録画中継

令和4年第4回倉敷市議会(第3回定例会)
9月12日(月) 本会議 質問
新風くらしき
芦田 泰宏 議員
1 業務上のミスの防止と内部統制体制
2 地方債について
3 排水機場の管理と災害時の対応について
4 日常生活自立支援事業の拡充への側面支援を
◆3番(芦田泰宏君) (拍手)新風くらしきの芦田 泰宏です。通告に従いまして、一問一答の方式にて進めさせていただきます。
 大項目1つ目、業務上のミスの防止と内部統制体制というテーマで質問させていただきます。
 今年に入って全国の地方自治体で業務遂行に関する重大なミスが立て続けに起こって、役所の仕事への信頼性が大きく揺らぎました。多くの市民が、倉敷市は大丈夫だろうかと感じたと思います。
 そこで、個々の事例に即して、本市の業務プロセスや管理体制では、どのような発生防止策が取られているか、確認したいと思います。
 まず最初は、コロナ給付金4,630万円の1世帯への誤給付事例からです。
 山口県阿武町役場では、コロナ禍の総合緊急対策である住民税非課税世帯への臨時特別給付金1件10万円について、463世帯分の合計4,630万円を1世帯に振り込んでしまうというミスが起こりました。報道では、この463世帯分を銀行に2度振込依頼し、うち1回が特定の1世帯への一括振込だったというふうに聞いております。銀行から指摘されるまで、誰も気がつかなかったということです。
 本事案について、本市では起こり得ないのか、本市のプロセスではこのような事態の発生をどのように回避できる体制になっているのか、御説明をお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 臨時特別給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、様々な困難に直面した方々が速やかに生活、暮らしの支援を受けられるよう、住民税非課税世帯等に対して1世帯当たり10万円を給付するものです。
 山口県阿武町の給付誤りは、職員間の引継ぎが十分でなかったことや、複数チェックがなされていなかったことが原因であると報じられております。
 本市では、令和4年1月に臨時特別給付金室を設置し、業務経験のある職員を配置しております。
 また、給付金の支給業務に当たっては、複数の職員でチェックする体制を取るとともに、二重給付を防ぐため、過去に給付した口座情報と同じものがないか、毎回システムで確認を行っております。
 また、関係部署である出納室においても別途チェックを行っております。
 引き続き、それぞれの業務プロセスで複数の確認作業を行い、適正な給付に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) ここで、すみません、再質問いたします。
 支給業務に当たっては複数の職員でチェックするという部分について、ここが曖昧でよく分からなかったので、支給業務といったら全部支給業務なので、どの部分でどういう作業でチェックするかというところを具体的にお答えいただけたらと思うのですが、よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 給付金の支給に必要な支払いデータが1人につき重複作成されていないかを口座情報からチェックしまして、さらに金融機関に提出する振込依頼票につきましては、件数、金額が正しく記載されているか、複数の職員で確認をしております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 分かりました。複数人員でクロスチェックするというのは、もうすごく何重にもやっておられるというふうなことがよく分かりました。ありがとうございます。
 続きまして、尼崎市で発生しましたUSB紛失事件についてです。
 これも同じく臨時特別給付金に関して、問合せコールセンター業務を受託していたBIPROGY(ビプロジー)社、この施設に同社の協力会社のさらに委託先の社員が、USBを使ってデータを移管するに当たって、そのUSBを紛失したという事例です。
 情報は全市民約46万人分の氏名、住所のほか、住民税や福祉の手当の受給履歴が含まれていたということで、データは尼崎市の市政情報センターにあったものでした。
 本市ではこのような事態は起こり得ないのか、どのような対策が講じられているのか、御説明ください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 尼崎市の報告によれば、委託業者が個人情報データを持ち出す際に許可を得る運用が徹底されていなかったことが主な原因の一つとされております。
 本市では、個人情報データを取り扱う作業は、原則庁舎内で実施することとしており、委託業者が単独でデータを持ち出せない仕組みとしております。委託業者が業務の性質上、やむを得ず庁舎外にデータを持ち出す際には、職員が立ち会って作業を行うとともに、適正な取扱いを実施していることを確認するため、管理体制や実施状況の報告、監査を行うことなどについて契約時に業者に徹底しております。
 また、職員に対しては、e-ラーニング等による研修を毎年行い、情報セキュリティに関する能力の向上を図っておりますが、今回の尼崎市の事例を受け、改めて全庁に業務の再点検を実施するよう指示しております。
