令和8年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月4日(水) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
池田 和夫 議員
1 市外出身の市議会議員が見た倉敷市の所感について
2 中小受託取引適正化法(通称:取適法)について
3 現場の実態に即した消防団員の人材確保と行政の支援体制について
◆6番(池田和夫 君) (拍手) 皆様おはようございます。公明党倉敷市議団の池田 和夫です。議員を拝命して、先月で2年目がスタートいたしました。しっかりと、これからも市民の小さな声を拾い上げて市政に届けながら、倉敷市民の住みよい暮らしと、また倉敷市が発展していきますように懸命に働いてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、一問一答方式にて3項目について質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
それではまず、1項目めの質問です。市外出身の市議会議員が見た倉敷市の所感について4点お伺いいたします。
冒頭に、2つの工業都市を比較するという、私ならではの視点についてお話をいたします。
私は、宮崎県延岡市で生まれ育ちました。23歳のときに出張で初めて訪れて以来、出張と転勤などを経て、人生の約10年をこの魅力あふれる倉敷で過ごし、縁あって5年前に2度目の移住をしてまいりました。議員を拝命してからの1年、本市の施策の質の高さや職員の皆様の情熱に、日々深い敬意を抱いております。
倉敷市は、あらゆる面で非常に充実したすばらしい都市です。しかし、現状に満足せずにさらに飛躍するためには、倉敷への市民としての愛情と外からの客観的な見方を合わせた、他のまちと比較する視点が不可欠であると考えます。本日は、同じく強力な産業を持つ故郷延岡市と第二の故郷倉敷市を比べながら、本市のまち全体の健康状態について浮き彫りにしたいと思います。市民の体の健康、経済の健康、そして環境の健康、この3つの視点から、将来にわたって発展し続けるための建設的な質問をさせていただきます。
この項1点目、地域医療の守り方についてお伺いいたします。
全国の地方都市が直面する医師不足は、避けて通れない危機です。私の故郷延岡市でも、過去に宮崎県立延岡病院で深刻な医師不足が発生いたしました。退職等により複数人の医者が病院を離れ、その中では神経内科が休診状態となり、脳梗塞への対応が困難になるという事態に陥りました。この窮地に立ち上がったのは、市民でした。みんなで守ろう!地域医療を合い言葉に15万人もの署名を集め、その熱意を背景に平成21年、延岡市は全国初の地域医療を守る条例を制定したのです。
この条例の肝は、行政の整備だけではなく、市民、医療機関、市の3者が役割を分担し、協力する姿勢を明確にした点であります。特に市民は、かかりつけ医を持つ、安易な時間外の受診、いわゆるコンビニ受診を控える。医療従事者に感謝を持つといった役割が上げられました。市民の意識改革こそが、医療体制を維持する最後のとりでなのだと思います。
本市には、全国屈指の病院が存在しますが、この恵まれた環境は決して当たり前ではなく、守るべき貴重な財産です。
そこで、以下2点について本市の所見を伺います。
1点目の質問です。地域医療を守るための取組と条例制定の必要性についてお伺いいたします。
倉敷市の医療環境は恵まれており、貴重な財産ではありますが、この医療環境を守るためには、かかりつけ医を持つことや安易な時間外の受診を控えることは重要だと考えます。
本市での啓発活動はどのようなものがあるか、お伺いします。また、地域医療を守る条例の制定について、市の認識をお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 種本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(種本和雄 君) 池田 和夫議員さんの御質問にお答えいたします。
本市では、医療資源を有効に活用し、地域医療を維持するため、かかりつけ医を持つこと、安易な時間外の受診を控えることなど適切な受診等について、市のホームページや公式アプリ等で啓発しております。
さらに、インフルエンザの流行が急拡大した昨年末には、医療提供体制の逼迫を防ぐため、児童、生徒等の保護者や市内の事業所に、適切な受診等についてのチラシを配布するなどの啓発も行ってまいりました。
