録画中継

令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
2月26日(月) 本会議 代表質問
青空市民クラブ
小郷 ひな子 議員
1 子育て支援について
(1)倉敷市長の子育て支援は何か
(2)こどもの貧困対策・いじめ対策・自殺対策について
(3)少子化対策について
(4)倉敷市の「こどもまんなか応援サポーター宣言」の推進方法とこども施策の展開方法について
2 学校現場のマンパワーの増強について
(1)学校現場の働き方改革の認識と今後の取組みについて
(2)学校現場のマンパワー不足の現状認識と今後の倉敷市の取組みについて
3 不登校対策について
(1)倉敷市における不登校支援の基本的な考え方について
4 オンライン授業の早期実現について
(1)オンライン授業についての倉敷市の取組みについて
(2)倉敷市が目指すオンライン授業について
5 物価高騰対策について
(1)家計支援について
(2)エネルギー価格支援について
◆7番(小郷ひな子君) (拍手) 皆さんこんにちは。青空市民クラブの小郷 ひな子です。
 まずは、令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、またその御家族の方々に対しまして、会派を代表して、心よりお見舞いを申し上げます。被災された皆様の安全と被災地の一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
 それでは、会派を代表して、通告に従いまして質問させていただきます。
 昨年12月に伊東市長に提出させていただいた会派の令和6年度重点要望の内容に沿って質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 質問通告1点目、子育て支援について4項目お尋ねします。
 1項目め、倉敷市長の子育て支援とは何かについてお伺いします。
 伊東市長は、子育てするなら倉敷でと言われるまちを公約に掲げられ、倉敷市の子育て支援施策を牽引され、妊娠から子育てまで切れ目のない子育て支援を行うための子育てステーションすくすくの開設や、子ども医療費の窓口負担額の対象年齢の引上げ、待機児童対策や放課後児童クラブの拡充等、様々な支援を実施され、近年の社会的課題に対応してくださっていることについては、高く評価をしています。
 そして、去る2月22日に、伊東市長は次期倉敷市長選挙への出馬を表明されました。青空市民クラブとしては、ますます子育て支援を推進していただけることを期待して、支援させていただきたいと思います。
 ここでは、この4年間、倉敷市長として特に力を入れてこられた子育て支援はどのようなもので、令和6年4月に行われる倉敷市長選挙に向けて立候補を表明された伊東市長として、次の4年間、特に力を入れられたい子育て支援はどのようなものなのか、お尋ねしたいと思います。
 2項目めは、ゴールの見えない長期的な課題であると言えるこどもの貧困対策・いじめ対策・自殺対策についてお尋ねします。
 厚生労働省の調査によると、日本の17歳以下の子供の貧困率は、2021年に11.5%で、約8.7人に1人の子供が貧困状態にあると言われています。
 子供の貧困対策については、親や子供に貧困であるという自覚がない、貧困の自覚があっても周囲の目を気にして、行政の支援を求めない、また頼れる親戚も、近隣付き合いもなく、地域から孤立している等の要因で、難しい問題であると思います。
 住む家がない、帰る家がない、食べる物がないなど、生きるために必要な生活水準に達していない絶対的貧困と、日本の経済や生活の水準において大多数の世帯に比べて貧しい状態の相対的貧困の2種類があると言われていますが、中でも教育の支援、生活の安定のための支援、経済的支援、保護者の就労支援など、相対的な支援が必要な貧困のほうが課題も多く、先の見えない支援で、非常に難しい課題が山積しています。
 相対的貧困は、給食でしかバランスのよい食事ができない、制服や学用品等の必要なものが買えなかったり、経済的な理由で進学を諦めたことにより希望を失い、学習への意欲がなくなったり、周囲とのつながりがなくなってしまったり、就職の機会をなくしたりすることも上げられます。
 子供の貧困は、親から子供へ、子供から孫へと負の連鎖が起こり、貧困から脱出できない可能性があります。生活困窮家庭は、物資的な面だけではなく、精神的な面でも孤独であったり、孤立していたりして、貧困の連鎖だけではなく、自殺や少子化にもつながる可能性は否めないと思います。
