録画中継

令和4年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月13日(月) 本会議 質問
新風くらしき
平井 俊光 議員
1 地域課題への取り組みを後押しする寄附制度について
2 教師不足の解消と働き方改革について
3 公共施設における品質担保のしくみについて
◆2番(平井俊光君) (拍手)新風くらしきの平井 俊光でございます。
 今回、通告に従いまして、一問一答の方式で3項目質問いたします。
 今回、議長の許可をいただきまして、3枚の参考資料を使わせていただきます。参考資料につきましては、ケーブルテレビやインターネット中継で傍聴いただいていらっしゃる市民の方向けに、フリップボードの活用もチャレンジしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず1項目めの質問です。地域課題への取り組みを後押しする寄附制度について、この項4点質問いたします。
 自治体への寄附制度といいますと、ふるさと納税というものが、市民の皆さんにもなじみがあるのではないでしょうか。ふるさと納税は、高校まで生まれ故郷で育ち、学んだ人たちが、就職によって他の市町や首都圏に移住することが増えていった結果、所得を得られるようになって納税する市民税や県民税が、就職先の市町に納付されるということになってしまう現実がありまして、いやいや、育てていただいたふるさとに何らかの形で貢献できるようにできないかと平成19年6月に第1回ふるさと納税研究会が開かれたことが、この制度の始まりと認識しております。
 制度の浸透とともに、自治体にふるさと納税、実際には自治体への寄附になるのですけれども、ふるさと納税を行うと、寄附を行った額に応じて3割を上限に返礼品がもらえるという仕組みで、自治体への寄附ですから、併せて寄附金控除を受けられる。課税所得に応じてでありますけれども、例えば、課税所得が350万円の方であれば、家族構成にもよりますが、寄附金額から2,000円を除いた1万円から3万円ぐらい税額控除を受けられるということで、確定申告をすれば寄附した額はおおよそ返ってくるということになっております。
 ふるさと納税は、ふるさとに限らずどの自治体にも、用意しているところにはできまして、例えばさきの例ですと、3万円寄附して8,000円相当の返礼品をもらって、確定申告の寄附金控除で2万8,000円戻ってくる。つまり、差引き6,000円得になるということで、自治体のほうも寄附を集めようと様々な趣向を凝らした返礼品を用意して寄附を募って、自治体の財源としている状況かと捉えております。
 ただ、この返礼の仕組みがちょっとくせ者と思っておりまして、もともとは、ふるさとに何らかの形で貢献するといった目的であったものが、いつの間にか、地産品を全国に発信するとか、とにかく全国から寄附金を集めようといった自治体も出てきて、令和に入りましてから、国から指導を受けたり、国との訴訟になったり、指定停止というニュースも聞かれるようになりまして、市民としては、どうしたらいいものかなと疑問を持たれている方もいらっしゃるかと思います。ふるさと納税の本分は、生まれ育った故郷やお世話になったゆかりの地などを対象に、主として地域貢献を行うのが適正な使い方であると思う次第でございます。
 さて、前置きが長くなりましたが、この項1つ目の質問でございます。
 本市におきまして、令和4年度当初予算にふるさと納税充当事業予定表というものが記されておりました。令和3年度における本市で受けた寄附金額、寄附件数、それから1件当たりの平均寄附金額はどうなっていますでしょうか。また、市外の方からの寄附と倉敷市民の方からの寄附との割合はいかがでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 尾崎市民局長。
◎市民局長(尾崎英樹君) 平井 俊光議員さんの御質問にお答えいたします。
 本市が、令和3年度に、ふるさと納税で全国の個人の方から受け付けた寄附金額は2億6,476万8,834円、寄附件数は9,394件、1件当たりの平均寄附金額は2万8,185円となっております。そのうち、倉敷市民の方からの寄附金額は9万2,300円、寄附件数は6件で、全体に占める割合はいずれも0.1%未満となっております。
 ふるさと納税制度では、住所地への寄附に対する返礼品の提供はできないこととされていることもございまして、市民の方からの寄附は少ない状況となっております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 令和3年度に2億6,000万円余りの寄附を受けて、ふるさと納税充当事業に充てられているとお答えをいただきました。また、倉敷市民の方からの寄附は、そのうち0.1%未満ということで併せて御説明がありましたけれども、自分の住んでいる自治体への寄附に関しては、返礼品を出すことができない制度ということでお伺いしました。
