後に、平和の鐘を鳴らすことはできましたが、やはり式典の中で鳴らしたかったそうであります。その方は、戦争は絶対に駄目だと、語気を強めて言われていました。戦前生まれの方が少なくなってきました。私たちには想像もできない経験をされ、思いもされたことでしょう。
 例えば、戦前生まれの方を対象に平和の鐘を鳴らす人を公募し、戦前の話を参加者にしてもらうような取組を検討してはどうでしょうか。当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) それでは、齋藤 武次郎議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 平和の鐘につきましては、第2次世界大戦における犠牲者の方々の追悼、そして世界平和を祈念することを目的として、平成2年に水島緑地福田公園に設置したものでございます。平成17年度から、8月6日・9日のそれぞれ広島、長崎の原爆の日、8月15日の終戦の日、そして平成18年度からは6月22日の水島空襲の日を加えて、現地で平和の鐘を鳴らして黙祷しているところでございます。
 現在のところ、1分間の黙祷の際に鐘を鳴らしていただく方につきましては、それぞれの開催日において、式典実施前に参加者に対してお願いをしているという状況で、また式典終了後にも、自由に鐘を鳴らしていただく時間も設けているところでございます。
 そして、式典のときに鐘を鳴らしていただく方の選任といいますか、お願いをする方については、希望者が複数いる場合は、抽せんも必要になってくるかとは思いますけれども、先ほどお話がありましたように年配の方がいらっしゃる場合には、どういう仕組みがいいのかすぐには分かりませんけれども、希望者に鐘を鳴らしていただけるような、今よりも多くの方といいますか、戦争を経験された方や、そして先ほどもお話がありましたように、お話をしていただけるような方とか、そういう仕組みなども、平和のことを次の世代につなげていくという意味では、考えていく必要があるのではないかと思っております。どういうふうにということはまだ考えておりませんけれども、御意見をいただきまして、検討していきたいと思っております。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 市長からも御答弁いただきましたので、どういうやり方か分かりませんけれども、恐らく希望者を募って、平和の鐘を鳴らす人を決めていただけるのだろうと期待いたします。残された時間は僅かです。今しかできないことをしっかりしていただきたいと思います。
 この項2点目として、全ての平和の鐘を鳴らす式典で風船を飛ばすことについてお尋ねいたします。
 今年の8月15日の終戦記念日の正午に、私は福田公園で行われた平和の鐘を鳴らす式典に参加させていただきました。平和の鐘の音を聞きながら黙祷をささげ、恒久平和をお祈りいたしました。私たちが今、当たり前のことが当たり前にできる平和な暮らしができていることを喜び、この当たり前のことが当たり前にできる平和な暮らしを、子供や孫、その先の世代に引き継ぐことこそが、今を生きる私たち大人、特に政治に携わる私たちの大きな責任ではないでしょうか。私にとって、そのことを毎年、改めて思い、誓う日でもあります。
 この平和の鐘は年に4回鳴らされています。以前は、その4回全てで風船を飛ばし、 恒久平和を祈っていました。今は、水島空襲の日と終戦記念日だけに100個から200個の風船を飛ばしています。経費は、1回7万円から15万円だそうであります。それに、以前に比べれば、飛ばす風船の数も減っているように思えます。平和行政も経費削減なのかと思うと、情けなくなってしまいます。恒久平和を祈り、風船を飛ばすことは、とてもシンボリックな取組で、かつ子供たちも大変喜びます。
 6月22日の水島空襲の日、8月6日の広島原爆の日、8月9日の長崎原爆の日、そして8月15日の終戦記念日、どの日も忘れてはならない日であります。以前のように、全ての日に風船を飛ばしてはどうかと思いますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 森総務局長。
◎総務局長(森吉晴 君) 本市では、平和の鐘を毎年4回鳴らし、黙祷をささげております。そのうち水島空襲の日と終戦の日につきましては、式典の最後に、平和の願いを込めた風船を飛ばす取組を続けております。鐘を鳴らす際に風船を飛ばすことは、子供たちを含め、より多くの市民の皆様に参加していただくきっかけの一つだと認識しております。
