録画中継

令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月10日(金) 本会議 質問
くらしき創生クラブ
伊東 裕紀 議員
1 倉敷市奨学金制度について
2 シェアサイクル導入促進事業について
◆27番(伊東裕紀君) (拍手)おはようございます。くらしき創生クラブの伊東 裕紀です。通告に従いまして2点質問させていただきます。
 まず1項目め、倉敷市奨学金制度についてですが、こちらについては同様の質問を令和2年の6月議会でもさせていただきました。その際に、検討するとの答弁をいただいたにもかかわらず、来年度の募集が公開された今回にあっても全く改善が見られておりません。ので、昨日の原田議員を見習いまして、少々厳しめに質問させていただきます。(笑声)
 まず、事実を確認いたします。
 本市の奨学金には、高校、大学それぞれの貸付型、返還一部免除貸付型、給付型がありますが、一番一般的な大学の貸付型のみで結構ですので、過去3年分の募集定員と応募数を教えてください。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 伊東 裕紀議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 倉敷市における奨学金制度では、貸付け、返還一部免除貸付け、給付の3つの種別において、それぞれに定員を設けて募集しております。そのうち貸付型奨学金の大学生に対する過去3年分の応募状況でございますが、各年度30人の募集に対し、令和元年度は10人の応募、令和2年度及び令和3年度はそれぞれ19人の応募となっております。
○議長(中島光浩君) 伊東 裕紀議員。
◆27番(伊東裕紀君) おかしいと思われませんか。3年分を答えていただきましたが、さらに過去何年か、5年、6年と遡ってもずっと定員割れしています。さらに、応募者の中には給付型との併願も多いため、採用数はさらに少なくなるとも伺っております。
 現在、学生の半数以上が何らかの奨学金を受けているという統計がございます。倉敷市の19歳の人口や進学率からざっと計算すると、19歳の倉敷市民のうち約1,000人が奨学金を受けていることになるのです。このうち、ほかの日本学生支援機構などにも給付型がございますので、そういったものを受けることができた人を除きましても、数百人は貸付型の奨学金を受けている計算になります。それなのに、無利子で申請も簡易な市の奨学金への応募数が19人、採用はさらに少ない。なぜ、何年も続いているこの状況を放置されているのでしょうか。
 また、令和4年度分については決算がまだなので、応募定員をお答えいただけませんでしたが、令和4年度から本年度も要件等は何も変更がないまま、募集定員を30から44人に増やしています。なぜですか。それは意味がありますか。定員割れし続けているのですよ。定員を増やしたところで、何の意味がございますか。案の定、令和4年度も定員割れしていると聞いています。当たり前です。定員を増やす前に、この制度がなぜ希望者が少ないのか、何が問題なのか、周知不足なのか、要件がニーズに合わないのか、その原因を分析して改善するほうが先ではないでしょうか。
 お尋ねいたします。
 貸付型奨学金の応募数が少ない理由を教育委員会ではどう分析されていますでしょうか、御見解をお伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 倉敷市における奨学金制度では、高校生や大学生等を対象とした給付型奨学金につきましては、例年定員を超える応募となっております。
 また、平成29年度に創設した返還一部免除型貸付けの奨学金につきましても、近年は募集定員と同数か、それ以上の応募となっております。
 一方、貸付型奨学金の応募状況につきましては、近年定員に達していない状況が続いており、その理由といたしましては、他の奨学金制度における給付型奨学金を希望される学生が多いことが理由の一つと考えられます。
 倉敷市教育委員会といたしましては、貸付型奨学金の応募資格等につきましても、課題がないか検討していく必要があると考えております。
○議長(中島光浩君) 伊東 裕紀議員。
◆27番(伊東裕紀君) 定員割れが続いている、それも何年もという事実があります。本当に検討してください。
 貸付型奨学金を必要とする市民が少ないという理由でしたらいいことなのですけれども、先ほど申しましたように、統計から考えても、そうではないでしょう。
 そこで、前回と同じ提案なのですが、もう一度提案させていただきます。
 貸付型奨学金の要件の中の一つ、他の貸付型奨学金との併給不可という部分を撤廃してもらえませんでしょうか。
 大学の貸付型の金額は、月額4万円です。奨学金を借りている方の平均は、月額7万円という統計もございます。4万円で、ほかとの併給不可とされると足りません。私も、有利子ですが奨学金を受け、そのお金で大学の授業料を支払っていました。
 今、地元ですね、岡山大学の授業料は年間53万5,800円です。月額4万円、つまり年間48万円の奨学金では、実家から下宿せずに通える地元の国立大学の授業料にさえ足りないのです。
 前回の答弁では、ほかの奨学金制度の状況も見ながら、奨学生にとってどのような制度がよいか検討していくとのことでしたが、日本学生支援機構、旧日本育英会も無利子の第1種と有利子の第2種の併用を認めています。もしかしたら、応募数が少ない理由は、この併給不可だけではないのかもしれません。もっと周知も必要なのかもしれません。ですが、まずはこの併給不可の条件を撤廃していただきたいと思いますが、御見解をお願いいたします。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 制度のことですので、私のほうからお答えさせていただきます。
