録画中継

令和4年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月4日(金) 本会議 質問
新風くらしき
日向 豊 議員
1 交通政策について
2 田んぼダムについて
◆12番(日向豊君) (拍手)おはようございます。新風くらしきの日向 豊でございます。
 本日議会冒頭に、ロシア連邦によるウクライナ侵略を強く非難する決議を行いました。ロシア連邦のプーチン大統領は2月24日、ウクライナに軍事侵攻を行い、2月27日、ロシア軍で核戦力を運用する部隊に対し、任務遂行のための高度な警戒態勢に入るよう命じたとされております。本年1月にロシアを含む核保有5か国が発出した共同声明の中で、核戦争に勝者はなく、決して核戦争をしてはならないと世界に発信した矢先の発言であり、核兵器のない世界の実現に向け努力を続ける国際社会を大いに失望させる行為であり、日本は世界で唯一の被爆国として、戦略的核兵器の使用を示唆したロシア連邦の暴挙は、決して許される行為ではないと思います。昨日、国連総会の緊急特別会合が開催され、ロシア軍のウクライナからの即時撤退などを求める非難決議案を、141か国の賛成多数で採択しました。
 一方的なロシア連邦の軍事攻撃により、両国民の貴い生命が危機にさらされ、既に多くの犠牲者も出ております。犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表しますとともに、武力での現状変更は決して許される行為ではなく、一秒でも早い話合いによる平和的な解決を願ってやみません。
 さて、新型コロナウイルス感染症の拡大により、今回の議会も通常とは違い、議場へ、執行部と議員も入場を絞り、その上、これまで以上に感染拡大防止の対策を行った上での質問戦となっておりますので、要点を絞り、手短に質問いたしますので、的確かつ前向きな答弁をよろしくお願いして、質問に入りたいと思っております。
 1項目めの質問、交通政策についてお伺いいたします。
 まず、本市では、平成29年度から平成33年度までの5か年の計画で、倉敷市地域公共交通網形成計画が策定されております。少子化に伴い公共交通の利用者が減少、それに伴う路線の廃止や縮小、サービス低下により、さらに利用者が減少するといった悪循環により、公共交通の衰退が危ぶまれているとの現状認識の下、超高齢社会を迎え、将来の移動手段を確保するため、暮らしを支える社会基盤の一つとして捉え、維持、拡充を図る必要があり、集約クラスター型の都市を実現する公共交通の在り方や、市民や地域企業、交通事業者、行政の役割を定め、誰でも手軽にいつでも移動できる持続可能な公共交通網を形成することを目的として、本計画が策定されたと書かれております。
 その計画期間中に、国でも、近年の人口減少の本格化や、高齢者の運転免許の返納の増加、運転手不足の深刻化、公共交通を確保、維持するための公的負担の増加等により公共交通の維持は、容易ではなくなっている点を踏まえて、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正法を令和2年11月に施行し、活性化再生法で定められた地域交通のマスタープランである地域公共交通計画の策定を自治体に促しております。
 本市でも、現行の倉敷市地域公共交通網形成計画の次期計画を倉敷市地域公共交通計画と位置づけ、本年度末の策定を目指してきたとされておりますが、昨年10月22日に行われた倉敷市地域公共交通会議の場で、令和4年9月までの半年間、計画策定が延ばされ、1か月後の翌11月22日に開催された同会議において、さらに半年延ばし、新たな計画の策定時期を令和4年度末になるとされました。
 そのときに、地域公共交通会議の場で配られた資料には、こう変更理由が書かれております。新計画を策定するに当たり、後期高齢者等交通弱者の状況、コロナ禍の影響による交通事業者の状況、公共交通に関する市民の意向など公共交通の現状について、多方面から綿密に把握し、計画策定するためには期間を要するとされているわけですが、延ばした理由としては、いまいち釈然といたしません。
 今回の計画時期の延期により、策定は令和4年度末ということになり、公共交通をどう維持していくのかが喫緊の社会課題の中で、あえて1年延ばした理由は何なのか、また、延ばしたことにより何をしようとしているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) 日向 豊議員さんの質問にお答えさせていただきます。
 倉敷市地域公共交通計画について、現在、令和4年度末の策定に向け、学識経験者、公募市民、高齢者団体、障がい者団体、各交通事業者の代表、国、県、市などで構成される倉敷市地域公共交通会議において、協議、検討を進めているところです。
 本計画は、令和3年度末に策定する予定でしたが、令和2年11月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正され、従来の公共交通サービスに加え、活用が可能となった地域の多様な輸送資源などについて検討を進めることといたしました。また、コロナ禍の影響を受けている公共交通の状況や、アンケート調査などにより市民の意向を丁寧に把握することが必要となりました。
