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芦田 泰宏 議員
令和7年第5回倉敷市議会(第3回定例会) 9月5日(金) 本会議 質問
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内容
会議録
令和7年第5回倉敷市議会(第3回定例会)
9月5日(金) 本会議 質問
新風くらしき
芦田 泰宏 議員
1 市民病院の経営について
2 イノシシ対策について
◆15番(芦田泰宏 君) (拍手) 新風くらしきの芦田 泰宏でございます。
通告に従いまして、一問一答の方式にて質問させていただきます。
まず、最初の大項目ですが、市民病院の経営についてお聞きいたします。
私は、いい病院といい学校がないと、地域の人口減少は加速してしまうというふうな持論を持っております。倉敷市立市民病院、以下、単に市民病院と呼びますが、これは児島地区唯一の本格急性期病院として、その存在は地域にとって極めて重要でありまして、地元の中核病院として安定した経営基盤と質の高い医療を提供する、いい医療機関であってほしいと思っております。その経営あるいは運営ぶりには、議員としてしっかりと関心を持って応援していきたいと考えております。この観点から、令和6年2月議会でも同病院に関する質問をさせていただきました。自治体病院経営というのは、専門性が非常に高い分野ですので、今回も外部の議員向けの研修を受講した上での質問となります。やや細かい内容となりますが、今回議会に提出されている決算も見ながら、広範に質問させていただきます。お付き合いよろしくお願いします。
まず最初が、病床利用率についてです。
病院の重要な収入であります入院収益、こちらに直結する指標に病床利用率があります。この直近の推移が、公表資料によりますと、令和4年度が62.1%、令和5年度が60.5%まで下がりまして、今回公表されました令和6年度実績がやや回復して67.5%となりました。しかしながら、一般的には90%以上が理想とされ、70%を切ると経営継続が困難と言われております。特に令和5年度の数値60.5%、これは大変心配されたわけであり、今回の質問の直接のきっかけにもなりました。
さて、病床使用率が低い背景としてお聞きします。
市民病院は、急性期一般病棟と、急性期の治療を終えてから自宅や介護施設に戻るためのリハビリなどを行う地域包括病棟があるわけですが、この病床別利用率の推移をお答えください。これは公開していない資料なので、お聞きいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 芦田 泰宏議員さんの御質問にお答えいたします。
令和元年度の全体の病床利用率は78.0%でした。しかし、新型コロナウイルス感染症患者の受入れを始めた令和2年度から、受診控え等により60%台になっています。急性期一般の病床は3病棟計136床、地域包括ケアの病床は1病棟60床でございますが、令和4年度はそれぞれ57.9%と71.8%、令和5年度はそれぞれ54.2%と74.8%、令和6年度はそれぞれ61.5%と81.4%になっており、令和6年度は急性期一般病床及び地域包括ケア病床ともに、病床利用率は上昇いたしました。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) コロナ前は高い病床使用率であったということと、それから急性期病棟のほうが低い数字、埋まっていないということで理解しました。救急車等の新規患者の獲得が必要であるというふうなことで理解いたします。
次に、この病床利用率急上昇の理由、令和6年度が大きく上がっております。この理由について御説明ください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 令和6年度の病院全体での病床利用率は、令和5年度の60.5%から7.0ポイント増加した67.5%となっています。その理由としては、地域の安全、安心につながる救急搬送患者の受入れの強化、及び倉敷中央病院などの3次救急医療施設から転院搬送する下り搬送等を積極的に受け入れることや、また地域の病院や診療所などとの連携により紹介患者数を増やしていく取組に努めていることによって、新型コロナウイルス感染症流行前の病床利用率に回復しつつあると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) よく分かりました。ありがとうございます。
