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薮田 尊典 議員
令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会) 3月4日(月) 本会議 質問
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内容
会議録
令和6年第2回倉敷市議会(第1回定例会)
3月4日(月) 本会議 質問
公明党倉敷市議団
薮田 尊典 議員
1 用水路転落防止対策について
2 健康長寿のまち倉敷市について
3 「保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷で」について
4 公共施設および市営駐車場の有効活用について
◆14番(薮田尊典君) (拍手) 皆さんこんにちは。公明党倉敷市議団の薮田 尊典でございます。
今議会では、4項目にわたり通告をさせていただいております。最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして進めさせていただきます。
初めに、用水路転落防止対策について5点お伺いいたします。
この問題は、発生から10年たちますので、過去の経緯も踏まえ進めさせていただきます。
議長のお許しをいただいて準備した資料1を御覧ください。
岡山県では、平成25年から平成27年にかけて用水路等への転落事故が1,143件発生し、79名もの貴い命が失われました。これは、全国における用水路転落死亡事故で最も多い数を記録する悲しい結果となりました。
この問題を取り上げたのは、県外から赴任してきた倉敷中央病院の救急科専門医の市川医師でございます。市川医師は、岡山県における用水路への転落による救急搬送の多さに驚き、その背景には、岡山県特有の地形や環境が関係していると指摘しました。この問題について、私を含む公明党岡山県本部青年局は、市川医師に現状と問題について話を伺いました。市川医師によると、地元の人々は、安全柵や蓋のない用水路の多さを異常とは思わず、逆に県外からの来訪者は、これに違和感を抱くことがあったと言われておりました。
これは、岡山平野の地理的特徴と歴史的背景に起因するとされております。瀬戸内海に面した岡山平野は、高梁川や旭川などの河川によって形成された沖積平野であり、江戸時代以降、新田開発によって稲作地帯が広がりました。近代に入り、児島湾の干拓により水田地域が拡大し、農業用水を供給する用水路が整備されましたが、近年の宅地開発に伴い、用水路に囲まれる町並みになりました。その結果、倉敷市においても、同期間の3年間で468件の転落事故が発生し、25名の市民が亡くなられています。
これまでに、この問題に対する私の質問は6回目となり、本市も、岡山県用水路等転落事故対策ガイドラインに沿って令和元年より市内の危険箇所約2,000か所を抽出し、現在まで約1,800か所の対策が進んだと、先日の答弁を聞かせていただきました。私も市内を車で走ると、あちらこちらの新たに設置されたガードレールを見るたびに、用水路転落事故防止対策の取組の進捗を肌で感じております。
そこでこの項1点目、令和5年の用水路転落事故の現状について。
本市では重点対策として、これまでに約9億円以上を投じ、用水路転落防止対策を行ってきました。また、令和6年度も交通安全施設整備事業で2億9,252万円を上げられ、このうち重点対策費として1億2,800万円が使われると伺いました。この結果、救急出動件数は減少傾向が見られます。
そこでお伺いいたします。令和5年の用水路等への転落による消防の出動件数と死亡者数、年齢層についてお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 令和5年の市道から用水路等への転落による消防の出動件数は90件で、そのうち亡くなられた方は8名となっております。
転落された方の年齢層については、65歳未満の方が48%、65歳以上は52%です。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 再質問させていただきます。もう少し詳しく、10代、また20代の割合も教えていただければと思います。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 10代は8%、20代は9%となっております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 10代が8%、20代が9%と。10代であれば、小学校児童や中学校生徒でありますので、通学路の対策も早急に行っていただくことを要望させていただきます。私の地域の小学校通学路も、最近ようやくきれいにガードパイプが設置されました。保護者の方も大変に喜んでおりますので、通学路はとにかく早く設置していただきますよう、これは要望させていただきたいと思います。
この項2点目、用水路転落防止対策の進捗状況について。
伊東市長には、これまでの用水路転落事故防止対策を着実に行っていただきました。令和元年より市内の危険箇所約2,000か所を抽出し、先日の答弁では約1,800か所の対策を行っていただきました。ありがとうございます。
