録画中継

令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月10日(金) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
三宅 誠志 議員
1 地球温暖化対策について
2 環境施策について
3 水島のまちづくり
◆9番(三宅誠志君) (拍手)皆さんおはようございます。日本共産党倉敷市議会議員団の三宅 誠志です。質問通告に従い、一問一答の方式にて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 1項目めは、地球温暖化対策について3点質問いたします。
 まず、クールくらしきアクションプラン改定素案について4点お伺いいたします。
 1点目、クールくらしきアクションプラン改定素案が出来上がり、パブリックコメントも終了し、案が次回の倉敷市地球温暖化対策審議会から答申される予定です。
 そこで、市として2050年度カーボンニュートラルがなぜ必要か、認識をお尋ねいたします。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、三宅 誠志議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 カーボンニュートラルの必要性ということで御質問いただきました。
 まず、2015年パリで開催されました地球温暖化防止のための国際的枠組みを議論する気候変動枠組条約第21回締約国会議、通称COP21でございますけれども、そこにおきまして世界の平均気温の上昇を産業革命前より1.5度に抑えるという具体的な温暖化対策の目標やルールなどを明記しましたパリ協定が、世界の196の国や地域の合意を得て採択されております。
 目標の達成に向けては、今世紀半ばのカーボンニュートラル実現とその対策を各国に求めることが盛り込まれておりまして、今現在の異常気象、自然災害など、様々な影響をもたらしている地球温暖化に対抗していくためには、もちろん全世界、全国と、そして倉敷市におきましても2050年度カーボンニュートラルの実現に向けて進めていくことが必要であると、このように全体として認識いたしております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 2点目、3月3日の我が会派の田辺 牧美議員の代表質問で、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて2030年度に2013年度比で、33.9%削減の目標設定では低いのではとの質問がありました。佐藤 慶一環境リサイクル局長は、本市の場合、排出量の約8割を産業部門が占めているので、現時点で各排出事業者が掲げている削減量を反映し、目標値を設定しているという答弁でした。先ほどの市長も1.5度に関しては危機感のない答弁だと思います。
 国連気候変動に関する政府間パネルは、2030年までに大気中への温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロにすることを求めています。
 議長のお許しを得て、資料1を配付しております。
 このグラフは、2021年9月に日本共産党が発表した気候危機を打開する日本共産党の2030戦略に掲載されたグラフです。
 日本、ドイツ、イギリス、アメリカの各国のGDP当たりの1次エネルギー消費量の変化割合を1990年を1としたグラフです。
 このグラフから言えることは、省エネという面では、他の国に比べて、日本は大規模な削減ができる可能性が大いにあるということです。
 そこでお伺いします。
 2030年度までに省エネによる温室効果ガスの大幅な削減を求めますが、市のお考えをお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 代表質問と同じく、目標が低いのはなぜかという問いだと思いますけれども、今、倉敷市地球温暖化対策審議会において審議をいただいているところでございます。削減目標については、審議の結果、国の目標と整合を取ることを基本といたしましたが、本市の場合、排出量の約8割を産業部門が占めていることから、産業部門の温室効果ガスの削減については、国の2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略においても2030年度以降の技術革新によるところが大きいとされているため、現時点で各排出事業者が掲げている削減量を反映し、目標値を設定しております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 今の解説はやっぱり企業向けといいましょうか、先ほどの市長の2050年カーボンニュートラルに向けての1.5度の市の考え方からは外れているのではないかということは指摘しておきます。
 あと、その中でクールくらしきアクションプランは素案のパブリックコメントとともに、これまで議会で議論されたことを踏まえて検討していただくことを要望しておきます。
 3点目、イノベーションの加速による温室効果ガスの削減についてです。