なお、本市における医師数や病床数等の医療環境を勘案し、地域医療を守る条例の制定までは予定しておりませんが、地域医療を守り、誰もが安心して必要な医療を受けられるよう、様々な機会を通じて、引き続き適切な受診等に関する啓発に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) では、引き続き周知徹底していただきたいと思います。
続いて、2点目の質問です。地域医療の維持に向けた医療、介護の連携についてお伺いします。
今後、高齢者が増加し、将来的には医療資源の不足も懸念されます。本市においては、医療機関が充実し、恵まれた環境にありますが、ベッドや人材は限りがあります。地域医療の維持に向けて、今後増加する需要に対応できるためにも、医療と介護の連携強化が極めて重要だと考えます。
誰にでも訪れる最期のときまで住み慣れた自宅で過ごしたいとの高齢者の声を聞きますが、医療と介護が連携して対応することで、高齢者や家族が、そのような選択ができるのではないかと考えます。このような選択肢が広がることによっても、貴重な医療資源の維持につながるのではないかと考えております。
先日の代表質問の中では、医療と介護の切れ目のない支援に向けて、関係者が集まり、医療と介護の連携強化に向けての取組の検討を行っているとの御答弁がありましたが、現在本市が行っている具体的な取組をお示しください。
また今後、高齢者が増加する中、医療資源の不足が懸念されます。医療と介護の連携強化は、地域医療の維持にもつながるのではないかと考えます。先日の代表質問の中で、医療と介護の連携強化に向けての取組の検討を行っているとの御答弁がありましたが、現在本市が行っている具体的な取組をお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 月本保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(月本清治 君) 医療や介護が必要な状態になっても、住み慣れた場所で最期まで暮らし続けるためには、切れ目のない医療と介護の連携が重要と考えております。
本市では連携の強化に向けまして、医師、看護師、ケアマネジャー、高齢者支援センター職員などの医療・介護専門職をメンバーとして、医療と介護の連携に関する検討会を開催し、それぞれの立場から見た課題の共有と解決に向けた意見交換を行っております。
また、倉敷市連合医師会に委託し、在宅医療に関する研修会を開催しており、医師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなどの多職種が参加し、顔の見える関係づくりや相互理解にもつながっております。
引き続き、医療と介護の連携強化に向けた取組を進めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 医療と介護の連携強化に向けた取組を引き続き続けていくということも、それぞれの分野の専門の人材が必要だと考えておりますので、そちらの人材確保についても、並行してよろしくお願いしたいと思います。
この項2点目、スポーツを中心としたまちづくりと経済の活性化についてお伺いいたします。
先日の代表質問において同様の質問がありましたので、私からの強い要望とさせていただきます。
市民の健康が守られた先には、まちの活力である経済の健康が不可欠です。本市が誇るマスカットスタジアムや屋内水泳センターなどの優れた施設群を、単なる場所貸しにとどめるのは惜しい資源の損失です。これらを、市外から人を呼び込み、経済の好循環を生み出すスポーツツーリズムの推進力へと転換していくべきだと考えます。
私の出身地である宮崎県延岡市では、アスリートタウン延岡を掲げ、旭化成陸上部などのトップアスリートを活用した合宿誘致を行っております。また、総事業費約118億円を投じ、九州太平洋側では最大規模の新宮崎県体育館、名称がアスリートタウン延岡アリーナを整備し、いよいよ来月、2026年4月18日に正式な利用開始を迎えます。同市は、他の施設整備と連動し、合宿による延べ宿泊人数を年間6,000人とする目標を掲げておりまして、スポーツが閑散期の宿泊・飲食業を直接支える経済効果は、本市にとっても大いなる参考となると考えます。
本市には、すばらしいスポーツインフラと歴史、文化、食という強力な観光資源があります。これらにスポーツを掛け合わせれば、滞在型観光の新たな価値を創出できるのはないでしょうか。