 自殺との関連性については、貧困の状態にある子供が抱える様々な問題が自殺のリスク要因になりかねないと、厚生労働省も認識しています。
 また、いじめによる自殺や不登校の数も増えています。
 自殺、いじめについては、減らすではなく、どんなことをしてもゼロにしなければならないと考えます。
 盛岡市は、市長部局に4月から、専門家と元教員、相談員体制のこども相談室を設置する方針です。
 子供の貧困は、その家庭や個人の問題ではなく、社会問題だと言えるのではないでしょうか。
 自殺の背景には、精神保健上の問題だけでなく、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤独、孤立など、様々な社会的要因があると、自殺の関連性について自殺総合対策大綱の中で認識されています。
 子供に対して自殺対策を図ることは、その子供たちが大人になったときに、困難な問題に直面したとき、SOSの出し方、相談の仕方を身につけていれば、大人の自殺対策にもつながる可能性があるのではないかと思います。
 そこで、未来を担う子供たちの大切な生活や命を保障するために、貧困、いじめ、自殺について、倉敷市を牽引する市長として必要な支援をどのように考えられているのか、見解をお伺いしたいと思います。
 3項目めは、少子化対策についてお伺いします。
 さきに述べた子供の貧困、いじめ、自殺の内容についても踏まえた上でお尋ねします。
 核家族化や地域とのつながりの希薄化や親の孤立化等、子育てに対する不安が少子化にもつながっていると考えます。
 神戸市では、今年9月から市内の高校に通う生徒の通学費の全額を補助する方針です。
 子育て世帯の流出を防ぐには、誰もが安心して子育てできる取組が重要です。
 少子化対策には、保育所問題、親が相談できる居場所問題、養育費問題等、課題はたくさんあります。
 1点は、少子化対策部をつくるなどして子育て世帯への取組の充実を図ってはどうかと考えます。
 もう一点は、1973年の第2次ベビーブームを境に出生数は減少し、2016年に初めて100万人を割り込み、2050年には約61万人になると国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)で発表しています。
 令和6年2月16日、国が掲げている異次元の少子化対策の実現に向けて、少子化対策関連法案が閣議決定されましたが、倉敷市で妊娠、出産、育児、子育てが安心してできる倉敷市独自のさらなる充実を図り、子育てするなら倉敷でと若者世代が倉敷市の取組に今以上に魅力を感じることができる対策が求められているのではないでしょうか。
 倉敷市の出生数の推測と、それに対し、どのように受け止められ、倉敷市として少子化対策をどのように考えられているのか、お伺いしたいと思います。
 4項目めは、倉敷市の「こどもまんなか応援サポーター宣言」の推進方法とこども施策の展開方法についてお尋ねします。
 この項目は、2点お伺いします。
 まず1点目は、こどもまんなか応援サポーター宣言を行った倉敷市として、こどもまんなか応援サポーターとして、これから一緒に取組をしてくださる個人や団体、企業等をどのようにして増やしていく御予定なのか、お伺いします。
 2点目は、子供たちが健やかで幸せに成長できる社会の実現に向けて、今後倉敷市としてどのように取り組んでいく御予定なのか、お伺いしたいと思います。
 2点目、学校現場のマンパワー増強について2項目お伺いします。
 1項目め、学校現場のマンパワー不足の認識と今後の取組についてお尋ねします。
 教職員の業務の総量を減らさずに勤務時間の短縮を図ろうとしても、在宅での仕事量が増えるなど、根本的な解決にはなりません。
 業務量の削減やICTの活用等で効率化と事務の削減を進め、時間外の登下校の見守りを完全に地域ボランティアに依頼するなど、改革が必要であると考えます。
 また、部活動の地域移行問題も喫緊の課題と言えます。
 現場で働く教職員の環境整備を早急にしなければ、学校現場は逼迫状態が継続すると思います。文部科学省が出している全国の学校における働き方改革事例集の事例を参考に、改革できる点については改革が必要であると考えます。教育委員会と学校現場、地域とのさらなる連携が求められると思いますが、倉敷市として学校現場のマンパワー不足について、どのように認識し、今後どのように取り組まれる御予定なのか、見解をお伺いしたいと思います。
 2項目め、教員不足の現状認識と今後の倉敷市の取組についてお尋ねします。