 イノベーションというのは、実用化のめども立っていない新技術を前提にしているのではないでしょうか。新技術の開発は必要ですが、それを前提にすれば、温室効果ガスの削減の先送りになるだけです。
 石炭火力の継続、建設を前提に、火力で排出される二酸化炭素を回収し、地下に貯留する技術や、火力の燃料にアンモニアを混ぜたり、アンモニア単独で燃やす技術、水素の利用技術などを今後開発して、二酸化炭素の排出を減らすとしています。しかし、これらはどれも実現するかどうか定かではないものばかりです。
 2030年度までに温室効果ガスの大幅な削減が求められている状況では、イノベーションを待つより、既存の技術や、実用化のめどが立っている技術を積極的に普及、導入することで直ちに削減に踏み出すことが必要ですが、市の認識をお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 国は、カーボンニュートラルの実現に向け、エネルギー、産業部門の構造転換と大胆な投資によるイノベーションの創出を大きく加速する必要があるとし、今後の産業政策を2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略や革新的環境イノベーション戦略などに取りまとめています。
 また、野心的なイノベーションの実現に挑戦する企業を対象に、技術開発から実証、社会実装までを継続して支援するため、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、これをNEDOといいますけれども、ここに10年間で2兆円の基金を積み立て、国を挙げて研究開発を後押ししているところでございます。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 引き続き、今ある技術を使って大幅な削減を求めたいと思います。
 次に、カーボンニュートラル対策の経済効果についてです。
 昨年の12月19日に行われた岡山県の地球温暖化防止プロジェクト推進会議において、臨時委員の国立研究開発法人産業技術総合研究所の歌川 学氏によると、2030年までに温室効果ガス削減49%を目標にした場合、経済効果、雇用創出を試算したところ、県内での波及効果は2,814億円・パー・年、県内雇用創出は2万7,868人との報告がありました。
 温室効果ガス削減を進めることは、経済にもよいことになります。市における経済効果はどのぐらいと認識しているのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 国は、2050年カーボンニュートラルの宣言に伴い、温暖化対策を成長の機会と捉える時代に突入しているとし、温暖化対策を積極的に行い、産業構造や社会経済の変革をもたらすなど、経済と環境の好循環をつくっていく産業政策として、2021年6月に2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定いたしました。
 本戦略では、予算、金融、国際連携などあらゆる政策を総動員することとしており、2030年には約140兆円、2050年に約290兆円の経済効果が見込まれております。本市におきましても、国の言う経済と環境の好循環が生まれるものと考えております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) この項2点目、産業部門について4点お伺いいたします。
 1点目として、2020年度の温室効果ガス排出量の産業部門全体の削減率と業種ごとの削減状況についてお示しください。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市の2020年度の産業部門における温室効果ガス排出量の削減率は、速報値で、基準年度である2013年度と比較して25%削減となっており、内訳としまして、主なところで、鉄鋼業では31.9%、化学工業では10.6%となっております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 次に、市の排出特性に応じた目標設定についてです。
 議長のお許しを得まして、資料2を配付しております。
 グラフ1は、クールくらしきアクションプラン改定素案で使われた2013年度から2018年度の温室効果ガス排出量の産業部門の値を使用し、2030年度目標の31.7%を削減した場合と2050年度の目標ゼロで作成しました。赤色は実績値で、青色は目標値です。
 グラフ2は、グラフ1に2019年度の排出量と2020年度の排出量の速報値を加えて作成しました。
 グラフ3は、グラフ2に2030年度の目標を50%削減した場合に変更して作成いたしました。
 グラフ2を見ますと、2020年度の実測値は予想を超えて温室効果ガスが削減されています。2020年度から2030年度にかけての予測は緩やかに下がっていますが、もっと削減効果が期待できるのではないでしょうか。省エネは特に産業部門では遅れており、潜在的な需要は大きいと考えます。2030年度目標は31.7%削減より高い目標設定が可能だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 温室効果ガスの削減目標については、クールくらしきアクションプランの改定に当たりまして、現在審議会で御審議をいただいているところでございます。先月末までパブリックコメントを行いまして、市民の皆様などから御意見をいただいており、今後はその御意見なども参考に、引き続き御審議をいただく予定としております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 先ほども全体のところでも言いましたけれど、しっかりと審議をお願いしたいと思います。
