録画中継

令和7年第5回倉敷市議会(第3回定例会)
9月9日(火) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田辺 牧美 議員
1 地球温暖化対策について
2 福祉行政について
◆10番(田辺牧美 君) (拍手) こんにちは。日本共産党倉敷市議会議員団の田辺 牧美です。
 通告に従いまして、一問一答の方式にて、2項目について順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 1項目め、地球温暖化対策について3点お伺いいたします。
 今年は、梅雨が早くから明け、夏は40度を超える地域があるなど、命に関わる災害級の暑さとなりました。9月5日、気象庁に設置された専門家による異常気象分析検討会は、この夏の日本の平均気温は平年と比べて2.36度高く、気象庁が1898年、明治31年に統計を取り始めて最も暑い夏であり、異常気象と言える、そしてこの夏の高温は地球温暖化がなければほぼ発生しなかったという検討結果になった、今後は台風や大雨の際には以前より明確に雨量が増えることになる、過去の常識は通用しないという気持ちで気象情報などを確認してほしいと、注意を呼びかけました。まさに地球温暖化対策は待ったなしの状況です。
 再生可能エネルギー100%の社会を目指す市民団体ネットワーク、ワタシのミライは、将来世代が暮らし続けられる地球を守ろうと、とめよう温暖化ミライへの種まきというスローガンを掲げて、9月12日から28日を気候アクションウイーク2025と設定しました。全国各地でアクションやイベントが取り組まれます。
 あらゆる分野で地球温暖化対策を講じていく必要があります。そして、温室効果ガスを排出しても同量の何らかの方法で吸収すれば実質ゼロ、計算上足したり引いたりして、結局は今までと同じように化石燃料を燃やし続けて問題がないというような偽りのネットゼロではなく、温室効果ガスの絶対量を劇的に減らすことが求められます。
 そこで1点目、地球温暖化対策として、本市のごみ減量化及びリサイクルの考え方はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 田辺 牧美議員さんの御質問にお答えいたします。
 本市では、燃やせるごみ、資源ごみ、埋立ごみ、使用済み乾電池、粗大ごみを基本とした5種14分別を実施しており、3Rに関する出前講座の開催、生ごみ処理容器購入費補助金、ごみ減量化協力団体報奨金の交付など、ごみ減量化及びリサイクルの推進に努めております。
 これらの施策のほか、市民の皆様による燃やせるごみの約4割を占める生ごみの水切りや、食べ残しをしないなどの食品ロスの削減、雑紙を資源ごみへ分別するなど、平素からのごみ減量化への取組により、平成18年度には19万236トンとピークであったごみの総排出量は、令和6年度には14万9,340トンと、約21.5%減少しております。
 さらに、令和10年度からは、温室効果ガス排出削減のため、プラスチックの分別回収の開始を予定しております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今の御答弁の中で、ちょっと分かりにくかったかもわかりませんけれども、倉敷市の家庭ごみの分別区分は5種14分別で、生ごみなど厨房から出る厨芥類は燃やせるごみに入っています。
 次に、令和10年度から予定されているプラスチックの分別回収は、現在の5種14分別の中でどのように位置づけられるのでしょうか。
 また、今後プラスチックをリサイクルしていく事業の概要とスケジュールをお伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 令和10年度から開始を予定しておりますプラスチック再資源化事業は、温室効果ガス排出の大きな原因となるプラスチックごみを資源ごみと位置づけて分別し、再資源化処理を行うものです。分別回収の方法については、資源ごみの区分にプラスチックを追加し、ごみステーションでの収集日を週1回設ける予定としております。
 今後のスケジュールについては、現在、再資源化を行う民間事業者及び再資源化手法の選定を行っており、分別回収開始前年の令和9年度には、広報紙や市公式アプリなどを通じて市民の皆様に周知するとともに、説明会も開催して、収集日や、どのようなものがプラスチックごみに該当するかなどを広くお知らせしてまいりたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 分別してリサイクルすることにとどまらず、プラスチックがマイクロプラスチックやナノプラスチックになり、食物連鎖を通じて人体へ影響を及ぼすことが指摘されていることを考慮すると、さらに排出を減らしていくことにも取り組んでいくことを要望しておきたいと思います。
 次に、船穂町堆肥センターについてお伺いいたします。
