録画中継

令和6年第3回倉敷市議会(第2回定例会)
6月17日(月) 質問
日本共産党倉敷市議会議員団
末田 正彦 議員
1 市長の政治姿勢について
2 土砂災害対策について 
3 倉敷市庁舎等再編整備事業(市民交流ゾーン整備)の要求水準書から危惧する点について
◆36番(末田正彦 君) (拍手) 日本共産党倉敷市議会議員団の末田 正彦です。
 通告に従い、順次質問いたしますので、よろしくお願いします。
 通告の1番目は、伊東市長が5期目のスタート、最初の議会ということで、市長の政治姿勢についてお尋ねしたいと思います。
 この項の1点目は、地方政治に大きく関わる地方自治法改定についてお伺いいたします。
 現在、地方自治法の一部を改定する法律案が参議院に送られ、審議が行われています。改定案は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生するおそれがある場合に、各大臣が閣議決定により普通地方公共団体に対してその事務処理について必要な指示をすることができることなどを定めています。しかし、その内容が問題です。
 1999年に成立した地方分権一括法では、地方分権を掲げ、国と地方の対等、協力の関係が確認された面がある一方で、法定受託事務を温存し、自治体への指示、代執行など国の強力な関与の仕組みをつくるなど、大きな問題点がありました。改定案は、この関与の仕組みをさらに強化し、住民の利益を守る仕事である自治事務についても国の指示を可能としています。このような指示権を認める改定案は、自治体の方針に反して自治事務に容易に介入する権限を国に与えるものとなります。国と地方の対等、協力の関係を崩し、上下主従の関係に変容させ、自治体の自主性、自立性を奪い、団体自治を侵害するものであって、憲法第92条の地方自治の本旨に反するものです。
 日本弁護士連合会をはじめ各地の弁護士会が、地方自治法改正案に反対する会長声明を発して反対の声を上げています。さらに、弁護士団体の自由法曹団は、同法案の重大な問題を指摘しています。それは、有事法制と連動した自治体への統制強化のおそれがあること、緊急事態条項創設の憲法改正の先取りを狙うもので、立憲主義、基本的人権の保障、議会制民主主義の観点からも到底認められないと反対を表明しています。
 また、6月11日には、参議院総務委員会の地方自治法改定案の参考人質疑において、参考人からも懸念が表明されました。龍谷大学の本多 滝夫教授は、改定案は地方公共団体に対する国の関与を抑える関与法定主義、関与最小限度の原則を地方自治法の内側から壊すものと批判をしています。また、早稲田大学の小原 隆治教授は、憲法が保障する地方自治の本旨を否定するものであり、立法事実もないと陳述をしておられます。東京都杉並区の岸本 聡子区長、世田谷区の保坂 展人区長らも懸念を表明されています。
 こうした地方自治の本旨に反する地方自治法の改定に対して、地方自治体の長としての伊東市長の認識、そして見解をお聞きしたいと思いますが、答弁をお願いします。
○議長(中島光浩 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 末田 正彦議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 現在示されております地方自治法改正案のうち、国の地方公共団体に対する補充的な指示につきましては、今後起こり得る想定外の事態に備えるものということで、その必要性については理解をしているものでございますが、また地方自治の本旨、また平成12年の地方分権一括法の施行により実現しました国と地方自治体の対等、協力の関係が損なわれないということが大事だというふうに考えておりますので、このことにつきましてはしっかりと国と地方との間での協議、調整が必要になってくるというふうに思っております。
 全国市長会等のほうからも、このことにつきましてしっかり上下関係というような形にならないような、ただもちろん想定外の事態の中での必要性ということは理解をするところもございますので、そのあたりをしっかりしていくことが必要だというふうに考えているところでございます。
○議長(中島光浩 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 地方自治法の改定に関して、想定外のということであるんですけれども、その問題についても参考人のほうから、現在そのままでも立法事実はないというようなことも問われています。地方自治に関する本当に大きな問題となってきます。この問題は、地方自治を壊す問題ということで、現在でも沖縄の辺野古の問題なんかを見てみますと、地方自治に関して国が強力に圧力をかけてきて、強硬な態度を取っている。そういうことから見てみますと看過できない問題だと思いますので、市長も市長会等を通じてしっかりと発言をしていってもらいたいと思いますし、我々地方議会もこの問題については考えて、いろいろな自治体で意見書なんかも上げられておりますので、こうした問題については議会としても考えていかなくてはいけない問題ではないかというふうに思っています。
