録画中継

令和8年第4回倉敷市議会(第2回定例会)
6月17日(水) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
中西 善之 議員
1 AI・デジタル技術を活用した行政運営と市民サービスの向上について
2 道路内に残る私有地が公共事業の支障となる課題への対応について
◆16番(中西善之 君) 皆様こんにちは。公明党倉敷市議団の中西 善之でございます。今議会も最後の質問者となりました。連日の審議でお疲れのことと存じますが、最後までお付き合いください。
 それでは、通告に従いまして、2項目について一問一答方式で質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 1項目め、AI・デジタル技術を活用した行政運営と市民サービスの向上について、3点お伺いいたします。
 先月20日の党首討論で印象的なやり取りがございました。高市総理の働いて、働いて、働いてまいりますという言葉を受け、これからは人だけが働くのではなく、いかにAIに働かせて、働かせて、働かせているかが日本の将来を大きく左右するとの趣旨の指摘でございます。AIは文章を整えたり、たたき台を作ったりするだけの道具ではなくなってきております。民間では、AIを使える会社と使えない会社とで仕事の速さもサービスの質も大きく差がつく時代です。行政は競争で淘汰はされはしませんが、AIの活用が進まないと時代に取り残され、その負担は結局、職員と市民に返ってきます。
 大切なのは、少ない人員の中で馬車馬のように無理して働くことではなく、任せられる仕事は、AIを馬車馬のように働かせ、人はその分、市民と向き合う仕事や人にしかできない判断に力を注ぐことだと思います。もはやAIを使うかどうかではなく、どこまで任せ、その力を市民サービスの向上にどうつなげるかが問われております。
 そこで、情報発信、システム導入、市民窓口という3つの分野から、本市のAIの活用についてお伺いをいたします。
 まず、この項1点目、市民に届く情報発信を支える生成AIの活用についてお伺いをいたします。
 資料1を御覧ください。
 1点目のこの質問原稿をAIに読み込ませ、市民に情報が届かない原因とこれから必要な情報発信の方向性を図解したものでございます。
 行政の情報発信は、これまでホームページの掲載やチラシの作成、広報紙を通じた周知を行った段階で一区切りとされがちでした。しかし、市民の側から見れば、情報が出ていることと自分に届いていることは違います。さらに、読まれたか、意味が分かったか、申請や相談という行動につながったかは、それぞれ別の話でございます。
 このテーマは、以前から何度も取り上げてまいりましたが、まだ改善の余地が大きいと感じ、改めてお伺いをしております。
 倉敷市のホームページも、入り口は以前よりよくなりました。しかし、実際にページを開くと、本文は従来どおりの行政文書のままで、市民には一目で分かりにくい状態にあります。広報くらしきも必要な情報は載っておりますが、お知らせした内容なのに、市民の皆様からそんなことは知らなかったと言われることが少なくありません。掲載した、周知したという行政側の状態と、実際に市民に届いている状態は、まだ大きな差があるのではないでしょうか。
 資料1-2を御覧ください。
 左が倉敷市の人権教育重点施策の元の資料でございます。右が私が試しに生成AIを用いて市民向けに作り直した改善案でございます。文字の量の多い元資料に対して、改善案は、学校、家庭、地域という場面ごとに短い言葉とイラストを用い、何を目指しているのかが一目で分かる形になっております。
 続いて、資料1-3を御覧ください。
 左が本市の防災広報の元資料、右が同様に生成AIで作り直した改善案でございます。元資料は文字量が多く、危険が迫ったときにどこを見て何をすればよいかが一目で分かりにくい状態にあります。一方、改善案は警戒レベル4は避難準備ではありません、危険な場所にいる人は全員避難という最も大切なメッセージを大きく示し、レベル3で準備、4で避難、5を待たないという行動の流れが見た瞬間に分かります。
 この2つの元資料、左側ですね、AIに評価をさせたところ、行政内部の資料として見れば、必要な情報も整理され、内容も正確であることから、いずれも80点というよい評価でございました。しかし、そのまま市民チラシとして評価すると、文字量が多く、何が重要か、何を伝えたいのか、一目で分かりにくいため、どちらも50点程度という悪い評価でした。一方、同じ内容を生成AIで市民向けに作り替え、最後に職員が正確性を確認する前提で評価させると、重要な情報が一目で分かり、何を伝えたいのかすぐに理解でき、自分に関係する制度だと気づきやすく、行動にもつながりやすいことから、いずれも90点程度というよい評価になりました。