 船穂町堆肥センターは、倉敷市への合併前の1995年、平成7年に、農業残渣や家庭生ごみから有機堆肥を作り出すプラントとして建設されました。
 議長のお許しを得て、資料を提示します。資料を御覧ください。
 堆肥センターでは、農業残渣や生ごみを発酵槽で発酵堆肥にして、造粒機でペレット状にして、乾燥して堆肥にしています。8月28日に、造粒機が故障し改修できないため、堆肥センターを12月で休止するとの説明が住民になされました。また、基幹設備の更新コストやランニングコストの問題、ペレット堆肥需要の伸び悩みなどの課題を挙げられたため、もうこれは廃止ありきではないかとの印象を多くの参加者は持ちました。今まで30年も続けてきたことなのになぜ休止するのか、再開はいつなのかなど、たくさんの意見や質問が出されたのは言うまでもありません。
 そこで、順次お尋ねをいたします。
 まず、船穂町堆肥センター設立の経過と意義はどのような内容だったのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 平成7年度に完成した堆肥センターは、環境への負担軽減に配慮した、より効率的な施肥、防除、環境保全型農業技術に関する研究開発を推進することを目的に整備されました。整備計画では、約80ヘクタールの大根やニンジンの畑から発生する葉っぱなどの農業残渣と家庭から出る生ごみを7対3の割合で混合し、有機堆肥を製造する施設となっており、旧船穂町で進められた資源循環の先駆的な取組でした。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今御答弁がありましたように、設立当時から、ごみとして捨てられていた生ごみをリサイクルし、農薬や化学肥料になるべく頼らない環境保全型の施設として建設されております。
 次に、倉敷市と船穂町合併時にこの堆肥センターについての確認事項はどうだったのか、お尋ねいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 合併に係る市民環境部会の事務事業現況調書では、生ごみの処理方法は当分の間は現行のとおりとし、合併後再編するものとする、ただし船穂町が一部家庭を対象に実施している堆肥化処理事業は、資源循環型社会構築に向けた先駆的事業であり、受託者である農業公社の動向を踏まえ、可能な限り継続を図るものとするとされていました。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今御答弁がありましたように、合併時にちゃんと、可能な限り継続をするということが確認されていたということですね。これを改めて押さえておきたいと思います。
 次に、資料をめくっていただきまして、2ページ目を御覧ください。
 燃やせるごみの推移を表していますが、御覧のとおり、船穂町の住民の皆様が先行してごみ減量の努力をされており、全市平均の減量に大きく寄与していることを表した、これは市が作成したグラフです。8月28日のときに配付されました。
 生ごみを焼却せずに肥料とすることは、地球温暖化対策としても非常に有効で、継続すべきと考えますが、市として環境面からこの取組をどう評価をしているのか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 船穂町の皆様による生ごみ堆肥化の取組は、農業残渣と生ごみから有機堆肥を製造し農業で利用する地域内での資源循環や、ごみ焼却量の削減に寄与いただいてきたと考えております。
 一方で、地球温暖化対策の面からこの事業を評価させていただきますと、堆肥センターでは、処理、製造の工程で多くの燃料、電力を消費しており、生ごみ処理1トン当たりのCO2発生量は本市の施設で焼却する場合とほぼ同程度となっております。また、現在では協力世帯が最盛期の約半数の293世帯となり、回収量も同じく年間約130トンにまで半減し、ごみ焼却量削減効果が低下していること、堆肥が地域内で活用されず、当初想定していた資源循環が機能していないことなど、多くの課題を抱えております。
 このため、今後、現施設の稼働が困難になった場合には、生ごみの処理方法の見直しが必要であると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) CO2の排出が同程度というふうにおっしゃいましたけれども、技術は進歩しております。更新すれば、また違う評価になりますので、そこら辺もちゃんと評価をしていただきたいと思います。