 いずれにしましても、この地方自治法の改定というのはやるべきではないということを申し上げておきたいというふうに思っています。
○議長(中島光浩 君) 末田 正彦議員、この際申し上げます。
 質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。

            午前11時55分  休 憩

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            午後 1時     開 議

○副議長(北畠克彦 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 36番 末田 正彦議員、質問項目1番の質問を再開してください。
◆36番(末田正彦 君) それでは、1項目めの2点目、市長の選挙公約からお尋ねいたします。
 伊東市長は、先日の提案理由説明の中で、選挙公約の5つの政策を推進していくと表明をされました。その中から、子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりに関して3点お聞きします。いずれもこの間取り上げてきた問題ですが、5期目のスタートに当たって改めてお聞きしておきたいと思います。
 まず、待機児童対策についてお聞きします。
 保育所保育は、子供自身が有する健やかな成長、発達を目指す権利を実質的に保障するために実施されるものであり、子供への良質な生育環境の保障が市町村には課せられていると私は理解しております。そのために待機児童対策は避けては通れないものであり、伊東市長も取り組まれてきたものと推察いたします。
 本市においては、待機児童対策として、施設の増設、定員増などに取り組み、この4年間で492人の定員増を行い、この4月1日現在で待機児童を7人にまで減少したことは評価をするところです。しかしながら、未決定児童を含む未入所児童数は212人と依然として高い水準にあります。待機児童をなくすことはもちろんですが、未決定児童を含む認可保育所に入所できていない児童がいるという状況について、市長の認識をお示しくださればと思います。あわせて、今後の対応についてお示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 市ではこれまで待機児童の解消に向けまして計画的な施設整備、そして保育士の確保策、また保育コンシェルジュなどによるきめ細やかな入所案内や、また市の業務でもAIを活用して入所業務の支援システムの導入などをし、待機児童の解消に向けてよりきめ細やかな取組をしてきているところでございます。その中では、待機児童の枠のみならず、未入所児童数の減少にも努めてきているところでございます。
 今後につきましても、きめ細やかな入所調整はもとより、ニーズの高いゼロ歳児から2歳児を中心としました受皿の確保に努めますとともに、認定こども園への移行などにもよりまして、3歳児からの受入れなど、子供の発達状況に応じた入所が可能な施設を整えていくように努めていきたいと考えております。
 また、必要となる保育士の確保に向けて、市独自に保育士の処遇改善を図る事業を令和7年度まで実施することとしておりますし、また離職防止対策の各種研修や保育士相談等につきまして、保育士・保育所支援センターで実施するなど、様々な取組を進めているところでございます。
 今後も保育需要を勘案しながら、受入れ施設の拡充、保育士確保を待機児童対策の両輪といたしまして、令和7年4月の待機児童の解消、そして未入所児童数が一人でも少なくなるように、引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 待機児童対策は進めていってもらわなくてはいけないんです。それで、やはり国の制度の改善をしっかりと求めていってもらいたいと思います。最低基準の引上げが本当に必要だと思いますので、そういうことも含めて、特に強く国に申し上げてもらいたいというふうに思っていますので、要望しておきます。
 それでは次に、こども誰でも通園制度についてお聞きします。
