録画中継

令和5年第3回倉敷市議会(第1回定例会)
3月13日(月) 本会議 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
田口 明子 議員
1 住民の交通・移動の権利を保障するために
2 雇用労働政策と中小企業支援について
3 市民の健康を守るために
◆10番(田口明子君) (拍手)日本共産党倉敷市議会議員団の田口 明子でございます。
 今議会最後の質問者となりました。通告に従いまして、3項目にわたって一問一答の方式にて質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 通告の1点目、住民の交通・移動の権利を保障するためにということで、公共交通施策について6点にわたって質問いたします。
 現在、多くの地域で人口減少と高齢化に伴い、バスをはじめとする公共交通サービスの需要の縮小と経営の悪化、運転手不足が深刻さを増し、地域の公共交通の維持や確保が難しくなってきております。他方では、高齢者の運転免許の返納が年々増加しているため、地方自治体における移動手段の確保はますます重要な課題となっております。
 地域公共交通の充実は、地域住民が、いつでも、どこでも、そして自由に安全に移動することができ、健康で文化的な生活を営む上で欠かせないものです。憲法で保障された生存権、移転の権利、幸福追求権など様々な権利を保障することにつながります。人が移動すれば、地域における活動が活発になり、域内において経済活動が保障されます。今まさに、公共交通の充実こそ自治体が取り組まなければならない課題だと思っております。
 そこでお伺いいたします。1点目、公共交通を充実させるということは、市民の生活にどのような効果があるのか、市の認識をお答えください。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 田口 明子議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 公共交通は、市民の皆様の日常生活、社会生活を支える重要な基盤であり、通勤、通学、買物、通院などのために利用されております。さらに、公共交通の充実を図り移動しやすい環境を整備することにより、外出が促進されることとなり、活発な交流が生まれ、市街地のにぎわいの創出や地域経済の活性化にもつながると考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 私も同じように思っております。
 では次に、交通不便地域について、今の実情と市の認識についてお答えいただけますでしょうか。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、鉄道やバスなどの公共交通が利用しにくい地域を交通不便地域と定義し、その地域の目安としては、鉄道駅から半径800メートル、路線バス及びコミュニティタクシーの停留所から半径300メートル以上離れた地域としております。
 市内の交通不便地域における令和2年度の居住人口は、現在、自家用車などで移動することが可能な方も含めて約20万7,000人で、全人口の約4割となっております。
 今後も、高齢化が進行する中、本市としましては、交通不便地域における移動手段の確保は重要な課題であると認識しております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは次に、市民の移動手段を確保するために、地域が主体となって運行するコミュニティタクシーの導入の現状と課題についてお伺いいたします。
 私は、令和元年12月定例会において同様の質問をしております。あれから3年以上が経過いたしますが、新規地区への導入がありません。進んでいないのが現状だと思われます。
 まず、今の現状と併せて、導入するに当たっての課題があるのか、市の見解をお伺いしたいと思います。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) コミュニティタクシーにつきましては、運営主体となる地域においては、運営組織の立ち上げや運行経費の一部を地域が負担することについての合意形成を図ることが難しいといった課題があります。また、運行を担うタクシー事業者においては、運行経費や運転手不足などの課題があると伺っております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 令和元年12月定例会の私の質問で、同じように、どんな課題がありますかという質問をさせていただいております。当時の小松 賢治建設局長は、先ほども答弁がありましたように、近年、運行を担うタクシー事業者では、運転手不足や免許更新時の厳格化、車両更新時のコスト増大などの課題が顕在化し、新たな導入地区への対応が難しい状況となっているという御答弁でした。
 社会情勢は刻々と変化しております。課題があると認識しておきながら、今後もコミュニティタクシーについて検討していくと。立ち上げの時点で、団体をつくるなどということがなかなか難しい地域もあります。このコミュニティタクシーが必要だという地域は、特に高齢者の方が多い地域です。その高齢者の方たちに、団体をつくってとか、あるいは協議会を持ってというところがどうしても難しい、困難な状況にあると思うんですね。そういったところに対応できていないということは、問題を先送りにしているようにしか思えませんので、ぜひともコミュニティタクシーの運行についても、今9地区で運行されておりますけれども、それ以上に運行できるように、早急な課題解決に向けた施策を求めておきたいと思います。
 それでは、この項の4点目、今後における地域公共交通の在り方についてお伺いいたします。
 現在、倉敷市地域公共交通計画を策定中です。先日、計画策定案に対するパブリックコメントが締め切られ、内容についてはホームページにも掲載されております。
 パブコメに寄せられた意見には、臨海鉄道やバスを利用したいが、駅やバス停に行くまでの交通手段がないので、コミュニティバスを走らせてほしいという意見や、病院やスーパーなど日常的によく行くところは、体が不自由な人も使えるように、デマンドタクシーやドア・ツー・ドアも視野に入れて運行してほしいといった利便性を求める内容でした。