 つまり、情報そのものを変えるのではなく、生成AIで分かりやすい順番と言葉、見せ方に組み替え、職員が確認する仕組みをつくれば、分野を問わず、市民向け資料の質を大きく高められます。生成AIは、行政の文章を市民が見て分かり、次の行動まで迷わない形へ変える、伝わる行政を支える道具だと考えます。
 問題はこの活用を各課の工夫や一部職員の熱意だけに委ねている限り、使いこなせる課とそうでない課との差が広がり、市全体の情報の向上にはつながらないことです。だからこそ、生成AIで、行政内部の資料を市民向けに作り替え、職員が確認した上で発信する流れを、全庁的な取組として進める必要があります。
 そこでお伺いします。
 本市は、こうした生成AIの活用を全庁でどのように進めていくのでしょうか。とりわけ、職員が生成AIを使いやすい環境づくり、行政の文章を市民向けに言い換える標準的な使い方の整理、そしてうまくいった事例を全庁へ広げる横展開について、本市の考えをお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 余村企画財政局長。
◎企画財政局長(余村誠一郎 君) 中西 善之議員さんの御質問にお答えいたします。
 生成AI技術の進展に伴い、最近では画像やチラシなど高い精度で作成が可能となっています。本市においても、その有用性を認識し、令和6年8月から本格導入した庁内向け生成AIにおいて、従来の文書作成機能に加え、新たに画像生成機能を備えたところです。
 最終的には職員が確認しますが、現在、一部の部署では、チラシやポスターの作成など実際の業務に活用しているところです。
 あわせて、生成AIの利用に当たっては、個人情報の漏えいや著作権の保護などに十分留意する必要があることから、適切な利用を啓発するとともに、職員向けの出前講座や庁内掲示板などを通じて具体的な活用事例やノウハウの共有を進めており、今後も適切かつ効果的に活用してまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 生成AIでチラシや画像資料を作成できる庁内環境が整い、出前講座などを通じて活用も少しずつ広がっていることが確認できました。ぜひ行政の文章を市民向けに言い換える標準的な使い方を整理しながら、この流れを止めず、職員がどんどん使い、最終的には、今は市民に伝わりにくいホームページや広報、チラシが伝わりやすい表現に置き換わっていくところまで進めていただきたいと思います。
 前回の議会の代表質問と一般質問の中で、周知という言葉が40回も使われておりました。今議会も多かったように思います。これは市がよい取組をしていても、それが市民に十分伝わっていないことの表れだと感じております。やっていることが確かに伝わってこそ、周知が広がり、市民は倉敷市がよくなっていることを実感できます。だからこそ、よりよい周知がとても大切です。市民に伝わる情報発信に既存の内容を含めて改善をよろしくお願いをいたします。
 次に、この項2点目、AI時代に対応した柔軟なシステム導入の在り方についてお伺いをいたします。
 資料2を御覧ください。
 2点目の質問原稿をAIに読み込ませ、大きな一括発注だけでなく、内製、共同開発、委託をどう使い分けるべきかを図解したものでございます。生成AIの活用は、これまで文章作成や要約、画像作成が中心でした。これらは今や基本であり、より重要なのは、その先の活用でございます。AIが人に代わってパソコン上の作業を進める、あるいは専門のプログラマーでなくても、職員がふだんの言葉で指示するだけで、自分たちの仕事に合った簡単なツールを自前で作れる、プログラムを書かずに作るノーコードのような手法が現実のものとなってきております。市役所の業務も、ウェブで確認、入力や転記、メール作成、ファイル整理、エクセルの集計、ワード文書の作成など、パソコン上で完結する仕事が多くあります。
 ここ数年で大きく変わったのは、こうした作業全てがAIによる支援や自動化の対象になってきた点でございます。もちろん、AIが作ったものをそのまま使うのではなく、職員が確認し最終判断を行うことは当然ですが、作業はAIに任せ、人は確認と判断に回る形で業務を組み替えることが現実的に可能となっております。
 一方で、市民向けの大きなアプリや、市役所の根幹を支える基幹システム、個人情報を扱う重要なシステムは、セキュリティーや責任の所在を慎重に考える必要があり、専門業者への委託が必要な場合もございます。