それから次に、この令和6年度の上昇が一過性なのか、あるいは持続可能なのかということもお聞かせください。67.5%をさらに上げていきたいところでございますが、見通しはどうなのでしょうか。よろしくお願いします。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 病床利用率向上のため、急性期一般病棟90床、地域包括ケア病棟50床の計140床の稼働を目標に掲げ、看護部長、各病棟師長、リハビリテーション科職員、病院ソーシャルワーカー、診療情報管理士の多職種で構成する病床運用会議を毎朝開催しています。この会議では、入院患者様の病状等に応じて、今後1週間の入退院予定による各病棟の稼働状況や看護必要度なども考慮しながら、病棟移動を含め、ベッドコントロールを行っています。
また、救急搬送患者受入れの強化や3次救急医療施設や地域の病院、診療所などとの連携により紹介患者の受入れを増やすなど、引き続き病床140床稼働を目標として、病床利用率の上昇を一過性でなく維持、向上させるよう取り組んでいるところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 厚生労働省がリードしていこうとする方向に乗った非常にいい打ち手だと思っております。ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
次の質問です。市民病院の医師の平均年齢は、地方公営企業年鑑の一番新しい数字、令和3年度だったと思いますが、これを見たところ、57歳となっております。
一般的には年齢が高め、全国平均よりも高いというふうに伺っておりますが、医師の新陳代謝も同時に進める必要があると考えております。
今後の若手医師の確保の方策、対策についてお答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 今年度は、専門医の資格を取るために必要な地域医療研修として、前期、後期とも2名ずつの専攻医を受け入れています。また、毎年岡山大学医学部医学科の学生を、地域医療実習として10名前後受け入れています。
市民病院での地域医療研修や実習を通じて、専門医取得後や将来就職先候補の一つとして検討していただけるよう、有意義な研修・実習期間となるように努めています。
また、診療体制のさらなる充実のため、岡山大学病院医局へ訪問し、医師派遣の要請を積極的に行っているところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 引き続き、地道な御努力を継続していただけたらと思います。ありがとうございます。
次の質問です。次からの2問は、診療報酬の加算取得につながる取組についての質問です。
最初は医療DXです。政府は医療DXを強力に推進しておりまして、対応する医療機関には各種の加算、評価が段階的に行われます。いわゆるDPC、機能評価係数Ⅰにおいても、体制整備が係数に反映されます。主な取組として、マイナ保険証の利用環境の整備、あるいは電子カルテ、電子処方箋の導入が上げられます。
ここでお聞きします。
市民病院のそれらの現状の確認に加えまして、全国的に導入が遅れていると言われております電子処方箋について、具体的な稼働時期をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 市民病院では、令和3年度からマイナ保険証による資格確認を開始し、電子カルテは令和5年度にシステムを更新したところです。
また、電子処方箋については、処方箋作成時に必要となる医師が電子署名するためのカードの発行手続等を進めており、本年度中の導入に向けて準備しているところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 今年度中の稼働ということで、よろしくお願いします。ありがとうございます。
次に、認定看護師制度についてお聞きいたします。
認定看護師とは、特定の分野で熟練した看護実践能力を持ち、日本看護協会の認定を受けた看護師でございます。診療報酬上のチーム加算や体制加算の要件に、この認定看護師や同等の研修修了者の配置が明記されております。
この認定看護師がいるいないというのは、病院収益と医療の質の向上の両方に直結する重要な指標、要素でございますが、そこで伺います。
市民病院には、どの分野の認定看護師が配置されているのか、その種類と人数をお答えください。また、認定看護師がいれば加算の算定が考えられますが、未取得なものとして、市民病院で呼吸ケアチーム加算や褥瘡ハイリスク患者ケア加算等の取得を検討されてはと思うのですが、いかがでしょうか。お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 現在、市民病院には、感染管理認定看護師1名、緩和ケア認定看護師2名、皮膚・排せつケア認定看護師2名の3種類の認定看護師がいます。