 議長の許可を得まして、資料1を提示いたします。
 これは、本市が行った意識調査、アンケートの結果です。路線バスの利用については、バスを利用できない、または利用したくないと答えている41.8%の方たちは、運行の本数が少なくて利用できないことや、行きたい場所へ行けないという乗り継ぎの問題があって、利用したくても利用できないという状況にあることが読み取れます。
 そこでお伺いいたします。交通不便地域における移動手段の確保について、コミュニティタクシーだけではカバーできない地域があります。公共交通をよりよく利用していただくためには、今後、コミュニティバスやデマンドタクシーなどの導入を視野に入れた検討が必要だと考えますが、市の見解をお答えください。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 市が運営主体となって運行するコミュニティバスは、バス路線自体が、利用者数の低迷により減便、廃止となっていることなどから、利用者数の見込み、運行コスト、運行事業者の意見などを踏まえて研究していく必要があると考えております。
 また、デマンドタクシーは、運行経路や乗降地点・時刻を利用者が自由に予約することができる乗合タクシーですが、運行の自由度が高い反面、運行コストが高額になることも予想されることから、慎重に検討する必要があると考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 今、交通手段というのが、結構多様化してきておりますので、あらゆる手を検討していただきたいと思います。
 現在、地域が主体となって運行しているコミュニティタクシーはありますが、自治体が主体的に行う事業制度を検討すべきだと思っております。しかし、住民の継続的な利用がないと、事業として成り立ちません。私は、公共交通網は地域社会全体で支えなければならないと思います。例えば、地域経済を支えている中小企業やスーパー、工務店、飲食店や喫茶店、様々な職種の方たちに御協賛いただいて、事業者を募って有料広告を掲載して運行させたり、それと同時に、協賛してくれるお店を利用したら50円とか100円とか割引する。そういったインセンティブを設けるなど、創意工夫によって公共交通を地域全体で支え、持続可能な経済循環を促すことも可能ではないかと考えております。ぜひ、御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では次に、おかやま愛カードの対象にならない方に対する制度の創設を求めたいと思います。
 おかやま愛カードは、運転免許証を自主返納した人に交付されるカードです。このカードを提示すると、JRを除く鉄道、路線バス、タクシーの公共交通機関の運賃割引などのサービスが受けられます。しかし、高齢者の中には、免許を取る機会がなく、もともと運転免許証を持っていない方もいらっしゃいます。
 おかやま愛カードの交付を受けられない人についても、ある一定の年齢に達した場合は同等の支援が受けられるよう、制度の創設を願うものです。答弁を求めます。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) おかやま愛カードは、岡山県警が高齢者の事故防止のため、運転免許証を自主返納された65歳以上の高齢者の方に交付しているもので、市内では、このカードの提示により、路線バス、水島臨海鉄道、井原鉄道の運賃が半額、タクシーの運賃が1割引きなどのサービスを受けることができます。
 おかやま愛カードの交付を受けられない人に対して同等の割引を行うことにつきましては、運転免許証の自主返納者が減少し、高齢者の事故防止を目的とした制度に影響を及ぼすおそれがあることから、難しいと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) すみません。高齢者の事故防止のところの部分をもう一度答弁いただけますか。ちょっと聞き取れなかったので、申し訳ないですけれど、もう一回お願いします。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 高齢者の事故防止を目的とした制度に影響を及ぼすおそれがあることから、難しいと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 高齢者の事故防止に影響があるというのは、どんな影響があるのでしょうか。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 最近、高齢者がアクセルの踏み間違いとかそういうような事故もありますので、運転免許証を自主返納する人が減少して、そういう事故を防止する目的に影響を及ぼすと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) ちょっとよく分からないのですけれど、運転免許証を返納するというのは、事故防止を目的として自主返納していただく。私の質問は、運転免許証をもともと持っていらっしゃらない方たちにも、こういった100円の割引ができるとか、水島臨海鉄道等を御利用いただいたときには同等の割引サービスが受けられるとか、そういった制度を創設してほしいという要望なのですけれど。答弁の、運転免許証の返納と事故の防止のというところの観点が、ちょっとどこがそういうことと合っているのかという、答弁の中身が何かちょっとよく分からないので、もう一回丁寧に説明していただけますか。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 運転免許証を自主返納した人と、最初から運転免許証を持っていない人とが不公平になってくるというような影響がある。そういうことでございます。
            (「それで、不公平だから、そういう制度を創設してほしいという質問なんですよ」と田口議員発言する)
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) だから、免許証を持っていない人にも、そういうおかやま愛カード的なサービスをするということについては、先ほど言ったように、免許証を自主返納した人と、免許証を持っていなかった人との不公平感があるということで、そういうふうに答えたということでございます。