 ただし、外部発注でも、改善の要望を反映されない、改善費が高い、他システムと連携がしにくいという形では、変化の速いAI時代に対応し切れておりません。今は、簡単なアプリや業務ツールなら、はるかに短時間、低コストで作れます。だからこそ、後から改善やデータの活用、市側で手直しがしやすい調達が重要となってまいります。
 また、内部業務の改善は、市民向けの大きなシステム調達とは分けて考える必要があります。庁内や学校、保育所、保健所など、現場ごとに仕事の流れは異なります。だからこそ、業務を一番知る職員が、どの作業をAIに任せ、どこを人が確認するべきかを切り分け、小さく試しながら自動化していく仕組みが重要でございます。
 そこでお伺いをいたします。
 本市として、市民向けの大きなシステム調達と、現場内部の業務の改善、自動化を分けて考え、内部業務については職員による内製や、小さな改善を積み上げる仕組みを考える必要があると考えますが、どのようにお考えかお伺いします。
 また、外部に発注するシステムについても、完成品を納めて終わりではなく、後から改善や手直し、共同開発も含めた契約の在り方を検討すべきと考えますが、AI時代に対応した柔軟なシステム契約・調達・運用の考え方をどう整理しているかお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 余村企画財政局長。
◎企画財政局長(余村誠一郎 君) 生成AIや専門的なプログラミングの知識を必要としないデジタルツールの活用は、業務に詳しい職員自らがシステムの開発や改善を行うことを可能とし、業務課題の迅速な解決や事務の効率性向上につながるものと考えます。
 一方で、高い信頼性やセキュリティーが求められる基幹業務システム等については、安定的な稼働や個人情報の厳格な取扱い等を確保する観点から、高い専門性を有する事業者への委託が必要であると考えています。
 生成AIの活用を含めて、今後も業務の性質や規模に応じた最適なシステム導入に努めてまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 簡単な業務ツールは、業務に詳しい職員自ら構築や改善を行うことで、課題の迅速な解決や業務の効率化につながる。一方で、高い信頼性やセキュリティーが求められる基幹システムなどは、専門業者への委託が必要であるという整理を確認いたしました。
 大切なのは、この使い分けを実際の業務につなげることでございます。現場の小さな困り事は、必ずしも大きなシステム改修を待たなくても、職員の工夫とデジタルツールの活用で改善できる場合があります。新たな専門人材の採用だけに頼らず、業務改善に関心と適性のある職員を研修で計画的に育て、現場を一番よく知る職員がAIやノーコードのような手法で小さな改善を進められる体制を整えていただきたいと思います。
 また、外部に発注するシステムについては具体的なお答えはありませんでしたけども、後から改善しやすいこと、データを活用しやすいこと、市側が運用を見直しやすいことを、調達の段階から意識する必要があります。内製の仕組み、人材育成、そして柔軟な調達の在り方を併せて進めていただきますよう要望といたします。
 次に、この項3点目、AI電話応答による市民対応の変化と効果についてお伺いをいたします。
 資料3を御覧ください。
 3点目の質問原稿、この原稿ですね、AIに読み込ませ、市民課への電話問合せ、AIが最初に入り口でどう受け止め、必要な情報や職員につながるかを図解したものでございます。電話がつながりにくい、どこに聞けばよいか分からない、そうした市民の最初の困り事を、AIがどう受け止めるかが今回のポイントだと思います。前回の議会で、私は国の地域未来交付金、デジタル実装型を活用した自動音声応答システムについて質問いたしました。その後、取組はさらに具体化したと伺っております。市民対応の入り口そのものを変える取組だと感じております。
 そこでお伺いをいたします。
 AI電話応答について、市民課に問い合わせた市民は、AIが回答する場合、職員へ取り次ぐ場合など、どのような流れで案内されるのか、市民から見た流れを分かりやすくお示しください。あわせて、この仕組みにより電話がつながりにくい状況の改善、必要な情報に迷わずたどり着ける環境づくり、職員の負担軽減など、市民サービスの向上にどのように効果があるのかお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織 君) 現在、倉敷市が準備を進めております自動音声応答電話システムの事業でございますけれども、今度の7月1日からの利用開始に向けまして、今準備を進めているところであります。