 ここで、議長のお許しをいただきまして、質問資料1というのを皆さんにお示ししたいと思います。議員の皆様は、サイドブックスで通知いたしましたので、御参照ください。こんな形のものです。
 さきの前置きの繰り返しにはなるのですけれども、ふるさと納税というのは、自治体が寄附を受け、財源とするとともに、寄附金控除の証明を行うという仕組みで、倉敷市へのふるさと納税では、倉敷市民の方は返礼品を受け取れないということではありますけれども、先ほど6件の寄附もあったということで、倉敷市民も倉敷市へふるさと納税ができるわけですね、できないわけではない。ただ、例外がございまして、市議会議員はできないのですけれども、多くの方の寄附をいただいて、倉敷市における様々な事業に充当しているわけです。
 ここで、ふと考えたわけです。様々な地域課題へ取り組んでいく際に、少額なりともお金はかかる。これを誰が負担するのか。本市におきましても、行政として取り組むべき地域課題として提起されているものにつきましては、様々な補助制度が組まれておりまして、取組を行う町内会や任意団体、NPO法人などから申請を受け、補助金を交付するという制度がございます。
 ここで、この項2つ目の質問で、こういった地域課題への補助制度の一例として、倉敷市飼い主のいない猫の不妊去勢手術費助成事業というのを取り上げたいと思います。
 令和4年度当初予算では、令和3年度と同額の100万円が計上されている助成事業でございますけれども、本年度の当事業の申請状況はいかがでしょうか。また、予算枠以上の申請があった場合の管理はどうされているか。さらに、予算増額の必要性を検証するための調査といったものはどのように行われているのでしょうか。答弁を求めます。
○議長(中西公仁君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 令和4年度の申請状況につきましては、5月末で申請者数は29人、手術件数は109件で、予算額100万円に対して申請額は約96万円となっています。このうち、既に手術が終了して交付決定されているものは45件、約34万円です。
 予算枠が埋まり、希望者が申請できない場合はキャンセル待ちをしていただき、枠が空き次第、御連絡させていただいております。
 予算については、これまでの申請状況などを踏まえ、予算編成の中で検討してまいります。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 5月末で既に申請が96万円に達するということは、96%の状況です。交付決定は今まだ45件分、34万円ということでございました。この補助金を一例として取り上げていますのは、予算がどれだけあればいいのかというのが難しいんですよね。飼い主のいない猫で不妊去勢手術が必要な個体数が、倉敷市全体でどのくらいいるのか分からないし、いたとしても、地域の方が困っていないと言われれば必要がないということもありますし、さらに予算額を決めていくときに、他の様々な事業がある中で適正な予算額はどのくらいかというのは、やっぱり大変難しいことですよね。
 ここで、倉敷市のふるさと納税の充当事業のメニューを見てみますと、寄附先にふるさと応援基金分として、6つの対象分野と市長おまかせコースの中から選ぶことができます。寄附者の意思によって、倉敷市の事業に対して分野別に資金的な応援をすることができる仕組みになっております。令和4年度当初予算においても、分野ごとに寄附金額と事業費、一般財源の内訳が予算書に記載されているところでございます。
 ここで、この項3つ目の質問なのですけれども、このふるさと応援基金の充当について、ふるさと納税は通年で受付をされているわけですけれども、充当する事業及び充当額の見直しというのは、どのような頻度で行われるのでしょうか。また、年度途中で事業費の充当額が増額されたり、新たに充当事業に加えられたりした事例はございますでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 本市のふるさと納税に関しては、通常の返礼品付の寄附に加え、災害復興支援分と新型コロナウイルス感染症対策支援分の3種類を設けております。
 寄せられた寄附金は、年度末にふるさと応援基金に積み立て、寄附をいただいた翌年度の当初予算に計上する事業の財源として活用しております。