 今後も、総務省等の示す情報セキュリティ対策の方針などに基づいて確実な対応を行ってまいります。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) データを出さないようにするということに気を配っておられるということで、万が一データを運ばなければいけなくなったときのルール、今回尼崎市の事例では飲み会に行ってしまっていたというようなこともありましたので、そのあたりもしっかりやっていただけたらと思います。
 続きまして、残念ながら、本市においても本年4月に固定資産税・都市計画税の納付書を減免対象者の一部の方に二重送付するという事例が起こってしまいました。本件については、尾崎市民局長のおわびの会見も開かれまして、議員に対する原因の説明もなされております。
 これによると、減免対象者の減免額のデータが未入力のまま、一旦全員の納付書をまとめて印刷して、後で対象者の分を正しいデータのものと差し替えるというふうな作業をしていたところが、今回これが行われずに送ってしまったと伺っております。
 これに対して再発防止策をお聞きしようと思ったのですが、こちらにチェック体制を強化することで再発防止に努めるというふうに書かれてございます。こういったことはディテールこそが大事で、ちょっと具体性があったほうがいいのですけれども、議会で工程監査みたいなことをするわけにもいかないので、これは質問しません。
 こうした中で、別に、市には監査委員監査というものがあります。倉敷市監査基準には、公金の収納または支払い事務に関する監査というのがありまして、今回の市税の収納業務というのはまさにこの対象になると考えております。監査いただけるものと考えておりますが、いつ監査が行われるのか、お答えください。
○議長(中西公仁君) 竹内代表監査委員。
◎代表監査委員(竹内道宏君) 市税の収納に係る定期監査では、賦課事務におきましては、減免手続が法令等の規定に基づいて適正に行われているか、また徴収事務におきましては、滞納者に対する督促等の事務処理が適正に行われているかなどを隔年で実施し、直近では令和3年11月に実施しております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) すみません。次にいつ行われるかというのをもう一度お願いします。
○議長(中西公仁君) 竹内代表監査委員。
◎代表監査委員(竹内道宏君) 先ほども言ったように、隔年で実施しますので、前回が令和3年11月でございましたから、次回は令和5年度に予定しております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) ぜひよろしくお願いいたします。
 この質問をそもそもなぜするのかというと、ある市民の方からのお怒りの電話から始まっているんです。民間の都市銀行などでは、問題が発生したら金融庁から物すごく詳細にわたるレポートを求められ、再発防止策が適正かどうか詳細にチェックされるということです。なぜかというと、金融機関というのは社会の公器、公の器だからということだそうです。金融システムの信頼性を揺るがしてはならないという理由なんですが、市役所というのはまさに公器で、徴税システムの信頼性を保つというのもこれも当然重要なことでございます。ぜひ緊張感を持ってしっかりやっていただけたらと思います。
 次に、この項最後になりますが、総務省では地方自治体の内部統制体制の樹立を促しておりまして、この目的のために政令市では内部統制に関する方針というのを定めて、それに基づき体制を整備することが義務づけられております。政令市以外では努力義務とされております。本市ではこの内部統制に関する方針を定めておりますでしょうか、まだであればその理由も併せてお答えください。
○議長(中西公仁君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 内部統制に関する方針の策定など、内部統制制度の導入につきましては、業務上のミスなどにより自治体に大きな損害を与えるような不適切な事例もあるため、民間企業で導入されている内部統制制度に倣い、適正な事務処理等の確保を図るということで、平成29年の地方自治法改正により令和2年4月1日から都道府県及び政令指定都市において義務化され、それ以外の市町村では努力義務とされております。
 法改正を受けて本市では内部統制制度の導入に関する検討を進めましたが、制度の整備と運用のため増加する業務量に対し、制度の導入により得られる効果が不明確であることから、制度の導入はいたしておりません。
 これは、本市では現在監査委員制度、包括外部監査制度による監査をはじめ、公益通報制度などによる職務執行適正化の推進、マニュアルの整備や事務改善、各種研修の実施などを通じて内部統制制度導入の狙いである適正な事務の執行が確保されているためです。