 それで、このシステムは、電話番号はもちろん決まるわけでございますが、人が話しているような、そこに電話をかけていただきますと、システムのほうが、まさに人が話しているような、自然で聞き取りやすい音声でAIが対話形式で応答するものであります。
 そして、この応答の内容は会話形式ということですので、会話をしながら自分が必要な情報にたどり着いて、それを答えてもらえるということになるんですけれども、会話が終了した後に、御希望によりまして、この問合せに返答した内容を市のほうのホームページで書いてあるところがあるんですが、そこのリンク先をショートメッセージでAIが送信もさせていただけるというような仕組みも入れておりますので、電話の内容、またその文字でそこが書いてある具体的な市のホームページを、その会話の中で御希望をされましたら、文字で後からホームページで確認もしていただけるようにと考えております。
 それから、AIがお答えできないような内容とか、それから個人情報を含むお問合せ、またやっぱりどうしても込み入って難しいということで、職員との通話を希望される場合には、そこまでお話をした内容と、それからAIが回答した内容のポイントを要約をある程度して、その職員に替わるときに、それも担当職員に伝えて、話がまた一から全く全てをしなくてもいいような形になるように準備をしているという状況でございます。
 市が考えている導入効果といたしましては、市民の皆様にとりましては、待ち時間なく、24時間365日この問合せのほうはできますが、24時間365日、難しい場合に職員につながるわけではないんですけれども、大概の質問については、このような問合せの対応が可能だということと、それから市にとりましては、職員の電話応対時間を、これまでの応対しているところから窓口対応とか、作業のほうに充てられることなどで、市民サービスのさらなる向上につながるというふうに考えております。
 なお、この導入をいたします自動音声応答電話システム、AI音声電話の仕組みですけれども、市民課業務としては、全国の政令市や中核市、それから西日本の自治体の中では、初めての本格的な導入であるというふうに認識をいたしておりますので、この仕組みがうまくいきまして、市民サービスの向上につながるように準備をしていきたいと考えております。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) まさに最先端の仕組みを倉敷市が率先して導入するということで、これがどう変わっていくか、非常によく分かりました。
 また、問合せ内容に応じてホームページのリンクをショートメッセージで送り、文字で確認できるのはいい機能だと思います。リンクが届くことで、確認にとどまらず、その先のオンライン手続にもつなげやすくなると思います。AIチャットボットも、AI電話応答も、入り口と出口が文字か音声かが違うだけで、目指す方向は同じでございます。AI電話は、そこに文字が加わる形であり、まさに進むべき方向だと感じております。
 実は私自身、対応しながら申請書を作成するウェブアプリを、プログラムを書かずにAIに指示するだけで作る、いわゆるバイブコーディングで簡単に試作することができました。一つ前の質問のきっかけにもなったものですが、ショートメッセージで届いた、この手続のURLをそうしたアプリに渡せば、以前私が議会で取り上げた会話だけで手続が完了する仕組みも、決して遠い未来ではないと感じております。まずは市民課での導入を軌道に乗せ、問合せの傾向や課題を分析しながら改善を重ね、将来的には市全体の問合せ対応へ広げていただきたいと思います。電話でもチャットでも、AIが入り口で受け止める仕組みが広がれば、職員の負担軽減と市民サービスの向上に、市長も言われておりましたが、つながると思います。今回の導入を成功事例として、今後の全庁展開につなげていただきますよう要望いたしまして、1項目めの質問を終わります。
 次に2項目め、道路内に残る私有地が公共事業等の支障となる課題への対応について、3点お伺いいたします。
 今回取り上げるのは、玉島良寛荘へつながる道の途中にある稲荷町丸山線です。この道路は、実態として市道として管理され、地域の方が日常的に通行しているにもかかわらず、一部に私有地が残っているため、下水道整備が進まないという課題があると伺っております。