次に、資料2を御覧ください。
用水路転落防止対策の設置例です。①が転落防止柵のガードパイプの設置で、②と③が視線誘導標で、ポールタイプと反射板の対策があります。
そこでお伺いいたします。令和2年度までに抽出した約2,000か所の危険箇所について、整備を予定している総延長についてお伺いいたします。また、令和5年度末までに整備を見込む箇所数を答弁いただいておりますけれども、転落防止柵と視線誘導標のそれぞれの延長の距離をお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 本市が、岡山県の用水路等転落事故対策ガイドラインに基づき抽出した、用水路等へ転落する危険性の高い約2,000か所の総延長は約130キロメートルです。そのうち、今年度中に約1,800か所、延長約105キロメートルの整備が完了する見込みで、その内訳は転落防止柵が約30キロメートル、視線誘導標が約75キロメートルとなっております。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 危険性の高い約2,000か所、総延長は約130キロメートルで、現在、転落防止柵、ガードパイプの設置は約30キロメートルと視線誘導標が約75キロメートルとの答弁でございました。全体の3割弱が転落防止柵、ガードパイプの設置で、7割が視線誘導標との答弁でございました。
転落防止対策には、転落防止柵、ガードパイプの設置が一番効果的でございますが、しかし、全てを行うのは、予算的にも現実的ではありません。有効なハード面とソフト面のバランスの取れた対策を行わなければなりません。
そこで、この項3点目、用水路等転落事故防止対策連絡会議について伺います。
令和5年は11月に第6回目の倉敷市用水路等転落事故防止対策連絡会議が開催されました。また、そのほかで令和5年12月までに作業部会を17回開催されております。主な議題内容といたしまして、消防の緊急出動データの分析、分析結果に基づく有効な対策、ハード面とソフト面の検討、ソフト面の具体的な連携方法や実施方法の検討が行われたと思います。
そこでお伺いいたします。会議内で共有している課題やその解決策など、どのような議論が交わされているのか、お聞かせください。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 本市では、転落危険箇所等の情報共有や、その注意喚起などを含めた総合的な転落防止対策を推進するため、平成28年10月に警察、消防、道路管理者等の17の関連部署で構成する倉敷市用水路等転落事故防止対策連絡会議を設置し、現在までに全体会議を6回、作業部会を17回開催しております。
会議の中で現在共有している課題として、事故の件数が減少傾向である一方で、高齢者による事故の割合が上昇傾向であることが上げられ、より効果的に高齢者に対し注意喚起する方法について議論しております。その結果、警察と連携しての広報車による呼びかけや多くの高齢者が集まる憩の家などでのチラシの配布、広報くらしきへの掲載のほか、市の公式SNSを活用して家族・友人間で危機意識を共有できるような、転落事故の注意喚起を行っているところです。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 高齢者の事故の割合が上昇傾向であることから、高齢者の意識啓発が最重要となります。有効な対策を今後ともよろしくお願いいたします。
この項4点目、豪雨による用水路氾濫が原因で起こる用水路転落事故を防ぐための今後の取組について。
もう一度資料2を御覧ください。
④は用水路氾濫による写真であります。私は、町内会で防災会長を務めており、毎年実施している避難訓練では、初めに公園に集合し、その後、点呼を取らせていただき、次に小学校の体育館まで歩いて避難いたします。このときに町内の危険箇所を参加者全員で洗い出し、対策を実施しております。当初、町内の用水路には、③の反射道路びょうのみを設置していましたが、豪雨災害時には用水路との境界が見えにくいという意見がありました。そのため、より視認性の高い背の高いポール、デリネーターに変更してもらいました。豪雨時の避難をも想定し、用水路転落事故防止対策を強化する必要があると考えます。
そこでお伺いいたします。豪雨による用水路の氾濫で道路との境界が不明確となる箇所については、反射道路びょうではなく背の高いポール、デリネーターに見直すか、反射道路びょうとデリネーターを併用して、境界を視認しやすくすべきと考えますが、市の見解を伺います。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 本市では、用水路転落防止対策の工法選定について、道路幅員、水路の構造など、設置条件や地域の実情に詳しい農業土木委員や隣接地権者等の御意見を伺いながら、転落防止柵や背の高いポール、いわゆるデリネーター、反射道路びょうなどの視線誘導標を設置しております。