 寄附の申出に際しては、寄附者の方に、観光、子育て、防災などの支援したい本市の施策分野を選択していただいており、分野ごとの寄附額に基づいて翌年度に実施する施策への充当額が決まるため、年度途中で事業費の増額や充当事業を追加した事例はございません。
 また、基金を充当する事業につきましては、施策分野ごとに一般財源を要するソフト事業等の中から、毎年度、当初予算編成過程で見直しを行っております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 年度ごとに充当事業の見直しや充当額、事業費の見直しが行われるという御回答をいただきました。
 市民の方が税として納める場合に、その使途を指定することはなかなか難しいのですけれども、ふるさと納税として寄附を行う場合、希望する分野を指定することで、使途を指定することは、ある程度の範囲で可能であります。この仕組みを地域課題の補助事業にも適用することができたら、行政に対する市民の参画意識を高めたり、また寄附行為によって、少しの負担で地域課題の資金面の課題解消に協力することが可能になるのではないかと考えるわけです。
 この項最後の質問になりますが、こういった行政への参画意識、寄附意識を高めるためにも、ふるさと納税の仕組みや運用、事業貢献などを倉敷市民の方に、倉敷市はどのようにやっているかということを広く広報することについて、当局の見解をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) ふるさと納税につきましては、寄附される方が寄附先、使途を選択することが可能な制度でありまして、その選択の過程で、行政への関心、そして参画意識も高めていただけるものと考えております。
 先ほど来ありますように、ふるさと納税は、市民の方には返礼がないということで、実績は少ないわけでございますが、寄附金控除を受けることは同じく可能な制度でございます。
 市といたしましては、市民の皆様に行政に対する参画意識を高めていただくことは大変大切であると考えておりますので、ふるさと納税制度の周知、そして税控除が同様に受けられるわけでございますが、先ほどお話もありましたように、特にこのことに使ってもらいたいという寄附金の使途を限定した指定寄附制度もございます。それにつきましても市民の皆様に広報、PR等を行うことで、寄附によって市の行政に対する参画意識を、さらに高めていただくことについても取り組んでいきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) ふるさと納税だけでなく、担当課ごとに指定寄附の仕組みもあるとPRを行っていただけるということで、ありがとうございます。地域課題について、少しずつでも市民の皆さんとともに助け合って取り組んでいける、そういった地域になれるといいなと願いまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 続きまして、質問の2項目めに入ります。教師不足の解消と働き方改革についてでございます。当項目では4点の質問をさせていただきます。
 さて、令和4年1月に、文部科学省が「教師不足」に関する実態調査という報告書を発表いたしました。臨時的任用教員等の確保ができず学校へ配置する教師の数に欠員が生じる教師不足に関して、年度当初における全国的な実態を把握するため実態調査を実施されたもので、これは書かれたとおりです。
 67都道府県・指定都市教育委員会及び大阪府豊能地区教職員人事協議会(計68)に関して、令和3年度始業日時点及び令和3年5月1日時点、4月と5月の2時点で調査されており、対象は、公立の小・中学校、高等学校、特別支援学校とされています。調査概要では、令和3年度始業日時点の小・中学校の教師不足人数は、全国ですけど、合計2,086人(0.35%)、5月1日時点では1,701人(0.28%)ということでございました。
 小学校の学級担任の代替状況として、学級担任を担当すべき教師が不足している場合に、学級担任がいないという状況を避けるため、本来担任ではない職務の教師が学級担任を代替しているケースが474件という報告もございまして、その理由として、産休、育休、病休者数の増加、特別支援学級数の増加により、必要な臨時的任用教員が見込みより増加したこと。また、採用者数の増加に伴い、講師名簿登録者が既に正規採用されたことにより、講師名簿登録者数が減少していることが大きな要因ということが、アンケート結果として併せて記されております。全国で2,000人足りないというレポートを見ますと、不安になってしまうわけですね。