 2月議会でこども誰でも通園制度の危惧する点について指摘いたしました。1、利用時間は月10時間までが利用可能枠で、子供一人一人の健やかな成長、発達を保障することができるのか。2つ目、人員配置の基本方針は、保育士は保育従事者の半数でよいこと。3つ目、制度の導入が公的保育制度本体の商品化に向けての呼び水として悪用されるおそれはないのかなどであります。
 こども誰でも通園制度について、拙速な事業実施は行うべきではないと申し上げたところです。市長からは、実施園の認可、指導・監督等の問題、保育士確保・処遇改善などが示されて、国に対して現場の声をしっかり伝える旨の答弁がございました。今日お聞きしたいのは、こども誰でも通園制度そのものが、保育に求められる子供自身が有する健やかな成長、発達を目指す権利を実質的に保障する制度と言えるのかどうなのか、その本質的な問題について、市長の認識をお伺いしたいと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 本市におきましては、現在喫緊の課題である待機児童の解消に向けた対応へ注力しておりますが、国主導で進んでいるこども誰でも通園制度につきましても、こども家庭庁主催の実務者検討会に全国の自治体代表の委員として出席し、現場の声を伝えるほか、各種の情報収集や試行的事業を実施する自治体や園の状況等の把握に努めているところでございます。
 また、市内の民間の認可園が加盟する倉敷市民間保育所協議会や倉敷市私立幼稚園協会から、保育者不足の中でのこども誰でも通園制度は課題が多いため、市として慎重な対応を求められております。
 本市といたしましては、令和8年4月の制度実施開始に向け、今後も国等の動向を注視し、引き続き現場の声を聞きながら慎重に準備を進めてまいります。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) このこども誰でも通園制度ですが、今御答弁があったように課題が多いと、慎重な対応をしなくちゃいけないということで、市としても大変心配されていると思うんですよね。現場の声を聞きながら慎重に準備を進めていくという答弁でありましたけれども、やはり先ほど申し上げたように、子供の発達保障、子供の人権の保障、これが一番の問題なので、私はこれは実施すべきでないというふうに申し上げておきたいと思います。
 それでは、次に行きますが、子ども医療費無料化の年齢拡大についてお聞きします。
 子ども医療費無料化の年齢拡大については、幾度となく質問を行ってまいりました。昨年7月、通院も中学3年生まで対象年齢が拡大されたことは、保護者の皆さんが喜ばれているところです。しかしながら、県内27市町村のうち、本市を含む3市以外の24市町村は子ども医療費を18歳まで入通院とも無料としています。この間の市の見解は、県の補助率が4分の1に引き下げられている補助率の課題、そしてまたナショナルミニマムとして国による制度創設を要望しているというふうな説明がございました。子育て応援策として子ども医療費無料化の年齢拡大の必要性についてどのように考えているのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 森保健福祉局長。
◎保健福祉局長(森吉晴 君) 本市では、子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりに向けまして、令和5年7月から中学生の通院分を新たに無料とするなど、対象年齢の拡大を図ってきたところでございます。
 倉敷市には補助率の課題があり、県の補助率が岡山市を除く県内他市町村が2分の1であるのに対し4分の1に引き下げられており、補助率の復元につきまして岡山県市長会などあらゆる機会を通じまして県に対し要望を行っているところでございます。
 また、全ての国民がどこに住んでいても安心して子供を産み育てることができるよう、ナショナルミニマムといたしまして国に対し全国市長会や地元選出の国会議員との市政懇談会を通じ、国による子ども医療費の助成制度の創設を要望しているところでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 局長も先ほど私が説明したとおりお答えいただきました。やはり子ども医療費の無料化の必要性というのは感じられていると思うので、ここは決断していただいて、ぜひとも市としても積極的に取り組んでもらいたいと、県待ち、国待ちにならずにやっていただきたいことを要望しておきます。
 この項の3点目は、一般会計補正予算(第2号)より、庁舎建設費・報奨金及び企画費・報奨金制度創設についてお尋ねします。
 この予算は、PFI事業等への応募に関し、採用には至らなかったものの優秀な事業提案をした事業者に対して、次点、次々点の事業者にそれぞれ200万円ずつ報奨金を支給するというものです。庁舎建設費と企画費にそれぞれ400万円、合計800万円の報償費が計上されています。