 教員になりたいという学生が減り、教員採用試験の倍率も低くなっていて、教員不足が深刻な状況です。慢性的な教員不足により無理を強いられ、教員間でのフォローができなくなり、精神的に疲れ、休職する人も増えています。
 一方で、教員採用試験の受験者数を増やすことだけではなく、現役教員のメンタルケアも必要ではないかと考えます。
 教員の成り手の確保については、教育委員会と大学、民間企業との連携、協働による教職員の魅力発信等やマッチングの効率化や入職前研修等への支援、大学と教育委員会による教員養成課程の見直しや地域枠の設定、奨学金の返還支援に係る速やかな検討の推進が教員を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)に記されています。
 倉敷市において教員不足についてどのように認識し、今後倉敷市としてどのように取り組んでいく御予定なのか、見解をお伺いしたいと思います。
 3点目、不登校対策について、1項め、倉敷市における不登校支援の基本的な考え方についてお伺いします。
 令和4年度には、全国の小・中学校の不登校の児童・生徒数が29万9,048人と、過去最多を記録しました。
 また、学校内外で相談、指導等を受けていない児童・生徒数が11万4,217人、全体の38%と、平成30年から増加し続け、過去最多となっています。
 小学生では、不登校の児童が10万5,112人で、59人に1人、中学生では19万3,936人で、17人に1人、小・中学生を合わせると32人に1人となっています。
 倉敷市においても小学生の不登校が過去最多の333人、中学生の不登校が550人となり、小・中学生の合計は883人と、6年前から比べると約2倍近くに増加しています。
 子供の人数が減少しているのに不登校の人数が増えているのは、重大な問題であり、早急な対応が求められます。
 小学1年生から中学3年生まで学年別に見ると、小学生の人数が中学生の人数よりも多いにもかかわらず、中学生の不登校の数が多いことも文部科学省の調査結果で分かっています。
 不登校の要因の約50%は、無気力、不安という本人に関係することが要因のようです。何らかの理由があって学校に行けない子供の解決策や居場所を大人が考えるのではなく、不登校にならざるを得ない事情があるのだと、まずは不登校を認め、子供の心の悲鳴に耳を傾け、必要としていることは何なのかを知ることが大切なのではないでしょうか。
 小・中学校にそれぞれ拠点を置き、オンライン授業の配信を毎日行っている熊本市のような自治体もあります。
 また、愛知県岡崎市では、校内フリースクールを小・中学校に設置し、家庭のような自由な雰囲気の教室で学びを止めない努力をし、成果を上げています。
 また、個別最適化の学びの支援として、株式会社COMPASSが運営するQubena(キュビナ)というAIを搭載した学習ポータル教材を導入している自治体や学校も増加し、2,300校以上が導入しているそうです。AIを搭載した学習ポータル教材については、倉敷市でも導入予定であることはお聞きしています。
 誰一人として取り残さない支援をするためには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、教育支援センター、窓口相談などだけでは難しいのではないでしょうか。残念ながら、学校にも民間のフリースクールにも、どこにもつながっていない児童、生徒がゼロではありません。この子供たちへの学びの保障もしなければなりません。
 熊本市では、どこにもつながっていない児童、生徒の数を調査し、その児童、生徒への支援にも乗り出しています。
 倉敷市の不登校対策は、学校に戻そうという気持ちの上での対策を少なからず感じますが、義務教育である以上、たとえ不登校であっても籍は学校にあり、一日も学校に行かなくても卒業はできてしまいます。卒業証書をもらうことが目的ではなく、社会的に自立するためのサポートが必要であり、不登校の児童、生徒のうち、どこにもつながっていない、学びの機会につながっていない児童、生徒も含め、誰一人取り残さない、義務教育の子供の学びや相談できる機会への結びつきが非常に大切であり、多様な環境整備をすることが必要であると考えます。
 国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体等の相互の密接な連携の下に行われるようにすることと、教育機会確保法にも民間等、学校以外の機関との連携が必要であることが記されています。