 今後もこうした取組を積極的に推進することで、不適正な事務処理が発生しないよう努めてまいりますが、内部統制制度の導入につきましては、国や他自治体の動向も注視してまいります。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 分かりました。現時点ではそういう御判断ということで、それは尊重させていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 続いての大項目に移ります。
 今度は、地方債についてお聞きいたします。
 昨今24年ぶりの円安ということで、ウクライナ危機と併せて、これが現在の我が国のインフレの決定的な要因となっております。円安の最大の要因は、言うまでもなく日米の金利差の拡大でして、これを収めるには日本も公定歩合を上げて金利差をなくしていくというのが直接的な有効な手になります。ところが、金利が上がれば、変動金利でお金を借りている住宅ローンなどは、直ちに利払い額がアップして家計を直撃することになります。このため、戦々恐々としている方も中にはおられるのではないかと思います。
 お金の借入れといえば、倉敷市も一般会計だけで約2,000億円内外の市債を借りております。中には固定レートと変動レートの両方があると聞いておりまして、調達先も国のみならず民間銀行からの借入れも含まれていると了解しております。こうした中、公定歩合がもし上がったら倉敷市の財政にどういう影響があるのか、気になるところです。ということで、具体的な質問に移りたいと思います。
 今回の対象は、一般会計に関する市債に限定したいと思います。
 まず、本市地方債の借入先ごとの比率についてお答えください。
 財務省と地方公共団体金融機構、これが公的な資金の借入先ですね。そのほかに市場公募や銀行からの借入れもあるというふうに了解しております。後の2つが若干金利が高いとも聞いております。それぞれの内訳をお教えください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 令和3年度末の一般会計市債残高、約1,971億円のうち、主な借入先別の割合につきましては、財政融資資金が約801億円で約41%、地方公共団体金融機構が約540億円で約27%、民間金融機関等が約571億円で約29%、市場公募債が約59億円で約3%となっております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 約7割が金利が低い財務省及び地方公共団体金融機構からの借入れということが分かりました。
 次に、変動利率方式と固定利率方式の内訳について教えてください。
 金利変動リスクがある借入れがどれだけ含まれているかというのを知るためです。また、変動利率のものは見直し期間についても頻度をお答えください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 令和3年度市債残高のうち、変動利率方式で借り入れているものは約1,123億円で約57%、固定利率方式で借り入れているものは約848億円で約43%となっております。
 また、変動利率方式のうち、見直し期間の内訳につきましては、10年見直しが約1,027億円で約91%、5年見直しが約96億円で約9%となっております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 変動金利方式のほうが多いということですが、しかしながら見直し期間は10年が9割以上ということなので、変動金利方式といっても金利変動を敏感に反映しにくい、中期固定というかそういったものであることが分かりました。これは安心材料かと思います。
 それで、これまでの情報ではまだイメージがつかみにくいところがあるので、仮に公定歩合が0.25%上がった場合、この0.25%というのは最も基本的な公定歩合変動の単位だと思っていますが、これが0.25%上がったら公債費の償還費用は年間何億円増えるのか、またそれによって実質公債費比率はどれだけ変化するのか、教えてください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 変動利率方式で借り入れた市債のうち、5年もしくは10年経過して令和2年度に利率見直しを行ったものについて、借入利率が0.25%上昇した想定で試算した場合では、令和3年度中に支払った利子の額が約1,538万円増加することになりますが、そのことで令和3年度決算数値である実質公債費比率2.9は変動しないという試算結果になっております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 1,538万円が大きいか小さいかというのはあるのですが、実質公債費比率に表れないぐらいの変化であるということは理解できました。結論として、影響は限定的であるというふうに了解いたしました。
 次に、確認なのですが、議会初日に全員協議会で発表された中期財政試算、この令和7年度までカバーしている中期財政試算には金利の変動というのは加味されているでしょうか、確認させてください。
○議長(中西公仁君) 黒瀬企画財政局長。
◎企画財政局長(黒瀬敏弘君) 中期財政試算においては、変動利率方式で借入れを行っている市債の将来の利率変動については、試算時点で想定することが困難であり、現状の借入利率で試算をしております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 非常にクリアでございます。