 8月6日及び9日の広島、長崎の原爆の日につきましても、検討してまいります。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 残念ながら、平和の鐘を鳴らす式典の参加者は決して多いとは言えず、以前と比べても少なくなっている感があります。そういった中で、先ほど御答弁がありましたように、風船を飛ばすことが市民の皆さんに参加していただくきっかけの一つだと認識いただいていること、そして8月6日と9日の広島、長崎の原爆の日に風船を飛ばすことを御検討いただけるということで、ありがたいと思っています。ぜひ、来年を楽しみにしております。
 次に、この項最後の暑さ対策、熱中症対策の充実についてお尋ねいたします。
 平和の鐘を鳴らす式典は、日時を限定しています。終戦記念日には熱中症対策として、これまでのテント2張りから4張りに増やすとともに、初めて飲物の提供を行ったことは評価できます。8月15日は正午からの開催のため、この日だけ熱中症対策を行ったのでしょうが、昨今の猛暑で、今年の8月6日の式典時も30度を超えていました。
 参加者の中には高齢の方も多くおられますので、全ての日に熱中症対策が必要なのではないでしょうか。当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 森総務局長。
◎総務局長(森吉晴 君) 平和の鐘のうち、最も暑さが厳しい8月15日の終戦の日におきましては、例年、参加者用の日よけテントを設置し、暑さ対策を実施しております。
 また、今年度は、戦後80周年の節目の年を迎え、参加者の増加が見込まれたことから、日よけテントの増設に加え、飲物の提供を行い、さらなる暑さ対策や熱中症対策を行ったところでございます。
 今後も気候の状況に応じて、暑さ対策を行ってまいりたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今後も気候の状況に応じて、対策を行うということでありますけれども、局長も御存じのように、テントを設置すれば、そこに椅子も置いて、早くから来られた方が座って待つこともできるんですね。そういった意味、またこの暑さですから、しっかり熱中症対策をしていただくことを要望させていただいて、次の項に移らせていただきたいと思います。
 次に、質問通告2点目の子育て広場についてお伺いいたします。
 この項の1点目は、子育て広場の専用教室へのエアコン整備についてであります。
 倉敷市内の子育て広場を利用されている保護者の方から、子育て広場の専用教室にエアコンがなく、暑くて大変だ。あまりにも暑い日は休止してしまうことがある。何とかならないのかとの御相談をいただきました。
 現場を確認させていただき、担当課の職員さんにお聞きすると、倉敷市内に10か所ある子育て広場のうち専用教室にエアコンがあるのは6か所のみで、残り4か所のうち3か所は、気温が高い日は、幼稚園のエアコンのある教室を臨時使用させてもらっているそうであります。そして、現場を見学させていただいた残り1か所は、今回の指摘を受けて、去る8月27日にエアコンがやっと設置されました。利用者の方に御報告すると、本当にうれしいと、とても喜んでおられました。
 子育て広場は、幼いお子さんが利用する場であります。暑くても、自ら訴えることができないお子さんも多いと思います。3か所の子育て広場は、暑い日には、幼稚園のエアコンのある部屋を臨時で貸してもらっている状況が今も続いています。昨今の温暖化で、エアコンを利用する期間は長くなっています。
 残りの3か所にもエアコンを設置すべきと思いますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 本市における子育て広場は、乳幼児とその保護者を対象とした交流の場の一つとして、市内の公立幼稚園などの空き教室等を活用し、原則夏休み期間を除き、年間約28回程度開催しております。専用教室にエアコンのない4か所の広場のうち3か所については、あらかじめ園と調整し、気温が高い日には、エアコンのある別の教室で開催できております。また、エアコンのある教室で開催できない1か所につきましては、今年度設置を行いました。
 今後も園の教室使用状況を確認しながら、温度の高い日には、エアコンのある教室で開催できるよう対応してまいります。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今後も幼稚園の教室使用状況を確認しながら、エアコンのある教室で開催できるよう対応する旨の御答弁をいただきました。今回、利用者の方から御相談をいただき、私どもの指摘で担当職員さんに御尽力いただいて、エアコン整備が実現いたしました。このことについて、改めてお礼を申し上げたいと思います。