人数は、全員で5名ですが、ほかにも認定看護師を目指している看護師がおり、資格取得に取り組んでいるところです。また、認定看護師育成のため、入学金や授業料の資格取得に係る費用の負担を行っておりますが、病院として必要な認定分野や所属する部署の人数などを考慮しながら、新たな資格の取得について検討しているところです。
呼吸ケアチーム加算については、算定要件に、認定看護師は国等が主催する600時間以上の呼吸ケアに係る研修を修了する必要があることや、48時間以上継続して人工呼吸器を装着している入院患者様ということもあり、当院の現状では対象となる患者数も少なく、必要性が低い状況です。
褥瘡対策については、対策チームをつくり、院内の褥瘡対策の協議、検討を行っているところですが、褥瘡ハイリスク患者ケア加算については、皮膚・排せつケア認定看護師の専従要件が必要であり、現状では難しい状況であると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) では、次の質問に行きたいと思います。
市民病院では近年、アレルギー科を設置されました。アレルギーは日本人の2人に1人が発症すると言われておりまして、ぜんそくや花粉症などのアレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど、症状に苦しむ人は非常に多い疾患でございます。
この科の設置は、市民ニーズに合って、外来患者獲得にも寄与し、非常によろしいかと思っておりますが、このアレルギー科の運用の実態について御説明ください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) アレルギー科につきましては、アレルギー分野の専門医により、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎や花粉症などの診断と治療を行っています。毎週火曜日の午後2時から午後4時の間で、3名の医師により診療を予約制で行っていますが、そのほかにもアレルギー専門外来として、内科で毎週火曜日午後2時から午後3時30分、小児科で毎週金曜日午後2時から午後3時の間で予約診療を行っているところです。また、これらの予約枠以外でも、日本アレルギー学会認定専門医、または指導医が多くの患者様を診療しています。
なお、患者数につきましては、アレルギーのみの診療はないため、内科や小児科などに計上しており、アレルギー科として単独では集計しておりません。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) アレルギー科の存在を知らない人もいると思いますので、初診でアレルギー科を指名して予約してくる患者さんが増えるように、今後とも市民への周知をよろしくお願いいたします。
次の質問に参ります。訪問診療、往診の実態についてお聞きします。
市民病院は、近年、在宅支援病院3種を取得しまして、地域包括ケア病棟と連動して、退院の支援、在宅のフォロー、急変時の受入れを担っております。診療報酬上の加算もしっかりと取っていただいております。
訪問診療は計画的な定期診療、往診は臨時、緊急の出動であり、そういう2つが車の両輪となって動いているはずです。これらの訪問診療、往診の実態、実施状況について、件数や担当医師数、診療科、在宅支援病院の要件でもあります24時間対応体制、これは取っていないといけないはずなんですが、その状況をお聞かせください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 令和6年度の訪問診療の延べ数は311件、往診件数は171件でした。これらの在宅医療は、内科、外科、形成外科の3名の医師で対応し、診療所や特別養護老人ホームなどの施設とも連携し、診療を行っています。また、24時間連絡を受け、往診が可能な体制を整えております。
訪問診療や往診は、地域の診療所やかかりつけ医が中心となって行っておりますが、市民病院は児島地区の中核病院として、診療所やかかりつけ医と連携し、褥瘡治療や対応の難しいがん患者の緩和ケアなどを中心に行っております。
緩和ケアについては、患者様や御家族の同意があれば、みとりまで責任を持って対応させていただいています。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 先ほど御披露いただいた数値については、一つの数字の比較対象としてメモさせていただいて、今後のフォローアップもさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