 学校に戻すことももちろん大切なことではありますが、学校以外の学びの場の確保、学校以外の居場所の確保も必要です。民間のフリースクールも大切な選択肢の一つであると思います。行政や親が主体で考えるのではなく、今を生きる子供たちの気持ちに寄り添い、何を必要としているのか、何を求めているのかを、しっかりと不登校の児童・生徒本人の声に耳を傾け、必要としている支援、サポートは何なのか、的確に把握し、今の時代に合ったものをつくり上げていかなければ、子供を軸とした真のサポートはできないと思います。
 この項では、2点お尋ねします。
 まずは、学校にもフリースクールにも、どこにも行けない児童、生徒などの不登校児童・生徒も含め、義務教育である小・中学生の学びの機会の保障をどのように考えられているのでしょうか、見解をお伺いしたいと思います。
 2点目は、倉敷市は学校に行けない子供の居場所について、どのように考えられているのでしょうか。
 また、倉敷市として、誰一人として取り残さない不登校支援に、今後どのように取り組んでいく御予定なのか、見解をお伺いしたいと思います。
 4点目、オンライン授業の早期実現について2項目お尋ねします。
 1項目め、オンライン授業についての倉敷市の取組みについてお伺いします。
 平成29年に教育機会確保法が施行され、学校を休むことも必要であり、学校以外での学びも重要であり、民間等、学校以外との連携も必要であるとされています。
 学校に行かない、行けない児童、生徒が学校復帰だけを目的とすることなく、選択の幅を広げ、児童・生徒一人一人が自分の進路を主体的に考え、社会的に自立していけるような支援が必要ではないかと考えます。
 オンライン授業もその選択肢の一つであり、オンラインを通して児童、生徒と教員との関係性を構築できれば、別室登校等の支援にもつながる可能性もあると考えますが、倉敷市のこれまでのオンライン授業の取組と、今後の倉敷市の取組について、どのように考えられているのか、見解をお伺いしたいと思います。
 2項目め、倉敷市が目指すオンライン授業についてお伺いします。
 オンライン教育の活用に当たっての基本的な考え方の中には、教師がオンラインを活用した授業を行うに当たって、同時双方向、オンデマンド動画、デジタル教材等をハイブリッドに活用し、学校現場での児童、生徒等の状況に応じ、より質の高い教育を行うために最適な対応が取れるようにすると、同時双方向のオンライン授業の活用も促進されています。
 また、令和6年1月1日に発生した能登半島地震において、学校が再開できない状況にある中、オンライン授業を活用する自治体があります。石川県穴水町立穴水中学校では、オンライン授業を行いました。学校に行くことが困難な生徒は、自宅や避難先からタブレット端末を使って授業に参加。また、リアルタイムで授業を受けることが困難な生徒には、録画配信も行っているようです。このほか、珠洲市でもオンライン授業を取り入れられているようです。オンライン授業では、生徒同士が笑い合い、精神的に安心できる場となっているそうです。災害時においても子供の学びを止めない保障をしっかりとされていると感じます。災害はいつやってくるか分かりません。学校に行く、行かないにかかわらず、全ての児童、生徒が社会的に自立していけるよう、多様な教育機会の確保が必要であると考えます。
 また、災害時等にも学びを止めない学びの場づくりとしてオンライン授業の早期実現を求めたいと思いますが、倉敷市教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。
 質問通告最後、物価高騰対策について2項目お尋ねします。
 政府が公表した令和5年度の国内総生産で、ドル換算にした日本の名目国内総生産がドイツに抜かれ、世界4位になったとの報道がありました。失われた30年を打開するには、民間主導の力強い経済を取り戻す必要があります。現在の国内経済は、長期デフレから完全に脱却できるかどうかの岐路にあり、企業の賃上げや構造改革で経済全体を底上げしていかなければならないと思います。
 1項目めは、家計支援についてお伺いします。
 この項については、2点お尋ねします。
 1点は、給食費の負担軽減について、令和5年度は食料品の影響を受けている子育て世帯へ家計支援をし、大変好評だったと思います。市民の皆さんの反応を一部でもよいので、どのような反応があったのか、お聞きしたいと思います。
 また、令和6年度の予定はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
 2点目は、低所得の子育て世帯に対する子育て生活支援特別給付金について、令和5年度は食料品価格高騰の影響を受けている子育て世帯へ家計支援をし、大変好評だったと思いますが、市民の皆さんの反応を一部でもよいので、お聞きしたいと思います。