 もちろん、私有地である以上、行政が一方的に下水道を埋設できないことは理解をしております。しかし、問題は私有地があること自体だけではありません。市道として使えるようになると、日常の通行や道路管理の場面では問題が表に出にくく、公共事業の支障になったときに初めて課題として現れることであります。そして、所有者調査が難航すると、次にいつ誰が責任を持って確認するか、どの時点で次の判断に移るかが見えにくくなります。相続人が多数に及ぶ場合、遠方や海外におられる場合など、すぐに解決できない案件は当然あります。だからこそ、止まった案件をそのままにせず、記録し、管理し、引継ぎ、必要に応じて整備手順を検討する仕組みが重要だと考えます。
 今回、お伺いしたいのは、稲荷町丸山線だけの進捗ではございません。市道の中に私有地が残り、公共事業の支障となっている案件を市としてどう把握し、記録し、所有者調査を進めるか、そして当初のルートで下水道が難しい場合に、調査で止めず、どう次の判断へ進むのかという点でございます。
 まず、この項1点目、道路内私有地が公共事業等の支障となる案件の把握と管理についてお伺いをいたします。
 資料4を御覧ください。
 この項目の資料4から6も、1項目めと同じく、各質問の原稿をAIに読み込ませて図解したものでございます。
 資料のとおり、見た目は市道でも、一部私有地が残っていると、公共事業等を進める段階で所有関係の確認が必要となり、事業が止まることがあります。市民から見れば、市が管理している道路なのに、なぜ整備が進まないのかと、分かりにくい問題でございます。だからこそ、こうした案件を、個別の相談や一つの工事の中だけで終わらせず、公共事業等の支障案件として把握し、記録し、管理していくことが必要であると考えます。どの路線のどの区間で何が支障になっているのか、どこまで確認したのか、どの部署が対応し、今後どうするのか、こうした情報を残しておかなければ、担当職員が替わった際に、経過が分かりにくくなり、対応が止まってしまうおそれがございます。
 そこでお伺いをいたします。
 本市では、市道として管理する道路の中に残る私有地が公共事業等の支障となった案件がこれまでどの程度あるのか、その件数や実態を把握しているのでしょうか。また、そうした案件を現在どのように記録し、管理しているのか、本市の把握、記録、管理の状況をお伺いいたします。
○議長(荒木竜二 君) 下村建設局長。
◎建設局長(下村隆之 君) 道路等の公共事業を行う場合、工事担当部署が登記簿等の調査を行いますが、その際に市道内に私有地の存在が確認されることがあります。現在、本市が把握している市道内の私有地が公共事業の支障となっているものは5件です。また、調査した登記簿等の資料は、工事担当部署で管理、記録しており、道路管理担当部署に相談があったものについては、双方で資料を共有しております。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 公共事業の支障となっている道路内私有地は5件であり、収集した資料は担当部署で保存し、情報共有しているとのことでございました。ただ、この5件は、公共事業の中で支障として確認された案件であり、市道内に残る私有地全体を把握しているものではないと受け止めております。
 だからこそ、資料4で示したように、支障が分かった案件は、各担当部署の保存だけにとどめず、道路管理部門でも見える化しておくことが重要でございます。どこで止まっているか、次に何をするのか、誰が進捗を管理するのかを記録し、担当者が替わっても、対応が途切れない仕組みづくりを要望したいと思います。
 続きまして、この項2点目、道路内私有地に関わる所有者調査の体制と庁内マニュアルの整備についてお伺いをいたします。
 資料5を御覧ください。
 道路内の私有地が公共事業等の支障となった場合、まず必要になるのが、登記上の所有者や相続関係を確認し、承諾を得るための調査でございます。
 しかし、古くから道路として利用されてきた土地では、登記名義人が既に亡くなっていたり、相続が何代にもわたっていたりして、登記や戸籍をたどって相続人を特定し権利関係を整理する、時間と専門的な知識を要する作業になります。こうした調査を、担当者の経験だけに任せていては、進め方に差が生じたり、異動の際に経過が引き継がれなかったりするおそれがございます。特に調査が難航して一旦止まると、次に何を確認するのか、どこまで調べたのか、誰に相談すべきなのか分からなくなり、担当者が替わった後に、再び一から確認し直すことになりかねません。さらに、一度棚上げされた案件は、新たな支障が起きるまで棚から降りてこない、つまり問題が表面化するまで動き出さないという面もあり、今回の案件が長期化した一因にもつながっていると考えます。したがって、こうした調査のノウハウを庁内で共有できる形を整理しておく必要があると考えます。
 そこでお伺いします。