続いての質問です。健康診断、あるいは人間ドックの強化について聞かせていただきます。
健康診断と人間ドックは、外来診療の中でも収益性の高い項目として、体制を強化する病院が最近増えているというふうに理解しております。市民病院でも古くから実施いただいております。
健康診断、人間ドックの受診者数の推移を、まず教えてください。
それから、受診者数を確保するには、受診しやすい体制を整えることが重要だと考えております。ウェブ予約ができないかなというふうに思っております。検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 実績につきましては、令和元年度5,770件あったものが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響から5,495件と275件減少しました。ここ3年間では、令和4年度は5,771件、令和5年度は6,498件、令和6年度は6,452件と、新型コロナウイルス感染症流行前以上に増加しています。
受診者数を増やす取組としましては、前年度受診歴のある事業所へ案内の文書を送るなど、受診勧奨を行っています。
ウェブでの予約については、当院の健診部門の体制や予約システム構築に係る経費、セキュリティー対策などの課題もあり、慎重に検討する必要があると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) この質問をさせていただきました背景には、私自身の経験があります。こちらにUターンして間もなく、市民病院の人間ドックを利用させていただいたんですが、そのときになかなか予約が取れない。電話をして1か月半先の予約が取れまして、ただ、検査キットを取りに来てくださいと言われたりとか、検査自体にもすごく時間がかかったということがありまして、非常に不便な思いをしました。
東京で利用していた法人契約の人間ドックは、すぐに予約が取れて、朝8時に行ったら、9時半には検査が終わって、仕事への影響が最小限で済む。ウェブで予約ができて、直前にはリマインドのメールが来るということで、それが普通と思っていたところで、その体制が大分違うことに驚いた経験がございます。大手のドック専門のクリニックと同じにはできないと、もちろん思うのですが、もう少し改善することができないのかなと思っております。よろしくお願いいたします。
この項最後の質問でございます。市民病院の広報活動についてお尋ねいたします。
現在、市民病院には、あかれんがという広報誌がございます。これは、主に病院内に置いておりまして、患者さんが見る広報誌になっております。
市民病院は、地域市民にとって非常にありがたい機能を数多く持っております。分娩室を備えて、女性の妊娠から出産、その後の治療、医療まで受けられると。総合病院ですから、当然産婦人科の周辺に、同じように内科、外科もございますので、問題があったときにはそこでも診療が受けられます。サポートを受けられます。また、産婦人科には女性の先生がおられるということ。さらに数が少なくなってきた小児科の常勤の先生もおられるということで、まさに子育てを支える体制があります。
また、もちろん限界はあるのでしょうが、急性期が終われば、すぐに追い出される病院でもありません。地域包括病床がありますので、回復期になっても、なお最大で60日間であったかと思いますが、治療が受けられます。さっき言った訪問診療にもつなげてもらえる。また、地元のクリニックにも逆紹介してくれる。先ほどお話がありました体制もあります。アレルギー専門医もおられるということです。こういった取組を、もっと市民に知っていただくことが大事じゃないかなと考えております。
医療法上の規制があるので、病院のストレートな広告、宣伝というのはできないというか、難しいのですけれども、例えば、お産と子育てとか、小児アレルギー教室などの市民向けの講座を、病院の先生を講師として年に1回や2回、それだけでいいと思います。それぐらいが限界かもしれませんが、やったらいいんじゃないかと思うんです。また、病院の機能を説明して、市民の方からの質疑応答を受ける市民講座というか、意見公聴会みたいなものがあったらいいんじゃないかなと思っています。実際にいろいろ調べていると、そういった活動をやっている公立病院はあるようです。
そうした診療科の内容を知ってもらうきっかけになるので、外来の患者さんを呼ぶいい方法になると思っています。これを、さらに倉敷市のPTA、あるいは公立の学校園の集まりを通じて案内を配布してもらうとか、公式アプリで周知するということを、ちょっとじゃなくてしっかりと数多くやればいいんじゃないかと思っています。