 まず、お尋ねしますけれども、現在このような報奨金制度を実施している自治体はどのくらいあるのでしょうか、答弁を求めます。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 設計・施工一括発注方式、いわゆるデザインビルド方式をはじめとするPPP、PFI、公民連携事業における民間事業者の選定において優秀な提案をし、次点となった事業者及びそれに次ぐ評価を受けた事業者に報奨金を交付している自治体といたしましては、確認した範囲では、横浜市と静岡県御殿場市・小山町広域行政組合の2団体でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 2団体という答弁でありましたが、報奨金を用いてのインセンティブと思われますが、このインセンティブ付与は果たして適切な措置なのかどうなのか。
 内閣府における民間資金等活用事業推進委員会は、事業部会を設置して、PPP、PFIのさらなる推進のための報告書を、少し前になりますが、平成29年3月に取りまとめています。こういった冊子があるんですけれどね、その中で報奨金を用いてのインセンティブ付与についての考察がされています。それは、次の記述です。報奨金ですけれども、民間事業者にとっては、提案に関するコストの一部が補填されることと、報奨される心理的メリットがあるが、行政側にとっては新たな予算、制度の準備が必要となることや、必ずしも民間事業者のニーズを十分に満たすことにはならないことから、導入には十分な検討が必要と考えられると言っています。そして、明確なインセンティブを設定しなくても、民間提案を通じて行政と直接的な接点を持つこと自体が民間事業者にとっての一つのインセンティブになることがあると、このように書かれています。
 ということで、本市では果たして十分な検討がされたのかどうなのか、甚だ疑問であります。報奨金でのインセンティブ付与は、私は適切ではないと考えますが、見解をお示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) PPP・PFI事業における民間事業者の公募において、事業提案書の作成をはじめ、相当の費用と労力の負担がかかることから、採用には至らなかったものの、優秀な事業提案をした事業者に対して報奨金を交付することにつきましては、事業提案に係る事業者の費用負担を軽減することにより応募者の確保を図るとともに、より良質な事業提案の促進を目的としており、必要な措置であると考えております。
 なお、本市がこのたび報奨金制度を創設するに至った経緯でございますが、昨年の4月に倉敷商工会議所建設部会からPFI事業選定漏れ事業者に対して何かしらの負担軽減を図ってもらえないかということ、そして昨年12月に実施したPFIセミナー、これは市内事業者を含む全部で33社が参加され、約60人近くの方が参加されました。その中での事業者アンケートによって特に市内の事業者から、不採択になった場合の費用負担を少しでもいいからしていただきたいというような要望もございました。それらを含めて検討した結果、今回予算化をしていこうということになった次第でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 再質問させてもらいたいんですが、今横浜市と御殿場市で実施をされたということで、調べられたと思うんですけれども、横浜市の場合で言いますと、報奨金制度を実施していまして、市のホームページに報奨金の実施状況が掲載されております。平成19年度から令和4年度までの実施状況ですけれども、候補対象事業が23事業で、そのうち交付を行ったのが11事業にとどまっています。横浜市の事例は調査したはずでしょうし、この23事業のうち交付ができたのは11事業と、こういった結果をどのように受け止められているのか。先ほど建設業界から要望があったというふうに言われておりますけれども、ここに書かれている分ですね、横浜市の事例でいいますと、一番直近で令和4年4月20日の交付状況を見てみますと、ここは申請方式になっているんよね。ここは次点の事業者ですけれども、交付を辞退したと。僕はそんなに言われるほど効果はないんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点どうでしょうか。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 再質問にお答えいたします。