折しも本市では、令和9年に向けたスポーツ都市宣言の審議が本年から始まります。この絶好の機運を捉え、宣言を単なるスローガンで終わらせないために強く要望いたします。スポーツ振興課とMICE(マイス)推進室をはじめとする関係部局が強力に連携し、トップレベルの合宿誘致や滞在型観光の拠点化に向けた具体的な戦略を早期に策定し、閑散期の地元経済を支える柱として実行に移していただくことを要望させていただき、次の質問に移ります。
続いて、この項3点目でございます。若者が選ぶ魅力ある産業都市についてお伺いいたします。
本市の産業活力の維持には、若者の地元の定着とUターンが不可欠です。既存の産業構造に甘んじることなく、若者にとって魅力的な新たな技術や事業が生まれる都市への進化が必要です。
例えば、延岡市では、中小企業のGX支援による生産性向上に加え、産学官連携による若者定着施策に強力に取り組んでおります。具体的には、若者の主な流出先である県外の学生をターゲットとした実践的なインターンシップ事業や、地元企業の社会人が学校で直接教壇に立つキャリア教育、よのなか教室というふうに呼んでおります、それらなどを展開し、就職前の早い段階から地元企業の魅力発信とUターン促進に戦略的に注力しております。
本市においても、若者を引きつけ、倉敷で働きたい、戻ってきたいと思ってもらうには、市内企業の新事業展開等による魅力向上や創業しやすい環境整備、さらには新産業の創出が鍵となると思いますが、本市として、それらにどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織 君) 若者にも選ばれる魅力ある産業都市についてということでございますけれども、創業、また新事業の展開、そして成長産業等、様々支援部分があるというふうに思っております。
まず、創業につきましては、創業にも非常に力を入れなければいけないというふうに思っておりまして、市では平成23年度からくらしき創業サポートセンター、これは市内の金融機関の皆さんとも一緒になりまして、相談を受け付けていろいろなアドバイスをしたり、創業につながっていったりしているわけですけれども、1年間の例えば相談件数、平成23年度が187人だったところが、直近の令和6年度では1,666人などと、毎年非常に増えてきております。
また、創業をされていくに当たって相談のこと、またそれから起業塾なども開催をしておりますし、それから2か所のインキュベーション施設の運営、これは創業時ですので、比較的抑えられた価格でお借りいただけるということ。
また、創業関連の融資につきましても、ちょっと今手元にここ3年ぐらいのしかないんですけれども、創業関連融資でも、令和4年度は83件で2億6,000万円ぐらいでありましたのが、令和6年度は196件で6億3,000万円ぐらいという形で、創業関連の支援も増えております。
そして、現在は、特に起業をされた方、会社の皆さんたちが新商品の開発とか研究開発等が促進されまして、新たな事業展開につながる経営革新の支援事業費補助金ということも設けまして、それを、今ちょうどこれを募集をしていくという状況になっているとこでございます。
また、特に若者の方にも人気がありますアニメなどを中心とするコンテンツ産業への支援とか、今後成長が見込まれる飛行機、航空関連産業、ドローン等も含めまして、そういうところにつきましては、現在市が地域おこし協力隊も配置をしまして、関連企業の誘致なども行っているとこでございまして、このような形で各方面から創業相談から創業、起業、発展、それから新産業の支援や誘致など、全般的な形で魅力ある産業都市と、もちろんもともとございます大変すばらしいそれぞれの企業に加えまして、新しい分野、創業についても力を入れていきたいと思っております。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 市長のほうから、るる取組を答弁していただきました。今後も、若者が魅力あふれる地元定着に、また回帰に向けた取組を今後もよろしくお願い申し上げます。
この項4点目、クリーンな大気環境を目指してについてお伺いいたします。
最後に、将来にわたる都市経営の仕上げとして環境の健康について伺います。
市民が真にこのまちを愛し、誇りを持つためには、クリーンな大気環境が不可欠です。私の故郷延岡市では、かつての深刻な大気汚染問題を乗り越え、環境基準を持つまちへと生まれ変わらせました。昭和時代ですが、高さが低かった煙突を180メートルへと高さを延長し、その後、煙突からの排出ガスを国の基準へと継続して管理していった結果、私と家族を含め延岡へ帰省するたびに、空気がきれいでおいしいことを肌で感じております。