 この項1つ目の質問といたしまして、本市における今年度の小学校、中学校について、教師不足の状況というのはどんな感じなのですか。状況はいかがでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 今年度の倉敷市における教員の現状でございますが、直近の6月10日時点で、産前産後休暇や育児休業、病気休暇等取得者の代員講師が配置できていない数は、小学校で10名、中学校で1名となっております。
 その要因といたしましては、若い世代の教職員が多く、産前産後休暇や育児休業取得者が増加していることや病気休暇等の取得者の増加、さらに昨年度から段階的に35人学級へと移行していることにより、学級数が増加したこと等が考えられます。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 6月10日時点で、小学校で10名、中学校で1名の講師の方が不足しているという状況を伺いました。さきの文部科学省の報告におきましても、始業日に比べて5月1日時点の不足数が減少しているということから、年度が始まってから代員講師を配置されるという対策が取られていることが推察されます。
 先ほど、産前産後の休暇、育休等の増加も想定されるということでございましたけれども、2点目の質問ですが、この産休、育休、病気によるお休みなど、代員の講師が配置されず、校内で対応している学校があると伺っております。
 本市における代員講師の現状はどうなっておりますでしょうか。また、今後の対策をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 倉敷市立の小・中学校の教師が産前産後休暇、育児休業、病気休暇等を取得した場合は、年度の途中であっても、岡山県教育委員会が速やかに代員講師を配置することとなっております。
 しかしながら、近年は全県的に講師が不足しており、直ちに代員講師を配置することが困難な場合もあり、現時点において、代員の講師が配置されるまで、教務主任や担任ではない専科教員等が臨時の担任をする等、校内で対応している学校もございます。
 講師等の確保につきましては、岡山県教育委員会に強く要望しておりますが、倉敷市教育委員会といたしましても、退職した教員や非常勤講師のみを希望の方、支援員等で教員免許を取得している方等に常勤講師をお願いしたり、常勤講師が配置されるまでの間、非常勤講師を配置したりして対応いたしております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 代員講師の配置は、岡山県教育委員会の責務という御説明がありました。その中でも、倉敷市教育委員会としてできること、講師の確保に奔走されているということを伺いました。
 この講師の確保について、やはり母数がいないと。先ほども全県的に不足していて、臨時に対応されているということでございますけれども、しばらく前に、教員の免許更新制が導入されたと聞きました。教師として学校現場で働きたいけれども、この更新手続に負担を感じ更新していなかったり、更新を辞退したりして、講師の母数そのものが減ってしまっているのではないでしょうか。
 この項3点目の質問ですけれども、そういう状況に対しまして、今年度、文部科学省が教員免許更新制について見直しを打ち出しているというニュースもございました。今後の動向についてどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 文部科学省は、令和4年5月13日付事務連絡、改正教育職員免許法施行後の教員免許状の取扱いについての中で、7月1日の施行日時点で有効な教員免許状は、手続することなく有効期限のない免許状となることを都道府県教育委員会に対して周知いたしました。これによりまして、もう一度学校で働きたいという思いを持っている方が増えるなど、教師不足解消へ一定の効果があると期待をしているところでございます。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後、学校現場で勤務経験のある方や過去の講師登録者に教員免許更新制の廃止を周知し、やる気と知識、技能を有する方の確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 文部科学省においても、制度見直しなど教員不足への対策を打ち出しているところで、それを市教育委員会といたしましても周知を図っていくというお答えでございました。とはいいましても、ちまたの報道を聞いておりますと、そもそも教職員を仕事として捉えた場合に、時間外勤務時間が非常に長いとか、また、IT化の導入、生産性向上のところはなかなか追いついていないという印象を受けております。