 このため、策定時期を令和4年度末に延伸することとしたもので、今後、状況把握の結果などを踏まえて、具体的な対策を検討してまいります。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 再質問いたします。
 答弁の中で、法律の改正により、コロナ禍における公共交通の状況や、アンケート調査などにより市民の意向をより丁寧に把握することが必要になったとのことですが、より丁寧とは、一体何をより丁寧に把握する必要があったのか、再度お答えください。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) より丁寧にということでございますが、今年度開催しました地域公共交通会議の中で、利用者のニーズをもっと詳しく把握する必要がある、こういったような議論を踏まえまして、このたび、市民3,000名を無作為抽出しましたアンケートを実施することを決定したものでございまして、そのアンケートの内容といたしましては、現在の公共交通の利用状況でありますとか、公共交通を利用していない人に対しましては、なぜ利用しないのか、できないのか、どのような取組を進めれば利用するのか、そういったことを鉄道、バス、タクシー、それぞれの公共交通につきまして、市民の意向を丁寧にお聞きするということになったものでございます。このアンケート内容につきましては、地域公共交通会議の中でも議論して決定したという経過がございますので、よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 昨年3月に策定されました倉敷市立地適正化計画の中では、交通不便地域に暮らす市民の方々は、市人口の約36%に当たる約17万人とされておりますが、その地域の住民の公共交通機関として路線バスなどは、利用者数の減少や路線バス事業者の参入、撤回の自由化により、郊外部等のバス路線は多く廃止され、核家族化や超高齢化が急激に進展する日本社会において、公共交通政策は大変難しい現状でもあると思います。
 先日の山陽新聞で、両備バスグループのバスに、瀬戸ぎわの公共交通を救え!今、正念場ッス!乗って残そう公共交通と書かれたラッピングを施し、窮状を訴える車両を走らせ、このままでは路線維持が困難との危機感を住民に共有してもらい、利用につなげたいとの取組をしているという記事もありました。公共交通事業者に対して、市が現在も支援を行っておりますが、それ以上に路線の維持が難しくなってきているという状況で、大変切実な思いであると思います。
 これまでの議会においても多くの議員から、公共交通を取り巻く課題について質問があり、答弁の中で、地域の多様な運送資源の活用であるとか、タクシーの相乗り等の検討という答弁がなされておりますが、新たな制度はいまだに創設されていないのが現状だと思います。
 今後、交通不便地域における移動手段を確保するための具体的な施策の展開について、どのように考えているのか、お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) 本市では、平成29年3月に策定した倉敷市地域公共交通網形成計画に基づき、交通不便地域における移動手段の確保に向けて、コミュニティタクシーの普及、拡大に努めているところです。
 コミュニティタクシーの導入が困難な地域においては、ボランティア運行や、病院等が行っている送迎サービスの活用など、ほかの自治体の先進事例を参考にしながら、移動手段の確保について検討を行っているところでございます。また、高齢者を対象とした相乗りサービスの実施を模索しているタクシー事業者とも情報共有を行っているところです。
 今後も従来の公共交通に加え、多様な移動手段についても検討していく必要があると考えております。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 再質問いたします。
 答弁の中で、現行の平成29年3月に策定した倉敷市地域公共交通網形成計画に基づき、コミュニティタクシーの普及、拡大に努めているということですが、策定以来、この5年間で新規に参入したコミュニティタクシーは、1事業主体、2方面しかなく、運営主体は社会医療法人であり、地域主体は1件もございません。
 市が作成していますコミュニティタクシー導入の手引きでは、地域の公共交通として、実情に詳しい地域が運営主体となり、地域企業、交通事業者、行政が協働で、つくり、守り、育てることが何より大切で、地域に対して助言や支援を行っていますと書かれております。
 また、私も、質問に先立って過去の交通政策に対しての答弁を平成29年から見直してみましたが、検討、研究といった言葉ばかりの答弁しかありませんでした。
 地域公共交通を支える担い手として、様々な事業体が協働で、地域交通を支えていくことには大いに賛成いたしますが、市が何をもって普及、拡大に努めていると言っているのか、結果からは理解できません。