 この項、最後の質問です。
 倉敷市行財政改革プラン2020では、令和6年度までに令和元年度末比で市債残高を200億円削減するという目標がございましたが、先日発表された中期財政試算を読むと、その達成の可否について意味がつかみかねる、曖昧な表記がされております。後ろから2ページ目だったと思うのですが。この目標の達成というのは見送ることになるのでしょうか、確認させてください。
○議長(中西公仁君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) この行財政改革プラン2020の今回の御説明の中で書いております内容ですけれども、現在の全国各地での自然災害の頻発、そして南海トラフ地震発生の可能性も高まっているなどという点から、防災・減災対策の早急かつ最優先での取組と、それから先般発表しております市内の公共施設個別計画に基づいた老朽化対策ということに非常に大きな力を割いていく必要があるということでございます。昨年度までのこの中期財政試算では、公共施設個別計画のほうもまだ発表しておりませんでしたし、それから災害の関係も、もちろん真備のほうには取り組んでおりますけれども、それ以外の市内の全般についての取組に、国の加速化対策に合わせ、非常に力を入れていくという状況にあるということでございます。
 そのこともありますので、今回中期財政試算で公表させていただいたものについては、特に国が定めております、令和7年度までの防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策期間に合わせまして、国からの交付税措置のある市債を最大限に活用して事業の前倒しを行っていく必要があることを発表したということでございます。
 もちろん当初の令和元年度末比で市債残高を200億円削減することについては、引き続き目標にしていきたいというふうに思っておりますけれども、先般発表いたしました市の全般的な財政状況の中で、公債費の比率等については、問題ないという言い方もあれですけれども、これからもしっかり取り組んでいかないといけないわけですけれども、目前の非常に重要な対策についても取り組んでいく必要があるということでございます。まだこれが達成できないかどうかということまでは分からない状況ではありますけれども、引き続きこのことを目標にしながら、目前の目標に国の制度なども最大限使って取り組んでいきたいと、そういう思いを発表したものでございます。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 全体的な方針としては、私も個人的には違和感はないと思っています。こういう質問をしても、倉敷市の財政は他の自治体と比べても非常に良好な状態であるというふうに思っております。これは伊東市長の財政健全化に対する強い気持ちとそれからバランス感覚の表れと思いまして、敬意を表させていただきます。
 おっしゃったとおり、防災・減災対策や公共施設複合化など、市では近いタイミングで旺盛な資金需要があると思っております。引き続き、規律と機動性を両立した財政のかじ取りをよろしくお願いいたします。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員、この際申し上げます。
 質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は11時10分からの予定です。

            午前10時57分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午前11時10分  開 議
○議長(中西公仁君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 3番 芦田 泰宏議員、質問項目3番から再開してください。
◆3番(芦田泰宏君) 再開いたします。
 3つ目の大項目、排水機場と災害時の対応についてというテーマでお聞きいたします。
 皆さんよく御存じのとおり、本市中心部を含みます岡山平野というのはもともと海であった低い土地でございまして、ゼロメートル地帯の広さが全国第2位という試算もあるというふうに聞いております。このため、排水機場、ポンプ場ですね、これが大雨のときはもちろん、普通の降雨のときも日常的に活躍しております。低地に暮らす倉敷市民を守る重要なインフラである排水機場といえます。
 今議会では雨水管理総合計画について質疑をされる議員の方が大勢いらっしゃるのですけれども、私は排水機場の安全な稼働確保にフォーカスを当てた質問をさせていただきたいと思います。
 雨水管理総合計画の御担当である下水道部以外にも、倉敷市の中では農林水産部や土木部で管理する排水機場が大量にあるというふうに聞いております。今回修繕が補正予算に上がっている福田東排水機場、これは土木部管理の大規模な排水機場です。