 本市では、道路内私有地に関わる所有者調査をどのような体制で実施しているのでしょうか。また、調査を通じて得られたノウハウを担当者個人の経験にとどめず、組織として共有し、次の担当へ引き継ぐためにどのような仕組みを設けられているのか。あわせて、庁内の調査手順、確認すべき書類、連絡先、引継ぎ方法などを整理した庁内マニュアルの整備について、本市の考えをお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 下村建設局長。
◎建設局長(下村隆之 君) 公共事業の実施に当たり、工事担当部署が土地の登記調査を実施し、市道内に私有地の存在を確認した場合、道路管理担当部署に道路の境界立会記録を確認するとともに、市民課など関係部署の協力を得ながら、所有者や相続人の調査を行い、課題解決に努めております。
 また、調査結果などについては、関係部署と情報共有し、引継ぎを行っているところでございます。
 今後も、業務の効率化と調査手法を確実に引き継げるよう、関係部署と調査手順等を共有してまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 工事担当部署を起点に、道路管理担当者や市民課など各部署と連携して所有者や相続人の調査を進め、結果の共有や引継ぎを行い、今後とも調査手順等を共有していくとのことでございました。
 資料5で示したとおり、所有者調査は専門性があり、担当者の経験だけに頼ると、異動の際に弱くなります。ぜひ調査手順、確認書類、相談先、記録の残し方、引継ぎ方法を庁内で使えるマニュアル的な形に整理していただきたいと思います。担当者個人の努力でなく、組織として迷わず、探さず、引き継げる仕組みづくりを要望といたします。
 続きまして、この項3点目、道路内私有地により下水道の見通しが立たない場合の判断基準についてお伺いをいたします。
 資料6を御覧ください。
 道路内私有地が下水道の支障となっている場合、まず所有者を調査し、承諾を得ることが基本だと思います。しかし、下水道整備は、道路として使われているからそのまま下水道を入れられるというものではなく、私有地が残っていれば、承諾や権利関係の確認が必要になります。その手続が短期間で進めばよいですが、所有者や相続人の確認に時間を要し、見通しが立たない場合もございます。そのときに調査中のまま何年も経過し、住民には整備されるのかどうかも分からない状態が続くことは避けなければなりません。
 資料6にありますように、大事なのは調査を続けること自体を目的にしないことです。一定期間調査しても見通しが立たない場合に、当初ルートでさらに調査を続けるか、別ルートを検討するか、どの時点で判断するか。そして、判断を誰が責任を持って行い、住民にどのように見通しを示すか、こうした段階的な判断の考え方を整理しておく必要があるのではないでしょうか。
 そこでお伺いをいたします。
 本市では、道路内私有地で下水道が停滞している案件について、一定期間調査しても見通しが立たない場合に、次の判断に移る基準はあるのでしょうか。明確な基準がないのであれば、段階的な判断ルールを整備するべきではないかと考えますが、本市のお考えをお聞かせください。
○議長(荒木竜二 君) 小畑環境局参与。
◎環境局参与(小畑茂 君) 現在、下水道整備におきましては、道路内の私有地が原因となり停滞するおそれがある場合、短期間にて解決できる見込みのある箇所については、当初計画ルートにて整備し、関係地権者との調整が難航するなど、時間を要すると思われる箇所については、別ルートでの検討を行うこととしております。
 今後も、道路管理者と一層密に連携を図り、道路内の私有地の状況を情報共有しながら、下水道整備を行ってまいります。
○議長(荒木竜二 君) 中西 善之議員。
◆16番(中西善之 君) 下水道は自然流下方式により、官地内での整備を基本とすること、また道路私有地が短期間で解決できた場合は当初計画ルートで、解決に時間を要する場合は別ルートを検討するとの考え方を確認をいたしました。
 資料6で申し上げた調査を続けるだけでは解決しないという点について、一定の考え方を示していただけたものと受け止めております。その上で大切なのは、時間を要する場合に、いつ誰がどう判断するかを曖昧にしないことでございます。下水道整備の案件として管理されていなければ、住民から問合せがあるまで動かない状態になりかねません。今後は道路管理者と密に連携をし、調査の進捗、別ルートへの切替え時期、住民への説明見通しを工程として共有しながら進めていっていただきたいと思います。
 今回の案件についても、次に何をいつ行うかを明確にし、地域の方に今後の見通しを示していただくよう要望といたします。