 また、令和6年度の予定についてどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
 2項目めは、エネルギー価格支援についてお伺いします。
 令和5年度は、エネルギー価格・物価高騰対策に要する経費を計上し、大変好評であったとお聞きしています。中でも、省エネ設備更新補助金、電気・ガス価格高騰緊急経済対策補助金、畜産飼料高騰対策支援金について、事業者の方の反応はどのようなものであったのか、お尋ねしたいと思います。
 また、令和6年度の予定についてはどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
 今年3月末で退職される職員の皆様におかれましては、長年にわたり、市民の皆様のために御尽力賜りましたことに、会派を代表して衷心より感謝を申し上げます。4月からも健康に御留意いただき、これまでの経験を生かし、新たなステージで、新たな立場で、引き続き倉敷市発展のためにお力添えをいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 以上で会派を代表しての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
            (市長  伊東 香織君  登壇)
◎市長(伊東香織君) それでは、青空市民クラブ代表質問、小郷 ひな子議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
 まず、子育て支援についてということで、市長の子育て支援への思い、またこの4年間等に行ってきたことは何かということと、今後への思いはどうかということでございました。
 この4年間の子育て支援につきましては、私のライフワークでもございます子育てするなら倉敷でと言われるまちづくりを掲げておりまして、妊産婦、子育て世代の方の身近な相談体制の充実といたしまして、妊婦・子育て相談ステーションすくすくの相談員の増員、そして仲間づくりや子育ての悩み事を相談できるような地域の拠点を増設すること、また待機児童対策という意味で、保育所、認定こども園、放課後児童クラブ等の受入れ増を図って、またそれぞれの環境整備にも力を入れてまいりました。
 待機児童対策については、もちろん保育士の方がしっかり確保できないとできないわけでございますので、そういうことについての取組などもしっかり行ってきているところでございます。
 また、妊娠、出産というところで、産後ケアの利用期間の延長、そして利用者負担の軽減などに取り組むとともに、子ども医療費の公費負担を令和5年7月から通院分につきまして中学校3年生までの拡大を行うなど、安心して妊娠、出産、子育てができる環境づくりに取り組んできたところでございます。
 そして、子育て支援という意味では、教育環境の充実も大変大切でございます。エアコンの設置、そしてトイレの洋式化、1人1台パソコンの配備、また先ほどもお話がありましたけれども、オンライン学習の環境整備なども、コロナのこともございまして、急速に進んできていると思っております。
 今後でございますけれども、社会的に今後どういうことがさらに大切になってくるか、今思っていることを申し上げたいと思いますけれども、今後はこども誰でも通園制度が、これは待機児童対策とは違いますけれども、そういうものへの取組も始まっていきますので、そういうことについてでありますとか、また教育環境の整備、それから当然のことながら、先ほども申し上げました子育て支援の全般的なところとして、待機児童対策をはじめとするものでございます。
 全体といたしまして、子供の皆さんが健やかに成長して、それぞれがその力を生かして、倉敷を背負って立つ大人になってもらえるようなという観点で、子育て、教育、また地元への就職、環境整備などに力を入れることが社会的に求められているのではないかと考えております。
 続きまして、物価高騰対策のうち、家計支援の中で低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金について答弁を申し上げます。
 この給付金の給付事業につきましては、令和5年4月の臨時議会におきまして予算の御議決をいただき、食費等の物価高騰の影響を受けている低所得の子育て世帯の方に、児童1人当たり5万円の給付を迅速に行うことができました。
 また、住民税非課税世帯等の方への支援金の給付につきましても、子育て世帯への追加支援として、扶養している児童1人当たり5万円の子供加算分の支給を令和6年2月20日から行っています。