 令和3年12月に、文部科学省が公表いたしました令和3年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査というものを参照いたしますと、令和3年4月においては、時間外勤務が月当たり45時間超の方が49.5%、80時間超が8.2%と、調査が始まった平成30年度から少しずつ改善傾向にあるとはいえ、まだまだ長時間勤務の状況があるのかなと読み取れます。
 このような状況におきまして、この項最後の質問になりますけれども、教師不足の解消に向けた働き方改革について、教育委員会は、学校現場で働き方改革を進めることも教師不足解消の大切な要素だと思いますけれども、本市教育委員会の見解をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 教師不足の解消には、学校が働きやすい職場であることが大切であると考えております。そのために、倉敷市教育委員会では、教師業務アシスタントや学校サポーターを倉敷市内の全小・中学校に配置し、教職員の長時間勤務解消に努めております。また、学校における電話対応時間や学校閉庁日を設定したり、校務支援システムを活用して業務におけるICTの活用による事務処理量の削減を図っております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後も時間外勤務の削減のみならず、教育の質の向上、教職人生の充実等を目的として働き方改革を進めるとともに、教職員が心身ともに健康で生き生きと働くことのできる魅力ある職場づくりの取組を推進し、人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 働き方改革は、今日、明日に結果が出るようなものではなく、なかなか難しいと思うのですけれども、将来へ向けてじっくりと継続的に行っていく取組として、しっかりとお願いしたいと思います。
 一方で、最初のところで申しました教師不足の現状というのは、今働いていらっしゃる教職員の皆さんに負担をかけることにもなりますし、これでドミノ倒しのように教師不足になっていってもいけない喫緊の課題ではありますので、こちらのほうも、しっかりと対応を進めていただきたいと思っています。
 先ほど井上教育長からも、教職員の皆さんも一緒に生き生きと働いていける、そういう環境でありたいというお話をいただきましたけれども、やはり子供たちに将来への夢や希望を伝えていく伝道者であると同時に、私たちとともに、この時代を生きている仲間でありまして、共に生き生きと暮らしていきたいと願っております。御紹介のありました電話対応時間に関しての依頼など、保護者側の理解と協力、それから支援も不可欠と考えております。
 PTAというのは、ペアレンツ・アンド・ティーチャーズ・アソシエーションでございまして、保護者と教職員の方が協力し合って子供たちを育てましょうというものと捉えております。
 玉島図書館のそばに新橋という橋がございまして、その傍らに、玉島東中学校区青少年を育てる会が昔から設置している、もうぼろぼろになったブリキの立て看板があるのですけれども、この標語が私は大好きなのです。人の子もわが子も同じ玉島っ子。橋を渡るたびにそれを見ていくのですけれども、玉島に限らず倉敷市が、地域のみんなで人の子も我が子も同じように見守り育てる、そういう地域でありたいと願いまして、頑張ってまいりたいと思います。
 それでは、3項目めの質問に移らせていただきます。公共施設における品質担保のしくみについてでございます。この項4点の質問をいたします。
 今議会に上程されています補正予算(案)に庁舎等再編整備事業として、デザインビルド方式による防災危機管理センター棟整備及び本庁舎長寿命化等を行う事業として、債務負担行為77億円余り、それから児島地区公共施設再編整備事業として、児島地区の5つの公共施設、これは市立短期大学、児島文化センターホール機能、児島児童館、児島憩の家、倉敷ファッションセンターの複合化等の基本構想及び基本計画策定の債務負担行為2,890万円、さらには都市防災公園及び複合施設整備事業として、山陽ハイツ跡地を活用した都市防災公園及び会議室、文化練習室等の複合施設整備事業の債務負担行為21億円余りが計上されております。