            (「そう言っていたんですよ、私が質問したんです」と田口議員発言する)
 もう一つ、それと愛カードの趣旨に合っていないということもございますので、そういうふうな影響があるということでございます。
            (「だから、趣旨に合っていない、免許証を持っていないから」と田口議員発言する)
            (「ちょっと自席から長く発言しちゃいけんよ、登壇したら」と呼ぶ者あり)
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 最初からその自主返納と、もともと持っていない方がいらっしゃって、そもそも制度が不公平になっているので、市としても、そういう制度の創設を考えてみたらどうですかという質問です。
○議長(中島光浩君) 暫時休憩いたします。

            午前11時37分  休 憩

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            午後 1時     開 議
○議長(中島光浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 先ほどの運転免許を返納した人と持たれていない人との不公平等の発言につきましては、取消しさせていただきます。
 本市では、コミュニティタクシーの運賃の一部補助について、65歳以上で申請のあった方に行っているところです。
 議員の御意見がありました、もともと運転免許証を持っていない人に対する割引制度につきましては、今後研究してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) よろしくお願いいたします。
 それでは次に、議長の許しを得まして、資料2を提示いたします。
 これは、地域の移動環境の維持、向上に向けて必要な取組は何かという問いのアンケートの結果です。1番は、行政による交通事業者への補助で、これが58.1%となっております。次に、乗り継ぎの改善や近隣の駐車場の整備等もありますが、それらと同じように、公共交通を利用する人にメリットがあると答えた方が34.3%です。これは何らかのメリットがあれば、34.3%の方が公共交通機関を利用するということになります。
 そこでお伺いいたします。日常生活における移動の手段の一つに、タクシーに乗車した際の補助制度があれば、安心してタクシーを利用できるという意見がパブコメにも寄せられておりました。タクシー等への補助制度の創設を求めます。市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、現在策定中の倉敷市地域公共交通計画において、高齢者等の交通不便地域における移動手段の確保に向け、コミュニティタクシー制度の普及を図ることとしております。
 また、相乗りサービスなどのタクシーを活用した新しいサービスや、民間団体等によるボランティア輸送など、地域の多様な輸送資源の利活用についても検討してまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) よろしくお願いいたします。
 それでは、ボランティア輸送に頼らない公共交通の検討を求めたいと思います。
 ボランティア輸送は、有償運送ではないために、運賃の受け取りに関する事項が定められておりません。また、保険加入の義務づけがないことなどが問題であるため、事故に遭ったときの責任の所在が明確ではありません。
 運転手のアルコールチェックがされないことや、必要な人を輸送するのに、運転手が持っていなければいけない第二種運転免許の取得が義務づけられていないなど、法規制が及ばず、白タク行為と間違われることが予想されています。タクシー協会などからも、経営を圧迫しかねないということで問題視する声が上がっています。
 そのため、市の施策として、ボランティア輸送に頼らない公共交通の検討が必要だと考えますが、市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 本市では、現在策定中の倉敷市地域公共交通計画において、交通不便地域における移動手段を確保するため、コミュニティタクシーなど、既存の公共交通機関だけでなく、地域の多様な輸送資源の利活用についても検討することとしており、ボランティア輸送も移動手段の一つと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 白タク行為には法規制がかかるのですけれども、ボランティア輸送については、今後、そういったことに間違われないように、ちゃんとしていただきたいなと思っております。
 次に、この項5点目、公共施設へのアクセスの充実について伺います。
 公共施設の再編計画に伴い、屋内水泳センターが水島緑地福田公園に、そして自然史博物館がライフパーク倉敷と複合化されます。市街地中心から郊外へ離れることになるため、今まで利用していた方たちは利用しづらくなります。水島緑地福田公園やライフパーク倉敷など、市内の公共施設へのアクセスを充実させ、公共施設を利用したいと思う人たちが、利用したいときに利用できるようにする交通手段の確保が必要だと考えます。
 今後、様々な公共施設が、再編、統合されていくことが考えられます。ただ単に統合するだけではなく、その施設を利用していた人たちが継続的に利用できるように保障していくべきだと考えます。公共施設へのアクセスの充実を求めます。見解をお示しください。
 また、そのアクセスの充実を図る際に、例えば、空き時間における支援学校等のスクールバスや民間事業者の送迎バス、こういったバスを利用、活用していくということが考えられないのか、検討を求めたいと思います。
○議長(中島光浩君) 山本建設局長。
◎建設局長(山本達也君) 市内の主要な公共施設へのアクセスにつきましては、路線バスやコミュニティタクシーにより可能となっておりますが、運行回数が少ない路線などもございます。
 本市としましては、路線の維持や利便性の向上に向け、財政的な支援を行うとともに、施設利用者に分かりやすく運行情報を提供するなど、利用促進を図ってまいりたいと考えております。
