録画中継

令和4年第5回倉敷市議会(第4回定例会)
12月12日(月) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
薮田 尊典 議員
1 中央図書館を核とした複合施設棟について
2 HPVワクチンの定期接種の現状と9価HPVワクチンの定期接種化の対応について
3 糖尿病の重症化予防の取組みについて
◆16番(薮田尊典君) (拍手)皆さんこんにちは。公明党倉敷市議団の薮田 尊典でございます。今議会では、3項目にわたり通告させていただいております。最後までよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして進めさせていただきます。
 初めに、中央図書館を核とした複合施設棟について3点お伺いいたします。
 この項1点目、複合施設棟の脱炭素化について。
 今年度より中央図書館を核とした複合施設の整備における基本計画素案の策定が進められ、先日の平井議員の質問の中でのスケジュールの答弁では、令和5年度に基本計画、令和6年度に設計に着手、そして令和9年度以降の運用開始とのスケジュールでありました。
 この複合施設は、市民の皆様の御意見も聞くワークショップも開かれるとのことで、市民の御意見も多く反映していただき、魅力的な図書館を期待するところでございます。
 また、国のほうでは、公共施設等適正管理推進事業費の対象事業に新たに脱炭素化事業が追加され、新たに建設される図書館を核とする複合施設棟には、脱炭素化に向け再生可能エネルギー、ZEB(ゼブ)の取組や、さらには災害や感染症対策ができるレジリエンス強化を行い、SDGs未来都市倉敷の顔としてアピールできる公共施設としていかなければならないと考えます。
 そこで、お伺いいたしますが、新たに建設される中央図書館を核とした複合施設棟には、脱炭素化や再生可能エネルギーに関する取組のほか、SDGs未来都市倉敷としてアピールできる公共施設としていかなければならないと考えます。この点を踏まえ、複合施設棟の建築物等の脱炭素化について、教育委員会の御所見をお伺いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 薮田 尊典議員さんの御質問にお答えいたします。
 本市では、令和4年4月に市域全体の温室効果ガス削減目標の達成及び本市におけるゼロカーボンシティの実現を目指すことを目的とした倉敷市公共建築物ゼロカーボン指針を策定いたしました。
 新たに建設する予定の複合施設棟については、この指針に基づき、省エネルギー設備や再生可能エネルギーの導入、断熱性能の向上など、建築物のゼロカーボン化に資する技術を取り入れることを検討してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 倉敷市公共建築物ゼロカーボン指針を基に前向きな答弁と私たちも受け止めさせていただきました。
 この項2点目、脱炭素化に向けた複合施設棟へのCLTの活用について。
 近年、脱炭素化の取組では、木造材の使用が注目を集めております。昨年開催された東京オリンピックの会場となった新国立競技場は、木造のCLT技術を活用しています。SDGs未来都市倉敷として、通常の鉄筋コンクリート建築ではなく、脱炭素社会をリードするシンボル的な建築が必要と考えます。
 そこで、建材、CLT木材の活用を提案させていただきます。
 資料1を御覧ください。
 林野庁の庁舎等の木造化事例です。
 木材の温かみのある公共施設でございます。こんな図書館だったら、個人的にも本を借りて読んでみたいなと感じます。
 このCLTの活用は、林業振興や脱炭素化に大きな役割をもたらすもので、SDGs未来都市倉敷の文言の中にある、倉敷市をはじめとした高梁川流域圏が深く結びつき、自然と共存する持続可能な流域暮らしを創造するとした未来のまちづくりビジョンにも合致し、また岡山県内の林業の発展にも寄与する取組になると考えております。
 次に、資料の2は、地域の活性化とSDGs目標達成への貢献のイメージ図です。
 森林の図では、時計回りに木を植えて、そして育てる。若い木は育つときにCO2、二酸化炭素を多く吸い、その代わりに酸素を多く出していきます。また、成長した古い木は、CO2、二酸化炭素の吸収も悪くなり、酸素もあまり出ないので、古い木を収穫して公共施設や住宅に使うことが森林資源の循環利用ではバランスの取れた状態と言われております。
 このCLTという建築材料ですが、これまでの木材に比べて格段に用途が広く、建築物の脱炭素化につながるメリットがあり、耐震性や耐火性に優れているため、マンションや商業施設といった大型建築物にも使うことができます。