 まず最初の質問ですが、排水機場が幾つかの部署に分かれて管理されていますが、どのような目的で分かれて管理されているかについてお答えください。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 本市では目的や補助事業に応じて排水機場を設置しており、主に3部署で管理を行っております。
 農林水産部では、主に農業振興地域を対象に、農地の湛水被害を軽減することを目的として、市内65か所の排水機場を管理しております。
 下水道部及び土木部では、主に市街地などの浸水被害の軽減を目的に、40か所の排水機場を管理しております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 次に、排水機場は各部署でどのような管理をされているのか、その管理の実態についてお答えください。
 また、故障や設備の更新などの対応はどのようになっているのでしょうか。よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 本市では、排水機場の管理者として各部署で排水機場の施設規模や運用方法等に応じて、直営での操作、地元組合への管理委託や業者への管理業務委託により管理を行っております。
 例えば、農林水産部では農業土木委員を中心とした管理組合に排水機場の運転操作等を委託するとともに、業者に電気や機械設備の保守点検を委託しております。
 また、各部署において所管する施設の状況を確認しながら計画的に更新を行うとともに、故障した際にはその状況により修理や応急処置を行っております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 設置目的を問わず、雨が降ると全部の排水機場が冠水あるいは洪水防止のためにフル稼働すると思っております。ぜひしっかりとした管理を続けていただけたらと思います。幾つもまたがっているようなのですが、系統立った管理ができるようによろしくお願いいたします。
 次の小項目です。
 実は、議会に先立つ2か月ぐらい前に農林水産部あるいは土木部から入手した排水機場のリストがあるのです。多数の排水機場があるのですが、さっき105か所というふうな排水機場ですが、ポンプの台数は170台ぐらいあるんですね。その9割近くが電気で稼働する電動ポンプだそうです。
 そこで気になるのが、大雨と同時に停電したらどうなるのかということです。その中で1割の電動ポンプは自家発電機を併設しているということで、それはそれで安心なのですが、ここで気になるのが、地震との複合災害のリスクということですね。排水機場が立地している場所というのは、大地震の際、液状化リスクがある場所と重なる部分もあるということで、周囲の道路が寸断されて給油の車両が近づけないというふうなことが起こるかもしれない。そんな複合災害なんて起こるもんじゃないですよと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最近これが非常に危険だというふうに言われてまして、2004年の新潟県中越地震は、マグニチュード6.8の断層地震の直後に19年に一度と言われる豪雪が被災地を襲って復旧を遅らせたという事例が実際にございます。
 今の防災の標語は、災害は忘れる間もなくやってくるというふうに変わったと言われておりまして、30年以内に80%の確率で起こると言われる南海トラフ大地震というのは非常に気になるところです。
 そこで、この停電に関することを中国電力ネットワークさんに行って調べたんです。そうすると、大規模災害時には岡山県と中国電力が停電の復旧に関する協定を結んでいるということなのです。そこには、重要施設は優先的に復旧させる、電源車を派遣するなどが内容になるそうです。その対象施設に排水機場は含まれているのでしょうか。含まれているなら何か所程度なのでしょうか、お答えください。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 災害時において停電が発生した際、防災施設や市民生活に影響が及ぶなどの重要施設について、非常用電源が稼働不能である場合には、岡山県が協定に基づき中国電力に対して電源車を要請することとなります。
 災害時には電源車の派遣に必要な情報が迅速に集まらないことを想定し、あらかじめ場所や発電機出力などを記した災害時における電源車の要請に関する要請施設リストを作成しており、岡山県及び中国電力と施設情報を共有しております。本市分として、排水機場は63施設となっております。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 105施設中の63施設が優先復旧先に含まれているということで、これは一つの安心材料、フルな安心はできないかもしれませんけれど、一つのいい材料だと思っております。ありがとうございました。
 次の質問です。
 災害に伴う停電が起こった際は、通電というか給電を再開する前に電気主任技術者が安全性の確認をしなければならないことになっており、電源車を派遣しただけではすぐに通電できないという決まりだそうです。市の排水機場にこの電気主任技術者はしっかり配置されているのかというのを確認させてください。