 ただ、今年の7月までは、週に1回開催の子育て広場が、気温が高いときには休所せざるを得なかった現実があります。また、子育て広場のスタッフの方にお聞きすると、暑い日には利用者が全く来られない日も多いとお聞きいたしました。今後も、幼稚園の園児数によってはクラス数が増え、子育て広場に貸すことができない事態が起こらないとも限りません。そのような際には、すぐにエアコンを設置していただけるように、改めてお願いを申し上げます。
 次に、この項2点目の利用者用駐車場についてお伺いいたします。
 子育て広場のうち3か所には、利用者用駐車場がありません。子育て広場に幼いお子さん連れで行くことを考えると、車で行かざるを得ない方も多いと思われます。
 エアコンと同様に、駐車場も整備すべきではないかと思いますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 駐車場につきましては、幼稚園内に駐車場が確保できない状況の中、徒歩や自転車での御利用をお願いしているところですが、利用するお子さんの低年齢化や遠方から来られる方も増え、幼稚園で実施している9か所中6か所において、園や近隣の小学校、児童クラブなどの協力の下、駐車場を確保しております。
 残り3か所につきましても、今年度、園や学校等との調整を重ね、妊婦の方や赤ちゃん連れの方など配慮が必要な方を優先する場合もありますが、全ての広場において駐車が可能となっております。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 御答弁で、全ての子育て広場において駐車が可能な旨をお聞きいたしました。ただ、御答弁にもありましたように、場所によっては妊婦や赤ちゃん連れの方など配慮が必要な方を優先する場合もあるという条件がついているんですね、子育て広場は市内10か所ということは、当然、遠方というか、歩いてこられない方もたくさんいらっしゃるわけです。現実には子育て広場の開催回数も限られ、おおむね午前中のみの利用ということもあって、利用者専用の駐車場の確保にまで至らないのだろうと思います。いろいろな工夫をしたり、他の施設等への協力をお願いするなど、もっと気軽に子育て広場を利用いただけるよう、利用者が駐車できるスペースの確保に、今後ともさらに努めていただきたいとお願いしておきたいと思います。
 次に、質問通告3点目の市立保育所・市立認定こども園についてお伺いいたします。
 この項の1点目は、主食持参の現状についてお伺いいたします。
 倉敷市内には、市立保育所と市立認定こども園が現在、合わせて20園ありますが、そのうち給食の主食を提供している園と、主食を保護者が持参している園があります。主食を保護者が持参する園も、3歳未満児は園が提供しており、3歳以上の園児のみが主食持参の対象であります。疑問や不公平を感じる保護者もおられると思います。
 給食施設や人員面での制約があるのかもしれませんが、保護者の負担や昨今の気象状況等を考えると、主食の持参について、保護者が朝早く持参した主食を子供が食べるまできちんと保管されているのかという不安や、衛生面等に配慮しなければならないため、保育士等の皆さんの負担にもなっているのではないかと思います。
 統一して完全給食とすることができないのかと思いますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 本市では、市立保育所及び市立認定こども園の給食調理業務について、安定的、継続的な運営体制の確保等を目的として、平成26年度から順次民間委託を進めております。その中で3歳児以上に対する主食の提供を、市立20園のうち14園で実施しております。
 現在のところ、主食の提供を行っていない6園につきましては、家庭から主食を持参いただき、衛生面に問題が生じないよう登園後に園内の冷房の効いた適切な環境で保管し、給食時に提供しています。
 昨今の気象状況や保護者の利便性などを考慮し、市立の全園について、主食の提供ができるよう検討しているところでございます。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今の答弁でいくと、市立の全園において主食の提供ができるよう検討しているという御答弁だったように認識いたしました。同じ公立の保育所で、主食を持っていかなければいけないところ、園が提供しているところ、また同じ園で3歳未満児には提供するけれども、3歳以上のお子さんには提供していないという実態があるし、この暑さですから、朝持っていった主食が本当に衛生上大丈夫なのかという不安も、やはり気持ちとして分かるわけですから、ぜひ検討ではなくて早期に実現していただきたいと、要望しておきたいと思います。