もっと市民との接点を増やしていける、広げていく活動をやっていただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 渡辺市民病院事務局長。
◎市民病院事務局長(渡辺育男 君) 市民病院について広く市民の皆様に知っていただくため、7月にホームページを大幅にリニューアルいたしました。さらに、広報誌あかれんがについても、この春から発刊を再開し、近隣の医療機関や介護施設、高齢者支援センター等へ配布するとともに、倉敷市公式アプリにも掲載させていただいております。
また、本年度も、倉敷市立短期大学子育てカレッジや児島健康まつりなどのイベントへ医師や助産師、看護師等の派遣を行い、市民の皆様との交流を行っていく予定としています。
新型コロナウイルス感染症の流行により開催を取りやめていました市民公開講座等についても、現在、再開に向けて検討しているところですが、まずは安心して出産していただける市民病院の周産期医療について広く知っていただきたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) ぜひ、よろしくお願いいたします。
ちょうど新しい地域医療計画の岡山県版の作成に関するニュースも出るようになってきております。高齢化と人口減少が同時に進む中で、病院経営のかじ取りというのは非常に難しい。政府も本当に手探りでやっているように感じておりますが、そうした中でも、旧児島市民病院、倉敷市立市民病院は、先ほど言いました地域に愛されて、信頼される病院であり続けてほしいと思っておりますので、これからも経営には関心を持っていきたいと思っています。また、引き続き精力的な経営のかじ取りをよろしくお願いいたします。
江田先生をはじめとする病院の経営陣の皆さんの御努力というのは、本当に頭が下がると個人的には思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員、この際申し上げます。
質問の途中でありますが、ここで休憩いたします。再開は2時15分からの予定です。
午後 2時 3分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 2時15分 開 議
○副議長(藤井昭佐 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
15番 芦田 泰宏議員、質問項目2番から質問を再開してください。
◆15番(芦田泰宏 君) では、再開させていただきます。
次の大項目です。イノシシ対策についてお聞きいたします。
新しい任期をいただいて半年強過ぎたのですが、市の対策の現在位置を確認させていただき、継続的に対策を求めていく観点から、改めて取り上げさせていただきます。過去に自分が問うた質問も含まれますが、最新状況を踏まえた市の打ち手、あるいは執行部の見解をアップデートさせていただきます。
まず、最初の質問です。従来どおりの対策では被害が減らないというのは、これはずっと前から分かっていることであるので、執行部も昨年、被害地域の自衛を後押しする政策を新たに導入いただきました。株式会社野生鳥獣対策連携センターは猟友会や農林水産省、あるいは岡山県などの自治体に対策を伝授する立場のプロ中のプロ集団ですが、ここに委託しまして、市内4か所で対策セミナーを実施いただきました。
今年度も新規の追加事業として、地域ぐるみでの地域の実情に合った被害対策支援事業を実施いただいております。同じところに委託を出されております。新しい打ち手が求められる問題ですので、この地域ぐるみの対策支援というのは非常に評価させていただいております。
まず最初は、この支援事業の現在までの進捗状況を御説明ください。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 今年度から実施している鳥獣害対策伴走支援事業は、イノシシの市街地出没が多発している現状を踏まえ、鳥獣害対策についての高い実績を持つ外部専門団体を派遣し、地域での取組を効率的かつ機動的に支援するものです。
支援対象地域の選定に当たっては、昨年度のイノシシ被害対策セミナーへの参加地域を中心に事前打合せを実施し、地域ぐるみで取り組む意思がまとまった地域を選定しております。現在、市内3地区を選定し、関係者との協議を開始いたしました。
今後、支援方針案を作成し、環境整備、防護、捕獲等の具体的な支援策を決定してまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 選定理由にあった、地域ぐるみで取り組む意思がまとまったというお話ですが、これは地元自治会や猟友会等、関係者全員の同意、合意を指すのかなと考えます。ここがなかなかまとまらない地域もあると聞いております。引き続き、実績が上げられるところからどんどん対策を進めていただけたらと思います。