 引き続きまして、今の答弁を受けて次に行きたいと思いますけれども、市は堆肥センター休止の方針を出しましたけれども、堆肥センターを存続するための課題と、それを解決するためにどのような検討をされてきたのでしょうか。課題については、先ほども一部述べられましたけれども、改めて整理して、課題と、それを解決するためにどのような検討をされてきたのか、お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 倉敷市船穂町堆肥センターにつきましては、合併前の旧船穂町時代に、設備経費約1億9,000万の全額が充当できる国庫補助事業を活用して建設されましたが、施設の開設から30年が経過し、設備の老朽化が大きな課題となっております。施設更新に向けては、活用できる国庫補助事業がなく、船穂町堆肥センターをモデルとしてプラントの全国販売を目指したメーカーが販売不振を理由に事業から撤退したこと、また施設の設置目的である農業残渣が集まらず、家庭ごみが原材料となる中、ごみの減量化等で原材料が集まらないこと、そして施設の運営経費に毎年2,000万を超える経費がかかることなど、多くの課題が山積しています。
 本市では、そうした状況を踏まえまして、令和3年度から、地元の環境衛生協議会とこれらの課題を共有し、施設の在り方について意見交換を行ってまいりました。
 なお、合併前の平成15年度と令和6年度との比較において大きく状況が変化しておりまして、協力世帯数は526世帯から293世帯に減少し、原材料となる生ごみなどの協力世帯からの収集量は、ごみの減量化の取組の進展もありまして、255トンから130トンに半減しています。また、製造した堆肥──ペレットですね──それの販売量は年間1万6,000袋から1万500袋に、販売収入は年間約1,000万円から約700万円に減少していると。
 意見交換の中で、地元要望として、施設の老朽化への対応を強く求められたことから、既存施設の復元の可能性や代替施設の導入について検討を行ってきたところです。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 先ほど挙げられました課題のうち、ランニングコストと経営収支のことが言われました。
 資料3ページ目を御覧ください。
 これも市が作成した資料で、先ほどありましたけれども、毎年2,000万円の赤字だとの説明資料でございます。
 そこで、ランニングコストについて、東京都小平市のケースを紹介いたします。
 東京都小平市は、食物資源循環モデル事業を実施し、平成29年2月に報告書を出しています。御近所、集合住宅などで5世帯以上でグループをつくり、バケツの排出場所を決めて、週に1回、排出場所に専用の抗酸化蓋つきバケツを出して、市が収集に回っています。報告書によれば、参加は936世帯で、収集経費として772万円を市が支出しています。収集経費と堆肥化するコストを分けて考えています。
 しかし、船穂町堆肥センターでは、人件費のうち302万円は、ごみの収集に回っているシルバー人材センターの方の人件費です。ごみ収集費用までも含めて、さらに資源循環型社会形成の役割も評価をせず、ましてや肥料の販売促進がどの程度行われてきたのかも疑問であり、単純に総支出から販売収入を引いて、経営収支だけ見て、赤字の事業だから休止するという考え方は撤回していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 堆肥センターは、営利目的で設置したものでないため、開設当初から、ペレットの販売収入で施設の運営経費を賄うのではなく、収支不足について公費負担を継続しています。事業収支が赤字であることを理由に施設の存廃を判断するものではありません。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今の御答弁いただきまして、きちっと捉えていただいたというふうに評価いたします。
 この項最後に、環境を保全し資源循環型施設である堆肥センターの存続を求めて、2点お伺いいたします。
 先ほどの小平市は、参加住民にアンケートを取り、紹介しています。資源になるからやりがいがある、燃えるごみの量が大幅に減り週1回しか出さなくなった、手間はかからない、ごみに対する意識が変わり、ごみを減らそうという気になった、無駄なものを買わなくなった、エコへ参加できて役に立っていることが実感できる、家族がごみの分別に積極的に参加するようになった、近所の方と助け合うようになり、つながりが深まったと、回答者の9割の方が参加してよかったとの感想を出されています。
 船穂町では、ごみの減量化に加え、戸別収集による高齢者等への声かけや見守り、協力世帯による自主的な環境学習の開催、地域コミュニティーの維持に効果を発揮しています。堆肥センターを休止してしまえば、この仕組みは一瞬にして解体してしまいます。当面、壊れた造粒機の更新をして、堆肥センターの存続を求めます。
 加えて、肥料をめぐる情勢にも変化が起こっています。令和3年以降、国は、不安定な国際情勢を踏まえて、輸入に頼っている化学肥料を国内産に置き換えていく政策を打ち出しました。国内資源の活用、原料の安定調達、価格急騰の対策の観点から、国内肥料資源利用拡大対策事業等を始めています。