 2点目として、中小企業の省エネ設備への転換についてです。
 中小企業にとっても省エネの取組は、光熱費・燃料費削減などのコスト面だけではなく、売上げの拡大、融資獲得といった事業の成長にもつながると考えます。中小企業の省エネ設備への転換について現在補助金を行っていますが、その取組内容と実績をお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市では、平成29年度から倉敷市中小企業者に係る省エネルギー設備等導入促進事業補助金を実施しており、一定以上のCO2を削減する省エネルギー設備や太陽光発電システムなどの導入に対する支援を行っております。
 実績といたしましては、現時点で累計30件の補助を実施しております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 現在実施している中小企業への省エネ設備の補助金以外で、中小企業の省エネ設備への転換の推進に向けて、令和5年度以降の予定をお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 次年度からは、新たにエネルギー価格高騰対策として、中小企業者が行う省エネ設備投資を支援する補助制度、エネルギー価格高騰対策省エネ設備導入促進事業を実施する予定としております。
 現在行っている倉敷市中小企業者に係る省エネルギー設備等導入促進事業補助金と併せて、省エネ設備への転換を促進してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 次に、水島コンビナートカーボンニュートラルについてです。
 この項は、同様な質問がありましたので、要望としておきます。
 今後、カーボンニュートラルを達成できなければ、企業が製造する製品が消費者から見捨てられる危険さえあります。全ての産業部門において、2030年度の削減目標をさらなる高みに向けて議論しなければ、企業も生き残っていけない可能性もあります。引き続き検討していただくことを要望しておきます。
 4点目として、キャップ・アンド・トレードについてです。
 キャップ・アンド・トレードとは、企業に排出枠の限度を設け、その排出枠の余剰排出量や不足排出量を取引する制度です。
 東京都では、2010年4月から年間のエネルギー使用量が原油換算で1,500キロリットル以上の約1,200事業所で行っています。現在は、2020年度から2024年度の第3期が行われています。第3期の削減義務率は、オフィス等では27%、工場等では25%であったところ、初年度である2020年度で既に33%削減となっています。効果は絶大だと考えます。
 本市でも削減義務率を持ったキャップ・アンド・トレードの導入を求めますが、市のお考えをお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 国が令和3年10月に改定した地球温暖化対策計画において、キャップ・アンド・トレードはCO2を削減するための一つの手法とされております。現在も、環境省の中央環境審議会においてキャップ・アンド・トレードを含むCO2排出量の取引に関する構想が検討されているところでございます。
 本市といたしましては、これらの国の検討状況を注視してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) この項最後に、再生可能エネルギーについて2点お伺いいたします。
 1点目は、太陽光発電についてです。
 まずは、目標達成に向けた導入促進策についてです。
 クールくらしきアクションプラン改定素案の再生可能エネルギーの民生部門に関しては、太陽光発電が圧倒的に多いということで導入目標を設定しています。
 議長のお許しを得て、資料3を配付しております。
 グラフ4は、主に家庭で設置されている10キロワット未満の太陽光発電の実績と目標です。赤色が実績で、青色が目標です。
 グラフ5は、主にオフィスや公共施設に設置されている10キロワット以上の太陽光発電をグラフ化いたしました。
 グラフ4のように、10キロワット未満では、2030年度までは今までの施策を行えば目標が達成できるように推測されます。10キロワット以上では、2017年度あたりから伸び率が緩やかになっていますので、2030年度に向けた導入促進の取組が必要だと考えます。今後の取組についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 現在改定中のクールくらしきアクションプランでは、太陽光発電の導入目標を達成するための具体的な取組として、公共施設への太陽光発電システム等の設置に加え、工場、事業所や大規模集客施設等への設置、PPAモデルを活用した設置の推進を掲げております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) しっかり施策をやっていただいて、目標を達成するようにお願いいたします。