豪雨による用水路の氾濫により道路との境界が不明確となる箇所で、既に反射道路びょうが設置されている箇所につきましては、農業土木委員や隣接地権者等の合意が得られる場合には、背の高いポールの設置を検討してまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 用水路転落防止対策は、豪雨による用水路の氾濫にも有効でございます。そのため、反射道路びょうのみで対策している場所には、先ほども答弁いただきました、より目立つ背の高いデリネーターを設置し、豪雨災害にも備えていただければと思います。ありがとうございました。
この項5点目、転落事故防止に向けた今後の取組について。
転落事故を防止するためには、有効なハード対策やソフト対策の取組と、市民一人一人の意識の向上が重要と考えます。今後の市の取組についてお聞かせください。
○議長(中島光浩君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 用水路等への転落事故防止につきましては、危険性の高い箇所への転落防止柵の設置を早急に進めるとともに、ソフト対策にも取り組む必要があると考えております。
具体的には、関連部署と連携した広報車両による広報活動、SNSを活用した啓発活動を行っており、今年度からは新たに小学生による啓発ポスターコンクールの実施などの取組により、市民一人一人の意識向上を図っているところです。
今後も、ハード・ソフト対策により用水路等への転落事故防止対策を推進してまいります。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 今年度から小学生を対象に啓発ポスターのコンクールを実施するなど、市民の意識向上の取組にも期待させていただきたいと思います。今後も効果的なハードとソフトの両面からの対策を通じて、市民の命を守るための取組を進めることをお願いし、次の質問へ移らせていただきたいと思います。
○議長(中島光浩君) 薮田 尊典議員、この際申し上げます。
質問の途中ですが、ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。
午前11時59分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~
午後 1時 1分 開 議
○副議長(北畠克彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
14番 薮田 尊典議員、質問項目2番から再開してください。
◆14番(薮田尊典君) それでは、2項目めに移り、健康長寿のまち倉敷市について3点伺います。
この項1点目、国保特定健診の受診率について。
日本が高齢社会を迎える中、市民の健康寿命を延ばし、医療費を削減することは非常に重要な課題です。特に国保特定健診は、高リスク群を早期に発見し、疾患の予防や進行を抑制するための重要な取組です。
本市は、平成29年度で23.9%の受診率で、中核市の中でもワースト3位の受診率となっていましたが、令和2年度からは国保特定健診の自己負担が、伊東市長の英断によりまして2,000円から500円、ワンコインに軽減されました。しかし、この措置にもかかわらず、コロナの影響もあったと思いますが、全国の中核市の平均35.8%や岡山県の平均31.5%に比べて本市の受診率は、依然低い状態が続いております。
そこでお伺いいたします。令和4年度の国保特定健診の受診率の状況をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 本市の令和4年度における国保特定健診の受診率は27.1%であり、前年度と比較して0.2%上昇しております。
本市の受診率は、コロナ禍で全国平均や岡山県平均の受診率が低下した際にも継続して向上している状況でございまして、平成30年度からは5.6ポイント上昇しております。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 27.1%と、徐々にではございますが、上昇しているのは確認できましたが、全国中核市の平均35.8%や岡山県平均の31.5%には、まだまだ届かない状況が続いていると思います。
それでは、この項2点目、受診率向上への取組について。
倉敷市として、受診率向上の取組は喫緊の課題でございます。
そこでお伺いいたしますが、受診率向上のための新たな取組は検討しているのか、伺います。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 令和6年度の受診率向上の取組といたしましては、AIを活用いたしました受診勧奨通知ということで、新たに前年度の受診医療機関や時期も印字したりなど、より効果的な受診の動機づけを図っていきたいと思っております。
また、本年度対象者を大幅に増やして実施いたしております、通院中の特定健診対象者の検査結果を、本人の同意の下、医療機関から協力いただき御提供いただくみなし健診、これも受診率の中にみなされるということでございまして、これは昨年度が452件であったものが、今年度は2月末で1,229件と、御本人の同意と、それから医療機関の御協力もいただきまして、大幅に件数も増加しており、受診率向上への効果も大きいと思っておりますので、医療機関との協力体制を一層強化していきたいというふうに思っております。