 検討、研究といった段階はもう既に過ぎており、公共交通は新たな局面に直面している中で、今までどのような検討、研究をしてきたのか、また、どうやって普及、拡大を図っていくのか、再度答弁を願います。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) 先ほどの御質問の中で、平成29年度から地域が運営主体になって設立されたコミュニティタクシーがないという内容があったかと思います。実際、平成29年度以降でございますが、地域の組織は立ち上がったけれども、実際に運行事業者となるタクシー事業者が見つからなかったという事例が、御存じのとおりございます。
 この理由といたしましては、運転手の確保という課題もありましたけれども、コミュニティタクシーが当時他の地区で実施されている中で、地域とタクシー事業者の間で10数年前に取り決めた1便当たりの運行経費が固定されているという状況があったことから、市内のほかのタクシー事業者が、コミュニティタクシーへ参入すると、将来赤字になるかもしれないという不安があったということが分かってまいりました。
 市としては、まず、このような不安を取り除くことが必要であると考えておりまして、これまで運行経費については、地域とタクシー事業者の間で取り決められていたという状況でございましたけれども、今後、市も一定の基準を定めて、積極的に地域とタクシー事業者との調整を図ってまいりたいと考えております。
 そのことによって、タクシー事業者の不安を取り除き、地域に新規のコミュニティタクシー事業者が参入できるような形にしていきたい。このことにつきましては、今後、市内のタクシー事業者のほうに丁寧に説明しまして、コミュニティタクシーの普及促進が図れるように進めていきたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 運行事業者さんが困らないように、しっかり周知徹底等していただきたいと思っておりますが、本市のコミュニティタクシー制度は、運行経費の赤字部分の1割だけ地域組織で負担していただき、9割の部分については市が補助する制度で、平成17年2月より庄新町地区で始まったのを皮切りに、現在、市内9地区で運行が行われていると認識しております。
 運行を担うタクシー事業者において、運転手不足や運行経費の増大などが理由で、運行自体が困難な状況も発生しているというのは認識しておりますし、それらの課題が解決しないまま、現在でも進展があまりなく、拡大が進んでいないという状況も続いていると思います。
 この制度が創設された時点では、その時代に合った大変いい制度だったとは思いますが、2022年1月に中核市市長会が出した都市要覧を見ますと、中核市での自治会の加入率は、全国平均で68%と低下の一途をたどっており、地域によっては、自治会の存続も危ぶまれる地域も多くあります。
 また、本市におきましても例外ではなく、存続が危ぶまれている地域が負担しないと、公共交通が維持できなくなるこの制度は、そろそろ根本的に見直す時期に入っていると思っております。高齢化が進み、身体的にも不自由が生じ、地域の活動ができなくなった方々が自治組織を脱会せざるを得なくなったという話も、最近よく耳にいたします。
 現在のコミュニティタクシー制度は、地域を支える公共交通として、本市の中で大きな役割を果たしてきたとは思いますが、今後、この制度内容では、これ以上の普及、拡大は大変難しいのではないかと考えており、早期に制度を改め、実行に移す必要があると思います。
 現在、市でも制度の見直しを進められているということはお伺いしておりますが、いつまでに制度が改正、施行できるのか、お答えいただきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) 現行のコミュニティタクシー制度は、運行経費の赤字の一部を運営主体となる地域に負担していただくことで、地域が主体となって利用促進を図り、負担が過大にならないよう努力する仕組みとなっており、持続可能な運行につながるものと考えております。しかしながら、導入を検討される地域においては、運営組織の立ち上げや、地域負担についての合意形成を図ることが難しいといった声もあると伺っております。
 また、タクシー事業者においても、先ほども答弁させていただきましたが、運転手の確保や、導入当初に地域と取り決めた1便当たりの運行経費が長年にわたり固定され、人件費や燃料費などの上昇に対応できない状況となっているといった課題があると伺っております。
 本市といたしましては、まずは運行経費が適正に設定されるよう、タクシー事業者や地域の御意見も参考にしながら、令和4年9月末をめどに調整を行い、コミュニティタクシー制度の維持、確保を図ってまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) ただいまの答弁で、令和4年9月末を目途に、運行経費が適正に設定されるよう調整を行うとありましたが、現在進められておりますコミュニティタクシー制度の見直しが行われた後、新たに改正された制度は、地域からの導入の要望があった場合、交通事業者をはじめ、市民の方々が喜んで受け入れてくれる制度でなければならないと思います。
 過去の議会でも質問いたしましたが、私が暮らしている地域においても、いまだに実施には至っておらず、市からのお話を待っているような状況が現在も続いております。