 次に、営農型太陽光発電についてです。
 地球規模での食料難とともに、農業による環境破壊や森林破壊が大きな問題になっています。食料や木材の自給率向上は、国際的な責任です。耕作農地の減少を食い止め、二酸化炭素貯留量を増やす農地を確保することも大切です。その中で、農地でのソーラーシェアリングや耕作放棄地での太陽光発電を進めることが大切ではないかと考えます。市における取組状況並びに今後の施策についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 坂田文化産業局参与。
◎文化産業局参与(坂田剛彦君) 営農型太陽光発電は、農地に支柱を立て、営農を継続しながら上部空間に太陽光発電設備を設置し、農業生産と発電を共有、両立する仕組みでございます。農作物販売収入に加え、継続的な売電収入や発電電力の自家利用等による経営基盤強化が期待できます。
 市内の導入状況は、設置工事中のものを含め5件で、対象面積約5,000平方メートル、パネル下の主な栽培作物は、ブルーベリー、柿、レモンとなっております。
 この取組については、農作業の効率や災害対応を考慮した設備、構造の開発や作物に応じた収量の減少を抑える遮光率など、国も検討会などを通じて実証実験、研究開発を進めているところでございます。
 今後とも国などの動向を注視してまいります。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) まだまだこれからだということなのですけれど、しっかりと施策を進めていっていただきたいと思います。
 2点目として、バイオガス発電についてです。
 バイオガスとは、生物の排せつ物、有機質肥料、生分解性物質、エネルギー作物などの発酵、嫌気性消化により発生するガスのことを言い、主にメタンと二酸化炭素から構成されます。そのガスを利用して発電することをバイオガス発電と言います。
 まずは、市としてバイオガス発電のメリット、デメリットはどのように認識していますでしょうか。
 次に、現在、児島下水処理場で行っている汚泥によるバイオガス発電についての現状をお伺いします。
 最後に、バイオガス発電の事例を2例紹介して、市としてのバイオガス発電の可能性についてお伺いします。
 まず、京都市南部クリーンセンターについてです。南部クリーンセンターは、焼却施設、バイオガス化施設、選別資源化施設があり、令和元年度より稼働し、環境学習施設も併設しています。バイオガス化のメリットは、焼却ごみの減量、焼却ごみの水分が減り発電量の向上、発生したバイオガスでの発電を上げています。
 次に、石川県立大学では、雑草や落ち葉などからメタンガスをつくり、小型の発電機で発電する開発を行っています。特に、東日本大震災の経験から、防災拠点となる公民館や道の駅に装置を設置し、災害発生時だけでなく、平常時から調理やスマートフォンの充電などに使ってもらうというアイデアです。
 どちらもすばらしい事業だと思います。こういったバイオガス発電について、市としてはどのようなお考えか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 月本環境リサイクル局参与。
◎環境リサイクル局参与(月本浩治君) バイオガス発電は、議員御紹介のように、生ごみや家畜ふん尿、下水汚泥などが発酵する過程で発生するメタンガスを利用して発電するもので、発電により発生するCO2は温室効果ガスに該当せず、地球温暖化防止に寄与するメリットがあります。
 一方、大がかりな施設の建設や維持管理に費用が必要となること、また安定した原料の確保が難しいというデメリットもあります。
 児島下水処理場においては、平成27年度から汚泥処理の過程で発生するバイオガスを活用した定格出力125キロワットの発電設備くらげんきを運転しています。直近5年間の平均CO2削減量は約426トンCO2であり、杉の木約3万本が吸収する量を削減しております。
 また、年間平均発電量は約70万キロワットアワーであり、処理場で利用する電力の約20%を賄っています。
 現在のところ、新たなバイオガス発電を導入する予定はありませんが、今後も国の補助制度の動向などを注視してまいります。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 最後に紹介した2例ですけれど、ごみ処理場は大きな施設ですが、こういった雑草とか落ち葉とかからでもできると思いますので、その辺の研究もぜひ行っていただきたいと要望しておきます。
 2項目めとして、環境施策について3点お伺いいたします。
 1点目として、公害苦情についてです。
 市民から寄せられる公害苦情の種類にはどのようなものが多く、件数はどのような傾向にあるのか、お伺いいたします。あわせて、市民から寄せられた公害苦情に対する市の具体的な対応はどのようなものか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市に寄せられる生活環境に関する御相談には様々な内容のものがあり、建設・解体工事などから発生する騒音や粉じんに関する事例や、廃棄物の不法な焼却に関する事例、水路や河川における油膜の発生や魚のへい死の事例など、いわゆる騒音、大気環境及び水環境に関する御相談が全体の約7割を占めています。