 ペレット化の機器の新設、修繕、更新への補助事業もされていますので、まずは造粒機の更新をして堆肥センターを存続することを求めますが、いかがですか。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 堆肥センターの基幹設備には、造粒機以外にも、発酵槽、乾燥機、設備に組み込まれている各種モーターなどがありますが、いずれも設備設置から30年が経過し、老朽化していることから、造粒機のみを単独で更新することは考えておりません。
 今議員さんがおっしゃった、造粒機の更新に国庫補助が活用できるということなんですけれども、この国庫補助を活用するためには、単なる設備更新ではなく、効果の拡大が必要となります。造粒機を更新することで、製造する堆肥の機能強化や販路の拡大、製造量の増加といった計画目標を掲げることになりますが、協力世帯の減少やペレット販売の落ち込みという現状を踏まえますと、採択は難しいものと思われます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) いやいや、何を言われているのでしょうか。この事業をしっかり拡大していくことこそ今求められているのではないですか。ペレット販売促進、どれだけされたのでしょうか。また、今船穂町の方だけこの事業に参加していますけれども、小平市のように、例えばグループを組んでやるという方法だってあります。全市に広げていく、そういうこともできるじゃありませんか。
 機械が壊れたからここでやめる、そんなことは許されないですよ。もっともっと努力すべきじゃありませんか。
 補助事業の検討について、計画が立てられない、そんなことはないでしょう。もう一度補助事業の検討をしてほしいと思いますが、いかがですか。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 運営コストがかかるということで、その経費支出削減に向けまして農業公社のほうとも相談しまして、海外情勢により高騰した資材費、燃料費などの生産コストの増加を理由に、施設の開設以来据え置かれた販売価格を見直ししまして、それで令和4年、令和5年に段階的に値段を、1袋10キロなんですけれども、その値段を200円引き上げまして、ペレット販売の収入が増加すれば市からの経費支出も下がるだろうということで、相談して取組をしました。結果として、値上げすると大口の取引先からの買い控えを招いてしまって、想定していた収入増加にはつながらなかったと。
 いろいろとそういった経費削減に向けて何ができるか、それから集める生ごみについても、農業公社のほうも、家庭ごみだけでなくて学校給食であるとか保育園、それから真備の給食調理場とか、そこに声がけをして原材料も集めるといったような形で、いろいろ努力はしてきております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今まで議論してきましたように、船穂町堆肥センターは食品ロス削減の面からも資源循環型社会形成の面からも国内肥料資源利用拡大の面からも存続すべきと考えます。
 4ページ目を御覧ください。
 先ほどありましたように、これも市から出された資料ですけれども、ペレット、堆肥需要の伸び悩み、だから中止するんだというような、これを理由に挙げていますけれども、しかしテクノペレットという肥料があるということはほとんど知られていません。また、学校の花壇や花いっぱい運動にも利用してリサイクルに対する関心を高めるでありますとか、テクノペレットを使ってできた農産物であることを表示して消費につなげるなど、テクノペレット販売促進の手だてはまだまだたくさんあると思います。
 地球温暖化対策を推進していかなければならない今日にあって、今まであったリサイクル施設をやめ、先進的な取組を解体させることは、温暖化対策に逆行します。造粒機を更新した後は、老朽化したほかの機器も更新し、プラント全体の更新を計画的に進めることを求めますが、いかがでしょうか。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 堆肥センターは、大根やニンジンの葉など野菜くずと生ごみを堆肥化して農業生産に活用する環境保全型農業施設として設置されましたが、令和3年5月に地元の環境衛生協議会と施設の在り方について意見交換を行い、その際に、施設の老朽化が進んでいたため、基幹設備が故障した場合は休止せざるを得ないことをお伝えしております。さらに、製造した事業者が撤退し、全国展開できなかったことや、農業生産における野菜くずなどの原材料が集まらないことから、当初の想定と異なり、農業振興に資する循環型施設としての成果が得られていないため、新たに施設更新することは困難と考えています。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今まで議論してきましたけれども、地球温暖化対策をしなければならない、今のこの状況にあって、この施設の役割を捉え直したらいいではありませんか。当初の目的からだんだん情勢が変わってきている、しかしながらこの施設が果たしている役割というのは本当に大きいものがありますし、そしてこれをやめるということは地球温暖化対策に逆行すると思います。