 公明党は、さきの参院選政策集で、CLTの活用を通じた木造住宅・建築物の振興を主張させていただき、政府でも10月28日発表の総合経済対策で掲げた国内森林資源活用・木材産業国際競争力強化対策にCLTの活用を盛り込み、脱炭素社会の実現のため、CLT需要の一層の拡大に向け、木質建築部材の普及を支援する事業が行われております。
 そこで、お伺いいたします。
 脱炭素化の取組の一つとして、県内の林業振興にも寄与するCLTの活用を提案させていただきます。政府の国内森林資源活用・木材産業国際競争力強化対策としてCLTの活用が盛り込まれ、サステナブル建築物等先導事業という木材建築物等の整備に国が助成する制度があります。複合施設における脱炭素化の推進に当たっては、CLTの活用が有効と考えますが、教育委員会の御見解をお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) CLT、いわゆる直交集成板を使用した工法は、一般的に工事費が割高になりますが、施工が容易で、頑丈であるというメリットもあります。
 複合施設棟の構造や工法につきましては、現時点では決まっておりません。今後、倉敷市公共建築物ゼロカーボン指針に基づき、温室効果ガス削減効果や施設の用途、立地条件やライフサイクルコスト等を勘案しながら、策定中の基本計画の中で考えてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 前向きに検討していただければと思います。
 日本は国土の7割が森林に覆われていますが、国産材の需要は低迷しています。林業振興にCLTが果たす役割は大きく、またコンクリートや鉄に比べ、製造時の二酸化炭素排出量が少ないことも重要です。
 また、脱炭素の取組でも、今CLTの活用が注目を集めております。政府によると、CLTを使った建物は、今年度の累計で960件に達し、増加傾向にありますので、CLTの活用を検討していただければと思います。
 この項3点目、レジリエンス強化型ZEB実証事業について。
 国は地域脱炭素ロードマップにおいて、国、自治体の公共施設における再生可能エネルギーの率先導入が掲げられ、また昨今の災害リスクの増大に対し、災害・停電時に公共施設へのエネルギー供給等が可能な再エネ設備等を整備することにより、地域のレジリエンス、レジリエンスとは災害や感染症に対する強靱性の向上を言いますけれども、地域の脱炭素化と同時に実現する支援事業を行っております。
 そこで、お伺いいたします。
 複合施設棟には、再生可能エネルギー設備や蓄電池等を導入し、停電時にもエネルギー供給が可能であって、換気機能等の感染症対策も備えたレジリエンス強化型ZEBが必要と考えますが、教育委員会の御見解をお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) レジリエンス強化型ZEBとは、議員さんからも御紹介がありましたが、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備や蓄電池等を備え、停電時にもエネルギー供給が可能であって、換気機能等の感染症対策も備えた建物です。
 複合施設棟に導入するZEBの種類につきましては、施設用途や機能を検討していく中で、コスト面も含めて考えてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 災害や感染症に対する強靱性の向上を、ここでお願いさせていただきたいと思います。
 今議会でCLTの活用を提案させていただいたのは、一般企業もビル建築にCLTの活用が進んでおり、脱炭素社会へ貢献していますよというアピールもこれに含まれているそうでございます。倉敷市もその先頭に立ち、SDGs未来都市倉敷の顔として、CLTを活用した図書館、複合施設棟をここで要望させていただきます。
 2項目めに移り、HPVワクチンの定期接種化の現状と9価HPVワクチンについて3点お伺いいたします。
 子宮頸がんは、毎年1万人が罹患し、約3,000人が亡くなっている女性にとって命に関わる疾患です。公明党として、新垣議員と交代しながら何度も質問させていただき、倉敷市も今年4月からHPVワクチンの接種勧奨が始まりました。保健所の職員の皆様には、コロナ禍の様々な対応で大変忙しい中、今回の勧奨再開に当たり、速やかに全対象者に郵送通知を実施するなど、迅速な対応に感謝いたします。ありがとうございました。
 今回の議会質問は、来年度から国が新たなHPVワクチン、9価HPVワクチンと言いますけれども、定期接種にする方針が決まりましたので、来年度の予算や接種勧奨に反映できるように質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、この項1点目、本市の積極的勧奨再開に伴う現状について。