 制度見直しに向けての決意をお示しいただきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) コミュニティタクシー制度については、先ほど答弁申し上げましたけれども、運行経費が適正に設定されるよう、タクシー事業者や地域の御意見も参考にしながら調整を行ってまいりたいと考えております。これにより、継続した運行が可能となり、また、新規にコミュニティタクシーの導入を検討している地域においても、運行するタクシー事業者の参入ができると考えております。
 また、新規にコミュニティタクシーを導入したいとお考えになられている地域がございましたら、市といたしましては、今後も積極的にお話を伺ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 調整により、継続した運行が可能となり、運行するタクシー事業者の確保が期待できるということですので、期待を裏切らないように、しっかりと調整していただくことを要望いたします。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員、この際申し上げます。質問の途中ではありますが、ここで休憩いたします。再開は11時15分からの予定です。

            午前11時 4分  休 憩

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            午前11時15分  開 議
○議長(中西公仁君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 12番 日向 豊議員、質問項目1番の質問を再開してください。
◆12番(日向豊君) 公共交通を取り巻く環境やニーズは、事業者や市民の方々にとっても急激に変化しており、交通政策は、高齢者や障がいを持つ方々の日常の足を確保するという観点では保健福祉局、観光客の足という部分では文化産業局、CO2の削減という意味では環境リサイクル局、学生の通学という点では教育委員会といった多岐にわたる分野で深く関係があると思います。自治体によっては、交通政策を総務部局で担当している市もあります。
 ここで、ある取組を紹介したいと思います。
 日本財団ソーシャルイノベーションアワード2019で審査員特別賞を受賞した、一般社団法人ソーシャルアクション機構が行っている福祉Mover(ムーバー)という取組で、令和2年度、経済産業省の地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金を活用し、群馬県、栃木県、新潟県のデイサービス等の事業を展開する12法人で行われました。
 これは、デイサービス用の送迎バスの空いた席を利活用し、日常の買物や通院などに利用可能なオンデマンド相乗りサービスであり、デイサービスの送迎網を地域の第3の交通網にというコンセプトの下、送迎システム福祉Moverに、はこだて未来大学が開発したAI配車マッチングシステム、SAVSと呼ぶらしいですが、それを連携させることにより、送迎車の相乗りサービス福祉Maas(マース)を実現しております。現在、実証実験が終わり、今は社会実装フェーズに移行しております。
 本市においても、福祉分野と連携しながら、デイサービス等の高齢者送迎システムの活用も検討してみてはと考えますが、見解をお示しいただきたいと思います。
○議長(中西公仁君) 古谷建設局長。
◎建設局長(古谷修司君) 現在、本市における総合的な交通政策の推進に関しては、建設局が所管しておりますが、介護や福祉サービスを利用している高齢者や障がい者の移動の支援や、観光客の公共交通を利用した周遊促進などに関しては、関係する部局との連携や情報共有は重要であると考えております。
 このため、公共交通の活性化や利便性向上の推進等について協議を行う地域公共交通会議には、市の関係部局の職員も出席し、現状の課題などについて共有しております。今後も関係する部局と緊密に連携を図りながら、高齢者等の移動手段の確保に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 先日の代表質問での答弁でも、市民、地域企業、交通事業者、行政が連携して、従来の公共交通に加え、多様な移動手段について検討していくとの答弁もありました。スピード感を持ってしっかりと検討していただき、実現に向けて具体的な取組を進めていただくことを要望して、次の項に移りたいと思います。
 それでは、次の項、田んぼダムについてです。
 平成30年12月定例会において、田んぼダムの有用性についての質問をさせていただき、当時の鈴木参与からの答弁で、他県では大きな効果があると報告されており、本市でも効果があるかどうか検討、検証していくと、大変前向きな答弁をいただき、実際に令和元年度から実施しております。
 まず、これまでの取組と現状についてお伺いしたいと思います。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 令和元年度に豊洲地区と真備地区で田んぼダムの実施試験を行い、田んぼから水路への排水量を調べたところ、大雨によるピーク時の排水量を5割以上抑制する効果が見られたところでございます。