 辞退をされるという事業者も当然想定はしておりますが、一部だけではなくて、実際にかかった経費、事業提案書を作成する際にかかった経費に対して助成することで、より良質な提案をしていただくということにつながるということで、倉敷市の場合はこの制度を創設するということにいたしております。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) もう一点お聞きしたいんですけれど、先ほど事業を実施している自治体が横浜市と御殿場市の広域行政組合だったですかね、と言われて、実施事例が本当にもう少ないんですよね。極めて少ない。私たちもいろいろな提案をします。新たな事業を提案したときに、度々他市の事例を研究するという答弁をよくされるんです。これは皆さん多分何回もされていると思うんですけれども。このたびはあまりにも参考にする事例が少な過ぎるんじゃないかというふうに思うんですよね。また、報奨金の、応募の動機づけは、これがなるということはあり得ません、ゼネコンには。予定している工事費というのは10億円以上でしょう。横浜市の実績が示していると思うんですよ。23事業のうち11事業しか交付できていない。私はこの報奨金制度は行うべきじゃないというふうに思うんですけれども、再考すべきだと考えますが、いかがですか。
○副議長(北畠克彦 君) 杉岡企画財政局長。
◎企画財政局長(杉岡知裕 君) 再々質問にお答えさせていただきます。
 倉敷市の実施している、例えばデザインビルド方式等につきましては、いわゆる地域密着型PFI方式というものを取っておりまして、一応JVを組んでいただく際には必ず市内業者を1社以上入れてくださいという方式を取っております。先ほどセミナー等のアンケート等の結果も説明させていただきましたが、そういった中で市内業者、特にゼネコンではなくて、組成に組み込まれている市内業者のほうからそういった負担が生じているということで、少しでも助成という形は取ってもらえないかというようなことを伺っておりますので、今回の制度創設に至った次第でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) もう再質問はしませんけれども、私はこういった貴重な税金、800万円の予算ですけれども、こういった貴重な税金というのはやはり住民の切実な要求の実現にこそ使うべきだというふうに思っています。この本会議でも我が党の田口 明子議員が求めましたけれども、市立高等学校の施設の整備とか、その中にはトイレの洋式化、バリアフリートイレの設置、特別教室のエアコンの設置、こうしたことにこそ使うべきだと、充てるべきだというふうに思っております。
 実施事例が極端に少ない事業を実施に移すと、よほどの決断があったのではないかと今の局長の答弁をお聞きしますと感じられますが、他市事例を参考にするのであれば、県内27市町村のうち24市町村が実施している子ども医療費の入通院とも18歳まで無料化にこそ参考にするべきではないかというふうに申し上げておきます。改めて、この報奨金制度は実施すべきでないということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、通告の2番目に入りますが、土砂災害対策についてお尋ねします。
 盛土による土砂災害防止に向けて、盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する宅地造成及び特定盛土等規制法が昨年の5月26日に成立しました。本市においては、規制区域指定に向けての準備がされていることと思います。そこで、今回は宅地造成及び特定盛土等規制法の区域指定の方向性についてお尋ねいたします。
 昨年の6月議会で、宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の指定に当たって懸念をされる点として、次の指摘を行いました。
 宅地造成及び特定盛土等規制法では、区域を指定して、その区域内での規制を定めることになっており、区域外には及びません。そのため、区域を限定すれば、区域外に盛土が集中することが予想され、その結果、人目につかない山林などに投棄されるおそれが出てくる。発見も原状回復も困難になる。規制区域外の盛土について野放しになりはしないのか危惧をすると申し上げておきました。私は区域を限定せずに、全ての地域を規制区域にすべき旨を提案をいたしました。
 先日、岡山県が盛土規制区域指定の方針を示しました。岡山市、倉敷市を除く県内全域を規制区域の候補とするとし、9月頃に詳細な区域案を発表するとの報道がされました。全域を規制区域の候補とするというのは私と同意見であります。本市の区域の指定に当たっては、市内全地域を規制区域に指定することを求めておきたいと思います。