 この項の最後に、老朽化対策についてお伺いいたします。
 先日、今回の給食対応について、保育所を視察させていただいた際にも感じましたが、市立保育所の建物の古さには驚いたと同時に、保護者が持参した主食が、保育士の皆さんの休憩室で保管されていたことにも驚きました。
 民間保育所では、国の補助制度を活用して年に2園から3園程度、計画的に建て替えが実施されています。市立保育所についても計画的に建て替え等を実施していくべきだと思いますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
 また、保育士不足が大きな課題になっている今日、今後の保育所維持のためには、保育士確保は最重要課題であります。
 施設建て替えの際には、保育士の皆さんが働きやすい環境を整備するため、休憩所等の整備をしっかりしていただくことも要望して、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 本市の市立保育所、市立認定こども園は、建築後かなりの年数が経過した施設もありますが、これまでも計画的な修繕や、職員が定期的に園内の各設備の安全点検を行うことによって園児が安全に過ごせる保育環境を構築しております。
 一方で、待機児童対策のため、遊戯室など使用可能な施設をできるだけ保育室として活用したことや、積極的な職員採用による職員数の増加により、職員室や休憩室が手狭になるなどの事例も見受けられます。そのため、施設の建て替えによって保育環境や保育の質の向上が図られるとともに、保育士等が働きやすい環境が整備できますので、公立幼稚園・公立保育園・公立認定こども園の適正配置計画も踏まえながら、計画的な施設の建て替えに向けた検討を進めているところでございます。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 計画的な施設の建て替えに向けた検討を進めているということで、この答弁については評価をさせていただきたいと思います。
 保育士の皆さんの処遇改善も必要ですが、保育士の皆さんの働きやすい環境整備は、保育士不足対策として必要不可欠だと思います。近い将来、今以上の保育士不足が生じて、待機児問題がさらに深刻化すると懸念する声もお聞きしています。今後の保育士確保対策の一つとして、保護者の皆さんが安心して子育てと仕事を両立できる、子育てするなら倉敷でと言われるまちの実現のためにも、施設の建て替え等を進めるべきだと思います。このことを申し上げて、次の項に移らせていただきます。
 次に、質問通告4点目の幼稚園の給食提供についてお伺いいたします。
 岡山県内の市町村で、公立幼稚園で給食提供しているのは、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、瀬戸内市、赤磐市、美作市、浅口市、早島町、里庄町、そして西粟倉村の11市町村です。逆に提供していないのは、岡山市、倉敷市、津山市、玉野市、鏡野町、そして奈義町の6市町であります。提供しているところの回数については、週5日から週4日程度まで差があります。井原市や総社市では、給食共同調理場から提供されているとお聞きしています。中には、隣接する小学校の調理場から提供したり、自園で調理しているところもあります。
 私は、弁当には弁当のよさがあると思っています。しかし、弁当づくりを負担に感じている保護者がいたり、弁当づくりがあるからと市立幼稚園を敬遠する保護者がいることも事実だと思います。子育て支援の一つとして、市立幼稚園での給食提供も検討すべき時期が来たのではないでしょうか。
 倉敷市でも、3つの学校給食共同調理場が整備され、残り1つも整備が進められています。小・中学生の児童・生徒数が減少し、食数の減少も予想されています。
 学校給食共同調理場で調理等した給食を幼稚園で提供して、市立幼稚園での給食提供を行い、保護者負担の軽減を図ってはどうでしょうか。御質問いたします。
○議長(荒木竜二 君) 森教育次長。
◎教育次長(森茂治 君) 学校給食につきましては、義務教育諸学校において児童または生徒に対し実施しており、現在本市では、公立幼稚園に給食の提供は行っておりません。