 倉敷市の貸付型奨学金につきましては、応募資格の一つとして、今お話をいただきましたように、ほかの貸付型奨学金との併給はできないという要件を設けております。この要件につきましては、もともと2つ以上の奨学金から貸付け等を受けた場合に、将来奨学生にとって返還の負担となっていくということを避けるために設定してきたものでございます。しかしながら、一方で、この制度を最初策定しました当時と現在とでは、学生、またその取り巻く状況というのは異なってきていると考えております。
 市といたしましては、奨学金の利用を多くの学生さんが希望している中で、貸付型の奨学金の応募者が定員に満たない状況が続いているということを踏まえまして、お話もございましたけれども、今の要件、仕組みの再検討が必要だと考えております。その一つとしては、他の貸付型奨学金との併給のこと、また制度自体ということについても含めて再検討する必要があると思っておりまして、特に議員さんからお話がありましたように、他の貸付型奨学金との併給につきまして今後検討していきたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 伊東 裕紀議員。
◆27番(伊東裕紀君) どうぞよろしくお願いいたします。
 検討ということで、もう一押しの質問も用意していたのですけれども、伊東市長からかなり前向きな答弁をいただきましたので、ちょっと割愛しまして、一つ、ボランティアで雑談していた高校生の中に、保育士になりたいからA大学に行きたい。でも、うちにお金もないし、B大学にしようかなと考えているという高校2年生の女の子がいました。保育士になりたいならと、返還一部免除型貸付制度を紹介したのですけれども、やはりお父さんは、4万円で足りるかなという意見だったのですね。せっかく子供たちの学びの機会のための制度です。どうか改善を繰り返し、彼ら、彼女たちを助けることのできる制度としていただきますようお願い申し上げまして、次の質問に移ります。どうぞよろしくお願いします。
 2項目め、令和2年9月17日から令和3年1月24日まで実施された倉敷市中心市街地シェアサイクル導入促進事業についてお伺いします。
 このとき、社会実験として実施すると言われていましたが、その結果についてどう捉えているのでしょうか、お聞かせください。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) シェアサイクルとは、ほかの人と自転車を共有し、必要なタイミングで利用するための仕組みのことです。
 本市においては、公共交通機関を利用して来訪される観光客等の移動利便性の向上を図るとともに、中心市街地及び周辺の周遊を促進することを目的に、令和2年度に社会実験を実施いたしました。
 この結果につきましては、中心市街地及び周辺の9か所にシェアサイクルステーションを設置し、5か月弱の間に合計1,571回の利用がございました。利用状況を分析したところ、15分以内の利用者が最も多く、通勤や観光での短距離移動の需要に対応したものと考えております。
 また、酒津地区や藤戸地区など広範囲の移動も相当数見られたことから、周辺の周遊促進にもつながったものと考えております。
○議長(中島光浩君) 伊東 裕紀議員。
◆27番(伊東裕紀君) この項2点目といたしまして、社会実験というには期間も短く、時期も悪く、実験結果があまり参考にできないのではないかとさえ思えるのですが、再度事業を実施する予定はないのかをお伺いいたします。
 たった5か月の期間であり、認知度が低いままだったのは否めません。さらに、この時期はコロナ禍真っただ中となり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、外出自粛といった言葉が飛び交う時期でもありました。
 当初は、インバウンド対応としてとのことでしたが、インバウンドはゼロどころか、観光客も、出歩く人さえ少なかった時期です。
 予算が通ったのが令和元年の12月議会でありまして、このときにはまさかこのような社会状況になるとは予想もできなかったので仕方ないことではありますが、この期間をもって社会実験をしたとは言えないのではないでしょうか。
 ぜひ、倉敷市にもシェアサイクルが欲しいと思う立場として、今後再度の実験をする予定はないのか、お伺いいたします。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本事業は、コロナ禍の影響によりインバウンドをはじめとした観光客の利用が少なく、また行動制限などにより多くの人に認知していただきにくい状況での実施となりました。
 一方で、シェアサイクルが通勤など日常生活の中で活用されていることや、深夜や早朝など、公共交通機関が運行していない時間の移動手段として活用されているなど、一定の成果があったものと考えております。
 再度の社会実験につきましては、令和2年度に実施した社会実験の結果や、また本年4月からの自転車ヘルメット着用の努力義務化の状況も踏まえながら検討してまいります。
○議長(中島光浩君) 伊東 裕紀議員。
◆27番(伊東裕紀君) 検討はしてくださるとのことですので、安心しました。検討してくださるとのことなので、この項3点目として、シェアサイクルの本格的な導入をという通告をしておりましたが、これは要望とします。
 岡山市のシェアサイクルは有名でして、どんどん増設されています。もちろん岡山市街地と倉敷市街地では利用者の違いもございますので一概には言えませんが、これは長年続けていることによる認知度の高さや使いやすさ、何よりも市民の慣れがあると思います。
 本市でも、導入してすぐに大人気で利用者が殺到するとは思っておりません。ただ、そこにあること、当然のように使えて、市民がなれ親しんでいる状態にあることが必要ではないでしょうか。そのために、短期間での設置と撤去ではなく、本格的に導入していただきまして、そこから、これも改善を繰り返しながら定着させていくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
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