次の質問です。この地域への伴走支援事業について、本年2月の議会で当時の松浦参与が、地域ぐるみで行う鳥獣害対策について、機運の醸成を図ってまいりました。令和7年度は、これに加え自衛意識が高まった地域に対し、外部専門団体による被害対策支援事業の実施を予定しておりますということで、自衛意識の醸成は、執行部が主導しているというふうなストーリーをお話しされました。
自衛意識というのは、既に高まっているところは少なからずあるのですが、それらの細かいところは問いませんが、お聞きしたいのは、次に何をしていくかということです。対策は切れ目なく継続、発展させることが求められております。来年度予算要求の時期はこれからですので、具体的な政策というのを話せないのは百も承知なのですが、大まかな方向性は示せるのではないかなと考えております。特に現在の鳥獣被害防止計画は、今年度が最終年度となっております。来年度以降のものを検討される時期かと思います。
現在の地域ぐるみの伴走支援事業がどうなるのか、盛り込まれるのかについても含めてお答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 先ほど大内参与から申し上げましたように、倉敷市の鳥獣害対策伴走支援事業につきましては、地域の協力体制が非常に大きく効果に影響すると考えております。
今行っております取組を通じまして一定の成果が得られましたら、当然、鳥獣害に悩む他の地域にも紹介しまして、取組の横展開を図っていきたいと思っております。
また、昨年度も行い、今年度も実施いたしますイノシシ被害の対策セミナーにより、地域ぐるみでの取組についての理解が深まってくる地域がありましたら、引き続き鳥獣害対策伴走支援事業の実施について、意向確認に進んでいくというような形で、昨年から取り組んでいるものは今年度は横展開、かつ今年度から取り組むものについては、またその次にというような感じで、全体としては考えております。
市が行っておりますイノシシ被害対策セミナー、また鳥獣害対策伴走支援事業については、現行の倉敷市鳥獣被害防止計画のほうに生息環境管理、その他被害防止施策に関する取組として位置づけているものでございますので、次の防止計画においても、当然位置づけをしていく予定と考えているところでございます。
先ほども申し上げましたように、地域の協力と、そして効果がある取組の横展開によって、少しでも被害が少なくなっていく方向につながっていけばいいと考えているところでございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) この伴走支援事業は、農地の有無にかかわらず行われる地域単位での支援事業ということで、私はこれを非常に高く評価させていただいております。この伴走支援が、住民自身によるイノシシの駆除活動への協力を支援するような体制に、将来的につながっていけばいいのかなと考えておりまして、横展開とさっき御説明がありましたが、ぜひ規模の拡大をお願いいたします。
続いての質問です。現在、本市の侵入防止柵への補助金については、一定以上の農地の広さを前提とした農作物を守る柵、フェンスが対象になっていることは御既承のとおりでございまして、今後補助対象を、農地ではない住宅地も含めた制度にすることはできないでしょうか。例えば、個人の一般市民複数、3戸ないし5戸が共同で申請すれば、農地がなくても侵入防止柵がつくれるとか、あるいは自治会が自治会単位で申請すれば防護柵がつけられるとか、そういったような制度ができないかと思っております。
これは私自身、令和4年12月議会で類似の質問をさせていただきましたし、本年2月議会でも日本共産党倉敷市議会議員団の末田議員から、農地の広さ要件を大幅に緩和できないかと、非農業従事者を念頭に入れた家庭菜園も対象にならないかというふうな質問もなされてはおりますが、改めて御確認いたします。
住民の生活環境被害を防止する防護柵への補助制度はつくってもらえないでしょうか。お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 鳥獣による農作物被害は、農業者の農業所得の減少や生産意欲の減退を招き、離農につながりかねないことから、本市では被害防止対策に係る農業者の負担軽減を目的として、侵入防止柵設置に対する補助制度を設けています。
補助対象については、国及び県の補助金交付要綱等に準拠しているため、現時点では、農地以外を対象にする等の要件緩和は考えておりません。