 スクールバス等の活用につきましては、バス車両の所有者との調整、送迎の空き時間に運行してもらうドライバーの確保など、多くの課題があると認識しております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) ほかの自治体では、送迎バスやスクールバス等を利用した輸送も考えて運行されているところもありますので、今後はそういったスクールバス等の活用も検討していただきたいと思います。確かに、スクールバスなどは保護者の方々の意向もありますので、もちろんうまくいくとは限りませんが、多様な交通手段の一つではありますので、ぜひとも検討いただきたいと思います。
 それでは、この項最後、公共交通を持続可能なものとするためには、環境への配慮も必要となります。その効果を周知することによって自家用車から公共交通の利用へと転換を促進することが必要です。また、公共交通を利用することに関して、出前講座や鉄道、バスの乗り方教室など、子供の頃からの継続的な利用促進が必要だと考えます。
 実効性のある持続可能な公共交通の検討を求めたいと思います。本市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 本市では、公共交通利用に対する市民の皆様の意識の醸成を図っていくために、小学生等を対象としました公共交通の利用方法等に関するDVDを作成し、配付したり、また、市内に転入の方へ公共交通マップの配付などを日頃から行っているところであります。
 また、環境負荷低減や健康増進などを図るため、国や県とともにスマート通勤おかやまを毎年実施しておりますし、また、昨年は秋に、公共交通を利用していただく大きなきっかけづくりといたしまして、無料デーも実施させていただいているところでございます。
 市といたしましては、これからも公共交通の利便性を知っていただきまして、自家用車等の利用から、公共交通についても積極的に利用していただけるように、引き続き利用促進に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 水島臨海鉄道等の無料デーを実施した際に、本当に住民の方から喜びの声が寄せられました。今後も、そういった使い勝手がよく、利便性がいいというのと、併せて低廉、安価でといいますか、そのときは無料デーだったのですけれども、そういったことをこれからも検討していただいて、市民の方に喜んでいただけたらなと思います。
 公共交通の充実を求める質問でしたけれども、これまでも何度もほかの議員さんからも質問がありました。今議会でも、代表質問も含めて多くの議員さんが質問されております。住民が抱える課題でもありますので、真摯に受け止めていただきたいと思います。今回、冒頭に交通不便地域に住まわれている方が4割ということでしたので、喫緊の課題だなというのを実感いたしました。ぜひとも課題解決に向けて検討いただきたいと思います。
 それでは、通告2項目め、雇用労働政策と中小企業支援について4点質問いたします。
 この項1点目、人への投資についてです。
 このたび、G7倉敷労働雇用大臣会合が開催されます。議題(案)が人的資本への投資に設定されていまして、議論される中身に、包摂的な労働市場の整備が掲げられているところです。
 政府は、昨年10月に、新たに物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を閣議決定し、人への投資施策パッケージを5年間で1兆円に拡大しています。これを受けて厚生労働省は、「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージを策定し、関連予算として約2,000億円を計上しているところです。
 そこでお伺いいたします。人への投資というのであれば、まずは行政が、就労を希望する全ての求職者や休業者のスキルアップや職業訓練など、学習する環境を整備することが必要だと思います。それと併せて、企業が従業員に学び直しの機会を提供することで、労働者のスキルやキャリアを磨き、能力を発揮することが、地域経済の発展においても重要だと考えます。
 人材の育成、活性化に対する市の認識をお伺いします。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 昨年5月に策定した倉敷市商工業活性化ビジョンでは、新時代を切り拓く、多様で自律的な産業人材の確保・育成を基本戦略の筆頭に掲げており、人への投資が企業の成長、ひいては地域経済の発展において重要であると認識しております。
 こうした認識の下、ハローワークで求職中の市民を対象に、職業訓練の経費を市独自に補助する制度を今年度新たに創設し、再就職のためのスキルアップを支援しております。
 また、中小企業に対しては、従業員の研修受講や技能検定の受検等の経費を補助することで、急激な環境変化に適応し、新たな価値創造の担い手となる人材育成の支援に努めているところでございます。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、就職氷河期世代への就労支援について伺います。
 バブル崩壊後の1990年代から2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代で、不本意ながら非正規雇用を繰り返していたり、社会参加に向けた支援が必要であったり、様々な課題に直面していらっしゃる方がいます。人手不足と言われながらも、なかなか雇用につながらないのが実態です。
 就職氷河期世代の就職、正社員化の実現、そして多様な社会参加への実現を目指した支援が必要と考えますが、本市の取組についてお答えください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 国は、令和元年6月に就職氷河期支援プログラムを取りまとめ、令和4年度までの3年間で、再就職やスキルアップを支援する取組などにより正規雇用者の増加を目指してきましたが、コロナ禍の厳しい雇用情勢により正規雇用者数が伸び悩んだため、これまでの施策を検証し、令和5年度からの2年間で効果的、効率的な支援に取り組むとした新行動計画2023を策定しております。