 そして、協議会の方に説明されたというふうに言われますけれども、当時説明されていた内容と私が業者さんから聞いた内容が変わっております。もちろん、時期が違いますから、技術も進歩しております。
 当時、地元の方が、これはできないなと言われたことの一つに、生ごみを集めるのはバケツではなくて袋、これが堆肥化にちゃんとなるような袋に、小さい袋に入れなければならない、このように説明を受けていたので、それはなかなかできないな、それからぼかしをバケツの中に入れる、それだと効率が悪くなるから駄目なような、こういうような説明を当時は受けられていました。しかしながら、現在今いろいろある設備の中で、例えば先ほどの小平市なんかはバケツでやっておりますし、そして令和3年のときにいろいろ示された業者の方にも聞きましたけれども、いやいや全然袋でなくてよろしい、バケツで大丈夫です、そういうふうに言われております。
 ですから、当時説明されたことと今の段階ではかなり違っておりますので、現時点で再検討をお願いしたいと思います。いかがですか。
○副議長(藤井昭佐 君) 大内文化産業局参与。
◎文化産業局参与(大内正徳 君) 代替施設を造っているメーカーとの協議を進めていた当時ですけれども、堆肥センターに使われているEM菌と、代替施設で使われているバチルス菌では菌の特性が異なり、両方の菌を混ぜることを想定した設備ではないため、堆肥製造に支障が出るとの説明を受けておりました。
 それで、代替施設を導入するに当たってはやはり地元の賛同が得られないといけないということで、その当時、堆肥センターにつきましては、バケツに入れた生ごみにぼかしを加えて保管するというような取組なんですけれども、新しく導入を提案した代替施設は、溶解性のフィルムを使ったごみ袋、堆肥製造時に溶けてなくなるというふうな、そういった特殊フィルムのごみ袋なんですけれども、それをまずはメーカーから提供されたサンプルのごみ袋を用いてちょっと地元のほうで試行してくださいと。なので、大きなごみ袋じゃなくて、サンプルだったのでちょっと小さかったんですけれど、それを使って試行してもらって、ごみの保管いかがでしょうかというのをお聞きしたんですけれど、やっぱりちょっと不具合があるなということで、賛同を得られなかったという事情がございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) ですから、当時説明したことと今現在では違いますから、再度ちゃんと協議をしていただきたいと思います。
 それから、引き続いてこれに関連して再質問させていただきたいと思いますが、令和3年3月に策定した一般廃棄物処理基本計画には、倉敷市船穂町堆肥センターで行われている生ごみの堆肥化事業はどのような方針として決めているでしょうか、お答えください。
○副議長(藤井昭佐 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 令和3年3月に策定した倉敷市一般廃棄物処理基本計画の基本施策の中で、生ごみ堆肥化事業の推進については、倉敷市船穂町堆肥センターで行われている生ごみの堆肥化事業を継続し、家庭へは、段ボールを用いて作る生ごみ堆肥の作成方法や堆肥利用方法などを、広報紙や市のホームページを通じて紹介を行うというふうな施策として記載しております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今お答えいただきましたように、ちゃんと倉敷市の計画の中に、倉敷市船穂町堆肥センターで行われている生ごみの堆肥化事業を継続しとあります。さらには、継続・重点とあるんです。ですから、もっともっと努力が足りないと思います。
 さらに言うならば、令和7年度、今年の実施計画にも同じように書かれているでしょう。自ら立てて方針として、継続そして重点、こういうふうに出されている事業について、もっともっと努力をしないといけません。
 そして、造粒機については更新できる可能性があるわけですから、再度検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○副議長(藤井昭佐 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 先ほど説明させていただきました現在の倉敷市一般廃棄物処理基本計画は令和2年度に策定したものであり、おおむね5年ごとに、国の循環型社会形成推進基本計画や社会情勢の変化などとの整合を図りながら改定を行うものでございます。
 生ごみ堆肥化事業につきましては、計画策定当時は、合併時同様、引き続き継続すると位置づけておりましたが、先ほども答弁いたしましたように、現在は多くの課題を抱えていることに加え、想定していなかった基幹設備の故障が発生し、休止せざるを得ない状況になっております。