本市の水島コンビナートにおいても、煙突から出される排出ガスは国の基準値内であり、関係者の皆様の長年の努力により劇的な改善を遂げていることは、十分に承知をしております。しかし、つい3か月ほど前の市民相談では、以前と比較してここ数年、降下ばいじんが増えていないか、市に確認してほしいと、そういった相談がありました。降下ばいじんの数値は近年、ピーク時に比べ大きく数値は低下しましたが、ここ数年はほぼ横ばい状態であり、特にコンビナート周辺の降下ばいじんは、周辺市民の安心感とまちへの愛着を損なう要因となっているのではないでしょうか。
他市の工業地帯などでは、現状の数値には満足せず、さらに上を目指した設備対策が導入されております。企業の社会的な責任を後押しし、環境重視の時代における都市の競争力を高めるため、具体的な答弁を求めます。本市の降下ばいじん対策の現状はどうであるか。また、さらに削減を行っていくための粉じんの飛散防止対策について、今後の市の取組についてお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 外村環境局長。
◎環境局長(外村博之 君) 本市では、降下ばいじん対策として、工場などから排出されるガスの検査や、環境保全協定に基づく施設新増設時の事前協議において、粉じんの低減指導を行っております。
さらに、平成30年度に倉敷市降下ばいじん対策事業実施要綱を策定し、毎年事業者に粉じん飛散防止対策の計画書の提出を求めるとともに、対策状況について現地確認し、必要に応じて追加対策を実施するよう指導しております。
令和7年度は、コンビナート企業を含む15事業所に対して、設備の密閉化や粉じんカバーの設置、散水や清掃の強化など、現地に出向いて具体的な指導を行っております。
今後も、引き続き事業者に対して実施要綱に基づく指導を行うとともに、有効な粉じん対策事例を調査するなどし、降下ばいじんのさらなる削減に向けて取り組んでまいります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 水島地区では、僅かな雨で車が黒く汚れ、窓を開ければ家具や床に粉じんがたまる。遠くの景色がかすんで見える。これが、水島地区の地域に生きる市民の皆様の切実な現状です。かつて同様の問題を抱えた北九州市は、行政、企業、市民が一体となり、劇的な改善を成し遂げました。本市においても、降下ばいじんをさらに減少させるため、企業に対し最新の飛散防止技術の導入を促すなど、一歩踏み込んだ実効性のある指導を強化すべきだと考えます。クリーンな大気環境の実現こそが、企業の信頼を高め、市民の愛着を深める未来への投資になると確信しております。
本日提案いたしました医療、スポーツ、産業、そして環境の各項目は、全て市民の誇りという一本の糸でつながっていると思います。市民が地域の医療を守る責任を分かち合い、スポーツが経済を潤し、最先端の産業が若者を引きつける。そんな市民が誇りを持ち、次世代が希望を抱ける倉敷市こそが、私の社会人30年のうち、社会人人生の3分の1の10年を過ごし、愛してきたこの地での実現したい姿であります。延岡市が示した挑戦する精神と本市が誇る強力な産業基盤、この2つを融合させ、100年先も輝き続ける新しい倉敷の形を共につくっていこうではありませんか。本市の未来を見据えた決断を強く求め、次の質問に移ります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員、この際申し上げます。質問の途中でありますが、ここで休憩いたします。再開は11時20分からの予定です。
午前11時 7分 休 憩
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午前11時20分 開 議
○議長(荒木竜二 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
6番 池田 和夫議員、質問項目2番から質問を再開してください。
◆6番(池田和夫 君) 再開いたします。
次に、2項目めの質問です。中小受託取引適正化法(通称取適法)について、その活用と価格転嫁促進に向けた質問を3点お伺いいたします。
まず、物価高騰下における市内経済の現状と適正取引の重要性について述べさせていただきます。
現在、本市の経済は、長引く物価高騰という深刻な局面を迎えています。この難局を打破し、市民生活を守るためには、物価上昇を上回る賃上げの実現が急務であり、その原資となる中小企業の収益確保こそが、今取り組むべき最優先課題ではないでしょうか。