 本市では、岡山労働局と締結している雇用対策協定の事業計画に、就職氷河期世代への就職支援の項目を令和3年度から加え、周辺自治体やハローワーク等関係機関と連携した就職面接会の中で、対象世代へ就職機会を積極的に提供するとともに、事業者への採用の働きかけも行っております。
 また、若年無業者の職業的自立を支援しているくらしき地域若者サポートステーションの利用対象者が、令和2年4月から、就職氷河期を含む40歳代まで拡大されており、同機関の利用についても、引き続き周知を図ってまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは、今、政府は多様な働き方を拡大して、働き方の選択肢を増やし、リスキリング、学び直しやスキルアップを行おうと、様々な助成金や給付金の拡充を図っています。
 まず1つ目には、人材開発支援助成金です。今年度から、新たに有期雇用や障がい者、建設労働者などの6つのコースを人材育成支援コースに統合し、資格を取得した労働者に対して資格手当を支払う場合に助成率15%を加算する。そして2つ目には、教育訓練給付金、これについては、指定されている講座がオンラインや、土日や夜間対応の講座も拡充され、労働者にとっては受講しやすくなります。3つ目には、産業雇用安定助成金、この助成金については、今年度からスキルアップ支援コースと事業再構築支援コースが新設されます。
 このように、様々な給付金や助成金が拡充されますので、活用に向けた周知と企業への支援を求めたいと思います。見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 人材開発支援助成金制度は、先ほど議員から御紹介いただきましたが、事業主等が労働者に職務に関連した職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成するものです。教育訓練給付金制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部を支給するものです。産業雇用安定助成金制度は、事業主が事業活動を一時的に縮小せざるを得ない状況となり、自社の労働者を他社に出向させた場合、出向元、出向先の事業主双方に交付されるものです。
 これらの制度は、人への投資、人材育成に向けて有益なものであり、引き続きホームページやメール配信などにより、事業者の皆様等へ周知してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは、女性の労働市場について伺います。
 男女雇用機会均等法が施行されて約37年がたちました。この間、日本の女性の労働市場はどのように変化してきたのか、資料を提示させていただきますので、資料3を御覧ください。
 この表を見ていただきますと、まず2002年における製造業の就業者数1,111万人、この方々が製造業に就職されまして、主要産業の一つとして産業構造を支えていることが分かります。しかし、2019年になると、製造業も建設業も就業者数が減少しています。それと逆に、医療や福祉、宿泊業、飲食業などサービス部門の就業者が増加し、サービス提供部門が各産業の大きな割合を占めるように変遷してきたことがうかがえます。
 次の資料4を御覧ください。
 これは、多数を占めている医療や福祉、そして宿泊や飲食業における女性の就業者数の比率を表したものです。医療・福祉、卸売・小売業、そして宿泊・飲食サービス業等は、50%を超えて女性が働き、社会基盤を支えています。ここの大きな社会基盤の部分が崩れてしまうと、たちまち社会構造が崩れることになります。
 それでは、なぜ今、女性の就業が増えたにもかかわらず経済的困窮にあえぐ女性が多いのか、その資料が次の資料になります。資料5を御覧ください。
 女性の雇用者数、これが2002年から2019年までを見ますと、増えているのにもかかわらず非正規雇用率がすごく高くなっている。男性と比べても圧倒的に高く、非正規雇用率が56%を占めています。非正規であるがゆえの低賃金、そして不安定雇用、貯蓄もできずに将来が見通せないという状況に置かれているのが、今の女性労働者の実態ではないかとうかがえます。
 そこでお伺いしたいと思います。女性の労働の処遇や働き方に対する本市の認識についてお答えください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 女性の就業については、直近の国の調査によりますと、令和4年の就業者数は、前年より16万人増加し、過去最大の3,096万人まで拡大しております。
 一方、労働の処遇については、男性と比べて、依然として賃金格差が存在すること、管理職の割合が低いこと、また、雇用形態としては非正規雇用の割合が高いことなどの実態があります。依然として、多くの女性にとって家事、育児、介護の負担が大きいことに加え、ライフスタイルに合わせて多様な働き方を選択する女性が増加したことも影響していると考えております。
 本市といたしましては、女性が活躍できる社会の実現に向けて、働く場における意識改革やワーク・ライフ・バランスを推進することが必要であると認識しております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) ぜひ、倉敷におきましても、労働と雇用、そして労働力調査、こういったことを行っていただきたいと要望しておきます。
 次に、女性就労者を支えるためには、ケアと、そして継続的に就労できる環境整備が必要です。正規雇用で働きたくても、保育園に子供を預けることができなかったり、介護が必要な人がいて、仕方なく働きやすいパートタイムや非正規雇用を選択せざるを得ない方もいらっしゃるかと思います。
 育児、介護、そして家事、自身のケア労働と両立しながら継続して働くことができる環境整備を、労働政策においても、市としてきちんと位置づけることが必要だと考えます。全庁横断的に女性労働者の働き方を支えるプラットフォームとなるような施策が必要です。本市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 本市では、平成28年に岡山労働局と締結した雇用対策協定に基づき、労働局と男女共同参画をはじめ、子育て、福祉、労働雇用など市の関連部署で構成される雇用対策協定運営協議会で毎年度事業計画を策定し、一体的な対策の実施により市の雇用の促進、労働環境の改善と就労支援の強化を図っているところでございます。