 本年4月より定期接種対象者への積極的勧奨が約9年ぶりに再開されました。また、積極的勧奨差し控えの時期に定期接種年齢を過ぎてしまった女性に対しても、再度接種機会を設けるキャッチアップ接種が開始され、全国的にHPVワクチンに関する接種や関心が高まっております。
 そこで、お伺いいたします。
 本年4月よりHPVワクチン接種の積極的勧奨が再開され、あわせて積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方へのキャッチアップ接種も開始されました。積極的勧奨再開に伴い、直近までの接種件数と、市民の反響があればお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開に伴い、本市では定期接種の対象者に個別に通知するとともに、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への接種、いわゆるキャッチアップ接種の対象者に対しても接種勧奨通知を送付しております。
 こうした取組の結果、HPVワクチンの定期接種の件数は、10月末時点で2,462件となっており、前年10月末時点の1,852件に対し、3割以上増加しております。
 また、キャッチアップ接種につきましては、令和4年4月から10月末時点で1,816件の接種があり、積極的勧奨の再開に伴う広報や個別案内により一定の効果があったものと認識しております。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 昨年に比べ3割増加したと、またキャッチアップ接種の方も1,816人と確認させていただきました。一定の効果があったと私自身も感じます。
 次に、この項2点目、9価HPVワクチンの効果や安全性について。
 HPVワクチンでございますが、現在定期接種で使用されているHPVワクチンの種類は、2価と4価の2種類のワクチンがあります。この2価と4価のワクチンは、子宮頸がんになりやすい16型、18型のHPVの感染を予防し、子宮頸がんの約70%を防ぐことができると言われております。
 また、来年度新たに定期接種に追加されるのが9価HPVワクチンですが、この9価ワクチンでは、さらにHPVの31型、33型、45、52、58型のHPVの感染が予防できるようになり、約90%の子宮頸がんを防ぐことができるとされ、2価と4価ワクチンと比べると予防範囲と効果が大きく違う新しいワクチンとされております。
 そこで、お伺いいたします。
 令和5年4月1日から9価HPVワクチンの定期接種化が見込まれており、定期接種に加え、キャッチアップ接種でも9価HPVワクチンを使用可能とする方針が国において了承されております。9価HPVワクチンの効果や安全性についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 9価HPVワクチンは、子宮頸がんの発生に関連するヒトパピローマウイルスのうち、9種類の遺伝子型に有効であり、現在定期接種の対象である2価と4価HPVワクチンよりも多くのウイルス遺伝子型に対応しているものです。4価HPVワクチンと比較して接種部位の痛みや腫れなどは多いものの、頭痛や発熱などの全身症状は同程度であると報告されております。
 こうした内容を踏まえ、国の審議会において9価HPVワクチンの安全性や期待される効果などが議論され、その結果、定期予防接種として令和5年4月1日からの接種開始が承認されています。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 効果や安全性も確保されているとの答弁でございました。
 次に、この項3点目、9価HPVワクチンの定期接種化に伴う本市の対応についてお伺いいたします。
 国が9価HPVワクチンの定期接種開始を決め、制度が開始されれば、どこの自治体でも9価HPVワクチンを選択することができるようになりますが、各自治体によってはワクチンが追加されたことについて全ての対象者に十分に周知されない可能性があると危惧されております。多くの自治体で勧奨再開に伴い、対象者への個別通知は実施済みであるため、ワクチンの追加がホームページや広報などの対象者が気づきにくい媒体での周知になってしまう可能性があると懸念されております。
 そこで、お伺いいたします。
 9価HPVワクチンの定期接種化に伴い9価ワクチンが接種の対象として選択できるようになりますが、9価ワクチンが追加になったことや、ワクチンの有効性、安全性など情報提供について、今後の本市の対応についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 吉岡保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(吉岡明彦君) 本市では、令和5年4月以降の定期接種及びキャッチアップ接種の対象者に対し、9価HPVワクチンが追加されたことも含め、ワクチンの有効性や安全性などについて接種案内等でお知らせする予定としております。