全体といたしまして、これまでに実施しております様々な受診勧奨と併せまして、国保特定健診の受診率向上に引き続き努めてまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) みなし健診が、昨年度に比べて大幅に増えたということで、これはもう来年度の受診率が上がるというふうなことで、期待させていただきたいと思います。
そこで、受診率向上に向けたインセンティブの導入について要望させていただきたいと思います。
1月22日から、保健福祉委員会として鹿児島市を訪れ、健康診査を受診した人への保健指導事業及び国民健康保険特定健診の受診率向上策について調査をさせていただきました。鹿児島市では、受診率向上に向けたインセンティブとしてトク得クーポンを提供することで、市民の受診率向上を図っておりました。
このクーポンは、特定健診を受診した市民に対し、フィットネスクラブの無料体験、オリジナルグッズプレゼント、無料ドリンクなどの特典を提供しています。提供される特典は、地域の店舗が任意で協力しており、市の持ち出しはないインセンティブとなっていました。鹿児島市のような取組を提案しようとしましたが、複数の局を横断しておりますので、今後は伊東市長の下、トップダウンで検討することを、今回は要望させていただきたいと思います。
この項3点目、特定健診の無償化について。
東京都健康長寿医療センターによる研究では、横浜市国民健康保険の特定健診を対象に、無償化による受診行動の促進効果を検討しました。2015年から2018年までの特定健診の受診率は、それぞれ21.2%、20.2%、21.1%、24.0%であり、無償化前の2017年度と比較して2018年の無償化実施後には、受診行動が16.7%促進され、受診確率が1.167倍に高まったことが分かりました。
そこでお伺いいたします。受診率向上のために、特定健診にかかる自己負担額をゼロにする無償化について、本市の考えをお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 辻保健福祉局参与。
◎保健福祉局参与(辻一幸君) 本市の特定健診の自己負担額は、先ほど議員から御紹介いただきましたが、令和2年度から、それまでの2,000円をワンコインの500円に引き下げたところ、受診率は前年より2.1ポイント上昇いたしましたが、その後は、上昇が鈍化してきているところでございます。
自己負担額の無償化につきましては、現在国が推進している保険料水準の統一化の検討の中で、共同保険者である岡山県を中心に、県内各自治体と健診の自己負担額の無償化や健診項目について議論を行っているところでございます。
なお、自己負担額を無償化した場合には、国民健康保険財政の負担が増加し、被保険者の保険料負担増にもつながることから、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 無償化にするということで、年代別及び課税区分による分析をしたところ、もともと受診率が高い高齢者層や所得が一定水準以上の課税者ほど、無償化による受診促進効果が大きかったことが明らかになっております。しかし、この結果は、無償化によって受診格差が拡大しているとも言われております。受診率向上に有効な自己負担額の在り方については、引き続き検討をお願いし、次の質問に移らせていただきます。
3項目めに移り、「保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷で」について4点お伺いいたします。
この項1点目、離職防止対策研修会について。
この項については、今議会の提案理由説明の中でも、市長が触れられている「保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷で」について伺いたいと思います。
保育士などの現場の先生たちの前でも伊東市長がよく口にされている保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷でというキャッチフレーズは、現場の先生方にとっては、伊東市長が保育士等を大事にされているということで、非常に勇気づけられるということをよく聞かせていただいております。
私自身、現在、園等で働いている職員の皆様を非常に大切にされている倉敷市の取組については、非常によいことだと思っております。これまで我が会派からも、倉敷市が現場の先生を大事にされていることに関して、よく質問させていただき、答弁をいただいております。その答弁を振り返りますと、その中心となる倉敷市保育士・保育所支援センターが設置されて、早いもので来年度で10年となります。生水副市長自身が、保育士確保のために設立に関わり、10年もの間、継続実施していることは非常によいことだと思っております。