 その中で、女性の継続就業支援に向けての取組としまして、育児期の短時間就労などの就業形態の後押しや、男性の育児休業の取得を促進するためのイベントやセミナーの開催、多様な働き方ができる環境整備等に積極的に取り組む市内事業者を倉敷市男女共同参画推進事業所として認定するなど、情報発信や各種制度の周知、啓発を行っております。
 今後につきましても、雇用対策協定の枠組みを通じて、関係機関や関係部署との連携を強化し、引き続き女性の継続就業支援を促進してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) よろしくお願いいたします。
 次に、ハローワークにおける就労支援の強化を求めます。
 女性の就労支援で言えば、せっかく就職したにもかかわらず家庭と就労の両立が困難で、すぐに離職してしまう。また、家計を支えるだけの賃金や待遇ではなかったということで、就労継続が困難となることもあります。
 離職した方の再就職については、相談のときから、きめ細かな就労支援が必要だと考えます。ハローワークとの連携強化を求めます。答弁をお願いいたします。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 本市におきましては、ハローワーク倉敷中央と連携し、市が行う生活・就労相談と、ハローワークが行う職業相談、職業紹介等を一体的に実施する目的で、ワークプラザたましまと福祉・ジョブサテライトみずしまを開設し、総合的な就業支援を行っております。
 また、子育て世代の雇用など、労働雇用に関する課題や情報共有を目的として、今年度より毎月ハローワークとの連絡会を開催しており、子育て、介護と両立しやすい求人情報を提供するマザーズコーナーにおける相談体制の強化についても、提案してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 4月からは、労働雇用政策課に組織改編されます。女性はもとより、若者や高齢者、そして障がい者、就職氷河期世代の方たちなど、それぞれの課題に対応して、全庁的な関係部署とのやり取り、そしてハローワークとの連携強化、こういった関係機関との連携を図っていただいて、今後、より一層きめ細やかな対応が図られることを期待しておきたいと思います。
 次に、厚生労働省は2024年1月から産前産後4か月の期間の国民健康保険の均等割と所得割を減免する制度を導入する方針を出しております。
 被用者保険と異なり、国保にはこういった制度がこれまでなかったので、国保加入の妊産婦には大変喜ばれる制度だと思います。
 現在、関連法案が国会で審議中でありますが、法案成立後、速やかに制度の周知を行っていただきたいと思います。答弁を求めます。
○議長(中島光浩君) 渡邊保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(渡邊浩君) 国におきましては、先ほど議員から紹介がございましたように、子供・子育て支援を拡充する観点から、国保制度において、出産する被保険者に係る産前産後の期間に相当する4か月間の均等割及び所得割保険料について、令和6年1月から国2分の1、県4分の1、市4分の1の公費により免除する仕組みを盛り込んだ、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案を、今国会に提出し、現在審議されているところでございます。
 本市としましては、法案成立後、関係する政省令等の内容を踏まえ、本市条例の改正を行った後、広報くらしきやホームページなど、様々な機会を捉えて制度の周知を行ってまいりたいと考えております。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) それでは、この項3点目、中小企業の支援について伺います。
 まず、市内事業者の休業時支援制度の創設を求めます。
 国民健康保険制度には、コロナで休業しても、けがや病気で仕事を休んでも、加入する事業主への補償は一切ありません。
 愛知県大口町では、経営者や従業員のけがや病気によって小規模事業者が一定期間休業した場合に補助金を交付する事業者休業時支援制度を昨年の12月議会で可決し、今年1月から、すぐ実施しております。従業員が少なく、人的経営基盤の弱い小規模事業者等が安心して事業を営めるという点で有効な制度だと考えます。
 倉敷市内においても、同様の制度を創設することを求めます。市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 愛知県大口町の事業者休業時支援制度は、コロナ禍を契機に創設された制度と聞いておりまして、従業員数が20人以下の町内の小規模事業者が、経営者または一定数の従業員の疾病等により連続して3日以上事業活動の停止を余儀なくされた場合に、1日当たり1万円の補助金を、25万円を上限として交付するものです。
 疾病等による休業に伴う売上減少については、事業者自身の判断による保険加入等によって対応されるべきものと認識しておりまして、現時点においては、事業者休業時支援制度の創設は考えておりません。
 なお、疾病等不測の事態により休業を余儀なくされた事業者に対しては、再開に向けた経営相談を受けられるよう支援機関につなぐとともに、本市の制度融資を紹介すること等により支援してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 事業主の方も、病気になったりされますので、やっぱり安心して休める制度が、支えていく観点から市としても必要ではないかなと思っております。
 次に、事業承継の今後の取組について1点要望しておきます。
 国は、当初予算で新たに、地域の中小企業の次期経営者を支援する後継者支援ネットワーク事業を創設し、2億1,000万円を計上しています。事業承継は、単に事業を受け継ぐだけではなく、経営革新や新たなイノベーションの創出の契機にもつながります。その重要性はますます大きくなってきていると感じます。