 受給者の方からどういうお声をもらっているかということで、反応でございますけれども、生活費の足しになって大変助かっているとか、早く支給してくれて、子育て世帯のことについて考えてくれてありがたいというような言葉をいただいていると聞いております。
 なお、今後の方針についてでございますが、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金給付事業は国の施策でございまして、令和6年度の予定は現在のところ示されておりませんけれども、国が実施する場合には、迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、先ほどエールもいただきましたけれども、子育て支援につきまして頑張ってまいりたいと思っているところでございます。
 その他の御質問につきましては、担当よりお答えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○副議長(北畠克彦君) 仁科教育長。
◎教育長(仁科康君) 学校現場のマンパワーの増強についてのうち、学校現場の働き方改革の認識と今後の取組みについてでございますが、倉敷市教育委員会ではこれまで教職員の長時間勤務を解消するため、全小・中学校への教師業務アシスタント等の配置や、校務支援システムを活用した業務の電子化、行事の精選や簡略化など、様々な取組を行っておりますが、さらなる改善が必要な状況にあるとも認識いたしております。
 倉敷市教育委員会では、学校における働き方改革を推進していくためには、保護者や地域の方々の協力や理解を得て取り組むことが重要であると考えており、現在学校行事等の見直しや部活動の在り方、登下校の見守りなどのボランティア活動への協力依頼等の取組内容を紹介するチラシや動画等を活用して啓発を行っているところでございます。
 今後も、より一層働き方改革への理解を深めていただくため、PTA総会や学校運営協議会など、様々な機会を通して周知してまいります。
 次に、学校現場のマンパワー不足の現状認識と今後の倉敷市の取組みについてでございますが、倉敷市立学校におきましては、近年若い教員の増加に伴う産前産後休暇等の取得により、その代員の必要性は大きく増加をいたしております。また、業務の多忙さなどから、メンタルヘルスの不調を訴える教員もいることを認識いたしております。さらに、教員採用試験の志願者が減少している状況からも、新たな教員の確保が年々困難になっており、学校現場におけるマンパワー不足の一つの要因になっております。
 また、教員の配置は岡山県教育委員会が行うこととなっておりますが、近年、講師等の人材不足により、配置が追いつかない状況が続いております。倉敷市教育委員会といたしましては、今後も岡山県教育委員会に対して教員の配置を強く要望していくとともに、教員が心身ともに健康で生き生きと働くことができ、風通しのよい魅力ある職場づくりの取組を推進することで、人材の確保に努めてまいります。
 次に、不登校対策についての項目の倉敷市における不登校支援の基本的な考え方についてのうち、義務教育である小・中学校の学びの機会の保障についてでございますが、平成28年12月公布、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法では、基本理念として、全ての児童、生徒にとって魅力あるよりよい学校づくりを目指すことや、不登校児童・生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童・生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすることなどが示されております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、不登校児童・生徒には個に応じた学びの場が確保されるよう支援する必要があると認識いたしております。そのため、教室以外の学びの場として、別室指導の充実や適応指導教室、いわゆるふれあい教室の積極的な活用、ICTを活用した学習支援を推進し、一人一人の不登校児童・生徒への丁寧な支援に努めております。
 続きまして、倉敷市の今後の不登校支援についてでございますが、不登校児童・生徒には、学校へ登校することが難しいケースもあれば、保健室や教室以外には登校できるケースもあるなど様々な状況があり、不登校児童・生徒の居場所として、別室やふれあい教室の利用を含め、個々の児童、生徒に応じた支援をする必要があると考えております。