経済産業省の指針が示すとおり、我が国は今、30年間に及ぶ経済停滞から脱却し、継続的な賃上げが実現する成長型経済への歴史的な転換点にあります。ここで重要なのは、価格転嫁を単なるコストの付け替えだけではなく、地域経済の循環を正常化させるための戦略的投資と位置づけることだと考えます。コスト増を中小企業に押しつけるコストプッシュ型のインフレを放置すれば、地域経済は疲弊するのみです。対価を適切に受け取り、それを賃上げと次なる投資へつなげる適度なデマンドプル型の好循環へと強引にでも引き上げなければ、市内中小企業に未来はありません。
本質問は、単なる法遵守の確認ではありません。令和8年1月1日に施行された中小受託取引適正化法を、本市がいかに市内企業の存続と成長を守り抜くのか、不当な取引を排する成長型の経済転嫁を、本市においていかに定着させるか、その見解をお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) このたびの下請法の改正の趣旨は、中小企業をはじめとする事業者が、近年の急激な物価上昇を上回る賃上げの原資を確保するためには、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる構造的な価格転嫁の実現を図っていくことが重要との認識の下、価格転嫁を阻害し、受注者に負担を押しつける商習慣を一掃していくことにより、取引の適正化と価格転嫁のさらなる推進を目指すものであり、市としても重要な改正であると認識しております。
現在市では、改正内容の市ホームページへの記事の掲載や庁舎への啓発チラシの設置を行っており、今後も商工団体や金融機関を通じた周知や、事業者や支援機関が集まる会議やセミナーでの紹介など、市内事業者への幅広い周知に積極的に取り組んでまいります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) これまでの下請法が改正されて、取適法が施行されましたが、このたびの改正は適法基準について、これまでは資本金を基準としていましたけれども、今後はそれに加えて、従業員300人以下という従業員基準が追加されました。また、手形も禁止となりました。さらに、対象取引に従来の物品の運送の再委託に加えて、荷主自身による運送事業者への委託、特定運送委託が追加されたりと、これまでの法の網の目から漏れていた多くの市内事業者が保護対象となる抜本的な改正であります。市内企業に広く周知をこれからよろしくお願いしたいと思います。
この項2点目、価格転嫁を阻む不当な取引に対する国と連携した対応についてお伺いいたします。
法整備は進むものの、現場の実態は極めて厳しいのではないでしょうか。中小企業庁、価格交渉促進月間フォローアップ調査によるデータを御覧いただきたいと思います。
ここで、議長のお許しを得て、資料03のファイルを御覧ください。こちら、第1の1の49図、各コストの変動に対する価格転嫁率の推移の表、こちらを御覧いただきたいと思います。
これが、市内中小企業の血を流すような苦闘の記録です。ここでの価格転嫁率とは、主な発注側企業との間で、直近6か月間のコスト上昇分のうち、何割を価格転嫁できたかの回答を集計したものを示しております。
オレンジ色の労務費の価格転嫁の推移を御覧いただきたいと思います。
左から、2022年3月は32.4%、2022年9月が32.9%、23年3月が37.4%で、同9月が36.7%、一番右側の2024年9月が44.7%となっております。労務費は、2022年3月32.4%から23年3月時に前年から5%は上がりましたが、その半年後には0.7%下がっております。価格転嫁が進んでいない状況でありました。その後、2024年9月は44.7%と、23年9月36.7%から12.3%上昇しました。それでもまだ半分に届いていない状況です。
国の調査によると中小企業においては、原材料費の転嫁率が5割を超える一方で、賃上げの原資となるべき労務費の転嫁率はいまだ5割に届いていません。例えば、1,000円のコスト増に対し450円しか回収できず、残りの550円分は、中小企業が自らの身を削って吸収しているのではないでしょうか。私も、以前は建設業の仕事をしていたのでよく分かります。この物価高を上回る賃金アップになっていない異常事態が、市内企業の賃上げを阻害し、地域経済を窒息させていると考えます。また、中小企業白書に記載されていますが、約1割の企業では、価格交渉が行われていない状況でもあります。