 この結果を踏まえ、令和2年度からは、農業土木委員へ田んぼダムのチラシ配付や説明会を開催し、田んぼダムの理解や周知を図っております。また、田んぼダムを実施している箇所に、のぼり旗を設置する等の普及啓発も行っております。さらに、田んぼダムに取り組む環境整備を図るため、堰板や排水ますの設置、貯水効果が高まるよう、あぜの補強等の支援を行っており、令和3年度には約5ヘクタールで田んぼダムが取り組まれております。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 次に、今定例会で提案されている当初予算案で、大雨時に水田内に水を貯留させて、下流域の内水被害を軽減させる田んぼダムの設置及び普及啓発、効果や適地の見える化を行うための経費として363万1,000円、また、新規事業として田んぼダムの効果検証や適地の見える化を図る経費350万円が計上されております。
 今年度はどのようなことを行おうとしているのか、その内容について具体的にお伺いしたいと思います。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 田んぼダムへの取組でございますけれども、平成30年の豪雨災害を受けまして、流域治水対策ということで、市も令和元年度から取組を進めてきているところでございます。
 今、坂田参与がお話ししましたように、田んぼダムの取組は、令和3年度については約5ヘクタールで実施いただいておりますが、令和4年度については豊洲地区を中心に約40名の農家の皆様に御協力いただき、約29ヘクタールに拡大となる予定でございます。
 市では、取組面積の拡大に当たりまして、新たに田んぼダムに取り組んでいただく水田に堰板等を設置するとともに、田んぼダムの専門家も招きまして、説明、事例紹介などを行って、引き続き普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。これらに加えまして、新規事業として真備地区をモデルに、用水路の幅、高さなどの情報を収集、整理してシミュレーションを行って、そこで得られました田んぼダム導入による浸水被害の軽減効果、排水抑制効果が高い場所の結果なども用いて、農家の方々へ説明を行っていきたいと考えております。
 先ほども、田んぼからの排水量が5割削減されたというお話もございました。こういうことなども含めて農家の皆様方に御説明も行いまして、田んぼダムへの理解を深め、そしてこれは流域治水の大きな一環でもございますので、さらに取組が進みますよう皆様に御協力を求めていきたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) 答弁の中でも豊洲地区、私がいるところでありますが、私もよく地域を車で走り回っておりますが、田んぼダムを行っている田んぼには大分派手なのぼり旗を掲げておりまして、行くところ行くところ、多くの箇所で目にする機会があります。ただ、ほかの地域に行きますと、あまり取組が行われていないというのも、実感としてあります。
 田んぼダムをすると、あぜ塗りとかをしていただけるということなんですが、唯一、河田前副市長が、田んぼダムのためかどうかは分かりませんけれども、元気よく自分であぜ塗機に乗って、近所の方々の田んぼにあぜをつけて回っている姿をよく見かけておりました。これまでも、農業土木委員さんたちの集まりの場では、普及啓発のチラシを配っているという話はよく耳にしましたが、近隣の農家の人たちに話を聞くと、知らないという声が圧倒的で、認知度はまだまだ低いと感じております。
 今後のさらなる取組拡大については、普及啓発が必要不可欠であるように思いますが、どのように行っていくつもりなのか、お考えをお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 本市では、流域治水の一環として、水田の貯留機能を活用した田んぼダムの取組は重要と認識しており、広く普及啓発を図っていくこととしております。
 そのため、今後は農業土木委員に加え、用水組合や土地改良区、農業委員等へも様々な機会を通じて、田んぼダムの説明を行ってまいります。また、広報くらしきで、田んぼダムの紹介を行い、多くの農家の方々に田んぼダムへの理解を広げてまいります。さらに、現在田んぼダムに取り組まれている農家の方の御協力を得ながら、現地での説明会やPR動画を活用するなど、普及啓発を強化してまいります。
○議長(中西公仁君) 日向 豊議員。
◆12番(日向豊君) この取組は豊洲地区におきましても、当初は懐疑的な意見もありましたが、公民館や現地で職員の方が地域の方に説明している姿に、多くの方々も感銘を受け、この事業に協力してみようと思われたという話もよくお伺いしております。やはり担当職員の熱意で、この取組が広がっているんだなというのを実感しております。
 この田んぼダムの取組は、浸水対策という意味で、極めて費用対効果が高い事業だと思っておりますし、農家の方々にとっても、堰板や角落とし、排水ますの設置やあぜ塗りを行うことにより補強もできるといった、非常によい制度だと思っております。しっかりと普及啓発をお願いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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