そこでお伺いいたしますが、保育士・保育所支援センターが設立時から、特に力を入れられている離職防止対策研修会について、今年度の内容や参加者数などどのようになっているのか、また今後どのような展開をしていくのか、伺います。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 平成27年に、本市が全国で初めて離職防止対策に力点を置いて設置しました保育士・保育所支援センターでは、設置当初から、参加者を高梁川流域連携中枢都市圏内の保育士等も対象とすることとして、離職防止を目的とした交流研修や保育現場で活躍する保育士の要望に沿った研修会等を実施しており、令和4年度は42回の交流会や研修会等を実施し、高梁川流域自治体を含む公立、民間の725名の保育士等の方々の参加がございました。令和5年度も、様々な交流会や研修会等を企画し、この1月までで45回の開催、869名の参加をいただき、年々実施回数と参加人数が増加しており、令和6年度も現場の保育士等に寄り添った内容で研修等を予定しております。
さらに、高梁川流域の各自治体から、現場の保育士がより参加しやすいように各自治体での出前研修の依頼を受け、令和5年度は新見市や浅口市での出前研修を実施し、令和6年度も新見市や浅口市、高梁市での出前研修を予定しております。また、倉敷市保育士・保育所支援センターの取組は、国の保育の現場・職業の魅力向上検討会の優良事例として取り上げられたほか、令和5年7月に実施された全国市町村国際文化研修所主催の保育士・幼稚園教諭のための保育行政の研修の中で、事例紹介を行いました。
このように、現場の保育士を大事にしたいという倉敷市保育士・保育所支援センターの取組は、本市にとどまらず、高梁川流域の各自治体や全国へと広がりを見せているところであり、保育士や幼稚園教諭になるなら倉敷でとなるよう、引き続き保育士・保育所支援センターの事業の継続と充実に取り組んでまいります。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 倉敷市はとても胸を張れる、そのような取組ということを理解させていただきました。
こども誰でも通園制度の実施など、今保育士の先生など、現場の職員の皆様を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。ぜひ今後も、現場の先生を大事にしていただく取組を継続して実施していただきたいと思います。
この項2点目、市内の高校から市内の養成校へ進学するための取組について伺います。
全国的な保育士不足の中、倉敷市内には、保育士や幼稚園教諭の養成校が5校あります。例えば、福山市などは2校しかありませんし、近隣の自治体を見ても、これだけ恵まれた環境はないと思います。しかしながら、少子化の中、県内でも養成校が新規の募集を停止するなど、学生確保に非常に苦慮されています。養成校自体に学生が集まらなければ、養成校から卒業する保育士や幼稚園教諭もいなくなり、保育士や幼稚園教諭不足に拍車がかかります。
これまでの答弁の中でも、倉敷市は、保育士・保育所支援センターが高校へ出前授業に行くなど、高校生向けに保育士等の仕事の魅力をPRされています。さらに、市内の高校から市内の養成校へ、そして市内の養成校から市内の保育園等へという流れを創出されています。
そこでお伺いいたします。各養成校も学生確保に苦慮されていると聞いている中、市として、市内の高校から市内の養成校へ進学を促進するためにどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 市内の高校から市内の保育士養成校へ進学することを促進する取組として、これまで保育士の魅力をPRするため、高校への出前授業や、高校生が実際に保育園等を見学することなどを継続実施しており、授業を受けたことをきっかけとして市内の養成校へ進学した方も多くおられます。
さらに、今年11月から市内に5校ある養成校の強みを生かし、倉敷市における保育士、幼稚園教諭等の人材不足の解消のため、また市内の高校から養成校への進学を促進し、市内就職者の増加を図ることを目的に、倉敷市指定保育士養成校連絡協議会を設置し、養成校との連携強化の事業に取り組んでおります。この事業の一環としまして、この1月には、将来保育士などを目指す学生が多い高校を対象に市内の養成校を巡るバスツアーを実施し、参加した高校生からは、将来の参考になったと非常に好評でございました。
今後も、このような事業を継続していくとともに、倉敷市指定保育士養成校連絡協議会との連携を強化し、市内の養成校の魅力を高校生へ積極的にPRし、市内の高校からの進学率が向上するよう努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 市内の高校から市内養成校へ進学し、市内の保育園等の施設へ就職を促進することは、保育士不足の解消にとどまらず、よその自治体へ進学したり就職したりすることで若者が流出し、倉敷市自体の人口減が進むことにも歯止めがかかる取組だと思います。今後も積極的に市内の高校へ出向いていただき、市内の養成校の魅力をPRし、進学率向上へとつなげていただきたいと思います。
それでは、この項3点目、市内の施設への就職促進について伺います。