 この項のまず1点目の質問といたしまして、これら大きな公共施設の整備に当たって、先ほど基本構想とか基本計画などといった言葉も出てきているのですけれども、大きな流れと各工程の成果物について教えてください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 施設の種類や規模などによって整備工程は異なりますが、新たな公共施設を整備する際には、まず整備に向けた具体的な課題や条件を整理し、整備の基本方針を定めた基本構想を策定します。基本構想策定後、各種調査や関係機関との協議などを行い、整備する施設の機能、規模、性能、事業費見込み、スケジュール等の設計に向けた基本的な条件、業務要求水準を定めた基本計画を策定します。基本計画策定後は、建物の配置計画、平面と空間の構成、機能や性能、内外のデザインなどについて完成時の姿を明確化する基本設計を行い、その後、建築物の細部の形状、寸法、工事材料、設計機器など、工事施工者が設計意図に合致した建物の工事を的確に行うことができるよう、より詳細な実施設計を行います。そして、実施設計に基づき建設工事を行い、供用開始するというのが一般的な工程であると考えております。
 なお、小規模の施設については、基本構想や基本計画を必要としないこともございます。また、PFIやデザインビルド方式などの場合には、基本設計から施工までを一括発注するなど、事業手法や事業規模、施設の特性等によって一部を省略したり、包括して実施したりする場合がございます。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) ここで、議長のお許しをいただきまして、質問資料2を御提示したいと思います。先ほど通知しました資料の2ページ目を御覧ください。施設整備の工程とサービス水準の検証という形でまとめております。
 私も見ながらいきたいのですけれども、先ほどの御説明で大きな公共施設の整備においては、まず基本構想というものを行い、基本計画の中で様々な業務要求水準等をまとめていくという御説明がございました。この公共施設のサービス水準を決めていくのは、やはり業務要求水準のところで要件が入っていることというのが重要なのかなと考えております。
 先日、尾崎議員が、倉敷市自然の家の木質化について問われたり、本日も片山議員から、やっぱり市民の方の関心が高いということで、中央図書館に関する今後の進め方、どのような計画で進められるのかといったような質問もありました。やはり市民の方が直接触れる、利用する公共施設について、今後どのようになっていくのか、よいものができるのだろうか、期待もあり、不安もありの状態ということだと思います。
 ここで、この項2点目の質問です。市民が利用する公共施設を整備する際には、やはり利用者である市民の意見を聞くなど、サービス水準について市民の皆様に理解、納得いただくことや、出来上がった後もしっかり理解いただくということが重要であると考えますけれども、当局の見解をお聞かせください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 市民が利用する公共施設を整備する際には、施設利用者アンケートや指定管理施設のモニタリングで把握している利用者等の御意見を、可能な限り施設に求める性能を示した要求水準書などに反映するように努めております。
 今後も、施設の特性や利用状況などを踏まえ、必要に応じて皆様に御説明することを検討してまいります。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 基本設計の前の段階、基本計画において、整備する施設の機能、規模、性能、事業費見込み、スケジュール等の設計に向けた基本的な条件、業務要求水準を示す。これは令和3年4月に公表されています倉敷市庁舎等再編基本構想の中に書かれていたことでありますけれども、この業務要求水準に基づいて、基本設計の工程で基本設計図書を作成するとあります。
 ここで、3点目の御質問です。最終的な施設の品質は、この設計に入る前のサービス水準をつくる段階で大きな抜け漏れがあると、後からの取り返しは非常に困難なものになると考えております。市民の施設満足度向上につながる、これらのサービス水準はどのように確保されているのか、お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 新たに整備する公共施設の品質確保につきましては、施設が備えるべき諸室や設備等のほか、安全性能、耐久性能、環境性能など、市が求める施設の性能を専門的な知見を有するアドバイザリー事業者の支援を受けながら、事業者公募時の要求水準書に盛り込み、その水準を満たす提案を求めております。
 また、事業者からの提案については、市が求める水準を満たした提案となっているか詳細に確認しており、外部の学識経験者などの有識者で構成する事業者選定委員会において、最も優秀な提案を選定しております。