 新聞報道によりますと、本市では調査を終えて指定エリアを検討中、来年5月までの適用を目指すとありましたが、現時点での検討状況をお示しくださればと思います。
○副議長(北畠克彦 君) 堀越建設局長。
◎建設局長(堀越信宏 君) 本市におけます宅地造成工事等規制区域及び特定盛土等規制区域につきましては、国土交通省から通知されました基礎調査実施要領の解説案に基づきまして地形データを基に基礎調査を行い、現在のところはその区域の指定に向けた検討を行っているところでございまして、令和7年5月25日までにこちらのほうを決めていこうと思っております。よろしくお願いします。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 岡山県が全地域を規制区域に指定するという方針を決定されております。岡山市と倉敷市はそれぞれの自治体の長がすることになっておりますので、私は本市の指定に当たっては、市内全域を規制区域に指定する方向で検討されることを要望しておきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、通告の3番目に移りますが、倉敷市庁舎等再編整備事業(市民交流ゾーン整備)の要求水準書から危惧する点についてとして質問いたします。
 この項の1点目は、建物について2点お尋ねします。
 まず、要求水準書の別紙1の建物内動線計画についてです。
 実施方針及び要求水準書(案)への質問回答「複合棟施設の運営に関する事項」には、こう書いています。閉館時も貸出しはできないものの、図書館の本を閲覧可能な施設としたいとあります。その一方で、この要求水準書には、開館日や時間が図書館機能諸室と交流機能諸室で異なることが想定されるが、図書館機能諸室が休館の場合には、ベルトパーティションなどにより、立入りを防止することを想定しているとあります。内容が矛盾していると思われますが、どのように理解すればいいのか、お聞かせください。
 また、簡易な仕切り、職員がいない無人の図書館では無断持ち出しなど管理上の問題が起こるのではないかと思われますけれども、どうお考えですか、お聞かせください。
○副議長(北畠克彦 君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹 君) 令和5年11月に公表いたしました倉敷市庁舎等再編基本計画(市民交流ゾーン整備編)において、複合施設棟のコンセプトを「出会い」×「学び」×「憩い」のKURAとし、図書館を核として本と人、人と人との新たな出会いが生まれるような複合施設を目指すこととしております。
 このコンセプトに基づき、例えば複合化する憩の家部分の利用者の方が主に活動する会議室の近くには、健康や趣味等の本を配置するなど、利用者の多様なライフスタイルに沿った本との出会いを提供できるようにしたいと考えております。具体的には、図書館部分の休館日においても、憩の家や会議室部分などを利用する方が、部分的にはなりますが、関連する書籍を閲覧できるようにしたいと考えております。その際には、図書館エリアへの立入りをベルトパーティション等で制限する区域を設けることが必要となります。こういった考えの下、業者からの御質問に対して回答しているものでございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 私が質問を読んだとおりだと思うんですけれども、矛盾しているというふうに思うんですけれども、管理上の問題が出てくると思いますし、そのあたりはどうなのかというふうに思っております。
 要求水準書ができてから質問させていただいたので、案の段階で提案すればよかったんですけれども、利用者の皆さんとか図書館の専門の司書の方などから、こうした要求水準書について疑問があるという声もお聞きしましてね、その問題を今日は取り上げさせてもらっております。
 次に、職員のための場所、ワークスペースの確保についてお尋ねします。
 要求水準書に、例えば、選書室、検品・受入れスペース、製本準備室、事務作業スペース、館長室や備品倉庫など、職員のための場所やワークスペースの記述が見受けられません。市民へのよりよいサービス提供のためにも、職員が働きやすいスペースの確保が必要と考えますが、考えをお示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹 君) 複合施設棟の図書館部分には、要求水準書の中で、発送整理室を設けることとしており、その用途といたしましては、購入前の選書や購入した本の受入れ、検品、事務作業及び消耗品や備品の管理を一体的に行い、また各図書館や公民館に発送する書籍の準備作業なども行うことができるスペースとしております。このような職員が働きやすい環境の整備を行うことが市民サービスの向上にもつながると考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) それでは、次に行きますが、この項2点目、図書資料についてお尋ねします。