 本計画は、策定5年目に当たる今年度、見直しを行っているところであり、生ごみ堆肥化事業についても今回の事象を見込んだものに改定する必要があると考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今回の事象を組み込んだものに改定するというふうに勝手に市のほうが言われますけれども、この計画変更については十分住民の意見を入れていただきたいと再度申し上げたいと思います。
 船穂町の皆さんは、30年間、生ごみを集めて、そして環境に対する意識も高めてきて、そして続けてきたんです。そしてまた、見守り、そういった役割も果たしてきているんです。これをやめてしまったら一瞬にしてこの仕組みは崩れてしまいます。そういったことも十分考慮して、そして継続していただくことを再度求めて、次の項目に移りたいと思います。
 次に、大項目2項目め、福祉行政について2点お伺いいたします。
 まず、生活保護行政についてです。
 私は、令和7年6月議会において、生活保護基準は国が国民に保障している最低生活の水準であり、生活保護制度利用者だけの問題ではなく国民全体の問題だ、生活保護基準は平成25年、2013年から平成30年、2018年まで約5年間で3,000億円が引き下げられた、物価高騰の中、生活保護制度利用者の生活をどう認識しているのかと質問をいたしました。市の答弁は、生活保護費として適正な額になっているものと認識しているというものでした。
 しかし、6月27日、最高裁において、平成25年から平成27年にかけての生活扶助基準引下げは違法として取り消す判決が出されました。この最高裁判決を受けて、生活扶助基準が現在の生活保護利用者の生活実態に照らしてどうなのか、市としての現在の認識をお伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) このたびの最高裁判決では、平成25年度に改定された基準の引下げに対して大阪地裁、名古屋地裁で提起された訴訟について、取消し請求が認められたものでございます。現在、国において専門委員会を立ち上げ、今後の対応について審議しているところであります。
 生活保護制度は国の制度であり、国の責任において検討されるべきものであり、倉敷市としましては、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 再質問させていただきます。
 生活保護の利用者は、今、物価高騰の中、食費を削って厳しい生活を強いられています。国に対して、最高裁判決に沿って生活保護基準の見直しを早急に行うように要望していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 生活保護基準の見直しについては、令和6年度に中核市市長会から、生活保護基準の5年ごとの基準改定ではなく、経済状況や物価高騰などの実態に合わせた柔軟な見直しを行うよう提言しているところでございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今回の最高裁判決に沿って見直しが早急にされるように、引き続き、あらゆる機会を通じて国に要望していただきたいと思います。
 次に、生活保護ケースワーカーについてお伺いいたします。
 ケースワーカーは、利用者の生活の相談を受け、その人が抱える問題の把握、支援策の検討、援助計画の立案などを行い、支援対象者の自立を促す役割を担うとされています。
 ケースワーカーは80世帯に1人の配置が目安になっていますが、本市は生活保護ケースワーカー1人が何世帯を担当していますでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 令和7年7月現在、本市の生活保護世帯は5,550世帯で、本市のケースワーカーは67人です。ケースワーカー1人当たり約82世帯を担当しております。社会福祉法の基準を満たしております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 先ほど私も、80世帯に1人の配置が目安になっているということで、基準が緩和になって、目安というふうになっていますので、82世帯ということなのでほぼそれに合っているということですけれども、できるだけ80世帯に近づくように努力していただきたいと思います。
 次に、ケースワーカーの専門性の確保についてお伺いいたします。
 生活保護のケースワーカーは専門性の高い業務と認識しておりますけれども、社会福祉士や社会福祉主事任用資格などの資格を持っていない職員が配置された場合、どのような対応を行っているのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 専門資格を持っていない職員が配属された場合には、配属初年度に指定の通信課程を履修して、社会福祉法で定められました任用資格である社会福祉主事を取得することになっております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、生活保護行政の実態を踏まえ、最後の命綱の役割を果たすケースワーカー職員の拡充を求めて質問いたします。