 さらに、管理運営段階においては、市が求めるサービス水準を満たしているか、毎年度モニタリングを実施しており、施設利用者の満足度を向上させるよう努めております。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 基本設計以降の事業者の選定に当たりましては、有識者が事業者選定委員を務め、あらかじめ定められた評価項目に応じて選定されるということでございましたけれども、これらの選定基準が本当に市民の方の要望が含まれているものなのかどうか、抜け漏れはないのか、この辺の確認をしっかりしていただきたいと考えるところでございます。
 基本設計から実施設計、それから施工にいきましたときに、今回補正予算で上げられています庁舎等再編整備事業は、防災危機管理センター棟と本庁舎長寿命化等についてはデザインビルド方式で行うと提案いただいております。デザインビルド方式は、設計、施工を一括発注する契約形態であるという答弁もいただきましたし、またPFI方式に関しては、設計、施工、管理運営までを一括発注する契約形態です。これらの方式において、各工程に対する課題管理、進捗管理、変更管理、品質管理と多くの管理項目がある中で、やはり発注者として、これらが適正に管理されなければならないと考えております。
 この項4点目の質問ですけれども、おのおのの施設によって所管課が異なると伺っておりますけれども、市の施設所管課は、これらのプロジェクト管理に関してどのように取り組んでいらっしゃるのか、お聞かせください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 事業者との契約締結後は、施設の設計、施工の各工程において、施設所管課と事業者が定期的に協議を重ね、事業全体の管理を行いながら施設整備を進めております。
 また、事業の進捗に応じて、施設所管課の職員だけでなく、PFIやデザインビルドなどの公民連携手法の知識、経験を有する企画経営室や公有財産活用室の職員が同席しサポートするなど、全庁的な協力体制により事業を進めております。
 さらに、事業者側においても、セルフモニタリング等を行うことで、設計から施工までの一体的なプロジェクト管理に取り組んでおります。
○議長(中西公仁君) 平井 俊光議員。
◆2番(平井俊光君) 全庁的な協力体制の下でしっかりと管理し、進めていらっしゃるというお答えをいただきました。とはいっても、これから様々な公共施設の統合、複合化などが進められていく中で、施設所管課や担当者によって施設のサービス水準の品質チェックには、習熟度にばらつきが出るのではないかと思います。やはり、やったことがないことはなかなか難しい。例えば、市民の要望の整理においても多くの意見が出て、しかも、矛盾があったり、無理があったり、過大な要求であったり、なるほどそうだと気づかされるようなものがあったりと、様々あると思います。全ての意見、要望を満たすということは、まず難しいことで、施設の現況や様々な法令の制約、そして予算の制約もあるために、要求の整理と取捨選択が必要になってくるものと認識しております。
 ここで、議長のお許しをいただきまして、質問資料の3を提示いたします。これは、引用してきた資料でとても細かい字が入っているので、分かりづらいところなのですけれども、太線の赤丸で補足しているところとかがポイントであります。
 要求の整理は、大変な作業ではありますけれども、是々非々で、特になぜそうするのか、なぜそうはしないのかといったことについて、市民が理解できる、納得できるものであってほしいと考えております。
 例えば、そういうプロセスを、要求工学という学問分野では、要求獲得プロセスと呼んでおりまして、独立行政法人情報処理推進機構が要求工学知識体系、REBOK(アールイーボック)としてまとめています。これは、その中の説明資料から引用してきたものなのですけれども、基本設計以降の工程においても、このサービス水準をしっかり組み立てていくときに、まず利用者の要望を聞き、範囲外の要求はカットし、制約により実現されない領域もカットし、これならいいかなと、予算が足りなかったから、ここはできなかったけれど、仕方がないなと、そういったような市民の皆さんの御理解、納得をいただけるような水準をぜひとも設定していただきたいと考えております。
 また、基本設計以降の工程につきましても、PFI方式、デザインビルド方式など、方式の違いにかかわらず、これは先ほどの質問資料2に書かせていただいたのですけれども、発注者としてのプロジェクト管理は必要で、これらはプロジェクト管理知識体系、PMBOK(ピンボック)としてまとめられているものがあります。これから多くの公共施設整備が進められていく中で、こういった体系を参考にしながら、適切な品質を確保していただけるよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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