 過去5年間の相談件数は、おおむね年間150件から200件であり、相談件数の顕著な増減はございません。
 市民から寄せられた御相談に対しては、その内容を傾聴し、現地調査を行うなど、事案ごとに適切な対応を実施しております。
 また、発生原因である事業者には、環境法令等の遵守や周辺の生活環境に配慮するよう指導、助言を行っております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 2点目として、降下ばいじんについてお伺いいたします。
 降下ばいじんとは、工場から大気中に排出されたばいじんや風により地表から舞い上がったものが家の窓枠や雨どいに落ちて、黒くてざらざらの粉じんになったものを言います。
 この降下ばいじんの発生源である事業者に対して、具体的に市としてどのような指導を実施しているのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市では、大気汚染防止法に基づく排出ガス検査や環境保全協定に基づく企業との事前協議、さらには倉敷市降下ばいじん対策事業実施要綱に基づいた取組により、降下ばいじんの発生抑制について事業者への指導を実施しております。
 具体的には、粉じん発生施設を設置している市内事業者に対して、毎年5月末に粉じん飛散防止に関する実施計画書の提出を求めており、その取組状況を市職員が現地確認し、必要に応じて追加対策を実施するよう指導しております。
 令和4年度は、コンビナート企業を含む16事業所、247施設の現地確認を実施し、散水の強化や防じんカバーの設置などにより粉じん飛散防止対策をさらに強化するよう指導いたしました。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 倉敷市の令和4年度環境白書によりますと、降下ばいじんの測定結果は、低下傾向は確認できますが、水島地区の降下ばいじん、特にコンビナートに近い地区は、他の地区と比較して依然高い状況にあります。今行っている指導だけでは限界があるのではないでしょうか。さらなる対策が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) これまでの取組により、市内の降下ばいじん量についてはここ数年緩やかに低減する傾向となっています。令和3年度の降下ばいじん量の市内平均は、一月当たり1平方メートルにつき1.9グラムであり、最新の全国平均である2.8グラムを下回っている状況です。
 企業が新たに設備を設置する際には、環境保全協定に基づく事前協議において、温室効果ガス削減の観点からも、省エネ設備の導入やガス燃料などへの転換に取り組むよう指導してまいります。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 平均で2.8グラムより低いというよりも、倉敷市においても高いところもありますので、その辺を勘案してお願いいたします。
 先日インターネットを見ていますと、事業者にこれ以上降下ばいじんを減らすためには何が必要かの問いに、多くの意見は、省エネの推進、ばいじんを発生させる石炭や石油などからガス燃料への転換など、カーボンニュートラルにつながる設備投資が見受けられました。先ほど少し触れられたと思いますけれど、市としてもそういったカーボンニュートラルに絡めた降下ばいじん低減に向けた設備投資などの指導を進めていくことを強く要望しておきます。
 3点目として、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ちょっと難しい名前なので、以後はピーフォア(後刻「ピーフォス」に訂正)と言わせていただきます。もう一つの物質ですけれど、ペルフルオロオクタン酸というのもありまして、すみません、こっちがピーフォアです。最初のほうピーフォスと呼ばせていただきます。ちょっと舌をかみそうな名前ですみません。このピーフォスとピーフォアは、発がん性も指摘され、環境で分解されず、蓄毒性のある有機フッ素化合物です。
 国においても、このピーフォスとピーフォアは令和2年度に要監視項目に指定されていますが、指定された理由についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 要監視項目は、人の健康に影響する物質ではあるが、河川や海域での検出状況等から見て、引き続き知見の集積には努める必要がある項目として国が指定するものです。
 ピーフォス及びピーフォアについては、国での審議の結果、海外において人への健康影響に関する知見が一定程度集積しつつあること、また国内の河川や海域において国が調査を行った結果、これらの物質が検出されていることから、引き続き注視する必要があり、先ほど御紹介がありましたけれども、令和2年度に要監視項目に指定されております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 次に、ピーフォス、ピーフォアの現状についてです。