 また、電気主任技術者が複数の箇所を兼務していないのか。大規模停電のときに多数の箇所を見て回ってから倉敷市の排水機場に行きます、岡山市のポンプ場を見てから倉敷市に回りますと言われたりして非常に時間がかかるとか、そういうことが起こらないのか、十分な配置があるのか、お答えください。
○議長(中西公仁君) 柳井総務局参与。
◎総務局参与(柳井一泰君) 排水機場を復旧させる際、施設と電源車の接続作業等については電気主任技術者の確認が必要であり、災害時における電源車の要請に関する要請施設リストに登録している63の排水機場について電気主任技術者が配置されておりますが、複数施設を兼務する場合もございます。そのため、大規模災害時など広範囲に多数の排水機場を復旧させる必要がある場合に、電気主任技術者の不足が生じるという全国的な課題があります。
 本市においても、電気主任技術者の不足が生じるおそれがあることから、業界団体による支援体制の確立など体制づくりに努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) そこの部分は課題として今後対応を考えていかれるということで、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
 停電については、別に複合災害でなくても、2019年の風台風と言われた15号では、数の上だけなら関東地方を中心に93万戸が停電、千葉県だけで64万戸が停電して、完全復旧までに最大16日間を要したという異例の長さですね。64万戸というと倉敷市と岡山市の世帯数を全部足した数よりも多いということで、考えただけでぞっとすることが実際に起こっているわけなんですね。なので、しっかり対策をお願いしたいと思います。
 続きまして大項目4つ目、最後の項目の質問をさせていただきたいと思います。
 日常生活自立支援事業という事業がございます。認知症の高齢者や知的障がい者、あるいは精神障がい者のうち、判断能力はあるけれど不十分な方が自立した生活を送れるよう、重要な作業のお手伝いをするというものですね。具体的には、銀行でのお金の出し入れや印鑑、通帳、各種証書類などの重要書類を預かったりとか、それから各種福祉サービスの申込手続を利用者本人との契約に基づいて支援員が利用者を訪問してやってくれるということですね。費用も割安なので、大変人気があるサービスと聞いております。
 知的障がいの度合いが高い方、あるいは認知症が進行した方は、判断能力がなくなった状態になると、成年後見制度があるのですが、日常生活自立支援事業、以後、日援事業と略しますが、これはその前段階の制度と言えます。立てつけは、県と国が予算を折半して、岡山県社会福祉協議会を通じて市町村社会福祉協議会に業務が委託されています。これが倉敷市でも決定的に不足している、何とかならないかというある市民の方の訴えを聞いて、現状を調べたんです。
 議長の許しを得ましてお手元にお配りした資料を見ていただけたらと思うのですが、グラフです。これはほかで出回っていない資料なので、若干時間をかけて御説明します。
 まず、資料の左上のグラフを御覧ください。棒グラフです。
 これは岡山県保健福祉部保健福祉課と面談いたしまして、令和3年3月末時点での県内自治体別の日援事業の契約者数というのをいただいたんですね。ここから人口1万人当たりの契約者数を計算しまして、県内の市だけについて比較したのがこの棒グラフです。
 倉敷市では全体で73人、ここには書いていませんけれど、73人の契約者がおられまして、1万人当たりに直すと約1.5人ということだそうです。これは岡山県で最も少ないということが分かりました。町村部を入れて比較しても、残念ながら結論は変わらず、一番少ないというのが強調される結果になってしまうということなのですが、岡山市は見たとおり3.4人、倉敷市の2倍以上あります。県内全市の加重平均ですね、これは3.9人で、倉敷市はそれから比べても大幅に少ない結果です。
 机上の数値だけではなくて、現場の生の声を聞こうということで、市内の高齢者支援センター3か所、それから障がい者支援センター2か所を訪問いたしまして、それぞれのセンター長及びその格の方から現状を聞きました。
 それぞれの施設は、高齢者あるいは障がい者の方と日常的に接して、相談に応じながら、それぞれの方に合った福祉あるいは医療・介護サービスが利用できるように連絡調整している、そういう機能を持ったところなんですね。日援事業を紹介する役割ということです。
 その聞き取りした結果なんですが、それは非常に不満が強いもので、口をそろえて何とかしてほしい、改善をずっと依頼しているのだけれど一向によくなっていないということでした。順番待ちで契約に至るまで1年半から2年かかるというふうに皆さんおっしゃっています。時間がかかり過ぎるので積極的に紹介できないと、制度はもはやないものと思っているみたいなコメントもありました。
 この待ち時間について、全国ではどのくらいの時間を要しているのか、これも調べてみたんですね。そうしましたら、右下の円グラフです。全国社会福祉協議会が作った資料があったんです。日常生活自立支援事業の概要と支援の現状というタイトルの資料です。これを見ますと、表記を省略した書き方をしていますが、このブルーの3か月未満というのは1か月以上3か月未満、6か月未満というのは3か月以上6か月未満のことです。