 後継者問題は、譲る人、そして受け継ぐ人だけの問題ではなく、地域ぐるみで向き合う課題でもあります。事業承継の面白さや楽しさをもっと伝えていくべきと感じます。国が実施しているアトツギ甲子園のような事業承継の魅力を発信する施策を要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、この項最後に、中小企業振興基本条例の制定を求めます。
 現在、中小企業振興基本条例は、698の自治体に広がっています。産業は、地域のまちづくりにおいて大きな役割を担っており、特に中小企業は、地域経済や雇用を支えるために極めて重要だと考えます。また、先日、倉敷商工会議所、つくぼ商工会、真備船穂商工会から、この条例の制定を求める陳情が出されております。
 愛媛県松山市では、この条例を生かして、子供たちが中小企業について学び、考えるための授業用教材を開発するなど、取組を発展させています。
 倉敷でも、ぜひ条例の制定を求めるものです。見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 平松文化産業局長。
◎文化産業局長(平松孝幸君) 中小企業振興基本条例は、事業者はもとより、市、商工団体、金融機関等、そして市民がそれぞれの役割を担いながら、中小企業の振興と持続的な発展に取り組むことを目指すものと認識しております。
 市といたしましては、第七次総合計画の市の施策における基本方針や、商工業活性化ビジョンで示した基本戦略に基づき、商工団体、金融機関等と連携して、中小企業支援に取り組んでおります。
 条例の制定につきましては、引き続き検討してまいりたいと思います。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 条例の制定に向けては、ぜひスピード感を持って対応していただきたいなと思います。
 G7倉敷労働雇用大臣会合のテーマでもある人的資本への投資へ、倉敷市の取組を大いに期待するものです。働く人たち一人一人が本当に大切にされて、誰もが自由で、働くことが楽しいと、生き生きと働くことができるよう施策の充実を求めて、次の質問に入ります。
 通告の3項目めは、市民の健康を守るためにということで伺います。
 本市におけるがん検診の受診率の現状と課題の認識についてです。
 まず1点目、新型コロナの感染拡大の影響を受けて、一時は受診控えによってがん検診の受診者が減少しました。その後、国保特定健診がワンコインで受診できるようになったことも併せて、少しずつ増加してきているとお伺いしております。しかしながら、全国平均と比べて本市のがん検診の受診率は、まだ低い状況にあります。
 本市におけるがん検診の受診率の現状と課題の認識について、市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 本市におけるがん検診受診率は、最新の値となる令和2年度の国の地域保健・健康増進事業報告で、肺がん5.2%、大腸がん5.9%、胃がん7.1%、子宮頸がん18.2%、乳がん22.4%となっています。肺がん、大腸がんについては全国平均を下回っていますが、胃がん、子宮頸がん、乳がんは全国平均を上回っています。特に乳がんについては、全中核市の中で上から2番目の受診率となっています。
 本市としましては、全国平均を下回っている肺がんと大腸がんの検診受診率の向上が課題であると認識しています。このため、令和5年度には、商業施設での肺がん、大腸がんを含むがん検診の受診率向上啓発イベントの実施を予定しており、今後もがん検診の受診率向上に向けて取り組んでまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) この項2点目、受診率向上に向けた集団検診の休日検診の実施についてお伺いいたします。
 がん検診を受けたいと思っていても、自営業や事業所を経営している方にとって、平日に検診を受けに行くことが難しいとの声をお聞きしています。
 そこで、土日などの休日を利用した集団検診を実施すれば、受診者数の増加や受診率向上につながるのではないかと考えますが、本市の見解をお示しください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 本市では、平日に受診することが難しい方のために、倉敷市保健所において、大腸がん検診を年2回土曜日に、また、子宮頸がん・乳がん検診を年2回日曜日と年2回平日夕方に実施しています。このほか、10月の第3日曜日にはマンモグラフィー・サンデーとして、市内の医療機関において乳がん検診が実施されます。
 集団検診を実施するに当たっては、検診実施機関に委託していますが、受託可能な実施機関も少なく、医療機関等における働き方改革の中で、今まで以上に休日や夜間に検診を実施するのは難しいと伺っております。
 本市といたしましては、事業所に勤めている方も含め、市民の方に広くがん検診を受診していただくため、市民の方や事業所に対する啓発活動を行うとともに、企業の看護職等と連携し、受診しやすい環境が整うよう努めてまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 大腸がん検診の年2回土曜日と、子宮がん・乳がん検診の年2回日曜日と年2回平日夕方ということですよね。マンモグラフィもジャパン・マンモグラフィー・サンデーが10月の第3日曜日に予定されていますけれども、これでは、土日に行くというのはなかなか厳しくて、やっぱり回数的に少ないなというのが印象です。休日の土曜日の午前中とか午後とか、土曜日だったら行きやすいという方もいらっしゃいます。土曜日に開いている病院もありますので、ぜひとも医師会とも連携していただいて、さらなる検討をしていただきたいと思います。
 それでは次に、20代、30代の乳がん検診へのアプローチについてです。
 乳がんの患者さんが多い年代は40代から50代ですが、近年では20代や30代で乳がんを発症する方が増えてきています。乳がんの発症リスクが高い人は、若年期からの乳がん検診が勧められています。