 また、来年度の保健所だよりや予防接種のしおり等も活用して、9価HPVワクチンが追加されたことを広報してまいります。
 今後も、HPVワクチンにつきましては、有効性と副反応が起こるリスクを十分に理解した上で接種していただけるよう、国のリーフレットなどを活用し、情報提供してまいります。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 接種案内ということは個別通知で行うということでございますので、ここは一つ安心いたしました。
 定期接種として新しいワクチンも使えるようになることは、対象者にとっては大変喜ばしく、接種を検討するための大変重要な情報となります。いずれにいたしましても、有効性の高い9価HPVワクチンですので、丁寧な周知をお願いいたします。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員、この際申し上げます。
 質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は2時10分からの予定です。

            午後 1時56分  休 憩

            ~~~~~~~~~~~~~~~

            午後 2時10分  開 議
○副議長(塩津孝明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 16番 薮田 尊典議員、質問項目3番から再開してください。
◆16番(薮田尊典君) それでは、再開させていただきます。
 3項目めに移り、糖尿病の重症化予防の取組みについて4点お伺いいたします。
 糖尿病は、厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の5人から6人に1人が罹患しているいわゆる国民病ですが、食事や運動習慣を見直すことで予防ができるとされております。
 厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査によれば、食事習慣に関心はあるが、改善するつもりがない人は全体の25%、関心もなく改善もしない人は13%に上りました。この原因としては、仕事や家事が忙しく時間が取れない、そもそも生活習慣を変えることが面倒などが主に上げられ、いまいち危険性に対する実感が湧かないのも現実と思います。
 コロナ禍の状況が既に2年半以上も続いておりますが、特に新型コロナウイルス感染症は糖尿病の方の重症化リスクが高いことが明らかになっております。糖尿病は放置すると網膜症、腎症、神経障がいなどの合併症を引き起こし、患者のクオリティー・オブ・ライフ、生活の質を著しく低下させます。医療経済的に見ても大きな負担を社会に強いることになるため、対策は急務であると言えます。
 糖尿病の国内医療費は約1.2兆円に膨れ上がり、特に糖尿病性腎症が原因の4割以上を占める人工透析には1人月額40万円、年間約1.57兆円を要する等、医療費全体から見ても非常に大きな課題となっております。
 このように、糖尿病の重症化予防については、今までよりも強い対策が求められております。
 そこで、今議会では、本市の糖尿病患者の状況と今まで取り組んだ糖尿病重症化予防事業の効果や今後の取組について質問いたします。
 この項1点目、本市の糖尿病患者の人数と医療費の現状について。
 糖尿病重症化予防ですが、私も2018年から質問させていただきました。本市も糖尿病重症化予防に積極的に取り組んでいただき、高く評価させていただきます。
 そこで、お伺いいたします。
 本市の国保の被保険者のうち、昨年度の糖尿病患者の状況について、人数及び医療費、また透析にかかった医療費、透析患者数、また糖尿病が原因で透析になってしまった方たちの割合についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 渡邊保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(渡邊浩君) 本市の国保データベースシステムによるレセプトデータに基づく昨年度の糖尿病患者の状況につきましては、患者数は約1万1,000人であり、本市の国保被保険者に占める割合は約12%となっております。
 また、医療費については約19.7億円となっております。
 次に、人工透析にかかった医療費は約21.3億円、患者数は431人となっております。