 市内の河川や海域での状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 佐藤環境リサイクル局長。
◎環境リサイクル局長(佐藤慶一君) 本市では、令和3年度から市内の河川や海域においてピーフォス及びピーフォア濃度の測定を実施しており、令和3年度の測定結果は、国が暫定的に定めている目標値の10分の1程度でありました。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 10分の1ですか。何かほかのところではもっと100分の1とかが多かったように見受けられたのですけれど、どうもありがとうございます。
 この問題を取り上げたのは、3月6日付のしんぶん赤旗の報道では、在日米軍基地の近くでピーフォス、ピーフォアのような高濃度の有機フッ素化合物が検出されたということです。市にはこういった基地がなく、心配は少ないと思うのですけれど、要監視項目に指定されていますので、引き続き注視をお願いいたします。
 3項目めとして、水島のまちづくりについて2点お伺いいたします。
 1点目として、緑のまちづくりについてです。
 市が目指す緑地の確保目標と現状についてお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 倉敷市緑の基本計画において、緑地とは都市公園、学校、寺社、河川や保安林などを位置づけております。本計画においては、市域全体の面積に対する緑地の割合について、令和17年度の目標値を17.5%としており、令和3年度末の実績値は17.2%となっております。
 なお、水島地域については、水島緑地福田公園を含む緩衝緑地や水島中央公園などがあり、公園面積の割合がほかの地域に比べて高くなっております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 水島地域を含めた市の緑地確保の現状については、よく分かりました。
 今後の水島のまちづくりを進めていく上でも、やはり緑の確保というのは必要だと私は考えております。各部署で共同した施策を求めます。要望としておきます。
 最後に、戦争遺跡についてです。
 まずは、亀島山地下工場跡の保存及び活用についてお伺いいたします。
 現在、亀島山地下工場跡は、亀島山地下工場を保存する会によって管理、整備されて、入り口も変更され、看板も設置されています。また、岡山観光WEB教育旅行には、水島で爆撃機が造られていたことや、地下工場で多くの少年少女や朝鮮人労働者が働いていたことなど、多くの人が苦労した歴史を知り、平和と人権の大切さを学び、地下工場をガイドの方の案内で見学した後、現在の水島を展望しますと紹介されています。
 市として、水島のまちづくりの一環として保存や活用を求めますが、市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 木下総務局長。
◎総務局長(木下修君) 亀島山地下工場を戦争遺跡として活用することは大切であると認識しておりますが、遺跡の風化の進行により崩落の危険が考えられるため、現状のまま保存し、活用することは、安全性を考えると非常に難しい状態でございます。
 このため、亀島山地下工場の活用策として、平成8年に水島勤労福祉センター敷地に碑を建立し、平成22年に作成した戦争遺跡マップへ掲載したほか、平成24年には工場内部の映像を収録し、解説を加えたDVDを作成し、市内の小・中学校、図書館に平和学習の教材として配付いたしました。
 今後におきましても、映像を収録したDVDを活用するなどして、平和意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 危険ということは言われていますけれど、今保存している全部ではなくて一部を公開し、そこは安全に配慮してやっていると思います。そういった面でも、もう一度見に行って、考えていただければと思います。
 亀島山地下工場跡以外にも戦争遺跡は倉敷市にあります。どのように整備されているのか、現状をお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 倉敷市におきましては、亀島山地下工場をはじめ、砲台や防空ごうなど戦争遺跡につきまして、現在のところ市内11か所を確認いたしております。
 これらにつきましては、悲惨な戦争の教訓を今に伝える貴重な戦争遺跡と認識しておりまして、戦争遺跡マップの配布、立て看板等の設置などを通じて遺跡の周知を図っているところでございます。
 今後につきましても、本市が実施いたします平和啓発イベントなどにおいて戦争遺跡マップを有効に活用するなど、遺跡の周知方法につきまして、引き続き考えてまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 三宅 誠志議員。
◆9番(三宅誠志君) 市長の前向きな答弁と理解しておりますので、よろしくお願いいたします。
 亀島山地下工場跡を含めた戦争遺跡を整備することを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
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