 そこで伺います。若い年齢層に対する乳がんの啓発についてはどのように取り組んでいるのか、現状をお答えください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 乳がんを早期に発見するためには、日頃から乳房の状態を意識する生活習慣、いわゆるブレスト・アウェアネスが大切です。日常生活の中で御自身の乳房の状態を把握していただけるよう、本市では、自己触診の方法などを記載した浴室に貼って使用できるポスターを、保健所が独自に作成し、配布しております。
 20代、30代へのアプローチとして、大学生や、市が実施する乳幼児教室や健診に参加する保護者、保育園、幼稚園、小・中学校の保護者などに対し、パネルの設置やチラシ配布、講話などにより、乳がんをはじめ様々ながんの知識の啓発をしています。また、市のホームページや広報紙だけでなく、若い世代の目に触れやすいSNSを使った啓発にも取り組んでおります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 次に、受診した方への補助制度の創設についてです。
 若年性乳がんは、がんが大きくなってから発見される傾向があるため、それだけでも治療が難しくなってしまいます。大きくなってから見つかる最大の理由は、この年代の女性が、乳がん検診の対象になっていないということなんです。
 本市の検診制度では、40歳以上の女性を対象にマンモグラフィによる検査を2年に1回行うことになっています。当然、若年性乳がんは、この乳がん検診から抜け落ちてしまっています。しかし、早期に発見して治療すれば、予後が一番期待できるのも、乳がんの特徴です。
 若い女性が自ら乳がん検診を受診した場合、市から何らかの補助制度があれば、経済的にも助かります。そして、継続した検診受診につながることが期待できると思います。ぜひ、補助制度の創設を求めます。市の見解をお答えください。
○議長(中島光浩君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 本市が実施している乳がん検診は、現在、国や県の乳がん検診指針に基づき、40歳以上の女性を対象としております。国のがん検診指針では、乳がん検診の実施回数は2年に1回とされていますが、本市では、県の指針により検診を毎年受診していただけるようにしています。
 市の乳がん検診の対象になる前の20代から30代に対しては、乳がんの早期発見のための自己触診の啓発を、乳がん体験者の自主グループであるテイクハートや、地域の健康づくりボランティアである愛育委員会と協力しながら取り組んでおります。
 この年代の方が乳がん検診を受診した場合の補助制度については、国や県、他市の動向を注視してまいります。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 20代、30代の若い女性の命ですから、ぜひともここに補助制度ができればと思います。検討のほどよろしくお願いいたします。
 この項最後に、国民健康保険の人間ドックについて伺います。
 倉敷市国民健康保険加入の方が人間ドックを受けた際、一般的な人間ドックは約3万円ほどかかります。申請すれば、差額分を市が補助して、必要な検査が8,720円で受けられます。かなりお得で、充実した制度です。
 この人間ドック事業の現状と、申込期間の延長や年齢拡大等の支援拡充を求めます。あわせて、制度の周知をより一層行っていただきたいと思いますが、見解を求めます。
○議長(中島光浩君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 国民健康保険の人間ドックでございますけれども、本市におきましては、被保険者の方の健診意識を高め、疾病の早期発見、早期治療を促すことによりまして重症化を予防することを目的とし、平成14年度から、約3万円の検査内容を、8,720円の自己負担で受診していただけるように助成を行っているところであります。
 毎年1,200人の定員を設け、6月から8月末の期間に申込みを受け付けておりまして、令和3年度は579人の申込みがあったところでございます。そして、令和4年度からは、対象年齢を従来の40歳以上の方から35歳以上に拡大しておりまして、電子申請での受付も開始しましたことで、900人を超える申込みがあったところでございます。
 令和5年度につきましては、より利用しやすい制度となりますよう、受付期間が今6月から8月末になっておりますので、この受付期間の延長について、関係機関と現在調整を進めているところでございます。
 最後に、制度の周知についてということでございます。
 国保人間ドックの周知につきましては、国民健康保険に加入する全世帯へ送付する保険料の通知書に、国保人間ドックを案内するチラシを同封して実施しておりまして、このチラシには電子申請による申込みが可能となる二次元バーコードも記載いたしているところでございます。
 また、毎年5月末に送付していますけんしん受診券には、国保人間ドック対象の方に対しまして、対象年齢であるということと、それからお得に人間ドックを受診できるということのメッセージを記載して送付することで周知を図っているところでございます。
 今後につきましては、広報くらしき、また、ホームページ、SNSでの広報に加えまして、現在、携帯電話のショートメッセージサービスを利用した周知や、医療機関へ人間ドック案内のチラシ設置を依頼するなど、様々な機会を捉えて周知していくことを検討しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(中島光浩君) 田口 明子議員。
◆10番(田口明子君) 3万円が8,720円になるという、かなりお得な内容となっていますので、ぜひとも国保加入の方には周知していただきたいと思います。あわせて、医療機関にも周知していただくようによろしくお願いいたします。
 今回の質問は、倉敷市に住まれている方たちが生き生きと輝きながら働いて、そして倉敷に住んでよかったと思えるような施策の充実を願って質問させていただきました。ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。(拍手)
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