こうした中、このたびの法改正においては、協議に応じない、一方的な価格決定の禁止が盛り込まれました。委託事業による交渉拒否など、価格転嫁を阻む不当な取引に対し、本市として、国と連携しどのように対応していくのか、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) 国においては、毎年全国の事業者約30万者を対象とした大規模オンライン調査を行い、中小受託取引適正化法、いわゆる取適法に違反のおそれのある委託事業者には是正などを求める注意喚起を実施しております。また、同調査や取引Gメンによる訪問ヒアリング、中小受託事業者からの申告など、様々な情報を踏まえ、法違反の可能性がある委託事業者への立入検査を行い、違反行為が確認された場合には改善指導や勧告を行っています。
市といたしましては、中小受託事業者から取引に関する相談があった際は、国が設置する取引かけこみ寺などの適切な相談窓口につなぐとともに、必要に応じて関係省庁へ情報提供を行うことで、価格転嫁を阻む不当な取引の是正や防止に努めているところです。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) しっかりと国と連携して取り組んでいっていただきたいと思います。
続いて、この項3点目、物流事業者の運送委託の適正化についてお伺いいたします。
本市の経済的中心である港湾・工業地帯において重要な役割を果たす物流事業者は、2024年問題による様々な影響が深刻している中、厳しい状況にあります。一方的な代金決定や長時間の荷待ちは、悪い習慣ではなく、法的に禁止行為であります。
このたびの法改正における重要な変更点として、対象取引に従来の物品の運送の再委託に加え、荷主自身による運送事業者への委託、特定運送委託が追加されました。これにより、荷主による一方的な代金決定や長時間の荷待ち等を無償で行わせる行為は、法的禁止事項となりました。
法改正を契機に、市として適切な価格転嫁を含む物流事業者の運送委託の適正化にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹 君) このたびの法改正により、対象取引に荷主自身による物流事業者への委託が追加されたことについては、最新の国の調査による価格転嫁実施状況の業種別ランキングにおいて、トラック運送業が30業種中27位と、価格転嫁が進んでいないことに加え、立場の弱い物流事業者が荷役や荷待ちを無償で行わされているなど、荷主と物流事業者との間の問題が顕在化していることを踏まえたものと認識しております。
市といたしましては、市内の物流事業者団体や関係立地企業とも連携して、物流事業者及び荷主企業の双方に対して周知を行い、改正法の遵守を促進することにより物流事業者の適切な価格転嫁など、運送委託の適正化につなげてまいりたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 前向きな答弁を評価し、市へ強く要望させていただきます。
中小受託取引適正化法の実効性を高めるために、攻めの周知徹底、国と連携した相談体制の構築、物流事業者の徹底保護、この3点は、適正な価格転嫁と市内企業の賃上げ実現に向け、市の力強いリーダーシップを求め、この項の質問を終わります。
続いて、3項目めの質問です。現場の実態に即した消防団員の人材確保と行政の支援体制について3点お伺いいたします。
消防行政について、前回12月議会に引き続き、消防団員の人材確保について伺います。
前回の12月議会において、本市の消防団員数が近年微増傾向にある点について質問した際、消防局長より、PR動画やチラシを活用した広報活動の成果である旨の御答弁をいただきました。その際、私は地道な広報活動の成果と推察し、一定の評価をさせていただきました。しかし、その後、現役消防団員の方で12月議会をケーブルテレビ等で視聴されたという方から、大変切実な声をお聞きする機会がございました。本日は、現場の消防団員と行政の認識のずれを埋め、真の消防団支援の在り方を問うために再び質問させていただきます。
この項1点目、消防団PR動画などの費用と広報施策の効果の検証についてお伺いいたします。
前回答弁のあった倉敷市消防団PR動画等の制作や広報活動において、具体的にどれほどの費用を使用し、それによって客観的にどのような効果があったと分析されているのか、お示しください。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 倉敷市消防団の消防団員確保を目的として、令和5年度から令和6年度に実施した倉敷市消防団PR動画の制作費や倉敷駅西ビルスカイビジョンなどの放映料、市内大学生との座談会、地元スポーツチームに協力していただき作成したチラシ、ポスターの印刷費などの費用は総額200万円となります。この費用のうち約100万円については、消防団の充実強化を目的とした消防庁の消防団の力向上モデル事業からの補助を活用しております。