 生活保護制度は、年々複雑化しています。保護費の計算一つ取ってみても、細分化し、複雑になっています。また、生活保護利用者が抱える問題も、社会情勢を反映して課題が多様化しており、ケースワーカーにかかる負担が増大しています。一部の利用者からは、状況を十分聞いてもらえない、必要な支援を受けようと思っても時間がかかるなどの声が出ています。必要な支援をしていくためには、国が定めている80世帯に1人では到底支援の手が回っていないのが実情です。
 本市において、最後の命綱の役割を果たす生活保護ケースワーカーの人員体制を、国の基準にとどまらず拡充を求めますが、いかがでしょうか。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 本市におきましては、令和4年度以降、生活保護世帯数が増加しており、中には複合的な課題を抱える世帯も増加してきております。様々な課題への対応や必要な支援の実現に向けて、ケースワーカーへの定期的な研修や、関係する支援機関との連携強化など、実施体制の向上を図るとともに、社会福祉士などの有資格者を積極的に配置しているところでございます。また、令和3年度からは保健師を配置し、病気を抱える世帯の対応や医療扶助の適正化に取り組んでおります。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 市独自で一遍にというわけにはいかないとは思いますけれども、保健師さんを配置してくださったことは高く評価しております。引き続きよろしくお願いいたします。
 この項2点目、重層的支援体制についてお伺いします。
 市民が抱える課題は1つの課だけでは解決できないことも多々あり、生活福祉課、障がい福祉課、保健所、子育て支援センター等々、重層的支援が必要なケースが増えています。
 本市において、各課横断的に支援をする重層的支援体制の整備状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 倉敷市の重層的支援体制整備事業でございますが、まず令和4年度から3年間の移行準備期間を経て、今年度から本格実施をいたしております。国全体としても、このようなスケジュールとなっております。
 支援体制としましては、高齢者の方、障がい者の方、子供さん、生活困窮者など、多分野にわたり複雑化や複合化した課題を抱えられる世帯を支援するための仕組みでございまして、私たちといたしましては、平成30年7月豪雨災害の際に被災者の方々に対して行いました、当時様々な課題を抱えておられました、これをみんなで解決していったときの仕組みである真備支え合いセンターの支援体制を構築した経験を踏まえながら、この倉敷市での体制づくりを行ってきたところであります。
 この重層的支援体制整備事業における各世帯への個別支援でございますけれども、国全体としては令和7年度、本年度からが本格実施でございますが、市といたしましては、制度のはざまにある方など、各分野の支援につながりにくい事例などについては、令和5年の7月から支援を行っているところでございます。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 今御説明をいただきまして、もうスタートしているということではございますけれども、市民の方からの生活相談を受けていて、市の重層的支援体制がなかなか見えにくいわけですけれども、重層的支援体制の具体的な事例への活用はどのようにしているのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(藤井昭佐 君) 野田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(野田和男 君) 本市の重層的支援体制整備事業においては、直接、市民に接している各支援機関が、連携して支援できるよう取り組んでおります。具体的には、高齢、障がい、子供、生活困窮など複合的な課題を抱える世帯に対応できるよう、世帯全体を視野に入れて、複数の支援者による支援チームをつくり、役割分担等を行い、個別に支援しております。また、その後も必要に応じて一定期間のモニタリングを行い、状況の確認をいたしております。
○副議長(藤井昭佐 君) 田辺 牧美議員。
◆10番(田辺牧美 君) 状況に応じてモニタリングなどもして、継続的に支援をしてくださっているという御説明でございました。
 今後とも、市民の福祉向上のために、福祉行政のさらなる充実を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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