 新しい図書館は、蔵書数を現在の51万冊から48万冊、開架図書が20万冊、この中では一般書が14万冊、児童書が6万冊となっていますね、そして書庫に28万冊。48万冊に減らす計画になっていますが、そうなるのであれば、市民の要求に応えられる資料がそろうのかどうなのかということを危惧しています。この48万冊は、現中央図書館から移管される本に加えて、これから蔵書に加わる本も含めた冊数と考えられます。現在中央図書館では除籍作業をしていると聞いていますが、どのくらいを除籍して移管を行うのでしょうか。現中央図書館の図書種別ごとの除籍予定数及び新図書館に移管する図書数はどのぐらいになるのか、お答えください。
○副議長(北畠克彦 君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹 君) 基本計画にお示ししている蔵書数につきましては、市民の皆様に提供するべき必要な数を日本十進分類法の分類ごとに積み上げて図書館司書が算出したものであり、市民の皆様の多様なニーズにお応えできる蔵書数であると考えております。
 図書館におきましては、内容が著しく古い本や汚れ等により市民の皆様に提供できない本を蔵書から除く除籍は大変重要な業務であり、現在も司書が1点ずつ状態を確認して作業を行っております。今後も除籍作業を継続していくことから、現段階で移転までの種別ごとの具体的な除籍予定数や移管する書籍の数についてお示しすることは困難でございます。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 現在示すことは困難という答弁でありましたが、この問題については私も何回も質問させてもらっていますが、新しい図書館で蔵書数を減らしていくというのは市民の皆さんが随分心配をされていることなので、この点については申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、この項の3点目ですが、図書館利用者の相談体制についてお尋ねします。
 まず、一般開架スペースへの受付カウンターの設置についてです。
 要求水準書には、一般開架スペースに図書館専用の受付カウンターの設置が示されてはいません。一般開架スペースの設置階が1階になるのか2階になるのか、あるいは複数階にわたるのかも示されていない中で、総合受付だけでは十分な対応ができないのではないかと危惧をしています。一般開架スペースに図書館専用の受付カウンターを設けることは、市民の読書相談等を受けるためには必要ではないかと考えますが、見解をお示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹 君) 現在の中央図書館の受付カウンターで行っている読書相談等は、複合施設棟ではレファレンス専用カウンターに加えまして総合案内・受付カウンターでも対応することとしております。
 要求水準書でお示ししている一般開架スペースは、児童書以外の一般書架を並べ、利用者御自身がそこで本を探したり、読書をしたりすることを用途とするスペースであるため、図書館専用の受付カウンターの設置を行うこととはしておりません。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 専用の受付カウンターの設置は予定をしていないということですが、一般開架を1階にするか2階にするか、要求水準書の提案になっていますよね。どこの階にするか決まっていません。例えば、複数階にまたがる場合であると、なかなか利用者にとっては、そこに受付カウンターがあって、司書さんがいてという状態がなければ、やはり利用勝手がすごく悪いと思うんですよ。だから、そこは考えてもらいたいと思うんですよ。総合受付カウンターはほかの業務の受付もやります。市民活動センターですかね、いろいろ貸し館の業務もそこで受付もするわけですから、そういう中で図書の相談だけがちゃんとできるのかどうなのかと物すごく皆さん不安なんです。そこはしっかり考えてもらいたい。ぜひつくってもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、受付カウンターの相談体制についてお尋ねします。