 そこで、自宅から外出できない児童、生徒への支援として、令和6年度より新たにふれあい教室においてオンラインによる対応を行う教育指導員3名を配置し、学校復帰や社会的自立に向けた支援ができるよう関係予算を本議会に計上させていただいております。
 倉敷市教育委員会といたしましては、従来の取組に加え、このふれあい教室でのオンラインによる支援を行うなど、今後も支援の充実に努めてまいります。
 次に、オンライン授業の早期実現についてのうち、オンライン授業についての倉敷市の取組みについてでございますが、倉敷市立学校ではこれまでコロナ禍において出席できなかった児童、生徒の学習機会確保のため、希望する児童、生徒を対象として、1人1台パソコンを活用したストリーミングによる授業配信を行ってまいりました。
 また、コロナ禍における実践を生かし、不登校児童・生徒を対象として、学校が児童、生徒や保護者と相談の上、授業支援ソフトを活用し、自宅にいる児童、生徒と教員との間で授業の情報を共有化するなど、オンラインを活用した学習支援を行ってまいりました。
 倉敷市教育委員会といたしましては、今後も不登校児童・生徒一人一人のニーズや実態が多様であることを踏まえ、学習支援の一つの方法として、より効果的なオンラインの活用について検証してまいりたいと考えております。
 次に、倉敷市が目指すオンライン授業についてでございますが、倉敷市教育委員会といたしましては、各学校でこれまで行ってきた授業のストリーミング配信やオンラインを活用した学習支援等の実践事例をさらに工夫し、非常時の対応の可能性について研究するとともに、今後もICT活用の推進に努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 子育て支援についてのうち、こどもの貧困対策・いじめ対策・自殺対策についてでございますが、令和5年12月に閣議決定されたこども大綱では、子供の貧困・いじめ・自殺対策について、いずれもこどもまんなか社会を実現するための重要事項に示されており、本市としてもとても大切な対策であると認識しております。
 子供の貧困対策については、就学援助や児童扶養手当の支給等による経済的支援や、貧困の連鎖防止や子供の生きる力を育むために子供に対する学習・生活支援を実施しているほか、保護者の生活の自立及び職業生活の安定と向上を目的として、就労に向けた支援、家計改善の支援及び独り親家庭の自立を支援する給付金の支給等を行っております。
 いじめ対策につきましては、本市では、平成31年4月に改定した倉敷市いじめ問題対策基本方針に基づき、学校が早い段階からいじめを積極的に認知することや、教師が一人で抱え込むことなく、組織で対応することなどにより、いじめの未然防止、早期発見、早期解決を図るよう取組を進めております。
 また、子供の自殺対策についても、倉敷市の学校では国の自殺総合対策大綱等に基づき、自分の心の状態を把握する力やSOSを出す力を育てる授業実施などを進めております。
 加えて、子供からの悩みや困り事を受け止め、必要な支援につなげるため、様々な悩みを抱えている子供が自ら相談できるよう、小学生へのこどもあいカードの配布やヤングテレホンなどの相談窓口を設け、子供のSOSをキャッチできるよう体制を整えています。
 本市の未来を担う子供たちが健やかに育っていくためにも、引き続きこうした様々な取組を通じて支援してまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策についてのうち、少子化対策専門部署の設置についてでございますが、本市では平成21年4月に子供政策の司令塔となる組織として子ども未来部を設置し、待機児童対策や子育てに関する相談、独り親への支援など、子ども・子育て支援政策を実施しています。
 また、他部局との情報共有やケース会議をはじめとして、綿密な連携を図り、必要な支援を行うことができる体制を構築しております。
 さらに、令和4年度からは子供、子育て、生活困窮など複合的な課題を抱える世帯への重層的な支援について、関係機関が連携して対応する体制を強化するため、保健福祉推進課内に福祉支援連携室を設置するとともに、令和5年度には母子保健と児童福祉の一体的な相談支援体制を構築しております。
 今後も引き続き関係部署との連携強化を図るなど、子供や子育てを取り巻く諸課題に対し、適切に対応してまいります。
○副議長(北畠克彦君) 渡邊企画財政局長。
◎企画財政局長(渡邊浩君) 出生数の将来推計と少子化対策についてでございますが、本市では出生数の将来推計は行っておりません。