 幼稚園での給食提供に当たっては、幼児が食べやすいように食材の大きさなどに配慮した調理方法や、配膳の補助が必要であり、施設設備や食器具等の整備など、幼児食の提供と、その援助方法を検討する必要がございます。
 また、学校給食共同調理場は、倉敷市学校給食調理場整備に係る基本方針に基づき、児童・生徒数の減少を考慮して計画的に整備しており、当面、共同調理場の調理能力に余力が生じる見込みはありません。
 現段階では、公立幼稚園への給食提供につきましては、実施は困難であると考えております。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 残念ながら、現段階では、市立幼稚園への給食提供実施は困難との御答弁をいただきました。私も、簡単な問題ではないという認識はあります。ただ、保護者の皆さんの本音としては、他の市ではできているのに、どうして倉敷市ではできないのか、子育てするなら倉敷でではないのかといった思いではないでしょうか。私は今、倉敷市における市立幼稚園の役割や今後の在り方が問われているのではないかと思います。倉敷市立幼稚園は、年々入園児数が減少し続けています。毎年のように定員を減らしても、定員充足率も減少し続けています。令和7年4月1日現在で、定員は前年から105人減らし4,105人にしても、入園児は前年から111人減少し1,690人で、定員充足率は前年から1.5ポイント減少して41.2%です。半分を大きく割っているわけであります。
 私ごとになりますが、私はゼロ歳から5歳まで保育所に預けられ、小学校入学1年前に地元の大規模な市立幼稚園に入園しました。両親が、小学校に入学したときに友達がいないと困るだろうからと、小学校に隣接した市立幼稚園に入園させてくれました。しかし、実際に私が在籍したクラスは、1年保育の9人の同級生と、残りは1歳年下の園児が多数のクラスでありました。私の両親の思惑とは少し違ったわけであります。しかし、そこには少なからず市立幼稚園の役割はあったわけであります。でも、今はどうでしょうか。小学校に入学する多くの新入生は数多くの保育所から入学し、当時の市立幼稚園の役割は、今はあまりないと言わざるを得ません。今回の給食だけではなく、市立幼稚園数がどんどん減少し、通園範囲の拡大を余儀なくされる中、送迎用の駐車場は不可欠です。共働き世帯が増える中、パート労働しながら幼稚園に通わせるためには、降園時間の延長も必要です。
 前述した子育て広場も、市立幼稚園で実施されながらも、保健福祉局の所管事業です。幼稚園が自らの事業として取り組み、幼稚園入園前の幼児と保護者が安心して利用できる場、地域の子育て支援拠点として、地域の子育て中の保護者と幼稚園の先生との日常的な交流が図られ、子育て中の保護者が気軽に幼稚園の先生に相談する中で信頼関係を築き、この幼稚園に子供を通わせたいと思ってもらうことが必要なのではないでしょうか。市立幼稚園が地域の子育て拠点となるよう、その役割を果たしていくことが求められ、そのことが市立幼稚園の今後の在り方を明確にし、存続につながっていくのではないでしょうか。給食は、その市立幼稚園を選んでもらうための一つの手段として提案させていただきました。長くなりましたが、そのことを申し添えて、この項を終えさせていただきたいと思います。
 質問通告最後の通級による指導についてお伺いいたします。
 この項の1点目、倉敷市の通級指導教室の設置状況についてお伺いいたします。
 令和7年7月16日付文部科学省初等中等教育局長通知、「令和5年度通級による指導実施状況調査」の結果についてでは、各教育委員会において、各学校が通級による指導を積極的に実施できるよう体制の整備に努めることが示されていますが、現在の倉敷市の通級指導教室の設置状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 通級による指導での学習とは、通常の学級に在籍する児童、生徒が言語や情緒の通級指導教室に通い、自立活動として、発音やコミュニケーションの仕方等を身につけることでございます。
 現在、倉敷市では、言語障がいと情緒障がいの通級指導教室を小学校7校、情緒障がいの通級指導教室を中学校2校に設置しております。また、中学校通級指導教室の担当者が学校を巡回して指導を行うサテライト教室を、中学校3校に設置しております。さらに、聴覚障がいの通級指導教室を岡山県立岡山聾学校の派遣教室として、小学校1校に開設しております。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 今の御答弁で、倉敷市内にはサテライト教室を含めて、小・中学校合わせて13校に通級指導教室が設置されていることが分かりました。