 さらに、透析になった方のうち糖尿病を有している方の割合は50.8%となっており、透析を開始する最も大きな要因となっております。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 糖尿病患者数と医療費についてお伺いさせていただきました。
 人工透析の患者数は、本市では431人で、医療費が21.3億円と、1人当たり年間約500万円となります。市民の方の健康と生活を守るためにも、人工透析につなげない積極的な取組を本市として行っていかなければなりません。
 そこで、この項2点目、糖尿病重症化予防事業の効果について。
 本市は、令和2年9月より国保データベースシステムを活用してレセプトデータで治療中断者へ受診勧奨を行ったり、また令和3年度には国保ヘルスアップ事業の交付金を活用して、事業者に委託して、健診結果やレセプトデータなどをAI、人工知能を用いて分析し、その人の傾向に応じて健診の受診につながる取組を行っております。
 そこで、お伺いいたします。
 国保特定健診を受診した方のうち、治療が必要な方及び治療を中断している方の人数と、何人の方を抽出し通知できたのか、また医療機関へつなげた人数についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 渡邊保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(渡邊浩君) 国保特定健診を受診した方の中で、糖尿病の治療が必要な方について、令和2年度は対象者308人に、また令和3年度は280人に対し受診勧奨を行っております。令和2年度は、対象者のうち213人が医療機関を受診されております。
 また、令和2年度からは国保のレセプトデータを活用して糖尿病の治療中断者への受診勧奨事業を開始をしております。令和3年度までに過去3年間のデータから抽出した延べ63人に受診勧奨の通知を送付し、希望のあった39人に保健指導を実施した結果、17人が医療機関を受診されております。
 今年度は、過去5年間の国保のレセプトデータから抽出した99人に通知をし、電話、訪問により受診勧奨及び保健指導を行っているところでございます。
 引き続き、必要な方が確実に治療を受けられるよう取組を進めてまいります。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 国保のレセプトデータからAIで抽出してから大きく効果が出ていると、そのように私自身も認識させていただきました。
 また、過去5年間に一回遡ってから、もう一回訪問したり、また電話勧奨するということは、これは大変いい取組でございますので、今後さらなる抽出基準の拡大も、これもちょっと検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 この項3点目、倉敷市国民健康保険第2期データヘルス計画中間評価についてお伺いいたします。
 倉敷市国民健康保険第2期データヘルス計画中間評価では、有益な分析や評価、事業を行うことができている事業者に委託することも検討されていると中間評価されていました。
 そこで、令和3年度には国保ヘルスアップ事業の交付金を活用して事業者に委託し、健診結果やレセプトデータなどをAIを活用して分析し、その人の傾向に応じて健診の受診につながる最先端の取組を今行っているとお伺いしております。
 そこで、お伺いいたします。
 健康寿命の延伸及び医療費適正化の対策として、国保データベースシステムのレセプトデータのAIの分析結果と今後の取組についてお聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) 国保データベースシステムのレセプトデータの分析をいたしまして、倉敷市国保の令和3年度にかかった外来医療費からいろいろ分析をいたしました。外来医療費は全部で約200億円でございますけれども、一番多いのが慢性腎不全でございます。これが外来医療費の約11%、その次が糖尿病で9%、そしてその次が悪性新生物、がんでございますね。そして、高血圧性の疾患、コレステロール異常等の脂質異常ということになっておりまして、今申し上げたものだけでも、悪性新生物を除きまして、いわゆる生活習慣病が原因であると思われるものが、倉敷市の国保の外来総医療費の約3分の1強ということで、60億円以上を占めている状況でございます。
 その中で最も大きな要因というのがこの慢性腎不全となっておりまして、ただそれ以外に先ほど名前を申し上げましたものも、直接糖尿病、また高血圧性疾患等の重症化に生活習慣病が大きく関わっているということが上げられると思います。