また、その効果ですが、PR動画作成前の消防団員数は、いずれも4月1日現在の人数で、令和3年1,875名、令和4年1,837名、令和5年1,827名と減少傾向でありましたが、PR動画作成後は、令和6年が1,847名、令和7年1,849名と微増に転じており、直近の令和8年2月1日現在では1,865名となっております。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 続いて、この項2点目、近年消防団員が増加している理由についてお伺いいたします。
総額200万円のうち、市の持ち出しは約100万円で実施し、団員数が微増に転じたという数字の推移は理解いたしました。しかし、私が現役消防団員からお聞きした声は、PR動画やチラシを見て入団した方がいることは知らない。実際に団員が増加しているのは、分団長や副分団長、部長、班長ら、その他団員が自らの足で地域を歩き回るローラー作戦での勧誘や、地元イベントでの地道な声かけを必死に行った結果だと訴えるものでございました。12月議会時の答弁がPRの効果という内容であったことに対し、それよりも我々の地道な努力の結果ではないかという強い訴えでございました。
そこでお伺いいたします。
ここ数年、消防団員数が増加している真の理由について、現場の団員の直接的な勧誘活動が及ぼしている影響を、当局としてどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) 消防局では、消防団員に入団理由を令和4年度に調査したところ、地域の消防団員、その関係者から誘いを受けたためというものが約9割と、最も多い結果でした。
このことから、消防団員の皆さんが行っている地域のイベントなどに参加しての広報活動が、消防団員数の直接的な増加につながっている大きな要因であると考えております。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 続いて、この項3点目です。広報媒体の活用と充足率100%に向けた現場支援の在り方についてお伺いいたします。
局長から、団員増加の原因の要因は、地域の消防団員の直接的な勧誘活動にあると明確な御答弁をいただき、安心いたしました。これで、現場で御苦労されている団員の皆様も報われるかと思います。
では、団員増加の最大の武器が現場の直接勧誘であるならば、これまで税金を投入して作成したPR動画やチラシ、これらは今後どのように活用して、充足率100%を達成していくおつもりか、お伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 加藤消防局長。
◎消防局長(加藤司 君) PR動画やチラシ、ポスターなどは、消防団のことを広く周知することができ、消防団員の皆さんが行う広報活動の一助となり、後押しできるものと考えております。
今後も、イベントや地域の防災訓練などでPR動画の放映や、チラシ、ポスターを活用した広報を効果的に行い、消防局と消防団が連携して定数の充足率の向上につなげてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 池田 和夫議員。
◆6番(池田和夫 君) 明快な御答弁をいただきました。つまり、市のPR動画などによる認知度向上は、いわば土壌づくりです。しかし、実際に団員数を増やすのは、現場の団員の皆様による直接勧誘という地道な活動にほかなりません。この両輪がかみ合ってこそ、持続可能な地域防災が築かれてまいります。
現在、条例定数2,059人に対し、充足率は90.5%、依然として194人が不足しております。明日発生するかもしれない南海トラフ巨大地震等の有事に備え、充足率100%の実現は急務だと思います。各分団が目標を共有し、一丸となって勧誘に取り組めるよう、消防局から現場へのより緊密な情報提供をお願いいたします。また、何より現場の皆様の努力を、より評価、リスペクトし、その勧誘活動を強力に支える行政運営を心から要望いたします。
以上をもちまして私の質問をこれで終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)