 AIという新しい技術も、長年残る土地の課題も、根っこは同じでございます。担当者や時代が変わっても、市民の暮らしを支える仕事を止めない。そのためには、情報を記録し、引継ぎ、次に何をするかを明確にしておくことが大切でございます。
 新しい技術も、日々の行政の積み重ねも、市民のために生かし切る。その姿勢が、誰一人取り残さない持続可能な行政につながると信じ、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(荒木竜二 君) 以上で予定の質問を全て終了いたしました。
 本日議決いただきます案件は、日程第8 議案第84号の専決1件、日程第9 報告第5号から報告第12号までの報告8件、以上都合9件であります。
 討論等の確認のため、休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。

            午後 0時 4分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午後 1時     開 議

○議長(荒木竜二 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第8 議案第84号 専決処分の承認を求めることについての専決1件、日程第9 報告第5号 令和7年度倉敷市一般会計繰越明許費繰越計算書の報告についてから報告第12号 訴えの提起に係る専決処分の報告についてまで報告8件、以上都合9件を一括して議題といたします。
 お諮りいたします。
 議案第84号 専決処分の承認を求めることについての専決1件は、会議規則第37条第3項の規定により、委員会付託を省略することに御異議ございませんか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木竜二 君) 御異議ないものと認め、委員会付託を省略することに決定いたしました。
 討論を行います。
            (「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木竜二 君) 討論なしと認めます。
 では、採決に入ります。
 日程第8 議案第84号 専決処分の承認を求めることについての専決1件を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は原案のとおり承認することに御異議ございませんか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木竜二 君) 御異議ないものと認め、本案は原案のとおり承認されました。
 続いて、日程第9 報告第5号 令和7年度倉敷市一般会計繰越明許費繰越計算書の報告についてから報告第12号 訴えの提起に係る専決処分の報告についてまで報告8件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 報告8件は原案のとおり了承することに御異議ございませんか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(荒木竜二 君) 御異議ないものと認め、いずれも原案のとおり了承されました。
 次に、議案等の付託について報告いたします。
 日程第5 議案第70号 令和8年度倉敷市一般会計補正予算(第2号)の予算案1件、日程第6 議案第71号 市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてから議案第80号 倉敷市児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の改正についてまで条例案10件、日程第7 議案第81号 倉敷市水島地区公共施設再編整備事業の委託契約についてから議案第83号 物品の購入についてまで事件案3件及び今期定例会において受理いたしました追加日程第1 請願第6号 倉敷市独自で、小学校と同程度の給食費負担軽減を中学校でも実施することを求めることについての請願1件、以上都合15件は会議規則第37条第1項及び第141条第1項の規定により、ファイルNo.10で配付の議案等付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 本日はこれにて散会し、次会は来る26日午前10時から再開いたします。

            午後 1時 4分  散 会
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