今回、新聞報道等による県の事業で、県内全域を対象に保育園の就職説明会を実施すると言われていますが、倉敷市は、長年、市内の保育園向けの就職ガイダンスを実施していると聞いております。先ほどの質問からもつながりますが、せっかく市内の養成校への市内からの進学率が向上いたしましても、市内の保育園等へ就職が促進されなくては、意味がございません。
そこでお伺いいたします。長年、就職ガイダンスを実施することで、ガイダンスそのものの周知が進み、市内の保育園等への就職促進へとつながると思いますので、今はどのような取組を実際に行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 藤原保健福祉局長。
◎保健福祉局長(藤原昌行君) 市内の保育園等への就職促進のため、平成22年から、市内の認可保育園等の全園が加盟する倉敷市民間保育所協議会と倉敷市が共催で、倉敷市民間保育所ガイダンスを開催しております。
保育士の確保が非常に難しくなってきたことを受け、平成29年からは年1回開催から年2回開催へ、さらに平成30年からは年3回開催へ回数を増やすとともに、市内だけでなく県内の保育士養成校を訪問し、ガイダンスの開催を積極的にPRし来場を促しております。さらに、保育士・保育所支援センターの開設を契機に、ガイダンス等で配布する採用情報冊子の作成や、ホームページを更新し、スマホ等を活用した情報発信用の登録サイトの作成を行うなど、ガイダンス来場促進への工夫を重ねるとともに、市内の保育園等で採用実績のある県外の養成校へも積極的に訪問し、ガイダンスのPRに努めております。
先月24日にもガイダンスを開催し、県内だけでなく県外からも来場いただき、参加した学生などからは、大変参考になった、倉敷市の園へ就職したいなどと、市内の施設への就職促進へつながっています。
今後も、より多くの方にガイダンスへ来場いただく工夫を重ねていくことで、市内の保育園等への就職促進へつながるよう努めてまいります。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 倉敷市内に就職したいと、そのような声があるというのは、とてもすばらしいことと思います。長年、倉敷市民間保育所協議会の皆様が様々な工夫を凝らしながら実施している事業ですので、今後も引き続き多くの学生が来場する仕組みを市としてもバックアップしてくださればと思いますので、よろしくお願いいたします。
この項4点目、今後の取組について。
倉敷市保育士・保育所支援センターが継続的に、また発展的に各種の取組を実施してくださっていることは分かりました。さらに、今後への取組として、倉敷市は、創立50周年を迎えられた倉敷市保育協議会という、民間、公立が一緒に保育の質の向上を目指す、全国的にもまれなすばらしい取組をされていると聞いております。なかなか、全国的に公立と民間が一緒に何かをすることはあまりないことだと思っていますし、それが50年の歴史を重ねたことは、全国に誇れることではないかと思います。
そこでお伺いいたします。今後、この倉敷市保育協議会と倉敷市保育士・保育所支援センターが協働で倉敷市の保育の質の向上に向けた取組を行うことで、保育士確保にもつながると思いますが、市の考えをお伺いいたします。
○副議長(北畠克彦君) 伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 今後の取組についてでございますけれども、今御紹介のありました倉敷市保育協議会でございますが、これは、倉敷市内の保育園等が民間と公立、両方が一緒になりまして、よりよい保育を目指してお互いに研さんやいろんな意見交換、一緒に研修したりということで、全国でも他に類を見ないすばらしい取組だというふうに考えております。それも昭和47年の創立で、50年以上の歴史ということで、その時代時代に合った研修を通じまして、情報や技術的なことを持ち寄ったり共有することで、その時代時代の保育園等が直面する課題の解決にみんなで取り組んできているという、本当に歴代の園の方々、もちろん市の職員も一緒に取り組んでおりますので、こういう素地があるということは、我々の保育の質の向上、それから体制の強化ということに大きな意味があるというふうに思っております。
また、御紹介いただきました保育士・保育所支援センターでは、保育士等に寄り添った交流研修などの実施を通じまして、離職防止対策等にも成果を上げているところでございます。
今後につきましては、この2つの組織の協働はもちろんのこと、倉敷市保育協議会は、倉敷市内の民間保育園等の全園が加盟しております倉敷市民間保育所協議会、もちろん公立のところ、そして学校法人立の幼稚園等の全園が加盟しておられます倉敷市私立幼稚園協会とも、今以上にしっかり協働しまして、各団体が長年培ってきた貴重な経験、豊富な知見を持って、全体として倉敷市の子供たちのために、さらなる保育の質の向上に向けまして、また保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷でということが進んでいきますように、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 本当にすばらしい取組でございますので、今後も継続していただきたいと思います。