なお、昨年度県に対し、イノシシを市街地へ出没させないための対策にも活用できるよう、侵入防止柵整備支援事業の拡充を要望しましたが、農地以外を対象とすることは困難との回答がありました。そのため今年度は、実施している鳥獣害対策伴走支援事業等、市町村が独自に実施する対策事業を支援してもらえるよう、県市長会を通じて県に対し、補助メニューの新設を要望しているところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 今はできないけれども、今後、生活環境被害を防止する補助メニューの新設を県に求めるということで、理解しました。先立つものが必要だということだと思ったんですが、いずれにしても、よろしくお願いいたします。この伴走支援事業が発展して、防護柵への補助金にもつながればいいなと思っております。
次の質問をしたいと思います。次は、有害鳥獣駆除班員の確保についてです。
駆除班員の減少と高齢化が進んでおります。議長にお許しをいただいて配付しましたグラフ、ファイルNo.04ですが、見ていただけますでしょうか。
上にグラフが2つ載っておりますが、これは農林水産課さんからいただきましたデータを基に、私が加工したものです。上にあるグラフ2つ、これは縦軸がゼロになっていないことに御注意ください。そして、左右の縦軸の単位が違っておりますので、注意して見てください。
この左右のグラフの青い折れ線グラフは有害鳥獣駆除班員の数です。これは左右同じです。それに対して捕獲頭数、左側ですね、それと駆除班員の延べ出動人数、回数というか、人数を同じグラフに載せたものでございます。
それから、下にはこのグラフの基になったバックデータ、これは地区別に載っておりますので、時間がある方は見てください。内訳を書いております。
これを見ますと、市全体の傾向として、駆除班員数が大きく変化しない中、出動回数と捕獲頭数が明らかに増えているというのが分かると思います。駆除班員の方の負担が物すごく増えているんじゃないかと容易に推測しているわけですが、それに対して駆除班員の方の平均年齢、下の横長の表でございますが、これは67歳前後で、横ばいのままです。
今後、駆除活動を継続するには、減ってしまうんじゃないかという不安がありまして、後継者の確保は欠かせないと思います。むしろ、どんどん増やしてほしい状況の中で、どうやって後継者を確保するのか、あるいは若返りを図っていくのかについて、市の対策をお聞かせください。これも令和4年12月に聞いた質問ですけれども、そのときからの答弁の変化を聞きたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 駆除班の高齢化と後継者の確保については、県内全域における共通の課題となっております。このため県においては、新規狩猟者担い手確保・育成対策事業により、将来の農業者となり得る農業大学校生へ狩猟や鳥獣被害に関する研修を実施し、狩猟免許の取得促進を図っています。また、狩猟免許取得希望者を対象に、鳥獣被害防止対策の総合的なセミナーを実施し、狩猟の担い手確保・育成及び被害防止技術の普及を図ることとしています。
本市におきましては、狩猟免許取得等補助金として、新たに狩猟免許または猟銃の所持許可を取得する際の手数料及び講習会受講料について助成を行っており、担い手の確保に努めているところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 前回のお話から大きな変化はないというふうに理解いたしましたが、これは決め手を欠く非常に難しい問題だと考えております。引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移ります。全く話が変わるんですが、SFTSの感染拡大状況と背景等についてお聞きしたいと思います。
最近、重症熱性血小板減少症候群、SFTSといいますが、この感染症が拡大しているという報道がテレビ、新聞等でなされております。聞いたことがある方も多いと思います。
これは、マダニが介在する病気とされておりますが、どのような病気なのか、感染拡大の状況や背景、併せて本市の対策、防止策等を御説明ください。よろしくお願いします。
○副議長(藤井昭佐 君) 種本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(種本和雄 君) 重症熱性血小板減少症候群、いわゆるSFTSは、原因ウイルスを持つマダニに刺されることにより感染し、主な症状は、発熱、嘔吐、下痢、血小板減少などで、重症化すると死亡することもあります。なお、死亡率は10%から30%程度とされています。
全国での患者報告数は増加傾向であり、令和6年は121件で、令和7年7月末時点では126件となっています。岡山県では、令和6年は1件で、令和7年7月末時点では6件の報告となっています。