 そこで、従来から実施しております糖尿病の治療を中断した方に加え、本年度から新たに高血圧治療を中断されている方に対しましても、事業者に分析をしてもらい、受診勧奨を行うことといたしました。健診の結果データ、またレセプトデータ等からAIを用いまして、対象者の診療した内容の特性に合わせた受診勧奨を行うこととしております。
 例えば、重症化率の高い方については合併症の危険性について、また重症化率の低いと思われる方には、重症化した場合に医療費が非常に大きくなるということなどを記載いたしました4種類のパターンの受診勧奨通知を作成いたしまして、これはAIの分析といいますか、人工知能を用いて勧奨のパターンをつくりまして、636人に送付しておりまして、保健師のほうが保健指導等を行っているところでございます。
 今後も、国保被保険者の健康寿命の延伸、そして医療費適正化のためにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 いろいろな、こういうデジタルのツールでありますとか、そしてもちろん直接的な保健師の指導というものが一番よく効くわけでございますので、そのあたりをしっかり併せて取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) しっかりと分析、またそれに対してしっかりと対策をしていくという部分におきまして確認させていただきました。いずれにいたしましても、人工透析につながらないように市民の健康を守り、医療費適正化に向けて今後取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後の質問に入ります。
 この項4点目、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施についてお伺いいたします。
 国民健康保険から後期高齢者医療制度へのデータの移行についてですが、この問題は74歳までは国民健康保険でデータが活用されていましたが、75歳になり後期高齢者医療制度に切り替わった途端、国保のデータが受け継がれていないという問題でございます。
 糖尿病は長期重症化する疾患として、75歳以上の後期高齢者にとっても重要な問題です。令和元年国民健康・栄養調査によれば、75歳以上で糖尿病を強く疑われるもののうち約27%が未治療とのことです。糖尿病重症化予防の取組においても、市町村行政が主体となり、各方面と協働し、制度変更などによる切れ目がなく糖尿病治療が必要な方が中断せず医療につながるように、対象者把握と継続的な受診勧奨の取組を実施しなければなりません。
 そこで、お伺いいたします。
 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施での75歳以上の糖尿病重症化予防の取組についてどのように考えているのか、また取組を行うに当たり、国保から後期高齢者医療制度への途切れない情報共有はできているのか、お聞かせください。
○副議長(塩津孝明君) 渡邊保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(渡邊浩君) 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施とは、医療保険者による保健事業と介護予防事業を保健師などの医療専門職が関与することによって一体的に実施する事業で、令和6年度末までに全ての市町村で実施することとされております。
 本市では、今年度からこの一体的実施を開始しており、国民健康保険と後期高齢者医療制度の健診、診療、介護保険の給付実績などの情報を集約した国保データベースシステムの情報を活用し、75歳以上の後期高齢者に対し、低栄養防止の取組として保健師などが家庭訪問し、保健指導等を実施しております。
 今後、さらに従来の低栄養防止の取組に加え、糖尿病などの生活習慣病の治療中断者が重症化しないよう医療機関への受診につなげることなどの取組を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(塩津孝明君) 薮田 尊典議員。
◆16番(薮田尊典君) 今年度から国保データベースシステムを活用して75歳以上の方に低栄養防止の取組を行っているとのことで評価させていただきます。
 糖尿病などの生活習慣病についても、今後検討を進めていっていただければとお願いするところでございます。
 いずれにいたしましても、市民の健康と暮らしを守ることにより、ひいては医療費の削減にもつながります。今後さらなる事業化を行っていただくことをお願いし、私の質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
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