 令和2年7月の時点で契約に至った全国880件のケースについて、どのくらい前から話をしてきたか、言い換えればどのくらいの時間がかかったかということをまとめたものです。
 これを見ると、約84%が6か月未満でできているという合計になりますね。約94%が1年未満で契約できているという計算になります。こう考えると、倉敷市の日援事業はどうもスタンダードな状態とも言えないような状態です。ところが、残念ながらこの制度は岡山県が県社協に委託してそれを市町村社協が受託するということで、倉敷市は運用にタッチしていません。市議会議員の私が何を言ってもこれ詮ないことなのですけれども、ここで取り上げた理由は2つあります。
 1点目は、これに接続する成年後見制度の選任申立て業務といいますか、これは倉敷市の福祉援護課が行う市の事業であるということですね。参考までに、それについてもデータを調べたんです。それが右上の棒グラフです。これは岡山県保健福祉部の長寿社会課からヒアリングした成年後見制度の利用者数です。人口1万人当たりについて同じように調べました。事件数というのは案件数ということで、後見人件数とほとんどイコールであると理解してください。これでいきますと、倉敷市は成年後見については決してほかの市と比べて少ないわけではなく、非常にこれは頑張っているということで、本当にありがとうございます。
 これを取り上げた2点目の理由ですね、これは伊東市長が日援事業の後段階の成年後見制度について、政府の成年後見制度利用促進専門家会議の委員をしておられるということですね。全国の首長の中では、認知症高齢者や障がい者の権利擁護について確かな目線を持っておられる、最大の理解者のお一人であるというふうに思っているからなんです。
 前置きが長くなりました。ここで質問です。
 この成年後見制度前の日常生活自立支援事業の拡充に向けて、市社協に対する側面支援として市にできることはないでしょうか。これをぜひお願いしたいんですね。見解をお聞かせください。よろしくお願いします。
○議長(中西公仁君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 日常生活自立支援事業は社会福祉協議会が行う事業で、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助や適切な金銭管理等を支援することで、本人らしい生活の安定を図る仕組みです。
 一方、成年後見制度は民法上の制度で、認知症などで財産管理や日常生活に支障がある人の法律行為を支える制度です。家庭裁判所に選任された成年後見人等が本人に代わって身上保護、財産管理を行うことで本人らしい生活の安定を図る制度となっております。
 日常生活自立支援事業の利用者の判断能力が低下し、成年後見制度の利用が必要となった場合に、適切に成年後見制度の利用へ移行できる体制づくりは市としても重要であると考えております。そのため、本市では成年後見制度の利用促進として、地域で成年後見人等を担う市民後見人養成事業を令和2年度から倉敷市社会福祉協議会と連携して行っているところです。この事業では、市民後見人候補者として市に登録した方が社会福祉協議会の法人後見支援員として研修や一定期間の実務経験を積み、家庭裁判所の審判を経て、市民後見人として受任することになりますが、希望する方は日常生活自立支援事業の支援員としても活動していただいております。このことで、日常生活自立支援事業の拡充につながるとともに、成年後見制度へのスムーズな移行に寄与するものと考えております。今後も市民後見人の養成を進めることで、日常生活自立支援事業の側面支援に努めてまいります。
○議長(中西公仁君) 芦田 泰宏議員。
◆3番(芦田泰宏君) 市民後見人の候補者を養成する過程で、希望する方は日援事業の支援員にもなれる、そういうメニューでやっておられるということですね。これは間接的に日援事業の支援に、支援員として従事される方の数、裾野が広がるということですね。分かりました。ありがとうございます。
 そうなんです。市としては市民後見人がどうしても出てくるのですけれども、日援事業がないのだったら成年後見制度を利用したらいいんじゃないかというふうな考え方もあるのですけれど、お話を聞いていますと、一度成年後見人をつけると、自分で自分のことを決めることができなくなると、これに対する抵抗感があったりとか、死ぬまで後見が続くということ、それから成年後見人への費用の負担感、対価の支払いですね、が強いということなど、いろいろ問題があります。
 例えば、こういった制度を利用する方というのは、世話をする方がいない、すなわち家族や親戚との縁が事実上切れていて、経済的に困窮しているケースが多い、などから成年後見制度移行へのハードルがある。日援事業のニーズは確実にあるということでございます。
 先ほどお話しいただきました側面支援については、引き続き支援員の裾野拡大ということで、倉敷市からのサポートをよろしくお願いいたします。
 以上で私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
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