これまで西日本での発生が多かったものが、徐々に東日本へと拡大し、本年8月には北海道でも発生が確認されており、国はマダニに刺されないための対策について、住民への周知が必要であるとしています。
本市では、野外では肌が露出しない服装に心がけることや、マダニに効く防虫スプレーの使用等について、広報紙やホームページ、愛育委員による全戸回覧等で広く啓発し、感染防止に取り組んでいます。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 死亡率が高いということで、昨年1件だった岡山県の発症例が、今年は7月まででもう6件になっているということでございます。私、これは非常に脅威であると感じておりまして、そこで次の質問に入りたいと思います。
マダニは、典型的には鹿がよく言われるんですが、イノシシにも大いに寄生いたします。ここで、今イノシシの生活場所と人間の生活場所がオーバーラップするようになってきている、重なり合うようになってきている状況かと思うんです。そうした中で、例えば、沼田場、これはイノシシなどが体についたダニなどの寄生虫を落とすために泥を浴びる場所、これが住宅地に非常に接近した、例えば、ある方は家の裏の庭につくられているというようなことを、私も複数例聞いております。
例えば、そこに子供が入ったり散歩中の犬が入って、そこでダニを家庭内に持ち帰るというか、持ち込むということは普通に起こるんじゃないかなと。別に必要以上に皆さんに恐怖をあおってもいけないのですけれども、あり得るんじゃないかなと思っています。
また、このSFTSの感染ルートの一つとして、猫が言われておりますが、猫はただ単に、それこそ野山を自由に動き回れますし、持ち帰るだけじゃなくて、猫自身が感染して宿主として、唾液や血液、体液からうつすリスクがあるということで、これは非常に心配しております。
令和4年12月議会で、イノシシが媒介する感染症のリスクについては無視できるのかという質問をいたしました。そのときに日本脳炎やSFTSについても言及させていただいたのですが、そのときに当時の吉岡参与が、マダニや蚊に病原体がうつり、そこから人が感染するリスクはあるというふうに答弁されました。リスクの有無じゃなくて、それを無視できるかと、無視できるほど小さいんだったら別に気にならないんだけどということを再質問しましたら、リスクがある以上無視できないというふうな御答弁をいただきました。
さて、このSFTSの感染拡大が報じられるようになった現在、農作物にとどまらず、住民の健康被害を防止する観点からも、イノシシを住宅に近づけないなどの対策を強化する必要があると考えるのですが、市の認識をお示しください。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) SFTSの感染防止のため、野生動物が生息する山などでのキャンプ、ハイキング、農作業などの際には、マダニに刺されないための予防対策が必要です。イノシシの市街地出没に対しましては、人里に近寄らせないための環境整備が有効であり、さらにはこうした取組を地域ぐるみで行うことが重要となります。
本市では、今年度イノシシの市街地出没への対策を強化するため、モデル地区において、倉敷市鳥獣害対策伴走支援事業を実施しておりまして、農作物被害及び生活環境被害の軽減を図っているところです。
イノシシの捕獲は、結果的にマダニの媒介源を断つといった側面もありますから、今後も捕獲強化に努めてまいります。
○副議長(藤井昭佐 君) 芦田 泰宏議員。
◆15番(芦田泰宏 君) 私は認識をお聞きしたんですが、アクションプランの御説明で終わっているので、ちょっと残念です。いずれにしても、引き続き、捕獲強化に従来どおり努めるというふうなお話をいただきました。今の捕獲頭数は増加基調にありますので、この増加基調を維持していただけると理解いたしました。ぜひ引き続き対策をよろしくお願いいたします。
もう一種類用意した資料を出していなかったんですが、すみません、ファイルNo.05を御覧ください。
ここ3年間に報道されたイノシシによる人身被害事件です。これはAIに検索させたものですので、これが網羅されているかどうかは分かりませんが、いずれにしても、イノシシは家庭菜園被害を既に超えて、一般市民へ害を及ぼすようになってきているということで、今後とも対策を加速することを改めてお願いいたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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