倉敷市は、民間、公立の差をつくらないというよい伝統があります。ぜひとも、この民間と公立の協働の輪を広げていただき、倉敷市の子供たちのため、さらなる保育の質の向上につながるよう取組に努めていただきたいと思います。
今回の答弁のような取組をこれからも継続していただきまして、保育士・幼稚園教諭になるなら倉敷でがより多くの方に周知が進み、さらに市内の高校から市内の養成校へ、市内の養成校から市内の保育園等への就職が進み、市内の保育園等が全国で一番子供と先生の笑顔あふれる場となるように、今後も取り組んでいただくことをお願いいたしまして、この項の質問を終わります。
最後の項、4項目めに移り、公共施設および市営駐車場の有効活用について2点お伺いいたします。
2020年10月、日本は2050年のカーボンニュートラルを宣言し、2030年度には2013年度比46%の温室効果ガス削減を目指すと発表いたしました。この目標に向け、太陽光発電の導入が重要です。倉敷市も令和3年6月にゼロカーボンシティへの挑戦を表明し、太陽光発電や電気自動車への助成など多岐にわたる取組を進めています。令和5年9月末で住宅用太陽光発電パネルは2万2,363件に達しまして、全国で第8位、中核市では第1位です。しかし、公共施設の駐車場に太陽光発電を導入する動きはまだありません。環境省は自家消費型太陽光発電の推進を図っており、これを公共駐車場にも適用し、CO2削減と防災性向上につなげる提案をいたします。
それでは、この項1点目、公共施設の駐車場を活用したソーラーカーポートの設置について。
倉敷市公共施設個別計画に基づき、倉敷・水島・児島地域で複合施設が整備されますが、環境省が推進する公共施設の駐車場への太陽光発電の施設導入について、本市の見解をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦君) 杉岡企画財政局参与。
◎企画財政局参与(杉岡知裕君) 新たな複合施設の整備に当たりましては、将来世代にわたる財政負担の平準化を図るため、公共施設等適正管理推進事業債など交付税措置のある地方債を活用し、財政負担の軽減に努めることとしております。
公共施設等適正管理推進事業債を活用するためには、複合化後の施設の延べ床面積が、複合化前の対象施設の合計よりも縮減することが条件とされております。また、施設総量の適正化の観点からも、延べ床面積の増加要因となるカーポート設置については難しいと考えております。
なお、複合施設の整備に当たりましては、ゼロカーボンシティ実現に向け、ZEB(ゼブ)や再生可能エネルギー、省エネ設備等を導入する方向で現在検討しているところでございます。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) ソーラーカーポートの設置については、延べ床面積が増加するという部分で、公共施設等適正管理推進事業債が使えないというふうな答弁でございました。複合施設の整備に当たりましては、ゼロカーボンシティ実現に向けて、ZEBや再生可能エネルギー、省エネ設備等を導入し、市民から倉敷市が太陽光発電を積極的に導入していると感じられる複合施設をよろしくお願いいたします。
この項2点目、駐車場の増設について。
倉敷市民会館は1,900人収容可能でございますが、以前は無料で倉敷市民会館駐車場として使われていました。現在は、市営美観地区東駐車場として運営されていますが、イベントやコンサート時は駐車スペースが不足しているのではないかという声があります。
そこでお伺いいたします。観光シーズンなど駐車場の混雑緩和のために、立体駐車場の整備を検討する必要があると考えますが、本市の見解をお聞かせください。
○副議長(北畠克彦君) 亀山建設局長。
◎建設局長(亀山貴之君) 市営美観地区東駐車場は、収容台数が148台ありますが、倉敷市民会館でのコンサートなどの開催時には満車状態となることが多くあります。一方で、平日やイベントがない休日には、駐車台数に余裕がある日が多く見られ、観光シーズンなどには中央駐車場や美観地区南駐車場が満車状態となるため、空きのある美観地区東駐車場等へ誘導しているところです。
市営美観地区東駐車場の増設につきましては、美観地区周辺駐車場の設置状況やその需給バランスの見通しなどを考慮しながら、また中央図書館等の跡地利用の方針なども踏まえて検討する必要があると考えております。
○副議長(北畠克彦君) 薮田 尊典議員。
◆14番(薮田尊典君) 伊東市長が推進いたしますMICE(マイス)誘致推進事業により、全国から会議や報奨旅行、また国際会議や展示会が倉敷市で行われることが予想されております。ビジネスイベントや国際会議は参加者が多く、一般の観光旅行に比べて大きな消費額をもたらすため、経済的な波及効果が見込まれております。中央図書館等の跡地利用方針を踏まえ、駐車場の問題解決についても検討を進めていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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