 なお、令和3年3月策定の倉敷みらい創生人口ビジョンにおいて、市独自にゼロ歳から14歳の年少人口を含む将来の人口推計を行っており、この推計では、今後市の人口減少とともに、年少人口も減少する見通しとなっております。
 また、そうしたことを踏まえ、少子化対策について令和3年3月に策定した第2期倉敷みらい創生戦略を推進する4つの基本目標の一つに、結婚、出産、子育ての希望をかなえるを掲げ、これまで様々な取組を進めております。
 今後も、妊娠期からの切れ目のない相談体制の充実をはじめ、子育て支援に関する各種施策に力を入れていくことで、本市が安心して妊娠、出産、子育てができる活力ある都市として持続していけるよう取り組んでまいります。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) こどもまんなか応援サポーター宣言の推進方法についてでございますが、本市は国が推し進める子供真ん中の趣旨に共感、賛同し、令和5年8月にこどもまんなか応援サポーター宣言を行いました。
 また、本市の個人、企業、団体等の皆様にもサポーターとなっていただきたいと考えておりまして、広報紙や市ホームページなどでこどもまんなか応援サポーターの周知に努めているところです。今後も、より多くの皆様にサポーターになっていただけるよう、倉敷市公式アプリやイベントなどを活用して、周知、啓発に努めてまいります。
 次に、子供施策の展開方法についてでございますが、現在本市では全ての子供や子育て中の家庭を対象としたくらしき子ども未来プランを引き継ぐ計画として、令和7年度を初年度とする倉敷こども計画の策定を進めております。この計画をこども基本法に規定するこども計画として位置づけ、国のこども大綱を勘案するとともに、子供施策に関する関連計画と一体のものとして策定し、各施策を実施してまいります。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 早瀬教育次長。
◎教育次長(早瀬徹君) 物価高騰対策についてのうち、給食費の負担軽減についてでございますが、本市の学校給食費につきましては、1食の目安単価を小学校310円、中学校360円で設定しており、1か月20日分では小学生は1人当たり6,200円、中学生は1人当たり7,200円となります。
 倉敷市教育委員会におきましては、令和4年度及び令和5年度は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、各年度ごとに学校給食費のおおむね2か月分に相当する額について、保護者の負担軽減を行いました。このことについては、教育委員会の窓口やメールで、給食費の補助があり、とてもありがたいなどの声をいただいております。
 なお、令和6年度もこの交付金を財源とし、令和5年12月補正予算で関係経費の議決をいただいており、令和6年6月分の学校給食費の負担軽減を実施する予定としております。
○副議長(北畠克彦君) 別府文化産業局長。
◎文化産業局長(別府正樹君) エネルギー価格支援についてでございますが、今年度2期にわたり実施した中小企業者のエネルギー経費の負担軽減を図る省エネ設備更新補助金は、計1,466件の事前申込みがあり、抽せんの結果456件の交付決定を行いましたが、当選率は第1期、31.4%、第2期、34.8%と高い競争率となりました。
 また、電気・ガス価格高騰緊急経済対策補助金は、対象者の要件である1月の電気・ガス使用料金の下限額を前年度の10万円以上から5万円以上に緩和したこともあり、前回の約1.8倍となる2,413件の申請がありました。
 こうしたことから、これらの補助金は事業者から好評をいただいたものと考えております。
 次年度につきましては、今年度の国の地方創生臨時交付金を活用して次年度に繰り越す予算で省エネ設備更新補助金の第3期分を実施することとしています。
 次に、畜産飼料高騰対策支援金についてですが、市単独の補助事業として13の畜産農家を対象に1,376万1,000円を、県補助事業では11の畜産農家を対象に1,818万7,000円の助成金を支給しました。飼料価格が高騰している厳しい状況の中、畜産農家からは、従来の配合飼料価格安定制度による補填に加え、今回新たに市からの助成を受けられて本当に助かったといった感謝の言葉をいただいております。
 次年度につきましては、配合飼料価格の動向を注視し、県と情報共有しながら支援の必要性を検討してまいります。
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