 続いて、この項の2点目の通級による指導を受けている生徒がいない中学校についてお伺いいたします。
 前述の文部科学省の通知の中で、全ての中学校に特別な教育的支援を必要とする生徒が在籍している可能性があることを前提に、通級による指導体制の充実に努めることが求められています。
 そこで、倉敷市の現状を調査してみました。国の調査と同じ令和5年度で、倉敷市立中学校で通級指導教室を利用しているのは89人で利用率は0.7%と、全国平均の1.2%より低くなっています。また、公立の中学校数全体に占める通級指導教室を利用している生徒が在籍する学校の割合は、全国が50.8%に対して、倉敷市立中学校では73.1%と、こちらは倉敷市のほうが高くなっています。
 利用する生徒は年々増加しており、令和7年度では倉敷市立中学校生徒の通級指導教室利用率は1.0%。ただ、令和5年度の全国平均よりは下回っています。通級指導教室を利用する生徒が在籍する学校の割合は92.3%と、いずれも増加しています。その中で、倉敷市立中学校で通級指導教室利用者が1人もいない学校が2校あることが分かりました。このことは、文部科学省が求める全ての中学校に特別な教育的支援を必要とする生徒が在籍している可能性があることを前提に、通級による指導体制の充実に努める必要があるのではないでしょうか。
 利用する生徒がいない中学校の現状についてお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康 君) 令和7年度に、通級による指導を受けている生徒がいない中学校は2校となっております。
 児童、生徒の通級指導教室の利用につきましては、毎年各学校で検討されており、小学校低学年から通級指導教室を利用し、中学校進学までに障がいによる学習や生活における困難さの改善が図られたこと、また本人、保護者と小・中学校が相談した上で通級指導教室を利用しないことなどにより、通級による指導を受けている生徒がいない中学校もございます。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後も引き続き通級による指導の一層の充実に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 齋藤 武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎 君) 通級指導教室の利用者が1人もいない中学校がある理由として、小学校低学年から通級指導教室を利用して、中学校進級までに障がいによる学習や生活における困難さの改善が図られているということを御答弁いただきました。このことは、文部科学省の指摘とは真逆で、とてもよい事例だと思うんですね、もっと誇らしげにPRして、同様の取組を全市に広げていくべきではないでしょうか。この2校も、決して生徒数が少ないからゼロではないわけですね。今後ともよい事例、取組を広げるとともに、通級指導教室の利用が必要な児童、生徒が通級指導教室を利用できるように、通級による指導の一層の充実に努めていただきたいと思います。
 続いて、この項最後の通級指導教室の拡大についてお伺いいたします。
 先ほどの答弁であったように、全ての学校に通級指導教室を設置しているわけではありません。在籍の学校から通級指導教室を受ける学校まで、保護者等が送迎しなければなりません。それが保護者の負担になっていたり、保護者が仕事を辞めたり、正規労働からパート労働に変わったりしなければならないケースもあり、家庭の収入減を余儀なくされている例もあるとお聞きいたします。また、送迎ができないために、通級指導教室の利用を諦めざるを得ないケースもあるそうであります。本来は、全学校に通級指導教室が設置されるべきであります。全校設置に向けて、通級指導教室の数を増やすことを要望させていただきたいと思います。
 また、小・中学生に比べて高校生の通級指導教室の利用が広がっていないことを受けて、文部科学省は令和8年度に高校での適切な指導方法などの検証を始める方針を決められました。倉敷市立高校では、全く通級指導教室の利用がなされていません。というよりは、利用できる環境が整っていないのが現実であります。倉敷市立高校における通級指導教室及び支援の必要な生徒に必要な支援を行える体制整備を要望して、私の全ての質問を終わらせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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