 先ほどレファレンスのところでしっかり相談できるというふうに言われましたけれども、自動貸出機とか自動返却機、予約照会機の利用が基本とされるように見受けられますが、どのカウンターでも利用者が相談しやすい、声がかけやすい、専門的な支援が受けられるような職員体制になるのかどうなのか、お示しください。
○副議長(北畠克彦 君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹 君) 総合案内・受付カウンターに図書館司書を配置し、読書相談や貸出し、返却に対応するとともに、レファレンス専用のカウンターも設置して図書館司書による調査、研究の支援も強化することとしております。
 また、市民の皆様の利便性を図るために、自動貸出機・返却機などのICT機器を導入していくこととしております。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) この項の4点目に入りますが、市民説明会、ワークショップ等、市民からの意見聴取についてお尋ねします。
 要求水準書には、事業者は設計業務に当たり、市民説明会、ワークショップ等、市民からの意見を聴取する機会を設けることとありますが、いつ、どういった形で市民説明会、ワークショップを開催していくのでしょうか、そしてその市民の声は設計に反映される仕組みになっているのかどうなのか、お尋ねいたします。
○副議長(北畠克彦 君) 尾崎総務局長。
◎総務局長(尾崎英樹 君) 今、業者を募集する期間となっておりますけれども、この12月ぐらいに選定する予定としております。選定された事業者が設計業務を行うに当たり、市民説明会、ワークショップ等の市民の皆様からの意見を聴取する機会を設けることとしておりますので、具体的な実施時期や開催方法等につきましては、選定された事業者の提案内容を踏まえた上で市と事業者とで協議をしてまいりたいと考えております。
 もちろん市民の皆様から頂いた意見については、しっかり内容を検討して、取捨選択して計画のほうに取り入れてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦 君) 末田 正彦議員。
◆36番(末田正彦 君) 今回は要求水準書の危惧する点について質問させてもらったわけですが、この要求水準書を変更するということは困難でありましょう。しかし、今後開かれるであろう市民説明会、そしてワークショップでの市民の声をしっかり設計に生かすことを要望しておきたいというふうに思うんです。
 最後に、瀬戸内市民図書館設立時、新図書館開設準備室長として着任して、その後、館長を務められた嶋田 学さんほか2人によります小論文があるんですけれども、「図書館計画づくり、運営における市民協働の現状と今後の展望」、こういった小論文に注目すべき記述があるので紹介をして質問を終わりたいと思っています。
 瀬戸内市では、この基本構想を行政ベースで策定した上で、その後の基本計画や実施計画などの具体的な整備内容の検討段階において住民ワークショップを開催し、段階的に整備計画の充実を図るというプロセスをたどって、新図書館開館までに12回実施したとあります。そして、住民との協働による図書館整備計画の策定を行う意図として、次のように書かれているんですよ。これがすごい大したもんなんですが。
 整備計画策定に住民参加のワークショップを採用する以上、何らかの形でその意見が生かされることが必要であろう。その点について嶋田は、市民の皆さんと新図書館整備についていろいろな意見交換を行った。こうした取組で私が重視したのは、頂いた意見をでき得る限り酌み取るということはもちろん、市民の考え、感じ方とのすり合わせをできるだけ多くの機会を通じて行うことで、市民に図書館整備へのメンバーシップを醸成することであったと繰り返し述べています。住民協働による成果を市民の図書館づくりへの当事者意識の醸成と捉えると、こう言われています。それがその後の図書館運営への住民参加、協働につながっていったというふうに言われているんですよね。
 市民に意見を聞くといっても、意見を聞くだけで、ガス抜きよろしく実際の計画推進はまるで別物となっては市民から信頼される図書館としては育たないということもありますので、この嶋田さんの提言というのは本当にすばらしい、市民の意見を聞くスタンスとして、市民のメンバーシップを醸成するということを図書館を通じて行っていくというのはすばらしい考え方だと思うので、ぜひ参考にしていただいて、市民の声をしっかり聞いて生かす取組をしてもらいたいと、そのことを要望して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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